研究環境基盤部会 国語に関する学術研究の推進に関する作業部会(第4回) 議事録

1.日時

平成23年11月28日(月曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省16F特別会議室

3.議題

  1. 人間文化研究機構国立国語研究所の組織・業務に関する調査・検証について
  2. その他

4.出席者

委員

樺山主査、北川委員、上野委員、尾崎委員、砂川委員、中村委員

文部科学省

澤川学術機関課長、小山研究調整官

5.議事録

【樺山主査】

予定しておりました時刻になりましたので、始めさせていただきたいと存じますけれども、砂川先生はまだお越しではありませんけれども、特におくれるというご連絡いただいてはおりませんので、間もなくお見えになるかと思います。それでは、始めさせていただきます。

おはようございます。早朝から大変恐縮でございます。本日は国語に関する学術研究の推進に関する作業部会、今回は第4回でございますけれども、ご出席いただきましてまことにありがとうございます。

本日は、前回申し上げましたとおり、これまでの3回の会議を踏まえまして、国立国語研究所の業務及びこれを担う組織のあり方に関する検討につき、本作業部会としての取りまとめ案をご審議いただきたいと存じます。よろしくお願い申し上げます。

それでは、事務局から配付資料の確認等をよろしくお願い申し上げます。

【藤田学術機関課課長補佐】

それでは、配付資料の確認をさせていただきます。議事次第をごらんいただきたいと思いますが、配付資料といたしましては資料1、資料2でございます。参考資料1が人間文化研究機構からの報告で青色の冊子でございます。参考資料2につきましては、恐れ入りますが、現在準備中でございますけれども、第2回ヒアリングでの機構からのパワーポイント資料ということで、ただいまお配りさせていただいています。それから、机上配付といたしまして、灰色のフラットファイルでございますけれども、先日行われました文化審議会国語分科会国語研究等小委員会第4回の資料と、あわせて国語研の要覧等をとじ込んだものでございます。

以上でございます。不足等ございましたら事務局までお申し出いただければと思います。

【樺山主査】

はい。それでは、早速議事に入らせていただきたいと存じます。

まずは事務局から資料1の説明をお願い申し上げます。

【澤川学術機関課長】

失礼いたします。それでは、資料1につきましてご説明申し上げます。

まず、これまでの経緯でございますが、この作業部会は9月30日に第1回の会議を開催したわけでございますが、その会議におきまして、事務局からこの作業部会における検討の観点というものをお示しいたしまして、それに基づきましてご了承いただいたものを踏まえて、それに基づきましてご議論させていただいているということでございます。第2回につきましては、今お手元に参考資料としてお配りさせていただきましたが、人間文化研究機構及び国立国語研究所からヒアリングを行ったということ。そして、第3回目につきましては、そのヒアリングに基づきましてそれぞれの論点についてさらにご議論いただいたという形でございます。今回第4回ということで、取りまとめに向けてということで、この文案を配付させていただいたということでございます。

全体構成につきましてまず簡単にご説明いたします。最初に「はじめに」というところで経緯を触れさせていただいております。1ページおめくりいただきまして2ページ目、この作業部会としての検討の経緯ということで、部会設置までの経緯と、あと、人間文化研究機構に対するヒアリングの概要を簡単に記しております。5ページ以下、2番、作業部会における検討というところがこの報告書の取りまとめ案の本論というところでございましょうか、そういう形になっておりまして、後ほどご説明いたしますが、この作業部会としての検討の結果をここにまとめさせていただいております。あと、7ページ以下が「おわりに」ということで、特に今後に向けた提言ということを中心に取りまとめさせていただいております。

それでは、済みません、1ページに戻らせていただきまして、全体の構成についてお話しさせていただきます。これにつきましては、あらかじめ委員の皆様にお配りさせていただいておりますので、読み上げるという形ではなしに、かいつまんで概要のみご説明ということでご容赦いただければと思っております。

ます最初に、「はじめに」のところでございます。最初の段落、「国語は」というところで、そもそも国語とは何ぞやという基本的なことについて簡単に触れております。あと、2段落目、国語研についてということで、「このような国語に関する学術研究を行う機関として、国立国語研究所が置かれている」ということで、昭和23年の発足から現在に至るまでの経緯を概括的に記述しております。次の段落でございますが、大学共同利用機関法人への移管に先立ってということで、国における検討の状況に触れております。平成20年1月に科学技術・学術審議会学術分科会学術研究推進部会の下に国語に関する学術研究の推進に関する委員会が置かれて、20年7月に委員会報告が取りまとめられたということ。そして、次の段落、「委員会報告においては」ということで、国語に関する学の研究の重要性と現状と課題。あと、大学共同利用機関を設置すること、新しい組織の基本方針・研究領域等の基本的な考え方が提言されたということで、20年7月の委員会報告について簡単に触れております。また、その後、国会における審議の経緯ということで、平成21年3月に独法改革法が成立したということ。そして、その国会における審議の過程で以下の附則ということで、2ページのところに第14条、第15条を記載しておりますが、その2つの条文が国会における審議の過程で追加されたということを記しております。そして、この「はじめに」のところの最後の段落、「以上の経緯を経て」ということで、21年10月1日に大学共同利用機関法人人間文化研究機構のもとに国立国語研究所が発足したというこれまでの組織としての経緯に触れております。

続きまして、1番のところ。これまでの作業部会における検討の経緯ということでございます。(1)、(2)の2つに分かれております。(1)作業部会の設置のところでございます。まず、この作業部会のそもそもの根拠というところでございますが、先ほどご説明いたしました独法改革法の附則第15条におきまして、人間文化研究機構への移管後2年をめどといたしまして、国語に関する調査研究の業務とこれを担う組織のあり方について検討を加え、所要の措置を講ずるということを国に求めているわけでございます。このため、この作業部会でございますが、学術分科会の研究環境基盤部会のもとに国語に関する学術研究の推進に関する作業部会、この作業部会を設置して検討を行うことといたしました。また、作業部会の設置に当たりましては、関連する研究者コミュニティーから幅広く意見を聞けるようにという形で委員の人選にも配慮したということ、また、文化審議会国語分科会のもとに国語研究等小委員会が設置されておりまして、○回となっておりますが、これまで2回合同で会議を開催するということで両委員会の緊密な連携にも配慮したということでございます。

あと、(2)のところ、ヒアリングのところでございます。人間文化研究機構におきましては、ご存じのとおり、今年の7月に国語研の組織及び業務に関する調査・検証を行いまして、その結果を取りまとめたということでございます。お手元に水色の冊子をお配りしているかと思いますが、人間文化研究機構が取りまとめた調査・検証の結果でございます。この検証結果につきましては、この段落の最後に書いておりますが、作業部会の検討における重要な基礎資料となったということでございます。この作業部会第2回会議におきまして、これは国語の小委員会との合同開催でございますが、この人間文化研究機構が行いました調査・検証に関してヒアリングを実施したということでございます。

3ページ以下はそのヒアリングの際の説明資料でございます。お手元に参考資料としてお配りしておりますし、またこの冊子のところ、報告書のところ、資料1のところでも29ページ以降に参考として掲げております。これにつきましても第2回で十分ご議論いただいたかと思いますので、省略させていただきまして、(1)の資料・情報の収集・整理・発信等から、5ページになりますが、(6)の組織・予算等、あと、説明のまとめという2ページ半にわたる形で簡単ではございますが、ヒアリングの概要を当方から整理させていただいております。

あと、5ページのところ、2番に作業部会における検討ということでございます。この作業部会につきましては、以下の2つの点について検討を行ったということでございます。これは第1回でお配りした検討の観点に沿っている論点でございますが、1点目の論点が、国語研の業務及びこれを担う組織のあり方についてということ。2点目の論点につきましては、国語に関する学術研究の中核である大学共同利用機関としてのあり方についてということでございまして、この2つの論点について検討を行ったということでございます。そして、その際には、先ほどご説明いたしました平成20年7月の委員会報告の提言というものがしっかり今の国語研において着実に実施されているかという観点から議論いたしましたということでございます。

あともう1点、6ページになりますが、独法改革法附則第14条のところにおきましては、国語と国民の言語生活と外国人に対する日本語教育についてあわせて一体的に行うんだという条文の趣旨でございますので、これを踏まえてこの2つの事柄について一体的に検討を行うことに留意したということでございます。

6ページ(1)以降は具体的な検討の中身というところでございます。国語研においてはというところで段落が始まっておりますが、移管後の2年間でということで、この研究所の総合研究テーマであるとか、新たな計画の進展であるとか、共同研究として500名を超える共同研究者を受け入れているとか、国際交流・連携、資料・情報の収集・発信、若手研究者の育成、研究成果の社会の還元ということで、さまざまな、特に顕著な事業のあり方について触れております。そういうことで、今の国語研、移管後の2年間におきまして、国語及び日本語教育に関する広範な研究領域について共同研究、資料・情報の収集・発信など、多様な業務が展開されているということで、広範な研究領域について多様な業務が展開されているということでございます。

このうち、特に日本語教育研究につきましては、独法改革法附則第14条というものを踏まえて、組織について日本語教育研究・情報センターを設置して、さらに教員についても体制の充実を図っているということ。また、研究の中身につきましても幅広い学問領域と連携して、新たに基幹型プロジェクトとして「多文化共生社会における日本語教育研究」というものを開始している、そういう一定の進展が認められたということについて触れております。

あと、7ページになりますが、組織及び予算についてということで、4つの研究系と3つのセンターが置かれていて、かつこれが有機的に連携しているということ。また、予算につきましては、厳しい財政状況、予算状況のもと、平成22年、23年にそれぞれ新規プロジェクトが開始されているということで、適切な組織を整備し、かつ必要な予算を確保していることが認められたということに触れております。そういったことを踏まえて、移管後2年間の国語研において委員会報告附則第14条等を反映した形で、適切な組織を整備し、多様な業務を着実に実施しているという形で結論づけております。

あと、2つ目の論点、大学共同利用機関としてのあり方についてでございますが、特に移管後2年間の主な成果というところで、次の点が認められたということでございます。研究面につきましては、個々の大学ではできない大規模・独創的な共同研究プロジェクトを実施して、全国から500名を超える共同研究者を受け入れたり、また、海外の研究者を客員教授などとして迎え入れ、国際的な拠点として活動している。また、学術研究における基盤整備の面では、データベースの公開、あと、大規模コーパスの構築を計画しているなどの取り組みが見られる。また、人材育成の面では、新たに大学院生を対象とするNINJALチュートリアルという仕組みを構築している。また、旧国語研が実施していた業務につきましては、それを承継しつつ、着実に実施し、さらに、新たな研究プロジェクトを開始している。また、文化庁の国語政策、日本語教育政策につきまして、一定の貢献をしているというような成果が認められるということでございます。

こういったことを踏まえまして、作業部会としては、国語研のあり方について大学共同利用機関として適切なものだという形で結論づけているところでございます。

あと、7ページ下のところ、「おわりに」ということでございます。まず最初の段落では、国語研の移管後2年間の取り組みを対象に検討を行ったということで、短い期間ではございますが、さまざまな成果、進展が見られたということでございまして、改めて大学共同利用機関として十分な取り組みを行ってきたというふうな形でこれまでの記述をまとめて触れております。ただ、今後のさらなる発展のためにということで、1回から第3回の会議におきまして、委員の皆様からさまざまなご提言をいただきましたので、そういったものを当方のほうで整理いたしまして、今後に向けての期待、展望ということで書かせていただきました。いろいろといただいておりますので、2つに事務局のほうで大きく分けて整理させていただきました。

1点目が、各種業務について。特に共同研究とか、その成果の発信などということでございます。いろいろいただいておりますが、順不同で記述しております。各種データベースについて定期的に更新するなど、情報発信に積極的に取り組むこと。また、海外の図書資料の収集というものについて、引き続き今後とも継続するということ。また、若手研究者の成果の発表ということで、特にウェブサイト上の刊行物などを活用して、さまざまな発表の場を設けること。また、若手研究者の育成ということで、総研大と連携した専攻の設置など、大学院教育の充実に取り組むこと。また、言語の研究につきましては、人間社会の研究に直結するということを踏まえて、国語研の共同研究については生活・文化を豊かにするとか、あと、東日本大震災からの復興など、特に社会に貢献するということにも十分配慮するというような各種業務について期待、要望というものをまとめております。

2点目といたしまして、大学共同利用機関としてのあり方ということでございます。こちらも順不同でまとめてございますが、国語や日本語教育の研究に関するコミュニティーの組織化・連携強化ということ。また、真に国際的な研究拠点となり得るために、外国の研究者とのネットワークとか、アドバイザリーボードの設置などの取り組み。あとは、3点目といたしまして、日本語教育研究について新たに現在の日本語教育研究・情報センターというものを改組いたしまして、研究系を設置するということ。また、国語に関する研究と日本語教育に関する研究というものを一体的にとらえ、有機的な連携というものをさらに深めていくということ。また、名称につきまして、「日本語教育研究所」とすることについて検討することというそれぞれの委員の皆様方からのご提言をこういう形で整理していただいております。

そういったものを踏まえまして、今後人間文化研究機構及び国語研において、さらなる機能の強化を図ることが期待されるというふうに受けております。

 あとは、最後でございますが、国としての役割ということで、必要な予算の確保に最大限努力するなど、財源の確保について国としても積極的に支援するんだということで、この委員会の報告をまとめさせていただいているところでございます。

こういう形でお配りさせていただいております。どうぞご議論のほどよろしくお願いいたします。

【樺山主査】

はい、ありがとうございます。ただいま以上のようにまとめを作成していただきました。これまで議論してみましたところ、適切な形でもって整理していただいているとは思いますが、事前に私も拝見いたしまして、多少の訂正もいたしました。なお、今拝聴しておりますと、二、三でしょうか、誤植等もあろうかと思いますが、その細かい誤植を含めて、お気づきの点につきましてご議論いただきたいと思います。大きいところ、小さいところ、順不同で結構でございますので、ご発言いただきたいと存じます。どうぞよろしく。どうぞ。

【尾﨑専門委員】

初めにお礼を申し上げなければいけないんですけれども、私が24項目の質問を研究所のほうにお出しして、非常に丁寧に書いていただいて、私自身国語研の2年間のお仕事がよりよく理解できました。まずお礼を申し上げたいと思います。

1つだけ、これは学術あるいは学問的な観点から見て、ちょっと理解しにくいということがありますので、これは国語研の基本的なスタンスの問題かと思いますので、意見を述べさせていただきたいと思います。実はメールで回答の文章を先週の木曜日でしたかにいただいております。それを拝見したんですけれども、一番最初のところにこのような記述、説明がございます。お手元には資料として配られておりませんので、私のほうから要点だけ申し上げたいと思います。

冒頭の部分でこのような文がございます。「日本語の理論記述研究と日本語教育習得研究は二人三脚の関係にあると新国語研は考えている。」これは二人三脚という表現ですので、日本語の研究と日本語教育の研究、この両方を国語研はやるのだという意味だと思います。実際今回もそのような観点から評価が行われたわけですけれども、その次に続く文がこのようになっています。「したがって、日本語の総合的研究の中に日本語教育研究もほかの研究もすべてが包括されている。」ここの包括されているというのと、二人三脚というのはどうも私には若干矛盾というか、ずれているというふうに思います。

このような表現が出てきたのは、もしかすると日本語教育というものをかなり狭くとらえていらっしゃるのではないかということを懸念いたします。では、日本語教育とは何なんだというふうに聞かれたときの答えを用意していなければいけないんですけれども、私の理解では、日本語教育学と言ったときに、その中に幾つかの研究領域が含まれていまして、1つは歴史的研究です。もちろん国語の歴史研究に比べれば非常に短い歴史ですけれども、明治以来日本語教育の歴史がございます。清国からの留学生を受け入れて行われた明治期の日本語教育、あるいは台湾、朝鮮半島、満州、あるいは南東、南洋諸島、あるいは戦時中の軍政下における日本語教育等、戦前には豊かな日本語教育の歴史がありました。敗戦で海外の日本語教育はほぼなくなったわけですけれども、戦後経済の発展に伴って日本語教育はそれなりに拡大もし、内容的にも深まってきています。この間、戦前の日本語教育を、ある部分は引き継いでいますし、戦後の世界の外国語教育から多くのことを学んで発展してきている。このような日本語教育の歴史についてしっかり研究するということがこれからの日本語教育にとって必要な研究領域だというふうに考えています。これが1つ目です。

2つ目は、地域研究というものが日本語教育にもあります。現在世界で100カ国以上で日本語教育が行われていて、規模の大きいところは学習者が100万人というようなところもありますし、数百人、数十人という国もあります。しかしながら、世界に100を超える国、地域で日本語教育が行われていて、それぞれの地域では日本語教育の歴史があり、社会、経済的な状況の中での日本語教育があり、学校教育の制度の中での日本語教育があるわけです。それから、それぞれの国で母語あるいは複数の言語が使われている。そういった国、地域による違いというものについて、これはグローバルな調査研究が当然必要である。しかも違いを超えて共通に取り組む課題というものを見出していかなければいけない。そのような研究、地域研究と仮に名前をつけるとして、これも日本語教育の重要な領域ということになります。これが2つ目です。

3つ目は教育の内容。普通日本語教育というと、何を教えるんだということになります。当然研究してきたわけですけれども、これ自体も随分変わってきています。かつては日本語を教えるということは、すなわち日本語の発音、語彙、文法を教えるのだ、そういう考え方が明治以来ずっと続いてきましたけれども、ここ30年余りで教育の内容自体について、私たちの理解は非常に深まってきています。そのような教育内容を深める上で役に立ったのは言語研究における語用論とか、社会言語学あるいは談話分析とか会話分析、コミュニケーション論といったような研究から私たちは多くのことを学んで日本語教育の中身を深めてきたということです。この何を教えるかという領域については、特に日本語研究と深いつながりを持っています。

また、対象研究と呼ばれている部分。これは非常に密接なつながりがあって、国語研が対象研究をやってくださっているということは、日本語教育の立場から非常にありがたい。ただこれも対象研究自体が広がっていると思います。外国人の誤り、例えば発音を間違えたとか文法を間違えた。どうして間違えるんだろうか。間違えるからには頭の中に外国人の日本語の文法がきっとあるんだろう。外国人の頭の中の日本語の仕組みを解明しようという方向の研究もあるんですけれども、一方では、文法以外に教えなければいけないことがどんどん出てきています。コミュニケーションができるということは、文法や語彙の知識を使って読んだり書いたりというスキルを身につけるということですから、日本語教育の内容の中には言語的な部分とスキルの教育の部分が入っています。対象研究で学んだことは役に立つけれども、スキルの教育とはなかなか結びつきにくい。ちょっと今頭が混乱していますけれども、対象研究の中身についても言語だけではなくて、コミュニケーションの観点から、ですから、コミュニケーションのスタイルが言語によって違うんだというようなところまで広げた研究が行われると非常に日本語教育としてはありがたいと思います。内容についてが3つ目。

4番目は教育の方法についてです。日本語教育は長い間、よく聞いて、まねをして、繰り返して、覚えろとか、機械的な文法の操作を繰り返し繰り返しやる。そういうような教育方法をとっていた時代がありました。今もそれがなくなったわけではありませんけれども、最近の日本語教育の方法論では、学習者自身に頭を使ってもらわなければだめなんだ。学習者自身が日本語を使うことを通して学んでいかなければいけないんだ。そのためにどういう教育方法をとるか。教室の中で学生同士をペアにするとか、グループにするとか、外部から日本人を呼んでくるとか、学生を教室の外に送り出してコミュニケーションの経験をさせるというような方向に変わってきています。

こういった教育方法と結びつくのは、多分習得研究が近いと思います。ところが習得研究も、先ほどちょっと申し上げかけたんですけれども、外国人が頭の中に持っている文法規則とか押韻体系がどうなっているかという頭の中の習得研究だけではなくて、むしろそれ以上にどういう環境があれば、どういう生活環境、学習環境があればよりよく学べるかというところに関心が移ってきています。

今日本に200万人ぐらい外国人の方がいて、150万ぐらいはいわゆる定住、永住の外国人と呼ばれています。端的に言えば、移民と言ってもいいと思います。こういう移民の人たちというのは日本語を使って暮らしているんです。日本語を使って暮らしていく中で日本語を身につけていく。そのときに外国人と接する日本人とのかかわり方がどうなるかということが言語習得にとって非常に大きなポイントになると思います。外国人の発音、ちょっとなまっているねとか、どうしてこんな失礼な日本語を使うんだとか、日本人サイドが外国人の日本語に対してどういう評価的な態度あるいは判断をするのかというような観点から習得というものを見ていくと、これは日本語教育の方法論につながりますし、さらに言えば、日本人に対しても学んでもらうことがもっと見えるだろうと思います。教育方法に関しては習得研究、国語研究所で力を入れてくださっていますけれども、その習得研究もさらに広げていただきたいというような希望を持っています。

5番目は分野別といいましょうか、大人に対する日本語教育と子供に対する日本語教育は明らかに違う。国内の年少者教育もそうですけれども、海外における中等あるいは初等教育段階の日本語教育についての研究が当然必要ですし、同じ外国人といっても留学生に対する場合と日系の方に対する場合と、あるいは地方でぽつんぽつんと暮らしていらっしゃる国際結婚の方に対する日本語教育はそれぞれ特徴があって、これも研究領域としては非常に重要だと思います。

6番目に測定評価ということがあります。日本語の能力試験、日本留学試験、日本語教育能力試験といったものが制度化されております。それ以外にも教育の現場では日常的に評価ということを行っているわけですけれども、日本語教育の評価というのを何のためにだれのためにどのような観点からどう行うかというような研究はまだまだ必要な領域です。将来的に日本が外国の方を受け入れていくときに、その外国の方の日本語能力をどう評価するかなどは非常に喫緊の課題なわけですけれども、そういった研究が実は日本語教育の関係者の間でも散発的な感じがないわけではありません。研究者グループはいるんですけれども。その点では国語研が評価の研究課題を立ててくださっているということも私は非常に評価したいと思っています。

7番目に日本語教育政策。これも日本語教育学の1つの領域になります。これは当然歴史的あるいは地域的なこともかかわりますけれども、日本の文化外交であるとか、安全保障あるいは平和戦略というような観点から、一体日本という国はどのような日本語教育政策をこれまでとってきたか、今とっているか、これも重要な領域だと思います。

まだまだほかに挙げることがあるんですけれども、教師論とか教師教育とか教師の談話分析とか、こういったものを全部包括して私たちは日本語教育の研究というふうに考えています。したがって、日本語の総合的研究の中に日本語教育研究が含まれるというふうに私は全く考えておりません。日本語教育学会は今4,400会員がいて、半分以上は大学の教員です。それから院生が600人弱、それから海外に500人ぐらいの会員がいます。おそらく日本語教育にかかわっている大多数の人間は日本語教育が1つのディシプリンとして成り立たせたいと努力してきておりますので、日本語の総合的研究の中に日本語教育が含まれるというふうに考えないということです。

端的に申し上げると、二人三脚という比喩的な表現の本来的な意味をお考えいただく。ただし、二人三脚というよりは、2本の柱あるいは車の両輪というふうに表現したほうがいいのではないか。二人三脚が分かれられない、くっついている、分かちがたい。そんなことはない。これはそれぞれ自立的に努力して切磋琢磨する、なおかつ共通に考える土俵がある、その部分について連携協力する、そういうことだと私は理解しておりますので、国語研究所においてもそのようなメッセージを日本語教育関係者に出していただきたい。

これが私からのお願い、意見であります。長くなって失礼しました。

【樺山主査】

はい、ありがとうございます。ただいまのご意見は、いろいろとまたこれについてのご意見があろうかと思いますが、ほかの委員でただいまの尾﨑委員のご発言につき、コメントその他ございましたらご発言くださいませ。どうぞ。

【北川委員】

私は国語学外の者です。それから、前回欠席しておりまして、適切な発言ではないかもしれませんけれども、ある意味で、大学共同利用機関全体にもかかわることなので、ちょっと質問という意味合いもあるんですが、発言させていただきたいと思います。

大学共同利用機関はそれぞれの領域を担っていて、我々教育の問題は非常に重要だと思っているわけです。実際、数学があれば数学教育学会があるし、物理があれば物理教育学会、化学があれば化学教育学会、それから生物も生物教育学会、すべてあります。ただ、大学共同利用機関はこれまでは大学の研究者の共同利用の研究所という立場で、個別の大学では推進できないような施設あるいはデータ、資料を整備するとか、あるいは特に先端的な研究部分をやるという形でやってきていて、少なくとも教育の研究系というのをつくっているところはないと思うんです。

1つの考え方というのは、全く個人的な、先生と違うかと思うんですが、やはり分けて考えるより、数学なら数学というのは一体化して数学の研究の中で本来教育は大学でやることだけれども、協力することは幾らでもやるという形でセンター事業等をやってきたというところだと思うんですけれども、やはり先生のお話だと、国語学に関しては他と全く事情が違うということなんでしょうか。

【樺山主査】

とりあえずこの問題についてはどうぞ。手短に簡潔にお願いします。

【尾﨑専門委員】

教育というのは、中身と方法がありますから、中身について研究なさっておられる方がいます。そうすると、数学を研究している方がいて、数学の研究の成果を何らかの形で生かしながら数学の教育をする人たちがいます。教育をするというときに、教師として教育するということだけではなくて、よりよい教育をするにはどうするかという研究があって、これは教育学あるいは教育心理学等々があろうかと思います。歴史であれ、数学であれ、教えるということについてより深く追究するということがありますので、数学の研究と数学教育は不可分だというふうに考えるのか、数学教育の教育という領域でもう1つ別のネットワークがあり得る。日本語教育に関して言えば、日本語教育の中身について日本語研究から多くのものをいただいているんですけれども、実はどんどんこれが広がってきていまして、日本語研究では賄い切れない中身が広がっているというのが1つです。

それからもう1つは、教育という領域に関しては、近いところでは英語教育とか国語教育とか、そちらの領域との連携ということも当然視野に入れて考えていかなければいけない。そんなふうに思っていますので、先生のお立場は1つのお考えとしてあり得ると思います。私自身はあまり日本語研究と日本語教育研究が一体になっているような誤解、日本語教育から見ると、やはりこれはそれぞれ違う領域だと考えたほうが仕事がしやすいのではないか。あるいは大学の研究者コミュニティーが何かをするときに、日本語の教育を考えるコミュニティーと日本語を考えるコミュニティー、これはあり得る。現に存在しているというように思います。長くなって済みません。

【樺山主査】

この問題につきまして、ほかの委員の方々、ご発言あればどうぞ。どうぞ。

【中村専門委員】

私も北川委員と同じで前回欠席いたしましたので、あるいはすでにお話になったことを申し上げるかもしれませんけれども、この報告、取りまとめの案を読ませていただきますと、研究についてはかなりページが割かれているんです。尾﨑委員がおっしゃるように、教育研究があまりページが割かれていないような気がするのです。尾﨑委員のご指摘では、教育にもう少しページを割いたほうがいいということではではないわけですね。私は誤解していましたので。そういうことを確認させていただきます。

それからもう1つは、最後のページに、今後の国語研の機能の強化に当たってはというくだりが2行ほどありますけれども、今日は尾﨑委員とは少し観点が違うのですけれども、国語研は機能の強化をするためには必要な予算措置を講ずるべきだ、最大限努力すべきだというのは確かにそのとおりです。例えばこれは報告取りまとめ案全体に係ることなんでしょうか。この上に直接書いてありますように、期待する意見というものに対する、意見を具体化するためには予算が必要だということになるのでしょうか。

【樺山主査】

今のご発言のうち、後者につきましては、事務局で作成しました。

【中村専門委員】

そうですね。

【樺山主査】

ちょっとその趣旨についてお答えいただけますでしょうか。

【澤川学術機関課長】

済みません、この最後の2行の趣旨でございますが、この作業部会を通じまして、いろいろな形で委員の方から今後のあり方についてご要望をいただきました。まずは国語研及び人間文化研究機構でそれをしっかり踏まえていただいて、どうすべきかということを中でご検討いただくというのがまず初めの第一歩だと思っております。

その上で、ここに言われていること、及びそれ以外でも十分あり得ると思うんですけれども、機能の強化なり、今後の展望としていろいろやりたいことがあるということであれば、概算要求で予算の話が出てくるでしょうし、それを踏まえて国として何ができるかということを前向きに考えていかなければいけないだろうと思いますので、まず国語研の中で現実的に何をするかということをしっかりご検討いただきまして、それを踏まえて人間文化研究機構及び国としてしっかり対応していくんだということを言っていますので、何かここにあることだけを予算するというものではありませんし、そこのところをしっかりと三者が、国語研並びに人間文化研究機構並びに国が連携して機能強化というこういう課題についてしっかり取り組んでいきましょうという最終的な方向性を述べたものというふうにご理解いただければと思います。

【中村専門委員】

はい、大事なところですから。確認しました。

【樺山主査】

ありがとうございます。今のお話のうち、前半部分につきましてはほかにまだいろいろご意見があろうかと思います。上野委員、特に何か、日本語教育及び日本語教育にかかわる尾﨑委員のご発言を含めて、これについて何かご意見がありましたらご発言いただけますでしょうか。

【上野専門委員】

尾﨑先生のご趣旨はそれなりに私は理解できているつもりです。私自身、この問題にずっとかかわってきましたが、別に日本語教育を排除しようと思ったことは一度もありません。まさに国策としてきちんとやるべきであるということはずっと考えてきております。

ただ、そのことと、今回のまとめとのつながりがそんなに簡単ではないと思うんです。実際ほぼ40人ぐらいの研究者で、全部をやろうとしたら、実は日本語研究ですら十分ではありません。到底無理なんです。その上に、今おっしゃったような日本語教育の、しかも教育の方法だとか、そういったことまでを全部背負い込めということはどだい無理な話だと思います。おそらく先生もご理解の上でおっしゃっているのでしょうが。しかも日本語研究と、日本語教育研究あるいは日本語教育というのは別だということをあまり強調されてしまいますと、そもそも現在やってきていることが何なのかという問題になってしまいかねないと思うんです。

せっかく附帯決議を踏まえて非常に苦労して日本語教育も日本語教育研究も取り込んで、しかも新しい専任の先生が2人ですよね、今度から来るという、そういう体制がやっとできて、これからやっていこうという時です。今回のまとめというのは2年間やってきたことの検証ということですので、私は基本的にこの取りまとめ案の線で行っていいのではないかと考えます。

それで、別途先生のご要望という形でつけ加えるかということはあるかと思うんですけれども、今おっしゃったことは、この取りまとめ案には出ていない部分ですよね。ですから、そこまで今日入れてしまうとなると、これはなかなか難しい問題ではないかというのが率直な私の印象でございます。

【樺山主査】

はい、今のご意見。では、尾﨑委員からこれにつきまして。恐れ入ります、手短にご議論いただきます。

【尾﨑専門委員】

どうも熱くなっちゃって済みません。

上野先生のおっしゃるとおりです。この報告書に何かを盛り込めというつもりはございません。ただ、国立国語研究所の社会的な使命、役割について考えるときに二人三脚という比喩表現、あるいは二本柱ということをもっと出すようにしていただけたらありがたいということを申し上げただけです。この取りまとめについてどこをどう変えろというようなことはございません。ただ、1点だけ、組織のあり方という、この委員会の評価の観点の1つは組織のあり方というところです。これは既にこの委員会でも申し上げましたけれども、所員は研究系に属するという、その研究系の中に日本語教育あるいは習得といったものが欠けていて、日本語教育研究・情報センターで日本語教育の研究をやっているというところにやはり組織的には若干いびつか。このような形になった経緯、事情というのを私もよくわかっていますので、次のステップとしてお考えいただけたら、それが「おわりに」のほうに書かれていますので、内容についてということはございません。

【樺山主査】

はい、ありがとうございます。今の尾﨑委員の最後にご発言ありましたとおりに、この8ページに相当いたします、幾度も申し上げることになりますけれども、そこには「日本語教育研究・情報センターを改組し、新たに日本語教育研究に関する研究系を設置する」という意見が公にされたということは書き込んでございますので、これを読む方々は十分にその点についてもご理解いただけるかと思います。

それでは、この問題につきましてはまだまだいろいろな議論が必要かと思いますけれども、当面の私どもの委員会、この作業部会の課題といたしましては、以上のような議論が行われ、少なくとも最後の部分にそのような趣旨が書き込まれているということでもって委員としては、私どもその点につき理解したというふうにご理解いただいてよろしいでしょうか。どうぞ。

【中村専門委員】

1つよろしいですか。8ページは確かに書き込まれているのですが、これを例えば単なる意見ではなくて、取りまとめ案の本文に入れるということは不可能ではないですか。

【樺山主査】

もちろんこれは不可能ではありませんけれども、この問題に関する本格的な議論を抜きにはできないだろうと思いますので。

【中村専門委員】

そうです。それはわかります。ただ、私としては入れたいという気があったものですから。

【樺山主査】

はい。

【北川委員】

よろしいですか。その2つ下のポツに、両者を一体としてとらえ有機的な連携を図っていく。そういう意見もあって、両者あるので、一方を中に入れていくというのは、現段階でかなり議論しないと難しい。

【中村専門委員】

そうですか。固執するつもりは全くありませんけれども。

【樺山主査】

少なくとも私ども作業部会の取りまとめに関してそのような形で書き込むことはちょっとまだ早いという感じがいたしますので。しかしその問題があるということはここに明文化されておりますので。

【中村専門委員】

そうですね。

【樺山主査】

今後の議論のための出発点にもなったかと、出発点あるいは経過点になったかと思います。

そのようにご理解いただけますでしょうか。今後とも国語研において、あるいは広く文化庁を含むさまざまな場所において、この議論は引き続き行われることが望ましいかと思われますので、そのためのメッセージを発した、ここの最後の部分はそのような趣旨だというふうにご理解いただければと思いますので、そのようにご理解いただくということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【樺山主査】

ありがとうございます。それでは、そういうふうにさせていただきますが、ほかに今の論点以外にこの取りまとめ案につきましてご意見がありますでしょうか。どうぞ。

【尾﨑専門委員】

7ページの真ん中あたりで、「以上のことを踏まえ」という箇所がございます。このすぐ下の行で「適切な組織を整備し」という、適切な組織を整備したのなら、もう今のままでいいのではないかという読み方をされることはないのかというのが私の懸念です。

それで、例えば、組織の整備に努めとか、何かもう少し、若干表現レベルですから、大したことはないかもしれないんですけれども、どうなりますか。「第14条等を反映した形で、適切な組織を整備し」だと、ではもういいと私なら思ってしまうので、反映した形で組織の整備に努め、多様な業務を着実に云々という若干の修正が可能かどうか。これは事務局、主査にお任せいたしたいと思います。

【樺山主査】

はい、ありがとうございます。

【尾﨑専門委員】

はい。それからもう1点。

【樺山主査】

少しお待ちください。今の点につきましては、7ページの真ん中、少し上のところですが、「適切な組織を整備し」にかわって、例えばですが、「適切な整備に努め」とか、あるいはほかの表現があるかもしれませんが、その趣旨でもってお預かりするということで、事務局及び主査にお預け。

【尾﨑専門委員】

はい、お任せします。

【樺山主査】

それが第1点。はい、次、お願いします。

【尾﨑専門委員】

それから、先ほど北川委員がご指摘くださった日本語研究と日本語教育研究を分けるのではなくという、ここをわざわざ分けるのではなくというふうに書く必要があるのかどうか。済みません、8ページ目です。8ページ目の一番最後のところで、大学共同利用機関としてのあり方についてという大きなくくりの中黒の4つ目です。「国語に関する研究と日本語教育に関する研究とを分けるのではなく、両者を一体のものとしてとらえ有機的な連携を図っていく」。ここは日本語教育の研究と日本語研究の両者が有機的に連携していればいいことであって、分けるのではなくというふうにわざわざ書く意味があるのかどうか。ちょっとここが疑問に思っていました。これは北川委員のご発言が残っているんでしょうか。

【北川委員】

私はこれは発言した意識はないので、おそらくほかの方が発言されたのか。

【尾﨑専門委員】

私は発言した記憶がございません。

【北川委員】

いや、ただあまりベストなところをねらっていろいろなことを書いていくというのは、こういうときに必ずしも安全なのかというのも考えるべきで、今やはり国の状況というのは非常に厳しくて、例えばこの2年間検証してうまく行っているというのを明確に書いておかないと、組織自体危ないのかどうかは知りませんけれども、そういうこともあり得るし、やはり2つ別物だっていうのだったら、そこの部分切ればいいじゃないかという議論もあり得ると思うんです。そちらのリスクのほうも考えて、やはりこういう報告書を書いていくのが必要があるのではないか。全く一般的な話ですけれども。

【尾﨑専門委員】

別物だって書いているわけではなくて、何も書かないという。分けるのではなくて、組織的にはある程度そういった、ある意味分けるような組織づくりが一方では必要だというのが私の見解です。でも、同時に1つの研究所で大学のコミュニティーと一緒にやるという意味では、連携協力というのは当然あり得るわけです。

ですから、ここに書かれている文言でわざわざ分けるのではなく、両者を一体のものとしてというのが非常にわかりにくい。一体のものとしてってどこが一体のものになるのか。ですから、日本語教育を1つのディシプリンと考えて、そこにエネルギーをつぎ込んでいる大学教員のコミュニティーということを意識すると、両者を一体のものとしてというのが言葉としてどうもしっくり来ない。アイデンティティーと言っていいかもしれません。

ですから、ここは2つの研究が国語研ではお互い協力し合って有機的によりよいものにしていくことが望まれるという趣旨のことが書かれてさえいればいいのではないか。わざわざ「分けるのではなく」と書くのが私には変な感じがします。

【樺山主査】

わかりました。ここの文章の趣旨は今おっしゃいましたとおりに分けるのではなくとか、あるいは一体的であるかないかではなくて、両者が緊密な連携関係を持ってというそういう趣旨ですので。

【尾﨑専門委員】

はい、そうです。

【樺山主査】

そういう趣旨が生きればいいということですね。

【尾﨑専門委員】

はい、結構です。

【樺山主査】

この表現は多少賛成の方と反対の方を両方あり得るなと。ただ、ここ全体が賛成、反対は別としてこの意見があったというくだりですので、それでもいいかもしれませんけれども、いま少し適切な表現あるほうがいいということも事実でございますので、ちょっとこの点につきましては、委員の皆様のご発言の趣旨を生かしながら、事務局及び私のところでもって検討させていただきたいと思いますけれども。今この場でもって用語を探すのはちょっと難しいということがありますので。はい、どうぞ。

【澤川学術機関課長】

まずはどういう表現がいいのかということをこれまでのご議論を踏まえて考えていきたいと思いますが、1点だけ、事務局として確認させていただきたいのは、もし8ページのところで、「分けるのではなく」という文言と「両者を一体的なものとしてとらえ」という言葉を仮に落としてしまった形で、「国語に関する研究と日本語教育に関する研究の有機的な連携を図っていく」という形で、極めてシンプルにしてしまいますと、現状、第2回のヒアリングのときに、国語研が4研究系と3つのセンターの有機的な連携という形で言ってしまったこととイコールになってしまいますので、できることであれば、もう少し今後のあり方にもしっかりと参考となるような記述にしていきたいと思いますので、そういう意味で、ちょっと私として、事務局としては若干強目にというんでしょうか。連携のところを強くこういうふうに書いたつもりなので、ここにこだわるつもりは全然ないんですけれども、単なる「有機的な連携」だけでとどめてしまいますと、現状と変わらないことになってしまうので、そこのところは痛しかゆしというか、そこはさらにもしもう少し真意を補足いただけるのでしたら、それを承って、それを踏まえてまた考えていきたいと思いますが、いかがでしょうか。

【樺山主査】

どうぞ。

【北川委員】

国立国語研究所の設置目的等を今正確に把握できなかったので、何なんですが、本来やはり国語の研究をやるという研究所として規定されていると思うんです。国会決議で教育の部分の事業をやっていて、重要だからそれもやりなさいという形になっているかと思う。それを実際国語の公共等の事業が引き続き維持されるよう、充実されるよう必要な措置を講じなければならない。それを2年間やってきて、いろいろな成果を実際に上げているわけですけれども、それをここの記述によってさらに強化していることになっている。本来国語の研究所だろうと、正確に私はわかりませんけれども、そういうふうにやってきているわけです。法律上国語と国語の教育の研究所であるということですか。

【尾﨑専門委員】

いや、法律上。

【北川委員】

いや、だから、それを最大限通しているのではないかと思います。

【尾﨑専門委員】

いや、大事なことです。

【樺山主査】

ご発言あります?

【尾﨑専門委員】

ちょっと一言だけ。独立行政法人だった国立国語研究所では、日本語教育の調査研究をやるセンターがあって、予算規模も1億とか数千万の規模のものがあったわけです。それが独法廃止のときに日本語教育の部門については、一応別のところでやるという方針が出まして、それが2008年の学術分科会の報告ということになります。その後、やはり日本語教育を引き継いだほうがいいねということで戻ったという経緯がありますので、もともと国立国語研究所ですけれども、日本語教育について30年以上の蓄積があったところです。

以上です。

【樺山主査】

はい、わかりました。それぞれそう違ったことをおっしゃっているわけではないけれども、ニュアンスが違うことも確かですが、先ほど事務局からもご発言ございましたとおりに、ここである程度のメッセージを発しないと、そもそもこの文章は要らないということにもなりますので、多少とも今後の方向について当作業部会で皆さんのご発言があった事柄については半歩ほど前に踏み出したというような記述が必要かと思いますので、でも、皆さんのご意見に極端に反さないように適切な表現を考えたいと思いますので、これにつきましては事務局及び座長にお任せいただきたいと思いますが、恐縮です、そうご理解いただけますでしょうか。

【尾﨑専門委員】

もう1点、主査、よろしいですか。申しわけありません。これも提案で、事務局で、あるいは主査のご判断で結構なんですけれども、まとめのところが大きく2つのセクションに分かれています。8ページですけれども、1つは、各種業務についてという。それからもう1つは、共同利用機関としてのあり方というふうに分かれています。ただ、この委員会は国語研の組織のあり方が1つ、それから、共同利用機関としてのあり方が1つというふうに、この2つは大きなポイントになっていると思いますので、今まさに議論していただいている2つの中黒のところ、つまり、日本語教育研究・情報センターを改組して新しい系を設置するという1つの方向性。それから、そのことと関連して、日本語研究と日本語教育研究が一体的になって研究所を動かしていく。この2つの項目を一くくりにして国語研の組織のあり方についてという項目立てにしてはいかがかと思っておりました。

以上です。

【樺山主査】

はい、今のご意見でございますけれども、何かこの件につきましてご意見ございますでしょうか。

【澤川学術機関課長】

事務局から。整理の仕方だけでございますが、今の意見に対する答えというか、こういうふうな形で8ページをまとめさせていただきましたという私どもの考えでございますが、5ページのところで、この作業部会の論点ということで記述してございます。5ページのところ、「作業部会では」で始まる段落ですが、論点の1つ目が国語研の業務及びこれを担う組織ということでございます。あと、論点の2つ目が大学共同利用機関としてのあり方ということでございますので、先生方の意見をいろいろいただいておりまして、どちらかに決めつけるというのもちょっと僭越かとは思ったわけでございますが、8ページの各提言は10近くございますので、これを単純に並べてしまいますと非常にわかりづらかろうということで、便宜のため、あえて、真意をしっかり踏まえていないかもしれませんが、まとめさせていただいたということです。

ですので、1つ目のかぎのところの各種業務についてというのは1つ目の論点の業務及び組織についてというつもりで私としては書いたつもりでございます。あと、大学共同利用機関としてのあり方についてというところについては、2つ目の論点で書いていたつもりでございまして、5ページと8ページが対置というんでしょうか、パラレルになるつもりでございます。

ただ、個人名は挙げておりませんが、これは自分の意見だということで、これはこっちにということであれば、私としては別にそこは、わかりやすく先生方の意見がより伝わりやすい形であればどちらにするということについて、こうでなければならないというものを持っているわけではございませんので、あくまでも読んだ国民の皆さんの理解を助けるような形での並び方になっていればいいのではないかというふうに思っております。

【樺山主査】

はい。先ほどの尾﨑委員のご提言の趣旨は理解いたしました。ただ、この丸ポツが下の部分に合わせて5つありますが、丸ポツに分けているということの趣旨、つまりリーダブルである、読みやすいということを考えますと、2つのものを一緒にすることが、文章として適切かどうかという、そういう観点も含めて検討させていただきたいと思いますので、ご趣旨はよく理解いたしました。

【尾﨑専門委員】

はい。

【樺山主査】

ほかの論点についてございますでしょうか。

【北川委員】

よろしいでしょうか。7ページの(2)で大学共同利用機関のあり方というのを1から5までまとめていただいておりまして、これ自体適切かと思うんですが、1つ、1で研究面と書かれておりまして、ここに書いてある内容自体適切だと思います。共同利用を始めて、それから海外の国際化もしてきたというところです。もう1点、やはり大学共同利用機関の本質というのは学術研究をみずから推進し、大学の研究者を支えるということだと思うんですが、その学術研究というのはやはりボトムアップであり、個人の創意というような発想に基づく研究ということだと思うんです。それが従来国語研がそうであった独立行政法人と建前上の大きな違いだと思うんです。

先日、2回前の発表を聞いていて、従来研究はすべて国語研の名前で出していたのが、個人名で出すようになった。そこまで言う必要は全くないですけれども、そういう形で個人の研究を強調していく形になってきたというのは非常に重要なこと。要するに、我々大学共同利用機関の本質である学術研究を推進する体制が整ったという、そういうことを何かもう1つ入れていただくとありがたいという気がします。

【樺山主査】

はい。今のご発言でございますが、趣旨は理解いたしましたので、適切な形で書けるかどうかという問題がございますので、お預かりさせていただいてよろしいでしょうか。

【北川委員】

はい。

【樺山主査】

わかりました。

ほかにいろいろおありかと思いますが、一応いろいろなご意見がございましたので、これらをあわせまして、今のご発言の趣旨を承った上でもって適切な表現を考えさせていただきたいと存じます。なお、実際にはほかに多少の誤植等がございまして、例えば1つだけ申し上げますと、ヒアリングのまとめについての部分ですが、3ページ、真ん中あたりの、「資料・情報の収集、世界諸言語との対比による研究を行うため、海外の現代語を中心とした図書資料だけではなく、図書資料の収集に力を入れている」というのは何か抜けているはずなんですけれどもというようなところが何カ所かございますけれども、これにつきましては技術的な問題ですので、後で精査いたしまして、修正させていただきます。

【澤川学術機関課長】

はい。

【上野専門委員】

もう1点。これは細かいことですが、8ページの共同研究及び云々というまとめの3番目、「ウェブサイト上の刊行物などを活用して」という部分です。最初読んだときに、ウェブサイト上の刊行物というのがわかりませんでした。何か既に出ている雑誌論文などがウェブ上に載っているもの、つまりそういうデータベース的なものというふうに思ってしまったんです。最後まで読むと、「発表の場」とあるので、これはつまり研究成果をウェブサイト上に雑誌のような形で発表できるものをつくるということですよね。

【澤川学術機関課長】

はい。

【上野専門委員】

そういう意味だろうということは最後まで読んで、考えてわかったのですが、そこの表現をお考えいただいたほうがもっとわかりやすいのではないかと思いましたので。

【樺山主査】

刊行物という表現が適切でないんですかね。

【上野専門委員】

刊行物というあたりですかね。

【樺山主査】

そのとおりだと思います。

【上野専門委員】

はい。その辺が別の表現のほうがよりわかりやすいかと思いました。

【樺山主査】

以上、幾つかそういう点もございますので、ごく微細な点でもありましたら、何らかの形でもってお知らせいただければと存じます。

それでは、いろいろご意見もございました。ご意見も出尽くしたようでもございますので、意見交換といたしましては、ここまでにさせていただきます。

内容的にはおおむねご了承いただいたということでございますけれども、表現等々につきましては今後検討いたしまして、主査にご一任いただければと存じますので、事務局ともご相談いたしまして、最終的な表現にかかりたいと思います。

以上、そんなことでもってこの部分につきましては意見の交換を一応終了したというふうに考えさせていただきます。

実はもう1件ございまして、国立国語研究所の業務及びこれを担う組織のあり方に関する検討という件がございますので、この点につきまして事務局からご説明いただけますでしょうか。

【澤川学術機関課長】

はい、失礼いたします。それでは、資料2につきましてご説明させていただきます。資料1のところでもご説明させていただいたかと思いますが、この作業部会の検討を進めるに当たっては、学術研究、学術の側面ということと、国語及び日本語教育政策という観点からご検討いただいたということで、資料2にございます学術分科会の下に国語に関する学術研究の推進に関する作業部会を設けたということと、国語分科会の下に国語研究等小委員会を設けたということで検討させていただいております。

これにつきましては、これまで1回、2回を合同で開催するとか、あと、委員の方につきましては両委員会に入っていただきまして、そういう形で、両委員会のベクトルが同じになるようにというんでしょうか、連携を図りながら検討してきたというところでございます。

でございましたので、まとめるに当たりましては、両委員会として何らかの形で共同のステートメントを出すことが適切ではないかというふうに考えております。そういう形でつくりましたのがこの文章でございます。

簡単にかいつまんでご説明させていただきますと、第1段落のところは、これまでの経緯というところでございます。資料1にもございましたが、独法改革法の附則15条の話にまず触れております。それで、踏まえて、今年の9月に学術分科会の下に作業部会を、国語分科会の下に国語研究等小委員会をそれぞれ設置して、両委員会合同の開催もしていますということでございます。

次の段落につきましては、当作業部会の結論に至るところをダイジェストで引用しております。また、次の小段落、国語研究等小委員会においてはというところで国語の小委員会のほうの結論についても引用する形で書いております。また、さらにという段落のところでございますが、資料1の8ページ以下にございますようなさまざまな提言についてということで、大学共同利用機関である国語研の今後の機能強化についての提言ということについても触れております。全部触れればいいのでしょうが、ちょっと字数の関係等ございますので、こういう形で簡潔にまとめさせていただいたということでございます。

今後の話ということで、人間文化研究機構及び国立国語研究所において、この両委員会の報告を十分に踏まえて業務のさらなる充実と組織の強化に取り組むことを期待したい。また、国についても財源の確保など積極的な支援を期待したいという形でまとめております。

ちなみに、国語の小委員会のほうにつきましては、先週の金曜日に小委員会が開かれまして、基本的には取りまとめの方向ができているということと、この資料2についても事務局からご説明いたしまして、基本的にご了解いただいているということを申し添えさせていただきます。イメージとしては当方の報告書とここの報告書があって、その上にこの1枚紙があって、両報告書を結びつけて1枚のものとしてステートメントをつくり上げるというようなイメージでこの文章をつくらせていただきました。

ご審議のほどよろしくお願いいたします。

【樺山主査】

はい、ただいまのご説明でございます。この問題に関しましては、当作業部会と、それから文化審議会のもとにあります小委員会と両者でもって検討を進めてまいりました。並行的な形で進めてまいりました。両方の組織に属しておいでになる委員のおいでになりますので、ご理解があろうかと思いますけれども、当方といたしまして、作業部会といたしましても、こうした形でのカバーページができるということにつきご理解いただきたいという趣旨だと思います。

この件につきまして、ご質問、ご意見等ございませんでしょうか。

それでは、小委員会のほうでも既にこの形でということでございますので、特にご異論ないようでございましたら、この形で両者をあわせた形での検討についてという文章を冒頭に載せた形で、残り2つの文章は別々に、それぞれにあわせ収録するという、このような形での報告とさせていただきたいと存じます。この件についてよろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【樺山主査】

はい、ありがとうございます。

それでは、以上のようにさせていただきたいと思いますので、ここまでまいりました。

それでは、本作業部会の取りまとめ全体につきましてご了解いただいたと存じております。本作業部会としての審議につきましては、本日この議論をもちまして、ほぼ目的を達したと存じております。なお、まだ事務局及び座長へご一任いただいた点もございますので、早急に作業をいたしまして、最終的な報告にまとめさせていただきたいと思います。

委員の皆様におかれましては、大変お忙しい中、かなり時間的には集中した形でご審議いただきまして、報告書の取りまとめにご協力いただきました。まことにありがとうございます。改めてお礼を申し上げる次第でございます。

 本日の議題は以上なのでございますが、事務局からなお連絡事項等々につきましてございますでしょうか。

【藤田学術機関課課長補佐】

それでは、ただいま樺山主査からご説明がございましたとおり、今後の本作業部会としての開催の予定はないという形になってございます。今後でございますけれども、本作業部会、国語研究等小委員会の報告書全体が取りまとまり次第、大臣をはじめとした政務三役に報告した後に公表することを考えております。公表のタイミングとしては、遅くとも年内を目途と考えているところでございます。その際はまたご連絡させていただきたいと思ってございます。

また、お手元の資料につきましては、机上に残しておいていただければ、事務局より郵送させていただきたいと思います。

以上でございます。

【樺山主査】

はい、ありがとうございます。

それでは、最後になりましたけれども、澤川課長から何か一言あればご発言いただけますでしょうか。

【澤川学術機関課長】

それでは、最後に当たりまして、一言事務局より御礼のごあいさつを申し上げさせていただきたいと思います。

この国語研の検証ということで、国語に関する学術研究の作業部会を設けさせていただきました。9月末に発足いたしまして、今回に至るまで、また文化庁のほうでも小委員会等ございまして、委員の方大変ご苦労をおかけしたというふうに思っております。精力的にいろいろな形でご審議いただきまして、いい形で検証ができたのではないかというふうに思っております。

人間文化研究機構並びに国語研のほうも独法改革法並びに皆様方からのご要望というものを踏まえまして、これまで2年間いろいろな形で努力してきたかというふうに思っております。まだまだ今後に向けてさらに機能強化を図っていくべきこともあろうかと思いますが、まずは2年間の取りまとめということで、今回おまとめいただいたということに感謝申し上げたいと思います。また、いろいろな形でご要望をいただいておりますので、そこのところにつきましては、この報告書が公表された後にしっかりと人間文化研究機構と国語研と話をしながら、着実に実施できるような形で対応させていただきたいというふうに思っております。

その意味で、これまでの4回にわたります先生方からのご指導に深く感謝申し上げるとともに、また、私どものとしてもこれからしっかりと対応していきますということをお約束いたしまして、お礼のあいさつとさせていただきたいと思います。

どうもありがとうございました。

【樺山主査】

はい、ありがとうございました。

それでは、私からも一言お礼とお願いを申し上げます。

委員の方々、大変精力的に議論に参加していただきまして、大変ありがとうございました。取りまとめの文章ができましたので、この形でもって新しい国語研におかれましてもこうした方向でご理解いただき、また、今後の努力をお願い申し上げたいと思います。ただ、いずれにいたしましても、本日の議論の中でもこの取りまとめの案の中には組み込むことが困難ではございましたけれども、いろいろな論点があり、また、さまざまな形での要望もございます。今後新しい国語研のますます発展のためにこうした要望につきましてご検討いただき、それらを取り入れることが可能であれば早急にお願い申し上げたいと考えておりますので、どうか国語研の皆様におかれましてもご努力をお願い申し上げたいと思います。ちょうど今日は見えておりますので、よろしくお願い申し上げます。

それでは、ここでまた閉じさせていただきますけれども、国語研から何かございましたら、一言発言いただけますか。

【影山国立国語研究所所長】

4回にわたってほんとうにありがとうございました。こちらの会議だけではなくて、国語科のほうと重複して委員を務められている方は2倍のご苦労をおかけいたしまして、ほんとうにありがとうございました。

【樺山主査】

それでは、これをもちまして、国語に関する学術研究の推進に関する作業部会、本日につきましてはこれで終了とさせていただきます。ご協力ありがとうございました。

── 了 ──

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小暮、藤野
電話番号:03-5253-4111(内線4299)、03-6734-4085(直通)