参考資料2 平成25年度「特色ある共同利用・共同研究拠点」の認定に係る審議状況とその検証結果について

平成25年度「特色ある共同利用・共同研究拠点」の認定に係る審議状況とその検証結果について

 

 

 平成25年12月3日
科学技術・学術審議会 学術分科会
研究環境基盤部会 共同利用・共同研究拠点に関する作業部会
特色ある共同利用・共同研究拠点に関する専門委員会

 

  

はじめに

1  新規の特色ある共同利用・共同研究拠点
  1 審議概況
   1) 審議体制
   2) 審議方法

  2「審議概況」に対する検証結果
   1)審議体制について
   2)審議方法について
   3)その他

  3 審議に対して寄せられた意見等への対応について


2 継続の特色ある共同利用・共同研究拠点
  1 審議概況
   1)審議体制
   2)審議方法

  2「審議概況」に対する検証結果
   1)審議体制について
   2)審議方法について


3 その他(参考資料)
  1 審議の流れ

 

はじめに

 今回、審議概況とその検証を行ったのは、平成25 年度の「特色ある共同利用・共同研究拠点の認定」に関する審議についてである。
 特色ある共同利用・共同研究拠点の認定に関する審議は、新規認定の申請施設及び継続認定の申請拠点の審議に分けられる。
 新規認定の申請施設については、書面審議、ヒアリング審議を実施し、また、継続認定の申請施設については、事後評価結果を参考としつつ、審議を実施した。

1  新規の特色ある共同利用・共同研究拠点

1  審議概況
 1) 審議体制
 審議は、研究環境基盤部会共同利用・共同研究拠点に関する作業部会(以下、「作業部会」という。)におかれた「特色ある共同利用・共同研究拠点に関する専門委員会」(以下、「専門委員会」という。)において実施した。

 2)審議方法
 審議は、「平成25年度からの共同利用・共同研究拠点に関する審議について」(平成24年12月14日 作業部会決定)及び専門委員会における審議基準「平成25年度からの特色ある共同利用・共同研究拠点の認定に係る審議基準」(平成24年12月21日 専門委員会決定)に則り実施した。

 審議については、概ね以下の手順によって進めている。
 1 書面による審議(平成25年1月30日~平成25年2月18日)
  書面審議は、申請施設から提出された「申請書」を基に実施している。
  書面審議に当たっては、審査基準に基づき「評定」を付すこととし、また、併せて、ヒアリング時に確認を求める事項をはじめとする「書面審議の所見」を提出した。

 2 合議によるヒアリング対象施設の選定(平成25年2月27日)
  ヒアリング対象施設は、専門委員会において書面審議の評定結果を集計し、その結果を点数化するなどの順位付けを行い、拠点の特色やこれまでの活動実績を踏まえつ
つ、合議により決定している。
  また、ヒアリング審議で説明を求める事項(質問事項)についての確認を行い、申請施設に回答を求めることとした。


 3 申請施設についての意見書の作成(平成25年3月1日~平成25年3月18日)
  採択候補を選定する際の参考資料とするため、外部有識者に「意見書」の提出を求めている。意見書は、作業部会が定めた「平成25年度からの共同利用・共同研究拠点に関する審議について」に則り、当該申請施設の研究分野に精通した研究者を選考している。

 4 ヒアリングの実施(平成25年3月27日)
  ヒアリングは、「申請書」、「書面審議のチェックシート」、「意見書」、「プレゼンテーション資料」、「書面審議における質問事項への回答」をもとに実施している。
  ヒアリングにおいては、これまでの活動実績のほか、今後の推進方策から質問事項の対応状況に至るまで、様々な観点で質疑を行っている。

 5 採択候補の選定
  ヒアリング終了後、審査結果(評定)を踏まえながら、合議により採択候補を選定している。合議の際、特色ある拠点としての活動が期待できるかどうかなど、さまざまな観点からの審議を実施した。
  その際、「今後、拠点として活動する際に留意すべき事項」を評価コメントとしてとりまとめ、認定の際に、併せて通知することとした。
  なお、留意事項については、中間評価の際に、その反映状況を確認することとしている。

2「審議概況」に対する検証結果

 1)審議体制について
  平成25年度からの特色ある共同利用・共同研究拠点として新規公募を開始したところであり、これまでの応募状況等を勘案した上で審議委員を選定することは難しい状況にあった。しかし、人文社会科学から自然科学分野にいたる広範な分野の審議委員で構成されており、概ね妥当な体制であったと考えられる。
  また、審議の参考とするため、申請施設、或いは当該研究分野の諸事情に関する意見を有識者に求めることが可能となっており、多様な応募内容について適切に対応できる体制が整っていた。
  ただし、審議委員が全ての研究分野に対応できるわけではなく、将来的には、申請施設数の増加に則して、審査補助者に審議に参加してもらうなどの体制強化が望まれる。
 2) 審査方法について
  審議は、「書面審議」→「ヒアリング対象の選定」→「ヒアリング審議」→「合議」→「認定候補の決定」と進められている。
  書面審議では、書面だけでは確認できない点を中心に論点整理を行っており、審議委員の総意によって論点(ポイント)を明確にし、ヒアリング審議で説明を求める事項を定め、申請施設に回答を求めることとした。
  ヒアリング審議においては、申請施設の代表者からの説明の後、研究内容等に係る質問はもとより、当該研究分野としての拠点の必要性や拠点が果たすべき役割の確認など、様々な観点からの質疑応答が行われた。
  また、その後の合議においては、当該研究分野の担当委員を中心に忌憚のない意見交換を行った上で評定を付しており、十分な議論を行った上で、認定候補を決定している。
  認定候補は、書面審議、ヒアリング審議の過程を経て、最終的には合議より決定することとしており、現在の審議手順により審議を進める上で、特段問題となることはないと考えられる。

3 審議に対して寄せられた意見等への対応について
  審議委員から寄せられた意見については、次回の審議において、次のように対応し、改善を図ることが必要ではないか。
 1) 審議体制について
 (意見等)
  審議委員は、幅広い研究分野の委員で構成されている。しかし、学問的見地から、当該研究分野の「特色ある拠点」としての必要性を審議するためには、専門分野を直接判断できる専門家の意見を聞くことが必要ではないか。
 (対応案)
  書面審議及びヒアリング審議においては、審議の参考とするため、必要に応じて有識者に意見を求めることが可能となっているが、書面審議の際に、予め、有識者に意見を求めるか否かなどの意見を聴取できるよう書面による審議チェックシートを改善してはどうか。

 2)審議方法等について
 (意見等)
  申請施設によっては、「共同利用・共同拠点」の意味をよく理解せずに申請したのではないかと思われる記述もあったので、趣旨などをよく理解してもらうような仕掛けが必要ではないか。
 (対応案)
共同利用・共同研究拠点制度の趣旨や審議基準などについては、ホームページ等で公開しているところではあるが、事前相談の際などに、制度の趣旨に関する資料を改めて配付するとともに、よくある質問についてのQ&AをHP上に掲載することとしてはどうか。

 (意見等)
  申請書の記述内容については、異分野の研究者にも理解してもらえるような書き方が必要ではないか。
 (対応案)
  事前相談の際などに、申請書の書き方を詳しく説明し、異分野の人でも理解し易いように、専門的な事項に係る説明文や具体例などを記載してもらうようにしてはどうか。
 
 (意見等)
  共同研究或いは公募研究については、当該研究分野の継続性の観点からも、若手研究者の育成に関する提案が必要ではないか。
 (対応案)
  申請書において、若手研究者の育成について記述してもらうようにしてはどうか。

 (意見等)
  次年度以降、応募件数が増加することが予想され、評価基準をA、B、Cの3段階評価から5段階評価程度に幅を広げるのも一案と考えられる。3段階評価では、書面審議に段階で同順位の候補が複数となるため、専門分野の異なる同順位の候補間の選考に困難を来すことが予想される。
 (対応案)
  評定基準にS評価を新設し、3段階評価から4段階評価(S、A、B、C)に増やすことにより、評価結果に幅を持たせてはどうか。

 (意見等)
  今回の申請の中には、私学助成などの事業との関わりを記した申請書が複数あった。有力な研究グループがあって、そのグループがさまざまな助成事業の研究資金を得るという構図は、正しい競争の証であると思う。ただし、過度の重複など、研究資金への風当たりが強まる中で、申請拠点の目的が他の助成事業の目的とどれだけ違うのか、申請する大学は、もう少し詳しく示すことが必要ではないか。
 (対応案)
  本事業での取組と他の研究資金での取組との相違点を確認し、過度の重複となっていないかの審議を行ってはどうか。

 (意見等)
  類似の研究内容をもつ申請がある場合には、拠点間の調整が必要では無いか。
 (対応案)
  類似の研究内容と思われる申請があった場合には、研究者コミュニティの要望を確認するなど、その必要性について十分審議を行ってはどうか。

 3)その他
 (意見等)
  認可後、全国の共同利用・共同研究拠点として活動するためには、それぞれの委員が分担して、プログラム・オフィサーとして何からの関わりを持つことが必要ではないか。
 (対応案)
  「特色ある共同研究拠点の整備の推進事業」事業委員会においては、1)拠点が実施する事業の進捗状況の把握、2)拠点に対する指導・助言、3)情報提供などを目的として、各拠点にプログラム・オフィサーを配置し、その役割を果たしてきている。同様にプログラム・オフィサーとしての関わりを持つこととしてはどうか。

 (意見等)
  今後のフォローアップ、評価が必要ではないか。フォローアップには、分野が異なる委員を加えると双方にとって得るものが大きいのではないか。また、拠点が設置する運営委員会との整合性、棲み分けについて整理することも必要ではないか。
 (対応案)
  拠点活動の進捗状況調査を実施してはどうか。また、進捗状況調査における専門委員の意見等については、拠点が設置する運営委員会において検討してもらうようにしてはどうか。

 4)審議に関して寄せられた主な意見
  ・公私立大学に「特色ある拠点」を設けることは、大変意義ある構想である。私学などでは、自己の財産という思いがあることは理解できるが、共同利用・共同研究拠点としての公私のバランスに対する配慮が求められる。
  ・申請施設は、研究者コミュニティを拡大する努力が求められる。極めて小さな研究者コミュニティでは、共同研究の意味をなさないケースとなるのではないか。
  ・申請施設は大変良く準備されており、真摯さが窺えた。また、それぞれの個性(大学の個性、発表者の個性)が滲み出るプレゼンであったことは、ヒアリングに対するインストラクション(ガイドライン)が適切であったといえる。発表時間、ヒアリング時間も適切であった。
  ・合議審査の際、忌憚なく意見を出し合って採否を決定したので、評定が分かれる申請施設についても、納得いく結論が得られた。

2 継続の特色ある共同利用・共同研究拠点

 1 審議概況
  1)審議体制
  審議は、研究環境基盤部会共同利用・共同研究拠点に関する作業部会(以下、「作業部会」という。)におかれた「特色ある共同利用・共同研究拠点に関する専門委員会」(以下、「専門委員会」という。)において実施した。
  2)審議方法
  審議は、「平成25 年度からの共同利用・共同研究拠点に関する審議について」(平成24年12月14日 作業部会決定)及び専門委員会における審議基準「平成25年度からの特色ある共同利用・共同研究拠点の認定に係る審議基準」(平成24年12月21日 専門委員会決定)に則り実施した。

 審議については、概ね以下の手順によって進めている。
 1 書面による審議(平成25年1月30日~平成25年2月18日)
  書面審議は、申請施設から提出された「申請書」をもとに実施している。
  書面審議に当たっては、審査基準に基づき「評定」を付すこととし、また、併せて、ヒアリング時に説明を求める事項をはじめとする「書面審議の所見」を提出した。

 2 合議によるヒアリング対象施設の選定(平成25年2月27日)
  ヒアリング対象施設は、専門委員会において書面審議の評定結果を集計し、拠点のこれまでの活動実績を踏まえながら、合議により決定している。
その際、「特色ある共同研究拠点の整備の推進事業」事業委員会がとりまとめた「特色ある共同研究拠点の整備の推進事業(平成20 年度採択拠点)事後評価結果」を参考とし、申請施設が、共同利用・共同研究拠点の認定に関する規程第3 条に定める認定の基準を満たしていると外形上明らかに判断される場合には、ヒアリングによる審議を行わないこととした。
  また、ヒアリング審議で説明を求める事項(質問事項)についての確認を行い、申請施設に回答を求めることとした。

 3 採択候補の選定
  ヒアリング審議を行わないこととした申請施設については、書面審議後、合議により採択候補として選定した。

 4 ヒアリングの実施(平成25年3月27日)
  ヒアリングは、「申請書」、「書面審議のチェックシート」、「プレゼンテーション資料」、「書面審議における質問事項への回答」をもとに実施している。ヒアリングにおいては、拠点としてのこれまでの活動実績、今後の推進方策から質問事項への対応状況に至るまで、様々な観点で質疑を行っている。
  また、ヒアリングを行わないこととした申請施設については、「書面審議における質問事項への回答」についての確認を行った。

 5 採択候補の選定
  ヒアリング終了後、審査結果(評定)を踏まえながら、合議により採択候補を選定している。その際、評価コメントを「今後、拠点として活動する際に留意すべき事項」としてとりまとめ、認定の際に、併せて通知することとした。
  なお、留意事項については、中間評価の際に、その反映状況を確認することとした。

2「審議概況」に対する検証結果
 1)審議体制について
  継続の特色ある共同利用・共同研究拠点の審議にあっては、平成20年度に発足した人文・社会科学系の研究拠点が対象となっており、「特色ある共同研究拠点の整備の推進事業」事業委員会委員の中から数名の有識者を審議委員に委嘱することによって、専門的な見地から個々の申請施設の妥当性、継続性などを審議できる体制であったと考えられる。

 2)審議方法について
  審議は、「書面審議」→「ヒアリング対象の選定」→「ヒアリング審議」→「合議」→「認定候補の決定」と進められている。
  書面審議では、書面だけでは確認できない点を中心に論点整理を行っており、審議委員の総意によって論点(ポイント)を明確にし、ヒアリング審議で説明を求める事項を定め、申請施設に回答を求めることとした。
  なお、継続の特色ある共同利用・共同研究拠点の審議にあっては、「特色ある共同研究拠点の整備の推進事業」事業委員会がとりまとめた事後評価結果を参考としつつ議論を行ったところ、書面審議の評定とも評価が一致していることなどから、ヒアリングによる審議を行わないこととした。
  ヒアリング審議においては、申請施設の代表者からの説明の後、研究内容等に係る質問はもとより、当該研究分野としての拠点の必要性や拠点が果たすべき役割の確認のみならず、継続的な大学としての支援の在り方に関する質疑応答が行われた。
  その後の合議においては、質疑応答に基づく意見交換を行った上で評定を付しており、十分な議論を経て認定候補を決定している。
  継続の認定候補の選定は、書面審議、ヒアリング審議の過程を経て、最終的には合議より決定されており、現在の審議手順により審議を進めることで、特段問題なることはないと考えられる。

 

3 その他(参考資料)

  1)審議の流れ(フローチャート)

 

特色ある共同利用・共同研究拠点に関する専門委員会の設置

平成25年度からの特色ある共同利用・共同研究拠点の認定に係る審議基準の決定

書面による審議

ヒアリング対象施設の選定

意見書の作成

ヒアリングによる審議

合議による採択候補の決定

 

 2) 審議経過
【平成24年】
 10月24日 共同利用・共同研究拠点に関する作業部会
      ・「特色ある共同利用・共同研究拠点に関する専門委員会」の設置。
 12月14日 共同利用・共同研究拠点に関する作業部会
      ・共同利用・共同研究拠点の認定に係る公募関係資料の決定
 12月21日 特色ある共同利用・共同研究拠点に関する専門委員会(第6 期-第1 回)
      ・特色ある共同利用・共同研究拠点の認定に係る審議関係資料の決定


【平成25年】
 1月30日 特色ある共同利用・共同研究拠点の認定に係る書面審議(~2月18日)
 2月27日 特色ある共同利用・共同研究拠点に関する専門委員会(第7期-第1回)
     ・書面による合議審議
     ・ヒアリング対象施設の決定
 3月27日 特色ある共同利用・共同研究拠点に関する専門委員会(第7期-第2回)
     ・ヒアリングによる審議
     ・採択候補の決定
     ・留意すべき事項のとりまとめ

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