2.平成18年度概算要求における特別教育研究経費(学術研究関係)の調整方針について

1.各大学及び大学共同利用機関からの要望等を踏まえた対応

1 継続事業の考え方

  • 複数年度の計画として採択されたものについては、途中評価は厳密に行われるとしても、期間中は継続して採択される保証がないと重要な人員の確保に問題が生じ、実行不能になることが懸念される。
  • 毎年度概算要求する仕組みとなっているが、本来ならば基盤的経費に相当する部分もあるため、ある程度の事業の継続性を認める必要がある。
  • 17年度認められた継続事業については、毎年度予算を見直したりすることは大変だが、18年度はどうするのか。
  • 継続事業の後年度負担分が予算上大きな比重を占めると思われるが、新規要求をどの程度絞り込んで提出するよう法人に対して求めるか。数多く要求されても困るが、法人の順位が最上位のものに限定すると、実質的審査が成り立たなくなる。

2 特別支援事業への配慮

  • 原本・資料の収集について、大学共同利用機関が積極的に支援し、大学と連携して共同研究を進め、その成果を展示や出版等によって社会還元することが必要。文学・歴史・美術関係の古い資料は、所蔵者の代替わり等や保存の問題もあり散逸する恐れが高いが、このような資史料類のコレクションを、一つの大学で購入し保存、整理することは困難。
  • 「特別支援事業経費(情報等の保存・収集)」については、他経費と同様、複数年度の事業として取り扱うことが効果的であり望ましい。

3 若手研究者の確保等の仕組みの導入

  • 年数を限って、ポスドクを大学等における共通教育の担当や研究機関の研究員として雇用する方策は考えられないか。また、大学院部局化に際して極端に少なくなった助手数を増やすことが、当面の研究者養成と後継者確保に有効。
  • 次世代の研究者確保と後継者養成のため、大学共同利用機関において幾つかの大きなプロジェクト研究を計画し、若手の研究者と共同研究をするとともに、任期付研究員として積極的に雇用していくことが考えられる。大学共同利用機関は全国に存在するため、地域的なバランスはとれるはずである。

2.学術研究推進の観点からの国としての学術政策的対応

1 各法人内での事業の優先順位の考え方

  • 法人の順位や要求額による優先度の在り方について検討が必要。
  • 法人の優先順位にこだわらない、学術研究推進の視点から見た事業の重要性を考慮すべき。
  • 各法人からの概算要求順位として、要求金額の小さな提案は、学内の優先順位が低くなりがち。そこで規模、分野などによる区分分けを行ってはどうか。
  • 国立大学法人以外との連携プログラムにおいて、相手側の予算がほぼ確定している場合には、法人の順位尊重以外の特別な採用基準枠を設けるべき。

2 連携事業を促進する仕組みの導入

  • 研究推進・拠点形成・連携融合・特別支援という区分分けがなされているが、18年度では、法人の枠を超えた”真の連携と融合にむけた新しい試み”を重要視してはどうか。国民からの目で見て、法人化は個々の法人の縦割り制度を助長しているように写るが、この弊害を克服する要因となる。
  • 他省庁所管の研究機関等と連携した研究教育活動の一層の推進を考慮すべき。
  • 研究者の自由な研究展開から生じる大学間の連携や、異なる組織で活動する研究者間の共同研究ネットワーク形成への財政面からの支援(協調面の支援)が重要。
  • 大学における海外の大学・研究機関との提携は、研究者や院生の派遣、また招請する費用が不足しているため、有名無実化している場合も多い。そういった費用について、大学共同利用機関が相当部分を負担し、国内の大学や研究者コミュニティーとの連携の推進のもとに、共同研究や提携をはかり人的交流を推進していく方法が考えられる。

3 ポスト21世紀COE等への対応

  • 拡大21世紀COEを誘導する方向の”統合COE計画”などを手始めとして、18年度若しくは19年度からはじめてはどうか。
  • 戦略的基礎研究や21世紀COEプログラム終了後の研究教育拠点の継続的育成を考慮すべき。

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