研究環境基盤部会 学術研究の大型プロジェクトに関する作業部会(第88回) 議事録

1.日時

令和2年1月16日(木曜日)10時30分~12時00分

2.場所

文部科学省3F2特別会議室

3.議題

  1. 次期ロードマップの策定について
  2. 令和2年度予算案の状況について
  3. その他

4.出席者

委員

小林主査、松岡委員、岡部委員、城石委員、東嶋委員、中野委員、八田委員、樋口委員、松岡委員、山本委員、吉田委員

文部科学省

村田研究振興局長、西井学術機関課長、降籏学術機関課学術研究調整官、小林学術機関課課長補佐、吉居学術機関課課長補佐、二瓶学術機関課連携推進専門官

5.議事録

【小林主査】 それでは,時間になりましたので,ただいまから第88回科学技術・学術審議会学術分科会研究環境基盤部会学術研究の大型プロジェクトに関する作業部会を開催いたします。
まず,事務局から,委員の出欠及び配付資料の確認をお願いします。
【小林学術機関課課長補佐】 委員の出欠ですが,本日は,鈴木委員,竹山委員,田村委員,原田委員が御欠席となっております。
また,配付資料及び机上資料ですが,本日はペーパーレス会議にて実施しております。配付資料用と机上資料につきましては,1つのタブレットに格納されております。タブレットの使用方法等,不明点があれば事務局までお問い合わせいただければと思います。
【小林主査】 ありがとうございました。
本日は,引き続き,次期ロードマップ策定に向けた議論を行いたいと思います。前回,ロードマップ2020の策定方針案を議論いたしましたが,意見募集の結果を踏まえて,大きな修正はありませんでしたが,形式的な修正を行っております。基本的には主査一任を頂いておりますので,資料1-1を確定版としておりますが,意見募集の結果と併せて,まず,事務局の方から説明をお願いいたします。
【小林学術機関課課長補佐】 それでは,資料1-1及び資料1-2に基づきまして,御説明をさせていただきます。
まず,資料1-1は策定方針そのものになっておりまして,資料1-2でパブリックコメントを実施いたしましたので,どのような意見の結果が返ってきたのかを御報告させていただきたいと思います。資料1-2をごらんください。
パブリックコメントですが,令和元年12月12日から12月25日までのおよそ2週間を実施いたしまして,意見の総数といたしましては,9件頂きました。具体的に,事務局の方でまとめました主な意見を,(3)で示しております。
大きな意見の1点目といたしましては,ロードマップ2020の評価の観点で新しく設定いただきました,計画の学術的意義について,意見がございました。
1つ目ですが,計画の学術的意義を評価の項目に立てることには異議はないが,新しく立てた挑戦性,総合性,融合性,国際性の記載については再検討すべきではないかという意見でございます。この理由ですが,大型プロジェクトの推進に関するロードマップですが,これは研究者コミュニティーが実施主体となって企画立案,実施を進めているものであろう。他方で,こういった4つの観点については,科研費で掲げられておりますような研究者個人に着目した項目が掲げられているので,不適切ではないかといった御意見でした。
その下のもう一つの黒ポツですが,同じような,ここの観点に関しまして,今回追加された4つのポイント,挑戦性,総合性,融合性,国際性を上げたのは,どういった背景,理由からなのか,分かりやすい説明をお願いいたしますといった意見でございました。
こちらは前回,12月の方で事務局から,なぜこの4点を選ぶに至ったのか御説明させていただきましたが,具体的には,平成27年1月27日の科学技術・学術審議会の分科会においてまとめられました学術研究の総合的な推進方策の最終報告を基に,定めているところでございます。この報告書の中においては,今後の学術政策に対して現代的に求められる要請として,こういった大きな4つの観点が必要ではないかといった報告がなされておりました。これらを踏まえまして現在,第6期基本計画に向けた別の委員会においても,これらを引き続き検討するとしておりますので,そういった背景から,事務局としては採用した次第でございます。
もう一つの観点といたしまして,ロードマップとマスタープランの関係性について,意見を頂きました。
ロードマップの策定について,マスタープランの個別計画の内容とは中立的に本作業部会の独自の方針に基づき作業を進めるため,公表に先立ちましては,次期ロードマップの策定に当たっての基本方針を策定するものであると書いているんですが,マスタープランの作成内容について,次のページですが,本作業部会は一切の接触はないのか,また,特定の計画を通しやすいように,あるいは逆に通りにくいように作為的に基本方針を定めていないことを明言できるのか,また,事務局のメンバーや部会のメンバーは歴然と分かれているのか,ダブっている人物は皆無なのか,明確にお示しくださいといった御意見を頂いております。
まず,事実関係といたしまして,事務局のメンバーや部会のメンバーは歴然と分かれているのかについては,事務局の方でも確認をさせていただきました。具体的には,マスタープラン2020の策定に関する学術会議の中での分科会は,大きく分けて3つございます。研究計画・研究資金検討分科会及びその親委員会である科学者委員会並びに各計画の実際の審査を行う大型研究計画評価小分科会,これが22分野に分かれているんですが,これらの委員の名簿は既に公表されております。それらと我々のこの委員会を確認いたしましたところ,重複している先生はいないことを確認しております。また同様に,学術会議の事務局側にもその旨を確認しております。
もう1点の,本作業部会は一切の接触はないのかということに関しては,こちらは公でやっておりますが,一度,学術会議側の藤井先生に来てもらって,マスタープランの検討状況を報告していただいております。ただ,それはあくまで現在の検討状況を聞いただけであって,ここに書いてあるような特定の計画についての言及といったものは全くございませんでしたことを報告させていただきます。
最後,その他の意見といたしまして,体裁に関する意見を,大きく4点ほど頂いております。こちらは説明を割愛させていただきます。
以上のようなパブリックコメントを頂きまして,最後は主査と御相談いたしまして,最終的には,資料1-1にあるようなロードマップ策定方針をまとめさせていただきましたので,その旨報告させていただきます。
事務局からは以上でございます。
【小林主査】 ありがとうございます。
3つ,有効意見というのが出てまいりました。1番目は,一般論としてはもちろん理解できるものですが,ロードマップ2020については,従来どおりの項目,内容でやるべきであると思っております。
2番目の利益相反については,こちらの作業部会の委員とマスタープランを作る学術会議の分科会及び小分科会の委員は,全て確認をしましたが,重複は一人もいないということになります。それ以外の非公式なことはないと思います。情報は一切,どれが重点かは,いまだに私も知りませんし,多分,ほかの作業部会の委員の方も知らないし,向こうも特に何かアプローチしてくることもない。全く没交渉のままで進んでいるということです。
3番目は,体裁上の話ですから,適切に反映をして資料1-1としたところであります。
この後,議論をしていただきますが,ロードマップ2020は,この策定方針に基づいて今後,審議を進めていくことになります。昨年10月に藤井先生においでいただきましたけれども,学術会議はマスタープラン2020審議中で,今月末の幹事会で提言として公表されるという見込みになります。
マスタープラン2020が公表され次第,本作業部会でロードマップ2020の審査を始めることになりますが,年度末に差し掛かって御多忙と思いますが,委員の皆様,マスタープラン提案者の皆様には,この点を御留意いただければと思います。
それでは,事務局から,ロードマップ2020の今後の審査予定と審査の進め方について,続けて御説明を頂ければと思います。
【小林学術機関課課長補佐】 それでは,資料2及び資料3をまとめて,事務局より御説明をさせていただきます。
まず,資料2は,この後,ロードマップ2020の審査予定について,日程は予定のため変更の可能性はありますが,現在,事務局の方で考えているスケジュールを説明させていただきます。
上からですが,本日16日の作業部会で,この後,御説明をいたしますが,ロードマップの実施要領などの決定を頂きたいと考えております。その後,1月下旬頃に,マスタープラン2020が日本学術会議側で策定されて,公表されると伺っております。
その後,それが出て以降,2月初旬をめどに,本作業部会の書面審査に必要な書類の提出依頼を,こちらは事務局から提案者に依頼をしたいと思っております。そこで3週間程度を掛けまして,書面を提案者の方で作業いただきまして,2月下旬をめどに,書面審査書類の提出期限としたいと考えております。
その後,3月初旬頃に,事務局より各委員の先生方に対して,書面審査の書類を送付したいと考えております。そこで3週間程度,審査いただきまして,3月下旬頃を目途に,書面審査の結果を事務局の方で回収したいと考えております。
その後,3月下旬若しくは4月上旬頃に本作業部会を開催いたしまして,合議審査を実施いたしたいと思います。その結果,ヒアリング対象の決定を頂きたいと考えております。ヒアリング対象が決定した後,速やかにヒアリングの実施通知を各提案者に送付したいと考えておりまして,その後,2週間ないし3週間程度後の4月24日から26日,こちらは土曜日,日曜日と重なってしまいますが,本作業部会においてヒアリングを実施いただきたいと考えております。具体的な日時は未定ですが,この3日間,全て終日の実施を予定しております。
ヒアリングが終了以降,5月以降になろうかと思いますが,ロードマップ2020(案)に向けた取りまとめ及び意見募集(パブリックコメント)を実施いたしまして,ロードマップ2020の策定・公表といったスケジュールになろうかと考えております。
こちらが今後のスケジュールでございます。
続きまして,資料3に基づきまして,ロードマップ2020の策定に係る書面の実施要領を御説明したいと考えております。資料3をごらんください。
まず,冒頭の5行ですが,学術研究の大型プロジェクトの推進に関する基本構想ロードマップの策定については,先ほど御説明いたしましたが,昨年12月の作業部会において取りまとめていただいたところでございます。なお,この後,御説明させていただきます本実施要領は,この策定方針に基づきまして具体的な手続等を定めるものでございます。
具体的な内容ですが,1つ目のポツ,審査対象についてでございます。こちらは策定方針2-2に関連する記述になっております。
1つ目の段落ですが,策定方針におきましては,審査の対象については,日本学術会議が策定するマスタープラン2020の重点大型研究計画に選定された計画を基本としております。他方で,重点大型研究計画以外であっても,重点大型研究計画ヒアリングの対象となった計画のうち,特段にすぐれた計画があれば対象とすることとしてございます。
他方,日本学術会議でございますが,こちらでは,マスタープラン2017で選定された計画及びマスタープラン2014とマスタープラン2017に連続して計画された計画のうち,目的など大きな変更がなく,一定の要件を満たしたものにつきましては,学術会議の方で,ヒアリングを経ずにマスタープラン2020の重点大型研究計画として掲載することとされております。このため,既にロードマップ2017に掲載された計画や,その逆に,ロードマップ2017の審査で選定されなかった計画であっても,学術会議の方では,ヒアリングを経ずにマスタープラン2020の重点大型研究計画として選定される可能性がございます。本作業要領といたしましては,これらの計画については,ロードマップ2017審査時からの発展の状況を特に留意しつつ,審査の対象とすることとしてはどうかと記載をしております。
続きまして,2つ目のポツの審査の進め方についてでございます。こちらは策定方針2-3に関連するものでございます。
まず,基本的な事項といたしまして,審査は,本作業部会委員による書面審査及びヒアリング審査の2段階で実施いただきます。
審査の基準といたしましては,「ロードマップの評価の観点」に記載されておりますが,大きく分けて,8つの項目がございます。それぞれにつきまして,対応する「具体的視点」を適用して行うこととしております。
次のページでございます。
(2)書面審査ですが,書面審査は,各委員が以下の書類を基に行っていただきたいと考えております。具体的には,ロードマップ2020の審査様式,「書面審査フォーマット」と我々は呼んでおります。そのほか参考資料といたしまして,マスタープラン2020の提案の際に出された書類,また,ヒアリングの際に使用した書類となってございます。
具体的に,各委員におきましては書面審査をどのように実施いただくかといったものを,丸1以降で記載をしております。
丸1ですが,委員におかれましては,丸1から丸8の観点ごとに,A,B,Cの3段階の評点を付していただきたいと考えております。これらの結果を踏まえまして,総合評価として,Aであればヒアリング対象とします。Bであればヒアリング対象とはしないの2段階の評定を付すことになっております。
丸2ですが,このうちマスタープラン2020の重点大型研究計画の総合評価については,丸1から丸8の基準に照らし,すぐれた計画と認められるかについて評価するものとします。
丸3,重点大型研究計画以外の総合評価については,丸1から丸8の基準に照らしまして,特段にすぐれた計画と認められるかについて評価するものとしてございます。
続きまして,合議による審査結果の決定でございます。
丸4といたしましては,マスタープラン2020の重点大型研究計画については,総合評価をA,つまりヒアリング対象とすると評価いただいた委員の割合が高く,かつ,丸1から丸8の観点別の評価でC,不十分な点があると評価した委員がいないものをヒアリングの対象計画として選定するものとしております。
丸5ですが,それ以外の,ヒアリング対象ではあるものの重点大型研究計画に載らなかった計画については,総合評価をA,ヒアリングの対象とするとした委員の割合が50%以上,かつ,他の計画と比べて顕著に割合が高く,また,先ほどと同じですが,観点別の評価でCと評価した委員がいないもの,この3点についてクリアしたものがヒアリング対象計画として選定されるものとなります。
最後,ヒアリング対象に選定する計画数といたしましては,30計画以内を目安といただきたいと考えております。
以上が,書面審査の決定についてです。
続きまして,(3)ヒアリング審査でございます。ヒアリング審査は,別添2の「ヒアリング審査の進め方」により行うこととしております。こちらについては,後ほど御説明をさせていただきます。
具体的な評価でございます。評価区分1になりますが,各委員は,丸1から丸5の観点ごとに3段階の評点を付していただきたいと考えております。事務局の方で,全ての委員の観点ごとの評点を集計いたしまして,最下位の評点の数の割合が少ないものから,「a,b,c」,次のページですが,の3段階の評価結果を決定いたします。
続いて,評価区分2といたしましては,残りの丸6から丸8の観点ごとにも3段階の評点を付していただきます。これらも同様に評点を集計いたしまして,全ての評点の数に対する段階ごとの評点の数の割合を基に点数化し,こちらは数値の高いものから,「a,b,c」の3段階の評価結果を決定することとなります。
これら評価区分1,評価区分2を総合的に踏まえまして,最終的なロードマップに何を掲載するのかを合議で御判断いただきたいと考えております。
続きまして,(4)その他といたしまして,利害関係者の排除及び機密保持について,御説明をさせていただきたいと考えております。
まず,利害関係者の排除ですが,委員のうち,ロードマップ選定の対象計画に利害関係を有する委員は,書面審査及びヒアリング審査には参加しないこととしております。具体的に,利害関係を有するとされる範囲につきましては,丸1から丸3で記載されているとおりでございます。
続きまして,2つ目のポツの機密保持のところで1つ目ですが,委員は,審議の過程で知ることのできた情報は外部に漏らしてはならないこと。また,丸2,委員は,委員として取得した情報(各種資料を含む)は,他の情報と区別いたしまして,善良な管理者の注意を持って管理しなければならないことを,機密保持として求めております。
3ポツ,開示・公開などについても,記載がされているとおりでございます。
4ポツ,その他,この要項に定めるもののほか,ロードマップ2020策定の審議に関して必要な事項は別途定めることとしております。
次のページ,こちらで最後になりますが,3ポツ,大規模学術フロンティア促進事業による支援についてでございます。こちらも策定方針2-4に一部の記載がありましたので,それに関連することとなっております。
ロードマップに掲載された計画につきましては,フロンティア促進事業による支援について一定の優先度を認めるものでございますが,今回の審査につきましては,これまでフロンティア事業で支援を受けていない計画に加えて,フロンティア事業の支援を現在受けておりますが,間もなく同事業の終期の到来が見込まれているものについても対象となる可能性がございます。このため,申請者におきましては,書面審査フォーマットにおいて,下記の3区分のいずれかを選択するものといたします。
具体的には,丸1,新規計画,丸2,後継計画,丸3,現行計画でございます。
審査におきましては,こうした申請者の意向を踏まえながら,下記に留意の上,申請内容が以下の区分で掲載することが適切であるかについて,審議を行っていただきたいと考えております。
具体的には,新規計画としてであれば,極めて高い学術目標が設定されており,中長期的な財政環境を踏まえ,現在支援を受けている事業とは別に新たに着手することが適当かどうかの観点。
後継計画であれば,同様に極めて高い学術目標が新たに設定されており,これまでの支援の成果を効率的・効果的に活用しつつ,さらに飛躍的な成果が確認できるかどうか。
丸3,現行計画といたしましては,極めて高い学術目標が新たに設定されておらず,フロンティア事業の対象として必ずしもふさわしいとは言えないが,学術研究の基盤となる設備・ネットワークなどについて安定的な支援の必要はないかどうか。
こういった観点について審議を行っていただきたいと考えております。
15ページ以降は,具体的に実施をお願いいたします書面審査の評価シートとヒアリングの評価シートになってございます。
事務局からの説明は以上でございます。
【小林主査】 ありがとうございました。
次回作業部会は3月下旬又は4月上旬,書面審査以降ということになりますので,本日が,その前では最後ということになります。どなたからでも御意見を頂きたいと思いますが,まず,1番の審査対象について,前回の作業部会からいらっしゃった方はお分かりだと思いますが,今期から入られた方も多いと思いますので,これは若干複雑なたてつけになっております。
事情は,マスタープランは有効期間3年ということになります。ただ,実質的には6年にしているわけですね。つまり,マスタープラン2017に選ばれたもので,作り直して,もう一回出し直したものは,ヒアリング対象になるものもあれば,なっていないものもありますが,そのまま出し直していないものは自動的に,ヒアリング対象を経ずに重点に載っているという形になります。
この中には,ロードマップ2017で議論をして,適当ではないと落としたものもあれば,適当として載っているものもあります。これを今回の作業部会の2020の審査対象とするかしないかということは,明確にしておいた方がいいと思います。
もう一回整理しますと,つまり向こうから,学術会議から来るものは4種類があります。1つが,重点大型研究計画のヒアリング対象となったけれども,重点計画とはならなかったもの,これは審査対象とするということになっています。これはロードマップ2017でも審査対象としました。その中には,やはりすぐれているものもありました。HL-LHCはそういうことで予算化されて,フロンティアとして走っています。
ここは簡単なのですが,その次なのです。重点に選ばれたものの中に3種類があるということです。2番目の区分としては,ヒアリング対象となって重点に載ったもの,これは審査対象とします。これは全く問題はないと思います。これはむしろ重要なところであります。
問題は,ここからが厄介な話なのですが,ヒアリング対象にならなくて重点に載っているものがあります。これは,マスタープラン2017に載っていたもので,計画を大幅に変更していない,つまり出し直していなければ,そのまま載っている。これは,マスタープランの考えが,3年ごとに作るということですが,実質的には6年の有効期間を与えているという手続なのでしょうが,これは今回からですね。従来は,予算化されたものは区分Ⅱになっていますが,今回からそういう形で,ヒアリングを経ずに重点に載せるというものが出てきています。
この中に2種類あります。3番として,既にロードマップ2017に選定しているものが入っています。ロードマップの方は3年ではなくて,従来,原則6年という考えでやってきました。ロードマップ2020の有効期間をどうするかというのは,きょう決めればいいことですが,取りあえず従来はやってきました。そうすると今,ロードマップ2017に既に載っています。これを今回,ヒアリングを経ずに重点に,そのまま向こうは載せていますので,これを審査対象とするか,しないかです。
もう一つ,今度は逆に,4番目として,前回,ロードマップ2017で選定しなかったものがあります。適当ではないと。しかし,マスタープラン2017の重点に載っているので,ヒアリングを経ずに,マスタープラン2020の重点に載ったものがやってきます。これを審査対象とするか,しないかです。
1番と2番は問題ないと思うのですが,それから,区分Ⅱというのは,これはもう予算化されたものですから,重点には全く載っていないし,ヒアリング対象にもなっていないので,これは審査対象にはならない。問題は,3番と4番が厄介なところです。
3番については,ロードマップ2017には掲載されている。計画は大幅な変更していなくて,向こうは継続として重点に載せてきている。審査対象とするのであれば,その理由としては,3年間,時間がたっているので,3年前はよかったけど,今回は,改めて見てどうなのかを確認するというのはあるかもしれません。
4番をどうするかです。3年前に,これはロードマップには適切ではないと言って落としたものであります。これがヒアリングを経ずに,継続という形で重点に載ってきています。これを審査するかどうかです。この辺について皆さんの御意見を頂ければと思います。今は資料3の1ポツの審査対象についてというところです。
話が若干厄介になったのは,今回からマスタープランの内容が変わったということです。従来は区分Ⅰと区分Ⅱだけでした。しかし、今回は区分Ⅰの中に,ヒアリングを経ずに重点に載せるというものが出てきている。だから,区分ⅠのAとBみたいなものが今回からできました。従来はなかったと思います。その区分ⅠのBをどうするかです。ヒアリングを経ずに重点に載ってくるものをどう扱うのかということです。
どなたからでも,いかがでしょうか。
【中野委員】 2つ質問がありまして,まずは実施要領,あるいはこれまでに出てきた書類で,2020の重点に選ばれた場合はこちらの対象となるということを明言されているかどうかということが1つ,もう一つは,3と4のカテゴリーに入る課題の数がどれぐらいあるのか,その2つが知りたいです。
【小林主査】 1番目の御質問については,ロードマップの公募はこれからです。
【中野委員】 なるほど。だから,ここで決めて。
【小林主査】 そうですね。だから,きょう決めるので。
【中野委員】 きょう決めればいい。分かりました。
【小林主査】 それから,最終的なこちら側のヒアリングというのは,3日間,しかも時間は延ばしますが,30件という。
【中野委員】 3と4のカテゴリーに入っている課題の数ですね。これは……。
【小林主査】 これは事務局の方,分かるでしょうか。
【小林学術機関課課長補佐】 この点については,正直言って,分からないと考えております。要は,丸3と丸4はヒアリングにも来ていない計画ですので,そういったもののうち,複雑なんですが,ヒアリングに来ずに,かつ,マスタープラン2017に載っていたもので,計画の変更がないと実施者が判断して,それを学術会議側でも判断したものになりますので,そういったものが何件あるのかというのは,分からないところです。
【中野委員】 マックスの数は分かりますよね。2017の重点に一応選ばれているわけです。
【小林学術機関課課長補佐】 もう一度,質問の趣旨を伺ってよろしいでしょうか。
【中野委員】 3と4のカテゴリーに入るプログラムの数なんですけど,もちろん,いろいろな判断が入るので,数は正確には分からないと思うんですけど,重点に選ばれていて,ロードマップに載っていない計画なので,マックスというか,最大数は分かるんじゃないかと思うんですけど。
【小林学術機関課課長補佐】 少しお調べして,また御回答させていただきます。
【小林主査】 34番は,ヒアリングを経ずに重点に載って,マスタープラン2017に掲載されているものというのは,そもそもマスタープラン2017が7件ですから,そのうち,ハイパーがありますから,ハイパーも予算化されているわけですから,1を引くと,マックス6ということになります。
それから,43の方は,逆にこちら側,ロードマップ2017,これは分からないですね。ロードマップ2017でヒアリング対象にしなかったものすらも入っていますから,ヒアリングをして落としたものの数は分かりますが,それはヒアリングした数マイナス,ロードマップ2017の7件を引けば分かりますけど,こちら側の書面審査でヒアリング対象にしなかったものも丸3には入ってきますから,これは,数は分からないです。
丸4をもう一回,見直すということになりますと,ロードマップの有効期間は6年という,これを短くするという議論はまだしていないのですが,仮にしたとしても,規則が過去に遡及することは法学上はないので,過去には遡及しませんので,あり得るとしたら,これは作業部会の権限ではなくて事務局の権限になりますが,ロードマップに掲載されたものをフロンティアの事前評価に持っていくという判断は,作業部会ではなくて事務局がやることになっています。事前評価は作業部会がやります。そのロードマップに掲載されたものをフロンティアの事前評価に持っていくものに有効期間を設けるのか,設けないのかということに多分,ひとえに掛かってくると思います。
その点,事務局はどうお考えでしょうか。
【小林学術機関課課長補佐】 御質問ありがとうございます。これまでロードマップ自体は,3年に1回の頻度で開催をしておりまして,少なくとも,大規模学術フロンティア促進事業の事前評価の対象となる期間については,それぞれのロードマップが策定されるたびにリセットされてきております。
【小林主査】 ロードマップは3年ごとに策定をしていますが,有効期間は,3年という理解ではなくて,原則6年という理解でやってきたと思います。というのは,3年では予算化ができないということだったのです。つまり,ロードマップで選ばれたからといって,すぐ予算化しましょうというわけにはなかなかいかなくて,毎年のフロンティアの予算が決まっていて,終わるものが出てこないと新しく入れないとか,あるいは,走っているけれども,建設のあらかたが済んで,予算に枠が出ないと新しく入れられないので,そこは6年になっていたと思います。だから,3年ごとには作っていますが,だからといって,一回リセットになっているわけではないと思います。
ただ,今回,ちょっと特殊事情があるとしたら,2023に終期を迎えるフロンティアが結構ありますので,比較的,フロンティアに持っていきやすいという状況があるとしたら,ロードマップの有効期間というのは若干,前期も議論しました,最後のところで。ただ,曖昧なまま終わりました。曖昧なまま終わったのは,では3年にすべきという意見もありました。ただ,本当に3年でフロンティアの予算化まで持っていけるのかというところで,はっきりしないまま,何となく時間切れで終わったというところがあったと思いますので,逆に,今ここで,3年か6年かを議論するのではなくて,むしろ,ロードマップ2020は,3年なら3年にするというのは議論できると思います。
【西井学術機関課長】 それで,私どもちょっと過去のことも含めて,検討してきたときに事務局におりましたので,在任中の間ですけれども,そういう議論をさせていただいて,6年にしようか,3年にしようかということをさせていただいて,あと,フロンティアの支援期間についても,6年にしようか,あるいは12年,あるいは今の形で10年,そこも実はまだ曖昧な状況になって,6年というのが,いずれにせよ,大学共同利用機関法人の中期目標期間とも一致しますので,ほどほど,プロジェクトマネジメントする上で適切な期間ではないかという議論もさせていただいたりして,ただ,いずれにしても,結論はまだ見ていないところで,今,話題になっておりますのは,その前段階になって,ロードマップの有効期間のところでありますけれども,そこのところも,今申し上げましたような形で,3年にするのか,3年を改訂として,策定は6年単位でやりましょうという話も御提案させていただいたりして,これも今回,ロードマップ2020を策定する際に,どういう取決めをするかということを,まだこちらでも御議論いただいた方がいいのではないかなということと,一方で,ロードマップ2017の,今,手元にあるんですけれども,結局,文書の中では,いずれも6年というようなお約束は,その当時,作ったときには明文上はしていないんですね。
なので,そこをこの時点で過去にさかのぼらせて,今あるもの,今ここで掲載されているものを,ある程度のものについては既に着手されてきておりますので,この部分については問題ないとしても,更に3年間,有効期間を延ばすようなことをする際には,それも含めて御議論いただかないと,明文上は6年で,この時点で取り決めたという形では,ちょっと読み取れないなというのが,我々としては。
基本的に,現実的な考え方からすると,明文上,6年を明文化していない以上は,3年ごとに改訂といいましょうか,策定をしてございますので,現実的には3年単位でロードマップというものを見直して,より質を高めていくということではないかなと我々は考えています。
【小林主査】 前期から作業部会にいるのが多分,私と松岡委員と田村委員と西井課長だけのような気もしますが,更にさかのぼると,ロードマップ2017ではなくて,ロードマップ2011ですから……。
【西井学術機関課長】 14ですね。
【小林主査】 いや,その前にもありました……。
【西井学術機関課長】 10,11,14ですから。
【小林主査】 11からありますよね。そのときから6年という,明文化しているかどうか知りませんが,何で6という数字が出てきたかというと,中期目標計画が6だからというので,3とは書いていないと思うのです。だから,前期で,3年にするかという議論をしたというのは,3と明確になっていないので,3にするかどうかを議論したまま,結論を出さずに終わっていたということになります。
だから,これをもって3ということを,ロードマップ2020が3というのは議論できますけど,2017も実は3でしたということを言えるかどうかですね。言うとかなり反発は出てくる可能性もあると思いますけれども,ロードマップ2017に採択された人たちが,そう理解していれば問題はないですけど。
【西井学術機関課長】 逆に申し上げますと,6年とお示しをして出したこともないので,そこは3年ごとに,現実的には改訂というか,策定されてきて,新しくロードマップを作る都度,新しい計画が,既にマスタープランなど,あるいはロードマップなどで評価をされてきたものも含めて,その都度,一番優先度が高いものとして選んでいるという言い方もあり得るのではないかなと。
そのあたりは確かに,ロードマップのたてつけが十分に法規的に明文化されてきたわけではなくて,おおよそ,そういった形での作業部会での合意に基づいて,我々事務局としては,予算化に向けて,最新のロードマップを前提にして,それをより多く実現できるように取り組んできているものでございますので,その意味では,今後,新しい計画と今までやってきている計画とのいろいろな出し入れが出てくる可能性も出てきますので,今回,策定いただくものについて,どのあたりまで有効期限を維持していくかどうかについても取り決めていただくことは,必要性がより高まってきているかなという認識でございます。
その部分,過去のものについては若干,先生がおっしゃるような意味で,十分明文化された形での決めというのがまだできていなかったという側面はあると思います。
【小林主査】 ロードマップ2017に掲載されたものは,当然,HL-LHC以外はマスタープラン2017の重点ですから,今回,ヒアリングを経ずに自動的に重点に入ってきています。これも審査対象とすると,実は,選ばれる可能性は高いと思います。前回選んで,3年間で事情が変わったものもあるかもしれませんが,そうすると,ロードマップ2017とロードマップ2020が似通ってきて,余り新規性がないように受け止められるという懸念はないでしょうか。
3年前は選んだけど今回は落とすというのは,当然,中には出てくるかもしれませんが,正直言って,7件にかなり絞っていますから,相当にすぐれたものが選ばれていると,少なくとも前回の作業部会は自負していましたので,今回も選ばれるとなると,ほぼ似たようなものになってきますが,それもやむを得ないということでしょうか。
【西井学術機関課長】 ここは私どもから申し上げることでもないのかなと思うんですけど,ある意味,新奇性をてらうのがロードマップの役割ではなく,その都度,こちらにいらっしゃる方々の専門的な見識に基づいて,最新の学術的に優先度の高い計画を明示していただく,世の中に発信していただくというのが主たる役割だと思いますので,そういう意味で,それがたまたま重なったり,類似したものが増えてきたとしても,我々事務局としては,それを受け止めるほかないのかなと。
【小林主査】 別区分ではまずいでしょうか。
【西井学術機関課長】 別の区分で,今の例えば後継であるとか,現行とか,ほかのカテゴリーを作ってやることは……。
【小林主査】 それとはまた別の話になると思うのです。つまり,ロードマップ2017に掲載されたもので,既に実現しているものもあればしていないものもあるので,その中に,後継もあれば新規もあるので,新規,後継,現行という区分とロードマップ2017に掲載されているかいないかというのは多分,別の次元の区分の話になってくると思うのです。
だから,例えばロードマップ2017に掲載されているものも,改めて審査はするにしても,それは,2017に選ばれたものを,全くフラットな形でもう一回,一からやり直すということですか。
【西井学術機関課長】 今のお話で,既に支援を受けているというものですと,いわゆる区分2の話になると思いますので,その重点の,今回のロードマップの審査の対象にならないものを指しているようになるのかなと思うんです。
【小林主査】 ですから,新規,後継,現行という区分と,私が申し上げている,2017に掲載されているか,いないかという区分は,別の次元の話だという趣旨です。
2人だけで議論していてもあれですから,ほかの委員の方,いかがでしょうか。
【吉田委員】 ちょっとついていけていないところがあるんですが,今おっしゃっている,2017から継続してきて,ロードマップ2017に入っているものを,ヒアリング対象にしないということにすると……。
【小林主査】 ヒアリングではなくて,書面審査です。
【吉田委員】 書面審査の対象にしないとすると,それは,つまりスルーで通るという意味ですか。
【小林主査】 そうですね。だから,その別の区分ですね。
【吉田委員】 別の区分にしないと,大体何件ぐらいが最終的に残るというものがあるので,スルーで通ったものがあると,実効的には,新規に入るものが減るという勘定。
【小林主査】 逆に思っています。逆に,それをフラットに入れてしまうと,それがほとんど残るのではないかということです。それで新規のものが入ってこないということです。
【吉田委員】 スルーで入るとですね。
【小林主査】 逆です。
【吉田委員】 スルーじゃなくて,むしろ書面審査にするとそうだと。
【小林主査】 そうです。ですから,初めから,マスタープランの区分Ⅰ,Ⅱと別の意味で,区分Ⅰと区分Ⅱにして,ロードマップ2017に載っているものは区分Ⅱにする。
【吉田委員】 区分を分けるということで。
【小林主査】 そういうことですね。という考えもあるということです。そうでないと……。
【吉田委員】 そうでないと,新しいものがなかなか入りにくいということですね。
【小林主査】 入ってこないのではないか。ただ,新しいものを別に入れる必要がないということであれば,それでも構いません。それは皆さんのお考え次第です。
【中野委員】 今回,2017のロードマップに掲載されているけれども,学術会議にもう一度,新規で出し直したという計画はないんでしょうか。
【小林主査】 1件あったのではないかなと思います。
【小林学術機関課課長補佐】 補足いたしますと,まず,ロードマップ2017に載っている計画で,7計画ございます。具体的には,ゲノムの拠点,HL-LHC,ハイパーカミオカンデ計画,SPICA,LiteBIRD,アト秒レーザー,放射光の7件です。これはマスタープランにも当然,2017にも載っておりますが,この7件がそのまま,彼らの判断として,ヒアリングを経ずに重点に載っているのか,若しくは,7件のうちの何件かは,先ほど先生もおっしゃいましたけど,何件かは新規性のところがあると彼らがみなして,ヒアリングに来ているものもあると思います。
その内訳までは正直,分からないので,事務局としては,ロードマップ2017に載っている7件が全てヒアリングを経ずに重点に来ているかと言われると,それはないんじゃないかなと。なので,7件のうちの何件かはヒアリングを経てマスタープランに選ばれたのであれば,それはこちらで審査をすればいいと思うし,そうでなく,そのままマスタープランに載ったものについては,2017のときにも我々は採択しておりますが,そこから具体的に,この3年間でどういった発展の状況があったのかという点を留意しながら,最終的には全てをフラットに,平等に審査対象としてはどうかという考えでございます。
【中野委員】 今の財政的な厳しさというか,ロードマップに載ってもなかなか実施できないという状況がある中で,この機会に,新規性を足さずに,ヒアリングも避けて同じ計画で出すという計画に,どれぐらい重要度があるのかなと感じます。
だから,前回,重点に上げられていて,今回,前回重点でロードマップには載っていないという,4番目のカテゴリーですね。それで,新たにも出していなくて,ヒアリングも受けていなくて,学術会議の方では重点に載ったままというのは,今回,対象にする必要はないんじゃないかというのが意見です。
前回のロードマップ2017に載っていて,それは有効期限が何年かという議論はありますけれども,既に高く評価されていて,計画自体,何も変わっていないから,何も変えていないというものに関しては,それはどうするかということだけ決めればいいような気がします。
だから,2017のロードマップの価値ですけれども,2020が出てきたときに,それが同等と考えるのか,それとも,2020の方が上で,2017は少しプライオリティーが落ちると考えるのかというところは,どこの場所で決めるか分からないんですけど,決めていただければいいことで,今回それを決めれば,次回からはその流れになるんじゃないかなと考えます。
ちょっと厳しい言い方ですけれども,予算が通っていなくて,3年間たって何も進捗が見えなかったときに,何もしなかったというのは,それだけでかなりマイナスかなと思います。
【小林学術機関課課長補佐】 御意見ありがとうございます。少し悩ましいなと思うのが,提案者側の立場に立てば,何も変化がなくて変わらないものは自動的に重点に載りますよという前提の下で,彼らは動いたと思います。彼らの思いとしては,それで重点に載ったのであれば,重点計画を基本とするというのがここのスタンスですので,当然,ここでも何かしらの審査は受けられるのかなと考えているんだと思います。
その結果,いきなりこのタイミングで,ヒアリングも経ずに重点に載ったものは,ここの対象はなしですよというと,それは提案者の方からすればどう考えるのかなというのは,ちょっと思いとしてあります。
【中野委員】 それで最初の質問をしたわけで,何らかの文書,あるいは何らかの要領というものに,重点に残っていれば,ここで自動的に対象になるということが一度でも書かれている,あるいは議事録の中に残っている,そうとられても仕方がないという状況だと,それは小林さんがおっしゃるとおり,対象とせざるを得ないような気がするんですね。今,駄目だと言っても,それはだまされたということになるので。
もしそれがなければ,これは厳しい言い方ですけど,思い込みでリスクを冒したのは,それはミスに近いと思います,プロジェクトを進める上で。
【山本委員】 やはり3年前と今とで,状況が変わる可能性は非常に高いです。それは,もちろんプロジェクト側でも変わるということがあるけれども,審査側でも判断が変わる可能性があります。つまり3年前と今とで,世界的な情勢,学術の進捗,それから,急激に変動する学術動向に関して,適切にその場,その場で判断するのが僕は筋だと思います。
だから,できるだけ多くの課題を,審査する方は大変ですけれども,やってあげた方が,総合的に我が国の学術の進展に資するような気がします。一般論で,具体的な,過去の経緯とか取決めということではなくて,そう思います。だから,できるだけ広く拾ってあげるという,私は考えを持っています。
【小林学術機関課課長補佐】 先ほど中野先生から御意見を頂きました,ここの対象はどこで明文化されているのかについては,資料1-1の策定方針の中で言及をしております。具体的には,通し番号2ページ目になりまして,2-2の「マスタープランの取扱について」というところに載っております。
そのうちの1つ目のポツでございますが,マスタープラン2020の「重点大型研究計画」に掲載された計画のうち,書面審査の結果,ロードマップ独自の観点からすぐれた計画といったものがヒアリングの方に入ってくるよと記載しておりますので,素直に読めば,マスタープラン2020の重点に掲載された計画であれば対象になってくると記載しています。
【小林主査】 という策定方針を,きょう,決めるかどうかという作業部会ではないのですか。
【小林学術機関課課長補佐】 こちらについては,12月10日の時点で一度決定されておりまして,その後,パブリックコメントの結果を踏まえて,変更の余地があれば,あるんですが,パブリックコメントで,この点については特段の意見がなかったので,それをこの1月のタイミングで変えるというのはどうかなと思います。
【小林主査】 作業部会では当初,ヒアリング対象になったものを審査対象とするという議論をしていましたよね。それがどこかで,ヒアリング対象とならなかったものも審査対象にすると変わりましたよね。それはいつですか。
【小林学術機関課課長補佐】 済みません,ヒアリング対象が変わったというのは……。
【小林主査】 マスタープランの重点のヒアリング対象となったものを審査対象とするというところから,作業部会の議論はスタートしたと思います。それが,あるところから,マスタープランの重点のヒアリング対象とはしていないけれども,重点に載っているものも審査に加えるというふうに変わりましたね。それは何月からですか。
【小林学術機関課課長補佐】 具体的に何月からというのは,この場ではちょっとお答えできないんですが,事務局といたしましては,大きく2つあると考えていて,まず1つは,重点大型研究計画に載ったものはヒアリングの対象としましょう。それ以外であっても,重点のヒアリングに来たものであれば,そこまで範囲を広げて対象としましょうというので,ずっと議論もしてきたと考えております。
【小林主査】 いや,重点にならなくても,ヒアリングになったものは対象としますという議論はしています。同時に,ヒアリングを経て重点になったものも対象とするという議論もしています。しかし,ヒアリングを経ずに重点に載ったものを対象とするという議論は,最初はしていなかったです。
【小林学術機関課課長補佐】 確かに,そこを明示的に切り出して議論はしていなかったです。あくまで,重点に載ったものであれば,基本的にはヒアリング対象になってくる。その重点の中が,更に詳細に分かれていたという理解ですので,事務局としては,重点に載ったものは,基本的にはヒアリングに残っていくだろう。なので,その重点が,どういった経緯でマスタープラン側が選んだものであれ,重点に残っているのであれば,それはヒアリング対象に上げていきましょうといったものを基本的なスタンスだと考えておりましたので,重点に残ったものが,ヒアリングを経て重点に残ったもの,そうじゃなくて,2017に残っていたから重点に残ったもの,それらを含めて,重点に残ったのであれば,そこは平等にヒアリング対象に上げてもよいのではないのかなと。
【小林主査】 マスタープランを作っている藤井先生の方から事務局に対して,重点の策定方針が従来と変わったという連絡は,いつ来たのですか。従来は,重点はヒアリングを経て,必ず載っていました,2017のマスタープランまでは。今回からは,ヒアリングを経ずに重点に載せるというやり方に変わったのですよね,そういうものも入れるというふうに。その連絡は,藤井先生が作業部会に来たときは,藤先生からは説明がなかったです。事務局にはあったわけですね。
【小林学術機関課課長補佐】 事務局も受けておりませんが,公表されている資料で,2018年12月6日に学術会議の方が,今後のマスタープランの策定の方針を定めて公表しておりまして,その中で,今年,マスタープラン2020の重点は,ヒアリングを経て選ぶものもありますし,ヒアリングを経ずに,2017で選定された計画で,特に大きな変更がないと判断したものについては重点に載りますよというのが,2018年12月の時点で既に公表されているということでございます。
【小林主査】 個人的な意見としては,ロードマップ2017に載ったものについても,今回改めて審査するということは構わないと思います。ただ,マスタープラン2017の重点に載った中で,ロードマップ2017で落として,かつ,それから計画を大幅に変更せずにそのまま,ヒアリングも経ずにマスタープランの重点に載っているものまでも審査対象にする必要はあるんだろうかという疑問は残っています。
【松岡主査代理】 学術会議の方で,ヒアリングなしというのをどういうふうに決めているかというのは,ここで議論する上で重要だと思うので,知っている範囲で教えていただきたいんですけど,マスタープランに提案する方は,その時点でほとんど変えていないから,これはヒアリングなしで重点にしてほしいということを,自分で意思表示をして提案するのか,それとも,そういうことを提案側は特に何もしないんだけれども,マスタープランの審査側で,これは前回とほとんど変わっていないねという判断をして,あなたはヒアリングなしでいいですよということをするのか,それについて御存じでしょうか。
もし後者だったとすると,提案側には全く,ヒアリングを受ける受けないということを決めるものがなくて,ヒアリングがなくてよかったと喜んでいたら,今度はロードマップの対象にならないということになりかねないので,そこは知っておきたいと思いました。
【小林学術機関課課長補佐】 少し読み込んでみますので,また時間を置いて,お答えします。
【西井学術機関課長】 今,手元にある,私ども,学術会議でどういう議論をされたかどうかは全然承知しておりませんので,成果物だけを見ているんですけれども,松岡委員がおっしゃったような意味で,提案者側が全然知らないで,これは変わっていないけど,取りあえず載っちゃったというものではなくて,意向確認をし,さらに,変わっていないという話なんですけれども,学術会議の方で条件を付していまして,これを見ると,計画の準備状況に進展が見られるとか,当該学術コミュニティーが総意として継続を希望,了承しているといったことを確認できた場合については,ヒアリングを経ずに,改めて重点計画に選定すると,ここに明文化されていますので,そういう意味では,具体的にどういうプロセスでそれをされているかどうか,私ども承知していないんですけれども,この文言を見る限りは,そういったプロセスが踏まれているのかなと。
それをこの作業部会において,改めて,そのようなプロセスを経て重点に掲載されたものを,どのようにロードマップに今度は取り上げるかどうかというのは,こちらの部会の方で御議論いただいて,決めていただければと。
【中野委員】 今,お話を伺うと,ヒアリングに選ばれないというのは,書面だけで,かなり進展があるということも含まれていると思われるので,かつ,ここに重点で選ばれたものは,我々の方の書類の対象になると書かれているので,対象から外すのは非常に難しいような気がします。
【小林学術機関課課長補佐】 先ほど課長の方から御説明いただきましたが,机上資料の中に,しおりで,下から3つ目です。タイトルとして,第24期学術の大型施設計画に関する策定の方針といったものが,別のタブです。下から3つ目です。ページ番号の4ページ目に記載されているとおりでございます。
先ほど松岡先生から御質問いただきましたが,より具体的には,3ページ目に書いてありまして,(3)番,大型研究計画の種類といたしまして,丸1,区分の1で,マスタープラン2020では,区分1として,以下の3種類の提案を受け付けることとするということなので,まずは実施機関側において,選んで出してきております。その中に,アとして選べば新規提案ですし,イ若しくはウであれば,ウであればマスタープラン2017に掲載されて,今回改訂された提案といったものが出されていますので,実施機関のあずかり知らないところで勝手に選ばれたというわけではなくて,実施機関の方で選んだ上で,それを最終的に判断されているというのが正しいかと思います。
【小林主査】 結論としては,ヒアリングを経ていなくて,スルーで重点に載っているものも審査対象とするということでよろしいでしょうか。
【中野委員】 仕方ないです。
【小林主査】 数が多いですよ,はっきり言いますけど。仕方がないということで,今期作業部会で皆さんの意見を入れて,様式はかなり長くなっていますから,40ページぐらいになっていますので,掛ける相当数は覚悟してください。
それから,今後,こういう問題とちょっと関係しますが,ロードマップが3年なのか,6年なのか,この際,明確にしておいた方がいいと思うのです。6年であれば,このマスタープランみたいにスルーで,次のロードマップへ行くのかという話が出てくるか,来ないかということがあります。
ですから,私の理解では,2011がスタートしたときに,中期に合わせて6年という議論はしたと思いますが,明文化していないということであれば,少なくとも,ロードマップ2020については,きょう,決めた方がいいと思います,6年なのか,3年なのか。
逆に,事務局としては,3年としたときは,3年でフロンティアの事前評価を終えるところまで持っていけるかどうかということにもつながってくると思います。この辺は作業部会だけの話ではなくて,事務局も関係してきますから,一緒に議論したいと思いますが,課長,ロードマップ2020については3年と,この際,明文化しますか。
【西井学術機関課長】 メリット,デメリットを含めて,整理する必要があるかなと思っております。仮に6年とした場合に,3年後に何らかの形で,ロードマップそのものの再評価というのは必要ではないかなと。そうするとその時点で,実質的には,もう一度作り直すということに近いことになる可能性もありますので,その際,行われるであろう,6年とした場合の改訂というのと策定というものが,どういった違いをもたらすものであるのかどうかという,制度設計を具体的にさせていただいた上で,年限についても,有効期間についても,結論を得るという形にした方がよいかなと。
もう一つありますのは,具体的に整理できていないんですけれども,今,動いている後継計画の取扱いなども含めて,評価する際に,どれぐらいの期間が望ましいのかどうかを,今動いている計画と並べてみた上で,どの程度のものが必要なのかということも併せて検討する必要があるのかなと思っていまして,この作業部会での今回のロードマップを策定するに当たっての検討事項の大きな課題の一つであろうかと思っておりますので,また改めて資料などを御用意させていただいて,議論させていただければと思っております。
【小林主査】 ただ,今月末のマスタープラン重点の公表をもって公募を始めますから,少なくとも.今日きょうの時点で,3年か6年かは決めておいた方が,後から変更というのはちょっとできないと思います。
個人的には,3年にするのだったら,マスタープランも3年置きに全部,スルーというのをやめて,全部やり直してもらいたいというのが正直なところです。それがあるから話が混乱するのです,スルーのものが出てきたり,区分Ⅱがあったり,いろいろあったりして。
3年ごとに,やはり3年というのは長いですから,その間に世界のいろいろな情勢も変わっていますから,ロードマップを全部リセットでやり直すのだったら,マスタープランもきちんとリセットでやり直してほしいと思いますが,そこが曖昧なものがあって,こっちは受け取らなければいけないというところが全ての混乱の原因ですが。
では,委員の方,3年か,6年か,いかがですか,ロードマップの有効期間は。
【中野委員】 僕は6年でいいと思っていて,6年でスルーにして,ただし,次のロードマップ策定のとき,2020年の次,2023年がありますよね。2023年のプライオリティーを高くしておいたらいいと思います。だから,実施できなかった計画のうち,予算化寸前だから,あえて2023に載らなくても予算化できるという判断をしたら,そのままスルーで持っていったらいいし,いや,それでは不十分で,2023でも優先度を高くしないといけないと思ったら出し直すと思いますので,優先度はあるかなと。
それで,学術会議の方とこちらと,やっぱり有効期間が違うというのは非常に混乱が出てくるので,学術会議に,今この時点で変える気がないのであれば,合わせた方がいいかなと思います。
【小林主査】 ほかの方はいかがですか。ロードマップ2020の有効期間,3年とすべきか,6年とすべきか,いかがでしょうか。
【吉田委員】 やはり,骨は折れますけれども,3年で見直していくというのが,特に大きな規模のものについては,責任があるのではないかと思います。
【小林主査】 お二人からそれぞれ,3年と6年という意見が出ましたが,ほかの方はいかがでしょうか。
3年という場合は,3年ごとにリセットしてやっていく。6年というと多分,マスタープランのやり方をまねると,こういう条件を付して,スルーでロードマップに載せるものを作ることになると思いますが,3年で予算化は可能ですか。
【小林学術機関課課長補佐】 こればっかりは,非常に難しい問題なので,可能ですとも可能ではないとも,どちらとも明言することはできないと思いますが,少なくともロードマップを新しく策定して,そこでプライオリティーが高く,aaとか,そういったものに載ったものについては,当然我々としても予算化するように動かざるを得ないと思っています。
それが3年のうちにできるかどうかというのは,そこはまた別の話になってきますが,ここはあくまで,ロードマップに載せられたものは,フロンティア促進事業などでの予算化のための高い優先度が示されたことをもって掲載されているわけですので,我々文科省としても,それを受け止めてやっていきたいと。済みません,そこまでしか入れることはできないと思いますが。
【小林主査】 今の話はつまり,有効期間が切れても,フロンティアの事前評価の対象になるということですか。
【小林学術機関課課長補佐】 少なくとも,それはないと思います。つまり,例えば今の段階で,予算要求を考えていく段階で,当然我々が見ているのは,ロードマップ2017に何が載っているのかを優先に見ています。そこに載っておらずに,例えばロードマップ2010に載ったものを先に予算化しようとか,そういったものは難しいと思いますので,そういった意味で私,冒頭申し上げましたが,基本的には新しくロードマップが策定されてきたタイミングで,そこに載ったものを中心に,フロンティア促進事業で予算措置をするかどうかを一つ見ているので,そういった意味で,策定されるたびに事前評価の対象はリセットされていくと考えています。
【小林主査】 ということは,有効期間を3年にするか,6年にするかは,かなり重要な話になってきますよね。3年以内に予算化が間に合わないときは,それは予算化の見込みはほとんどなくなるということになるわけですね。
【小林学術機関課課長補佐】 次の改訂のときに載ってこなければ,それは難しくなるだろうなと思っています。逆に,6年の間であれば予算措置ができるのかと言われると,それはまた保証がないわけですので,予算措置するかどうかに必要な年数というのは多分,ないんだと思いますので,先ほど山本先生がおっしゃったように,世界の激しい情勢とか見比べたときに,どうするのかというと,そういった観点で考えるのがいいのかなと考えています。
【小林主査】 問題を難しくしているのは,今,フロンティアが14件,走っていますけれども,毎年1個ずつ入っていったわけではなくて,ある年に,どさっと入った年があって,なので,毎年1個ずつだったら,毎年1個ずつ抜けていくから,毎年1個ずつ新しく入るのですけれども,たくさん入れる年と全然入れない年が出てくるので,そこがちょっと,3年だと対応が間に合うかどうかというところだけ心配をしているのですが,そこだけなのですね,3か6でひっかかっているのは。
課長はいかがですか。
【西井学術機関課長】 今のような問題があるので,これは本当に個人的な意見になってしまいますけど,3とか6という形で,これはひょっとすると,現時点のロードマップ,過去において3回行われてきたものについては,そのあたりが明文化されてきていないというところが,主査がおっしゃるような難しい,その時々のいろいろなバランスも加味して判断してきている可能性もございますので,そういったことも含めて,柔軟に対応するという方法もあり得るのではないかなと思います。
【小林主査】 そうすると,第3の意見としては,明文化しないという。でも,これは現実的には,大型の補正があったりなかったり,いろいろな状況があります。
はい,どうぞ。
【城石委員】 学術の動向がすごく目まぐるしく変わっているという事実はそうなんですが,3年で賞味期限が終わるようなものが本当に,大型計画というか,フロンティアに載せるようなポテンシャルを持ったものなのかと考えると,何か違うんじゃないかなという気がするんですね。
それが1つと,審査とか評価はすごいコストが掛かりますし,ここでやっていることもそうなんですけれども,かなり研究者自身が疲弊しているので,サイクルを回すということはそれに拍車を掛けることにもなりかねないので,そこも考えた方がいいのかなと。大きな玉は,五,六年ぐらいは掛けてじっくりと育てて,一度認めたものは,そのぐらいの期間は少なくとも見守るぐらいの度量がないと,研究者自身が潰れていくんじゃないですかねという心配をしています。
【樋口委員】 今までの議論は非常に重要で,重い議論で,この時点で3か6かというのは,決めてしまうと,正しく伝わらない可能性があり,非常に影響が大きいのではないかと思うので,明文化できないんじゃないかと私は思います。
【小林主査】 そういうことを踏まえて,従来,明文化してこなかったという,前期も議論しましたが,結局,結論は出さなかったということになります。
この問題というのは,戻れば,ロードマップ2017を今回審査するかしないかということで,ただ,幸か不幸か,7件のうち,ハイパー,放射光,HL-LHCは予算化されましたよね。あと何が残っていましたか。医科学は,たしか出し直ししたと思いますので,それも抜けて,あと……。
【小林学術機関課課長補佐】 JAXAの予算で,SPICAとLiteBIRD。
【小林主査】 SPICA,LiteBIRD,アト秒レーザーですね。SPICA,LiteBIRDはどういう状況なのですか。
【松岡主査代理】 SPICAは多分,次の中型に申請予定で,LiteBIRDは既に中型として選定されましたので,既に走っている状況となっています。
【小林主査】 JAXAの方は順調に進んで,しかもありがたいことに別の予算ですから,JAXAの予算ですので,そうすると現実的には,アト秒をもう一回審査するかだけの話になってくるので,2020が3か6かは,2023のときに大きな問題になりますが。
【中野委員】 今回,重点に載ったら審査対象なので,ロードマップに載っていない重点もあるんじゃないでしょうか。2017の重点に載っていて,学術会議でスルーで2020の重点に載ったもの,それは結構な数になる可能性があるわけですね。
【小林主査】 あります。ただ,今,議論しているのは,ロードマップの期間をどうするかという話で。
【中野委員】 分かりました。
【小林主査】 ですから,今回に関しては,3か6かはそんな大きな問題はないですが,2023のときには,今回が3か6かは大きな問題になりますが,残念ながら,こちらの状況に合わせて予算が決まってくるわけではないので,あえて明文化しないというところでしょうか。課長。
【西井学術機関課長】 状況を踏まえて,対応させていただきたいと思います。
【小林主査】 明文化しないという趣旨は,できるだけ予算化をお願いしますということです。3で予算化できないものがあっても,それは必ずしも,重要であれば切らないということで。
では,そういうところで,ほかで何か御意見ありますでしょうか。
【岡部委員】 今回は,最終的に審査対象を狭めないということで合意されたと思うんですけど,一方で,いろいろな区分,いろいろな経緯で審査に上がってくるということもあるので,それは我々が審査するときに,一目で分かるようになっていますでしょうか。
こちらで書かれているように,特に留意して,2017のときからの差分を見るようなことをしなければいけないのであれば,これがどういう経緯で各申請が出てきているのかを,最初の頭の方にぱっと見て分かるようになっていると,処理がしやすいと思うんですけれども。
【小林学術機関課課長補佐】 分かりました。先ほど,岡部先生の御意見を踏まえまして,現時点でお送りしようとしております書面審査の評価シートが,通し番号で15ページ目になっております。そこに参考という形でオレンジ色の欄を付けておりますが,そこを見ていただければ,ロードマップ2017に載っているものなのかどうなのか,若しくは,学術会議の方の重点大型2017に載っているものなのかどうなのかを,分かりやすいようにしようと思います。
あと1点,最初の方に中野先生から御質問いただきました,丸3と丸4で,マックスの値が何件ぐらいなのかということをお伝えいたしますと,マスタープラン2017の重点大型研究計画に選定されたものが28件ございます。そのうちから,単純にロードマップに載ったものが7件だとすると,差額の21件が,マスタープラン2017に載ったけどロードマップに載っていないものとしてあるかと思います。
【小林主査】 ヒアリングのオレンジのところで,「重点大型2020」という欄がありますけれども,ヒアリングを経ているか経ていないかを,分かるようにしていただけますか。それでいいのではないかと思います。
【小林学術機関課課長補佐】 分かりました。
【小林主査】 あとは,ほかのところはいかがでしょうか。策定方針,審査実施要領,基本的には,前回とほぼ同様の内容だと思います。まとめの時間を少し多めに取っていますので,全体として,1件当たり40分,掛ける,書面審査で30ぐらいに絞るということになりますので,1,200分はお付き合いいただきたいということになります。
【岡部委員】 確認ですけど,評点は全て,これは絶対評価という理解でよろしいですか。
【中野委員】 Cが1つでも付くと,これはヒアリング対象にならないわけです。だから,Cはかなり覚悟を決めて付けないといけないんですけど,最後に合議制で話し合っているときに,Cを付けたけれども,やっぱりこれはやり過ぎだった,あるいは,誤解に基づいていたということで,変えるということは可能なんでしょうか。
【小林主査】 あります。あと,評価は後日提出ではなくて,その場,当日の提出ということになります。
【中野委員】 分かりました。
【小林主査】 いかがでしょうか。
【八田委員】 ヒアリングのときの質疑応答なんですが,これに関しては答えてほしいということを,あらかじめ向こうには通知しておくんですか。それとも当日,そのときに,質疑応答だけになるんですか。あるいは説明のところで,このところは少し曖昧だから明らかにしてほしいということは言っておくんですか。
【小林学術機関課課長補佐】 そういった場合も可能にしております。両方可能です。
【小林主査】 よろしいでしょうか。よろしければ,こういう形で取りまとめをさせていただいて,あとは,ロードマップが公表されるのを待って,公募をするという形をとらせていただきたいと思います。
結論としては,向こうから回ってきたものについて,全て審査対象とする。それから,ロードマップ2020については,期間は明文化しないということになります。
事務局においては,ロードマップ2020の審査に向けて,準備を進めていただければと思います。
それでは,最後に時間が少なくなりましたが,2つ目の議題になります。
昨年末に,令和2年度予算案が閣議決定されておりますので,本年度の補正予算と併せて,共同利用・共同研究体制に係る予算案の説明を事務局からお願いいたします。
【小林学術機関課課長補佐】 それでは,資料4に基づきまして,簡潔に御説明をさせていただきます。
通し番号37ページ目からごらんください。こちらは,文部科学省予算(案)の全体の概要になってございます。そのうち,赤く枠付けているところの内数として,当課が見ております大規模学術フロンティア促進事業のほか,そういったものが掲載されております。
具体的な箇所といたしましては,ここには明文化されておりませんが,37ページの赤枠の内数及び,次の38ページの赤枠,国立大学法人運営費交付金の中の内数になってございます。こちらが全体の概要になります。
続きまして,41ページ目でございます。研究力向上のための共同利用・共同研究体制の強化といたしまして,当課が所管をしております予算額及び補正予算額(案)について記載をしております。令和2年度予算額(案)といたしましては405億円,それに加えまして令和元年度補正予算額(案)といたしまして50億円なので,15か月予算として見れば,合計で455億円になっております。前年度予算額については,記載のとおり417億円でございます。
具体的な内数といたしましては,その下にオレンジ色の欄及び緑の欄で分かれております。オレンジ色の欄につきましては,予算額といたしましては84億円で,昨年度予算額が73億円になっております。具体的には,共同利用・共同研究体制を牽引する研究所・研究センターなどの強化・充実になっております。
右が大規模学術フロンティア促進事業の予算になっております。予算額(案)といたしましては321億円で,補正予算額として50億円の合計371億円が措置される見込みとなっております。主なプロジェクトといたしましては,ハイパーカミオカンデ計画の推進を新しく追記しているところでございます。
42ページ目といたしましては,先ほど申し上げました371億円の大規模学術フロンティア促進事業の概要になってございます。こちらも個別具体のものは割愛いたしますが,ハイパーカミオカンデや「すばる」,SINETなどを主な事業として掲載をしているところでございます。
次のページは,14プロジェクトの全体の概要になっております。こちらも割愛させていただきます。
最後,44ページ目といたしましては,特色ある共同研究拠点の整備の推進事業といたしまして,公立及び私立大学を中心としたものになっております。令和2年度予算額といたしましては2億7,300万円となってございます。
最後といたしまして,45ページ目で,共同利用研究拠点及び国際共同利用・共同研究拠点の一覧を付けてございます。こちらも御参考までにしたいと思います。
事務局からは以上です。
【小林主査】 ありがとうございました。国会の予算審議を待つというところですが,引き続き,よろしくお願いをいたします。
事務局から何か補足があれば,お願いいたします。
【小林学術機関課課長補佐】 それでは,今後のスケジュールについて御説明をさせていただきたいと思います。
資料2に基づきまして御説明させていただいたとおりでございます。次回は第89回になりますが,非公開での開催を見込んでおります。3月下旬若しくは4月上旬で調整中でございます。主査と相談いたしまして確定した上で,日程確保をお願いしたいと考えております。
また,これからヒアリングを含めて非公開での審議が続きますので,審査の公正性を担保するためにも守秘義務の徹底を改めてお願いしたいと考えております。
また,先ほど主査からも御説明がありましたが,マスタープラン2020が公表されましたら,当該URLなどについて共有させていただきたいと思います。
【小林主査】 それでは,本日の議事はこれで終了といたします。皆さんどうもありがとうございました。

 
―― 了 ――

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