「特設分野研究」は、審査希望分野の分類表である「系・分野・分科・細目表」(別表を含む)とは別に平成26年度より新たに設けられた審査区分であり、文部科学省の科学技術・学術審議会学術分科会科学研究費補助金審査部会(以下、審査部会という。)からの検討要請に基づき、日本学術振興会の学術システム研究センターが、その役割として行っている学術動向調査等を踏まえて、候補分野を提案し、審査部会において設定されている。
なお、採択予定課題数は、30件程度である。これは、重複申請を認めていることから、他の種目とは異なり、応募件数や応募額に応じた採択方式をとらないことにしたものである。
(1)細目の枠を越えた学術研究に対応した審査方式
基盤研究(一般):書面審査と合議審査を別の審査委員が実施する二段合議審査
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特設分野研究 :書面審査と合議審査を同一の審査委員が実施する新しい方式の二段合議審査
(2) 基盤(B)と基盤(C)を区分せず実施
・基盤研究(B)と基盤研究(C)の応募課題について研究種目で区分することなく、同一の審査基準により審査を実施。
但し、同じような評価の場合には、基盤研究(B)においてはアウトプットについても考慮する。
(3) 審査結果の所見を開示
・採択されなかった研究課題のうち、特に必要と判断したものに対して、審査結果の所見を開示する予定。
→60課題程度に絞り込まれた研究課題のうち、最終的に不採択になったものについては、委員会の所見を通知(30課題程度)。
→それ以外は、基本的には個別審査の結果を開示。
【参考】特設分野研究
○平成26年度公募における設定分野
分野 |
内容 |
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ネオ・ジェロントロジー |
現在、わが国は、65歳以上人口の全人口に占める比率が23%を超えており、世界一の超高齢社会の様相を呈している。日本が経験するこれからの社会は人類にとって未曾有であり、日本の抱える課題は、現在、世界の最先端に位置する。 |
連携探索型数理科学 |
数学は、その抽象性と普遍性により、科学における基盤的地位を有しており、記述言語としての数学を必須としている分野は、物理学など数多く存在する。一方、既に数学と密接な結びつきが確立されている分野以外でも、新たな数学的構造が見出される余地は大きいと考えられる。本分野では、自然現象・生命現象・社会現象・人間の感覚・心理現象などの複雑な現象や機能の中に潜む数学的構造を発見することを目標とする個人型研究の申請を募集する。共通の数学構造の発見は、一見無関係に見えた諸問題の関連性を浮かび上がらせ、既存の細目を超える新しい研究分野を切り開くであろう。その可能性は無限にある。従って、数理科学とそれ以外の研究分野の研究者が、個人の自由な発想に基づいて、ボトムアップ的にそのような連携を探索することが重要である。その結果、双方にとって全く予想もしなかった研究展開が生まれ、新たな学問創造のきっかけとなることが期待される。そのため、どちらが研究代表者になるにせよ、数理科学とそれ以外の研究分野の研究者が連携して提案することが望ましい。また、自らの元来の専門の細目で採択されている研究者が、より野心的な連携研究に乗り出すことも期待される。あらゆる分野から現行の細目の中で申請することを躊躇するような、新規性、意外性、革新性のある研究課題を募集する。 |
食料循環研究 |
食料の生産と安定供給とは、人類の生存と繁栄に必須である。人類は、太陽と水と耕地とを利用して、循環する自然を巧みに使いながら、持続的に再生する食料生産を行ってきた。我が国は、太陽にも水にも耕地にも恵まれている。しかし、地球規模での気候変動の影響、異常気象や自然災害、水資源の枯渇、漁場の変調、水産資源の激減など、食料生産を困難にする要因の増加が懸念されている。また、人口の急増は、グローバルにみた食料供給が需要を下回るリスクを増大させている。一方、休耕地の増加などの農業施策の問題、フードマイレージに象徴される流通や販売におけるエネルギー問題、国際関係上の食料安全保障の問題など、食料に関わる国際的および社会的な課題も顕在化してきた。 |
研究振興局学術研究助成課企画室企画係