学術研究推進部会(懇談会)及び人文学及び社会科学の振興に関する委員会(懇談会)合同会議 議事録

1.日時

平成19年8月22日(水曜日)15時~17時30分

2.場所

学術総合センター 中会議場3,4

3.出席者

委員

中西部会長代理、伊井主査、立本主査代理、井上孝美委員、上野委員、家委員、猪口委員、谷岡委員、藤崎委員

(外部有識者)
 平良 一彦(琉球大学法文学部観光科学科長)

(科学官)
高埜科学官

文部科学省

徳永研究振興局長、吉川科学技術・学術総括官、伊藤振興企画課長、森学術機関課長、磯谷学術研究助成課長、戸渡政策課長、江崎企画官、後藤主任学術調査官、門岡学術企画室長、高橋人文社会専門官 他関係官

4.議事録

【中西部会長代理】 

 ただいまから科学技術・学術審議会学術分科会学術研究推進部会及び同部会人文学及び社会科学の振興に関する委員会を合同開催いたします。
 本日は琉球大学法文学部観光科学科から平良一彦学科長にお越しいただいております。平良先生におかれましては、お忙しいところ本日の会議にご出席いただき、どうもありがとうございました。
 それでは、配付資料の確認をお願いいたします。

【高橋人文社会専門官】 

 配付資料につきましては、お手元の配付資料一覧のとおりでございます。議事次第の2枚目でございます。欠落などございましたら、お知らせいただければと思います。
 それから、いつものことでございますが、基礎資料をドッチファイルの形で机の上にご用意させていただいておりますので、適宜ご参照いただければと思います。
 以上でございます。

【中西部会長代理】 

 どうもありがとうございました。
 これから議事に入ります。
 本日の議事ですけれども、人文学び社会科学の振興に関しまして、観光科学の確立を目指して琉球大学観光科学科の教育研究の取り組みについて平良一彦学科長からプレゼンテーションと意見交換を行いますとともに、人文学及び社会科学の振興について審議経過の概要(案)について議論することを予定しております。
 これらの議題におきましては、人文学及び社会科学の振興に関する委員会におけるものですので、同委員会の主査をお務めの伊井委員に進行をお願いしたいと思います。伊井先生、よろしくお願いいたします。

【伊井主査】 

 それでは、ただいまから議事に入ってまいりますが、前回も紹介いたしましたように、今、私立大学等を中心としまして、新しい学というものが興っているわけでございまして、そのうちの1つに、「子ども学」だとか「観光学」だとかというようなことの紹介を前回いたしました。早速今日は、その1つの事例といたしまして、今も紹介がありましたように平良一彦法文学部観光科学科長においでいただきまして、新しい学としての「観光学」というものはどういうものであるかということを我々の委員会でも知っておきたいと思っておりますものですから、プレゼンテーションをお願いしようと思っております。
 まず、「観光科学の確立を目指して 琉球大学観光科学科の教育研究の取り組み」と題しまして30分ばかりプレゼンテーションをしていただき、その後、また質疑応答ということにしようと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

【平良教授】 

 皆さん、こんにちは。ただいまご紹介いただきました、私、琉球大学の法文学部に現在あります観光科学科、「DTS」と呼んでおりますけれども、そちらの学科長を務めさせていただいております平良と申します。よろしくお願いします。
 こういうお話がありましたときに、人文学あるいは社会科学とあるものですか、私とは縁の遠いところだと思っていたわけですけれども、実は17年の4月から琉球大学法文学部の中に「観光科学科」というのができました。そのできる1年ほど前に学長と懇談をしておりまして、観光学部あるいは学科をつくるという話が出ているということで、もし沖縄にこの観光系の学部・学科をつくるのであれば、これは健康系がないとまずいのではないでしょうかと申し上げたら、じゃあおまえやれということで、結局、私は教育学部の「生涯健康教育」というところに籍を置いていたのですが、おととしの10月に法文学部の観光科学科に移ってまいりました。現在、学科長ということでありますが、何しろこの分野でのプロパーではないものですから、私自身も、今、勉強中という中で、こういう大きな役割を、肩の荷が重いという感じもいたしますけれども、担ってしまうことになりました。ひとつよろしくお願いしたいと思います。
 しかも、現在、この観光科学科は、今、創設3年目ですが、来年4月をめどに国立系の学部大学としては、できましたらまた学部をつくりたいということで、今、仮称ですが、「琉球大学観光産業科学部」ということで審議をお願いしているところでございます。そういうことで、この分野はいろいろな意味でやはり琉球大学は先陣を切っていろいろやっていかなければいけない責務があろうかと思っておりまして、これから私たちも一生懸命がんばらなければいけないかと思っておりますが、とりあえず今日は、私たちの学科、あるいはまた、新しくこの4月に発足いたしました経営の中の――従来、経営専攻が新しく「産業経営学科」ということとなりました。その産業経営学科と観光科学科が一緒になりまして新学部ということで動いておりますので、そういうほかの先生方と連携しながら新しい学部をぜひつくってまいりたいと、今、意気込んでいるところでございます。よろしくお願いします。
 では、早速始めさせていただきますが、よろしくお願いします。
 最初に、世界・沖縄の観光のトレンドといいますか、これを大ざっぱにお話ししたと思います。
 ここにありますのは、世界観光関連の事業の成長といいますか、特にこれは旅行者の数から見ての話ですが、観光する人たちが極めて増えていることが、どの世界の地域を見ても、右肩上がりに非常に急な上昇をしているということで、観光というものがそれぞれの国においても大きな関心事でもあり、また、経済という視点からも非常に大事なものになりつつあるなということがおわかりかと思います。
 これは、日本におけるoutbound、inboundの年次推移を見ておりますけれども、海外へ出て行く日本人観光客は非常に多いわけですけれども、実際に海外から日本訪問というのはまだまだということが、それを何とかしようということで、国も一生懸命、今、がんばっておられて、「観光立国」、観光の宣言を目指しましたし、訪日観光客の倍増計画も進んでおりますが。また沖縄県においても、昨年は564万人という観光客があったということですが、現知事は10年をめどに1,000万人に増やしたいというようなことで、いろいろ県の最重要課題ということでも、いろいろな施策が、今、進みつつあるということです。
 これは、発展途上地域における観光支出です。一番上の東アジアあるいは太平洋が一番多いわけですけれども、これも地域によって若干違いはありましても、いずれも大きな伸びを示しているということです、観光支出。
 次は収入です。収入も、東アジアは非常に大きな伸びを示しているということです。
 これは、経済の成長と観光収入の関係性を見ておりますけれども、GDPの増加と観光収入の増加は正の相関が見られることを示しております。
 特に、沖縄もそうですけれども、沖縄の近隣の東南アジア方面の、特に島嶼国あたり、人口が少ない国ほど観光収入に依存する傾向があるということで、観光に関する関心と期待は、それぞれの国でまた非常に大きいものを持っているということでございます。
 これは、それぞれの国のIncomeとExpenditure、このバランスを見ているわけですが、左側の日本は、やっぱり海外へ出て行くということで、こちらのほうが大きくて、海外から入ってくるのは少ないものですから、どうしてもこのようなアンバランスといいますか、支出が非常に大きい。これを何とかしようという、これも国策として非常に大事な分野だと思いますけれども、そういう方面でこのようなことのバランスを整えていくという意味でも、また観光産業の発展が強く望まれるわけですが、それを支援する科学、学問も大事になってくるのではないかと考えます。
 現在の世界の、これは途上国、あるいは先進国にかかわらず、大きな社会の動きがあるわけですけれども、グローバリゼーション、あるいはまた途上国の経済成長、あるいはまた、特に我が国もそうですけれども、少子高齢化がどんどん進んでいく。それから、需要の変化、いろいろな大きな変化がありますが、こういうことを受けて、観光分野でもいろいろな変化、あるいは競争が激化してくることを示している図ですけれども、それで観光分野においては、国際観光客の増加、あるいはまた、多くの国による観光振興に大きな力を入れている国がどんどん出てきた。それから多国籍企業の拡大、それから観光需要の多様化、それから観光の付加価値化、こういう方面がいろいろ期待もされております。また、現実にいろいろ起こっているわけですけれども、こういう中で、これがいい方面に働いている場合は、上のその右の青い部分ですけれども、国際的な所得の再配分という意味でのメリット、あるいは外貨準備、それから生活水準の向上という意味では非常にいいものを持っているわけですが、しかし、このような観光方面の動きにあわせて、いろいろ経済のゆがみだとか、あるいは自然破壊だとか、そういうようなこともまた言われていることも事実なわけですね。
 そういうことを考えますと、責任ある観光あるいは開発ということは非常に大事になってくるわけで、そういう意味で、これからの観光は基本的には「持続可能観光」ということをいかに目指していくかということで、これは観光の分野だけではなく、世界経済すべてが通ずることだと思いますけれども、「持続可能」がまず基本コンセプトになければいけないと考えているところであります。
 沖縄観光をちょっと示していきます。
 これは、沖縄の観光を1972年の本土へ復帰しましたその年からずっと見ているわけですけれども、いろいろ変化はありましても大きく伸びていることがはっきりわかるわけですね。このように伸びまして、去年は564万人。沖縄の人口は、現在、137万人ちょっとですから、相当多くの観光客が入ってきている。しかし、これは、ほとんどが本土からということで、海外からの観光も近隣諸国からありますけれども、必ずしもそう多くはないということです。
 沖縄の観光の1つの形態ですけれども、最近、非常に急激な伸びを示しているのがリゾート・ウエディングです。
 それから、修学旅行を中心とした学習観光といいますか、こういうものもいろいろ増えてきています。中学生、高校生、それから小学生も時々入ってきまして、それぞれ課題を持った生徒・学生たちが琉球大学にも訪ねてくるわけですけれども、こういうスタディー・ツアーも非常に大事なことではないかと思っております。
 修学旅行関係は、ちょうど5月、6月、あるいはまた10月、11月と、ちょうどその時期に非常に多くなるものですから、年間を通した沖縄の観光のバランスを考えますと、ちょうど落ち込む時期にそういう修学旅行者が多いということで、県としては非常にありがたいということを常々言っております。
 これは、入域観光客の月別の変動ということになりますが、3月を中心に、それから8月、夏を中心に、大きなピークが2つ見られるという特徴があります。
 沖縄の経済を支えるという意味でも、観光は極めて大きな伸びで、しかも、大きな重みも持っているわけですけれども、今や基地収入をはるかにしのいで、14.2%といいますか、そういうような数字になっておりますけれども、観光の経済波及効果は、本土の北海道、あるいは青森、東京、静岡、京都と示しておりますけれども、日本の中では非常に大きなものを持っているということで、今、県としても、この観光に大きな力を入れているというところです。
 これは、沖縄が観光ということで非常に注目を浴びますと、海外の外資系が最近は非常に目立つわけですけれども、既にありましたホテルの買収だとか、あるいは新しいホテルを建てるということで、非常に熱い、ある意味では経済的な戦争といいますか、こういう状態があるということで、そんな中で、いかに沖縄の本来らしいホスピタリティーを発揮できる観光を提供できるか、非常に大きな課題ではないかと思っております。
 このように世界全体の経済を考えても、やっぱりSustainableというのは非常に大事になってくるわけですけれども、観光においてもいろいろ大きな世界の流れの中で、特に国の行政という視点から見ても、この体制の確立が非常に大事になってきますけれども、開発とか、あるいは資源の管理、あるいは法的な規制・規則、あるいは自然環境の保護というようなことを考えて、やはり関連する体系をしっかり整えて「観光立国」ということを目指さなければいけないかと思っておりますけれども、それぞれの自治体でも、最近、少しずつ、そういう動きが出てきているということです。このようなバックグラウンドがあって、しかも、また、それを支える意味での観光関連の学問の発展が強く望まれるのではないか、そういうふうに考えております。
 うちの琉球大学の観光科学科は、できてまだ2年ちょっとといいますか、現在、1期生が3年生というところでありますけれども、スタッフもまだまだですけれども、何とか新しい観光を確立するということでがんばっているところであります。
 私たちの観光科学科の特徴といいますか、これは琉球大学が総合大学であるという、この総合大学、ほかの学部のいろいろな支援も受けながら総合大学の特徴を生かした形の観光系の学部・学科をつくっていくというコンセプトが当初からあったわけですが、学際的、それから文理融合型。現に私も、もともと観光プロパーでは全くなくて、医学部の公衆衛生学、あるいは保健学科、そういうところで長い間過ごしていた者ですが、回り回って、今、観光科学のほうに来ておりますが、観光というそれを進めていくために、従来の経済学とか、あるいは経営学、社会学、そういう分野が圧倒的に大きな比重を占めていたかと思いますけれども、やっぱりこれからの観光は、もっと医学、あるいは保健学、あるいは栄養学というようなこともどんどん取り入れた形で総合的な発展が望まれるのではないかと思いまして、琉球大学ではたまたまそういうことで文理融合型の新しい形の学科をつくったというのが特徴なわけです。そういう意味で、現在の法文学を中心とした人文社会学関係からの支援、あるいはまた医学部、工学部あたり、自然環境、そういったところからの支援、それから医学、保健学、そういうところからの支援を受けながら、新しいタイプの観光科学を目指していこうという考え方です。
 現在、法文学部の中にあるわけですけれども、法文学部の中では大きな柱が、総合社会システム学科、それから人間科学科、あるいはまた国際言語文化学科があります。そういう中で新しく観光科学科ができているわけですけれども、このように法文学部の中のほかの3つの学科からの支援と同時に、琉球大学の理学部、工学部、教育学部、農学部、医学部、こういう学部からの支援も受けながら、新しい学問の発展を目指していこうということであります。
 現在、私たちの学科(DTS)では、「観光経営(Tourism Management)」、それから「Tourism Planning & Policy(観光計画・政策分野)」、それから「Health Tourism(保健保養観光)」、それから「持続可能観光」、この4つの大きな分野がありまして、それぞれに今、10名が張りついているわけですけれども、特にこの下の「持続可能観光」、それから「保健保養観光」、この分野は理系の先生方が中心でいるのが大きな特徴だと思います。こういう4つの分野、それをまた中核に基礎的な必修科目、そういったのがあるわけですけれども、観光学概論とか、あるいは情報処理演習だとか、あるいはHospitality English、ホスピタリティー中国語、ホスピタリティー韓国語、そういった外国語を徹底させていくということと、それから、今現在スタートしました、1期生のインターンシップがスタートしておりますけれども、必修のインターンシップ制を設けて、社会にすぐ役立つ実践能力のついた学生をいかに教育していくかということで、今、動いているというところです。
 このような4つの分野で動いているわけですけれども、左手にありますように「持続可能・責任ある観光」、あるいは「沖縄観光の課題」や「日本観光の課題」、あるいは地球の環境の問題、いろいろなところにこの対照できるといいますか、そういうことを意識した形で新しい学部での人材育成、あるいはまたそれにかかわる研究を進めていくことが大学の観光系の学部の特徴になっていくのではないかということで、それを受けて、琉球大学の観光科学では、特徴のある、先ほど申し上げました4つの分野から成りますカリキュラムを提供しています。
 それから、学際的なアプローチ。これは、琉球大学が日本の南端にありますけれども、基本的には国際性、あるいはまた地域性という両方を大事な柱として、それぞれの学部が切磋琢磨していこうという大きな大学の方向性が定まっておりますけれども、そういうことにあわせて、この観光科学科のほうも、沖縄ということを意識し、あるいは日本ということを意識し、あるいは特にこのアジア太平洋ということを意識しながら、隣の国々との交流をいかに深め、それから、多くの留学生をこれから積極的に受け入れていく、あるいはまた、こちらから養成された学生たちが世界へ羽ばたいていけるようにということを意識しながら進めているということであります。
 で、語学教育ですね。それから国際理解教育。それからインターンシップ。
 これが観光科学科の大きな柱ということになりますが、こういうことを受けて、実際に地域における貢献、それから国際貢献、それから学術的な貢献という3つの大きな柱、この柱を生かして地域の活性化をどう進めていくか。あるいはまた、沖縄県の経済的な自立ということにも非常に関心を持ちながら、県の施策にも積極的にかかわっていこうという思いであります。それから、全体として、社会経済の発展にいかに寄与していくか、あるいは、そのための人材をどのように養成していくかということをいつも念頭に置いて学生を、今、養成しているということであります。
 これからですが、今までは基本的に高校卒業生、いわば高校生を受け入れることが圧倒的に多かったわけですけれども、先々、大学院のほうも考えておりまして、そちらのほうでは、特に観光分野でのリーダーの方々、そういうこと、さらにレベルアップしていくということもありまして、社会人関係の大学院生を積極的に受け入れていこうという話も、現在、進めております。
 それから、現在も留学生がおりますけれども、もっともっとこれは増やしていこうと。現在、うちの学科は60名ということになっておりますが、それから、産業経営学科も60名。産業経営学科のほうは夜間20名ついておりますけれども、それ以外に留学生をどんどん増やしていきまして、国際理解という大きな学部・学科の目的がありますので、そういうことで、そこで学ぶ学生が、学んでいる間に多くの皆さんと海外の留学生とも触れ合いながらこういう国際感覚を身につけていく、語学の能力をつけていくと同時に、国際感覚を見につけていく、これが一番大事ではないかと思っています。
 現在でも琉球大学は、地方にありながらも55の海外の大学と学術交流協定を結んでおりまして、かなり多くの留学生が出たり入ったりしておりますけれども、どの観光科学科でも、あるいはまた将来の観光系の学部でも、この留学生を積極的に受け入れ、皆さんとの交流を通じて、それぞれの国の文化の理解、あるいは人間理解ということと同時に、また、それぞれの国の観光産業にも大きく寄与していく人材育成を積極的に進めていこうと考えております。
 進路のほうのキャリアパスとしてはいろいろ下のほうに書いてありますけれども、特に観光関係では、これまであまり多くなかったと思いますけれども、健康を意識した分野の皆さんをどう育てていくか、これは非常に大きな課題で、私たちも日夜悩んでおりますけれども、ウエルネスデザイナーとか、あるいはエコツアー・コンダクター、あるいはフィットネスリーダーとか、あるいはホテルでいわゆるヘルス・コンシェルジュ、こういう健康関連の人材をどう育てていくかということもこれから真剣に積極的に考えていきたいと考えております。
 沖縄では、今、内閣府を中心に、あるいは経済産業省、県の産業の活性化を図る、その中でも特に健康産業をどう育成していくかということで、今、クラスター形成といいますか、保養あるいは健康食品、あるいは医療、IT、こういうものを核としながら、多くの産業の育成を図っていくということで動いておりますけれども、私たち、観光の教員もそういうところにも委員会に顔を出し、沖縄県の、特に健康分野での育成といいますか、産業の育成ということに非常に関心を持ち、現在はスパ、エステ、沖縄ならではのスパ、これをどう確立していくかということに対して委員会があり、あるいは勉強会を持っておりますけれども、そういう方面でのこれもまた健康ということを意識した形での人材育成とも非常に密接なかかわりのある分野だと思って積極的に協力しております。あるいは、その分野に必要な、今足りない、いわゆる科学的なエビデンスをどう出していくかということで連携しながら基礎的な研究を続けているというところであります。
 それから、エコツーリズムもそうですね。特に沖縄の、その中でも森林ツーリズムといいますか、北部を中心に、今、進めつつありますけれども、そういうところにも観光科学の教員がかかわりながら、地域と連携しながら、そこで必要なエビデンスをどう出していくかという基礎的な研究を、今、進めているというところであります。
 そういう意味で、まだ3年生で、しかも、今、インターンシップでいろいろなところに出ておりますけれども、来年、再来年と1期生が出ていくわけですが、多くの皆さんからの期待を担いながらも、まだ現実に1期生も出ていないということもありまして、ほんとうに大丈夫かという不安もありますけれども、今入っております学生、琉球大学の観光科学科は60名定員ですけれども、本土の18の都道府県から学生が来ていることもありまして、県内は若干多いことは多いですけれども、本土から非常に有能な優秀な学生たちがたくさん入ってきておりまして、そういう学生たちのレベルアップを図りながら、それぞれの分野で自信を持って活躍できる人材をいかに多く出していくかと。特にこのインターンシップでは今後ともどんどんやっぱり力をつけていき、もっとまた期間を延ばしていくというようなことを考えていきたいと思っております。
 これは、実際の教育の中でハワイ大学との連携が非常に強く、今、進められているわけですけれども、こうしてe-Distance Learning、実際にハワイ大学の講義・授業をこうして琉球大学の中でも聞くことができるということで、ハワイにおけるウエノ先生、現在、ハワイ大学の教授ですけれども、毎年2週間ほど琉球大学にもおいでいただいておりますけれども、その先生を中心に、観光の国際的な動向、あるいは特にハワイの観光の発展ということに関連するテーマで授業が展開されているわけです。今年も10月からまたスタートするわけですが、このようなe-learningというものをどんどん広げていき、これから学部になりますと、世界の多くの観光系の学部としっかり提携をしながら、お互いに双方向の相互交流、あるいは研究もそうですが、教育もそういうことが具体的に進展していくように、今、いろいろ進めているところであります。
 これはハワイ大学の観光学部、旅行産業学部の学部長の授業を聞いているところです。
 このようなe-learningシステムが正規の授業で、しかも単位制ということでスタートしておりますのは、琉球大学では観光科学科が早かったわけで、今、ほかの学部でもどんどん広がりつつありますけれども、こういうものを受けて、別に海外とだけでもなくて、沖縄県も離島が非常に多いわけです。そういう離島にある子どもたち、特に高校、あるいは離島の観光産業、そういうところの皆さんとも連携しながら、琉球大学の授業、あるいは講演が離島でも聞けるように体制づくりを整えていこうというふうに、今、動いております。
 これは情報教育ということで今やっております。
 これは、教育の一貫としての県内の世界遺産を学生と一緒に学んでいるところです。
 これは、英語サロンということで、英語の科目、教養時代からいろいろありますけれども、学部に入りましても英語関係の授業科目は幾つかありまして、特にこの英語サロンが、非常に肩に力が入らない形で、しかも、力のつく英語教室ということで、ホスピタリティーを学びながら、しかも、英語の力もつけていくという、非常に人気があります。
 これは、私たちが開催しました観光系の国際シンポジウムです。今までに2回、3回と行っておりますが、このように琉球大学も海外との交流関係をしっかりつくってきてはおりますけれども、特にこの観光系の学部・学科は、今後、こういうような国際シンポジウムを積極的に持つことによって、多くの国々の観光関連の学部・学科との提携、あるいはまた産業との提携を積極的に進めていきたい、そういう中で学生たちも積極的にかかわっておりますので、学生の教育という視点からも、このシンポジウムは研究成果の発表だけではなく、非常に大事なものと思っております。
 これは国際協力ということで、JICAと連携しながら、アジア、アフリカ諸国の皆さんの観光系のリーダー研修にも積極的にうちの学校がかかわっています。
 これは、実際に学生を連れて海外での研修。
 特にその中で私たちは健康の分野を担当しているわけですけれども、沖縄が健康長寿県ということで非常に有名なわけです。最近、男性の平均寿命が下がっているということはありますけれども、男性でも65歳以上の平均寿命は、依然としてなお1位、日本一だということもありまして、この健康寿命、健康長寿ということを意識して、それをいかに観光に生かすかということを、今、積極的に考えているところです。
 で、観光と健康の融合ということで、沖縄の観光のあり方も、この健康を志向した観光にどんどんこれから変えていこうという試みを実際に続けているというところであります。
 沖縄の持っている健康という視点から見ると、非常に大きなメリットを持っているわけです。こういうメリットをうまく生かしながら、沖縄の観光の方向性を、少し健康を意識した形でHealthあるいはWellness Tourismという方向性に変えていくためにはどうしたらいいか。そのために、今、一番不足しているのはエビデンスということですので、その方面の研究を、今、私たちが続けているということです。
 これから先、この観光というのも、従来の観光と全く違った形の観光といいますか、とにかく今、厚生労働省を中心にいろいろ国民の健康問題に関しては政策が展開されておりますが、そういう厚生労働省とも連携しながら、あるいは文科省、それから国交省、それから農林水産省、そういう多くの省にまたがった形で総合的な健康・ウエルネスを意識した形の観光ができるのではないかと考えております。

【徳永研究振興局長】 

 平良先生、30分以内です。最後のカリキュラムのところをご説明ください。

【平良教授】 

 わかりました。
 これもカリキュラムの一貫ということでスタートしております新しい観光の形を変えるということで、実際にJTBさんと組んで、このようなシニアを対象とした留学プログラム等も琉球大学観光科学科が中心になってやっています。
 この中の沖縄の歴史、文化、健康長寿、そういうものを取り入れた形で2週間のカリキュラムを提供しているということです。
 沖縄の観光をいろいろ変えていくということが、それに対して学問的にどう支援していくかということそのものが、また新しい分野の観光学の確立につながっていくのだという考え方で、私たち、こういうことをやっているということです。
 これは、次年度に向けて新しい観光産業科学部ということになります。
 社会の大きなニーズの変化、それにいかに対応していくかということで、産業経営学科と、それから観光科学科が一緒になって新学部を立ち上げる。そういう学部の中で、今までは経済、あるいは経営、あるいはまた環境、あるいはまた保健学、個々別々の分野でいろいろな教育がされていたわけですけれども、これを「観光」という大きな傘のもとでともに連携しながら新しい人材育成していく、これが私たちに求められた新しい課題と受けとめております。
 そういう意味で、こちらにあります、先ほどもちょっと出てきましたけれども、Tourism Business、あるいはTourism Development、あるいはTourism Science、あるいはTourism Resource Management、こういう4つの大きな分野に分かれて、それぞれこれまで歩んできた教員の背景は、学問的な背景は違っておりますが、こういう分野の中でいかに連携しながら、観光という傘の中で学生たちをそれぞれ、今、社会が求めている人材という形でどう育成していくかということで動いているわけです。ここに新しく産業経営学科の観光経営のコース、あるいはまた産業経営、これは財務、金融、そういった方面も含めてですが、こういうような枠の中で英語教育の重視、あるいはまた情報教育の重視、あるいはキャリア教育、インターンシップ教育、こういうことをベースにしながら新しい人材の育成を、今、進めております。
 外部の皆さんからのいろいろな評価を受けることも特に今年発足しましたけれども、アドバイザリー会議を発足させまして、それぞれの分野の代表の方々にお集まりいただきまして、私たちの進めている方向が間違いのないようにいろいろな面からご意見をいただきながら、産学官の連携ということと、それから、研究の方向性を誤らないということで、今、進めているという事実があります。
 その意味で、観光という分野は非常に広い、いろいろな分野の皆さんがかかわっていたものですけれども、これを改めて観光という枠の傘の中でもっともっと連携・提携をしながら有機的に結びつけていく方法をこれから積極的にとらなければいけない。私たちのDTSも、経済学、経営学、あるいは人類学、それから保健学や、栄養学や、環境学、こういう分野の皆さんが、今、入っておりますけれども、ただそれぞれの皆さんがそこに頭を並べているということだけではなく、それぞれの分野の特徴を生かしながらの共同研究と、あるいは学生の教育といいますか、今まではそういう方向が一番弱かったと思っておりますので、いろいろなプロジェクトの進展も図りながら、このような融合した新しい形の観光学をどうつくっていくか。現在はまだ「観光学」という形になっているかどうか少し疑問がありますけれども、しかし、これから先はそうしなければいけないという時代にもうなっているということですね。それから、国あるいは沖縄県もそうですが、「観光立国」ということを非常に強く打ち出しております。そのために、その分野で働く人材が、これから高度な人材の育成が強く求められていると思いますけれども、そこに私たちの観光系の学部・学科がどうかかわっていくか、これは非常に大きな喫緊の課題だと思っております。
 それから、実際の産業としての観光系の産業は大きな伸びを、今、示しつつあるわけですけれども、そんな中で産学官の連携をしながら、私たちも今、県内で幾つかのこういう連携プロジェクトを立ち上げて動いておりますけれども、こういう中で、学生の教育と同時に研究、両方相まった形での連携といいますか、今、確実にじわじわと進めておりますので、こういうことを進めていけば、結果として新しい観光科学は見えてくるのではないか。ぜひその方向に足を休むことなく進めていきたいと考えております。
 一応、これで終わりましてご質問を承りたいと思います。ありがとうございました。

【伊井主査】 

 どうもありがとうございました。
 30分という非常に短い時間で申しわけございませんでしたが、人文学、社会科学という我々の研究の委員会の中において、新しい学問としての「観光学」というふうなものを実際におやりになっていらっしゃる沖縄の実態をご発表していただいたわけですが、ただいまのプレゼンテーションにつきまして、何か、あまり時間はございませんですけれども、ご質問、ご意見ございましたら、おっしゃっていただければと思いますが。

【井上(孝)委員】 

 沖縄県の立地条件からいって、非常に亜熱帯で、生物資源も豊富にあり、また、島嶼諸島の中で南に開けた立地条件で、琉球大学の観光科学科というのは、そういう意味では非常に今後の将来の発展が期待されていると思いますし、特に昨年の3月に小泉総理が「太平洋・島サミット」を行ったときに、太平洋の島嶼諸国との連携、人材育成の連携を今後強化すると言いましたので、先ほど発展途上国で特に太平洋諸島で主な産業といえば、やはり観光でございますので、そういう意味で、先ほど55大学というのは世界各国との交流でしょうが、今後は、やはり太平洋・島嶼諸国との連携を強化して留学生を受け入れることによって琉球大学の観光産業学部になれば、存在感を発揮して人的なネットワークを強化していくのが沖縄県の発展の上でも大きく寄与するのではないかと私は期待しているわけでございます。
 今回の観光科学科は、小泉内閣のときの「観光立国」を目指した観光人材育成の政策で、琉球大学、山口大学、和歌山大学が国立大学法人として整備されてきているわけですが、琉球大学がその先端を切って太平洋・島嶼諸島あるいは東南アジアに開かれた大学として、今後、人材育成で中心的な役割を果たしていただきたい、このように思うわけでございます。
 それから、学部の内容についても、確かに沖縄の場合、長寿県で、その支えている食材とかいろいろな食育の面での、従来から尚先生をはじめ研究成果があるわけで、そういうものを生かしながら沖縄の魅力というものを高めれば、まだまだ観光客が増えるし、今、沖縄県の収入の最大は観光産業になっているわけですから、そういう意味で、沖縄県の発展を支える中心的な産業として人材育成がどうしても欠かせないわけで、そういう点でさらに観光科学のカリキュラム等の改善を図りながら、魅力ある、ある意味では、広い意味で文理融合といっても、社会科学的な要素も強いと思いますので、そういう振興を図っていただきたいということをお願いしておきます。

【伊井主査】 

 ありがとうございます。
 何か平良先生、ご意見ございますか。

【平良教授】 

 まさに先生ご指摘のとおりでございまして、私たち、この観光という学問自体が、今、分野として、例えば私たちが科研費を申請する際も、ないものですから、私はこれまで公衆衛生学とか社会学、そういう分野でずっと科研費をとってまいりました。新しくこういう、ほかのいろいろな背景を持った先生方と一緒になってプロジェクトを組んだ研究を進めていくに当たっては、ぜひ「観光」という分野をつくっていただければ、その中でもっと思い切った、何かいろいろな、研究体制もそうですけれども、学生の教育という方面からカリキュラムの面から見ても、いろいろと何か積極的な展開ができるのではないかと思って、ぜひそういう方面も考えていただくとありがたいと思っております。

【伊井主査】 

 ありがとうございます。
 ほかに何かご意見。どうぞ。

【家委員】 

 現代社会の新しいニーズにこたえるような、いわば新しい実学の一つの典型として観光学のお話を伺ったと理解しておりますけれども、そういう意味で1つお伺いしたいのは、こういう新しい実学というものは、ある意味、例えば専門学校のようなところである意味では先行して行われている例があるのではないかと思うのですが、こういうものを大学で行う、大学でこういう学科なり学部を立ち上げるという際に、特に大学でやるということに関して意を注がれたような面がありましたら、専門学校等とのアクティビティーと差別化を図るとか、そういう面に関してご紹介いただければと思うのですがも。

【平良教授】 

 そうですね、専門学校あたりでのこういう人材育成は、いろいろ前からされておりますが、わざわざ大学でということになりますと、やはりそれとは少し違ったことが求められているということなのだと思っておりまして、私たちは広い観光の分野でいかにして全体を見ることができるか。やっぱり一つの専門性を持ちながらも、非常に総合的な企画能力とか、あるいは管理能力とか、こういうことを身につけた人材をどう世に送り出すかということを積極的に考えていきたいと思っております。そういう意味では、県内でも専門学校あたりはありますけれども、第一線の経験をしながら最終的に沖縄観光をどうするか、あるいは沖縄の地域計画とか地域政策、そういったことも意識できる人材といいますか、どうしてもこれは管理能力が強く求められていると思いますので、私たちは特に今回、産業経営学科と一緒になっていますのは、こういう経営ということも意識しながら人材をどうつくっていくかというので、非常にこれから強く求められていることだと思って、ぜひその方向へ進んでいきたいと思っておりますけれども。

【伊井主査】 

 よろしゅうございましょうか。
 何かほかにございませんでしょうか。

【立本主査代理】 

 非常に特色のある観光学部だと思います。政策提言、それから健康保養をこれに入れられたということ、これは非常に売りになると思うのですけれども、もう一つの売りの文理融合についてお聞きしたいのですが、健康保養とか、経済学とか、こういうようなものを入れて文理融合をこれからつくられていくのでしょうけれども、文理融合を実際にどのようにやられようとしているのかがちょっと見えにくいようにおもいます。最初のシンポジウムはTourism Studiesなんですよね。それから、DepartmentになってからはTourism Sciencesと、Tourismの諸科学が集まっていることになっている。総合科学としての観光学というのはどういうふうなところで「総合科学」になるのかということです。人文・社会学における文理融合という問題のあり方ですが、要するにIndustry Management、Policy and Plan、Sustainable Tourism、Health Tourismと、4つのコースに分けてやるとすると、その総合科学としての観光学というのは、一体どこにいくのかなということです。おそらくは政策提言というようなところにそういうようなものが出てくるかと思うんですけれども、お教えいただきたいのは、Tourism StudiesからTourism Sciencesに変えられて、その後はFacultyになればTourism Industryのほうに集約されるような形に見えますので、そこら辺で文理融合をどういうふうに考えられているかということをお教えいただければ。

【平良教授】 

 形の上でも4つの分野というのがありまして、この4つの分野のそれぞれの教員の背景が、これまで文系を中心とした先生方、あるいはまた、私たちみたいないわゆる医学といいますか、こういう分野の人たちが入ってきておりますが、ただ、これまではどちらかというと、それぞれみんな研究背景はありますけれども、そこにおります教員のスタッフが、大きなプロジェクトも積極的にとっていきたいと思っておりますけれども、これまでの背景を生かしながら、しかし、ほかの分野とどう連携しながら新しい学を上に高めていくかということを意識しなければいけないということがありまして、改めて「観光を科学する」という言葉でこれからもっていきたいという意識を持っているわけですけれども、これまでは寄せ集めではないかと言われていたのではしようがないわけですよね。そういう意味で、寄せ集めではなくて、私たちがお互いの立場、立場を、ある意味で尊重しながらも、養成していく学生を考えていきますと、どうしてもそれぞれの分野の特徴をいかにうまく融合させてその学生の、進路もそうですけれども、あるいはまた研究体制、研究方法、大学院へ向けてもそうですが、連携しながらやっていかなければ、それぞれの分野でやはり足らないなとお互いに思うような、少しどんどん積極的に進めていくと。補い合って、新しいタイプの観光科学に上げていくことを意識しようということで「文理融合」という言葉を使ってきました。

【上野委員】 

 奈良市も今、観光を非常にあれこれ考えておりまして、先端の部分だと思います。お話を伺っていて、資源が大変に多いので、それをいわゆる研究と教育のコンテンツとしてどういうふうに焦点化づけるかというところが少し伝わりにくいように思いました。
 それで、これからなさるのだと思いますが、例えば、試行錯誤ですが、私ども今、大学院で「地域と伝統文化」教育のカリキュラムをつくり出したいと思っております。まだ十分なものではないのですが、例えば伝統文化で、奈良ですと、美術とか、工芸とか、文化財修復とか、古文化財科学とか、いろいろ文理融合のジャンルがございます。
 それに、沖縄にもありましたが、異文化がございます。それは単に語学ということではなくて、文化を継承すると同時に発信していくのだということで、そこで組み合わせて、それからアジアのいろいろな国の伝統文化教育をどういうふうにやっているかということで、「継承と発展」を1つのコンセプトにしてネットワークをつくっていけないかというようなことを、考えています。
 そうしますと、今ありました健康のところは、確かに非常に特色あるコンテンツとしていいなと伺っていたのですが、非常に多彩な資源を豊富にお持ちなので、学生が学ぶことは何かというところ、進路が観光のどこかを担う、企業マン、ホテルマンになっていくという発想ではなく、まさに最先端で観光学を学ぶ学生が何を身につけていくのかという点について、カリキュラム等々がクリアに伝わっていないので、そのあたりの、今、工夫されている観点を少し示唆いただけたら理解も深まるかと思いました。

【伊井主査】 

 どうぞ簡略に。

【平良教授】 

 ありがとうございます。そういう意味で、いかに地域と連携して、実は実学的なそういう体験をいかに豊富に経験してもらうかというのは非常に大事なことだと思っておりますので、私たちは研究という方向だけではなく、地域とかかわりながら、地域の中で学生が持ってくる大きな課題に対してどう答えていくかの支援といいますか、あるいはまた地域の要望・課題にも積極的に一緒になってこたえていけるような、そういう機会を、今、多くつくろうということでいろいろ動いているところでございます。で、実際に今年からスタートしましたプロジェクト研究も、そういう地域との連携を意識した形でのプロジェクトが、今、動いております。

【伊井主査】 

 どうもありがとうございました。
 ほかに何か、特にご意見ございますでしょうか。どうぞ。

【中西部会長代理】 

 私も似たようなことですが、非常に全国の先駆けとなるようなすばらしい試みだと思うのですが、一般論で終わるのではなく、やはり沖縄独特の文化をはぐくんで、伝えて、かつ、科学するというようなところをもう少し強く出されてもいいような気がしました。沖縄の人はどんなふうに自然をとらえるかとか、どんなふうな感性でもって芸術をはぐくんできたかということが深まると、それをもとに二次産業、つまりサービス産業や、二次産業と一次産業との接点も出てくると思います。そこで全国のロールモデルとなるようなものをつくられると同時に、沖縄県独特のものをもっと出されてもいいように思われます。

【平良教授】 

 そういう方向でもっていくわけですけれども、その前に、私たちがやはり地域のこの産学官の連携の中で、地域といかに地域の問題を受けとめるか、あるいは、それに対して大学ができることはどういうことなのかということを、今、1つ1つ詰めておりますので、その中にいかにまた学生に入ってもらって、学生の肌で感じ、沖縄の地域の特徴といいますか、あるいは歴史的な面、そういうものも十分理解した上で学生のよって立つところをしっかりやっぱり理解してもらいたいという方向で、今、動いております。

【伊井主査】 

 ありがとうございました。
 ほかに何かございますか。よろしゅうございましょうか。
 それでは、琉球大学の取り組みということで、意見交換、人文・社会科学委員会における観光学というものをプレゼンテーションしていただいて討議していただいたわけですが、一応、これで終了させていただこうと思っております。
 本日はどうも遠いところからおいでくださいまして、ありがとうございます。御礼申し上げます。
 それでは、次の議題に入りますので、一応、平良先生方はご退席くださいませ。ありがとうございました。

(平良教授、笠原講師、退室)

【伊井主査】 

 では、その間に、次の議題の資料を配付していただきますでしょうか。追加資料がございますので。

(資料配付)

【伊井主査】 

 それでは、本日は、残りあと1時間くらいで終わろうと思います。予定は5時半まででございましたけれども、一応、5時で終わるめどを立てようと思っております。
 毎年のことでございますけれども、そろそろ総会とか、あるいは学術分科会を開催する時期に当たっております。それらの各部会におきます審議状況を報告する必要がありますのと、概算要求におきまして審議会の意見を反映させるというような観点もございますものですから、一度、この委員会における審議経過をまとめる必要があるかと思っております。
 これまで人文・社会科学の振興について論点及び施策の方向性の案をいろいろ提示していただき、そして、審議もしていただいたわけですが、本日は審議経過の概要としまして、前回に引き続きまして皆様のご意見を賜って、最終的に本日の方向をまとめていただきたい。審議経過の概要ということでしていただければと思っているわけでございます。
 前回では、皆様のご意見もいただいておりまして、その案も修正しているところでございますので、まず、本日の追加資料を含めて事務局からご説明いただければと思います。

【高橋人文社会専門官】 

 それでは、資料2に基づきまして「審議経過の概要(案)」につきましてご説明させていただきたいと思います。簡潔に説明していきたいと思います。前回お配りしたものを、前回、委員の皆様方からちょうだいした意見を踏まえて、またブラッシュアップしたものでございます。
 まず全体的に、前回いただいた意見、簡単に、多分、2点あったかと思っております。
 1つは、全体的な構造とか、あるいは流れというものをきちっと示したほうがいいのではないかというご指摘をいただいております。このため、前はどちらかというと項目を並べたような形になっておりましたが、全体として文章の流れができるような形で、文章をいろいろ間に補っているという形で全体をつくり直しております。
 それから、2点目にいただいたご意見として、主に研究方法のところでご専門の観点からいろいろご意見をちょうだいしたと思っております。前回の書き方が若干、自然科学対人文・社会科学ということで、ちょっと二分法的なところがありましたので、少し和らげたような表現になっております。
 以上2点が大きなところで、あとは全体を追いながら簡単に、主に変更点を中心に、簡単にご説明したいと思います。
 まず、「審議経過の概要(案)」ということで、前回は「審議まとめ(案)」ということでございましたが、ちょっとタイトルを変えております。こちらにつきましては、本委員会での審議時間、審議の期間ということで、あと1年半ほどございますので、本格的ないわゆる報告書はその間にじっくりご審議いただきながらまとめていただくということもございますので、「審議まとめ」というよりは「審議経過の報告」ということで、途中経過というような形でタイトルを変えさせていただいております。それがまず1つです。
 それから、1.の「意義」でございますが、「意義」の(1)から(4)までの具体的な内容はそれほど変わっておりません。その前に、全体的なこの審議経過の概要を出すに当たっての総論的な視点を書き足しております。
 まず、最初の2行ですが、「人文学及び社会科学の振興を検討するに当たり」、その振興の意義というものを「行政的な観点から確認することが必要」だと。以下、4点の役割、機能が人文・社会科学にはあるわけですが、「人文学及び社会科学は、いわば人間の精神や社会の在り方を根本において規律するものであり、その振興は『文明社会の基盤』の整備と言いうるような公共的な意義を有している」というような形で、意義を社会的な意義ということでまとめてございます。そして、以下4点ということになっております。
 具体的には、(2)の「文化や価値の継承」のところで、前回、異文化間の交流というものがあるということもご指摘いただきましたので、その観点を(2)に入れております。
 それから2ページでございますが、次は「特性」ということでございますけれども、いわゆる学問を学問としてとらえて特性をというよりは、「行政的な観点から踏まえるべき特性」ということで整理させていただいております。
 (1)として、総論的な文章をまとめて入れてございます。これまで人文・社会科学の振興については、さまざまな提言がなされてきて、施策も打たれてきたわけですけれども、これまでは必ずしも学問としての特性を十分考慮したものではなかったのではないかということで、この特性というものを、学問の特性を、行政の観点、施策に生かすような観点から改めて確認して、これを踏まえて施策を展開することが必要ということで、どうしてこの章が設けられたのかということをきちっと位置づけるということを最初の(1)でしております。
 それで(2)以下が具体的な特性になるわけですけれども、まず1「研究対象の特性」でございます。ここは、前回の資料ですと、「人文学の特性」それから「社会科学の特性」ということで項目が立っておりました。これと、それから「方法と成果の特性」ということで、ちょっと並びが良くないので、「研究対象の特性」ということでまとめさせていただいております。「人文学は人間の精神や文化を主な研究対象とする学問であり、社会科学は人間集団や社会の在り方を主な研究対象とする学問である」ということで、これも、このあたりは前回のご指摘を踏まえて文章を直してございます。
 それから、2の「研究方法」のところでございますが、ここにつきましては、先ほど申し上げましたけれども、先生方のご専門の観点からさまざまなご意見がございましたので、基本的なトーンは変わっていないのですが、少しちょっと極端な言い方は落とすような形で、マイルドな形にしております。
 特に、2ページの下から3パラグラフ目でございますが、「実証的な方法による『事実』への接近の努力」と「研究者の見識や価値判断を通じた『意味づけ』」ということで、2つの方法があるということで、「具体的には」ということで2ページの下から伝統的な方法、それから3ページに行って、いわゆる実証的な方法ということで、具体的なことを書かせていただいております。
 実証的な方法につきましては、統計的な手法というものも入れるべきではないかということで、これは伊丹委員だったと思いますが、ご指摘がありましたので、4として「統計的手法」を入れております。
 それから、同じ研究方法の一番最後のパラグラフでございますが、「以上のように」というところですけれども、研究の実施に当たっては、いわゆる自然科学類似の方法を用いることもありますので、そういった場合には、「自然科学振興のための施策と同様の施策を適用することが考えられる」ということ、こういったこともちょっと加えております。
 それから、3の「研究成果の特性」でございますが、ここもちょっと極端な言い方になったところを、やや和らげております。人文・社会科学の研究成果を社会の側から見た場合、人間や社会の在り方に関する唯一の「真実」として社会に提示されるような場合もあるけれども、「選択肢の一つ」として提示される場合が、人文・社会科学の場合、比較的多いというようなこと、また、こういったことも踏まえて施策を考えなければいけないというようなことが書いてあります。
 それで3ページの3.以下、ここが以下、施策ということになります。3.は、施策を考えるに当たっての総論的な、基本的な考え方をまとめたところでございます。
 まず、3.(1)でございますが、「研究方法の特性を踏まえた振興方策」ということで、この審議経過の概要の最初にも書いてありましたけれども、これまで学問の特性を踏まえた形であまり施策は考えられてこなかったのではないかという問題意識を踏まえて、特に研究方法の特性を踏まえて施策を考えていくという観点から、以下の3点、3つの視点で施策を考えていこうということが打ち出されております。
 1、2、3と、前回も3点あったのですが、ここにタイトルを少しつけさせていただいております。これは立本先生からメールでご意見をいただきましたので、それを反映させております。1つ目は「実証的な研究方法による振興施策」ということで、こちらにつきましては、いわゆる自然科学と同様の施策を打つことが可能ではないかという、そういうことを指摘しております。それから4ページへ参りまして、「伝統的な研究方法による振興方策について」ということで、ここについては、まだ本委員会で具体的にあまり検討しておりませんので、今後の継続、今後の課題という形で書かせていただいております。それから、3として「文理融合研究」ということで、いわゆる文理融合研究につきましては、1と基本的に同様ということで進めるということでございます。
 それから、(2)として、「研究体制や研究基盤の整備等の諸施策について」ということで、これは4.以下が各論ですが、これの6.、7.以下にかかわる部分の総論ということで、共同研究とかネットワークの構築等々の、いわゆる研究体制や基盤の整備の関係につきましては、抜本的に強化を図りながら、今後、秋以降、検討を進めていくというようなことが書いてございます。
 次に、4ページ以下、各論でございますが、4.は伝統的な方法のお話ですので、今後、引き続き検討と。
 それから、5.、「実証的な研究方法による人文学及び社会科学の振興施策」ということでございますが、これにつきましては、基本的に前回と同じなのですが、「政策や社会の要請に応える研究の推進」ということで(1)でございます。ここで実証的な研究方法を行うようなタイプのものにつきましては、政策的な課題にこたえるような研究が可能であるというようなことを打ち出しております。
 (1)の1でございますが、それを具体的に施策あるいは事業に近いような形でまとめてみたのが1以下でございます。「国が定める研究目標等の下で、優れた研究を競争的に採択、実施する研究プログラム」ということでございます。
 【例】にございますが、自然科学振興施策ではよくあるタイプの事業でございますので、こういったタイプの政策要請、社会的な要請にこたえるような施策が行い得るだろうということでございます。
 それから、5ページでございますが、前回、あるいは前々回におきまして具体的な取り組むべき政策的・社会的課題の例とか、もう少しちょっと細かく書いたほうがよろしいのではないかというご指摘がありましたので、ここにあくまでも例ということですけれども、書いてございます。それが(1)でございます。それから、(2)でございますが、「審査体制等について」ということで、「社会の多様な関与者の参加を得た審査方法」とか、あるいはマネジメントなどをきちんとするとか、そういったことが書いてございます。
 それから「研究方法について」、5ページの一番下でございますが、政策要請ですので、実証的な形で研究を、一応、間に挟んでいただいた形での研究が必要ということが書いてあります。
 それから6ページでございますが、(4)でございます。研究成果の社会還元ということで、政策や社会の要請にこたえるということですので、そのあたり、よりきちっとした形で成果発信をしていくことが、制度設計上、必要だろうということが書いてあります。
 それから、6ページの2でございますが、こちらが実証的な研究方法を用いる人文・社会科学研究の2つ目の施策の塊ということでございますが、「拠点を形成して行う研究の推進」ということで、これは前回、伊丹先生から、拠点を形成するタイプのものもあるだろう、競争的資金などとまた別にあるだろう、ということでご指摘がありましたので、全体構造を示すという観点から、こういったものもきちっと書いてございます。【例】にありますとおり、自然科学の施策においてよくあるタイプの施策でもありますので、それと同じことができるだろうということでございます。
 それから、6ページの(2)でございますが、科研費におきましても、こういった実証的な方法で研究を行う人文・社会科学につきまして、一定の配慮、あるいはその特性を踏まえて幾つかの改革といいますか、修正すべきところがあれば修正するというようなことが書いてございます。これは基本的に前回と変わっておりません。
 それから、6ページの下の6.以下でございますが、ここが体制や基盤の整備の部分でございます。
 まず、(1)でございますが、こちらも前回ございましたけれども、国公私立大学を通じた共同研究、あるいはネットワークといったものをつくっていくことを推進していこうということが必要と。特に人文・社会科学の場合は、少数の研究者が多数の大学に散在しているという状況などありますので、そういったことが、そういった取り組みによって研究者のポテンシャルを発揮していただくという観点が大事だろうというようなことが書いてございます。
 それから、7ページの(2)でございますが、こちらも全体の構図を示すということで、アーカイブをつくる、データベースをつくる、そういった施策ありますので、そういった部分をきちんと書き込んでみたということでございます。こちらも、自然科学でよくあるタイプの事業と類似のことができるだろうということでございます。
 それから7ページの7.以下でございますが、「研究成果の発信」という項目を立ててみたところでございます。学界に対する発信、それから社会に対する発信、あるいは社会に対してその研究成果をうまく適用していく、ここでは「実装」という言葉を使っていますが、適用していくような取り組みが必要だろうということで、自然科学の場合ですと、産学官連携ということで研究成果を社会に溶け込ませていくような仕組みを最初から考えていくことがよくありますので、人文・社会科学でもそういった観点が必要ではないかというようなことが書いてございます。
 それから、(3)は海外発信について特出しをして書いてございます。ここは前回も少しございましたところですが、こういった形で項目立てをしております。
 それから、8ページでございますが、ここはまだあまりご議論いただいていない部分もありますが、全体的な構図を示す観点から「人材養成」ということで、多分、研究者養成の話はまだしておりませんので、研究者養成。それから、人文学・社会科学に関連した教育研究組織の在り方ということで、専門職大学院とか、これは、本日プレゼンテーションいただいたような観光学とかですとか、そういった、これまであまり支援がなされてこなかった、社会の要請にこたえるような形で新しく学問として掲げているようなもの。
 それから「国際交流」。これもまだあまりご議論いただいておりません。それから、「上記以外に」ということで最後ですが、例えば顕彰制度とか、こういったものについて考えたりする、検討いただくことが必要ではないかということでつくり直したところでございます。資料2につきましてご説明は以上でございます。

【伊井主査】 

 ありがとうございました。
 基本的には、前回の内容とほぼ同じで、うまく、少し整理をしたという状況でございますけれども、逐一の議論は1ページずつするというようなことはいたしませんけれども、全体的に何かご意見がございますでしょうか。前もってお送りしておりますので、お読みいただいているとは思いますけれども、何か特にご意見を賜ればと思います。

【猪口委員】 

 8ページの一番最後の顕彰制度について簡単な意見を述べさせていただきます。
 やはり明治からできている顕彰制度は、結局、日本の制度は、国家の直接的な仕事に直接的に携わっている人を顕彰するということに最大重点が置かれているために、ビジネスとか、芸術とか、それで、これは非常に小さい学術にかかわる人が、若干、顕彰されることが少ないという面が、ほかの、例えばヨーロッパなどの大きな国に比べると、非常にあります。
 それがどういうメリット・デメリットをもたらすかを考えると、メリットは、やはり、とりわけ国家に対してあまり興味を示さない学者などに対する一つの引きつける面は持つと同時に、デメリットとしては、やっぱり政府のこういう審議会などを含めて、その作業というか仕事に直接かかわろうとする意欲が、出やすくなる。とりわけビジネスは多いのではないか、ビジネスの最高のレベルの人たちは多いし、それから、学者でも、そうならざるを得ない。
 そうすると、どういう悪いことが起こるかというと、いいのですが、悪いのでよく気がつかれるのは、要するに学業がちょっとおろそかになるという。40代ぐらいから、もう完全におろそかにというか、有能な人であればあるほどおろそかになる嫌いが少しあるというのがあって、国家の仕事に直接参加、貢献しなければという顕彰制度ではなく、ここに書かれておるような顕彰制度を検討するというのは、大変いい方向で、これはすごくいい動きで、私は全面的に賛成したいと思います。

【伊井主査】 

 ありがとうございます。
 今の件につきましては、何か顕彰制度みたいなものを。
 いや、たまたま私がかかわっている委員でもあるのですが、大阪府に山片蟠桃賞というのがあって、これは日本研究をしている方を顕彰するという、この第1回目がドナルド・キーンさんだったんですね。そういうふうな、全く政策だとか政治とはかかわらない形の、日本を紹介したり研究なさった方を評価しようというのがあるのはあるのですけれども、そういうものをもっと多くしなければいけないだろうという気はいたします。
 では、ほかの点で何かございますか。

【井上(孝)委員】 

 この委員会は、ある意味で研究者コミュニティーの関係の皆様が行政に対して提言をする場だと考えているわけですが、前回まで少し主な意見などを見ても、「行政的な観点から」という発言はなかったわけで、今回、これを見ると、例えば1ページの人文学及び社会科学の振興に当たって行政的観点から確認することが必要だとか、あるいは、2ページの2.で「行政的観点から踏まえるべき」で、そこの中にも「行政的観点から」というのがあって、それがほんとうに行政的観点から振興方策と結びついているかというと、3ページの3.のところには「行政的観点」なんてどこにも書いていなくて、従来、この委員会で議論された特性に基づく振興方策が書いてあるわけです。そういう点から言うと、行政的観点はこの報告を受け取った事務当局が行政的に財務省なりに対外的に説明すればいいわけで、この委員会が行政的観点からというのは、格調が下がるし、それから、何か行政の僕でこの委員会が審議したわけではないので、こういう文言は避けるべきではないかと私は思います。

【伊井主査】 

 ありがとうございます。
 これに基づいて我々の提言を受けて、文科省で財務省へ予算要求をするという手立てだと思いますけれども、事務局のほうで何かこれにつきましてご意見ございますでしょうか。徳永局長、何か。

【徳永研究振興局長】 

 「行政」と言うと、ちょっと言葉がやや稚拙で、「行政的観点から確認」というのは、ちょっと確かに、今、井上委員のおっしゃったとおりで、ここで言いたいのは、「学術行政において人文学及び社会科学を振興していく検討をするに当たり」ということだと思います。だから、あくまでも、要するに日本の、ここでは「学術振興」という立場で「学術行政の上で人文学及び社会科学の振興を検討するに当たり」ということでございまして、別にここで学界のことを論じるわけではないわけですから、ということぐらいで、少し今、多分、「行政的観点から確認」とかということだと、ちょっとまた確かに誤解を招くので、もう少し上手に書いたほうがいいかと私も思います。

【立本主査代理】 

 それに関しまして、やはりそれは必要だと思います。といいますのは、この答申というか、この審議は意義とか特性を述べて、そこから施策にいっているのですけれども、なぜ振興しなければいけないのか、ということは何も書いていないません。要するに、意義はこうです、特性はこうです、今までそれは人文・社会科学ができなかったのは、そういうような特性とか意義とか、そういうものをもう1回考え直さなければいけないのではないですかとか、そういうようなものが全然ないので、そこを補う意味で、意義・特性の現状を見たときに、学術行政の観点から見るとこういうようなことをしなければいけないという、そういうふうな答申に私はしたほうがいいと思います。「行政的観点」という言葉は非常に気にはなるりますが、もしこれを取るとしたら、意義、特性に続いて、現状批判というか、それがないといけないわけでして、それをやっていませんので、それを補うという意味で必要なのではないかと私は思います。

【伊井主査】 

 いかがでございましょうか、井上先生。

【井上(孝)委員】 

 要は、現状でまだ人文学・社会科学が特段の施策が講じられていないという認識がこの委員会でも強かったと思うので、そういうことを指摘して、それを改善すべきだという意味の提言であるべきだと思います。ですから、それを踏まえれば、行政側がそういう答申を受けてそれを生かすという責務を負っているわけですから、そういうふうな内容にしたほうが説得力はあるのではないでしょうか。何か、財務省に持っていって、何だ、おまえらの言うとおり書いたのかと言われてしまうと、これは実もふたもなくて、ナンセンスになりますよ。

【伊井主査】 

 ありがとうございます。基本的には学術行政をどうするか、その中で人文学・社会科学がどのように支援し、我々は支えていくかということが基本だろうと思っておりますが、そういうような形で少し。

【藤崎委員】 

 4ページの5.というところなのですが、どういうふうに振興していくかという、非常に重要なポイントの1つかと思いますが、ここで(1)で「政策や社会の要請に応える研究の推進」ということなのですが、結局、これの中身が1と2とありますけれども、2のほうはネットワークですとか、拠点形成ですとか、そういう進め方の形式の話だと思います。それに対して、ですから、中身的な部分について書かれているのは1に限定されるのですけれども、結局は、何が重要な研究なのかというそのテーマの選定に当たって、ここに書かれているのは、国が重要と認めるものに非常に重点的に支援をしていくのだということしか書かれていないように思われますので、いわゆる「学問の自由」ですとか、そういうことと非常に抵触するのではないかと思いました。

【猪口委員】 

 関連して。今のご意見、4ページを見ております。これについて、ちょっと藤崎委員の観点、ごもっともだと思うのですが、それと同時に、そういうのでいいという場合からの意見です。
 どういうことかというと、「国が定める研究目標等の下で」というのでもいいという場合なのですが、私は、文理融合とか、4ページの5.の(1)1に書いてあるところに、「また、学際的、融合的取組みを促すような制度とする」というのがあるのですが、僕はやっぱり現行制度では非常に難しいところがあると思います。
 私が経験したことでは、例えば科学技術振興機構でも、あるいは経済産業省の経済産業研究所や外務省だったら日本国際問題研究所、省庁のシンクタンクとしてマンデットが非常に明快にあります。90年代の行政改革よりも半世紀前のことでできている場合が非常に多くて、「文理融合的、学際的」とは程遠いと思います。もとにある資金を食ってしまう可能性、おそれがある場合が多いわけですから、断固この原理主義的に原点を死守するという態度に非常に役所の常としてですけれども、出やすいのですね。
 ですから、私は、このような「学際的、融合的取組みを促すような制度とする」といったら、もう少しはっきりと、あまり硬直的・時代錯誤的マンデットに頼っていろいろな相談を排除するというのを少し和らげるようなことを書かないと、実際問題として文部科学省だけでやるというだけでなくて、科学技術振興機構でも、結局、行政改革が行われる前の省庁のあれがありますし、それから、科学技術振興機構だったら、ハード・サイエンスといって物理とか何か機械とか、化学もそうなのか、そういうのに集中してやっているのであって、官庁の仕分けというか分類によれば、生命とか、医学とか、生物とかというのは厚生労働省のシンクタンクみたいなものがまたあると思いますが、そういうところにやるということで、何か文理融合なんていうものの段階ではなくて、半世紀以上前の省庁の源に起因する組織の法律というか、内規というか、そういったものにすごく硬直的に、時代錯誤的に拘束されている場合が結構多いので、何とかそこをやわらげるような提言というか、文言にしていただいたら、ここのところは何とか次に動くのではないか。
 とりわけ科学技術振興機構みたいに戦略創造研究推進事業というわりには、そんなのは、学際的に文理融合的にやっているなんか、パンフレットを見たって、ホームページを見たって、あまりないですね。だから、それはやはり何か、自分たちは結局マンデットがそこにきちんと法律みたいにしてあるわけですから、そこに頼っていれば、余計な作業もお金の工面もしなくて済むから、そうなるのは、非常に自然で、もう当然で、一番合理的だと思うのですが、「学際的、融合的」というようなことをこっちが言う限り、もうちょっと行政的なレベルでのこちらのアドバイスというか、提言みたいなのを少し入れるところが重要ではないかと思います。それでないと、全く空文になると思います。
 それは、ちょっと3つ、4つ、5つ、6つ、官庁のシンクタンクないし官庁の中のシンクタンクなどを見ると、もう歴然としておりまして、やっぱりその官庁が生まれたときのオリジンみたいなもので拘束されて、人脈でああっという感じで、全く「学際的、文理融合的」は排除。これはもう確実であって、何かこれをやらないと、とりわけ予算が非常に苦しいときにはそうなりやすいから、何とかしないとだめだと思います。

【伊井主査】 

 ありがとうございます。4ページの下のところの具体的に「学際的、融合的取り組み」というところに何か文言を入れるわけですか。

【猪口委員】 

 「促すような制度とする」と言うのだけれども、結局、そういう組織はもう半世紀以上前、とりわけ90年代に行政改革の前にやったものですから、1950年代ぐらいの学問分野の大きな、あるいは学科分野というか、そういう仕分けによってお互いに陣取りを死守しているというのがすごくあるので、それは何とかそこのほうをある程度いじらないと、あるいは言葉だけでも大義名分をそこに今度問題を持っていくのだというふうにしないと、お金の動きというか、そういうものは全く変わらないと思います。

【伊井主査】 

 わかりました。
 先ほどの藤崎委員のご懸念は、多分、「学問の自由」ということから、ここでは学術行政といいましょうか、そういう面からの支援ということで、もちろん学問というのは別個に――別個といいますか、これと相即しながら運営費交付金だとか、科研だとかということで確保・担保できるのではないかと思っておりますが、よろしゅうございましょうか。
 ほかに何か。

【伊藤振興企画課長】 

 少し2点ほど補足させていただければと思います。
 まず1点目のご指摘のほうですけれども、「政策・社会要請に応える研究」と対を成すものとしてございますのが、6ページの(2)のいわゆる「科研費における人文・社会科学研究の支援」ということで、ここは2つ書き分けたつもりでございます。
 それから、2点目の「学際的・融合的取組み」、ここのところは、4ページでは、そういった制度設計とするようにということを書いてございまして、具体的に、ではどのような形でその省庁の枠を越えたような取り組みができるかということにつきましては、これは1つのアイデアというか、ご提案でございますけれども、5ページに制度設計、あるいは制度の実施において留意すべき点を幾つか書いてございます。
 まず1つは、(1)にありますような「取組むべき政策的、社会的課題」、これはまさに省庁横断的な我が国が抱えている課題でございます、こういったものをまず対象とするという話と、2点目の審査方法、審査体制のところで、そういった「学際的・融合的取組みによる政策的・社会的課題の解決という施策の目標が十分達成されるよう、例えば」ということで、社会の多様なステークホールダーの参加を得た審査方法でございますとか、あるいは、そういう異分野の方々、自然科学従事者の方々をオーガナイズして、マネジメントしていくような体制、そういった取り組みもここで留意すべきではないかということを書かせていただいてございます。
 ひとつ科学技術振興機構の例がございましたけれども、少し4ページのあたりで例示として挙げさせていただいたものがあるいは誤解を招いたかもしれませんけれども、4ページで書いてありますのは、国が目標を立てて行う戦略、そういうタイプのプログラムがありますよということを申し上げたところです。
 ちなみに、今、科学技術振興機構でも、そういう人社融合的なアプローチによる社会問題の解決ということで7ページの下のほうに【例】で、社会に対する成果の発信とか成果の実装の在り方というところで、「社会技術研究開発センター」を設けまして、ここで自然科学の研究を中心としつつも、それを社会に、「実装」という言い方を彼らはしていますけれども、生み出していくために、人文・社会科学の研究者も一緒になって、あるいは自治体とかNGOが一体となって取り組んでいるというような取り組みも見られますので、そういった例も参考にした制度設計を、今後、考えていければと思ってございます。それに際して、いろいろご示唆、ご提言をいただければ幸いでございます。

【伊井主査】 

 どうもありがとうございました。
 何かほかにございますでしょうか。

【家委員】 

 私は、今の語文の記述は、まあこれで結構ではないかと思うのですが、先ほどのような少し疑問点が出てくることを考えますと、6ページにある(2)の科研費というか、研究者の自由な発想に基づくボトムアップ的な研究がまず基本ですから、そちらのほうを前に出して、それを踏まえた上で政策的なものに関してはこうやるというような書き方ぶりのほうが誤解を招かないのではないかという気がいたしますけれども。

【伊井主査】 

 そういう仕組みといいましょうか、構成のこともあるのだろうと思いますが、何かほかに。

【井上(孝)委員】 

 科研費のところの人文・社会科学に対する支援の在り方が、毎回、表現が変わっています。よく見ていないと、いろいろ問題が起こるので。
 今回、実はこの6ページの(2)の科研費の人文・社会科学の第2パラグラフの3行目なんですが、「人文学及び社会科学は『基礎研究』によって支援される割合が高い」と、こう書いてあるんですが、まあほかの研究種目、特推やそういうものに比べると、ここで人文・社会科学が18%としても高いと、こう言っているのかもしれませんが、実態は、ほかの分野に比べるとライフ・サイエンスとか自然科学に比べると低いわけで、したがって、ここはちょっと表現があまり適切ではないので、「人文学及び社会科学は『基礎研究』によって支援されているのが実情である」と。
 実際に、各大学の研究費のほかに、実際に自分の自由な発想に基づく学術研究、基礎研究をやる場合は、まあ基盤研究費、基礎研究費によって支えられているのが実情だと言うぐらいが正しいことで、割合が高いなんて言うと、もう十分じゃないかと言われると困るので、毎回ここは、実は表現が変わって、もういいかげんやめてくれと言いたいぐらいなんですが、もっと正確に現状を指摘するのが今後の改善につながると思いますので、そういう現状を書いておいたらどうかと思います。

【伊井主査】 

 全般的に額の低いのだけが多いという意味合いだろうと思いますけれども、結果としては、非常に少額であるということなのですね。何か。

【伊藤振興企画課長】 

 誤解のないように、必要に応じて書き改めたいと思いますけれども、いわゆる少額の種目によって支えられているという、そういう、自然科学と比べて、そういうのが趣旨でございます。

【伊井主査】 

 だから、何か人文学・社会科学が非常に乏しい予算でやっているという実情のほうを書いて強調していただいたほうがいいのかもしれませんけれども。

【井上(孝)委員】 

 これでは、一般の人が見たら、誤解を招きますから。

【伊井主査】 

 確かにそうかもしれません。そのあたりは、また事務局と相談して訂正いたします。
 何かほかにございますでしょうか。

【高埜科学官】 

 7ページの真ん中より上にあります(2)の「学術資料・調査データ等のデータベース化、アーカイブ化の促進」ということで、アーカイブ化をすることが必要であるということをご指摘いただいて、とてもありがたく思っておりますが、実は、前回の委員会で私が発言させていただきました問題は、5ページの「近未来における全地球的な課題の例」というところがございますけれども、文字どおりそういうところで、例えばこの前も社保庁の話をしましたが、電子情報としてデータベース化する、それでもうオーケーだということではないのです、問題は。今、世界で全地球的な課題としてどの国でも取り組んでいるのは、では、そのデータベース化した情報は20年後にどうやって引き出せますか、どれが真正な情報なのですか、こういう問題を、今、どこの国でも取り組んでいるという課題があるのですということを申し上げたのです。
 ですから、文字どおり、もしその問題を取り入れるとすれば、「近未来における全地球的な課題の例」と、そういう中で、やはり日本もそれに参加して取り組んでいかないと、もちろんこの建物のように情報学の方々は取り組んでいると思いますけれども、しかし、日本はその問題については何がアーカイブスで真正なものであるのか、認証をどうするのかという課題については、まだまだ十分ではない。
 それから、マシンと申しましょうか、ハードの問題で、この先、では、今の情報を20年後の機械がちゃんと読み取ってくれるのか、絶えず転換をやっていくとなれば大変なコストがかかると見込まれているようです。しかし、かといって、すべてまた紙媒体で残せばいいのかといえば、そういう問題ではない。これはやはり、世界の問題の中に参加してやはり取り組んで、日本もこの重要課題を解決していかなければいけない。これはやはり人文・社会科学の主要な課題の1つなのだろうと、そういうことで申し上げましたので、今日また。つけ加えさせていただきました。

【伊井主査】 

 ありがとうございました。また、できるだけ検討していきたいと思っておりますが、ほかにございませんようでしたら、今日、追加で配付していただいております「人文・社会科学の振興に係る概算要求について検討中の内容」につきまして、今、資料をいただいているのですが、何かこれについてコメントは、事務局のほうではございますのでしょうか。これはもう見ているだけでよろしいのでしょうか。

【伊藤振興企画課長】 

 「検討中の内容」ということでございまして、先ほどからご審議いただいてございますような審議のこの報告書で既にその骨格についてはお話ししているところでございますけれども、今、大きく3つについて検討してございます。
 1つは、政策や社会の要請に基づいた人文・社会科学研究の推進ということで、政策・社会の要請に応じた研究をプロジェクト的に公募によって実施していくというものでございます。これにつきましては、従来から行っております、いわゆる「地域研究」と呼ばれておりますもの、これの一部拡充に加えまして、近未来の課題解決を目指した「実証的社会科学研究推進事業」というものを新規の事業として考えたいと思ってございます。社会科学を中心とした諸分野の研究者を結集し、近未来における全地球的な課題、特に我が国が直面する課題について、実証的な研究方法により研究を実施していく、あるいは、その成果については、積極的に社会還元を行っていくと。先ほどの報告書で言うところの4ページから5ページ、6ページにかけての施策をイメージしたものでございます。
 それから、人文・社会科学における共同研究拠点の整備。これは先ほどの報告書で申し上げますと、6ページから7ページにかけまして述べているような内容を具現化するものでございまして、これまで例えば21世紀COE等で整備されてきました人文・社会科学におけるいろいろな学術資料、あるいはデータ、こういったものを有する既存の組織が幾つかございます。そういったところのポテンシャルを最大限に活用し、共同研究を推進するための拠点としていくというようなことを考えてございまして、国公私を通じたこういった人文・社会科学における共同利用・共同研究拠点の整備ということを念頭に置いたものでございます。
 最後は科研費ということで、これは人文・社会科学だけではございませんけれども、特に、先ほどちょっと議論になりました基盤研究の拡充でございますとか、あと、若手を中心とした間接経費の拡充、こういったところに力点を置いて考えていきたいと考えてございます。以上です。

【伊井主査】 

 ありがとうございます。
 ただ、言葉じりですが、「基盤研究を高い」と、こう書いてあって、ここはもう「充実」という、何かもう既に終わっているような気もするのですが、これはまたご検討していただければと思いますが、ほかに何か、特に今までの審議経過の概要についてでもよろしいのですが、何かございますでしょうか。

【猪口委員】 

 今の「検討中の内容」について、下から2番目の「共同研究拠点の整備の推進事業」についてですが、最後に「共同研究を推進するため、公募により国公私立大学を通じた共同利用・共同研究拠点の整備」とありますが、国公私立大学以外の組織でもだめなの? 共同だったら、絶対?

【徳永研究振興局長】 

 あくまでも大学の共同利用ということです。

【猪口委員】 

 だから、あるコンポーネントとして、何か例えば博物館とか、病院とか、そんなのが入るのはだめなんですね。わかりました。

【伊井主査】 

 ほかに何かございませんでしょうか。

【谷岡委員】 

 この「検討中の内容」の一番最後の「基盤研究」の充実は大変ありがたいのですが、特に先ほど観光学なども出ましたように、いろいろな分野にまたがる新しい分野というものも、特定せずに新しい分野、革新的な分野、全く新しい、目新しい学際的な分野にもこれだけ例えば枠を上げるんだみたいな形の新しい分野の開発をぜひ何とかenhanceするような「基盤研究」の新しい多様性を確保する方向性であってほしいとコメントしておきます。

【伊井主査】 

 確かに科研の交付の範囲をどうするのかということもあるのだと思いますが。

【谷岡委員】 

 もちろん、私の犯罪学にはございません。

【伊井主査】 

 ないというわけですか。

【谷岡委員】 

 はい。

【磯谷学術研究助成課長】 

 学術研究助成課長でございますが、科研費の細目についての見直しはまたやっているのですが、今度、来年度の概算要求では、「基盤研究」とは別に「新学術領域研究」という種目を、今までの種目を見直して発展的につくる予定にしていまして、その中で個人型の提案の研究については、今、先生まさにおっしゃったような既存の細目にないようなものとか、細目をまたがるような分野で挑戦的なものを出していただくということをやろうと思っております。

【伊井主査】 

 ありがとうございます。そういういろいろ試みをしていただいているというところでありますが、よろしゅうございましょうか。
 何かほかにありますでしょうか。よろしいでしょうか。
 一応、初めに申し上げましたように、これは本日、8月22日時点での審議経過の概要ということでまとめさせていただいているものでございまして、あと少し、また今日のご意見もいただいておりますので、少し手直しをしようと思っております。
 その後、白井部会長にもご報告しまして、今後の学術分科会及び総会の場におきましてこの委員会での審議状況をご報告する際に使用させていただこうと思っております。その旨をご承知いただければと思っております。
 それでは、学術研究推進部会の部会長の代理をお務めいただいております中西委員にお返しいたします。よろしくお願いいたします。

【中西部会長代理】 

 どうもありがとうございました。
 本日は、最初に申し上げましたように、学術研究推進部会及び人文学及び社会科学の振興に関する委員会の合同開催でございます。いろいろなご意見が出されましたけれども、これをもちまして学術研究推進部会としての人文学及び社会科学の振興に関する委員会の審議経過の概要についてご説明を受けたということにさせていただきたいと思います。
 そろそろ時間となってまいりましたので、本日の会議はこのあたりで終わりにさせていただきたいと思いますが、事務局から次回の予定等についてご連絡いただけるでしょうか。

【高橋人文社会専門官】 

 今後の学術研究推進部会、あるいは人文・社会科学の振興の委員会の開催日時は、まだ未定でございます。追って委員の皆様の日程を調整させていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 それから、本日ご用意させていただきました資料につきましては、封筒に入れて机の上に置いておいていただければ、郵送を後ほどさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。また、ドッチファイルにつきましては、そのまま置いておいていただければと思います。
 以上でございます。

【中西部会長代理】 

 どうもありがとうございました。
 本日の会議はこれで終了とさせていただきます。どうも皆様、ありがとうございました。

 

―― 了 ――

 

(研究振興局振興企画課学術企画室)