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第7期研究費部会(第6回) 議事録

1.日時

平成26年2月26日(水曜日)15時~17時

2.場所

文部科学省3F1特別会議室

3.議題

  1. 科学研究費助成事業(科研費)など研究費の在り方について
  2. その他

4.出席者

委員

佐藤部会長,小谷部会長代理,甲斐委員,奥野委員,髙橋委員,柘植委員,濵口委員,平野委員,北岡(良)委員,金田委員,谷口委員,鍋倉委員,上田委員,渡邊日本学術振興会理事,佐久間日本学術振興会研究事業部長

文部科学省

小松研究振興局長,板倉振興企画課長,合田学術研究助成課長,松尾人材政策課長,山口学術研究助成課企画室長,長澤学術基盤整備室長,他関係官

5.議事録

【佐藤部会長】
 時間となりましたので,第6回研究費部会を始めさせていただきます。
 研究費部会では,委員の皆様の御尽力,御協力により,昨年8月に「学術研究助成の在り方について(研究費部会「審議のまとめ(その1)」)」を公表しておりました。
 まず,議論を再開するに当たりまして,本日は,前半で予算関係はもちろんでございますけれども,ほかに大きく進展した研究不正対応などを含めまして,まず種々の状況報告を頂きたいと思っております。その上で,後半で今後のアジェンダ等について,踏まえるべき状況を共有しながら,自由に議論をしていきたいと思っております。
 まず,平成26年度の予算案についてでございます。事務局から予算案をめぐる状況等について説明をお願いします。

(1)科学研究費助成事業(科研費)など研究費の在り方について

 事務局より,資料2に基づき説明がなされ,意見交換が行われた。

【佐藤部会長】
 ありがとうございました。科研費は,確かに国大協等の努力によりまして,減額は大幅ではなくて,このような数値を獲得できたことではありますけれども,今後,なかなか難しい状況になるのではないかと思っております。大学の運営費交付金も増えたとはおっしゃいますけれども,実際,研究に使うような特別運営費交付金というのは大体30パーセント近く減っていますし,そういう意味ではなかなか厳しい予算ではなかったかなと思います。
 それでは,皆様からの御意見,御質問等をお願いしたいと思いますが,いかがでございましょうか。広く一般的な話でも結構だと思いますし,どなたか御発言をお願いできればと思いますが,いかがでしょうか。

【柘植委員】
 文科省も4パーセントを拠出しました内閣府の戦略的イノベーション創造プログラムは,実行しようとすると,やはり科学技術は,文科省が相当実行部隊として責任を負うべきだと思うのですね。
 ですから,この辺りについては,司令塔としては内閣府が負うにせよ,実行部隊としては文科省,あるいは文科省を支えている大学なり国立の研究所なりがきちんとその中身を背負っていくという,こういう組立てがこれから必要だと思うのです。内閣府にこれだけの金額を託したのは画期的だと思うのですけれども,ある意味では,日本にとっては初めての試金石だと思うのです。この辺り,やはり我々としても間接的に責任を持っているなと私は思いまして,この科学技術・学術審議会としても,それは一部責任を持っているぞという自覚が必要かなと思います。
 今のところはそういう感想しかないのですけれども,やはり課題として,我々は設定すべきかなと思います。

【佐藤部会長】
 ありがとうございました。いかがでしょうか。

【合田学術研究助成課長】
 大変重要な御指摘を頂きまして、ありがとうございます。おっしゃるとおりでございまして,今内閣府の方でも,このお金をいかに生き金にして未来につなげていくかということを真剣に考えています。我々も課題の設定,プログラムディレクターがどういう判断をされていくのか,その中で当然のことながら,課題ごとに推進委員会などを設けて,きめ細かく連携していく所存です。
 私ども,受け手として受動的に考えるのではなくて,是非,共に創造していくという観点で取り組ませていただきたいと思っております。

【佐藤部会長】
 ありがとうございました。
 日本版NIHというのは,これだけのお金を取ってやるわけですけれども,アメリカのNIHと比べると同じものとはとても思えないわけですが,実際この中で補助金のようなものを作るという話になっているのですか。どういう動きになっているのでしょうか。

【板倉振興企画課長】
 この日本版NIH構想につきましては,新しい独立行政法人を創設しまして,文科省,経産省,厚労省の研究費を新しく作る独法で執行するという仕組みにしております。ただ,それぞれ3省庁,継続事業もございます。継続事業を途中で切ると大混乱になりますので,継続事業は継続事業として進めていきますが,その際にも,3省庁の壁を超えて,例えば,再生医療であれば文科省の研究ポテンシャル,厚労省は規制をしっかり緩和していただくというような連携体制を構築して進めていくということで,今,内閣官房,それから3省庁で制度設計に向けて進めているという状況でございます。

【佐藤部会長】
 文科省からこちらへ移したというのはかなりの金額になるのでしょうか。

【板倉振興企画課長】
 この新法人は,仕組みとしては,先ほどのSIPと違いまして,3省庁がしっかりと支えるということから,この文科省の予算570億円は,文科省から新法人に出すという仕組みになってございます。それぞれの省庁が,文科省であれば大学行政,あるいは厚労省ですと規制,あるいは経産省の産業界との関係といったものが力を発揮できるような状況にしようということで進めておりますので,先ほどのSIPとは進め方が違うということでございます。

【佐藤部会長】
 文科省の570億円には,継続事業分も随分入っているという話でございますね。

【板倉振興企画課長】
 おっしゃるとおりです。今回123億円増ですので,継続分もかなりの金額が含まれております。

【平野委員】
 以前,総会の場で,東北の震災があった後だったのですけれども,本当の意味の科学技術・学術の司令塔はどこですかと質問をしたことがあります。そういうことではないと思うのですが,あるプログラムを総合科学技術会議で司令塔として動かすというのであれば,よほど慎重に国をどうするのかということをきちんと明言されて,戦略的と言われるなら動いていただきたい。委員の一人としての希望であります。

【髙橋委員】
 国立大学の強化費に関してですけれども,すばらしいプロジェクト等がこれから企画されて,額面どおりに見れば,これから日本国がものすごく強化されるようにも見えるのですけれども,実際に現場はどうなっているかというと,そういうふうに大きなお金を国立大学が頂いて,そして頑張るぞというときの人員配置について,結局は純粋の人員増というのはないわけですから,今頑張っている部局からポスト吸い上げみたいなことがよく起こっています。こういう話をすると,それは大学で勝手にやれという議論もあろうかと思いますが,やはり科学行政としていろいろなお金を財務省から取っていただいて,国立大学に頑張れというふうに渡してくださるのであるわけですから,最後は勝手にやれというわけにはいかないと思いますね。
 要するに,次々と一見すばらしいプロジェクトが動こうとしているときに,その陰でどういう混乱が生じようとしているか,あるいは既に生じているわけですが,そういうところのフォローをしっかりしていただく。あるいは,私たちもここで議論してもいいのではないかと思うのです。この部会かどうかはともかくとして,お金を頂く,そして新しいものを動かすのみではなくて,本当に動いている現場がどうなっているかという,これを審議する機会を今後是非とも設けていただきたい。私も真剣に議論に加わって考えていくつもりです。

【佐藤部会長】
 髙橋先生のおっしゃったことは,例えば大きな科研費とか,若しくは特別運営費交付金でプロジェクトに来たお金が減額されたり,困ったりしている。いろいろなことをきちんとここでレビューすることも必要だということでしょうか。

【髙橋委員】
 簡単に言えばそうですね。物事には良い面と悪い面があろうかと思うのですが,悪い面にまつわる問題点を皆でシェアして,できるだけ解決するというようなことをもっとやらせていただければいいなと思います。これも,やはり研究費と直結している問題だと私は思います。

【佐藤部会長】
 現場の気持ちはよく分かるというか,状況は分かると思いますが,どこまでこの場で議論できるか分かりませんけれども,考えていかなければならないと思います。ほかにはいかがでしょうか。

【谷口委員】
 学術研究助成課として現状をどう捉えていらっしゃるかということを教えていただきたい。先ほど合田課長がおっしゃったキーワードに,科学者コミュニティーということがあったと思います。科学者コミュニティーが科学技術政策にどういうふうに関与するかというのは大変難しい問題で,ここで議論するのが必ずしも適切とは言えませんが,しかしながら,一方で科学者コミュニティーが政策に関してほとんど影響力がないという印象を持っております。
 これは,やはり根本的に横たわるゆゆしい問題であって,これは別に行政の責任というわけではなくて,科学者コミュニティーそのものの力のなさだということを非常に強く痛感しております。そこを強くしていかないと,なかなか政策にいろいろ反映することができない。先ほどから科研費のことに関しても,いろいろ議論されていますけれども,一貫して受ける印象は守りの姿勢という感じなのですね。何とか何パーセント減で済んだとか,そういう感じになっているので,ポジティブシンキング,思考といいますか,やはり政策を担う中枢の人たちに説得力のあるようなアピール,そういうことをしていかないと,これではもうやっていけないというか,かなり厳しい状況ではないかと思います。
 科研費といえども,必ずしもいわゆる聖域という問題ではなくて,やはり我々学術側とは違って,科研費というのは研究者のわがままで,国民の税金が,わずかな書類を書けば何千万円という研究費がもらえるような,そういうものだという捉え方をしている人も世の中にはいるわけです。もっと言えば,そういう人がかなり多いのではないかと。
 逆に言いますと,今のせりふは極端としましても,やはり社会の中で科研費が支持されているかというと,なかなかそうではないのではないかと。そうしますと,これからの時代に即した新しいやり方といったものを考えていかないと,先ほどの科学者コミュニティーからのアピールも重要ですけれども,科研費そのものを捉えたときに,そういう基本的な学術の重要性というのを認識しながらも適切な改革を検討するといったようなことをやっていかないと,じり貧になっていくのではないかということを思うわけです。
 学術研究助成課としては,今はどういう捉え方をしていらっしゃるのか,お伺いしたい。

【合田学術研究助成課長】
 全くそのとおりだと思っております。科研費はこれまでの一世紀に及ぶ長い歴史の中で,学術研究に対する投資は,将来に対する投資として大変重要だという認識が,社会一般にとまで言えるかどうか分かりませんが,少なくともこの霞が関界隈(かいわい)には,基本的にあったわけでございますけれども,現在2,300億円という助成額になっている中で,本当にこれが生き金になっているのかということは,かなり深刻に問われていると思っております。
 その際,私どもはこの2,300億円をどう守るのか,あるいはどう削減を回避するのかというような話よりも,むしろ学術研究にしか日本社会の未来の可能性は詰まっていないということを,どのように可視化し,かつ,むしろ研究者コミュニティー側が,自分たちはこういう形でこのお金を未来に対する投資として使おうとしているのだという意思を明確に表してこそ,先生がおっしゃった積極的な攻めのファンディングポリシーが形成できるのではないかと思っております。
 イノベーションという言葉も先ほど来ありましたけれども,学術研究は何もイノベーションのことだけを考えてやるものではございませんが,日本の持続的な発展のためのイノベーション,真のイノベーションは,学術研究の基盤が欠かせないと思っておりますので,そういう観点から,制度設計など具体的な議論をする必要があり,それを主体的に行うのは研究者コミュニティーの場ではないかと存じております。
 他方,先ほど先生がおっしゃったように外からは全然違ったように見えますので,そこは対話をしながら,レリバンスある政策形成の中で,やはり学術研究や基礎研究に対する投資は必要だという社会的なコンセンサスを,是非形成していく必要があると私どもは思っております。先ほど先生におっしゃっていただいたような観点で,是非この部会で大きな御議論を頂ければと思っている次第でございます。

【佐藤部会長】
 ありがとうございました。全く正論だと思いますし,コミュニティーが更に努力する必要があると思います。科研費の制度でも,これは守りから出たのではありますけれども,イノベーションへのブリッジを作るという話も出ておりましたし,それがすごく可視化ができて,目に見えるようになってくれば,攻めになってくるのではないかと思うのです。いろいろ手法を考えていただければ有り難いとは思っております。ほかには御意見いかがでしょうか。

【奥野委員】
 谷口先生がおっしゃったような,科研費が具体的に何をできてきたのかということについて,例えば,国力の一つの指標であるGDPなら,GDPに科研費は何パーセント貢献してきたのか。あるいは,科研費のような基礎研究,それがどのぐらい応用研究や開発研究に結び付いて,二千何百億円のお金が,今度は逆に何千億円,何兆円の新しい国力,研究費,研究の結果というものにどのぐらい結び付いたのかということを数値的に導き出すことをやるということは,国民に説得力を増すやり方だと思うのです。
 その具体的なやり方は私もすぐには思い付きませんし,おやりになっていらっしゃるのかもしれません。大変な作業だとは思いますけれども,そこのところをもう少しやっていただけないだろうかというのが希望でございます。

【合田学術研究助成課長】
 私どもも全くそのとおりだと思っております。実は,高等教育局が一時期,地方国立大学の経済効果というものを分析したことがございました。そこに大学があって,若者がいて,研究者がいて,研究活動があって,教育活動があるということの経済波及効果というのは,投じている運営費交付金の2倍,3倍,4倍というような結果が出てまいりました。これは,世論に地方国立大学の役割を説明する際に,かなり役立ったということがございます。
 現在既に私どもの学術調査官の先生方に,いろいろ御相談を申し上げておりまして,この学術研究がイノベーションに向かうプロセスの中で,その学術研究がなければ,例えばGDPが減少していたか,逆に科研費が結果としてどれぐらいの経済波及効果を及ぼしているかということを,簡単なモデルでもいいからピン留めをして整理をしていくと,やはり先生がおっしゃいましたように,ノーベル賞に結び付くネタがここにたくさんあるのだというのは,多くの人は分かりますし,学術研究や基礎研究が大事だというのは,皆様アグリーしていただけるのですけれども,2,300億円というロットが必要なのかと言われると,ここは議論が分かれてまいりますので,やはりこれは必要だと存じております。
 さらに,学術研究に関する国際的な,かなり熾烈(しれつ)なコンペティションの中でこれぐらいの投資というのも必要不可欠なのだということを具体的に示していきたいと思っております。今具体的に悩んでいるところでございますので,是非また御知恵をお借りできればと思っております。私どもも大変重要なことかと存じております。

【佐藤部会長】
 ほかにはよろしいでしょうか。

【鍋倉委員】
 経済効果や新しいノーベル賞という議論で説得するということも非常に分かりやすいのですけれども,やはり一番大事なのは大学での基盤研究,いわゆる日本でいう下町工業みたいな技術ですね。絶対に必要な技術,継続的な技術,これは大学でしか担保できない。そういう多様な技術,継続的な技術の上にあるときに必要なピークができる。あるときに,例えば必要なときにそこの技術を取っていく。
 そういう意味で,基盤技術をきちんと大学で担保するということが,時代,時代に応じたピークを作っていくのだという主張も,もちろん皆様分かっていると思うのですけれども,最近,経済効果とか,そういうところばかり目が行って,新聞なりに載っていますけれども,やはり大学で基盤技術がなくなったら日本は駄目になっていく。例えばアメリカだったらどこかから呼んでくればいいのですけれども,日本では,もしなくなった分野があると,それを復活するのにはもっと時間と費用がかかるという議論も,一方ではする必要があると思っています。

【佐藤部会長】
 ありがとうございました。
 次に,「審議のまとめ(その1)」を踏まえての進捗状況,及び最近の各種の動向につきまして,事務局から説明をお願いします。
 
 事務局より,資料3,参考資料1~5に基づき説明がなされ,意見交換が行われた。

【佐藤部会長】
 ありがとうございました。ただ今のことにつきまして,御質問等,コメント等ございましたらお願いしたいと思いますが,いかがでしょうか。

【甲斐委員】
 JSTとJSPSが統合はしないものの有効な連携を図るようにという文言が入っていましたが,具体的にはどういうことをしているのでしょうか。

【松尾人材政策課長】
 以前からJSTとJSPSについては連携するということが行革で言われておりました。例えば,理事クラスでの意見交換や, JSPSで出てきたいろいろな基礎研究をJSTの方でつなげていくということが大きな流れでございます。
 それを強化していくということでございます。その中で更に,また一層何らかの形での連携というのは,これから少し詳細を検討していきたいと思っている次第でございます。

【佐藤部会長】
 ほかには,いかがでございましょうか。雇用が5年から10年になったということは,研究者,若い人を雇っておくことについては,随分安心になりまして,良い改革が進んでいるかと思います。

【北岡(良)委員】
 参考資料4のImPACTというのは,この補正で今年度採択して,基金化して,5年きりで今後の将来構想というか,トップダウン型の研究競争資金をどうやって進めていくかという議論はなされているのでしょうか。この5年で終わるような状況ですか。

【松尾人材政策課長】
 これもまた,JSTの方に基金を造成するということで,今国会で成立させていただいたものでございます。FIRSTについては5年前に作ったものでございまして,研究者レベルでの資金を30チームに渡すということでございます。これは今,総合科学技術会議の中で評価をしているところでございます。その中で出てきた幾つかの成果については,当初から予定していたものではありませんが,JSTで引き継いで,それを次につなげるということをしてございます。
 一方で,このImPACTについては,ハイリスク・ハイインパクトで,トップダウン型の研究を行うということです。

【佐藤部会長】
 FIRSTの後,それをどうフォローアップして,どういう手当てをするか,具体的に決まっているわけですか。

【松尾人材政策課長】
 それは決まってございません。これは,プログラムごとに恐らく違ってくるのだと思います。評価をし,良いプログラムは次につなげるということだと思いますけれども,あらかじめ,予算としてつなげるための予算があるかと言われれば,これはございません。したがいまして,FIRSTについては,既存の制度の中でそれを吸収し,そして,また発展をさせていくということになるのだと思います。

【佐藤部会長】
 JSTは,良いものがあれば自分のところのプログラムの中に採用していくということでしょうか。

【松尾人材政策課長】
 必ずしもFIRSTについて,どこが次やるかというのは,決まっていないわけでございます。一旦評価をする,その評価の主体は総合科学技術会議で現在してございます。

【北岡(良)委員】
 国の科学技術政策,いわゆる総合科学技術会議と科学技術・学術審議会の学術分科会で,いろいろな施策,あるいは提言を出したときに,それをどういう形でまとめ上げて,どこが司令塔になって日本の科学技術政策を進めていくかというのを教えていただきたい。どういう状況になっているのでしょうか。ボトムアップの基礎研究の科研費を議論するのはここで,学術分科会では,国の学術政策についていろいろ御提言するということですか。その施策は,どこで取り上げられて,総合科学技術会議が全部取りまとめて,これからやっていこうというような国の方針なのですか。その辺,交通整理をしていただけませんでしょうか。

【板倉振興企画課長】
 仕組みとしては,総合科学技術会議が基礎的な研究からイノベーションまで,政府全体の司令塔ということで位置付けられております。こちらの科学技術・学術審議会は,文科省の審議会でございますので,我々が先生方の御意見を受け止めさせていただきまして,総合科学技術会議側に様々な提言をしていくという形で,いわば政府としての政策がまとめられていくというふうになろうかと思っています。

【髙橋委員】
 トップダウンvsボトムアップという議論は,真面目にやらないといけないことなのです。私がこの委員のメンバーになってから,ちょうど1年がたとうとしているのですが,余りその議論はなかったように思います。
 私たちにとても身近なものとしては,ボトムアップとして科研費があります。いろいろな意見はあるかもしれませんが,生命科学の学術研究を考えるとき,ほとんどの人たちがアグリーしている意見として,トップダウンからは余り良い研究は出ないなという意見が多いです。すばらしい研究がどんどん出るのは,やはりボトムアップ研究なのです。学術の本質に関する議論をしっかりとしたいと思います。
 トップダウンを全否定しているわけではありません。しかし,私はこれまでいろいろなところで審査に参画し,また同時に審査される立場として,研究費応募に落ちたり通ったりしてきました。これらの体験を踏まえて申し上げると,あたかも「トップダウンが分かりやすいので,研究費をつぎ込むべきだ」という議論には大いに異論があります。そういうところも,この部会の議論の中に加えていただければと思います。

【合田学術研究助成課長】
 総合科学技術会議は,文科省だけではなくて,各省の科学技術政策全体の方向性を議論するというようなことでございますけれども,他方で,日本のイノベーションにとって,極めて重要な基盤を形成している大学の学術研究につきましては,大学を担当している文科省の科学技術・学術審議会学術分科会,あるいは中央教育審議会大学分科会における具体的な議論が大きな意味を持つと存じております。それが,平野分科会長の御提案により,学術分科会に学術の基本問題に関する特別委員会が設けられ,学術政策を基本に立ち返って,かつ大学政策との横串も通して議論していくことにした所以(ゆえん)だと考えております。
 他方で,先ほど谷口先生からお話がございましたように,学術研究に大きな税金が投入されている中で,それを研究者コミュニティーが,どう生き金にして社会の持続的な発展にコントリビュートしようとしているのかということについては,むしろこちら側から具体的な議論を提起しなければならない。それがレリバンスのあるものであればあるほど,いろいろな場での議論がかみ合ってくる。どこが司令塔かという交通整理も大事でございますけれども,それと同時に,どういう内容の議論を社会に対して提起していくかというものも大変重要ではないかと思っておりますので,是非その点については,ここで御議論いただければと思っております。

【濱口委員】
 今の大型研究費の流れで,もう一つ私が気になりますのは,ハイリスク・ハイリターンというキーワードです。率直に申し上げて,従来の科学研究費というのは実績主義で,その投資に見合った成果を,どれだけそのプロジェクトの中で出したかというのは,我々自身も正確な評価,統一的な指針でやってきたことのないことです。ところが,いきなりこの大型のところでハイリスク・ハイリターン,結果を問うようなお話になっている。どういう指標でハイリターンという評価をするのか。
 それから,従来の基盤研究というのを,我々自身はハイリスクのところへ結構少ない金額で突っ込んできているのですけれども,それとの違いは何なのかというのがどうもよく分からない。どういう指針でどういう評価をやるのか。ここは本当は議論すべきではないかと思うのです。

【佐藤部会長】
 これについては,御意見いかがでしょうか。特に開発研究などでハイリスクというのは分かりやすいとは思うのですけれども,基礎研究では全てハイリスクかもしれません。

【谷口委員】
 濱口委員がおっしゃったことが大変重要な根幹に関わる問題ではないかという感じがいたします。その根底にあるのは,日本の将来を一体どう考えているかという問題があり,そこで,今まで近代の科学が歩んできた道,今置かれている日本の立場,日本の科学の在り方,これから科学,学術を通してどういう日本の像を作り上げるかというところが,やはり我々学術を担う立場から,それをどう発信していくかということは,非常に重要だと思うのです。
 知的な文化国家を目指して,日本が世界から尊敬される,それを支えているのが学術だという位置付けをするわけですが,その中にやはり経済効果とか,そういうものも含まれるわけです。今の日本の流れというのは,あえて特定はしませんけれども,やはり強い経済の再生,これに特化した状態だという感じがするのですね。
 そのような価値観が,我々日本にとって,少子高齢化が進み,なおかつ支援も乏しいとか,いろいろ要素があるわけです。経済的にいつまでも成長をし続けるという,いわゆる戦後の意識がいつまで続くかという問題もあり,やはり新しい価値観を生み出していくということもまた,学術が抱えた非常に重要な問題であると。だからこそ,自然科学だけではなくて,人文学,社会科学といった分野と一体となって進めなければいけないというところが根幹にあるのですが,それを社会にもアピールして,理解していただくということがやはりないのだと思うのです。
 こういう部会で議論したり,科学技術・学術審議会で議論されたりするのもいいのですが,なかなかその声が届かない。今,ドイツのマックス・プランク協会のプレジデントが来日しておりまして,一昨日彼が,明日文部科学大臣に会うのだと言っておられましたので,基礎研究が,いかに今の政府が言っているイノベーションの根幹になるかということを,是非懇々とお話をしてくれというふうに言っておきました。
 そう申しましたところ,昨日の夜,下村大臣に会って,非常によく話が弾んだとおっしゃってくださったので,大臣は,そういうことに関して非常に深い理解を示していらっしゃるのだと思います。私が申し上げたいのは,例えば,彼はドイツの科学技術政策に関して,メルケル首相の側近としていろいろなアドバイスをしたりしているわけです。これはアメリカでも,その昔クリントン政権の頃のハロルド・バーマスとか,NIHの長官ですね。真のNIHですが,そういった人たちが時の政権に的確なアドバイスをすることによって,基礎研究,ひいては国の力となって発展した経緯があるわけですけれども,そういう仕組みも全くない。やはり何かの形で政治を行う方々,あるいは行政の方々と科学者コミュニティーがいろいろもっと密な連携と言ったらいいですか,ロビーイングと言うと言葉は悪いのですが,良い意味でのそういうことを考えていかないと,また,多面的なアプローチということを考えていかないと,とんでもない方向に行くのではないかということを少し危惧いたします。
 飽くまでも一般論ですが,最終的には,時の政権によって百何十年も続いてきた大学の在り方,学術の在り方が大きく変えられるという可能性もなくはない,というようなことを思います。

【佐藤部会長】
 ありがとうございました。次の何か具体的なことに続くことができれば有り難いと思います。日本学術会議の会長も総合科学技術会議の正式なメンバーですか。

【谷口委員】
 非常勤だと思います。

【佐藤部会長】
 非常勤だそうですが,学者を代表する方が,時の最高の政治家に直接意見を発信できることが本当に大事だと思います。今のところは,その点はまだ弱いところだと思います。

【上田委員】
 恐らく企業でもそうですけれども,一番問題になっているのは,よく言われる死の谷なのです。基礎研究がイノベーションを生んで重要だということはみんな分かっている。けれども,例えば企業でいくと,その技術が世の中にきちんと出るか。これは,基礎研究をやっている人にとっては,基本的に興味がないのです。
 恐らく大学の先生方にとっても,イノベーションというか,基礎研究には興味があるけれども,経済効果だとか何とかというのは,基本的には自分の役割ではないので,次の研究をやることが重要なのだということだと思うのです。
 昨日,DARPAの方が来られて,ImPACTの前座ではないのですけれども,久間先生が最初に紹介しながら,DARPAのPMがDARPA型の説明をしたワークショップがありましたと。そこでやはりおっしゃっていたのは,DARPAはもちろんトップダウンで,PMはいろいろやるのだけれども,やはりやるべきことを最初にきちんと決めて,それが,例えば2年後に確実に進捗していれば,更に4年をやってという形で,評価もそれなりにハイリターンということは,いい加減にやっていなくて,それができないPMは自ら退き,できそうなものだけ更に残してという形で,若い人は28歳,年寄りの人は70歳がPMになっているという説明をしていて,実は一昨日安倍さんたちに,そのメンバーはその議論の場でやると。国も日本型のDARPAをやっていくのだと。
 これは,やはり日本のいろいろな問題になっているイノベーションを,短期決戦で集中的に研究をやって,そういうことをしていくことが重要だということを,向こうの方々も,DARPAの方々も盛んに説いておりました。どちらかというと日本のように割とばらばらでやっていても駄目ですよというようなことを多少皮肉っぽく言われていました。
 トップダウンかボトムアップかというのは,何をトップダウン,何をボトムアップかというのかということだと思うのですけれども,重要な研究を大学でやることも,当然これはトップダウンだと思います。ただ,何か分からないけれども,世の中が何と言おうが自分の興味でやるというのも,学問には当然あるのですけれども,当然予算には優先順位というのがある。そういう意味で言うと,ImPACTとかFIRSTというような研究はこういう研究であって,科研費は科研費であって良いと思うのですけれども,全てが研究はイノベーションうんぬんで,ボトムアップで,何か発想を自由にやれば良いということでは,必ずしも死の谷みたいなものは克服できない。かつ,日本の国力が本当にそれで強くなっていくのかというのは,疑問視されるような気もします。

【佐藤部会長】
 ありがとうございます。
 次の議題に移っていきたいと思います。3番目でございます。文部科学省における「研究活動の不正行為」及び「研究費の不正使用」に関するガイドラインの見直しが検討されたわけでございます。これに関する進展その他につきまして,報告をお願いします。

事務局より,資料4,参考資料6~10に基づき説明がなされ,意見交換が行われた。

【佐藤部会長】
 それでは,ただ今の二つの報告につきまして御質問等お願いできればと思います。

【髙橋委員】
 科研費の不正使用に関する動向は,全く正論だと思います。一方で,現場はどうなっているかというと,「あつものに懲りてなますを吹く」ようなことがたくさんあるのです。端的に申しますと,事務の人から現場の我々教員及びポスドクたちは猛攻撃を受けておりまして,研究に残る時間が余りないという,これは本末転倒です。
 どう見ても普通の人間の常識として,これはおかしいということがあるのです。私は,ほかの国立大学等も同じだと思うのです。ごく一般の方々に通じるような常識に鑑みて,これは「なますを吹き過ぎ」ではないかというようなことがあったときに,例えば大学の本部にそのような意見を言いやすいような体制が一つできれば,私たち現場はとても助かるのです。そのような指針を文科省が出してくれればとてもよろしいと思います。今日の資料にもあります「関係機関の管理責任」。この言葉のもとで,私たち現場はやられ放題なのですよ。こういうところを少し御理解いただければと思います。どんな詳細,具体的なことがあるかということですが,もし私が意見を書くことがあれば,100項目ぐらいはすぐに書けます。
 それと,年度末ですね。今おっしゃったことは,本当にすばらしい。返還しても不利益がないということが余り周知徹底されていないというのは,確かに事実だと思います。それは,私たちが事務に「脅されて」いるからです。例えば,つい先日,私たちが書いた論文がアクセプトになりました。そうすると当然,別刷りを注文するわけです。
 別刷り注文の締切りが一昨日でした。このスケジュールだと,別刷りが来るのがどう見ても4月か5月になります。別刷り代は,科研費から支払うことが可能にもかかわらず,納品が年度をまたぐケースなので,絶対に駄目だと言われるわけです。そもそも論文発表は我々の命です。科研費の規則に沿って,そのスケジュールに併せて論文を通すということは到底無理ですし,余りにもナンセンスです。必死で研究をし,論文を書いて,そしてビッグジャーナルの厳しいレビジョンを耐え抜いたのが2月であるとき,なぜこういう目に遭わないといけないのかとか,悲しくなるわけです。
 このような学術の根幹に関わる事務的問題に関しては,研究活動に支障がないような事務管理を徹底していただきたいと思います。

【佐藤部会長】
 現場の事務の方は,非常に厳密にやり過ぎるところがありまして,学振なりどこかの偉い幹部の方に聞くと,そんなことは許されている範囲だという話はあるわけです。

【髙橋委員】
 幹部と末端の現場の受け止め方は,確かに全然違いますね。

【合田学術研究助成課長】
 よくお話を承りまして,コミュニケーションを図れるようにしたいと思っております。

【奥野委員】
 二つ個人的なことを申し上げたいのですが,一つは,私,人文系,人社系なので,こういう不祥事が起こるのはやはり大型の機械であるとか,非常に多額の資金が関わるケースが非常に多くて,人社系というのは,頂いている研究費が非常にわずかなのです。もちろん,余り要らないからわずかだということもあるのですけれども。それを,こういうふうに組織対応とされてしまうと,理科系も人文系も全部同じような形の教育をきちんとやって,仕組みも全く同じというようなことで縛られてしまう可能性がある。
 正直言って,余り細かいことを,不正を正すために非常に莫大(ばくだい)なコストを,とりわけ研究者にかけるということになると,コスト・ベネフィットということで考えると,要するに国民的損失という側面もあるわけなのです。
 組織に言うときに,理科,人文,人社だけではなくて,理科系の中でも,研究費を余りもらっていない人だっているわけですから,そういう人にまで,余り画一的な教育にしないような,少しそこは弾力的な対応をとるようにというようなことを,文科省側から大学の方に言っていただけないかというのが1点です。
 私は,今国立大学を退職して私大にいるのですけれども,この私大が,実は理科系の学部も持っていて,実は不正が数年前に多発して,全国でもワースト幾つという大学になってしまっているのです。それがあるがために非常に組織的な対応を文科省から迫られて,非常に厳しいのです,率直に言って。もちろん,科研費など,そういう公的な資金はとりわけそうかもしれませんが,大学の研究費でさえも,とても厳しい取扱いを迫られています。
 そういうことが起こるというのは,本来やってはいけないことだということ,組織対応は大事であるということをおっしゃることは,非常に大事だと思うのですけれども,同時に,もう少し弾力的な対応ということについても,何か内部で,もちろんこれは大臣決定ですから非常に重いものなので,そう簡単にはできませんとおっしゃる可能性は非常にあるとは思うのですけれども,少しお心遣いを頂ければというふうに思います。

【濱口委員】
 文科省も勧告されている側ですが,この参考資料7の下のところに無駄遣いという項目がございますけれども,研究者の実感から,これは余りにも厳しい指摘のように思うのです。先ほどのハイリスク・ハイリターンの議論もありますけれども,研究というのは,予定どおりになかなかいかないのです。設定した条件で設定したことをやっても,期待どおりにいかない。だから,研究者としては,その次の2番手,3番手のことも考えながら資金を動かしていく。そうすると,かなりリスクの高い実験をやっているほど,年度末までの余裕をかなり考えながらやっていかなければいけない。
 結果としてお金が年度末に残ってくるような,そこでどんと使うというところがあったとしても,いろいろ考えながら,優先順位も考えて使っているはずなのです。それを無駄遣いと言われると,1年きりで実験は終わるわけではないので,とても厳しい御意見だなと。我々の現場を理解していただいていないというのが実感です。文科省には御理解いただいていると思うのですけれども。

【佐藤部会長】
 科研費の支出でも,随分繰越しなど,本当に柔軟になってきたと思うのです。そう見れば,何年か昔から比べるとはるかに使いやすくなっていることは事実です。まだ細かな点で,配慮ができていない点があるのかも分かりませんけれども,きちんと繰越しするなどすれば不正使用とは言われないわけなので,研究者サイドでさらに努力する必要があろうかと思います。
 この辺りは,指導と言いましょうか,現場の事務の方も含めて,我々研究者に対しての指導等が必要かと思います。

【柘植委員】
 産業界の場合は,3月末までに発注して,4月,5月,6月で納入されるのは,未納残という形できちんと申告すれば,それは3月までのものなので会計処理できるわけですね。なぜ,私は科研費がそれをできないのか不思議です。できるはずなので,しないだけだと思うのです。
 これは小さなことだけれども,波及効果は大きく,できるはずですので,是非お願いしたいです。

【佐藤部会長】
 不正使用の話が,科研費の使いやすさの話に発展してきましたけれども,現場の研究者としてはそういうことが本当に気になることでありますので,文科省でもより使いやすくするようにさらに努力をお願いしたいと思います。

【奥野委員】
 大学によって科研費の使い方のルールが余りにも違ったりするのですね。ある大学では今おっしゃったようなことはできない,ある大学ではそういうことができると。私のいる私大は,私が科研費を持っているのですが,その科研費は,私が前にいた大学にいろいろと使い方を聞いてやっている。
 そのお墨付きが出れば使ってもいいけれども,そうでなければ駄目だというような,非常に不透明な,大学によって全く違う仕組みになっている。何かもう少しその辺りを,全国共通の,しかも,できるだけ緩く,使いやすい仕組みにするような方向で,何かお考えいただきたいと思うのですけれども。

【合田学術研究助成課長】
 今,いろいろ御指摘がございましたけれども,実は,過日の行政評価・監視で指摘されているのも,23年度に一部種目は基金化して,年度を超えた研究費の使用ができるにもかかわらず,基金化した種目についても年度内に使い切ってくれとお願いする事務局があるという点です。
 我々は,この制度を最大限活用して,学術研究が柔軟に進展するような可能性を,つまり可能性を閉ざす方ではなくて,可能性を広げる方向にアドミニストレーションが知恵を絞る必要があるという観点から,これまでも様々な研修とか,コミュニケーションを図って参りましたけれども,今日の度重なる御指摘を踏まえまして,更に取り組ませていただきたいと思っております。

【佐藤部会長】
 大学によって本当に違うのですね。これは本当に驚くべきことでありまして,私も経験がありますけれども,学振の書類にはこう書いていますけれども,うちの大学では駄目なのですと,平気でそんなことを言う人もいるし,これではどうしようもないという例もありましたね。
 後半の議論に入っていきたいと思います。今後のアジェンダ等についてでございます。それでは,この先から本日最初に申し上げたように,アジェンダ等のことにつきまして,事務局から踏まえるべき状況を説明していただいた上で,自由に皆様方に御意見を頂きたいと思っております。
 まずは,総合科学技術会議の動きと,2月5日の学術分科会の平野分科会長から提案されました「今後の学術研究の在り方についての総合的な審議」などについて,事務局からお願いしたいと思います。

 事務局より,参考資料11,資料5に基づき説明がなされ,意見交換が行われた。

【佐藤部会長】
 ありがとうございました。2月5日の学術分科会で平野分科会長が提案されました「今後の学術研究の在り方についての総合的な審議」につきまして,更に平野先生から一言お願いできれば有り難いと思うのですが,いかがでございますか。

【平野委員】
 資料を付けさせていただいておりますが,更に分科会の委員の方々から大変貴重な御意見を頂きまして,その御意見を同時に今後の特別委員会の中できちんと議論の軸に据えていきたいと考えているところであります。
 この部会の前半のところでも議論いただいた,まさにその点でありますので,私ども学術が,どう自分たちを含めて立ち位置を見ていくのか。説明責任も含めながら,きちんと対応ができるように前向きに議論しなければいけないと考えております。私は現状に大変危機感を持っているものですから,この危機感は皆様方も共有してくださいましたので,今後の特別委員会で鋭意詰めていただければと願っています。この特別委員会の主査は大阪大学の西尾先生であります。

【佐藤部会長】
 ありがとうございます。大変精力的に開かれて,進むようになっているようでございますね。ただ今のことにつきまして,皆様から自由に御意見なりコメントなりをお願いできればと思いますが,いかがでございましょうか。

【柘植委員】
 やはり来るべきことが来たなというのが,この総合科学技術会議の参考資料11で書かれていること,お気づきだと思うのですが,リマインドしたいのです。この参考資料11の2ページの下のところ,(3)番の1行上です。イノベーションを誘発する土壌を醸成する基礎体力としての基礎研究が重要と,1行さらりと書いているわけですが,私も産業出身ですが,やはり学術としての基礎研究という言葉の重要性を,この科学技術・学術審議会の言葉で私は十分理解しているつもりですが,ここでは,基礎研究をこういう一つの範疇(はんちゅう)として捉えています。
 ですから,ここの場での基礎研究と違う定義を使っているわけですね。ですから,私は,やはり純粋基礎研究と目的基礎研究として,言葉は使わざるを得ないのですけれども,基礎研究は,基礎研究一つだという定義の方もおられるわけです。やはり行政側から見ると,科学技術,こういう定義の基礎研究もあるということを我々としては受け止めざるを得ない。そういうことで,やはりこの西尾先生の特別委員会は,覚悟して取り組まないといけない時期に来たと,こういうふうに思います。

【佐藤部会長】
 ありがとうございました。平野先生もとても意欲を持って進めておられますので,良い方向できちんとまとまるのではないかと思っております。事務局から後の議題につきまして簡単な説明をお願いして,また御意見をEメールで発信していただくようなことを考えたいと思います。

【谷口委員】
 御検討いただければと思うのは,いわゆる学術外交と言ったらいいのですかね。これほどのグローバル化が進んだ中で,日本がこのままだと取り残されてしまう可能性もあると。いろいろな意味で取り残されてしまうという状況もありまして,学術外交というのをいかにするかというのは非常に重要だと思います。
 ですから,文科省と,例えば外務省がどういう連携を行っていらっしゃるか,あるいはどういう連携をこれから行うべきかといったような問題,それが全体の国際化に結び付いたり,あるいは日本の学術の向上につながったりという側面が非常に重要かと思いますので,御検討いただければと思います。

【佐藤部会長】
 いろいろなところで国際プロジェクトも進みますし,いろいろな協定などを含めての外交といいましょうか,そういうものがたくさんあると思います。
 それでは,事務局から残った課題につきまして簡単に説明をお願いいたします。

 事務局より,資料5に関連して,資料6,7に基づき,分科細目等の在り方や,国立大学改革の動向についての説明がなされた後,意見交換が行われた。

【佐藤部会長】
 ありがとうございました。まさに改革が加速している状況でございますので,大学にとっては厳しい状況でありますけれども,それで良い方向に改革が進むならば,有り難いことと思っております。

(2)その他

事務局より,資料8に基づき説明がなされ,意見交換が行われた。

【佐藤部会長】
 これは,やはり主に文化系の方が利用されているものでしょうか。

【長澤学術基盤整備室長】
 そうでございます。

【佐藤部会長】
 最後に,今日御議論いただいたことにつきまして,何か御意見ございましたら,メール等で事務局に対して御連絡いただくようにしていただきたいと思います。
 それでは,これで終わりにしたいと思います。

―― 了 ――

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