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第5期研究費部会(第14回) 議事録

1.日時

平成22年2月22日(月曜日) 15時00分~17時00分

2.場所

文部科学省 3F1特別会議室

3.出席者

委員

 有川部会長、小林委員、鈴木委員、田代委員、中西委員、深見委員、三宅委員、家委員、井上(明)委員、井上(一)委員、岡田委員、甲斐委員、金田委員、水野委員、宮坂委員

文部科学省

 山脇振興企画課長、山口学術研究助成課長、松川国立教育政策研究所総括研究官、ほか関係官

4.議事録

(1)科学研究費補助金の在り方について

 事務局より、資料2「「若手研究」及び「基盤研究」に関する論点メモ」について説明を行った後、審議を行った。

【有川部会長】
 資料2の論点メモについてご意見をいただきたい。最初に、1ページから3ページにかけては「科研費をとりまく状況」として、厳しい財政状況や事業仕分けが関係者に与えた影響、最先端研究開発支援プログラムによる若手・女性研究者支援の動向などについてまとめられている。まず、この辺について、ご意見があればご発言いただき、その後、若手研究あるいは基盤研究について議論をしていきたいと思う。
 それから、前回、もう少し理念や哲学についてしっかり議論すべきではないかという意見もあったので、その辺についても議論をしておかなければいけないと思う。
 それでは、まず1ページ目から3ページ目あたりのことについて、質問などはあるか。最初は厳しい財政状況ということで、このグラフは国立大学のことであるが、運営費交付金が毎年1%程度減額されているという状況を示したものである。それから、参考2は科学技術関係の予算の推移、参考3は科研費の状況、3ページでは最先端研究開発支援プログラムのことが書いてある。
 研究費を論じるときに基盤的経費と競争的資金という言い方をすることがある。基盤的経費と科研費の基盤研究では言葉が少し似ているので、その辺も整理したほうが良いということはあると思うが、運営費交付金は、その一部が研究に関しての基盤的経費になっていて、発想から揺籃期の研究がそこで支援されている。そして、少し具体化したところで、科研費による自由な発想に基づく研究が展開され、その次の段階で政策課題解決型へ行くというようなことになっているのだと思う。そういったことがここに書いてあるので、理念をしっかり議論するということであれば、今、申し上げた3つのフェーズについての議論も深めておく、あるいは確認しておく必要があるのではないかと思う。
 特に今回の事業仕分け等では、それぞれしっかりした根拠を持ち、実績も成果も上げてきている事業であるにも関わらず、少し見ただけで一元化できないのかという言われ方をしているが、少なくとも、今申し上げた3つのフェーズがあるということはしっかり押さえた上で議論しなければいけないのではないか。そして、実際の研究では色々な段階があるが、それぞれがどのような意味合いを持つかということについても議論しておかなければいけないと思う。その辺を押さえておけば、前回、指摘されているような理念あるいは哲学ということに対して、説明することができるのではないかと思う。

【中西部会長代理】
 運営費交付金と科研費とのバランスを常に考えておかなければいけないと思う。基盤的経費である運営費交付金は、これがなければ研究はできないというミニマムの研究費なのだということをもう一度念頭に置いておかなければいけない。ミニマムがあって、その上で競争的資金を上げるか下げるかという議論をすることは良いと思うが、ミニマムを下げておいて競争的資金で補うという考え方はバランスとしておかしい。もちろん科研費は増えてほしいが、ミニマムを減らさないという方向が一番の哲学ではないかと思う。競争的資金が採択されず、運営費交付金が大幅に減少して研究費がゼロになった場合、研究をストップせざるを得なくなる。そのような研究室が増えれば、日本の研究に大きな障害を与えると思う。

【有川部会長】
 非常に大事なことだと思う。主に大学で、国立であれば運営費交付金、私学であれば私学助成などであるが、先生方の基本的な研究をサポートする経費が少なくなってしまうことによる弊害は相当出てくると思う。競争的資金があるではないかと言われるが、科研費は採択率が20%程度という状況で、残りの80%の人の研究費がゼロであったとすると研究ができないことになる。実際には、研究期間が3年や5年なので、かなりの人が何らかの競争的資金を確保していることになると思うが、全体を覆えるわけではないので、大学の設置者がそういうことに対してどのように考えるかということではないかという気がする。

【宮坂委員】
 現状のように運営費交付金が減ってくると、うまくやりくりをしていくためには収入を増やさなければいけない。そうすると、医学部を持っている大学は附属病院からの収入を上げろという話になって、今、臨床分野にはものすごい締めつけが来ている。朝から晩まで働いて、余った時間で研究をするので、特に医学などでは臨床研究がどんどん縮小していて、競争的資金の獲得や外部資金の導入についても難しくなってきている。そのために、今、日本の臨床研究はピアレビュージャーナルに掲載されるケースが激減している。このままいくと、日本の臨床研究、医学研究は本当にうまくいかなくなってしまうと思う。運営費交付金を機械的に減らすことで、当初は全然予想もしていなかったようなひずみが生まれて、それが医学研究の進歩を阻害しているという事実があることも指摘しておきたいと思う。

【有川部会長】
 これは運営費交付金の中で経営改善係数が2%かかっているということがあって、そのために病院がある大学では非常に大変な思いをしている。今ご指摘のように、病院の先生方による、特に臨床系の論文の数が減っていて、大変な状況にある。これは、治験なども含めて制度的な問題もあると伺っているが、いずれにしても最先端医療に関する研究をする時間が確保できないという極めて深刻な状況になっているのだと思う。現場の医師が精神的にほとんど余裕のない状況でやっているという状況だと聞いている。この辺も、我々の議論でいうと、国立大学の運営費交付金に関係することだと思う。

【家委員】
 先ほど中西先生が言われたことは、私は全面的に賛成で、ここにいる研究者の方々もたぶん同じように感じていると思うが、そういう感じが本当に国民ないしは特に財務当局にすんなり受け入れられるのかどうかが問題だと思う。つまり、運営費交付金の性格として、もちろん大学も組織なので組織運営のための費用は必要であるし、大学の重要な機能として、教育に関することは個別に投資が必要であるということまでは文句がないと思うが、では大学で研究するための費用を運営費交付金という形で国民がすんなり認めているのか。そういうものは競争的資金でやりなさいという感じがどうもあるのではないかという気がする。我々はデュアルサポートということを言っていて、継続的かつ、ある程度ミニマムの安定的な資金があってこそ研究が成り立ち、また研究を行っていない現場では、高等教育も成り立たないということを折に触れて言っているが、その辺がなかなかすんなりと受け入れられていない気がする。運営費交付金のうち、どの程度の部分を研究に回すことが国民的に受け入れられるのか、その辺の感覚が私にはつかめていない。

【有川部会長】
 その国民的ということをどのように見るかだと思う。先日の事業仕分けは、ある意味で国民目線ということになっているのかもしれない。科学者あるいは大学関係者からはほとんど反対の意見が集まってきていると思うが、一般的にはああいったやり方が結構支持されている。そういうことも考えなければいけない。科学者や大学関係者向けのことだけではなく、一般市民に対してきちんと理解してもらえるようなメッセージを出していく必要があるのではないかと思う。
 科研費のことで一つ伺いたい。今、新規採択率が20%程度という状況にあると思うが、研究者の数を分母にして、科研費を一つ以上持っている人を分子にした場合にどのくらいの率があるのか。採択率とは少し異なる気もするので、もしわかれば教えていただきたい。これを押さえておかないと、国立大学でいう運営費交付金で基盤的な研究を支える、あるいはデュアルサポートというときの競争的資金ではないほうのものに対して議論するときに少し問題になるのではないかと思う。

【山口学術研究助成課長】
 事務局で調べてみる。私どもに対して、科研費のグランドデザインをもっと考えろというご指摘もいただいているが、そのときに一つ悩ましいのは、議論のもとになるデータである。例えば、大学の研究室に入ってくる予算が減ってきたと言われているが、一体どのぐらいの額を研究室で使えるのか、それが増えているのか減っているのか。総額の予算としては大学に渡る部分は増えているという話もある一方で、研究室に渡る部分が減っているという話もある。そういった面もこれからデータをとってお示ししていかなければならないのではないかと思っている。

【有川部会長】
 私学も基本的には国立に倣った形になっていると思うので同じようなことだと思うが、少なくとも法人化以前は、いわゆる当たり校費的な考え方がベースにあって、そこから吸い上げる形で大学全体に係る費用を捻出するというやり方になっていた。法人化以降は、計算の根拠は同じかもしれないが、法人に来た予算をどう配分するかということになっていて、そういう意味では基本的に異なっている。つまり、法人化以前は先生や学生一人当たりの校費が基本にあって、それを集めた形で全学の予算が決まるということになっていたので、先生たちから見ると持っているものを取られたという感じであったが、法人化後は予算が大学に来て配分方式が変わっているのに、意識はまだ以前と同じようなことになっているのではないかと思う。

【宮坂委員】
 科研費で研究費が多少増えている部分もあるという話があったが、もう一つ我々が考えなければいけないのは、特に医学や生物学の分野に関しては、研究単価が上がってきているということである。例えば、今、DNAアレイという方法をとろうと思うと、1回の実験に50万円ぐらいかかってしまう。昔であればより安く迅速にできたことが、研究が高度化すればするほど、特に医学、生物学に関しては研究単価が上がって、はるかに高額化してきているので、研究費の増加と見合ったものとなっていない。そういう要素も考えなければいけないので、研究費が少し増えているから問題ないという簡単な議論にはならないのではないかと思う。

【深見委員】
 研究室に実際どのぐらいの予算がきているかという資料の作成が重要だということだが、こういう予算が運営費交付金から競争的資金の間接経費などに移ったことによって、地方大学といわゆる大きな大学との差が非常に大きくなったと思う。だから、資料を作成するときには、あまり影響がなかった大学ということや、それから文系、理系というところにも差が出てくると思うが、地方大学と大きな大学というようなファクターも大きな差を分けていると思うので、そのあたりの分析があると問題点がわかりやすくなるのではないかという気がする。

【有川部会長】
 基本的には事務局でデータをお持ちだと思うので、どこかでいただければいいのではないかと思う。

【山下企画室長】
 先ほどお尋ねがあった、大学関係者の中でどの程度の方が科研費を持っているのか。それそのもののデータということではないが、一つ目安となるデータとして紹介させていただきたいのは、平成21年度に科研費の応募資格を有している研究者が約25万7,000名で、そのうち20万人ぐらいが大学関係者である。平成21年度の科学研究費の新規、継続の採択件数が約5万2,000件なので、単純に割れば25万人の中の5万人程度、約20%の研究者が科研費を受給しているということになる。

【有川部会長】
 これは今後、議論していくときに頭の中に入れておけばと思うが、20%程度が科研費を持っていると考えればいいので、残りの80%の人は基盤的経費がなければ研究活動はほとんどできない状況にある。

【家委員】
 統計的にはそういう数字が出てくるかもしれないが、実態はもう少し多いと思う。研究者番号を持っている研究者全員が応募するとは限らないし、今のは継続分も合わせた件数である。例えば、若手に対する研究種目にも大いに関係することだが、若手の場合には、極端なことを言えば、当人が採択されなくてもラボの上の人が獲得した研究費で何とか研究はできるということはある。従って、全く研究に関する資源がない状況がどのぐらいあるかというと、実態としてはもう少し少ないと思う。それでも深刻であることはもちろん間違いがないと思うが、その辺の統計の数字はあまり感覚的に物を言うと、後で議論の足元をすくわれるようなことになるかと思う。

【有川部会長】
 大学関係者が約20万人で、そのうち約5万人が研究代表者であるが、チームでやっている場合もあるので、実際にはもう少し多いと思う。この辺を調べておくと、議論がしやすくなるのではないかと思う。

【甲斐委員】
 最初の「科研費をとりまく状況」の(3)にある最先端研究開発支援プログラムのことであるが、これはこれからの論点に入ってくるのか。少し異質なものだと思うので伺いたいが、2,700億円が、補正予算の見直しで1,500億円になり、そのうち500億円が若手・女性研究者に使われる。それ自体は喜ばしいことだとは思うが、これは補正予算で1回限りなので、例えば、これを科研費と同じように研究費として組み込めたとして、今後も同様に要求していけるものなのか。そうでなければ、一緒には論じられないし、全く異質の1回限りのものとして論じなければならないと思う。
 また、この中では、例えば「若手の年齢は原則45歳を上限」と決まっている。これは我々の議論から出てきたわけではなく、既に決められていて、我々のこれからの議論を壊している。45歳を若手として4年間受給できるということは、日本は49歳まで若手と見ていることになる。そのような国はどこにもないと思う。49歳の研究者まで特別な研究費をもらって、優遇されて研究ができる。その理由は若手だからということが世界に通るのか。そういうことを許しておいて、これから若手をどう考えるか、年齢をどう考えるかという議論はむなしくなってくる。応募する側の若手にとってみれば、科研費の若手研究はこうだけど、こちらの若手支援はもっと高いからこちらにと考える。我々は若手という言葉で一体どこまで議論しなければいけないのか、49歳の教授を若手として考えなければいけないのかという話になってしまう。これは、既に我々が議論しても仕方がないものなのではないか。

【山口学術研究助成課長】
 この資料は先生が言われるとおり既に決まった要素である。ただ、1回限りだとしても、1,500億円は基金として今後4年間は継続していくので、今回これが決まったら、1課題あたり5,000万円×4年の2億円という形で動いていく。
 ここでなぜこの資料を入れたかというと、今まで、若手研究者とは一体何か、あるいは若手研究者をなぜ支援するのかということをご議論いただいたが、今回、科研費の外の世界で違う議論が行われている。例えば「若手」の範囲について、ここでは45歳以下、メディカルでは年齢制限がないという形である。また、実際の対象は幅広いかもしれないが、分野も限定でグリーンイノベーションと健康研究だけである。あるいは、1課題当たり単年度5,000万円が上限で4年間で2億円というのもかなり高額である。これまでご議論いただいた科研費における若手研究の在り方とはかなり異なるものであるが、こういうことを一つの参考として踏まえた上で、科研費の若手研究がどうあるべきかをご検討いただく必要もあるのではないかということで、その確認のために入れている。
 したがって、これについては既に総合科学技術会議で決まっているので、この話自体をここでご議論いただくのは少し難しいと思うが、これを踏まえた上で科研費の若手研究者はいかにあるべきかという議論をお願いしたいと思う。

【甲斐委員】
 ここは文部科学省の科学技術・学術審議会学術分科会研究費部会で、文部科学省が出している学術研究のための研究費の根幹を議論する部会だと理解している。たとえ総合科学技術会議からおりてきて触れなくても、これを何とかして日本の学術のために使おうとするのであれば、この研究費部会で、おかしいところはおかしいと言っても良いと思う。我々が、若手はこういうもので、研究費はこうやって配分するもので、上限はこうでと一生懸命考えて議論しているが、それを壊すものとして、このようなものがこのまま使えという形で落ちてきているのはいかがなものかということは、返しても良いのではないか。研究費部会の見識としてもう少しベターな案を提示してもいいのではないかと思う。

【有川部会長】
 これをどうこうするということは、ここまで来てしまっているので、いろいろ問題があると思う。ただ、いわゆる基盤的経費や自由発想研究の科研費、それから最先端研究開発プログラムのようなほかの競争的資金と、大きく3つぐらいのクラス分けができると思うが、そうしたものがどうあるべきかということは、我々がきちんと整理して意見を言うべきだと思う。そういうことはここで議論していけるし、今後、こうしたものが考えられるときに参考にしていただけるのではないかと思う。そういう中で、今議論しているのは特に科研費で、科研費についてはこうあるべきだという議論ができればいいと思っている。

【甲斐委員】
 もう一つ、例えばここでしっかり議論をして、若手・女性という基金が非常に有用で必要であるという結論であれば、こういう形であるべきだというようなことを提言してはどうか。つまり、これは4年間続くといっても1回だけの募集なので、たまたまこの時期にグリーンイノベーションか健康研究をやっていなければ、この条件に合致せず応募できない。そういうものが本当に科学の振興にとって良いのかを議論して、このような枠組みが来年度からも必要だという提言に使うことはあり得るのではないかと思う。

【有川部会長】
 そういうことも含めて、研究費の全体的な在り方を議論して提案していけば良いと思う。

【鈴木委員】
 資料2の4ページの意義や今後の方向性について、形式的なことで考慮していただけばどうかという点がある。先ほどから事業仕分けでこのように言われたのでこうするべきだということが出ているが、事業仕分けに対しての態度としては、新しいことをつくるというよりも今まできちんとやってきたということを説明するのが本筋である。科研費でおかしなことはやっていないし、これまでもいろいろな制度をつくってきたが、意義等として、若手研究(B)や(A)はこういうことできちんとやっている、これとこれに対しては若手研究(S)で対応しているというように、現行の良いところはきちんとこの中に埋め込んで、その後にもしあれば、「しかしながらこういう点も考えられる」、「これに関してはこういうふうに今後、制度設計する」というように言えば良いと思う。現行でやってきたということをきちんと説明して、プラスアルファがあればそれを加えていく。何か言われたから新しいことをやるということではなく、やはりやってきたことは堂々と言ったほうがいいと思う。
 もう1点、先ほど運営費交付金が減っているという話があったが、財務省がどう考えるかということも考えなければいけない。昨年12月に財務省の方と話をしたときに、形の上では減っているが、論理的に運営費交付金は減っていないと言っていた。この論理が正しいかどうかわからないが、「教授をやめて退職する人はいる。その分若い人を採用すれば半分の給料で良い。半分の給料であれば運営費交付金の1%分以上の金が大学にあることになる。それが足りないというのは、大学が必要以上に他の用途に使っているのではないか」というような論理にもなる。だから、単に減っているというのではなく、もう少し財務省がどのような考えを持っているかを調べた上で、それを論破するような方向で持っていかなければ、いろいろなことに負担が来る。その辺も少し注意が必要ではないかという気がする。

【有川部会長】
 我々が科研費も含めてどのようなことをやっているかをしっかり説明しなければいけない。それがきちんと説明しきれていないという点が問題だったと思う。一方で、そのような見方をされるのであれば、もう少しわかりやすい仕掛けにしておく必要があるということも確かだと思う。

【三宅委員】
 少し違う論点になるかもしれないが、今、鈴木先生が言われたことを膨らませていくと、科研費の中で若手研究を最初から「1人で行う研究」と定義したことは、日本の中での科学のコミュニティを育てていくことを考えるときに、本当によい選択だったのか。年齢を上げ、研究期間を延ばし、金額も多くなってきた。若手にフォーカスを当てて、言葉は悪いかもしれないが、ある意味、対処療法的に規模を大きくしてきたことが、全体のグランドビジョンの中で考えたときによかったのかということについて、反省、見直しを含めて、先ほど鈴木先生が言われたことをやるべきだという気がする。実際に1人でユニークな研究をする必要がある35歳や40歳の人が、若手研究でどれだけの成果を上げたのかがわかるためには、その研究者のパーソナルヒストリーのようなデータがあった上で議論できれば良いと思う。そういうものも含めて、基盤研究を底上げしていくときには、研究者コミュニティを大学という組織に縛られずに大きくしていく必要がある。そのためにこういう形で若手を支援する必要があるというようなビジョンを出せることが、すごく大事なのではないかという気がする。

【有川部会長】
 今、三宅先生が言われたように、科研費は基本的には1人で、場合によっては何人かでやっても構わないという形になっている。人社系の場合には1人で研究することが多いということを言われているが、自然科学系の場合は1人でやることはめったにない。最近では、数学などでも1人ではなく複数人でやっていることもある。

【井上(明)委員】
 数年前に大学院の教員システムが変わり、助手が助教になった。以前は講座的なものがかなり強かったが、助教の人もある程度教授や准教授とパラレルになって、独立性が出てきている。このあたりでの運営費交付金の配当の仕方について、教授だけに配当されていたものが変化して、独立性を促すような形になってきているのかどうか、それと科研費との組み合わせがどのように機能するのか。大学として今、少しでも独立性を出していかなければ駄目だという方向をある程度国として打ち出しているのであれば、運営費交付金と科研費の制度がうまくドッキングすることで、若手への促進策につながっていく可能性を秘めているのではないか。
 それから、昨年暮れの新成長戦略等で、ライフイノベーションやグリーンイノベーションなど、ものすごくトップダウン的な予算が示されたが、今後、新成長戦略が実行されていくと、さらにトップダウン的な予算のつき方が加速されるかもしれない。一方、全体の予算の在り方で、基盤的な経費やボトムアップ的なものを充実させていくためには、科研費のほんのわずかな上昇だけでは追いつかないので、運営費交付金あるいは他の予算等も含めて、トップダウンに対抗できるような提案をしたほうが良いと思う。そうでなければ、ますますボトムアップ的な研究の予算が地盤沈下しかねないという状況にあるのではないかと思う。

【有川部会長】
 先ほど鈴木先生が言われたのは、要するに給料の高い人がやめたときに安い人を雇えばいいはずだという話である。これはそんなに簡単にはいかない。運営費交付金が1%減ったから、はい、やめてくれというわけには、普通の企業でもなかなかいかないので、そのようなやり方をされると現場は本当に困る。
 それから、井上先生が言われた研究費の配分については、大学は法人になったので、それぞれの大学で様々なやり方をしていると思う。九州大学では、研究費の配分については、助教、准教授、教授も基本的な単価は同じにしてある。かなり抵抗はあったが、激減、激増緩和措置を設けて、実験系には建物を広く使う分、建物に比例した部分をつくるなどということをして、ある種のやり方で基本的には変わらないかなり整合したやり方ができている。

【井上(明)委員】
 ローカルな話であるが、基盤的経費である運営費交付金等については定年延長の問題がある。東京大学のように法人化前から定年延長しているところは問題ないと思うが、国立大学の64歳、65歳の年金問題で、2歳定年延長になって、従来の運営費交付金の中から捻出しなければいけないとなると、余計に研究に回す基盤的経費がなくなる。これはもちろん各大学の長がそういうことがないようにしなければいけないが、現実問題として、一番高い給料の人が2年間延長になるということで、若手への切りかえについても基盤的経費と直結している問題だと思う。

【有川部会長】
 そうした過渡期的な問題もあると思う。一方で、ポスドク、若手は、研究費の問題よりも、生活が成り立っていないのではないかということがある。若手にとってはそちらのほうが大きな問題で、研究費は教授と一緒にやっていればなんとかやっていけるが、生活できない、この3月で任期が終わりだという状況にある立派な研究者がたくさんいる。法人でいろいろ工夫するにしても、一方で定年を延ばさなければいけないという問題もあったりして、この2年間ぐらいが非常に厳しい状況である。これを乗り越えたら、もう少しいろいろ考えられるのではないかと思う。研究費とは直接関係ないかもしれないが、背景としては同じようなことだと思う。

【水野委員】
 どこの国でも高等教育が大衆化したのでこのような問題を抱えているが、日本は比較的高等教育にかけるお金が少ないので、全体としてもっと大きく要求していくという大きな筋では声を低くするつもりはない。ただ、そのような大きな前提がないときに、限られたパイの中でどのように制度設計をしていくかはなかなか頭が痛いところである。しかもこの研究費部会は、その大きな制度設計ができず、さらにいろいろな外的な要件が規制された中で科研費の議論だけをしているというストレスフルな状況である。例えば、競争的資金の若手研究者支援の比率を調整することについてはこれまで散々議論をしてきたが、7ページの競争的資金の若手研究者支援についての国民から寄せられた意見と事業仕分けの結果を見比べると、制度システム論のところで研究者の声が全然反映されていないのではないかと思われる。大きな制度設計のときに研究者コミュニティが参加していれば、今のような現状にはならなかっただろうと思う。事業仕分け結果のコメントとして、「若手研究者が安定して働き研究できる場所を見つけるための国の政策を再構築」という点については削減した側の意見であるが、おそらくここにいる先生方はどなたも反対されないと思う。これがなぜできないか。制度システム論で大学院重点化をしたときに、それが日本の高等教育にどのような影響を及ぼすのかについて、きちんとした議論が研究者コミュニティの中でされたかというと、私はそうではなかったのではないかと思う。法科大学院をつくるときの議論でもそうだったが、競争システムの制度がつくられてしまうと、組織としては、その枠の中で生き延びるための生存競争をせざるを得ない。そして、取れるだけ取ってこないと組織が生き延びられないということになると、大学院重点化で言えば定員を埋めなければいけないことになって、今、東京大学や京都大学の大学院の入学は非常に易しくなっている。
 法科大学院でも、法科大学院をつくらなければいけないとなると、実定法学者はそちらで教育を任されたという感じになって、研究どころではなくなる。そうやって出てきた法務博士たちの行き場所が、これから先、一体どうなるのだろうということは非常に頭が痛い。『博士が100人いる村』という現代版おとぎ話がネットで有名になったそうだが、100人いた博士たちも、かなりのパーセンテージが無職で、最後は無職ですらない死亡ないし行方不明が8人いる。統計に基づいたそういう現代のおとぎ話みたいなものがあるが、数年後、そこに『法務博士が100人いる村』というのができたらどうなるだろうと恐怖している。そういう状態でたくさんのドクターやポスドクたちが生まれてきたときに、彼らの生活が若手の研究費で支えられているという側面もきっと生じてきてしまっているのではないかと思う。
 若手研究というのは、本来既存のパラダイムを覆すような新しい研究を若い人たちが思いついたときに、これまでの実績もないそういう人たちに幅広く研究費を与えて、芽を伸ばしてあげようというものであったと思う。それはそれで十分に制度意義があったはずだが、大きな制度全体の枠組みが別のところから大きく揺るがされている。そういうものについて本当は現場の声が一番聞かれなければいけないと思うが、とかくみんな既得権益の発言だと封じられる形で行われている。研究者コミュニティがそれぞれ所属している組織の存続のための競争をするのではなく、研究者コミュニティ全体で大学、高等教育の制度設計をどのようにしていくのかを考えていけば、本当に優秀でその領域の学問を継いでもらいたい人というのは、学部レベル、あるいはせいぜい修士レベルで能力的な見当もつくと思うので、そのような人たちをピックアップして重点的にお金を与えて育てていくという若手の育成方法もあり得たのではないかと思う。本当はそのような形にしたほうがよかったのではないかと思うが、そうではないところで大きな枠をかけて若手を補助するということが生活支援的なところにも流れ込んできている。このようなさまざまな矛盾を研究費部会のわずかな科研費のパイの割り振りだけで議論しているということは、非常に苦しいものがある。できればそのような制度システム論のところでも、研究者コミュニティの意見を聞いて設計していただける形になればありがたいと思う。

【有川部会長】
 科研費については、特にこういった場で研究者コミュニティの意見が反映される形になっていると思うし、審査に関してもそれぞれのコミュニティでやっているというようなことがある。そういう意味では、ほかのものと違ってかなりコミュニティを意識したものになっていると思う。ただ、制度設計するときにいろいろな意見を求めていくということで、新しい方向が出たときにパブリックコメントを求めるというようなことをやっていく必要があるのではないかという気もする。
 若手研究の意義については、4ページの下のほうに囲ってあるように昨年7月に意見を出しているので、それも踏まえて科研費における若手研究の意義・目的等について、あるいは若手研究が現行では基盤研究とは別の体系として発展してきているが、それで本当に良いのかということについて考えなければいけない。
 若手研究者を育てていくということは当然しなければいけないが、その支援の仕方というのはいわゆる生活面と、研究面の二通りがある。1つ進んだ取り組みとして、日本学術振興会の特別研究員があるが、これは生活面も支援できるし、基本的には研究費もあるという形で、採用された特に大学院の学生たちにとっては非常に良いものになっていると思う。若手研究は若手研究者を育てるのか、若手研究者がやっている研究を支援するのか。その辺は全く同じではないような気もする。一方で、最先端研究開発支援プログラムのことで、45歳プラス4歳の49歳を若手と言うのかどうかといったこともある。これは少し別の見方をすれば、非常にシニアなところから見たときの若手ということだったのではないかと善意に解釈すればできるが、それも含めて若手を特別扱いしなければいけないのかということは前回の議論の中でも出てきたと思うので、その辺も含めて少しご議論いただければと思う。

【家委員】
 今、若手研究と言っているが、基本はもとの奨励研究、つまり若手でまだ実績もない人をエンカレッジするのが基本だと思っている。そういう意味で言うと、今、制度上で問題なのは、若手研究(S)や(A)など少し大きな規模の若手研究をどう考えるかということである。若手を奨励することに関しては、だれも異論はないのではないかと思うが、若手だからといって大きな規模の研究費をつけるかどうか。それはもちろん科研費に財政的な余裕があれば大いに結構だと思うが、現状を考えて若手研究の基本は何かといえば、やはり奨励であると思う。その意味で一番のプライオリティーは採択率だと思う。できるだけ可能性のある多くの人たちに研究費が渡るようにするためには、大きな規模のものは泣く泣く脇によけても、基本となる若手の、今でいうPDの部分を充実させることがファーストプライオリティーではないかと思う。前回の議事録を見ると、若手研究(S)や(A)がなくなることが若手にとって非常に不安を与えるとか、後退したような印象を与えるというご議論もあったと思うが、そこは根本に返って、ここを充実するのがファーストプライオリティーだというメッセージをきちんと発すればわかってもらえるのではないかと思う。

【有川部会長】
 前回はそうした議論をしていたが、途中からもう少し理念、哲学をきちんと考えるべきだということになったので、今日は少しその辺を議論している。

【家委員】
 これは大体何回ぐらいでまとめるのか。それによって根本のことから議論するかどうかがかわると思う。

【有川部会長】
 7月ぐらいまでにきちんとした方向を出せばいいが、なるべく早く方向を出して、我々が考えたことが皆さんが思っていることと合っているかどうか意見を求めたりする時間もとれたほうがいいと思う。

【田代委員】
 資料2の5ページのところに奨励研究の時代からの歴史があるが、年代的に見ると平成14年度というのが1つの節目になっているような気がする。この年に、応募総額や対象者など若手に対しての門戸が大きく開いている。2ページの参考3のグラフを見ると、予算の推移が平成13年度に161億円、14年度に123億円のプラスになっていて、どうもこの辺の予算が高くなったので、余裕が出た分だけ若手に出されたという感じがする。それが今なぜ若手を縮小しようかという議論になっているのかというと、1つは取り巻く環境として、基盤的経費の予算額がどんどん減っているために、基盤研究にたくさんの人間がなだれ込んでくるという状態になっていて、基盤研究と前に増額されて門戸の開かれた若手研究とのせめぎ合いが出てきているのではないかという感じがする。
 そうすると、どこを基本に科研費を考えたらいいのかというところに議論が戻ってくるのではないかという気がする。それは基盤研究なのか、あるいは基盤研究の予算を少し削ってでも若手研究にということになってくるのか。若手を育てようという意識は皆さんあると思うが、奨励研究の時代に戻したいのか、あるいは若手を非常に優遇しているという精神を貫いていくのかというような議論はあっていいのではないかと思う。

【有川部会長】
 これについては、昨年7月にまとめる作業をしたときにデータに基づいてかなりの議論をしたように記憶している。若手研究は、その枠組みの中で、例えば若手研究(S)ができたり研究期間を延ばしたりした。一方で、若手研究に何回も応募する人が出てきて基盤研究になかなか移っていかないことや基盤研究のほうが競争が厳しいということがあって、若手が優遇され過ぎているのではないかというような議論があったと記憶している。今の4ページ、5ページのところには奨励研究として始まった過去の歴史的なことなども書いてあるが、基盤研究とは全然別な体系として成長して充実してきた。そして、その結果、もともとの基盤研究などと整合しない、あるいは対立するような形になっているのではないか。また、若手という考え方は本当に健全なのかという考え方もあった。若手は確かに支援しなければいけないが、若手という特別のくくりをして、しかも39歳などと年齢ですぱっと切れるようなものなのか。現に45歳を若手というような面もある。そういったことも含めてひずみが出てきているので、考える時期にきているのではないかということである。
 一方で、政権交代によって来年度の予算編成をやり直すことがあった。そのときに、研究期間が延びたことに伴う後年度負担の問題や、あるいは間接経費の措置の問題などもあって、やむなく若手研究(S)と新学術領域研究(研究課題提案型)の新規募集を停止した。
 今、家先生から若手研究に関して、奨励というようなことを残しておいて、ほかについては一本化してもいいのではないかという話があったが、それに関してはどのように考えられるか。

【三宅委員】
 アメリカの最近の動きを見ていて、こういうことが日本でもできれば良いのではないかと単純に考えた例が3つ程ある。1つは、かなり大きなお金を出して実績を上げているところにアワードを出すということである。アメリカの最近の傾向として、アワードをもらったところが4つあれば、4つの拠点の若手が集まって自分たちでコミュニティをつくるお金をその中から取ることにしている。そうして、同じようなことをやっている1つ1つの拠点から選ばれたリサーチアシスタントのトップなどが集まって、自分たちで意見交換をするためにネットワークを活用してカンファレンスのようなことをやっている。そこで若手がものすごく伸びるというようなことを、NSFのプログラムオフィサーから聞いた。これをやってきて一番よかったのは、若手がとにかく伸びたことだということを非常に強調していたのが印象的だった。若手をサポートするときに、コミュニティの中で若手を育てることを背負っている拠点が、その中だけで若手を育てれば良いのではなく、若手同士がコミュニティをつくってイノベーションを起こしていけるというようなサポートもあり得るのかもしれない。
 2つ目は、45歳が若手かという話で、もう30年前になるがアメリカにはこういうシステムがあるのかと驚いたのは、申請する対象が基金で、年間に全米で2、3人しかこのようなお金は取らないが、今まで心理学をやってきた人が脳科学をやりたいというように領域変えをしたいとき、新しい場所に移るための資金として、自分が抜けた後を埋めてくれる資金や家族が引っ越しする費用を全部サポートしてくれるというのが印象的だった。そのターゲットは40代だったと思うが、精神的な若手というのもサポートするシステムがあると良いのではないかと思った。
 最後は、オバマ政権にかわって基礎研究を充実するための資金が出たときに、彼らは国が新しくトップダウンで領域を決めてノーベル賞をとってくれるような人をサポートするのではなく、日本の基盤研究(A)や(B)に当たるところの次点レベルの研究で既に評価が済んでいるものを全部すくい上げた。あのやり方はうまいなという感じがした。そういうことをやっていれば、今回の事業仕分けのようなことがあったときにも、これだけぎりぎりでやっていて余裕があればもっと基盤研究を幅広くサポートしていく準備も理念もあると言えたのではないかと思った。

【有川部会長】
 最後のところに関して言うと、例えば最先端研究開発支援プロジェクトの2,700億円のうち、せめて500億円ぐらいを科研費の基盤研究のために使えば、ものすごい効果があったかもしれないということは感じている。実際に次点のところに入っているような人で立派な研究をやっている人たちがたくさんいると思うので、採択率が30%になるなら劇的に変わってくるのではないかという気がする。
 それから、あと2つについてはいきなりは難しそうな感じだが、いずれにしても科研費に関してはかなり透明性も公平性もあって、誰に説明してもわかってもらえるぐらいのものを常に示しておく必要があるのではないかと思う。そのような工夫はこれからしておかなければいけない。

【家委員】
 三宅先生が最初に言われたコミュニティで若手を育てるということは、科研費の枠内では特定領域研究や新学術領域研究の非常にうまく運営されている領域に関しては、そういうことが積極的になされていると思う。これは日本にしかないところで成果が出ていると思う。

【有川部会長】
 そのことについては私も何件か知っていて、よくそれぐらいの金額でこれだけの若手を教育したなといった例が幾つもある。それは際立った成功例だと思うが、そういうお金の使い方というのはものすごく効果的だと思う。

【深見委員】
 基本的に若手の支援をどのように考えていくかという原点に戻ってきた場合に、本質的には奨励研究だったときの広く浅く支援することが一番重要なのではないかと思う。ただ、若手研究(A)をつくったときに、若手研究(A)をとっている若い人にとってはステータスとなることで、やる気をすごく引き出したことも事実ではないかという気はする。今でも若手を支援する「さきがけ」などもあるが、科研費の若手研究によって若い人が非常に広く浅く支援されている。一方で、若手研究(A)をとるためにモチベーションを上げるという意味合いも大きいのではないかという気がする。
 ただ、若手研究(S)をつくったことによって、すごくゆがみをつくり出してしまったと思う。制度的に基盤研究と若手研究という2本立てでやること自体は全く悪くなかったと思うが、若手研究(S)という大きなものをつくり出すことによってゆがみが生じたことは1つの失敗だったのではないかという気がする。今後、若手研究の在り方、目的を考えていく上で、奨励的な若手研究(B)を充実させ残していく。そして、基本的な方針としては基盤研究に移行していく。そのときに、若手研究(A)については、効果とデメリットが両方あって、メリットもすごく大きいと思うので、完全にやめてしまうということに対して少し心配もあるが、基本的な概念というところでは広く配分するという方針を持っているべきなのではないかと思う。

【甲斐委員】
 今の若手の議論に関しては、家先生のご意見に全く賛成で、若手研究にあった精神として、基盤研究に早くスムーズに移行できるようにするために、若手を優遇する措置が必要であるということについては皆さん同じ意見だと思う。そこを少し優遇するのであれば、若手研究だけ少し採択率を上げるというのも1つだと思う。今まで採択率が20数%だったものを35%にするなどということをすればエンカレッジになるのではないかと思う。
 若手研究(A)に関して今後も残すということであっても、基本的には基盤研究でもやれる人は年齢制限のない基盤研究に早く入ったほうが良いと思う。若手研究(A)がエンカレッジだったというのであれば、基盤研究(B)よりは少なくても良いと思う。若手の中だけで争えば良いものが出てくるというのがエンカレッジであれば、自分に力があると思えば基盤研究に移っていくので、採択率をあげるような工夫でよいのではないかと思う。基本的には、若手はとにかく採択されやすくして何回かのチャンスを与えて自分の基盤をつくらせる。それから一般的な基盤研究で戦っていけばどんなグラントにも応募していけると思うので、そのようなことをエンカレッジするべきだと思う。
 この研究費部会ではほとんど科研費のことを議論するのだと思うが、先ほど三宅先生が言われたような新しいグラントの姿勢などを提言することはできると思う。若手がコミュニティを使って発言し合ってお互いに良くするというのは、新しい科研費のシステムとしてコミュニティに対する経費を出して議論をしていけるような新しい枠組みをつくれば可能ではないかとも思う。
 若手研究者には研究費のサポートはもちろん大事であるが、先ほど部会長が言われたようにまずはそのポジションが大事だと思う。食べていけるだけの給料がもらえるということはサポートとしてとても大きい。それが若手研究者が心配していることだと思うので、今、日本学術振興会にあるPDの枠を増やす。それからSPDに、特任助教、特任准教授クラスの給料が出るのであれば、外国で給料とグラントをもらっている人と同じように、ポジションがなくても給料つきでいろいろな研究機関に行ける。それは、独立する人にもエンカレッジになると思う。日本は研究費と給料が一体的なシステムになっていないが、研究費についてはこちらで考えるので、日本学術振興会では特別研究員の充実などを検討してはどうかということを提案するのは、研究費部会としては難しいのか。

【有川部会長】
 境界の部分は当然あるので、それは少し踏み込んでも構わないと思う。今期の冒頭で越境しますというような言い方をしたと記憶しているが、そのくらいのことをやった上で、科研費などをしっかり議論するほうが良いのではないかと思う。

【小林委員】
 それは構わないが、PDは減少傾向にあるので、それをとめる必要があると思う。

【井上(一)委員】
 科研費では基盤研究がまず基本にあるが、その条件を見て、それでは覆いきれないので若手研究ではこういう点も考えなければいけないという観点で考えたときに、正直、若手を特別扱いする理由があまり見つからない。
 1つは、若手は研究環境が不安定なので、そこを見てあげるという観点はよくわかるが、それは生活費や環境を整備してあげるということと一体でなければならないと思う。研究費だけを特別に扱う理由はよくわからない。もう1点、研究実績がないということで、同じ土俵で競争すると不利になるというような点があるのかもしれないが、この点は、先ほど出ていた新しい分野に出ていくという考え方をとれば、年齢は関係なくいろいろな部分に起こり得るような気がするので、その点で若手を特別扱いするのはわからない気がする。3つ目として、若手がある種の研究グループに入っていくと、それまでの教授や准教授などの下になるので自分では新しいことがなかなかやれないという面があるということもあると思う。ただ、それも新しいことをやり出すという点については年齢は関係なく、整理が少し異なるのではないかという気がする。

【有川部会長】
 自分たちが若手だったころのことを考えてみると、若手研究のようなありがたい制度はなかったと思うが、教授のもとで、あるいはチームの中でやっているときに、気がついてみたら一番若くても自分が言っていることがチームのテーマになったというようなこともあった。教授などの下働きをさせられるというようなことではなく、むしろ自分の考えを出して認めてもらって、全体のテーマにしてしまうというようなことを多くの方は経験されているのではないかと思う。分野によっても違うと思うが、若手ということで言うなら研究費と給料がついているものがあっても良いのかもしれない。ただ、定年延長の問題が済んだ後には少し変わってくると思うが、どこの大学でもこの2年ぐらいは非常に厳しい状況にあると思う。

【金田委員】
 若手の方々の研究をエンカレッジするという基本線と、できるだけ早く科研費の中核である基盤研究に参加できるような形にするという基本線に関しては私も全く同感であるが、人文系の研究者の立場からすると、期限つきで短期的な形で考えなければいけないという状況に急速に流れていて、それが企業で言うと期限つきの雇用が終わってみんななくなってしまったという状態になってしまうのが一番困るところで、もっと長期的な研究をしなければいけない。そんなに多額の研究費は必要ではないが、長期的に研究しなければいけないという状況の中で、当面の厳しい状態もあって短期的な雇用は一定程度いろいろな機関で準備されているとしても、長期的な雇用が若い人たちに対して十分準備されていないという状況がある。特に人文系の場合などは身分が非常に不安定で、腰を落ちつけて研究することができにくい状況である。もしこの研究費ということを離れて研究者のポスト、あるいは雇用ということについて発言できるのであれば、そのような状況も1つ大きな問題であるので、長期的なポストの準備が必要なのだというところもあわせて指摘しておいていただけたらありがたいと思う。

【鈴木委員】
 採択率を上げるということをまず研究費部会の基本路線にする。結局、長期的にやっても研究期間は3年か4年なので、次の応募に向けてこの研究に対してはこうだとレビューをする。だれかのレビューを受けるというのは必要だと思うし、そのときに採択率を高くして良い仕事をしていれば次も通るという環境をつくることで、いろいろな問題がある程度解決できるような気がする。その意味では採択率を上げるということを基本路線にするかということはここで議論すべき点だと思うが、若手研究から基盤研究にスムーズに移行することが必要かどうかという点については、そこまで面倒を見る必要はないのではないかと思う。若手研究の範囲の中で懸命に頑張ればいいのであって、それを超えたあとに基盤研究に進むか進まないかは、その人の力である。若手研究が終わったから基盤研究に移さなければいけないという必要は全くないと思う。

【中西部会長代理】
 今いろいろな方のご意見を伺って、若手をサポートするという心には変わりはないが、若手に実績がないということが若手の一番のハンディだと思う。それに対して採択時の評価項目として少しハンディをつけるということなどがあれば、制度的には若手という枠ではなく全部基盤研究に一本化したほうが良いと思う。今、競争的資金の全体を見直して、似たような競争的資金を一緒にするなどという議論がある中では、科研費はすっきりした形で、しかも審査の際の評価項目の1つとして若手に配慮するということにすると非常にわかりやすい気がする。先ほどの生活面ということは少し異なる側面があるので、それはこれから考えていくことだと思うが、科研費としては将来的には一本化すべきではないかと思う。

【有川部会長】
 かなり明確な意見である。そのことと、もう一つは、もともと奨励研究だったものが若手研究になっているが、若手研究という名称でいいのかどうかということはある。奨励研究という名称であれば、研究テーマを新たに変えるような場合にも使える。最初の立ち上げのときに奨励するというように、年齢と基本的にはあまり関係ないような仕掛けのほうがいいのではないかと思うが、様々なところで使われているのは若手という言葉である。その辺はどう考えるか。例えばもとの名称に戻ってもいいと思うし、あるいはほかに良い言葉があれば、それでも良いと思う。

【井上(一)委員】
 奨励と言うときのイメージは、若い人に早く自分の研究を切り開く経験を積んでもらうことを奨励するという趣旨か。

【有川部会長】
 そうである。

【田代委員】
 奨励研究(A)という研究種目があるが、昔は奨励研究(B)という研究種目もあったのか。

【山下企画室長】
 かつては奨励研究(A)と(B)があって、奨励研究(A)は研究歴の若い研究者を支援していて、奨励研究(B)は今の奨励研究と同じように、小・中学校、高校の先生方などの研究を支援していた。

【家委員】
 奨励研究は、研究者番号を持っていない人たちも応募できる。

【有川部会長】
 昔に戻るのではなく新しい概念のもとに整理するということで、言葉遣いとして若手ということに対してのこだわりが若干ある。

【家委員】
 私は昔の奨励研究というのはいい言葉だったのではないかと思う。先ほど平成14年に予算の余裕ができて若手のほうに手厚くなったのではないかという分析をされたが、これは逆の意味があって、予算を伸ばすために新しい研究種目をつくって、それによってその時々の文科省の担当者が大変な努力をして予算を伸ばしてきたところである。それはそれで戦略として大変努力していただいたとは思うが、一方でどんどん新しい仕組みをつくってきてしまった。それが果たしてよかったのかどうか。
 今までの奨励研究ないし基盤研究、昔でいう一般研究の枠組みのまま予算が伸ばせて採択率を上げることができれば一番よかったと思うが、新しい仕組みを提示しなければ大蔵省がなかなか納得しなかったというところがあって、そのような経緯でやってきた。
 そのときに、今でいう奨励研究に関しては奨励研究(A)、(B)があって、(B)のほうに奨励研究という名前を残すために新しく名称を考えなければいけなかったので、若手研究という名称になった。若手研究という名称については、発足した当時、我々は若手とは何だということでかなり違和感を持った。

【小林委員】
 皆さんのご意見を伺いたいが、参考資料2の2枚目の単年度ごとの応募金額をそろえるという選択のときのデメリットのところに、長期間の研究計画への応募が増加することによる後年度負担の増加のために新規採択率が下がるのではないかという指摘がある。確かに新規採択率が下がることは心理的な影響はあるかと思うが、現実にはもし予算総額が同じだとすれば、研究費をもらっている人の割合は変わらないことになる。新規採択率が下がるということはどの程度避けるべきことと考えられるか。その辺の感覚を伺いたい。

【有川部会長】
 基盤研究の件について、今の参考資料2を簡単に説明していただきたい。

【山下企画室長】
 参考資料2については、前回1月21日の研究費部会において、資料2「科研費の在り方について(論点メモ)」の基盤研究の応募総額の見直しについてということでご意見をいただいた3案を、ポンチ絵風にまとめたものである。第1案からざっと紹介をさせていただくと、第1案については、例えば基盤研究(C)の応募総額を1,000万円まで引き上げ、それに伴い基盤研究(B)の応募総額を1,000万円から3,000万円まで引き上げた場合の案である。
 それから、第2案は基盤研究(A)から(C)の単年度当たりの応募金額を定め、当該金額に研究期間の年数を乗じた金額を応募総額とする案である。この第2案についてのメリットとしては、研究期間の長さと応募総額の上限が比例関係となるために、長期間の研究課題の応募を促進し、シームレスな研究活動の支援に資するというようなことが考えられる。一方デメリットとしては、現実の研究計画の多くは設備の購入等により初年度に大きな金額が必要になるものが多いが、単年度当たりの上限を定めるこの方式ではそうした研究計画に対応できない、あるいは長期間の研究計画への応募が増加することによって後年度の負担が増加して、新規課題の採択率が低下するといったようなことが考えられる。
 それから第3案は、「基盤研究(A・B・C)」を統合して、研究期間3年から5年、応募総額5,000万円以下の「基盤研究」(仮称)を設けるということである。この案のメリットとしては、現在の「基盤研究(A・B・C)」の種目ごとの応募総額の上限による縛りや、それぞれの研究種目に応募する研究者の層や構成を気にすることなく、各研究者が研究課題を実施するために必要な金額で応募ができる、あるいは若手研究との関係で基盤研究が魅力がないというような問題が解消されるということがある。一方デメリットとしては、応募いただいた後で総応募額に応じて大規模、中規模、小規模のグループ分けをして審査、採択をすることになるが、そうした場合に各グループでの採択率が同程度であれば、より高い金額での応募が増加する傾向が促進されるので、予算額の増額を図らなければならないのではないかといったようなことが考えられる。

【有川部会長】
 今、説明があったように、基盤研究に関する資料で、この辺も含めてご意見をいただければと思う。今日は、理念的なことを一般的に議論して、少しずつ具体化していくというやり方をしているつもりである。
 例えば一番極端な第3案というのがあるが、こういったことをやると相当混乱すると思う。それから、実際に審査する側でも、小規模グループ、中規模グループ、大規模グループに分けるとすると、研究内容を金額で審査するのかというようなことにもなってしまう。現行の基盤研究(A・B・C)にも多少そういう面はあるが、もう少し理念的な側面が現行のものにはあると思う。
 このような議論は極端なところからやっていくほうが良いと思うので、例えば第3案などについてどう考えられるか。

【深見委員】
 大規模グループという意味は、研究者メンバーが多いという意味ではなく、応募金額の大きいグループという理解でいいか。

【有川部会長】
 金額の大小に応じて3グループに分けるという意味である。

【山口学術研究助成課長】
 ここは、最初の案では上位、中位、下位グループと書こうとしていたことがあるが、そうすると結局、上下関係のようなイメージになってしまうのでこのような形になった。そもそもこの案をつくったのは、基盤研究(A・B・C)の枠が研究者の応募行動に影響を及ぼしているのではないかということがあって、それを取り払ったら一体どうなるのだろうかということで議論のためのたたき台としてつくったものである。課内で議論している中では、応募する方が大きいほうを選ぶようになるのか、それとも安全な方向で小さいほうを選ぶようになるのかということについて、一体どのような応募行動をとるのかがはっきりわからなかったので、ぜひご議論いただいて、きっとこうなるだろうというものをいただければありがたい。

【井上(一)委員】
 この方式にした場合に、今は分野ごとの配分を応募、採択件数で位置づけているが、そのあたりは、どのような考え方をされるのか。それによって、分野ごとの競争でみんな大きな金額を出すということにならないようにしなければいけない。

【三宅委員】
 最近、科研費に応募してくださいという要請が、大学の事務局から来ることが多くなっていて、科研費に何人応募しているかということが数えられることもある。そのときに、非常に規模の小さな50万円が2年というような計画を出すと、もう少し練り直して出してくださいと返ってくることもあったそうである。そういうことではなく、自分が研究をしたい期間や金額を研究者が自覚的に選んで応募する契機となるのであれば、このような方向というのはありではないかと思う。

【金田委員】
 第3案については2つの意味で非常にリスキーだと思う。1つは、最初にどのような行動になるかわからないので、それ次第で制度が大きくゆがんでしまうかもしれないということである。1回目で次の行動がほとんど決まってくるので、そこが非常にリスキーだと思う。それから、予算額を大幅に増加しなければ採択率が下がるという条件を書かれている案が幾つかあるが、現在行っている議論の流れからしても、採択率が下がるということは根本的に具合が悪いのではないかと思う。

【小林委員】
 それは新規採択率についてか。それとも継続も含めた全体としてのことか。

【金田委員】
 説明としては、全体としてのことである。

【有川部会長】
 研究期間が長くなると、長い期間で採択されている人はその間新規の応募をしなくなるので、最初はともかくとして、5年たてば今と変わらない状況になっていくと思う。

【家委員】
 第3案は根本的に考え方を変える話で、非常に魅力的ではある。ただ、言われるようにリスキーなので、もっと無責任な制度であればやってみたい気はするが、科研費のような大事なところでこういうことができるかどうか。
 それから、全体の採択率が低下するかどうかは、これに対して研究者側がどういう行動をとるかということと、充足率をどう考えるかということが関わってくると思う。充足率をむやみに低くすることは好ましくないとは思うが、一方において研究者のほうも少しモラル的に疑わしいところもあって、どうせ削られるからという感じで少し多めに申請するという行動がないとは言えないので、その辺のところも考える必要がある。

【岡田委員】
 今の時期に一番大事なのは、研究者に対して文部科学省や研究費部会がエンカレッジしているのだということをいかにきちんと伝えるかということだと思う。そういう意味で、採択率を上げるということは一番明確なメッセージになるのではないかと思う。研究者にとって、科研費だけに限らないが研究がとまってしまうということは一番の恐怖だと思う。
 そうすると、できるだけ研究期間が長いもの、金額も大きいもので応募したいということは当然出てくる。それぞれのプロジェクトだから、これは2年、これは3年でいいだろうということを言われるが、それはある種逆であって、3年のプロジェクトに出すのであればこのテーマでまとめよう、5年のプロジェクトであればこういうテーマで少し大き目にして、その間に毎年の達成目標を決めていこうと当然考えていく。研究者というのは自分が研究者人生を終わるまでの長いテーマがある。その中のどこを切り取ってプロジェクトとして出していくかというのは、ある種のテクニックにもなってきている。そのようなこと考えると、大事なことは採択率を今よりも上げるためにはどうするか。実際のトータルの金額というのは現在の経済状況ではそれほど急に増えることは考えられないので、その中で採択率を上げるためにはどのような決め方がいいのかということを考えておいたほうがいいのではないかと思う。

【有川部会長】
 採択率を上げることが基本だということについては皆さん異論のないところだと思うが、一方で財政状況がかなり厳しく全体の予算を上げることができない中で方法があるとすれば、それぞれの上限などを押さえぎみにするということにならざるを得ないと思う。
 そうした場合に、基盤研究に関してもし現下の情勢の中ででも採択率を上げるということであるとすると、金額的な面では少し我慢していただかなければいけないというようなことになると思う。そのようなことをして、その次の段階として全体の予算が増える努力を国民各層の理解を得ながらやっていくということになるのだと思う。

【岡田委員】
 先ほど申し上げた点に加えてもう1点大事なことは、継続性ということだと思う。システムが数年ごとにどんどん変わっていくことは非常に混乱を与えてしまうので、5年、10年というような十分な期間を1つのシステムで続けることを考えた上で変えていくことが必要だと思う。基盤研究(A・B・C)にしても、こういう人が応募して採択されている、こういうテーマは採択されていないということを応募者自身が理解するまでに何年も時間がかかるので、制度が数年でどんどん変わっていくと、そのようなことをきちんと学んで落ち着いたスタンスになる前にまた変わってしまうということになって、非常に混乱を招くと思う。

【有川部会長】
 制度があまり頻繁に変わらないようにしなければいけないということだと思うが、それは当然のことである。それから、例えばいろいろな事情があって、基盤研究(C)の応募者が非常に多いが、こういったものはしっかりとらえて、それに対する対応をしなければいけない。一方で、応募者が多いということは世の中に対してアピールできるということにもつながっていくと思う。基盤研究(C)に固まっているのが健全でないというような意見も以前にあったと思うが、そう考えずに、そこにものすごく関心と需要があるのだと考えることができると思う。

【鈴木委員】
 応募総額をあげるより採択件数を増やしたほうがいい。お金はある程度倹約することができるので、それほど応募総額を上げる必要はないのではないか思う。それから、今の基盤研究(A・B・C)以外に、目的の異なる昔の試験研究のようなものを新たに加えながら、できるだけ重複制限を緩くするような形にすれば、一緒にまとめたようなものができることがあるので、そのような工夫もあるのではないかという気がする。

【水野委員】
 採択率を増やすには、きめ細かくするしかないと思う。基盤研究(C)で500万円という上限にしても、生存競争なのでみんな上限いっぱいに応募する。理科系では500万円では何もできないという研究はたくさんあって、基盤研究(C)は1,000万円でないと実質的な需要には応じられない。一方で、文科系で1,000万円の請求では、同業者から見たときにこんな金額は不要だということがたくさんある。そのようなときに、審査側で大幅に減らして、そのかわり採択率を増やすという裁量権限を与えていただければ、採択率はかなり変わるだろうと思う。

【有川部会長】
 今日はかなり広く深い議論ができたと思う。前回、特に理念などについてきちんと議論したほうがいいということがあったので、今日はそういったことも含めて、少なくとも方向性の議論はできたと思う。

(2)その他

 事務局から、次回の研究費部会は3月19日(金曜日)13時30分から開催予定である旨、連絡があった。

(以上)

お問合せ先

研究振興局学術研究助成課

-- 登録:平成22年08月 --