【2】 大学・大学共同利用機関における独創的・先端的研究の推進

(大学・大学共同利用機関における独創的・先端的研究の推進)

○ 国公私立大学の附置研究所、研究施設などの研究組織は、優れた研究の芽をさらに発展させる場である。特定分野の研究を組織的・集中的に深め、先端的な研究課題に自主的に取り組んだり、個々の学部・研究科等では実施が困難な他分野にまたがる総合的な研究体制を構築し、細分化された研究の組織化や新たな研究領域の開拓、課題解決に向けた総合的なアプローチを行ったりするなど、各大学における特徴的な研究の発展に大きく寄与している。

○ また、大学共同利用機関は、我が国の学術研究の中核拠点として、個々の大学では整備が困難な大規模な研究施設・設備や大量の学術情報・データ等を全国の研究者の利用に供し、効果的な共同研究を実施することで、我が国の学術研究の発展に重要な役割を果たしている。

○ このため、これらの研究組織において行われる独創的・先端的研究については、内外の研究動向や研究者コミュニティの意向等を踏まえつつ、我が国全体の学術研究の発展の観点から、国として着実に推進する必要がある。

(学術研究の大型プロジェクトの推進)

○ 独創的・先端的研究の中でも、とりわけ学術研究の大型プロジェクトは、最先端の技術や知識を集約して人類未到の研究課題に挑み、世界の学術を先導する画期的な成果を期するものであり、大学・大学共同利用機関における研究・教育を支え、国民の科学への関心を高めるだけでなく、国際的な競争と協調の中で我が国がリーダーシップを発揮して世界に貢献する上でも、推進する意義は大きい。

○ 多くの物的・人的資源の投入を要する学術研究の大型プロジェクトは、個々の国公私立大学では実施が困難であり、国の学術政策として、共同利用・共同研究体制により、国公私立大学の研究者の参加を得て推進していく必要がある。

○ このため、学術研究の大型プロジェクトの実施に当たっては、国は、研究者コミュニティにおける開かれたボトムアップの議論と合意形成の上に立ち、長期的展望を持って、計画的・安定的な財政措置を行うことが必要である。

(共同利用・共同研究の一層の推進)

○ また、我が国の学術研究の基盤強化と新たな学術研究の展開に資する観点から、共同利用・共同研究の一層の推進を図っていく必要がある。共同利用・共同研究のシステムは、個々の大学の枠を超え、全国の国公私立大学等から研究者が集まって共同利用・共同研究を行うものであり、我が国が独自に発展させてきた仕組みである。多様な背景を有する全国の関連研究者が共同して研究を進める有効性は大きく、国際レベルの研究成果を上げるなど、我が国の学術研究の発展に大きく貢献している。

○ このような観点から、大学共同利用機関はもとより、共同利用・共同研究拠点(文部科学大臣が認定する共同利用・共同研究を行う施設)についても、研究活動を支える安定的・継続的な財政措置を講じる必要がある。

お問合せ先

研究振興局振興企画課学術企画室

(研究振興局振興企画課学術企画室)