学術の基本問題に関する特別委員会(第6期)(第1回) 議事録

1.日時

平成23年4月20日(水曜日) 14時~16時

2.場所

文部科学省3F2特別会議室

3.出席者

委員

平野主査、谷口主査代理、有川委員、鎌田委員、鈴木委員、深見委員、樺山委員、家委員、郷委員
(科学官)
縣科学官、北川科学官、喜連川科学官、小菅科学官、高山科学官

文部科学省

(文部科学省)
倉持研究振興局長、合田科学技術・学術政策局長、常磐科学技術・学術総括官、戸渡審議官、
永山振興企画課長、渡邊学術研究助成課長、澤川学術機関課長、義本高等教育企画課長、岩本情報課長、田中学術企画室長、その他関係官

4.議事録

【平野主査】

 皆様、こんにちは。まだちょっとご都合でおくれてお見えの委員の方がおられますが、時間になりましたので、会議を始めさせていただきます。

 科学技術・学術審議会学術分科会、学術の基本問題に関する特別委員会の第6期第1回目の委員会でございます。よろしくお願い申し上げます。

 私、第43回の科学技術・学術審議会学術分科会におきまして、佐々木分科会長から主査をやるようにということで仰せつかっております。皆様方のご協力を得まして会を進めさせていただきたいと思っております。よろしくお願い申し上げます。

 まず、会を始める前に、このたびの3月11日に発生いたしました東北地方太平洋沖地震におきましてお亡くなりになられました方々に深く哀悼の意を表しますとともに、ご遺族と被害に遭われた方々に対して衷心よりお見舞いを申し上げます。

 この会は、研究者が自主自立的に学術創成を行う、知的創造活動を行うということの知的資産の活用、あるいは同時に教育機能と研究機能をどのように連携をとって人類全体への貢献に尽くしていけるかということの立場に立ちまして、特に学術研究体制のあり方について、皆さん方からご意見を賜ればと思っております。よろしくお願い申し上げます。座って進めさせていただきます。

 主査代理を選任するということになっております。

○ 科学技術・学術審議会学術分科会運営規則第3条第7項に基づき、平野主査が、主査代理に谷口委員を指名した。

【平野主査】

 では、谷口委員、簡単にごあいさつをお願いします。

【谷口主査代理】

 谷口でございます。

 私は、東京大学大学院医学系研究科で免疫学の研究と教育に携わっております。今、主査の平野先生からお言葉がございましたように、我が国が非常に大変な時期を迎えているところでございますけれども、こういうときこそ、しっかりと学術に関わる基本問題を議論し、しかるべき方向性を見出していくということが非常に重要ではないかと思っております。大変力不足ではございますが、一生懸命させていただきますので、どうかよろしくお願い申し上げます。

【平野主査】

 よろしくお願い申し上げます。

 では、まず、事務局より委員、科学官、事務局の紹介をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○  委員紹介

○  科学官紹介

○  事務局紹介

【田中学術企画室長】

 それでは、研究振興局長の倉持から一言、ごあいさつをさせていただきます。

【倉持研究振興局長】

 今日は、第6期の最初の学術の基本問題に関する特別委員会ということでございます。一言、ごあいさつをさせていただきたいと思います。

 冒頭、平野主査のお話にもございましたけれども、ほんとうにこのたびの大震災でお亡くなりになられました方々に深く哀悼の意を表しますとともに、ご遺族と被害に遭われた方々に心からのお見舞いを申し上げたいと思います。

 まだ余震も続いておりますし、今、原子力発電所の状況も気を許せない状況でございますけれども、かといって、この学術の問題、政策課題についての議論を進めることも、これも待ったなしの状況でございます。今日、第1回の会合ということになりましたけれども、まず、委員にご就任いただきました先生方におかれましては、この委員会委員をお引き受けくださり、また、今日ご参加いただきまして、まことにありがとうございます。

 既にご案内のことだと思いますけれども、本来ですと、この23年4月から新しい第4期科学技術基本計画がスタートするということで、ずっと議論も積み重ねられてきて、閣議決定の直前まで来ていたわけでございますけれども、今回の大震災が起きまして、今、総合科学技術会議のほうでは再検討しているという状況にございます。研究施設、設備のダメージも大きいわけですけれども、この復旧のみならず、この厳しい状況の中で、国民に希望を与えて、その信頼にこたえていくにはどうしたらいいのかということについて、根本からやはり考え直してみることは非常に大事であると思っております。

 前期の第5期学術分科会では、学術研究の推進についてということでおまとめいただいているところでございます。それも踏まえまして、今日、学術研究が直面するさまざまな状況を踏まえながら、学術を振興する上で、今、ほんとうに大事な問題、重要な課題というのは何かということを、いま一度しっかりとご議論いただき、検討を深めるということが必要であると思っております。また、その重要な課題の解決に当たっては、まさに自然科学、人文科学、社会科学の垣根を超えて、学際的な知の向上を進めるということも極めて大事であると認識しております。

 一言だけ、今日、ご報告を申し上げます。先ほど午前中に参議院の本会議が開かれまして、例の科研費の基金化の法案が成立いたしました。予算の単年度主義を何とか克服しようということで、この制度改革、法案の形で、今日成立を見たわけでございます。この間、ほんとうに学術分科会の先生方には、まさに必要性も主張していただきましたし、いろいろな形でご支援をいただいたこと、この場をおかりして御礼申し上げながら、ご報告をさせていただきたいと思います。

 審議の中では、もちろん、こういうことが大事であるということと、今は科研費の一部が基金化されたわけですけれども、さらにそれを拡充すべきではないかというご議論もございました。他方、幾つか散見される不正のようなものについて、しっかりこれに取り組まないといかんぞということもご議論がありまして、附帯決議もいただきました。ただ、この基金化につきましては、ほんとうに全会一致でご支援をいただいたということでございます。重ねてお礼をかねてご報告を申し上げます。

 以上をもちまして、簡単ではございますけれども、私からのごあいさつとさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

【平野主査】

 局長、どうもありがとうございました。

 今、ご報告いただきましたように、ここにも関係をいたします科学研究費につきましては、皆様方の大変なるご尽力で基金化も動くようになったということは、大変喜ばしいことだと思います。ぜひこの科学技術にかかわる研究・教育がよい方向に進展するように議論するとともに、また、ここにおいては基本的なあり方について、体制整備の在り方を含めてご議論いただければと思っております。よろしくお願いします。

 それでは、事務局より配付資料の確認をお願いいたします。

【田中学術企画室長】

 それでは、失礼いたします。お手元の資料の議事次第、1枚紙のところに配付資料を一覧にさせていただいておりますので、それもご確認いただきながら、ご参照ください。

 まず、資料番号1番といたしましては、本特別委員会の名簿をご用意させていただいております。

 資料番号2番は、本委員会の検討事項をまとめた2枚紙を用意させていただいております。

 資料番号3番は、第5期の学術分科会の審議経過報告の概要と関連部分の抜粋を用意させていただいております。

 資料番号4番は、昨年12月に総合科学技術会議において取りまとめられました第4期基本計画に向けた答申の概要と関連部分の抜粋を配付させていただいております。

 資料番号5番は、2月4日に行われました科学技術・学術審議会総会の重要な課題の設定に関します主な意見についてまとめたものでございます。

 資料番号6番は、学術研究推進のための手法等について、イメージを1枚でまとめた資料でございます。

 資料番号7番は、「学術振興上の重要な課題」につきまして、過去、あるいは現在におきまして参考となる例をまとめた30ページほどの資料でございます。

 資料番号8番は、今日ご議論いただきます学術振興上の重要な課題に関しまして、10名の科学官からいただいたご所見を用意させていただいております。

 資料番号9番は、2月15日に行われました研究計画・評価分科会におきます資料でございまして、研・評分科会の今後の審議事項についての資料でございます。

 資料番号10番は、今後のスケジュールの1枚紙でございます。

 そして、参考資料1は、科学技術・学術審議会の関係法令をまとめたものを用意させていただいております。

 さらに、参考資料2といたしまして、このたびの東日本大震災に関します資料を用意させていただいております。先ほどの局長からのごあいさつにもございましたように、大学、研究機関におきましても甚大なる被害を受けておりまして、施設、設備の復旧が大きな課題となっております。文部科学省といたしましても、情報集約、分析、対策の検討、発信などに積極的に取り組んでいきたいと考えているところでございます。

 配付資料の確認は以上でございます。欠落などがございましたら、事務局までお申し出ください。

【平野主査】

 よろしいでしょうか。はい、ありがとうございます。

 それでは、議事に入りたいと思います。

 まず、科学技術・学術審議会学術分科会の学術の基本問題に関する特別委員会の議事運営等につきまして議論をしたいと思っております。

 この運営について、まず、事務局から簡単に説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

【田中学術企画室長】

 それでは、失礼いたします。今特別委員会の運営、特に公開の扱いにつきまして、簡潔に説明をさせていただきます。

 お手元に参考資料1を用意させていただいております。科学技術・学術審議会の関係法令をまとめさせていただいたものでございます。そのうちの12ページをお開きいただけますでしょうか。11ページ、12ページに本分科会の運営規則を用意させていただいております。12ページの第4条に議事の公開という規定がございまして、分科会の会議、会議資料は、次に掲げる場合を除き、公開とするとされているところでございます。基本的には公開が前提であるということでございます。

 そして、公開の具体的な手続につきまして、13ページに本分科会で決めている規則がございます。2のところでございますが、傍聴につきまして、一般傍聴者、報道関係傍聴者の手続のほか、(3)でございますが、分科会長が禁止することが適当であると認める場合を除き、会議を撮影し、又は録画し、若しくは録音することができるとされているところでございます。本基本問題特別委員会におきましても、学術分科会のこのような取り扱いを基本的に準用するということにさせていただきたいと考えております。その際には、この規則等におきまして、分科会長とある部分につきましては主査と読みかえたいと考えているところでございます。

 説明は以上でございます。

【平野主査】

 ありがとうございました。

 ただいまの運営についての説明に何かご意見がございますでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。

 それでは、学術の基本問題に関する特別委員会の会議の公開、議事の公表等につきましては、学術分科会の運営と同様に行うことといたしまして、その際、今、お話ありましたように、学術分科会の運営規則を適宜、委員会の主査というふうに読みかえをして取り扱っていきたいと思っております。それから、委員会運営上、ルールを定める必要が生じた場合には、その都度、お諮りをいたしまして決定していきたいと思います。

 それでは、次の第2番目、学術振興上の重要な課題につきまして、まず、事務局から資料の説明をお願いし、その後、皆さん方からご自由に発言をいただきたいと思います。

 事務局のほうから資料の説明をお願いします。

【田中学術企画室長】

 それでは、失礼いたします。

 まず、資料番号2をごらんいただけますでしょうか。学術振興上の重要な課題の検討についてというタイトルをつけさせていただいております2枚紙でございます。この資料番号2は、本特別委員会においてご検討いただきたいと考えている事項の背景、さらに検討事項をまとめさせていただいたものでございます。

 まず、1番の検討の背景でございますが、マル1にございますように、第5期学術分科会で取りまとめていただきました審議経過報告におきましては、研究者の自主性と研究の多様性の尊重を振興の前提・原則といたしました上で、戦略的な視点を持って学術研究の振興を図ることも重要な課題と指摘をいただいたところでございます。その上で、具体的な内容といたしまして、国内外の動向を踏まえた重点的に推進すべき研究分野・領域の設定や、大学等や学問分野の枠を超えた研究を推進できるような体制の構築の必要性について提言をいただいたところでございます。

 さらに、マル2でございますが、第4期基本計画に向けまして、総合科学技術会議がまとめた答申におきましては、第4期基本計画の基本的な考え方の転換といたしまして、第3期の分野を指定した研究開発の重点化から、重点課題の設定と達成に向けた施策の重点化への転換ということが、指摘をされているところでございます。

 これを受けまして、資料9として研究計画・評価分科会の検討の状況を用意させていただいておりますが、研究計画・評価分科会におきましては、第4期基本計画に掲げられる重点課題の具体化や推進方策の検討を今後行うことを予定しているところでございます。

 このような状況を踏まえまして、1つは、第5期学術分科会からの提言を受けた第6期学術分科会としての検討、そして第4期科学技術基本計画におけます課題設定という考え方の転換を受けて、科学技術・学術審議会全体で行われる検討の中で、学術分科会としてどのような検討を行っていくかということを受けて、矢印にございますような学術研究を巡る国内外の動向を見渡して、我が国の学術研究の先導・推進を図るために、学術振興上の重要な課題を検討・設定し、学術研究の展開をリードしていく方策を検討することが必要ではないかと考えているところでございます。ただ、第4期基本計画に掲げられている課題の具体化ということが科学技術・学術審議会全体として行われるわけでございますが、学術分科会といたしまして、やはり学術の特性でございますとか、それから第5期学術分科会における議論というものを踏まえて検討を行うことが必要ではないかと考えております。すなわち、重要な課題といたしまして、国の政策でございますとか国の戦略に基づく課題、あるいは社会の課題ということではなく、学術の振興、発展に必要な課題につきまして、議論し、そして、それをどう施策につなげていくかということを議論いただいてはどうかと考えているところでございます。

 そして、2に検討事項としておりますが、今、述べました観点を踏まえまして、それでは学術振興上の重要な課題として、どのような視点、内容が考えられるかということを2点ほど掲げているところでございます。

 1点目が研究ターゲット、研究目標というものでございます。これは、我が国の状況から目指すべき分野や領域を超えた学術研究の方向性というイメージでございます。すなわち、研究者、あるいは学術コミュニティの自主的な取組を支援し、あるいは先導するための旗印となるようなものの設定が必要ではないかということでございます。具体的には、複数の領域の研究者の知の結集でございますとか、具体的な研究領域等の設定を先導するための目標、テーマというものを科学官からの所見などもいただきながら、この基本問題特別委員会で具体的に議論いただければありがたいと考えているところでございます。そして、研究ターゲットの検討に当たっての観点といたしまして、4点ほど考えられる例を掲げさせていただいております。まず、1点目といたしまして、世界をリードすることが期待できるような研究の発展状況、それから2点目といたしまして、学術研究全般に波及効果をもたらすなどの先導的・基盤的意義を有するものであるか、3点目といたしまして、国際的趨勢を踏まえて、例えば我が国では立ち遅れているけれども、その進展に特別な配慮を要するなど、国際的趨勢を踏まえて発展の必要性があるか、そして、4点目といたしまして、国際協働に参画することで、我が国の学術研究の発展が期待できるなど、国際性を踏まえた観点を掲げさせていただいているところでございます。

 そして、もう一方の視点といたしまして、研究スタイル、研究手法というものを掲げさせていただいております。こちらは、国際的動向などから、我が国の学術研究全般に強化が求められる研究のやり方やアプローチの仕方、そういったものについて、学術振興上の重要な課題のもう1点として検討してはいかがかということでございます。その例といたしまして、4点ほど掲げさせていただいております。特に最初の2つにおきましては、米国などで行われております数学や計算機科学などの手法を取り入れて、学融合的な研究手法を推進していくということ、あるいは、社会システムの提言に向けて統合的な研究手法というものを推進していくこと、そして、3番目といたしまして、国際共同研究への積極的な参画、4点目といたしましては、共同研究体制の構築といったことを掲げさせていただいているところでございます。いわば学術振興上の重要な課題といたしまして、縦軸というようなイメージで分野や領域を超えて学術研究で目指すべき、あるいは学術研究を先導するための目標、テーマを設定していくということと、それから、いわば横軸といたしまして、すべての研究分野において国際的動向から求められる研究のスタイル、研究のやり方、研究のアプローチ、そういったことにつきまして、国の政策や戦略に基づく課題ということではなく、我が国の学術の振興、発展に必要な課題としてご検討いただき、それをもとに我が国の学術研究を先導する取組を考えていきたいということでございます。

 続きまして、2ページをお開きください。マル2でございますが、「学術振興上の重要な課題」の検討・設定ということにつきましては、具体的な方法といたしましては、先ほどもご説明させていただきましたように、国の政策に基づく課題ということではなく、学術コミュニティみずからの設定ということが必要と考えております。そういう観点から、今日もお配りしておりますが、科学官の所見などをもとに、基本問題特別委員会を中心に、さらに必要に応じて研究費部会でございますとか研究環境基盤部会の委員にもご案内をさせていただいた上で検討を行って、学術分科会として取りまとめを行いたいと考えているところでございます。特に予算等への反映を考えますと、7月ごろを目途に議論のまとめを行いまして、具体的な施策に反映していきたいと考えているところでございます。

 そして、マル3でございますが、「学術振興上の重要な課題」の施策への反映といたしまして、具体的には、例えば科学研究費補助金への反映、さらに大型プロジェクトへの反映などが考えられるのではないかということを記載しているところでございます。科研費につきましては、現在でも新たな研究領域の創成を目指した新学術領域研究というものを実施しているところでございます。そうした新学術領域研究をはじめとする科研費につきまして、ご議論いただく学術振興上の重要な課題をどのように審査でございますとか評価、あるいは助成に対して反映していくかということが1点考えられるのではないかということでございます。また、大型プロジェクトにつきましては、昨年度、学術会議のマスタープランを踏まえまして、大型プロジェクトに関するロードマップを学術分科会におきまして取りまとめていただいたところでございます。学術会議のマスタープランの改定作業も現在行われているところでございまして、そうしたロードマップも含めまして、大型プロジェクトの推進ということにつきまして、この学術振興上の重要な課題をどのように反映させていくかということが考えられるのではないかということでございます。

 4点目、マル4でございますが、この「学術振興上の重要な課題」設定に当たっての留意点といたしまして、いわゆる政策課題対応型研究開発におけます基礎段階の研究との相違ということに留意する必要があるのではないかということを掲げているところでございます。具体的には、結果として重要課題の内容が同じものになるということがあり得るわけでございますが、プロセスや視点につきましては、いわゆる国の政策に基づく課題設定ではなく、学術振興上の必要性に基づく学術コミュニティによる課題設定というプロセスや視点が異なるということにつきましては、学術研究の特性を踏まえて留意する必要があるのではないかということで掲げさせていただいているところでございます。

 以上が資料2の説明でございます。

 そして、資料3につきましては、先ほど説明させていただきました第5期学術分科会の審議経過報告の概要と抜粋、そして、資料4につきましては、第4期基本計画に向けました総合科学技術会議の答申をつけさせていただいておりますので、これは後ほどご覧いただければと思います。

 続きまして、資料番号5をご覧ください。これは2月4日に行われました科学技術・学術審議会総会におけます重要な課題の設定に関する委員からの主な意見をまとめさせていただいたものでございます。その中で主なものを紹介させていただきますと、まず、最初の丸でございますが、課題解決型の重要性はイノベーションに限らず、科学、あるいは技術にも必要であるといった意見。あるいは2番目の丸でございますが、重要な課題は学際的という特徴を持っているために、分野別の研究では対処できない。新たな課題の同定や研究推進の在り方などについて、審議会が手動して決めていくことが必要であるといった意見。あるいは3番目の丸でございますが、大学や公的研究機関などのいわゆる学術研究アカデミアが自立的に課題を設定していくことも必要であるといった意見を総会においてもいただいているところでございます。

 その総会でのご意見にも関連いたしますことがアメリカの研究者の方々からも言われておりまして、3ページをご覧ください。こちらはスタンフォードの学長がネイチャーに掲載していたものでございまして、いわゆる研究やファンディングにおける学際的なアプローチの必要性について、ご意見を述べられているというものでございます。2番目の段落以降でございますが、今日の地球規模の課題は、その規模の大きさ、複雑さから、協調的、学際的なアプローチが必要でありますが、大学は、伝統的に専門分野や部門を中心に構成されており、資源配分機関はその専門分野や部門に沿って資源を配分していることが多い。そうした中で、大学や資源配分機関は、広いテーマに基づいて学際的な活動を奨励する必要があることが指摘されているところでございます。

 また、5ページをご覧ください。こちらはニューヨークタイムズでコロンビア大学の宗教学科の教授が述べられていたものでございます。下のほうの2というところで、課題に則したプログラムの作成ということも言われておりますが、教育においても学際的な取組、あるいは機関間の連携が必要であるといったことを述べられているというものでございます。これはご紹介というものでございます。

 続きまして、資料番号6をご覧ください。この資料は、学術研究推進のための手法等のイメージについて、図にさせていただいたものでございます。左のほうに目的というところがございますが、これまで多様性の確保ということから、基盤的経費、あるいは科研費によりまして研究環境基盤の整備でございますとか、あらゆる分野を対象とした研究助成ということが学術研究推進のための大きな手法であるわけでございます。そうした中で、こういった多様性の確保ということを推進しつつ、学術振興上の重要な課題への対応ということをどのように取り組むか、あるいはどのように政策手法に加味させていくかということが求められているということでございまして、特に点線で囲っておりますように、科研費につきましては、重要課題も加味した公募・審査・研究助成の在り方、さらに大型プロジェクトの推進につきましては、科研費により支援された個人、あるいは研究グループの研究につきまして、それを組織化して推進していくということが必要になっているのではないかということでございます。そして、組織化されたプロジェクトにつきまして、育ったものにつきましては拠点形成につなげていくというようなことが考えられるのではないかということを図示させていただいたものでございます。

 続きまして、資料番号7をご覧ください。こちらは、先ほど説明させていただきました資料番号2の学術振興上の重要な課題の考え方に近いものにつきまして、過去や現在の取り組みにつきましてまとめさせていただいたものでございます。枠囲いをしております1番目のところでございますが、まず、これは平成元年に学術審議会において出された建議の抜粋などをつけさせていただいております。これは審議会として重要な研究分野を設定した例ということでお示しをさせていただいております。

 具体的には、その後ろの3ページから8ページにございますように、審議会といたしまして、学術研究をめぐる動向や要請を踏まえまして、11の研究分野を重要な研究分野として検討、設定したということでございます。その上で、9ページに資料をつけさせていただいておりますが、新プログラム方式といたしまして、科研費によりまして当該研究分野を踏まえた研究テーマを26ほど採択、助成をしたという取組を過去において行っているところでございます。

 また、その下のポツでございますが、現在、科研費において新たな研究領域の創成を目的とした新学術領域につきまして、平成22年度に発足した研究領域の一覧を11ページから12ページにつけさせていただいております。

 また、大型プロジェクトにつきましては、ロードマップに盛り込まれております43計画の内容につきまして、13ページから19ページに資料を用意させていただいております。

 また、19ページ、20ページにつきましては、科学技術政策研究所が高被引用度論文、引用度が高い論文のグループ化をもとに、国際的に注目される研究領域を121ほどピックアップしておりまして、いわゆる注目研究領域について、資料を用意させていただいております。

 そして、23ページから25ページにつきましては、科研費におけます学術研究の動向に柔軟に対応するための「時限付き分科細目」の一覧をつけさせていただいております。

 そして、27ページから28ページにおきましては、先ほどご紹介させていただきました平成元年の学術審議会の建議の抜粋を改めてつけさせていただいておりまして、これは重要な研究分野の検討に当たりまして、学術の発展に必要な取組についてもあわせて平成元年に検討をしております。研究目標という縦軸に加えまして、研究スタイルというものにも近い検討を平成元年にあわせて行っているところでございまして、具体的には先導的学問分野の展開のためのグループ研究の推進でございますとか、共同研究体制の整備、国際共同研究の推進なども研究分野の推進ということだけではなくて、研究分野を超えた取組として必要性を提言しているところでございます。

 続きまして、資料番号8をご覧ください。先ほどご紹介させていただきました資料番号2のような考え方をご紹介させていただいた上で、科学官の方々から具体的に考えられます研究ターゲット、あるいは研究スタイルについてご所見をいただいたものでございます。いくつか追加でいただいたものもございまして、3つほど束がございます。その資料番号8におきまして、10人の科学官の方から具体的な課題についてご所見をいただいておりますので、簡単にご紹介させていただきたいと思います。

 まず、資料番号8の1ページでございます。池田科学官からいただいたものでございます。「意思決定の基本構造の解明と社会制度の設計」ということで、さまざまな選択を行う際の人々の意思決定のメカニズムの解明、そして、その知見を生かした社会制度の設計という内容についてご所見をいだいているところでございます。

 続きまして、4ページをご覧ください。岡田科学官からいただいているものでございます。宇宙創成の科学的解明ということで、初期宇宙の状態を知るために、最も遠い宇宙の果てから来る光をとらえるとともに、最も小さな極微領域で成り立つ自然法則を知る必要性がある。そのためには、多くの研究分野、領域の研究を総合的に進める必要があるといったご所見をいただいているところでございます。

 続きまして、5ページをご覧ください。小山科学官からいただいているものでございます。凝集体の階層構造に注目した物質科学の新展開ということでございます。結晶性固体などの構造・物性・機能につきまして、いわゆるナノ、メソ、マクロなどの各階層に応じた研究が行われている現状の中で、階層を超えた新たな学理の創生を目的とした研究の推進が必要であるというご所見をいただいているところでございます。

 続きまして、6ページをご覧ください。小菅科学官からいただいているものでございます。人工物による社会価値創造に関する科学というものでございまして、人工物の果たす役割が複雑、さらに高度になるにつれて、人工物の創造に当たって、どのように社会に統合すればよいか、人類の幸福につながるかという観点からの研究が求められるといったご所見をいただいているところでございます。

 続きまして、7ページをご覧ください。島野科学官からいただいているものでございます。生命現象あるいは疾患病態におけます多臓器間の展開、あるいは連関を俯瞰いたしまして、相互の制御メカニズムを解明するシステムの構築、解明の必要性ということについてご所見をいただいているところでございます。

 続きまして、9ページをご覧ください。佐藤科学官からは、地球環境問題の研究につきまして、それぞれ独自の学問分野に軸を置いた研究から分野横断的に扱う枠組みの構築のために政策担当者と研究者の共同による研究統合のハブの立ち上げといった趣旨のご所見をいただいているところでございます。

 続きまして、10ページをご覧ください。上村科学官からは、いわゆる「重要な課題」、研究ターゲットということよりも、研究スタイルということについて重点的に議論すべきであるといったご意見、ご所見をいただいているところでございます。

 続きまして、11ページをご覧ください。山田科学官からは、超高強度レーザーによります新しい物質科学の構築についてご所見をいただいているところでございます。

 これまでが研究ターゲットとしていただいている所見の例でございますが、科学官からは、いわゆる分野横断型、あるいは学融合的取組が必要なものにつきまして、具体的な分野も含めましてご所見をいただいているところでございます。

 一方、12ページ以降は研究スタイルということについてご所見をつけさせていただいておりますが、研究スタイルということにつきましては、いわゆる研究のやり方ということだけではなくて、政策手法といったものにまで踏みこんだご意見もいただいているところでございます。研究ターゲット、研究スタイルということについての整理ということにつきましても、改めて整理、ご議論が必要かと思っておりますが、研究スタイルという部分につきましても、引き続き紹介をさせていただきます。

 まず、12ページの池田科学官からいただいているものでございます。これは諸外国、アメリカ、あるいは世界銀行などにおけます取組を踏まえまして、制度設計導入、あるいは評価におきます客観的データに基づいた科学的な分析の必要性ということについてご所見をいただいております。

 続きまして、14ページをご覧ください。こちらは岡田科学官からいただいているものでございまして、大型プロジェクト推進のための関係する研究者の組織化、あるいは役割分担の明確化、複数の研究機関の組織的な連携の必要性について、研究スタイルということでご所見をいただいているところでございます。

 続きまして、15ページをご覧ください。小山科学官からいただいたものでございます。こちらは学理を利用するという視点から、学理を生み出すという視点への変換という観点から、純枠数学を含めた物理、化学に基礎を置く研究者の結集の必要性ということについてご所見をいただいているところでございます。

 続きまして、16ページをご覧ください。小菅科学官からいただいたものでございます。2のところの下の3行に書かれてございますように、社会と学術研究の関係の中で、学術研究が未来社会にどのように貢献できるかについての戦略を立て、それに基づく新しい領域の創造の必要性についてご所見をいただいているところでございます。

 続きまして、17ページをご覧ください。島野科学官からは、生命科学の多次元情報を共有し、生命科学の血の共有ライブラリーやネットワークの底上げ、さらにはそれを活用した若手研究者の生命科学リテラシーの向上ということにつきましてご所見をいただいているところでございます。

 続きまして、19ページをご覧ください。佐藤科学官からは、研究スタイルと申しますか、具体的な政策手法といたしまして、大型プロジェクトをサポートするための新たな科研費種目の開設ということについてご所見をいただいているところでございます。ただ、その背景、理由といたしまして、2や3にございますように、分野横断型の研究に絞った種目の開設、あるいは分野横断型の新たな研究分野に対する支援の重要性ということがその提案の背景、必要性にあるということもいただいているところでございます。この点につきましては、先ほどの資料番号6でもご説明させていただきましたように、分野横断的、あるいは学融合的な研究課題、重要課題というものを設定した上で、それを個人、グループの研究を支援するための科研費、さらにはそれが組織化されたものを支援するものとして大型プロジェクトをどう推進するか、そういった科研費、あるいは大型プロジェクトの在り方も含めまして検討は必要と考えております。そういう中で、佐藤科学官からは、このような具体的な提案をいただいたというものでございます。

 続きまして、20ページでございます。上村科学官からいただいているものでございます。これも具体的な政策の提案に近いものでございますが、生命科学分野におけます最先端機器の機関全体での共有、あるいは実験技術者の管理運営の充実などのコアファシリティの充実についてご所見をいただいているところでございます。

 続きまして、その次でございます、資料8追加というものでございます。高山科学官と喜連川科学官からいただいたものについてまとめているものでございます。

 追加の21ページでございます。高山科学官からいただいているものでございます。これはグローバル化研究ということで、グローバル化の現象そのものの意味、影響についての研究の必要性ということについてご所見をいただいております。

 おめくりいただきまして、追加の22ページでございます。こちらも高山科学官からいただいたものでございまして、グローバル化の具体的な影響といたしまして、国家の在り方、役割、組織、そういったグローバル化によって変化している国家の在り方などについて再検討を行うことの必要性についてご所見をいただいたものでございます。

 追加の23ページでございます。これも高山科学官からいただいたものでございます。優れた能力と人格を持つリーダーの育成に関する研究の必要性ということについてご所見をいただいております。

 続きまして、追加の24ページから26ページまでは喜連川科学官からいただいたものでございます。まず、追加の24におきましては、サイバーフィジカルシステムといたしまして、サイバー世界と物理的実世界を有機的に結合した社会基盤システムの新しい方法論に関する研究の必要性、追加の25ページといたしましては、多くの研究者が競争可能な巨大データクラウドプラットフォームの構築、追加の26ページといたしましては、震災をはじめといたしましたある局面において集中的に実証、あるいは特定領域に関しまして集中的にモニタリングを可能とするシステムを構築して、情報の集約、発信が可能な基盤を構築することの必要性について、ご所見をいただいたところでございます。

 以上が、学術振興上の重要な課題に関する説明でございます。よろしくお願いいたします。

【平野主査】

 ありがとうございました。

 ただいま事務局から重要な課題の検討・設定等についての説明をいただきました。これらを踏まえまして、ここでまず自由にご議論をいただきたいと思っております。

 今日は委員、あるいは科学官の中で、ご都合により早く出られるというご希望の方がお見えでありますので、せっかく参加されたのに、発言もなく帰られたら大変恐縮でありますから、早く出られる方から自由にご意見をいただき、その後に他の委員の皆様方からも今、説明をいただきましたような研究ターゲット、あるいは研究スタイル、研究手法についての所見をお寄せいただきたいと思います。今日は主に説明いただいたうち、資料2の検討事項にあります内容について、ご自由に発言をいただけたら大変ありがたいと思っております。

 説明をいただきましたように、ここには大変重要な内容が含まれていると思います。例えば、資料2の1の真ん中あたり、2のすぐ上、学術研究を巡る国内外の動向を見渡し、我が国の学術研究の先導・推進を図るため、学術振興上の重要な課題を検討・設定するとともに、学術研究の展開をリードしていく方策を検討することが必要である、と提案されております。こういうことに基づいて、ここで議論をいただくわけでありまして、2にあります検討事項で、視点・内容等、あるいは検討・設定方法、あるいは施策への反映、あるいは設定等に当たっての留意点、こういう項目に分けていただいておりますが、主にこの在り方について議論をいただき、また、重要な課題等でお考えのところがありましたら、ご議論、ご提案いただきたいと思っております。ご自由にご発言いただきたいんですけれども、もしお許しいただけるならば、早目にお帰りの方を先にご指名してよろしいでしょうか。

 今、郷委員、深見委員、それから高山科学官が3時半くらいまでにお帰りのご予定であると伺っておりますので、よろしければ、その委員から思うところをご発言いただきたいと思いますが。

 それじゃあ、まず、郷委員、よろしくお願いいたします。突然当てて済みません。せっかく出席いただいておりますので、お帰りの前に一言。

【郷委員】

 今、いろいろと考えますと、この大災害と原発の事故は、基礎研究をやっている者にとっても、これは非常に大きな、ある意味では、私たちは何を研究してきたんだろうかということを思わざるを得ない、国家のプロジェクトとは関係ないと思いながら、自主的な研究をしてきた人間としても、例えば日本の国の科学技術の研究費がほんとうに科学技術の進歩、それはプロジェクトであろうが、基礎研究であろうが、的確に使われてきたのかという──非常に飛びますけれども、そういうことを思わざるを得なかったというのがこの1カ月ぐらいです。

 大きなことばかり言っても話にならないと思うんですけれども、この「分野」というのは、やはり科学官の先生方のお近くの「分野」とか、私たち委員も、そういろいろなことを知っているわけじゃありませんから、どうしても自分が従事してきた研究の近くのことから発言せざるを得ないのですけれども、どこに焦点を当てて、日本の科学技術を進めていくかということ以前に、今回は、スタイルの問題、これがここで議論されたということは非常に大事だと思います。

 今まで、例えばイノベーションなんていうのも、科学技術をあるところで発展させるということだけではなくて、システムを変えることによって、今まで固定化されていたシステムとか、制度を変えていこうということも、本当はあったわけですけれども、それがなかなか、例えば学際的な領域をやらなければいけないなんて言いながら、本当の意味で学際研究というのがやれていたのだろうか。それは早い話が、今、地震、津波で、今まで地震の研究をされていた方たちは過去のデータがあることから、いろいろ予測とか、そういう研究をされているわけですけれども、日本史とか、そういう歴史の方では、古い資料によると、平安時代に、これくらいの高さの大津波が来たらしいとか、そういう資料はあったわけですけれども、全然違う分野で、まさかそんなことを一緒に研究できるなんて思っていなかったと思うんですね。でも、今回のこの津波、その後のいろいろな災害がいろいろなことを思わせる中で、1つは、そういった文系、理系が全くお互いに知らずに、資料のことは知らない、でも、そういう資料をを調べていったら、今だって地層を調べて、どれほど大きな津波が来たかを科学的に知ることができるかもしれないという発想がなかったという、そこに気がついたのです。今まで随分狭い範囲でしか研究をしていない、お互いにすぐ近くにいる、同じ大学で文系の方も、理系の方もいるのに、何にもそういうことを話さなかったということです。今までの研究スタイルは、研究者が非常に狭い範囲で、自由に自主的に研究をやってきたということは、ある意味では、狭いところで自分のわかる範囲で自分が顔見知りの人とだけ、一緒にやっていたということです。自由で自主的ということをもう一回、私たちはよくその意味を考え直さなければいけないんじゃないかと思いました。

 私の専門じゃないところから申し上げた方が、こういう話はしやすいと思ったものですから、申し上げたわけです。

 それから、今回の原発の事故については、いろいろな意見がある中で、原発は安全だということをみんな信じていたという風潮が問題です。サイエンスに携わる者からしたら、安全だというのは何かの仮定の上で言っているわけで、あらゆることを想定して安全だなんてことはあり得ないわけです。私も自身の研究ではシミュレーションをして、シミュレーションというのはあんまり当てにならないとよく言いますけれども、それはこういう条件で、こういう値を基にしてやったら、こうなりますよ、ということを言っているのであって、すべての条件下で、そうなると言っているわけじゃないんですが、そういった基本的な研究の当たり前のことが、原発の問題に関しては、みんな黙っちゃった、異なる意見というものがどこかに隠れてしまった。それから、やっぱりよく考えてみると、そういう発言をしていた方もいるのだけれども、そういう方たちは日の目を見ない、それから発言の機会もなくなってしまったと、いうことだと思います。そうすると、多分、一番大事なことは、一言で言えば多様性ですけれども、サイエンス、科学技術、学術というのは、今、正しいと思われることが、いつまでもそれが真実であるということはあり得ないわけで、ある限定の中で、ここまでだったら正しいとか、あるいはここから先はまだわからないということを、学術研究をしている人はちゃんと一般の人に示していかないといけないんじゃないか、そういう謙虚さというものを、今、問い直さなきゃいけないなという思いです。3月11日以降、非常にいろいろなことを考えていましたので、まだ具体的に平野先生のご要望に沿ったお答えが、できてないと思いますけれども、率直に話すのがこの場所ではないかという気がしているものですから、一言、今の私の思いを述べさせていただきました。ではどうするかということは、これから考えていくことかと思います。

【平野主査】

 ありがとうございます。ここに資料をつけてくださっておりますが、私が言うことではありませんが、第4期の基本計画の中に、おそらく追加事項になるかどうかわかりませんが、震災に対する安全安心対応というような項目も、科学技術・学術の中に入ってくるであろうというふうに思っております。今、郷委員がおっしゃられたようなところがどういうふうに、私ども、ここの委員会として、研究体制等において出るかということも重要なことじゃないかと思っております。どうもありがとうございました。

 深見委員、よろしくお願いします。

【深見委員】

 今、地震のお話がありましたけれども、我々も安心安全をキャッチフレーズにしていたのに、こういうことが起こったという、郷先生がおっしゃったような無力感というのはあると思います。ただ、無力感の後に自分は何ができるんだろう、我々は何ができるのかといったら、やっぱり今までどおりのことをきちんとやっていかなくてはいけないんだろう、自分のなすべき責任というものは何だろう、そういうような形で、前向きに少し考え方も変わってきています。

 今日はたくさんのお話をしていただいたので、全部ちょっと把握し切れていないというところもありますけれども、まず、ターゲットの問題、それから研究スタイルという問題で、いくつか私も考えるところはありました。細かなところはまた追々発言させていただくことにして、一つ、スタイルというところだけをちょっと触れさせていただくと、さっき科学官の先生のほうからテクニシャンというものの支援制度というところが出てまいりました。私も日本のシステムの問題、もう少しこれから考えていかなくてはいけないんではないかと思っておりますけれども、現実的に大きなお金のあるところではテクニシャンとか、いろいろな形での人を雇えるんですけれども、いわゆる普通の大学ではテクニシャンにしろ、秘書さんのお給料の捻出というのを苦労していると思います。システムとして、そういう支える側をきちんとつくっていく必要があると思います。また、ポスドクの偏りとか大学院生の偏りというのもすごく言われてきていると思いますけれども、これは最初のターゲットというところのお金の配り方というところにも関係してくるんですけれども、非常にここ何年かで格差がつきました。いい面もありますけれども、研究費の配り方、そして、必要以上に偏りができているというところですね、ポスドクとかの偏りがあまりにもあり過ぎて、地方の疲弊というものをもたらしている。今こそ日本の全体的な底力を上げるためのバランスのいい研究費の配分、それからシステムの構築を考えていけたらいいなというふうに思っております。

 以上です。

【平野主査】

 ありがとうございました。

 高山科学官も退席されるようですが、ご意見あったら、よろしくお願いします。

【高山科学官】

 それでは、少し話させていただきます。

 まず、先ほどの郷先生のお話を伺って、一つ思い出したことがございます。それはイギリスのロイズ保険会社のことです。数学を研究している友人が教えてくれたんですが、ロイズ保険会社では経済学者たちだけではなくて、歴史家を呼んで話を聞くそうなんですね。その理由というのが、ある前提のもとで予測しても、自然災害を含めて、いろいろなことが起こるんだと。そういうことが起こると、途端に、ある前提のもとで考えていたものがうまく機能しない。だから、そのときに、人類の経験を見るといいますか、世界でどういうことが起きてきたのかということを知っておく必要があるから、歴史家の話を聞くんだということなんですね。それをちょっと思い出しましたので、補足させていただきます。

 次に、今回のテーマの研究ターゲットに関してですが、ここに4つ挙げてありますけれども、ちょっと気になることがあるんですね。それは何かといいますと、例えば丸ポチの下2つです。国際的趨勢を踏まえた発展の必要性、要するにこれは国際的にどういう研究がなされているかということを考えて判断するということなんでしょうけれども、そうしますと、先ほどから別の観点から重要視されている学問の多様性というのがある意味で絞られてしまう。もちろん、これはバランスをとりながら判断するということでしょうけれども、ただ、一つのある種の趨勢とか影響力をあまり重視すると、ほんとうにそうではないところ、これから先、将来必要とする学問の芽が摘まれたり、あるいは、一般的には何も社会の役に立たないと判断される研究が実は非常に大きな影響力を持つということもありうるわけで、そういう研究の芽を摘んでしまうおそれがあるんじゃないかという危惧を持ちました。

 それから、「国際性」も気になりました。もちろん、いろいろな学問領域で国際化が進んでいるわけですから、研究の最先端で頑張っておられる方々は、否応なく国際化せざるを得ないと思うんですね。ただ、それこそいろんな学問領域では、自分がおもしろい、あるいは大事だと思っていることをひとりでやって、それがブレークスルーにつながることだってあるわけですから、「国際性」にこだわることにもちょっと危惧を抱いたということです。

 さらに、この研究ターゲットということで考えると、やはりどうしても相対評価をあるところでしなくてはいけない。つまり、特定のターゲットというのを選別して、それに重点的に補助をするということになると思うんですが、そのときに、異なる分野の研究ターゲットというのを相対評価するということが出てくるといいますか、やらざるを得なくなるんじゃないかなと思うんです。領域ごとに区分して、同じ領域の中で相対評価するというのは、それほど難しくないかもしれませんけれども、それを取っ払って、すべての領域を含んで、そして学問的に重要な相対評価をきちんとできるんだろうかという、これも危惧なんですけれども。21世紀COEのときは、例えば人文の中だけでも、日本文学と心理学を同じ土俵で優劣つけるんですね。最終的には、異なる分野のものを相対評価せざるを得なかった。これでほんとうにいいのかという思いをずっと私は抱き続けたんですね。それがまた同じようなことをやらなくてはいけなくなってしまうのかなという、その3つの危惧なんですけれども。

 以上です。

【平野主査】

 ありがとうございした。重要な視点だと思います。この中で議論を続けていく課題である理解をしております。

 あらかじめメモをいただいて、ご都合で早くご退席される委員の方々、3名だと聞いておりますが、そのほか、今から全くご自由に思うところを今日は発言をいただきたいと思います。どうぞ、どんな点からでも結構ですが、主に先ほど申し上げましたように、資料2の検討事項に基づいて、危惧される点、あるいは留意する点、あるいはその方向について、議論いただければと思います。よろしくお願いします。

【郷委員】

 ちょっとよろしいですか。

【平野主査】

 どうぞ、郷委員。

【郷委員】

 済みません、私、先ほど申し上げて、一言加えたいと思ったのは、打ちひしがれているのではなくて、これは見方を変えれば、いいチャンスではないかと。大きくこれからいろいろな仕組みを変えていく、試練ではあるけれども、チャンスだと思っていますので、私自身は決して非常に暗いというつもりはありませんので、ちょっと一言だけつけ加えます。

【平野主査】

 ありがとうございます。

 では、有川委員、よろしくお願いします。

【有川委員】

 郷先生から、冒頭、災害のことからお話いただいたわけですけれども、本来なら3月に閣議決定されるはずの次期の科学技術基本計画が延びているという状況もありますので、今回の大災害、震災について、詳細なことはこれから時間がかかると思いますけれども、やはり科学的にきちんとした調査をしておいて、そこからスタートしたほうがいいのではないかと思います。つまり、今回の震災はそうしたことをやるに値するといいますか、それくらいの重みがあると思います。よく言われている想定外ということが本当に多々あったわけですけれども、一方ではきちんと備えがあって、それでしっかり機能したという面もあるわけです。だめだった部分、うまくいった部分も含めまして、先ほど歴史のこともありましたけれども、どういったことに注意しなければいけないのかを少し検討しておかなければいけないのではないか。そうでないと、今期、学術振興上の重要な課題について検討することすら許されないのではないかという気持ちがあります。もちろん、そういったことで縮こまってしまってはいけないわけですけれども、私たちが経験していることは、ある意味では、今後の学術発展、振興を考える上で、極めて重要な経験になっているはずですので、それを活かさない手はないと思います。今期は、ターゲットやスタイルについても、やはりそれと関連づけて考えておく必要があるのではないかと思います。

【平野主査】

 ありがとうございました。

 そのほか、いかがでしょうか。はい、どうぞ。

【樺山委員】

 今のご意見と同じ筋道のことを申し上げるんですが、今回、第6期の特別委員会、あるいは審議会がこういう形でスタートいたしましたけれども、こういう形でもって大変な危機に直面しています。何年間かこの議論は続くに相違ありませんけれども、こういう時期に私たちは研究者として立って考えているという、この事柄が何年たってみても、あのときにこの議論をしたのだということがはっきりと明白に表に出るような形での議事なり、あるいは議論なりをしなければいけないだろうという感じがしてなりません。と申しますのは、一方ではこういうさまざまな災害があって、にもかかわらず、粛々と研究を進めるべきだというご意見があります。そのご意見の趣旨はわからないではないのですが、でも、私たちは研究者として、あるいは社会的な存在として、現在私たちが直面している問題をどうとらえ、どう対処するかということを抜きにして、学術なり、科学なりということはあり得ないだろうという感じがしてなりません。

 私は歴史家なんですけれども、先ほどもお話にありましたけれども、実はさかのぼって1,000年ちょっと前、貞観の地震というのがありまして、今、新聞でもよく引き合いに出されますけれども、貞観の地震は、記録としては極めてわずかしかないのですけれども、しかし、おそらく日本中のかなりの集落において、人間たちの、あるいは人類の記憶の中に刻み込まれていると。したがって、あるところでは貞観の地震でもって津波が届いたところよりも少し高いところに集落が建設され、その後、その記録が薄れるにしたがって、この記憶も薄れていったけれども、しかしながら、その記録がいまだに1,100年たっても残っているという、こういう事柄は今になって、ほら見ろと言って、鬼の首をとったように議論しております。実はかなり前からわかっていたはずです。そうした事柄も含めて、今、私たちがこういう災害を目の当たりにしまして、ここからいかにして脱出するかということを課題としながら、でも、そのことが結局、結果として、私たち日本における学術研究やサイエンスの新しい発展のために必ずや有効な役割を果たすはずだという理念に立って、今回、新しい形での報告、あるいは新しい形でのディスカッションが行われる必要があるだろうという感じがいたします。一つ一つの安全策が適正であったかなかったかということはもちろんですけれども、それ以上に、この災害を私たちとして今後どのような形でもって受けとめ、どこに向かって私たちが学術研究を展開していくかということの明確な形が何らかの形でもって読みとれるような、そういう報告を行うことができる必要があるだろうというふうに考えておりまして、具体的にはこれから議論しなければなりませんけれども、基本的なスタンスとしては、そういうことではないかと私も考えております。

 以上です。

【平野主査】

 はい、ありがとうございました。

 そのほかいかがでしょうか。はい、どうぞ家委員。

【家委員】

 今日は第1回ということで、この特別委員会でもって、今後どういうことを議論していくかということを意見交換するところだと思うんですけれども、資料2の真ん中あたりのところに、これが中心の文章だと思いますけれども、アンダーラインがしてあって、学術振興上の重要な課題というふうに書いてあるんですね。学術研究の内容まで踏みこんで、この課題が大事だとか、いや、そうではないとか、そういうことをやるのがこの委員会のミッションかどうかということをまずコンセンサスを得ておくことが必要なんじゃないかと思うんですね。むしろ、ここでは、そういう個別の話よりも、学術システムとして、学術振興にボトルネックがあるとすれば何で、そこを解消するにはどういうことが必要なのかということを議論するほうが有益ではないかという気がいたします。

 1つ例を挙げますと、先ほどご発言があったことに関係するんですけれども、例えば今、いろいろなところで資源のアロケーションにしても何にしても、評価ということがいろいろ言われるわけですね。評価、評価と言われて、するほうもされるほうも相当の労力を使っていて、研究者にとって重要な研究時間という資源が非常に枯渇しているという問題があります。特に客観性ということが言われて、人文系の方は特に痛感していらっしゃると思いますけれども、定量化あるいは計量化しがたいものが、場合によると評価の視点、指標から抜け落ちてしまうという現実がある。そういうことの問題点はあちこちで指摘されておりますけれども、じゃあ、どうするのか、評価にはなじまないからやらないのかということは依然として残っていると思うんですね。私は計量化しがたいものをいかに評価のまな板に乗せるかということ、そのこと自体が人文、社会系の学問の非常に大きなターゲットというか、研究課題になるんではないかと。定量化しがたいものの難しさというのは、別に人文・社会系でなくて、理工系でも、生物系でも同じ問題を抱えているんですけれども、それが特に差し迫った形であらわれている人文・社会の方々は、一体どういうふうに考えておられるのかということをお聞きできたらなというのが常々思っているところです。

 以上です。

【平野主査】

 どうもありがとうございました。

 そのほか、はい、どうぞ鈴木委員。

【鈴木委員】

 あんまりの盛りだくさんで頭の整理がつきませんが、、気がつくままに言います。まず、研究目標ですが、先ほど高山科学官がおっしゃいましたように、ここに掲げられているような研究目標だけでは、単に世界に追いつけ追い越せだけであって、それだけが研究じゃないでしょうと言いたくなります。もっといろいろな研究分野があるはずです。あらゆる可能性、むしろ、世界に初となるような研究を育てることが必要です。仮に五十歩譲ったとしても、ここに掲げられている研究目標は、既にグローバルCOEやその他のプログラムでやられているものが多く見受けられます。ではなぜ日本が現段階で劣っているのかという評価判断がないと、研究目標に定めて予算を投入しても発展は期待できません。なぜ、日本の研究が遅れているのか、現状評価をした上で、日本としてどのような施策を打ち出すべきかを明確にしなければなりません。

 研究スタイルに関しても全く同じことが言えます。日本にも非常にいい研究スタイルがあります。何もほかの国でやっていることだけがいいわけじゃない。日本独自の手法、研究スタイルを考慮したうえで議論すべきです。もう少しここに書いてあることから一歩踏みこんで、日本でどのような研究スタイル追求するのかという視点が必要ではないかという気がいたします。

 それから、2ページ目の研究資金ですが、確かに科研費や大型プロジェクト経費の活用が必要であることはわかりますが、法人化以降、盛んに言われていてなかなか理論武装できないデュアルサポートの確立が重要と考えます。基盤的経費と競争的経費の比率の理論的根拠付けを行う必要があります。 最後に、郷先生が口火を切られた地震に関して、少し違った視点からコメントします。研究者が大学の中に閉じこもっているように見受けられます。もっと、市民・社会に飛び出て原子力発電や放射能について説明、議論をする必要があると思います。東京近辺で3月の下旬に工学院大学で、素粒子理論の先生方が専門家を招いてタウンミーティングをやりましたが、これが最初のような気がします。最近、ようやく阪大の中で、教職員・学生に対して、原子力の専門家が説明会を開いたと聞いています。一般に、大学の使命とは人類・社会に貢献するという認識を高める必要があると思います。

 例えばスタンフォード大学では、4月の上旬までに2回、タウンミーティングを開いて、市民に対して、福島原発の現状、今後の見通し・影響を説明したそうです。市民・社会・大学が一体となって、時事問題、社会問題を議論する習慣をつけなければならない気がいたします。

【平野主査】

 ありがとうございます。

 そのほか、はい、どうぞ鎌田委員。

【鎌田委員】

 感想の域を出ませんけれども、2点ばかり申し上げます。

 第1は、ずっと議論になっていますけれども、この震災に関連する事柄というのは、学術振興上の重要な課題というときに、現時点では何らかの形でそれを意識せざるを得ないんだろうというふうに考えています。この資料2の2の④にもかかわるんだと思うんですけれども、「学術振興上の重要な課題」というものと、政策課題対応型研究開発における研究というのは区別して考えなければいけないということが強調されているわけです。それはそのとおりであろうかと思うんですけれども、先ほど来、ご指摘がありましたように、この震災の経験を踏まえて、これまでの研究の在り方といいますか、研究の進め方のようなものについて、どのような問題があったのかというふうなことも、やはり我々、振りかえるべきポイントなんだろうと思います。具体的にどう盛り込めるかは別にして、やはりこういった問題について、関連した課題を取り込む必要があるのかなというふうに思っています。

 それと、もう1点、震災関連では、科学技術の点については、先ほど申し上げたようなことですけれども、やはり震災後の状況を見ていきますと、科学技術の問題だけじゃなくて、現在の社会システムそのものが、こういったときにさまざまな弱みという言い方をしていいのかわかりませんけれども、そういうものを露呈してきているわけでありますから、そういった社会システムの在り方のようなものを検討する上で一つの大きな素材を提供しているという意味で、これもまた何らかの形で重要な課題の中に取り込めるようなことがあれば、それは望ましいことではないかなというふうに考えております。

 それから、もう1点は、資料5の関連なんですけれども、これも既に委員がご指摘になられたこととも関連するんですけれども、資料5の1ページでは、かなり人文・社会科学的な問題についても重要な課題があるんだというようなことが強調されているんですけれども、やはり具体的な課題を考えていくと、なかなか人文・社会科学の分野のものは具体的な形で提示しにくいというふうなことがあって、一つは先ほど委員がご指摘になりましたように、人文・社会科学の部分については定量化しがたい部分があるということも関連するのかもしれませんが、これらを具体的な課題として設定していくにはどういうものがあり得るのか、何が重要なものとして社会的に納得を得られるような課題としてあり得るのかということについては、もう少し考えてみたいというふうに思っているところです。

 同時に、資料5で2つの外国での意見が紹介されておりますけれども、これ、いずれもどちらかというと、研究のスタイルの問題で、やはり現下のような財政的な状況を見た中で、一方で21世紀型のさまざまな課題というものをにらむと、連携型といいますか、あるいは協調型の研究スタイルというのが非常に重要になってきていて、これは従来からずっと強調されてきているところではございますけれども、必ずしもこういった研究スタイルで大きな成果を上げたものというのがそう多く出てきているようにも思われませんので、こういった形での研究スタイルということに重点を置いた課題設定というのも重要ではないかというふうに考えているところでございます。

 以上です。

【平野主査】

 ありがとうございました。

 そのほかいかがでしょうか。はい、どうぞ。

【小菅科学官】

 東北大学の小菅と申しますけれども、先ほどからのご意見に対して、少しだけ誤解もあるみたいなので、少し意見を述べさせていただきたいと思います。

 まず、先ほどから資料に関しまして、項目に研究ターゲットの観点の例ですね、それに対していろいろなご意見が出ておりましたけれども、私たちが宿題として与えられた研究ターゲットとか研究のスタイルを考えるときには、もちろん、これもそうですけれども、多分、皆さん、いろいろな状況を考えて、私もいろいろな現在の日本の学術が持つような問題で自分が感じたものを考えて用意をさせていただきましたので、そういうことを無視しているわけではないということが一つでございます。

 それから、先ほどから大学が閉じこもって、社会に出ていないというようなことを言われましたけれども、私の分野ですとロボットでございますけれども、我々は有志でロボット・タスクフォースをつくりまして、ロボタッドというタスクフォースなんですけれども、いろいろ原子力関係にかかわる、あるいは今度の津波災害にかかわる情報を集めまして、現時点では東工大の広瀬先生が海のほうに行って、遺体の捜索に協力をされていると思います。それ以外にも、いろいろな大学関係者、特にロボット関係者は、関係機関のところにアプローチをいたしまして、使えるものについては使って協力をしておりますので、必ずしも閉じこもっているわけではない、そういう活発に活動している例もあるということをぜひご理解いただければと思います。

 以上です。

【平野主査】

 ありがとうございます。別に誤解のないように、それは当然、理解をされた上での発言でありますから。どうぞ。

【縣科学官】

 科学官の縣と申します。ここに今回から重点的に推進するということがさらに強調されておりまして、その意味で、助成スタイルそのものについて、所見を述べさせていただきたいと思います。

 それは、重点的に推進する際に、プロジェクト助成のよさをどうやって引き出すかということが重要だと思います。例えば、今回はターゲットとスタイルということで、ある程度、限定をしようというご趣旨と存じますが、プロジェクト助成の最大の欠点は、私の知る限りでは断片化にあると思っています。つまり、対象をかなり狭く限定し、時間をかなり短く限って、そして、お話に出ている評価というのが最後についてくるという形で1つずつ回っていくという方式です。それが終わった後どうなるのかということを見ますと、そこで大体終わっていまい、別のものへ転換していくということを感じるわけです。その対極にあるのが包括性と継続性と構造化という助成の仕方だと思います。ですから、例えば大きな災害があったときに、包括的なテーマがあって、そこに特にプロジェクトして個別のものが入るのかもしれませんが、非常に包括的な課題というものを置いて、しかもそれが決して短く終わらないような形は如何でしょうか。おそらく短期となるのは、予算も短くしているということもあって、それを継続するかの評価があるということもありますし、あるいは評価をするということの意義を先に置いてしまっていて、時間が短くなっているという要素も非常に感じられるわけです。ですから、限定性の強いプロジェクト助成というものをいかに包括化、継続化、構造化した形で行えるか、そういう考えを持ち、そして、それをどうやって具体化するかということを考える必要があるのではないかと思っております。

【平野主査】

 ありがとうございます。

 そのほかいかがでしょうか。

【谷口主査代理】

 先生方のご意見を伺っておりまして、課題が大変多岐にわたるといいますか、かつ、すべてが非常に重要な課題で、この基本問題検討委員会としてどういう形でフォーカスして、これから議論していけばいいかというところが大変難しいところもあるのかなと思いますが、そこは皆さんで知恵を出し合って、ぜひ意義深いまとめをしていきたいと改めて思います。唐突で恐縮ですが、おそらく後世になって、21世紀の初頭に大きな時代の転換期を迎え、日本ではこういう出来事があった、世界的にはこういう出来事もあった、それでもって、科学技術、あるいは学術の在り方も大きく転換期を迎えた、そういうふうな歴史的な記述がなされるのではないかということが推測されます。私は一研究者ですから必ずしも正確には現況をすべて把握できていないかもしれませんが、それほど国内外を問わず、大きな歴史的な潮流の変化の中に、いろいろな意味で科学の在り方、学術と申し上げてもいいんですが、大きな転換期を迎えているのではないかというようなことを思います。そのような意味合いにおいて、後世に高く評価されるような科学、学術の推進方策を模索し確立していきたいものです。

 最近の出来事として2つ、お話しします。ひとつは先ほどから先生方のお話にもございますように、今回の大震災があって、そのときに科学は、あるいは学術はどういう力を発揮できたのか、発揮できるのかという問題、あるいは学術や科学というのは一体だれのために何のためにあるのかという課題というのが改めて提起されたと言ってもいいかと思うんですね。もちろん、政策に対する対応とか、そういうことも重要かもしれませんが、やはりここは基本課題を深く掘り下げて考えることが重要ではないかと思います。

 もう一つは、外国の話ですけれども、いただいた資料の中にも科学や大学について、スタンフォードのプレジデントや何人かのコメントが書かれておりますけれども、つい先週ですけれども、ニューヨークの友達何人かと話をしておりましたけれども、その中の一人は、最近日本に来られたクリントンさんの親しい友達でもあります。ご存じのように、アメリカでは民主党政権がかなり厳しい状況になっており、皆が心配しているのは、民主党の科学技術政策が共和党に圧迫されていることらしいのです。私はどちらの政党の味方をしているわけではないんですが、共和党のバックアップをしているのがご存じのようにティーパーティーという組織なんだそうですね。詳細はともかく、結果的にはNIHのグラントなどがカットされるという状況に及んでおりまして、実際、数%の予算のカットが最近決定されたと聞いています。これはアメリカの研究者にとっては大変な出来事で、深刻なことであるということは言うまでもなく私の仲間が嘆いておりました。

 この事実と直接的に結びつけるということは必ずしも適切ではないかもしれませんが、私のその友達の話では、ティーパーティーの多くはキリスト教原理主義を信奉しているそうです。つまり、進化論を否定し、神が6日間の間にあらゆる生き物をつくったということを信じている人たちが大きな勢力になりつつあると言えると思います。私たち日本では、あんまり科学と宗教の問題が広く議論されることもなければ科学政策においてそのような議論はされることもありませんが、一連の友人との会話で感じたことは、それでは果たして私たちは社会に向かって、なぜ科学、学術が重要なのかということをほんとうに納得させる形でアピールできているかという問題を突きつけられているような印象を持ちました。例えば、進化論を否定する人たちを私たちは科学者として簡単に論破し納得させることができるでしょうか、なかなか難しい問題です。科学を巡るこのような一連の問題は常々学生と一緒に議論をしているところでもありますが、日本ではまだそういう問題はないとはいえ、そこから提起される問題は、他の国の問題だけではなくて、私たちがこれから科学や学術を考えていく上で、一体、科学の本質とは何なのか、やはりその辺をしっかり見極めてやらないといけないんではないかと思います。そして、社会の皆さんに広く科学の在り方、重要性を認めていただく努力をし、社会からのサポートを得ていくことが重要と思います。つまり、先ほど委員の先生方から出ていましたように、やはり社会への発信を行うとか、社会からの信頼を得るようなものでなくてはならない。これは好むと好まざるにかかわらず、現在科学が、これからの科学が抱えた宿命ではないかと思いますね。そのための議論というのを、しっかりと原則と現実を見極めて考えていくということが重要ではないかと思います。

 そういう観点から、一方では、学術振興上の重要な課題を検討するということが本委員会のミッションと言われておりますが、ということは、学術上重要ではない課題というのは一体何かということをまた議論することも大切なのかもしれませんが、どの課題をどう議論するべきか、なかなか難しいですね。限られた本委員会の時間内でどの程度現実的かどうかは判りませんが、一応、そういう根源的なところから振り返って、やっぱり検討するべきではないか。ただ、必ずしも私の理解では、これはテーマを設定してこの部分に資金をつぎ込むように資金配分は申請しましょうとか、そういうようなお考えでは決してないんだというふうに私は理解しておりますので、もう少し広義にとらえて、今こそ、学術が一体なぜ必要なのか、これからどうあるべきかということを議論すべきだというふうに思います。ちなみに、政府が第4期科学技術基本計画の中で言っているグリーンイノベーション、ライフイノベーションというのも、とり方によっては、グリーンイノベーションとは地球をいかに大切にするかという問題でもあり、あるいはライフイノベーションというのは、本来の科学のあり方というのは人間を幸せにするものだ、だからこそ、自然科学、人文科学、すべての分野が一体となって進まなくてはいけない、という解釈もできるのではないでしょうか。そう考えれば、科学の推進のために競争原理のみを導入したんでは、特定分野の研究、特に目先の応用開発に繋がる研究に重点がシフトしてしまう可能性があり、本来の科学あるいは学術のあるべき姿が歪められてしまう可能性もあると思います。そういうことを根幹に据えたような学術研究の課題というのを追求すべきではないかというふうに思うわけです。ですから、国の政策へのきちんとした対応というのは、あくまで学術という基本的な文脈の中に乗っかってやるべきであろうと思います。一方で、学術を推進する母体となる大学に対してですが、おそらくこのままでは日本の大学は生き残れないという危機的状況にもなっていると思うんですね、私は。ですから、大学がどうあるべきかという問題も、この基本問題の検討委員会は含んでいるんではないかと思います。

 それから繰り返しになりますが、学術の重要性を社会にいかにアピールし、社会の信頼を得ていくか、これは非常に重要な問題だと思います。私たちがこのような場で研究者仲間同士が集まって議論すれば、それでいいという問題では、もうとっくの昔になくなっているという、そういう状況であるということだと思うんですね。それから、やっぱり世界に発信する、外国の真似をするのではなくて、日本から発信する、文化としての学問の重要性というのをやはり堂々と議論するということが重要ではないかというふうに思います。具体的な問題は個々にまた議論していただきたいし、私も勉強していきたいと思っております。ちょっと長くなりましたて、失礼しました。

【平野主査】

 ありがとうございます。

 私、主査は皆さんのご意見を聞いて、一緒に取りまとめていく務めであると理解しておりますが、一言だけ発言をさせていただきます。私は、ずっと今まで少なくとも理科好きを多くしようというよりは、理科嫌いを少なくしようと思ってキャンパスの外で訴えて来ました。しかし、この度の原発事故で、理科に通じる科学技術、学術ですね、文系、社会系を含めた、大学等でやっていることまでもある意味、否定をされるような論評もあちこちにあり残念に思っております。嫌悪感がないように努めていかなければいけないというふうに思いながらの発言でありますが、この委員会において、これまでも皆さん方にご意見いただいたように、科学技術、学術の基本としてどうあるのか、これは非常に重要なことだと思います。これらについての意見はご自由にいただきたいと思います。

 それから、もう一つ、家委員のほうから評価疲れについて懸念するご発言がありました。実は私は大学の評価機構におるものですから、責任を感じております。実は私も名古屋大学の総長をやっていたころは評価を受けるのに大変であったのですが、実は私は今、その逆で、皆さんに強制をしているわけではありませんが、法律上、評価をするということになっております。特に科学技術・学術にかかわるところから言いますと、評価に関する委員会がまた別にあるんですよね。そこで評価の在り方、提言もすでにされております。前々期だったですか、中間的な提言が出ています。疲れが出ないように、あるいは目標とした研究テーマでありながら、サイドで派生して出てきた結果をいかに大切に見なければいけないかということを含めたまとめがあります。そういう意味で、科研費も含めてですが、科学技術に関しての効果は出てきたと信じておるんですが、大型プロジェクトも含めたところへの予算がどのように配分され、国民に理解されながら推進をするにはどういうふうな課題があるか議論できるためにも、次回まででもいいんですが、ほかの関連委員会の基本的な報告や提言部分を出していただけませんか。ご存じのように分科会の中でも別な委員会が動いているんですね。そこをぜひ共有できるところは概論で結構ですから共有しながら、私どもの委員会での役割を果たしていきたい。まず、システムとしてどうするかというのは、大きな問題であって、研究のスタイルについては反省すべきところを検討して、また、今の時期において、次を見てどうゆう課題があるかぜひここで議論をしていきたいと思います。

 先ほども指摘ありましたが、国際的趨勢を踏まえた発展、ということが出されておりますが、あまりこう言うと怒られるんですが、もう国際的に見なきゃいけないところは当然、見て闘っているわけで、あまりどこどこがやっているから、日本も追いつけ追い越せ、という時ではないと私は思っております。これを否定するわけじゃありませんが。そのあたりに強くとらわれすぎずに、きちんと日本の中で伸ばすべきところ、あるいは日本でどういうことが必要であるかということを英知を集めて、ここで提言ができれば良くて。細かい分野の視点まではこの委員会で長く時間をかけて議論しなくてもいいと思います。

 それから、有川委員等々からも発言がありましたが、現に今、起こっている大震災に対して、言ってみると減災対応も含めて、歴史学上のことを踏まえて、研究することが必要であるとも考えます。これらについてはあまりなかったかもしれません。それから、さらに情報発信のあり方、あるいは人間行動を含めて、やはり私どもが見ていかなければいけないいろいろな問題があると思います。これぞまさに適任のいい方々が集まれば、前から言われて、うまく動かなかった文理融合のいいスタイルができるのではないかと期待します。そう簡単ではありませんが。もしもモデル的にそういうようなテーマであるスタイルが提案できるならば、これはここから提案をしていってもいいんではないかというふうに思っております。ただ、そもそもあるべき私どもの学術研究のあり方に基づいて議論は今後進めていきたいと思っております。

 谷口委員が言われたように、この委員会は大変広いところを持っていますし、ほかの委員会とも関連しますが、私たちは今、意見をいただいたところを少し整理して、この委員会から提言をするということになっております。ただし課題等にかかわることになりますと、次の予算提案が必要ですから、後で事務局から説明いただけると思うんですが、毎月1回ぐらいは委員会を開催していかねばなりません。今日、皆さま方が発言されたことを踏まえて、思うところを事務局に寄せていただきながら、それを次のときにまた取りまとめて議論していかないと時間がありません。7月ぐらいを目途に、ある形ができればと思いますので、ぜひ事務局のほうにもご意見を寄せてもらいながら、この会議を進めていきたいなと思っておりますが、よろしいでしょうか。大変広い分野に関係しますので、大くくりの部分と、それから特にこういうテーマをこういうシステム、スタイルでやったらどうだという提言があったら、それも同時に伺えたらなと思っております。

 私は今、皆さんのご意見を伺って、そのように思いますが、局長、何かご意見等ありますでしょうか。

【倉持研究振興局長】

 発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 ほんとうに私どもは学術をご支援しようという仕事をしているわけでございまして、前期の分科会のご議論で、やはり戦略的な視点を持って学術研究の振興を図ることが大事だというご指摘があります。多分、その背景には、先ほど来ございますように、今まで学術と言うと、専門家の方がこれが大事だということをまさに自律的にやってこられて、それを我々はサポートしていましたけれども、やはり今、社会に対して、学術というものがどうなのか、少し客観的に語りかけなければいけない時代なんじゃないかと。私個人の意見ですけれども、そういうふうに思っておりまして、そこは多分、前期のご議論で深まったのかなというふうに認識をしておりました。

 ですから、先ほど国際的な比較のご議論もありましたけれども、やはり日本の学術というものを少し客観的に今、どういう状況なのかというのを俯瞰的に物を言った上で、普通のコミュニティであれば、別の人が評価をしたりするわけですが、学術というのは、まさにご自身の中でお考えいただいて、その次を見出してそれで歩まれるという世界でありますから、大変難しい課題であることは間違いないと思うわけでございますけれども、まさにそういったところで、社会の中の日本の学術というのをどういうふうに見てほしいのか、あるいは説明したいのか、やっぱりそういうところを意識して、対局の部分では間違いなくそういう部分でよりクリアなメッセージを出すことが求められているんだろうなと思っております。

 先ほど評価とか競争といったキーワードがございました。ただ、これも、今まではやはりみずからの努力として質を高めようとするために競争原理というのは有効だと、だから、競争的資金をやろうじゃないかということで来ているわけですから、そうであるならば、よりみずからの質を高めるために、いわゆる競争原理だけではなくて、どういうことで高めるための努力をしている、あるいはそれを世の中に理解してもらおうということを発信するかとか、そういった非常に深い部分があるんだなということを思っております。

 いずれにしましても、先ほど主査がおっしゃいました、そういう基本のところと、もう少し具体的に何か提言ができるところがあればということ、確かにそういう二重構造かと思いますので、ぜひ今日はキックオフでございますけれども、私どもでほかの委員会の検討状況をご披露するのは、まさに当然だと思います。どちらかというと、どんどん細分化されて、全体がわからない議論というのは、やはり避けなければいけないと思いますので、そういうことで、私どもも一生懸命、汗をかかせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

【平野主査】

 ありがとうございました。突然振りまして、申しわけありませんでした。

 はい、どうぞ。

【谷口主査代理】

 ちょっと文科省の方々にお伺いしたいんですが、資料9番でいただいております今後の一つの参考にといいますか、重要な要素かなと思いますのでお伺いいたしますが、研究計画・評価分科会と当学術分科会との連携といいますか、意見交換といいますか、以前からいろいろな方からそういうお話が出ておりますが、お互いにうまく連携して、文部科学省として統一した政策といいますか、私が申し上げるのは僣越ですけれども、そういう方向に進むということは、基本的には望ましいことではないかというふうに愚考いたしますけれども、ここの会に来ていただくのは適切かどうかはともかく、そういう連携体制みたいなものがあるといいなと思いますが、いかがでしょうか。

【倉持研究振興局長】

 いいテーマでどうするかというのはまたあると思いますけれども、あちらの分科会の事務局にもお伝えしまして、ご相談しながらやれたらいいなと思っております。

【平野主査】

 はい、ありがとうございます。

 今の谷口委員のご質問について、私がわかる範囲で言いますと、研・評分科会において、国のプログラムのまさに評価がどういうふうに次に反映するかという点については、あの時の委員会の議論では、今までの評価の結果が十分反映されていないんじゃないか、それでまた新たなプログラムが出てきているんではないかという意見もあったりして、やはり評価をしながら、次に伸ばすべきところは伸ばし、それから先ほど言ったように、目標とは違う結果、想定したところと違う方向にいっても、それが次の芽を出すんであればきちんと評価をしましょうということも含めて議論はされておりました。ここにおいても、もしもプログラムの設定があるとしたら、そういうことも踏まえてやるほうが、より効果的な設定の方向になるのかなと思っておりまして発言させていただきました。やっぱり相互に知っておいたほうがいいと思いますので、谷口委員のお話がありましたように、ほかの委員会で関連するものがあったら、ぜひ情報を資料とともにつけ加えていただければと思います。よろしいでしょうか。

 まだご発言足りないかもしれませんが、今日は4時までということでございます。今日は初めの会で、まずご自由にご発言いただきたいということで、基本的な考え方について大変貴重な意見をいただきましたことに感謝申し上げます。

 あと、先ほど私がちょっとお願いいたしましたように、さらなるご意見、あるいは研究の目標、あるいは手法について、お考えがあったら、大変お忙しいところ恐縮でございますが、事務局のほうにお出しいただいて、その意見を踏まえて、次回に臨みたいと思っております。よろしくお願い申し上げます。

 では、今後のスケジュールについて、事務局からよろしくお願いします。

【田中学術企画室長】

 それでは、失礼いたします。次回以降の日程は資料10で配付をさせていただいております。

 次回の学術の基本問題に関する特別委員会は、5月24日火曜日、3時半から5時半に三田共用会議所にて開催することを予定しております。

 また、先ほど平野主査よりもお話がございましたが、本日、科学官の方々から所見をいただいたところでございますが、事務局から委員の先生方にも所見の依頼と照会をさせていただきたいと思っております。その連絡を速やかにさせていただきます。その際に、平野主査からもお話ございました所見のみならず、全体的な進め方、あるいは検討事項などにつきましてもご意見がございましたら、事務局に寄せていただければありがたいと考えているところでございます。

 なお、本日の資料につきましては、お手元にもございます封筒にお名前をご記入の上、机上に置いていただければ郵送させていただきますので、よろしくお願いいたします。

【平野主査】

 本日、第1回目の会議に大変貴重なご意見をいただきましてありがとうございました。次回からもよろしくお願い申し上げます。

 では、これで終わります。

── 了 ──

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研究振興局振興企画課学術企画室

(研究振興局振興企画課学術企画室)