マスタープランとロードマップの連携について

1.ロードマップ策定の意義と効果

(1)ロードマップにより、周到な科学的評価に基づき戦略的・計画的な政策決定が可能。
(2)研究者コミュニティが将来目標を主体的に検討する契機となり、コミュニティを活性化させるとともに、異なる研究者コミュニティ同士の相互作用を通じ、分野横断的な取組を促進。
(3)社会や国民の支持を獲得しつつプロジェクトを推進することが可能。
(4)国際的な競争や協力に迅速かつ適切に対応することが可能。
(5)ロードマップ策定時の評価が、当該計画の予算化に重要な役割を果たしている。
(6)他省庁・政府機関においても、各分野の動向や具体的要請を把握することが可能。
(7)予めロードマップとして整理されることにより、補正予算等により支援スキームができたときに、研究者コミュニティとして迅速に活用できる。 

2.ロードマップをめぐる現在の課題 

 ○ 立案・実行・評価・改善のサイクルを透明かつ効果的に機能させることを狙って策定されているが、立案の基盤となるマスタープランに対してフィードバックするシステムがなく、PDCAサイクルが完全には機能していない。(←(1))
  ○ 研究者コミュニティごとに細分化され、必ずしも分野横断的な取組が提案されていない。(←(2))
  ○ 限られた財源をもとに研究を推進する以上、社会や国民に対し、ロードマップや大型プロジェクトの重要性について一層の理解を得る必要。(←(3))
  ○ ロードマップ(及びマスタープラン)の英文版が存在せず、海外発信に課題。(←(4))
  ○ 政府全体の極めて厳しい財政状況の影響を受け、ロードマップを踏まえた大型プロジェクトの予算化が年々困難に。(←(5)) 

3.日本学術会議との連携を通じた改善が考えられる項目

 例えば、以下のような点について、日本学術会議との連携を通じて改善を図ることができないか。

 ○ ロードマップの審査プロセスにおいて把握された諸課題について、適宜マスタープランの策定に反映できるようにするなど、日本学術会議との意見交換・連携体制を強化すべきではないか。
 ○ 日本学術会議と文部科学省が連携して、マスタープラン・ロードマップを、様々な形で今以上に社会・国民に周知していくべきではないか。

  ○ マスタープラン2014では、策定時の分野別の審査により、研究者コミュニティに対して分野の連携や相互作用を促す力が弱くなっていることから、これを改善するべきではないか。
 ○ 分野の特性に応じ、大型施設計画及び大規模研究計画の定義をより具体的に整理してはどうか。

  ○ ロードマップの位置づけや活用についての検討状況について、日本学術会議に積極的に情報提供してはどうか。

  ○その他
 ・ マスタープラン・ロードマップセットで英文版を策定してはどうか。
 ・ 予算との連動をより強化するため、政府の予算編成時期を見据えた策定スケジュールとすべきではないか。 

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-- 登録:平成27年10月 --