学術情報委員会(第2回) 議事録

1.日時

平成25年5月17日(金曜日)13時00分~15時00分

2.場所

文部科学省3F1特別会議室

3.出席者

委員

西尾主査、羽入主査代理、上島委員、加藤委員、喜連川委員、倉田委員、後藤委員、斎藤委員、竹内委員、辻委員、土方委員、美馬委員、山口委員、吉田委員

文部科学省

(科学官)美濃科学官
(学術調査官)市瀬学術調査官、宇陀学術調査官
(事務局)下間情報課長、長澤学術基盤整備室長、その他関係官

オブザーバー

安達国立情報学研究所副所長

4.議事録

【西尾主査】  それでは、時間がもう来ておりますので、ただいまより第2回学術情報委員会を開催いたします。
 本日は、前回お伝えしたとおり、教材や講義あるいは蔵書など、学術情報の電子化に対して積極的に取り組んでおられます奈良先端科学技術大学院大学と慶應義塾大学から事例を紹介していただき、この課題に対する理解を深めることにしたいと思います。
 その後、これまで委員から頂いた御意見を踏まえ、審議の取りまとめに向けた議論を行いたいと考えております。
 それでは、事務局からまず、本日御説明いただきます先生方を紹介していただきたくお願いいたします。

【長澤学術基盤整備室長】  それでは、御紹介させていただきます。
 奈良先端科学技術大学院大学の藤川総合情報基盤センター教授でいらっしゃいます。

【藤川NAIST総合情報基盤センター教授】  藤川です。よろしくお願いします。

【長澤学術基盤整備室長】  それから、慶應義塾大学の前作業部会委員でおられました田村メディアセンター所長でございます。

【田村慶應義塾大学メディアセンター所長】  田村でございます。よろしくお願いいたします。

【長澤学術基盤整備室長】  それから、オブザーバーとして、国立情報学研究所の安達副所長にも御出席をいただいております。

【安達国立情報学研究所副所長】  お願いいたします。

【長澤学術基盤整備室長】  以上でございます。

【西尾主査】  それでは、事務局より、配付資料の確認及び傍聴登録等について報告をお願いいたします。

【長澤学術基盤整備室長】  本日の配付資料でございますけれども、お手元の議事次第のとおりでございます。配付資料につきましては、資料1から4まで、参考資料といたしまして第2期教育振興基本計画の抜粋、それから、机上資料といたしまして、冊子、オレンジ色のものから3つ、審議会等の答申等の資料、それから、前回の資料につきましてはファイルにとじさせていただいてございます。漏れ等ございましたら、お申出をいただければと思います。
 それから、本日の傍聴登録につきましては、29名の方に登録を頂いておるということでございます。
 以上です。

【西尾主査】  どうもありがとうございました。
 資料の抜け等ございましたら、またお知らせいただければと思います。
 本日の審議に先立ちまして、本委員会の審議の進め方について、委員の先生方に前回説明は行いましたけれども、もう一度確認をさせていただくべきところがございますので、まず初めに、事務局より御説明をしていただきたくお願いいたします。

【長澤学術基盤整備室長】  本委員会の審議の進め方につきましてもう一度御説明させていただきたいと思います。
 前回、資料5で学修環境の充実に関するもの、それから、資料6で情報ネットワークの整備に関するものの説明をさせていただきましたけれども、これらにつきましては、事柄としては関連いたしますけれども、審議のまとめとしては別に考えています。
 学修環境の充実につきましては、前進の作業部会の方で取りまとめました国際発信・流通力強化に向けた基盤整備の充実についての補完的な役割として、残りの期間を利用してその在り方を検討するということで、追加的に発信するということにしたところでございます。そういう関係もございますので、この引き継いだまとめを、早急に考え方を夏頃までにお示しさせていただいて発信すると。それから、その後、本委員会のメーンの審議事項となりますアカデミッククラウド等の推進に必要な環境整備とそのための次期SINETの在り方についての審議をすることを想定しておりますので、それぞれ別でまとめて対応するということにしておりますので、その辺について御承知おきいただければと思います。よろしくお願いいたします。

【西尾主査】  今の長澤室長の御説明に関しまして、何か御質問はございますか。
 御説明いただいたようなプロセスで今後の審議を行いたいと思っております。したがいまして、まず夏頃までをめどに、前身の作業部会からの引継ぎ事項である学修環境の充実について審議を深め、それについて情報発信を行った後に、情報ネットワークの整備の審議を行っていくということでございます。それらは本来、両方ともお互いに関係がないということではないのですけれども、我々の情報発信の仕方として、まず前回の作業部会での引継ぎ事項について十分なまとめを行って情報発信をします。その後で情報ネットワークの整備等について議論を進めていくということでございます。どうかよろしくお願いいたします。
 それでは、議事次第のとおり、まず奈良先端科学技術大学院大学の藤川先生より、電子図書館システムについて、20分間程度で御紹介いただき、その後質疑応答をさせていただきたいと思います。
 藤川先生、今日御多忙のところをこの会議に御参加いただき感謝いたしております。どうかよろしくお願いいたします。

【藤川NAIST総合情報基盤センター教授】  よろしくお願いいたします。
 済みません、1週間ほど前よりのどを痛めまして、ちょっとお聞き苦しいかもしれませんが、20分程度ということですので御容赦いただければと思います。
 それでは、奈良先端科学技術大学院大学の電子図書館の、まず最初は歩みと、それから、今現在取り組んでおります講義アーカイブシステムの概要についてお話しさせていただきたいと思います。本日のスライドの中身を説明させていただきます。
 奈良先端大は、開学して20年そこそこたちます。開学当初よりプロトタイプとして電子図書館システムを作ってきております。第1世代、第2世代とこういうふうに書いておりますけれども、4年で一サイクルのシステムデザインをするということで、第1世代、第2世代ということをやっております。
 もともとは授業アーカイブという、講義をアーカイブするという発想はなくて、学術雑誌をスキャンしていってPDFで電子化していくということをやってきましたが、第3世代辺りから各出版社が電子ジャーナルという形で出してくることが多くなってきましたので、その役割は終わったというふうに考えまして、許諾が得られたものだけを電子化していくというのはまだ現在も続けているんですけれども、今現在は、我々の大学の情報発信という意味も込めまして、授業を撮っていきましょうということをやっております。それが第4世代、第5世代ということでやってまいりました。第3世代の後半ぐらいからやっているんですけれども、最後に、本日、事前の資料ではお出ししていなかったんですが、アクセス履歴等もちょっとお見せしたいと思います。
 もともとは、先ほど申し上げましたけれども、電子化をするということが目的だったんですが、教職員、学生が24時間どこからでも使えるという電子図書館を目指そうと考えてきました。ただ単に雑誌、図書を電子化するんではなくて、新しいメディアを取り込む。先ほど申し上げましたが、授業を撮るというのはどういうことをしているかといいますと、しゃべっている状況を映像に撮りまして、それを保存して公開しているということなんかをやっております。
 それをやるのに、新たな技術を取り込むというんじゃなくて、皆さんが使える環境でやっていかないといけないということで、インターネットで閲覧できる、ウエブで閲覧できる、それから、フォーマットは一般のものを使いましょうということで、文書フォーマットはPDF、それから、映像フォーマットはRealとかFlashといったものを使っております。我々自身が新たに開発するということもありまして、業者の方といろいろお話しをしまして、UNIXベースでやるのがいいのではないかということで、UNIXベースのシステムを入れております。
 今のところ、蔵書を電子化している部分は、論文誌、それから、研究会の報告、それから、学術雑誌で大体180タイトルございます。これは従来よりやってきたものを含めまして180タイトルで、新たなものはどんどん減ってきているという状況でございます。それから、書籍は許諾が得られたものを約5,300冊やっております。
 それから、学内の情報発信ということで、学位論文、修士論文、それから、博士論文、基本的には許諾が得られたものになるんですけれども、今現在で8,800件ございます。それから、講義の方は、いわゆる90分1コマを1件とみなして約7,300件収録しております。
 電子図書館の特徴としては、これら全てがいわゆる図書と同じ状況で検索ができるというのと閲覧できるということが我々の電子図書館システムの特徴になります。システム構成を申し上げますと、図書館システムですから、まず検索エンジン、これは一般的によくタイトル、著者等で検索すると思いますが、検索をするということがございます。実際にはファイルサーバーにPDFファイルなり、Flashのファイル、映像ファイルとかが入っております。
 書籍を電子化するものとして電子化システムがございます。ここには講義を電子化する機能が書かれておりませんが、後ほど御説明させていただきたいとおります。
 それから、検索したときに、講義がヒットした場合は映像配信システムからお送りするという形になります。それから、PDFファイル等であれば、検索エンジンがウエブサーバーの機能を持っておりますので、ウエブのインターフェースでファイルサーバーから取ったものを送り出すという形になります。
 あとは、通常の図書館業務としての実際の本の貸出し、返却もこの機能に含まれます。
 利用者端末というのは、特に図書館を利用しているわけじゃなくて、各家庭からでも使えるというような形になっております。イメージとしては、先ほどのシステム、実際の連携イメージとしてはこういう形になります。ブラウザから検索していただいて、検索がヒットすると、ファイルサーバーから取り出す。それから、若しくは先ほどのビデオを配信するシステムから取り出すといった形になります。
 今現在、ファイルサーバーで図書館のために用意されているファイルサーバーは容量が188テラございます。現在は約半分ほど使っておりますが、申し遅れましたけれども、今現在ですが、授業の収録自体はハイビジョンクラスでの収録をしております。そのため、容量的には恐らく2年後にはいっぱいいっぱいになるんではないかという試算をしております。これだけでは足りないので、大学全体のファイルサーバーにバックアップするという形で、システムがダウンしたときも問題ないように対応していくということでございます。
 検索エンジンは、今現在は13台の検索エンジンと1台の負荷分散エンジンを使って分散させて、システムを運用しております。基本的にはウエブの仕組みで情報を提供するという形になっております。
 ここでは、全文検索機能があります。これは今回省略させていただきますが、全文検索機能も我々の図書館システムの特徴となっております。それから、これはまだ公開はしていないんですけれども、試験的に電子司書の機能を取り入れております。オンラインジャーナルとの連携ももちろんできるようになっております。
 こちらは、通常の雑誌をPDFにするという、スキャナーで取り込んで、取り込んだものを自動的にここでいろいろ判別していくということをやっているんですが、こちらは省略させていただきます。
 映像配信システムも幾つかの、これ、5台分ぐらいあるんですけれども、こちらから配信できるようにしております。
 こちらはいわゆる24時間対応で図書の返却・貸出しができるということもやっています。
 本題の講義アーカイブシステムのまず概要を見ていただきたいと思います。これがメーンの画面になります。このように授業資料、我々の大学ではほとんどの教員がパワーポイント若しくはPDFのスライドを使って授業をしますので、こういった授業資料を取り込み、それから、映像情報も同時に取り込むということやっています。ここにタイムラインが出るようになっているんですが、タイムラインの進行とともに映像、資料も同時に切替るという形になります。
 ここにありますように、コントロールパネルで制御が可能です。止めるとか、それから、ちょっと細かくて見えないかもしれませんが、ここに縦線があるんですが、いわゆるチャプターマーカーに相当するものがありまして、これはスライドの切り替わりのタイミングがありますので、ここをクリックすると、ランダムにアクセスできるというような形になっております。
 現在のところ、90分の授業を収録するのにどれぐらい時間がかかるかということなんですが、これは教室の後方にカメラを設置しまして、それで資料も同時に取るということをやっているんですが、90分の授業ですから、映像収録に1時間半かかります。それから、授業資料の中からキーワードを抽出するということをやっております。その作業に約2時間半かかります。それから、映像と文字を抽出してインデックスを作る、それから、映像と授業資料の同期をするといったような作業に約15分かかります。それから、公開できるように、検索でヒットするようにインデックスに載せるとかいったようなことをするのに1時間かかります。それから、モバイル用コンテンツというのは、iPad等で視聴していただくとかいったことを想定しておりますので、そういったフォーマットに対応するのに約3時間かかっております。合計ですけれども、約5時間、それから、約7時間で授業が公開できるようになりますので、授業が終わったらその日のうちに学生が復習したいと思えば、閲覧することができるというような形になっております。
 実際に、これは2012年度、第5世代に入れた講義アーカイブの形態です。各教室の後ろにカメラを設置しております。カメラを設置して、このように撮る。今現在、7つの講義室にカメラが設置されています。それから、私がこのようにしゃべっていたら、このスライドも自動的に収録するんですが、これはどのようにしているかというと、プロジェクターから直接情報を分岐しまして、それを映像情報に変換するということをします。映像のフォーマットは両方ともH.264にすることで、ハイビジョン画質で情報が見えるというようにしております。
 プロジェクターの映像を取ってきて、ここから文字情報を抽出して、例えばここでしたら、タイトルとかからキーワードを抜き出すというようなことをやっています。なるべく大きなフォントの文字がキーワードであるだろうということで、それを自動的に判断して抜き出すというようなことをやっております。
 それで、ここで授業アーカイブ生成システムと呼ばれるコンピューターで、この2つの映像を同期させるということをします。それから、文字情報で抽出しているので、これでいわゆる検索用のインデックスを作るということをしまして、これで図書館のシステムに検索用のインデックスとして登録して公開するといったことになります。モバイル向けコンテンツはこの後また変換処理が入りますので、あと少し時間がかかるという形になります。
 それで、実際に検索していただくと見ることができますので、見にくいとは思いますが、簡単ではございますが、ここで再生をしてみたいと思います。これはもう既に検索をした後の状態ではございますが、検索した、ヒットしたものですね。授業一件一件がヒットします。講義一つがヒットするんじゃなくて、90分一コマの授業がヒットするという形になっています。
 これはこのシステムができたときのお披露目のときなんですが、こういうマークをクリックするとスライドだけを中心に見るとか、例えばここをクリックすれば映像を中心に見るとかいうこともできます。それから、ここのところで、画面の見方を変えるというメニューもございまして、こういうように変更することも可能です。
 ハイビジョンですることのメリットは、これ、私なんですけれども、先生の身振り手振りも見つつ、ここの文字が読めるということがメリットになります。ですので、この画角であれば問題ないですが、動き回る先生だと、どうしてもやはりこちらも必要ということになってきます。
 今のところ、我々は一般公開をしております。収録コンテンツの約1割が一般公開になります。ですが、情報科学研究科はほぼ一般公開しております。それから、バイオサイエンス研究科と物質創成科学研究科、2つの研究科がございますが、こちらは特許の関係がありましてなかなか一般公開できない部分もありますので、2年後に一般公開をするといったような形をとっております。
 代表的なコンテンツとしましては、このようなものがございます。
 それから、こちら、山中先生の講演も収録させていただきまして、これは誠に申し訳ないんですが、学内専用のコンテンツとなっております。学内の端末からであれば、アカウントがなくてもどなたでも見られるということになっています。学生は学外からでも見ることができるんですが、図書館のシステムにログインしていただきますと、アカウントがあるということで、家から学習ができるということになっております。
 これが、資料にはお付けしていないんですが、アクセスを集計したものでございます。2007年4月から2013年3月まで集計しております。赤色が学内のアクセスで、緑色が学外からのアクセスになります。見ていただきますと、やはり大体は学内の方のアクセスが多いんですが、学外からのアクセスというのも、学生が自宅から見ているというのもございます。これはログをずっと眺めていくと何となく分かります。
 2007年はまだ第3期の図書館システムでございましたので、第4世代、2008年ぐらいからハイビジョン化していきましたので、やっぱり見られる内容にだんだんなってきたというのと、それから、昔は先生にパソコンにソフトを仕込んでいただいて収録をしていたんですけれども、やはり煩わしいし、忘れるということなので、今、先ほど御説明させていただいたように、自動で全てが収録できるようになってコンテンツがそろってきたので、このようにアクセスが増えた。
 それから、波があるのは、夏休み中とか冬休み中はやはり下がります。それから、突出しているのは、公開講座とかをやると近隣の方々に宣伝になって、アクセスできるなら見てみようかということで見ていただけるということで、公開講座のコンテンツとかはアクセスが増えて、このように変わるということがございます。
 済みません、お聞き苦しいところ、申し訳ございません。以上でございます。
 あとは、済みません、資料をお渡ししたと思ったんですが、補足だけさせていただきますと、これを公開するに当たり、各先生方には承諾書をお配りします。承諾書をお配りして、一般公開していいのか、学内限定なのかということを記入していただいて返してもらう。それに基づいて公開をするということをします。それから、学生に対しても、これを見るときに、再配布はしてはいけませんよ、勉強のためだけに閲覧するようにしてくださいという誓約書を書かせてもらうということをやっております。
 以上でございます。

【西尾主査】  どうもありがとうございました。
 ただいまの御説明につきまして、御質問等ございましたら頂きたいと思いますが、いかがでしょうか。
 どうぞ、倉田先生。

【倉田委員】  済みません、簡単なことなのですけれども、今のアクセス件数、ちょっと数字が小さくて。月に何件ぐらいおありになるんでしょうか。

【藤川NAIST総合情報基盤センター教授】  済みません、ちょっと見にくくて申し訳ないですが、平均すると、今現在で1,500件ぐらいあると思います。やはり多いのは、情報科学研究科はクオーター制を採っておりまして、5月末に試験を迎える、それから、7月末に試験を迎えるというのがあるんですけれども、クオーターの終わりが近づくと、やはりアクセスが上がるというのが分かります。

【西尾主査】  今のは一月ですね。

【藤川NAIST総合情報基盤センター教授】  一月。

【西尾主査】  ですね。学生は大体何人ぐらいいらっしゃるのですか。

【藤川NAIST総合情報基盤センター教授】  学生は、博士課程も入れると1.100人。

【西尾主査】  1,100人で一月で1,000件ぐらい?

【藤川NAIST総合情報基盤センター教授】  はい。

【西尾主査】  分かりました。

【藤川NAIST総合情報基盤センター教授】  これは私の個人的な感想なんですけれども、ログを見ていると、一人の学生が授業の復習のために、ある先生の数コマ、過去5回ぐらいの授業を連続して見ているというのがよくあります。これはもう完全にテストのための復習というのが見てとれるという傾向があります。これ、月ごとにまとめていますけれども、日付とかまで見ると、試験前というのがやはり多いというのが分かります。

【西尾主査】  竹内先生、どうぞ。

【竹内委員】  アクセスに関することですが、既に7,000件以上のコンテンツが蓄積されているということですので、かなり長い期間蓄積がされていると思うんですが、録画されてどれぐらいの時期のものがよく使われるといった情報はお持ちでしょうか。

【藤川NAIST総合情報基盤センター教授】  これも私がログを眺めていたときの感想なんですが、やはり新しいもの、最新の授業が基本的にアクセスされています。古いものに関しては、先ほどの山中先生のように名物になるであろうと思われる授業とか、そういったものがアクセスされる、そういったことがあります。
 先ほど途中で申し上げましたけれども、公開講座を年1回、奈良先端でやっております。秋ぐらいにやっているんですけれども、それがあると、やはりその公開講座を外部の方が見るというのが現況です。なので、基本的には古いコンテンツは見られていないということが多いと思います。

【竹内委員】  もう一つお伺いしたいのですが、このアーカイブの目的は公開にあるのか、それとも、学生に事前学習、事後学習のために使わせるところにあるのでしょうか。

【藤川NAIST総合情報基盤センター教授】  半分半分ぐらいなんですけれども、できればiTunes Uみたいなことをやりたいという発想でやっているんですけれども、全ての授業をそういうふうにやってもしょうがないというのもあると言われるかもしれないので、本当はそこから厳選してこれをというのをアピールしていきたいんですけれども、そこまで手が回っていないというのが現状でございます。学生の学修に使うというのはこれもやはり半分ぐらいありまして、特に今の時期思うのは、就職活動に行っていて聞けなかったという学生から不満が出ないようにという目的で今現在やっているところが大きいと思います。

【竹内委員】  もう1点だけよろしいですか。申し訳ありません。こういう活動をやっていらっしゃる大学はほかにもたくさんあると思いますが、そこで議論されているのが、著作権法によって保護されているコンテンツを授業で使った場合に,配信の際に問題になるということです。それについては貴学ではどのように処理をなさっていらっしゃいますでしょうか。

【藤川NAIST総合情報基盤センター教授】  これは個々の先生方に「今日はやめてくれ」と言っていただくしかないので、「この部分からこの部分はカットしてほしい」と言われたら、それに対応してカットするということをやっています。

【竹内委員】  分かりました。ありがとうございました。

【西尾主査】  どうぞ、山口先生。

【山口委員】  大変興味深いプレゼンテーション、ありがとうございました。
 竹内先生の質問にも関連するのですが、復習や予習を促す事を目的とした場合、何らかの形で学生からのフィードバックを得ることはやっておられますか。

【藤川NAIST総合情報基盤センター教授】  このコンテンツ収録に関して学生からのフィードバックというのは公には受け付けておりません。いわゆる目安箱というような意見を書くところがありますので、そういうところに投稿してもらう。それから、授業評価アンケートがありますので、これは全ての授業でやりますので、そちらで書き込んでもらうという形で、インタビューをするなり何なりというようなレビューは特にはやっておりません。

【西尾主査】  上島先生、どうぞ。

【上島委員】  済みません。さっきの御説明の中で答えがあったような気もするのですが、教授会全員の先生が撮影をやられているということでしょうか。もしそういう場合は、例えば機関で決定して進めているとかでしょうか。それとも、これは自発的にそういうことを積極的に推進しておられる方がアーカイブ構築に協力していくというような形なのでしょうか。その辺りお聞かせください。

【藤川NAIST総合情報基盤センター教授】  これは基本的にはいわゆる図書館長から全学的に申入れをしていただいているという形になります。公開する公開しないの判断は基本的には各先生方に任せるんですけれども、研究科長の先生方にはできるだけ公開してくださいというお願いをしております。情報科学研究科の場合は、研究科長の権限で割とトップダウン的に皆さん公開してくださいねということで、基本的に、反対というか、学内だけ限定してくださいとか、撮るのも一切やめてくださいという方はほとんどおられません。先ほども申し上げましたけれども、物質創成科学研究科とかバイオサイエンス研究科では、やはり特許に係る部分が授業の中でもあるので、その部分はやめてくれということでカットされるということがございます。

【上島委員】  ありがとうございます。

【西尾主査】  喜連川先生、どうぞ。

【喜連川委員】  私は貴大学院大学の設置審に関わっておりましたため、長い間奈良先端の客員助教授をやらせていただきました。これが始まるころ、実はいろいろうわさを伺いました。私の講義も入っているかもしれないんですけれども、そのとき言われていたのは、先生が教室に入ってくると、やおら背広を脱いでカメラに掛けるという先生がおられた。そこからこういうところまで本当に成熟して、素晴らしいお話を聞けたなと有り難く思っています。
 ちょっと質問させていただきたいんですけれども、今、いわゆるソーシャルリーディングというのがはやっていると思うんですが、その一番軟らかいのがニコ動みたいなものですけれども、これは例えば学生たちがコンテンツに対していろいろコメントを書いたりとか、そういうところはどんなことをされておられるのでしょうか?

【藤川NAIST総合情報基盤センター教授】  まさしくそういうものは対応したいと思いまして、今、第5世代なんですけれども、第6世代にその機能を盛り込もうと考えています。個人、パーソナライズという意味では、自分のメモを書き込むというのは今できるようになっています。ただ、それを何人かでシェアするというのはまだできない状況でございます。それは是非ともやりたいと思っていますし、講義アーカイブだけではなくて、できれば、例えばここで関連論文を紹介されたら、関連論文にも書き込めるというようなことをやりたいなというふうに今、第6世代の設計はそういうような形で行われている最中でございます。

【喜連川委員】  それ是非やっていただければと思います。と同時に、これだけの面白いデータですので、是非CRESTのビッグデータに出していただけると有り難いと思います。
 最後の、ここに入っていないアクセスログのことで随分皆さんから質問が出ていると思うんですが、ユーチューブもニコ動も、アクセスしてもほとんどの媒体を全部見ない人ばかりが多いですが、講義の場合、奈良先端の学生さんはすごく真面目でいらっしゃると思うんですが、でも、それでも必ずしも全部見ないので、多分このアクセス数というのがややミスリーディングになっている場合もあるんじゃないかなと思いまして。

【藤川NAIST総合情報基盤センター教授】  そうですね、再生時間まではカウントしていないので、再生時間をカウントした形で取れるようにはしたいんですけれども、今、その取り方をまだ、業者の人と打合せをしているんですけれども、そこができていない。おっしゃるとおりで、見ていて、同じユーザーがログでターッと5件ぐらい見ているんですけれども、アクセスからすると、すっ飛ばして次行ったなというのがよく分かるというのもあるんですね。それを解析して、自分でスクリプトかけて抜くのはさすがにできなかったのでこの状態なんですが、ロボットのIPアドレスもころころ変わりますので、クローラーとかのIPアドレスも変わりますので、クローラーは分かった瞬間に入れて抜くようにはしているんですけれども、さすがにそこまでログをやることはできませんでして、そこは私も考えたいところですので、次のシステムで何とか入れたいと思います。

【西尾主査】  ここで、喜連川先生は国立情報学研究所の所長をお務めですし、山口先生は東京工業大学に所属されていますが、今回初めて御参加いただいておりますので、紹介させていただきます。
 ほかに、今日初めてという方おられますか。いらっしゃらないですね。
 ログの解析は今後非常に重要なことになると思いますので、今、喜連川先生おっしゃったような機能を入れていただいて、その解析から得られることを我々全体として共有できると良いと思いますので、是非よろしくお願いいたします。

【藤川NAIST総合情報基盤センター教授】  そうですね。

【羽入主査代理】  小さい質問を2つお願いします。電子図書館として学位論文を蓄積していらっしゃるということですが、それは大体、全体の何%ぐらいになるか教えていただければと思います。

【藤川NAIST総合情報基盤センター教授】  基本的には全てです。

【羽入主査代理】  全て?

【藤川NAIST総合情報基盤センター教授】  はい、全てやっております。学生が提出するのを忘れて出ていくというのを除けばですけれども。

【羽入主査代理】  分かりました。それともう一つ、アーカイブを作成するのに時間が大分かかると思うんですが、それはどこの部署で、どういう人がやっていらっしゃるのか教えてください。

【藤川NAIST総合情報基盤センター教授】  基本的にはほぼ半自動なんですけれども、頭出しをするところだけは人手でやらないと。頭出しというか、スライドの開始と、カメラも基本的にはシラバスを見て、ここに授業があるというのが分かっていたら、そこから自動的に撮り始めるというか、ずっと撮りっ放しなんです。どこでカットするかということなんですけれども。ただ、早く授業を始められる先生はそんなにいないので大丈夫なんですけれども、多少遅れて始められる先生がいるので、その数分をカットするという作業を学術情報課の担当の係員の方にお願いしている状況でございます。ちょっと面倒くさいんですけれども。

【西尾主査】  先生、よろしいですか。

【羽入主査代理】  ありがとうございます。

【西尾主査】  美馬先生、どうぞ。

【美馬委員】  済みません、2点お伺いしたいのですが、一つは、講義のアーカイブの利用について、例えばあまり内容の変わらない、毎年同じようなものもありますね。それは別のものとしてやっているのか、あるいは差分を入れ替えるのでしょうか。例えば同じものだったら、それを見せて終わりにするということもありますよね。そういうことは何か考えておられるのかというのが1点まず。

【藤川NAIST総合情報基盤センター教授】  よろしいですか。基本的には我々の講義というのは多分、80%ぐらい毎年同じ内容で、残り20%ぐらいが時代に応じて変えるという部分があると思うんですけれども、それを差分でやるかというと、基本的にやっていないです。ずっと、何となく歴史的価値があるのかどうか分からないんですけれども、そういう形で残している。古いものはアクセスされていないのは我々も承知しているので、ファイルサーバーの容量とかで収まらなくなったら削っていくかもしれません。

【美馬委員】  分かりました。ありがとうございます。
 もう1点、こういうものをやっていったらきっと利用が多いんじゃないかなと思うのは、学位論文の発表会のようなものが学位論文のアーカイブと同時に映像で残っていると、過去に出てきた人のも見たいとは思うんですけれども、それはいかがですか。

【藤川NAIST総合情報基盤センター教授】  おっしゃるとおりなんですけれども、それはまだコンセンサスが得られてなくて、公開だけはしています。一般に、いわゆるインターネット集計というか、今ですとユーストリームとかで見えるように配信はしているんですけれども、それを収録していいかどうかというのは、やはり特許の問題があって、それで撮ってほしくないと言われることも多いので、今は、特許があるものは公開もしてないんですけれども、情報科学研究科だけで申し上げますと、基本的には公開をしていて、収録はしていないです。
 おっしゃるとおり大変いい御意見だと思うので、次のシステムにというか、今年度からでもできるのであれば導入したいと思います。確かに論文と発表の間が連携して見ることができれば理解度も高まるかと思いますので、検討させていただきます。

【西尾主査】  後藤先生、どうぞ。

【後藤委員】  2点お伺いします。1点目は、5年もやってらっしゃると、講師側がこのシステムに合わせて講義を変えていくというような傾向は見られるでしょうか。もう一つは、いわゆる大学院レベルだとよくインタラクティブな講義が多くなっていると思うんですが、そういう場合の対応はどうなさっているのか。

【藤川NAIST総合情報基盤センター教授】  まず講師が変えているか、先生方が変えているかというと、全くないです。もうマイペースで皆さんやられております。
 あとは、その場で演習を出して答えをもらってというような講義の場合ですと、一応、教室を前から写すカメラもありまして、2台あるので、それを使えばできるんですけれども、まだそれは対応していません。ただ、集音マイクとして教室の音も拾うことができるようになっていますので、やりとりは全部拾うことができる。あとは、担当者の考え方で、要は、先ほど申し上げました授業の最初をカットするとか、後ろの早く終わった部分をカットする方の対応で、ここは演習であまり講義の内容はないなと思ったら、その部分はカットされていたりすることがあります。

【西尾主査】  それでは、加藤さん、それから、斎藤先生。

【加藤委員】  済みません。講義映像アーカイブ以外の利用のアクセス件数をもしよかったら教えていただければ。例えば1,500件のオーダーなのか、数百件のオーダーなのか、それから、使い方としては、学生が学内で使っているケースが多いのか、学外で多いのかというのも併せてもし教えていただければと。

【藤川NAIST総合情報基盤センター教授】  学位論文等?

【加藤委員】  等ですね。論文誌含めて。

【藤川NAIST総合情報基盤センター教授】  論文誌に関しては、今、正確な数字は申し上げられないんですが、トータルとしては、授業アーカイブよりははるかにアクセス件数は多いですね。論文誌に関しては、学内の利用者が多いです。いわゆる学位論文、博士論文とか修士論文に関しては、学外の方の方が多いです。件数のオーダーが今分からないんですけれども、何となく記憶しているところでは月5,000件ぐらいだったように思います。

【加藤委員】  分かりました。ありがとうございます。

【西尾主査】  斉藤先生、どうぞ。

【斎藤委員】  NAISTには留学生の方も多いと思うんですが、今、幾つかウエブで見せていただいたんですけれども、日本語でやってらっしゃる方も結構いらっしゃるようですが、言語の問題はどうなんでしょうか。

【藤川NAIST総合情報基盤センター教授】  外国語の方に関しては、英語での授業をやるという部分が幾つかございますので、その授業でやってくださいということしかないですね。いわゆる国際コースがございまして、それはもう英語で授業をやるということになっておりますので、その授業を見ていただくしかないという形になっております。

【西尾主査】  土方委員、どうぞ。

【土方委員】  済みません、ログの話は置きまして、例えば学生さんとか先生方等に定性的ないろいろな評価をしていただいたということはあるんでしょうか。これをやってみてどうだったかというそういう評価を定性的にやったことはございますか。

【藤川NAIST総合情報基盤センター教授】  定性的な評価はないですね。私が個人的に感想をお伺いするとか、そういったことしかないです。今は全く意識せずに収録できるようにしております。カメラも自動的に24時間撮りっ放しになっていますし、スライドも、つなぐだけで取れるようになっています。昔は、ソフトを入れてもらって、このソフトを事前に起動して、その後パワーポイントを上げてくださいとか、そういうややこしいことをお願いしていたんです。そのときはよくクレームが来ましたけれども、こういうふうに変えてからは全くクレームが来なくなったので、特段問題はないのかなと。
 それから、変な話ですけれども、板書中心の先生方からは昔はすごくクレームが来ました。板書中心の先生は大分お辞めになったので、今、ほとんどクレームが来なくなって。「俺の字が読めるのか」とかいうようなことをよく言われたんですけれども、ハイビジョンじゃないころは本当に読めなかったので、資料もないですし、だから、学生に効果がないだろうと。だから、俺の講義は撮るなとよく言われたんです。字が汚いのが嫌とか、そんなのがあったのかもしれないんですけれども。今はほとんどそういうのはなくて、逆にスライドも使いながら板書もされる先生はおられるんですけれども、こういうので、はっきり字が見える方にフォーカスしてもらった方が見えやすいので、僕の授業はこっちに焦点当ててくださいとかいうことは言われたりします。それは定性的な評価を取りにいったんじゃなくて、感想を個人的に雑談レベルで話をしたときにお伺いした程度でございます。

【西尾主査】  時間が来ていますが、あと1件ということで、吉田委員の方からどうぞ。

【吉田委員】  全くコンテンツの質問じゃないんですけれども、学生さんに対して一種のサービス提供をされているということになると思うんですけれども、そのときのサービスレベルといいますか、例えばこれ、24時間当然アクセスできるし、実績も挙げておられると思いますけれども、何かサービスレベルの目標とか、あるいは実際に規定しておられるとか、そういうのはありますか。

【藤川NAIST総合情報基盤センター教授】  特にないんですけれども、いわゆる数字的には、同時アクセスが30件はストリーミングできるようにというのでシステムは構築しているというのだけございます。それ以外のいわゆるサービスレベルというのは、特に規定はしておりません。

【西尾主査】  まだ議論が尽きないかと思いますけれども、時間が来ておりますので。
 藤川先生、どうも貴重な発表ありがとうございました。

【藤川NAIST総合情報基盤センター教授】  どうもありがとうございました。

【西尾主査】  それから、委員の皆様方、どうも御質疑等ありがとうございました。
 それでは、慶應義塾大学の田村先生より、図書館蔵書デジタル化の進展について、時間的には20分間ということでお願いいたします。

【田村慶應義塾大学メディアセンター所長】  慶應義塾大学の田村でございます。慶應では図書館のことをメディアセンターと呼んでおりますけれども、メディアセンター中心で行っております電子学術書の利用実験等を、背景を含めて少し御説明させていただきます。実験の方の担当者であります入江を同席させていただいております。技術的な部分でもし何か質問等あれば、入江の方から答えさせていただくことをお許しください。
 では、まず実験の背景について御説明いたします。慶應は全部で六つのキャンパスでできている大学でございます。図書館もそれぞれのキャンパスごとに置かれています。それから、サービスも基本はキャンパスごとにやっております。ただし、電子ジャーナルなんかそうですけれども、契約とか人事とかいった全体に関わることについては、本部がございまして、そこを中心に運用しています。
 今現在、蔵書は480万冊で、年に8万5,000冊ぐらい増加していて、その収蔵に四苦八苦しております。予算の方は学部予算が三田地区と日吉地区にはあるんですけれども、蔵書の管理は図書館の方で一元的に行っているため、図書館が責任を持って運用できるということで、デジタル化等についても割とイニシアチブをとれる環境にあると思っております。
 それから、雑誌につきましては、紙媒体のものが、カレントでない雑誌も含めて6万9,000タイトルぐらいであるのに対して、電子ジャーナルの方は今、7万2,000タイトルぐらい。つまり、雑誌についていうと、電子が主体で、しかもそのほとんどは洋雑誌であるということでございます。
 その結果、人文社会系の研究主体の図書館である三田の図書館は260万冊の資料と紙の雑誌であふれかえっているのに対して、電子ジャーナルの利用の盛んな理工系のキャンパスでは、紙の製本雑誌などはもう書庫からも取り去って、山中湖の方にあります保存書庫にあるということで、それで空いた部分、かつて書架があった部分が今はグループ学習室になっている。この辺については、ほかの大学図書館も似たような事情にあるのではないかと思っています。
 もう一つ、デジタル化の背景としてお話ししておきたいのは、本自体をデジタル化する前に、様々なレベルで本のデジタル化を促すような仕組みができてきているということでございます。目録とか文献のデータベース類が以前からデジタル化されているというのは御存じかと思いますけれども、それだけではなくて、辞書とか新聞とか、それから、統計データなどもデジタル化されている。それから、雑誌については電子ジャーナルであるということで、特に日本語の本以外の部分についてはデジタル化が非常に進んでいる。
 それから、リンキングツールといったようなものが発達しておりまして、インターネットにアクセスすると、本を入手するところまではもうネット上で大体用が足りる。それから、電子ジャーナルについてはダウンロードまでできるというような環境ができているということでございます。
 それで、慶應のデジタル化ですけれども、基本的な考え方というのは、できるものから順次実現していこうということでやってまいりました。今回の利用実験についても、一応そのような考え方の延長上でやっております。
 慶應でのデジタル化は、ほかの大学図書館も同じかと思いますけれども、貴重書のデジタル化から始まって、学内のいろいろな資料のアーカイブ化、それから、学内発信情報を収録する機関リポジトリの構築というような順でやってまいりました。
 慶應が独自にやったというのは、Google Books Library Projectに参加したというところでございます。ここから一般書のデジタル化についても考えてみようかというような方向が生まれ、それが電子学術書利用実験プロジェクトにつながり、今日、他の大学にも参加していただく共同利用実験プロジェクトになり、それから、学内では、医学部の方で電子教科書を利用するというような実験が始まっております。
 貴重書のデジタル化等については、時間の関係もございますので、省略をさせていただきます。慶應では、旧通商産業省と国立国会図書館と共同で行ったパイロット電子図書館プロジェクトが最初ですけれども、このときは図書館が主体というよりは、研究者が中心となってデジタル化の研究を行うというようなものでございました。
 それから、図書館が中心になって機関リポジトリとか、大学のデジタルアーカイブを構築するというようなことが行われております。これについては、慶應だけではなくて、ほかの大学でもやってらっしゃる話ですので、これも省略させていただきます。
 慶應が一般書のデジタル化に踏み切るきっかけは、Google Books Library Projectに参加したことです。これは一般書の大量デジタル化という、既に出版された本をデジタル化して利用できるようにするという、グーグルが行っているプロジェクトに参加したわけです。ただ、慶應について申しますと、著作権の切れたものに限定されているということはお断りしておきます。和書を12万タイトル、デジタル化いたしました。
 参加するときに、それまでの貴重書もそうですし、機関リポジトリなども、どちらかというと、外部に発信するとか、それから、研究者に対して資料を提供するというようなことで行っているわけですけれども、日本語の一般書ということで、この辺から特に教育目的のコンテンツをデジタルで提供することに狙いを定めたプロジェクトが始まったと捉えております。ただ、実際は著作権の切れたものですので、明治時代までの本がほとんどですから、学生が実際には利用できるかというと、それほどのものではありません。
 話がそれるんですけれども、グーグルに参加したことによって見えてきた、特に北米の図書館のデジタル事情というようなお話をちょっとだけさせていただきたいと思います。まず、慶應でデジタル化したものについては、慶應のOPACからGoogle Booksに飛ぶようにしています。この際にGoogle Books Library Projectなどで当然のこととして使われているURIが、OCLCという北米の非常に大きな図書館の共同組織があるんですけれども、そのコードなんですね。慶應の場合にはOCLCには参加していないわけですから、独自にコードを付けなければいけないというような、そういうことがございました。
 それから、デジタル化が終わったところで、Hathi Trustという、Google Books Library Projectなどでデジタル化したコンテンツを共同で維持管理する、そういうコンソーシアムなんですけれども、ここから参加の打診がございました。慶應はまだ参加していませんが、急速に規模を拡大してきており、今、コンテンツは1,060万冊あるというふうに言われております。
 これはHathi Trustの画面ですが、収録数が公表されています。でも、見ますと、Hathi Trustの実質的な実施主体になっているミシガン大学だけで460万タイトル収録しているというようなデータが出ております。ミシガン大学とかカリフォルニア大学とかが大部分を占めていて、ほとんど入れていない大学も多いですし、アメリカの大学図書館がみんなこんなことやっているんだということでも必ずしもないかと思います。
 それからもう一つ、これはお手元の資料にないんですけれども、Association of Research Librariesという北米の大規模な研究図書館の組織の統計データです。蔵書のどのぐらいがデジタル化されているかというデータで、縦軸が、蔵書の何割ぐらいがデジタル化されているかを表わし、横軸が、ARL Investment Indexという、大学図書館にどのぐらい投資しているかを示す指標を、値の高い順に並べたものになっています。例えば、一番左端、Investment Indexの第1位はハーバード大学です。このグラフを見ますと、Investment Indexの高低に関わりなく、どの大学図書館もおしなべて蔵書の3割ぐらいがデジタル化されているということになります。
 アメリカの大学図書館の目録を実際に検索してみますと、分野によって随分変わるんだと思うんですけれども、デジタルな資料もかなり出てきますが、やっぱり紙のものの方がいっぱい出てまいります。現状では、紙のものが中心ではあるけれども、デジタルなものがかなりの数を検索できて、ものによっては、中身検索ができたり、フルテキストで入手したりすることができるようになっているということでございます。
 そんなことで、電子書籍というか、所蔵資料のデジタル化がアメリカの場合には大分進んでいて、一方、パブリックドメインの資料はもちろんすぐに全文を利用できるわけですけれども、著作権がまだ切れていない本についてはもちろん全文をダウンロードして利用するということはできませんが、中身検索ができ、スニペット表示によって、調べ物の際に必要箇所だけ参照利用するということはできるようになっています。
 その上で、今、いろいろな議論を見ていますと、紙の資料をこれからどうしていくのかというようなことで、先ほどのHathi Trustなんかもそうですけれども、共同で保存するとかいうような、そういうことが話題に上っていると聞いております。
 脇道にそれてしまいました。もとに戻しまして、それでは、電子学術書利用実験プロジェクトについて簡単に御紹介いたします。
 2010年から、まず慶應と出版社、それから、デジタル化を担当する企業とシステム開発を担当する企業という、この4者の共同実験の形で行いました。昨年の3月で一応終えまして、4月からは改めて複数大学での利用の検証を目的とした共同利用実験プロジェクトとして新しいプロジェクトを始めております。これは慶應で言っていたことがほかの大学ではどうかを見たいということと、それから、日本語の本を電子化して、大学図書館を通じて利用者に提供するような体制をどのように作るかについて、出版社と議論をしたいという、その二つを目的にしています。
 出版社に対しては、こういう資料をデジタル化してほしいということをお願いしております。品切れだけれども、大学図書館の利用統計を見てみるとよく使われているもの、よく借りられているもの、そういうものを中心にデジタル化をしてくださいということでお願いいたしました。それから、慶應の中では実験の中心は、教養課程のある日吉キャンパスと、隣接した理工学のキャンパスの2キャンパスで、その両方でモニター学生を募集して実験を行いました。
 学生にiPadに入れたコンテンツを使ってもらって、システムの使い勝手と、電子書籍の利用について全般の意見をもらうということを3回やりました。出された意見を基に、出版社とシステム開発の企業の方にフィードバックして、更に改良されたシステムと、新しいコンテンツを加えて次の実験をやるということをやってきております。
 その結果の一端ですけれども、iPadの使い勝手みたいなものを見ますと、確かに改良すると使い勝手についての評価は上がっているというようなことはごらんいただけるかと思います。

【西尾主査】  田村先生、ちょっと時間が過ぎましたので。

【田村慶應義塾大学メディアセンター所長】  申し訳ありません。

【西尾主査】  後で質問時間をできるだけ取りたく思いますので、よろしくお願いします。

【田村慶應義塾大学メディアセンター所長】  分かりました。
 次のところに神戸大学の例も御紹介してございます。
 それから、もう2点ほどお話ししたいのは、一つがグループインタビューなどで学生の意見を聞きますと、どうも教科書と、レポートなどを書くときに参照利用する本では使い方が違うように思います。レポートの場合、なるべくいろいろなものを参照したいので図書館の資料を使いたい、だけど、教科書は手元に置いて使いたいというような使い分けがあると言えるのかなというような、そういう意見が出ておりました。
 それから最後に、医学部でこの電子学術書の実験に参加した学生の中から、医学部でもう既にiPadを使っていろいろな教材を共有するというようなことが学生の間で自主的に行われていたんですけれども、それをベースにして、電子学術書の利用実験で使われたシステムを使って医学部の教科書をデジタル化して利用する実験が今行われております。
 済みません、最後、ちょっと時間を大幅に超過して申し訳ございません。それでは、取りあえず私の説明は以上でございます。

【西尾主査】  田村先生、どうも貴重な発表ありがとうございました。
 それでは、田村先生の今の発表に対しまして、御質問等ございましたらお願いいたしたいと思います。いかがでしょうか。

【辻委員】  よろしいですか。

【西尾主査】  はい、どうぞ。

【辻委員】  どうもプレゼンテーションありがとうございました。質問が2点ほどございます。一つは、グラフでお示しいただいた、医学・薬学・看護系は直近の10年の利用が顕著だけども、理工学系は80年代から90年代の方も安定して利用されているというグラフをお示しいただいたかと思います。一方で、スライドの3枚目ですかね、理工系のキャンパスでは蔵書がどんどんなくなって、グループ学習とか学習相談のスペースになっていますよというお話等もあって、両面あるのかなと思ったんですけれども、そちらについてはどういう方向に進みそうだというようなお話はあるんでしょうか。

【田村慶應義塾大学メディアセンター所長】  3枚目の、理工学部ではという、これは、なくなっているのは電子ジャーナル化された雑誌の紙版でございます。つまり、今までは学術雑誌のバックナンバーというのは製本して図書館に置いていたわけですけれども、実はもう利用のほとんどは電子媒体、インターネットを通じて行われ、紙媒体はほとんど利用がなくなったということなので、それは保存書庫の方に移したということでございます。

【辻委員】  どうもありがとうございました。あともう1点なんですけれども、一番初めのスライドで、サービスの基本は地区ですよというお話があったんですが、一方で、デジタル化が進めば進むほど、ネットワーク経由でのアクセスが増えていくというところもございますと。そうした場合、集中と分散の考え方といいましょうか、その辺り何かお考えの部分がありましたらお教えください。

【田村慶應義塾大学メディアセンター所長】  システムの構築は全体でやらないといけないと思っております。それから、予算管理、契約等についてはやっぱり集中化していかなければいけないのかなと思っております。ただ、もう一方で、そういうネット環境の中で利用者のニーズをどうくんで、それをシステムのデザインに生かしていくかというそこの部分は、集中化したらむしろ駄目なんじゃないかというふうに考えております。むしろ現場でのサービス感覚を生かしていきたいということから、サービスは現場で、全体に関わる調整とかは本部だという、そういうことです。

【辻委員】  済みません、私自身、キャリアの研究所で図書館と情報システムと両方見ている立場におりまして、いろいろと参考にさせていただくのに伺いました。ありがとうございました。

【西尾主査】  どうもありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。
 喜連川先生。

【喜連川委員】  Google Books Library Projectについていろいろ御紹介をいただいたのですが、情報処理学会はこのクラスアクションに対して反対表明を提出いたしました。米国も今、更に集団訴訟が出ているような気がしています。日本はもうクラスの外に出たと思っていまして、その中で、慶應大学さんは、このGoogle Books Library Projectをどういうふうにお考えになって、これに御参加になったのか、ちょっと御意見を伺わせていただければ有り難いです。

【田村慶應義塾大学メディアセンター所長】  慶應の場合には、基本的には著作権の切れたものをデジタル化するということで、それで、大学図書館の場合には、なるべく多くのコンテンツを広くデジタル化していきたいという方針があり、しかも、費用面でかなり助かるというようなこともありまして、参加したということでございます。よろしいでしょうか。

【喜連川委員】  そうですか。東京大学ももちろんこのオファーが来ておりますけれども、著作権が切れていようが何しようが、これに対しては一切参加しないという決断をしておりまして、もうこれ以上の議論は長くなろうかと思いますけれども、結構深い問題かなと感じております。

【西尾主査】  どうもありがとうございました。多分、今のことは議論をし出しますと相当時間がかかると思います。相当に深い問題だと思います。
 ほか、いかがでございますか。
 竹内先生、いかがですか。

【竹内委員】  スライドの20枚目だと思いますが、田村先生の御説明の中で、電子化のターゲットは、既に入手不能になっている、品切れになっている紙の資料の電子化ということだったと思うのですが、実際のところ、ターゲットとなったタイトルのうち、何%程度の電子化ができたのでしょうか。

【田村慶應義塾大学メディアセンター所長】  まだ1,200冊しか電子学術書を提供していただけていないため、パーセントを出せるような状態にございません。

【西尾主査】  よろしいですか。

【竹内委員】  はい。

【西尾主査】  ほかにいかがでございましょうか。
 美濃先生、どうぞ。

【美濃科学官】  この情報源の使い分けというのが面白かったんですけれども、何かネットの情報の利用率が思ったより低いのですが、これはどういう学生に調査されたかというのが知りたい。本来はもっとあっていいんじゃないかなという気がします。

【田村慶應義塾大学メディアセンター所長】  この実験に際してモニターを募りまして、そのモニターに対する質問紙調査とグループインタビューから出てきた結果です。モニターに応募したのは、非常に真面目で熱心な学生たちです。つまり、学術書をデジタルで積極的に使って意見を言ってみたいというような、そういう意欲を持った学生だというふうに考えていただいていいかと思います。そうした学生は、インターネットだけでなく、多様な情報チャネルを持っており、図書館の資料の利用も多いのではないかと考えております。
 ですから、この辺については、他大学でどうかということを知りたいと思っております。他大学もモニターなので、やっぱり真面目で熱心な学生が多く集まるのかもしれませんが、慶應だけではなくて、他大学の学生の話も聞いてみたいなと思っています。

【西尾主査】  山口先生、どうぞ。

【山口委員】  ありがとうございました。2点質問させていただきます。1点目は、19ページの電子学術書利用実験に関する質問です。様々なプレーヤーを巻き込んで全体的に分析なさっていると思いますが、この取組は大学全体の教育改革の一環として位置付けられているのでしょうか?
 2点目は、29ページの医学部における電子教科書利用実験に関してです。この取組は、学生からの発案で始まったというのが大変興味深いと思いますが、この活動資金は大学が負担する形でこの様な利用実験がなされているんでしょうか。

【田村慶應義塾大学メディアセンター所長】  一番最初の電子学術書利用実験でのプレーヤーの話ですけれども、出発点は図書館でございます。こちらの狙いとしては、まずコンテンツを出版社が提供したり、あるいは作っていけるような環境を作りたいというのが一つと、それから、コンテンツが作られたときにそれを活用できるような環境を、学生の意見を踏まえて学内で作りたいという、そういうことでございます。なので、一番最初の段階でのプレーヤーは図書館と学生です。
 現在は、実験の一環として教員に授業の中で使うということをやってもらっております。ただ、教員との実験というのが、なかなかお互いに何をやればいいかということを模索しながらやっているところで、直ちにそれが大学の教育とつながるかというと、そこはまだ何ステップもあるなというふうに思っております。参加しておりますのが教養課程の教員、それから、教養研究センターという教養教育を研究する部門の教員でして、特に、教養課程の教育の改善と関連させたいとは思っております。
 では、医学部については入江の方から。

【入江課長】  医学部では、学部のプロジェクトのスタートは、学生が主体でした。お手元の資料に学生サポートのページのURLが書いてあります。学生主体で、インターネットを通じて学生生活全体をサポートしようとする活動があって、その一環として教科書も話になり、電子利用実験のシステムを提供しました。医学部の動きは、基本的には医学部の教育改革プロジェクトの一環です。

【田村慶應義塾大学メディアセンター所長】  補足しますと、発案は学生です。日吉キャンパスの方でこの電子学術書利用実験プロジェクトに参加して、iPadなんかで特に教科書類とかいろいろな資料を使うということの可能性を考えた学生が、医学部の専門課程のある信濃町キャンパスに進学をした。信濃町のキャンパスでは、すでに学生が自主的に教材を自分たちでiPadで持ち合うということをやっておりました。
 そこに参加した学生が、教科書の方もやってみたらどうかというような話になって、それを医学部が取り上げ、予算化もされた。そして、iPadサポート学生委員会という学生の自主組織による、iPadを使って、自分たちで学修をよくしていこうという試みの中に教科書の話も入ったという、そのように考えていただければよろしいかなと思います。

【西尾主査】  山口先生、よろしいですか。
 ほかにございますか。
 加藤委員、どうぞ。

【加藤委員】  大変先進的な取組だと思うんですが、共同利用実験のプロジェクトというので、今、2013年ですが、第2期のちょうど中頃なんですが、ここに実用化に向けた論点整理というのが出ておりますね。2014年にならないとあれかもしれませんが、現段階で、実用化に向けた課題だとか、あるいはこういうところを調整しないとやはり難しいのではないかとか、そういうものがもしありましたら教えていただければと思います。

【田村慶應義塾大学メディアセンター所長】  大きいのが2つございます。一つが著作権管理です。これは本当に苦労するところで、出版社などがどうしても著作権の許諾を得る部分のところで手間がかかってしまうということが1点ございます。
 もう一つは、契約をどうするかですね。いわゆる買切り契約というのが今までは中心なんですけれども、買切りじゃなくて、例えば使用料を払うような形の契約にできないかとか、その場合でも、何年たったところでもういいというふうにするのかとか、そういう部分、契約と著作権の部分が一番大きいかなと考えております。

【西尾主査】  加藤委員、どうですか。大体予想される問題がここでも起こっているということですね。

【加藤委員】  そうですね。

【西尾主査】  その問題に全部が行き着くと。ほかにいかがですか。
 美馬先生、どうぞ。

【美馬委員】  今回の資料の後ろから4枚目のデバイスの使い分けなんですが、いろいろ実装実験を行って、それぞれ使い分けが見られたということなんですが、今後、方向性としては、大学の図書館としてはどういう形でどこを積極的に提供していくべきかということについて何かお考えがあればと。
 多分、タブレットなどで例えば学生が電車の中で読むにはいいけれども、こういったときに、大学の外に出た学生、公共の場にいる学生に対して、例えば同時に何人まで見せていいのかとか、本来ならば学生自身が買わなければならないはずのものまでを、慶應大学は特に学生の数は多いと思います。そういうことについて何か方向性等あれば、お聞かせください。

【田村慶應義塾大学メディアセンター所長】  何人の学生に同時アクセスを認めるかというのは、出版社との関係でいろいろありえます。使い方としては、学生が買って常時持ち歩いて使うようなもの、つまり、教科書類の話と、それから、レポートを書いたりするときに、とにかく少しでも多くの資料を利用してほしいという参照利用の場合とで、使い方が違うんじゃないかなと思っております。
 教材については、これは学生がどういう形にせよ、とにかく学生一人一人が持って使うような形になるし、それから、もう一つの参照利用するというような使い方については、これはまず全文検索ができなければいけないだろうと思っております。いろいろ学生が自分で自主的に学修しているときに、全文検索で必要か箇所を探して、そこをきちんと読んで、そして、それを例えばレポートにまとめるとかいうような使い方ができる、そういう環境を構築できればいいんじゃないかと考えています。

【美馬委員】  デバイスの使い分けに対してはどういうふうに、何か提供の仕方とかの方針はありますか。

【田村慶應義塾大学メディアセンター所長】  今のところ、そこははっきり申し上げることはできません。いろいろな意見が出ていまして、例えば医学部や法学部では、『六法全書』とか重いものを大量に持ち歩くのがiPad1個で済むというような、そういうことでもデジタル化は進むと思います。一方、レポートを書いたりするときは、やっぱりPCが良いということになります。例えばOPACから全文検索を使って、スニペット表示をこちらで見ながらレポートを書くような、いろいろなものを見比べて調べたりするというような使い方の場合には、まだまだPCかなとは思っております。
 それからもう一つ、スマートフォンは、今のところ、モニター学生からの意見では、まだ使い勝手が悪いということもあるのかもしれませんけれども、あまりいい反応は返ってきておりません。PCとタブレットが今のところ、この実験の中ではよく使われるものとして考えていいんじゃないかと考えております。

【西尾主査】  まだいろいろ御質問あるかもしれないですけれども、今日もう一つ議論したいことがございますので、この辺りで次に移らせていただきたいと思います。
 田村先生、本当にどうもありがとうございました。
 次に、事務局より、学修環境充実のための基盤整備についてこれまでに頂いた御意見について御説明いただき、本日のヒアリングも踏まえまして、その取りまとめに向けた審議を行いたいと思います。

【長澤学術基盤整備室長】  それでは、御説明させていただきます。資料は、資料3と参考資料1の第2期教育振興基本計画についての抜粋です。
 まず、参考1の方を簡単に御説明させていただきますけれども、先生方もう御存じのとおりだと思いますが、中教審の方で4月25日に出されたものにおきまして、この資料を1枚めくっていただきますと、基本政策8ということで、学士課程教育におきまして、能動的学修、アクティブ・ラーニングとか、双方向の講義、演習、実験等の授業を中心とした教育への質的転換の取組を促進すると書かれております。
 更に1枚めくっていただきますと、8-1というところの中で、「そのため」というところからありますが、十分な質を伴った学修時間の実質的な増加・確保と。その際、ティーチング・アシスタント等の教育サポートスタッフの充実とか、学生の主体的な学修のベースとなる図書館の機能強化、ICTを活用した双方向型の授業・自修支援や教学システムの整備とか、例えばということで、近年急速に広まりつつある大規模公開オンライン講座(MOOC)による講義の配信とか、オープンコースウェアの教育内容の発信とか、そういったものに対する各大学の積極的な参加を促すということが盛り込まれているところでございます。
 その次のところは、あと2枚めくっていただきますと、基本施策9のところで、大学等の質の保証ということで教育研究活動の可視化の促進ということが盛り込まれております。こういったことを踏まえまして、学術情報が学修環境の充実に果たすべき役割を示すということは非常に意義が大きいのではないかと思っております。
 資料3に戻っていただきたいと思います。簡単に御説明しますと、前回の委員会における御意見をまとめたものが初めの2枚でございます。初めのところをごらんいただければ、やはり学術情報がなぜアクティブ・ラーニングに必要かということをちゃんと押さえていく必要があって、そのために質を高めたりとか、関連で人材育成が重要だということで、そういう観点からしますと、教員だけじゃなくて、図書館員が共に考える立場が重要だという意見がございました。
 サポート要員につきましては、やっぱり図書館員というだけではなくて、教員と職員の中間的立場の専門職でいいんじゃないかというふうな御意見がございました。
 それから、学生さんが情報を発見していくための環境とか、データを自由に使えるようにすることが重要だというふうなことでございます。
 それから、5つ目のところの丸からですけれども、教育と研究というのはやっぱり一体で働いて、それによって、こういったアクティブ・ラーニングが高度化するということがあるということと、それから、学術情報をスムーズに活用するためのシステムとか体制も重要であるというふうな御意見がございます。
 そのシステムにつきましては、やはり教員のニーズを踏まえた上で開発することが必要だということ。
 それから、受け手である学生が使いやすいような環境で利用できるようにするということが重要だというふうな御意見がございました。
 また、大学の枠を超えたコールセンターのようなものもあれば機能するんじゃないかというふうな御意見もございました。
 関連することで、室内の空間的な学修環境とコンテンツとか学内の情報ネットワーク、クラウド、SINETというふうなリンクを深めるということが機能として重要だということでございます。
 それから、米国のラーニングコモンズ運営の御紹介ということで、全てのレベルの学生を対象にすることとか、重複したサービスを避けたり、既存のリソースを有効活用したり、スタッフが協力し合うこととか、責任を持って取り組むということが非常に重要だというふうなことがあったというふうな御紹介と、その観点でいえば、既に出ていますけれども、教育、研究と別の企画運営をするような組織が必要だというふうな御意見がございました。
 先ほどと若干重複するところもありますけれども、図書館を中心にした物理的空間とクラウド、ネットワークという仮想空間を組み合わせてアクティブ・ラーニングを考えていくということは重要であるというような御意見でございます。
 また、そういった情報につきましては、各機関だけでやるのではなくて、共有する仕組みが必要だという御意見がございます。
 1枚めくっていただきますと、また、そういった共有の関係からしますと、SINETを有効活用して、コンテンツやデータを共有して、教育へのいい影響を及ぼすということがあるのではないかと。
 また、クラウドとかビッグデータを活用して、アクティブ・ラーニングを機能的にするということもあるのではないか。
 その際に、セキュリティの観点からいたしますと、ネットワークとかアプリケーションが重要になるというふうな御意見。
 また、アクティブ・ラーニングということは、ラーニングコモンズが使われているんですけれども、その効果という観点でいいますと、なかなか慣れていないところもありますので、実例的なモデルを示していただくということが必要なのではないかということ。
 人材が用意できていない機関もありますので流動的にする仕組みも必要ではないかというふうな御意見でございます。
 それから、アクティブ・ラーニングのスペースということで、授業外の場所ということで考えますと、図書館に限る必要はないんですけれども、主体的な自主行動と知識の獲得が重要だということからしますと、やはり情報を獲得できるような図書館を中心に据えて考えることがいいんではないかと。
 それからまた、アクティブ・ラーニングにおきましては、学生同士で教え合うようなチュータリングが効果的だということで、米国等ではそういった認証制度ができているというふうな御意見がございました。
 さらに、アクティブ・ラーニングの効果を把握し向上させるということからしますと、学生の教育研究活動に関わる様々なデータ、ログを収集して利活用することが不可欠であるということで、ただ、そういった抵抗が生じるということもありますので、それを可能にするようなための方針を審議会等で打ち出していくということも考えればいいんではないかというふうな御意見が前回の主な意見でございます。
 さらに、前回以降、追加で頂いた御意見が3ページでございます。先ほどの第2期教育振興基本計画にも盛り込まれておりますので、そういった観点で、まず初めにこの方針を示していくというふうなことが考えられるのではないか、その意義が大きいんではないかということと、学術情報基盤と教育環境整備という観点からいたしますと、学術情報基盤の強化が不可欠になっていることをまず必要性として記述して、本委員会で取り上げる意義とか、方向性について説明をしておくべきではないのかということでございます。
 それから、このまとめの構成としまして、論点2と3のところに内容的な重複があるんではないかとか、構成を考える上で整理が必要だというふうな御意見を頂いております。
 それから、その次のところはもう既に出ているところでございまして、教員からのアプローチよりも、教員と協力してというのが望ましいのではないかと。
 それから、アクティブ・ラーニングといっていますけれども、学習効果に対する知見は得られているのかというふうなことでございます。これについてはちょっと調べましたところ、同志社大学の山田先生らの調査研究におきまして、参加型の授業とか、授業外学習、読書などの自主的学習というものが能力向上に寄与するというふうな効果が調査結果として示されているということが、そういうものもございました。
 それから、アクティブ・ラーニングの効果を上げるのには、やはり教員の資質がます重要になるという御意見がございました。
 また、オンライン教育の有効性について、それから、学生がそれに対して本当に学習意欲を保持できるかという観点に答えていく必要があるのではないかというふうな御意見でございます。これにつきましては、オンライン教育だけだと動機付けとしては難しい点がございますけれども、授業の関連付けとか、授業外の学習を促すような授業をすべきだというふうな御意見があるところでありまして、オンライン教育を基にした反転学習とか協調学習とか、そういったものが想定されるというようなことをおっしゃっている方もいらっしゃるということを御説明させていただきたいと思います。
 それから、オンライン教育の部分でMOOCをどのように位置付けるかという御意見でございますけれども、やはりMOOCというのは戦略的に位置付けて、大規模オンライン講義をして大学の存在意義を示したりとか、優秀な学生を海外から呼び寄せるというふうなことでございます。いきなりそこまで行くというのは難しいということも考えられますので、まずはオープンコースウェアのデータベースとかを充実して、一部、MOOC的な返答ができるような形に改良するとか、そういう形が一応イメージとしてまず考えられるのではないかと思っているところでございます。
 それから、学習データの管理に関しては、既にLearning Management Systemの導入が図られているというふうな大学もあるというふうなことを指摘してはどうかということで、さらに、学修ポートフォリオの導入も有効ではないかというふうな御意見がございました。これにつきましては、既に学習行動のログを評価するというふうな形で進まれているところもありますので、こういったところを更にどのように強化していくかというふうな論点につきまして、次のSINETとかの関連のアカデミッククラウドとかいうところを議論するときにまた御議論していただければよろしいんではないかと思っているところでございます。
 またさらに、学生個々のログの解析とかによりまして、学生ごとの最適な学習内容を把握するようアダプティブラーニングというふうな取組もアメリカで進んでいるところもあるということでございますので、こういった教育が進化しているというのはあるということでございます。
 それから、学習データの解析におきましては、大学ということではなくて、やはり高度な技術ということからしますと、共通の開発が必要になっていくだろうということでございます。
 また、教材の電子化ということに関しますと、やはり大学だけというんじゃなくて、共用するためのメタデータの標準化とか、学習行動の把握においてはICチップの活用も考えられるんではないかという御意見がございました。
 また、日本の蔵書の電子化が遅れていると書いてありますけれども、それはどの程度本当に遅れているのかという御意見がございます。先ほどありましたアメリカのHathi Trustというのがございますけれども、まずそういった電子化している取組があって、そのメタデータを共有しまして、そこで著作権切れしたものから公開するというふうなところも含めて、電子化したものを共有するというふうな動きはかなり進んでいるということが分かったところでございます。また、フランスにおきましても国立国会図書館とかトゥール大学とか、中国でも北京大学とか浙江大学とか、そういったところにおいては蔵書の電子化が進んでいるということも分かったところでございます。
 いろいろ会議とかでも、図書館関係の方々の国際会議に行きますと、日本のコンテンツの電子的技術というのはやっぱり後れているんじゃないですかというふうに、数値的な情報はつかめていないところがございますけれども、指摘を受けるということが多いということも伺ったりしているところでございます。
 資料の御説明は以上でございます。

【西尾主査】  どうもありがとうございました。
 もう一度おさらいしますと、前回の委員会の資料5が、先ほど来の、夏に向けて発信していく我々の報告書に改訂されていきます。この資料5の内容をベースに前回の委員会で議論をいただいたこと、また、その後に別途いただいた御意見をまとめて資料3として、今、長澤室長から御説明いただきました。したがいまして、資料5に資料3の内容を追記していくことになります。
 そのように資料5を改訂して情報発信していくことの意義については、資料3の「追加でいただいた御意見」の一番目の丸と2番目の丸の項目に書いていただいております。その意義を重視しながら、今、長澤室長に御説明いただいたところで、大きく抜けている事項などがありましたらできるだけ簡潔に言っていただきますと、資料5を今後充実していく作業を行う上で非常に有効であるということでございます。何かないでしょうか。
 はい、倉田先生。

【倉田委員】  項目としてこういうものが抜けているというよりは、私の意見は既に申し上げさせていただいたのですけれども、全体の整理、若しくは方向性の問題の方が強いような気がいたします。要するに、こういうことは言いたいということは皆さんの御意見でもう随分出そろっていると私も思うのですね。ただ、それを資料5のような形で出すというのはちょっといかがなものかという感じがやはり強くいたします。
 最初のところにもっと大きく、今、主査も言っていただけたような、なぜ今ここで学術情報委員会がアクティブ・ラーニングに関してこういう取りまとめを行うのかということ、そこから入っていただかないと、せっかくいいことはいろいろと書いてあるのに、「え? ここから入るの? これ何?」という感じは否めません。非常にもったいないという気がやはりいたしました。

【西尾主査】  倉田先生には多分、前回も今おっしゃられたことを御指摘いただいたかと思いますけれども、我々としましては、第2期教育振興基本計画の答申が4月25日に出たのを受けて、その中で重要視してあるアクティブ・ラーニングのことに関して、その具体的な在り方を示すことの意義、まさに資料3の「追加でいただいた御意見」の一番上の項目ですけれども、そのことについて我々から発信する報告書の冒頭において十分な記述を行う。その上で、我々が発信する報告書が、いろいろなところで参照されるようにすることが大切だと考えます。どうもありがとうございました。
 ほかにないでしょうか。はい、竹内先生。

【竹内委員】  今の倉田先生の御意見と主査のおまとめには全く賛成でございます。その観点から申しますと、今回の資料5というのはやや抽象的な記述が多くなっておりますので、できれば欧米を含めた先進事例の具体的な記述をどこかに入れていただくといいのではないかと思います。

【西尾主査】  竹内先生、ありがとうございました。また、竹内先生には、そのような記述を行っていくうえでいろいろとサポートしていただくことをお願いするかと思いますが、どうかよろしくお願いいたします。
 ほかに何か御意見ございませんでしょうか。
 羽入先生。

【羽入主査代理】  ただいまの倉田先生の御意見、それから、主査の御意見に全く賛成なのですが、そのときに、追加の意見の中にございますけれども、学習効果とか効果というような表現があって、アクティブ・ラーニングに対して学術情報基盤の整備がどのような効果をもたらすことがあり得るのかということが一番重要なことになりそうに思いますので、そういったコンテクストも必要ではないかという気がいたします。

【西尾主査】  非常に重要なことだと思います。学術情報環境をどれだけ十分な整備をしていくのか、それがアクティブ・ラーニングにとっても大切であるという観点、これを明確に書いていくことが重要だと思います。
 ほかに何かございませんか。
 喜連川先生、どうぞ。

【喜連川委員】  資料を十分に読み通せていないんですけれども、学術情報という表現があったり、情報という言葉はあちらこちらに出ていますし、電子化という言葉も出ていると思うんですけれども、先ほどの奈良先端大学の事例のように、情報技術者がもっと図書館の方と一緒になって進めるというようなことというのは、パッと見たときあまりはっきりと出ていないような気がするんです。学術情報基盤ということの名詞句から、情報技術者と何かちょっと距離がある。つまり、情報がある場所というイメージは分かるんですけれども、テクノロジーを持っている人と一緒にやっていこうという、何かそういう雰囲気がやや希薄かなと感じました。

【西尾主査】  分かりました。いわゆる情報技術者が対等な立場で貢献していくという観点、これは明確に記述していく必要があると思います。貴重な御意見、ありがとうございました。
 山口先生、どうぞ。

【山口委員】  2点あります。「問題意識、背景」の部分を記述する際に、加筆した方が良い点です。まず、アクティブ・ラーニングの展開が必要な一つの理由としては、学習法の多様性を確保し、促進するため、と強調する必要があると思います。もう一点は、中教審の資料にもありますように、キャンパス・アジアに代表されるように、国際的な観点から学生の交流を活発化するためには、コミュニケーション能力を育成していくことが急務である、と訴えるのも効果的な切り口かと思います。

【西尾主査】  どうもありがとうございました。今頂きました御意見も、非常に重要な観点だと思います。
 美馬先生。

【美馬委員】  今回全体をまとめていく上で、学術情報及びアクティブ・ラーニングという方式、それから、どういった場所の空間というのをまとめるに当たっては、例えば大学が提供する「学修支援活動の組織化」というような形でまとめていくのはいかがでしょうかという御提案です。つまり、学修支援というのは、授業以外のところでも、いろいろな支援の、図書館をはじめとするサービスがありまして、そういったものを組織化していくということです。その中でどの場所を活用する、どういう人材を活用する、育てる、それから、どういう資源がある、そこにどういう機能を持たせるというような、場所、人材、資源、機能というような観点がよろしいかと思います。

【西尾主査】  ということは、学修支援をする空間の重要なものとしてアクティブ・ラーニングを行う空間を位置付けて、それがどうあるべきかという論点で書いていくということでございますか。

【美馬委員】  はい、そうです。

【西尾主査】  どうもありがとうございました。
 美濃先生、どうぞ。

【美濃科学官】  情報技術を使った教育の一番大きな点は、個性化というか、みんなに同じ教育をするのではなくて、個人個人に適応したことができるということです。そこを目指して環境を作っていって、支援もしてデータも解析するというのが大きなストーリーじゃないかと思うので、そういう筋みたいなものを明確に出した方が分かりやすいかなという気がしますので、よろしくお願いします。

【西尾主査】  美濃先生、ありがとうございました。それは多分、山口先生が先ほどおっしゃったように、まずベースとなるものがあって、それにバラエティーをいろいろ持たせて、個々の学生に合わせて提供することの重要性の御指摘いただいたものと思います。そのプロセスにおいて、多様性をより高める観点からも、ICTをベースにしたアクティブ・ラーニング環境が生きてくるということだと思います。
 ほかに、よろしいでしょうか。
 今まで頂きました全体スキームに関する御意見をもとに、まず、まくらの部分でどういうことを明確に書くべきか、ということについては、倉田先生、美馬先生がおっしゃったようなことは十分に押さえておくべきと考えます。それから、アクティブ・ラーニングの空間をどうデザインして、それによってどのようなメリットがあるのかについて、多様性のことも含めて記述することが肝要に思います。そのような記述において、情報技術者と従来の図書館職員との間の新たな中間職種的な人材を育成していく必要があるということを強調していく必要があると考えます。
 そういう形でこの委員会でまとめることができますと、今後、先の中教審の答申を受けて各大学としていろいろな対応をしていく上での一つの指標のようなものが示せるのでは思っております。
 大体、今申し上げたようなことを資料5に反映して、拡張版を策定していくということでよろしゅうございますか。
 そうしましたら、まだいろいろ御意見はあるかと思うのですが、時間が来ておりますので委員会は終了したいと思います。追加的な御意見等は、この委員会が終わった後、事務局の方から期限を限らせていただいて皆さんに募らせていただきますので、是非ともよろしくお願いいたします。とにかく我々の委員会として、今後の指針となるようなものを策定して、国の教育に資するということで頑張っていきたいと思います。
 それでは、藤川先生、田村先生、今日は本当にお忙しいところ御出席、御説明いただきましたことに関しまして、改めてお礼を申し上げます。どうもありがとうございました。
 最後に、事務局より、連絡事項等についてお願いいたします。

【長澤学術基盤整備室長】  それでは、本日の会合の議事録につきましては、また各委員の先生方に御確認いただいた上で公開させていただきたいと思っております。
 それから、次回の会合でございますが、6月14日の金曜日、時間は10時から12時まで、場所はこの隣の3F2会議室になってございます。
 また、その後の日程につきましては現在調整させていただいているところですけれども、当面の日程は資料4のとおりとなっておりますので、日程の御確保の方お願いできればと思います。よろしくお願いいたします。

【西尾主査】  下間課長、どうぞ。

【下間情報課長】  今、西尾先生からお話がございました追加の御意見につきましては、またメールで締切り等含めて御案内させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。

【西尾主査】  どうもありがとうございます。
 それでは、本日、活発な議論をどうもありがとうございました。これで閉会いたしたいと思います。

―― 了 ――

 

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