独立行政法人 日本貿易振興機構 アジア経済研究所

(※以下は、アジア経済研究所のHPより抜粋)

概要

 アジア経済研究所は、日本における開発途上国研究の拠点として、世界への知的貢献をなすことを目指しています。そのために、それぞれの地域に密着した知識を収集・蓄積し、開発途上国の実態と課題を明らかにし、開発途上国に対する深い理解を広く国内外に提供します。こうした研究所の活動は、日本の国際理解を深め、ひいては日本と国際社会との望ましい連携を促進するための知的基盤となるものです。

主要事業

  1. 調査研究:開発途上国・地域を対象とする現地主義、実証主義に基づく基礎的、総合的調査研究
  2. 研究交流:海外、国内との共同研究、および開発途上国研究交流の活動拠点
  3. 資料情報:開発途上国・地域に関する図書、雑誌、地図、法令、統計など各種資料の収集、整備、およびそれら豊富な情報の提供
  4. 成果普及:調査研究成果の普及
  5. 開発研修:開発途上国・地域の経済社会開発に携わる人材を育成する「アジア経済研究所開発スクール(IDEAS)」の運営

調査研究方針

調査研究の3つのミッション-持続的な成長と発展、貧困削減、平和と安全

 開発途上国・地域の持続的な成長と発展、貧困削減、平和と安全に資する研究を行うことが、アジア経済研究所の調査研究のミッションです。

2006年度の調査研究方針

調査研究のミッションと開発途上国をめぐる現下の情勢認識にもとづき、アジア経済研究所は2006年度の調査研究方針として、次の4つのテーマを中心に取り組みます。

  1. 東アジアの地域統合
  2. 生産流通ネットワーク
  3. 労働市場と社会政策
  4. 統治システムと地域の安定

(アジア経済研究所 調査研究方針)※HPより抜粋

 開発途上国・地域の持続的な成長と発展、貧困削減、平和と安全に資する研究を行うことが、アジア経済研究所の調査研究のミッションです。

1.持続的な成長と発展(Sustained Growth and Development)に資する研究

 持続的な成長と発展とは、経済が安定的に成長を続けるとともに、人々がより良い生活を送ることができるように経済社会の制度や構造が変化していくことを指します。開発途上国・地域が貧困や失業を解決するためには、援助に過度に依存することなく、長期にわたってバランスのとれた成長を続けていくことが不可欠です。また、成長を地球環境の保全と両立させ、経済社会を質的に向上させる必要性が今日いよいよ高まっています。アジア経済研究所は、開発途上国・地域の持続的な成長と発展に資するべく、経済活動、法制度、人的資源、環境などをめぐる諸問題の研究に取り組みます。

2.貧困削減(Poverty Reduction)に資する研究

 貧困削減とは、生活における最低限の必要を満たしていない人々の数を減らし、彼らの生活水準を向上させること、さらには不平等を是正して公正な社会を実現することを指します。新千年紀を迎えたのを期に、国連は2000年にミレニアム開発目標を定め、貧困と飢餓、教育、ジェンダー、保健、環境についての具体的達成目標を掲げました。これらの目標に代表される貧困削減への取り組みは、現代世界にとって喫緊の課題です。アジア経済研究所は国際社会と協力し、世界の貧困削減を推進するため、開発途上国・地域の貧困問題の研究に取り組みます。

3.平和と安全(Peace and Security)に資する研究

 平和と安全とは、武力を伴う紛争が起きていないだけでなく、国家間、国家、地域、さらには個人に至るまでの多様なレベルで安全が保障され、人権が侵害されていない状態を指します。開発途上国・地域に平和と安全を確立するためには、発生した紛争の処理はもとより、政治のあり方を改善するなど、紛争につながる様々な脅威を取り除くことが必要です。アジア経済研究所はこうした観点から、紛争問題、民族・宗教問題、国家の統治をめぐる諸問題、人間の安全保障などの研究に取り組みます。

(アジア経済研究所 2006年度の調査研究方針)※HPより抜粋

 調査研究のミッションと開発途上国をめぐる現下の情勢認識にもとづき、アジア経済研究所は2006年度の調査研究方針として、次の4つのテーマを中心に取り組みます。

1.東アジアの地域統合

 東アジア地域では、国際的な工程間分業を主体とした実質的な経済統合が進み、さらに自由貿易協定(FTA)による制度的統合へと移行し始めました。研究所は、2004年度より「東アジアの地域統合」研究を重点研究と位置づけ、地域統合がもたらす影響、域内協力の制度化、域内各国の構造改革などの研究を進めてきました。2006年度は、域内FTAの交渉過程、産業・貿易パターンの変化、中国台頭の影響などにも注目し、東アジアの地域統合の進展に伴う諸問題を多角的に研究します。

2.生産流通ネットワーク

 開発途上国、とりわけ東アジアでは、貿易自由化、インフラ整備などによる輸送費の低下が進み、多国籍企業を主体とする生産流通ネットワークが形成されています。さらに、中国経済の発展やアジア企業の成長が生産流通ネットワークの形成に勢いを与え、経済のボーダーレス化を促進しています。研究所は、東アジアを中心としたこのような状況を分析するとともに、分析に必要な貿易データの整備を行います。また、経済のグローバル化は一次産品の流通を変革し、途上国の農村と世界市場を統合しつつあることから、一次産品と農村経済の研究にも取り組みます。

3.労働市場と社会政策

 開発途上国においても投資環境の整備が重視されるなかで、労働者のセーフティネットが十分確保されないまま、労働者保護規制の緩和などの雇用の柔軟化政策が進められてきました。他方、貧困削減が世界的課題となるなか、その核となる雇用創出政策については十分な検討がなされていません。研究所はこうした状況に鑑み、途上国の労働・社会保障政策を検証するとともに、雇用創出や公共サービスの観点から貧困削減への方策を探ります。

4.統治システムと地域の安定

 冷戦終結、経済のグローバル化、情報通信技術の急速な発達といった近年の変化は、世界政治に大きな衝撃を与え、一部開発途上国の統治を不安定化させるとともに、一国の混乱が周辺諸国に波及しやすい状況を生み出しています。この今日的状況を考慮して、研究所は、アジア、中東、アフリカ諸国の統治システムを分析し、不安定性を生み出す構造的要因や民主主義定着への条件を解明するとともに、域内諸国との関係性に着目しながら、地域の安定に向けた方策を検討します。

お問合せ先

研究振興局振興企画課学術企画室

(研究振興局振興企画課学術企画室)