資料4 平成25年度からの共同利用・共同研究拠点に関する審議について

平成24年12月14日
科学技術・学術審議会
学術分科会研究環境基盤部会
共同利用・共同研究拠点に関する作業部会

 文部科学大臣が平成25年度からの共同利用・共同研究拠点(以下「拠点」という。)を認定するにあたり、本作業部会及び専門委員会においては、以下の方針に基づき、専門的見地から個々の申請施設の拠点としての妥当性を審議する。

1.審議に当たっての基本方針

 審議に当たっては、申請施設が学校教育法施行規則第143条の3に掲げる拠点の趣旨に合致しているか、共同利用・共同研究拠点の認定等に関する規程(以下、「規程」という。)第3条に掲げる認定の基準を満たしているか、我が国の学術研究の更なる発展に資する中核拠点としての安定的・継続的な活動が期待できるか等を確認することを基本として、審議する。

2.審議方法等

  1. 本作業部会及び専門委員会において、書面、ヒアリング及び合議による審議を行う。
    ア 書面による審議
     全ての申請施設を対象として行う。なお、本作業部会における審議の参考にするため、必要に応じて有識者に申請施設についての意見書を求める。
    イ ヒアリングによる審議
     書面による審議により、ヒアリングの対象とされた申請施設を対象として行う。なお、本作業部会における審議の参考にするため、必要に応じて有識者に申請施設についての意見を求める。
    ウ 合議による審議
     書面及びヒアリングによる審議を踏まえ、合議により認定候補等を決定する。
  2. 審議に当たっての具体的な基準は別に定める。

3.審議に当たっての主な観点

 学校教育法施行規則第143条の3に掲げる拠点の趣旨及び規程第3条に掲げる認定の基準に基づき、以下の主な観点により審議を行う。

  1. 申請施設が、大学の学則その他これに準ずるものに記載されているか。(規程第3条第1号関連)
    ○ 大学学則、大学組織規則、研究所組織規程等に申請施設が明確に位置付けられているか。
    ○ 申請施設が、研究室など極端に細分化された単位ではないか。
    ○ ネットワーク型拠点の場合、全ての構成施設が以上を満たしているか。
  2. 申請施設が、研究実績、研究水準、研究環境等に照らし、当該申請施設の目的たる研究の分野における中核的な研究施設であると認められるか。 (規程第3条第2号関連)
    ○ 下記のような点を総合的に考慮して、申請施設が当該分野における中核的な研究施設であると認められるか。
     ・申請施設におけるこれまでの研究成果、共同利用・共同研究の実績
     ・競争的資金の採択状況
     ・卓越した研究者やリーダーの存在
     ・申請施設が有する施設・設備及び学術資料等の整備状況・利用状況 等
    ○ ネットワーク型拠点の場合、ネットワーク全体として中核的な研究施設であると認められるか。
    ○ 同一分野に複数の拠点が想定される場合、以下の点に留意し、それぞれの申請施設が中核的な研究施設であると認められるか。
     ・当該分野における各拠点の特徴
     ・当該分野における拠点毎の役割分担及び連携体制
     ・当該分野における拠点分散の必要性及び地域性
     ・各拠点における研究者の集積の見込み
     ・各拠点に対する研究者コミュニティの支持の状況 等
  3. 共同利用・共同研究に必要な施設、設備及び資料等を備えているか。(規程第3条第3号関連)
    ○ 共同利用・共同研究に必要な施設、設備、学術資料、データベース等を保有しているか。
    ○ 上記の施設、設備、学術資料、データベース等が、申請時点において共同利用・共同研究にどの程度利用されているか(利用者数、利用数、アクセス数 等)。   
  4. 共同利用・共同研究の実施に関する重要事項であって、申請施設の長が必要と認めるものについて、当該申請施設の長の諮問に応じる機関として、次に掲げる委員で組織する運営委員会等を置き、イの委員の数が運営委員会等の委員の総数の2分の1以下であるか。(規程第3条第4号関連)
     イ 当該申請施設の職員
     ロ 関連研究者
     ハ その他当該申請施設の長が必要と認める者
    ○ 申請施設の職員が2分の1以下であり、かつ、研究者コミュニティの意向を適切に反映できる人数・構成となっているか。(例えば、当該大学内の委員が多すぎるなど、全国の関連研究者の意向を反映させにくい構成となっていないか)
    ○ 審議事項等から見て、拠点における運営委員会の位置付け・役割は適切か。
    ○ ネットワーク型拠点の場合、全体として拠点機能を発揮できる構成となっているか。(例えば、構成施設単位で運営委員会が設置されるような体制になっていないか)
  5. 共同利用・共同研究の課題等を広く全国の関連研究者から募集し、関連研究者その他の申請施設の職員以外の者の委員の数が委員の総数の2分の1以上である組織の議を経て採択を行っているか。(規程第3条第5号関連)
    ○ 関連研究者その他の申請施設の職員以外の者が2分の1以上であり、かつ、研究者コミュニティの意向や国内外の研究分野の動向等を適切に反映できる人数・構成となっているか。
    ○ 共同利用・共同研究の課題等の募集方法や採択方法が具体的に構想されているか。
  6. 共同利用・共同研究に参加する関連研究者に対し、申請施設の利用に関する技術的支援、必要な情報の提供その他の支援を行うために必要な体制を整備しているか。(規程第3条第6号関連)
    ○ 共同利用・共同研究に参加する関連研究者に対する支援業務に従事する専任職員(教員、技術職員、事務職員等)が配置されているか。
    ○ 技術的支援について、例えば、技術職員の配置や設備のスムーズな利用等の面で、適切な体制が整備されているか。
    ○ 関連研究者に対して、必要な情報を継続的に提供するための体制が整備されているか。
    ○ その他拠点の活動内容に応じて、例えば、事務体制や研究スペースの確保、宿泊施設の確保等が適切に行われているか。
    ○ 関連研究者に対する支援を行うに当たって、必要な全学的支援(予算・人員の配分等)が継続的に得られる見込みがあるか。
    ○ ネットワーク型拠点の場合、当該拠点の運営の中核となる研究施設が設定され、当該施設が拠点の活動全体に責任を持って中心的役割を果たす体制が構築されているか。
  7. 全国の関連研究者に対し、共同利用・共同研究への参加の方法、利用可能な施設、設備及び資料等の状況、申請施設における研究の成果その他の共同利用・共同研究への参加に関する情報の提供を広く行っているか。(規程第3条第7号関連)
    ○ 下記のような情報について、例えば、ホームページやメーリングリスト、学会誌での情報提供等により、広く情報提供を行う具体的方策が定まっているか。
     ・共同利用・共同研究への参加の方法(課題の公募要領、施設の利用要領・利用資格等)
     ・共同利用・共同研究において利用可能な施設、設備及び資料等の状況
     ・申請施設における研究の成果
     ・その他共同利用・共同研究に参加する際に得られる支援の内容 等
  8. 共同利用・共同研究に多数の関連研究者が参加することが見込まれているか。また、多数の関連研究者から申請施設を拠点として認定するよう要請があるか。(規程第3条第8号及び9号関連)
    ○ これまでの共同利用・共同研究の実績(共同研究者数)はどの程度か。
    ○ 対象となる研究者コミュニティが明確にされており、当該拠点が研究者コミュニティにとって必要不可欠であり、当該研究分野の発展に寄与するものか。また、当該拠点と研究者コミュニティが円滑かつ良好な関係を構築できているか。
    ○ 研究者コミュニティの規摸や当該拠点の規摸等を考慮して、多数の関連研究者の参加が見込まれるか。
    ○ 構想されている共同利用・共同研究の内容は関連研究者の要望を十分反映したものとなっているか。
  9. 以上のような観点を総合的に考慮して、当該分野における中核的な拠点として認められるか。(学校教育法施行規則第143条の3第2項関連)
    ○ 拠点の形成により、当該学問分野の発展にどのように寄与するか。
    ○ 内外の研究動向や国の学術研究全体の中での当該分野の役割の重要性等も踏まえ、拠点形成の必要性があるか。
    ○ 特色ある共同利用・共同研究拠点については、建学の精神に基づく特色ある研究所、地域の個性やニーズに応じた特色ある研究所、他に類似のものがない新たな学問領域を担う研究所、災害からの復興や被災地の支援に関する研究所などを対象とし、研究活動や分野の特性を考慮する。

4.その他

(1)利害関係者の排除

  1. 作業部会の委員(以下「委員」という。)並びにその親族が申請施設の構成員となっている場合には、当該申請施設の審議には参画しないものとする。
  2. その他、委員が中立・公正に審議を行うことが困難であると判断される事由がある場合には、当該申請施設に係る審議は行わないものとする。

(2)機密保持

  1. 委員は、審査の過程で知ることのできた情報について外部に漏らしてはならない。
  2. 委員は、委員として取得した情報(申請書類等各種資料を含む)は、他の情報と区別し、善良な管理者の注意義務をもって管理することとする。

(3)開示・公開等

  1. 審議の過程は、審議の円滑な遂行の観点から非公開とし、審議に用いる会議資料等についても非公開とする。
  2. 審議結果については、拠点認定の後、ホームページへの掲載等により公開する。
  3. 拠点として認定されなかった研究施設については、その理由を開示するものとする。

お問合せ先

研究振興局学術機関課機構調整・共同利用係

高橋、沼田、横山
電話番号:03-5253-4111(内線4085)
メールアドレス:gakkikan@mext.go.jp