研究環境基盤部会(第113回) 議事録

1.日時

令和5年5月31日(水曜日)9時30分~12時

2.場所

オンライン会議にて開催

3.議題

  1. 全国的な観点からの学術研究基盤の現状等について(関係団体からのヒアリング)
  2. その他

4.出席者

委員

観山正見部会長、勝悦子委員、井上邦雄委員、関沢まゆみ委員、治部れんげ委員、永田敬委員、中野貴志委員、長谷部光泰委員、松岡彩子委員、吉田和弘委員、渡辺美代子委員、森初果委員

文部科学省

森研究振興局長、奥野大臣官房審議官(研究振興局及び高等教育政策連携担当)、黒沼大学研究基盤整備課長、柿澤大学研究基盤整備課学術研究調整官、山本大学研究基盤整備課課長補佐、高橋大学研究基盤整備課連携推進専門官、その他関係者

5.議事録

【観山部会長】  皆さん、おはようございます。ただいまより、科学技術・学術審議会学術分科会研究環境基盤部会第113回を開催いたします。委員の先生におかれましては、御多忙の中御出席いただきまして、誠にありがとう存じます。
 
 それでは、本日の委員の出欠、配付資料の確認について、事務局、よろしくお願いいたします。

【柿澤大学研究基盤整備課学術研究調整官】  事務局より御連絡させていただきます。
 本日は、全ての委員に御出席いただいております。なお、井野瀬委員が10時30分頃に、勝委員が10時50分頃に途中退席予定と伺っております。
 続きまして、配付資料の確認をさせていただきます。本日の資料は、議事次第に記載がありますとおり、資料1から資料7、参考資料1から参考資料3となっております。事前に各委員にお送りしておりますが、不備等ありましたら、随時チャットなどで事務局までお知らせください。
 また、本日はウェブ会議により開催することとなっております。委員の皆様におかれましては、御発言に当たっては、Zoomの挙手ボタンを押していただき、部会長からの指名の後、御発言をお願いいたします。また、御発言の都度、お名前をお願いいたします。御発言は、聞き取りやすいよう、ゆっくりとお願いいたします。発言されない際は、マイクをミュートにしていただくようお願いいたします。資料を参照される際は、資料番号、ページ番号など該当箇所をお示しいただければと思っております。
 以上になります。よろしくお願いします。

【観山部会長】  それでは、本日の議事に移りたいと思います。今回は、全国的な観点からの学術研究基盤の現状について、関係団体からのヒアリングを予定しております。それでは、ヒアリングの開始に当たり、事務局よりヒアリングの事項等について説明をお願いいたします。

【柿澤大学研究基盤整備課学術研究調整官】  事務局でございます。資料1を御覧ください。
 本日御説明いただく団体は、順番に、一般社団法人研究基盤協議会、国立大学法人機器・分析センター協議会、国立大学附置研究所・センター会議、国立大学共同利用・共同研究拠点協議会、大学共同利用機関法人、一般社団法人国立大学協会になっております。
 本日の進行につきましては、研究基盤協議会と機器・分析センター協議会には各7分程度で続けて御説明いただき、その後、まとめて質疑の時間を20分程度取らせていただきます。その後は、各団体ごとに説明15分、質疑20分での実施を予定しております。
 ヒアリング事項といたしましては、資料の2番に記載しておりますとおり、中規模設備を中心とした設備整備・運用に関する事項について、各大学内のマネジメント関係として、各機関における設備更新の状況と資金確保の方法・見通しの状況、各機関における設備マスタープランとの関係、また、大学の枠を超える学術研究基盤の整備関係といたしまして、共同利用・共同研究を前提とする中規模設備の整備・更新等に関する課題、中規模設備の他法人との連携による整備・運用、その他関連事項について御説明いただく予定です。
 本日は、各団体から現場に近い立場、また、大学や機関のマネジメントを行う立場など、それぞれの視点から現状や課題について御説明いただくことを予定しております。
 事務局からは以上になります。よろしくお願いします。

【観山部会長】  ありがとうございます。
 それでは、ヒアリングに移りたいと思います。
 最初のヒアリングは、一般社団法人研究基盤協議会、国立大学法人機器・分析センター協議会を続けて説明いただきます。
 研究拠点協議会からは江端会長に御出席いただいていますので、よろしくお願いいたします。

【一般社団法人研究基盤協議会(江端会長)】  よろしくお願いいたします。一般社団法人研究基盤協議会会長、東京工業大学の江端です。
 それでは、プレゼンテーションを始めさせていただきます。画面を共有させていただきます。
 こちらで御覧いただけていますでしょうか。プレゼンテーション時間は、7分と伺っております。内容的には結構文字量もありますので、資料として御覧いただいて、ポイントだけ御説明させていただきたいと思います。
 昨年度末に文部科学省から「設備・機器の共用推進に向けたガイドライン」が策定されました。それに基づき、各大学が、その法人の経営という観点、そして、戦略的な研究設備・機器の配置等を踏まえて、教育研究活動を進めてきました。そのような全国的な活動を加速させるべく一般社団法人研究基盤協議会をこの1月に立ち上げましたので、今回そのネットワークでの活動を踏まえ、中規模設備を中心とした設備整備・運用に関するマネジメントを中心にお話をさせていただきたいと思っております。
 本法人のその概要は、こちらにまとめたとおりです。本法人の活動の原点は、大学研究基盤整備課さんで立ち上げられた「設備サポートセンター整備事業」、先端研究基盤共用促進事業(通称、新共用事業)」や、コアファシリティ構築支援事業等、文部科学省で実施された研究基盤共用関係の事業の採択校が、ボランタリーに集まったネットワークです。これをもとに、2年前に「研究基盤協議会」として運営を開始し、本年1月に法人化しました。
 本協議会ではこれまで、共用ガイドラインをつくるための現場のヒアリング機関の調整に関する協力や、共用ガイドラインに対する提言を様々な視点から出させていただきました。また、地域中核研究大学や国際卓越研究大学等における研究者の研究時間の確保に関連する政策パッケージがありますが、これらの政策の企画・立案、あるいは実態調査等への貢献もしております。
 そして本協議会の活動の柱として、全国的な研究基盤に関する最先端の議論ができるような場を「研究基盤EXPO」という1,000名以上の関係者が参加するイベントを主催させていただいております。今後の事業展開としては、こちらに書いてありますとおり、主にはグローバル(グローカル)に活躍できる研究基盤人材育成や、これまで以上に国と協力しながら研究基盤に関する調査・研究をもとにしたデータプラットフォームの形成を考えております。
 設立時のメンバーは、こちらに記載のとおりです。現場の教員はもちろん、執行部からも江龍理事のような方が入っております。また、技術職員の方、URAの方、公認会計士、行政書士などから構成されております。アドバイザリーボードには、先ほどお話ししました文科省事業採択校だけではなく、研究基盤に関する活動を積極的に進められている大学の研究担当の理事の先生方にも御協力いただいております。
 P.2は共用ガイドラインへの提言をまとめさせていただいております。詳細は割愛させていただきますが、アドバイザリーボードからは経営という概念、研究基盤に対する経営という概念、地域・地方WGであれば、地域中核大学の概念、チーム共用の概念は、若手ネットワークからも提案させていただいきました。技術職員の活躍促進、研究基盤に関するエビデンス等についてもポイントを押さえて、お話をさせていただきました。
 研究基盤協議会からの提言も踏まえていただき共用ガイドラインができました。こちらに書かれておりますとおり、本ガイドラインのキーワードとしては、経営戦略への位置づけ、「戦略的設備整備・運用計画」、これは従来の設備マスタープランと言われているものでは十分ではないのではないかということが、このガイドラインの検討会で議論されておりまして、新しい設備マスタープランとして戦略的にどのように中長期的な計画をつくっていくかについて、重要な議論となりました。そして、様々なステークホルダーが入る「チーム共用の推進」と、「統括部局の確立」ということで、これまで議論ができなかった「研究基盤のマネジメント」の概念が強調されるものとなりました。
 そういった意味で、我々の活動の中では、エビデンスベースでいかに研究基盤のマネジメントを推進していくかという視点も重要と考え、例えば、内閣府と協力しながら、研究基盤に関するエビデンス調査も開始しました。P.4に記載のとおり、設備の共用化率という視点では、設備の取得価格帯によってどの程度の共用化が進んでいるか調査し、5,000から1億未満の設備の共用化が最も進んでいるというようなエビデンスを取ることができております。
 さらには、現状では、まだまだ大学において稼ぐという表現はあまり使えないところではありますが、利用料収入のようなこういった資金の循環の見える化も実施されております。価値を創造して、そのお金をいかに生きたものにしていくか、その現状が経年でわかるようになりました。
 今回、内閣府のCSTIにおける研究時間の確保の議論では、技術職員の活躍が研究力強化につながるといった話がフォーカスされておりました。その中で、技術職員というのは結局なにをする方なのかというところの定義が非常に不明瞭であったというところが大きな課題でありました。内閣府CSTIの有識者議員会合では研究開発基盤協議会の関係者のヒアリングを踏まえ、内閣府では文科省と協議しながら教育研究系の技術職員の定義について、現場の状況を反映したような形で整理し、技術職員の現状に関するエビデンスを初めてとることができましたも。
 共用ガイドラインにおける中規模の設備ということで、1億円から10億円規模の設備をイメージされているのかなと思いますが、そもそも設備マスタープランをもとにした設備の概算要求においては、大きな大学を除いては、通るとしても1億円前後ぐらいの要求になり、なかなかそういった高額なものまで各地方中小大学には行き渡らないというところが大きな問題だと思っております。また、そういった設備を使いこなせるような技術専門人財も枯渇しているという状況でありますので、中規模設備をしっかりと整備していくというのは大学のみでできるような話ではありません。新たな財務制度の改革が行われていても、資金を積み立てて中規模設備を導入していくということを考えたとしても、長期的・俯瞰的な視点での計画をつくることができないといった構造となっている点も課題となっています。
 そして、統括部局と共同利用・共同研究拠点や、附置研究所、あるいは、機器・分析センター等との関係性が上手に整理できてない大学もかなりの数あることが調査の結果分かっております。
 P.6の右の図は新しい設備マスタープランである「戦略的設備整備・運用計画」のフローを示したものです。なによりも重要なのは、しっかりと自機関における研究基盤に関する現状把握・分析をしていくことです。これは以前から指摘されていることですが、大学ではなかなかできない大きな課題です。こういったところも踏まえて、しっかりと国レベルで共用ガイドラインのような形で指針を示していただくというのは非常に重要で、エビデンスベースで、資金や資産の循環を行い、各機関の研究戦略、ひいては経営戦略に基づき「戦略的設備整備・運用計画」を実行していく。何を共用して共用しない、あるいは、廃棄をしっかりしていくか、そういったところも含めて検討が必要だということです。
 技術職員に関する現状と課題は、P.7にちょっとまとめさせていただいておりますので、資料を御覧いただければと思います。大学間で比較した場合、諸外国と比較して、テクニシャンという方が圧倒的に少ない。2~3倍違うというような現状があります。これは大学改革の議論の中でも指摘があったところです。そして、我が国ではキャリアパスや評価基準の整備が不十分であり、それにより技術職員の活躍の場が限定されているという状況です。
 最後P.8に、大学の規模の視点、戦略的な設備整備の視点、財務の視点、人財の視点、機関間連携の視点ということでまとめさせていただきました。
 規模の視点でいきますと、大学で整備すべきレベルと国で整備すべきレベル、そういったところを明確にすべきではないかというところが一つ挙げられます。
 「戦略的設備整備・運用計画」の中では、廃棄し切れないような設備の存在について明確に指摘をしておりますが、これは非常に重要な問題で、古い物が整理できないから設備がどんどん積み上がっていってしまい、そして、それらがどんどん陳腐化して結果的に機関の研究力を落としていっているというようなところも見逃せない事実だと思っております。そういった意味で、国として、エビデンスベースで整備方針を明確にしていくために、各機関の「戦略的設備整備・運用計画」を国として共有しながら、各機関と協働して我が国の研究基盤の整備を実施するべきではないかと考えます。
 先ほど申し上げた間接経費等の積上げについて、この「引当特定資産」という内部留保の仕組みというのは新たに整備されましたが、これが十分活用できてないというような状況ですので、設備の戦略的な整備を進める上ではこのような新たな制度の共有も積極的に実施すべきです。
 人財の視点では、1大学での人材育成というのはかなりやられておりますが、全国の大学で共通の評価システムと養成システムの標準化を構築すべきではないかと考えています。こういった1大学ではできないような機関間マネジメント自体は、オールジャパンというような位置づけで、国としてしっかり支援すべきではないかということを考えております。
 以上です。ありがとうございました。

【観山部会長】  ありがとうございます。
 それでは、続いて、国立大学法人機器・分析センター協議会の栗原会長からよろしくお願いいたします。

【国立大学法人機器・分析センター協議会(栗原会長)】  ただいま御紹介いただきました国立大学法人機器・分析センター協議会会長で、横浜国立大学の栗原です。今日は、このような場で意見を述べさせていただく機会を与えてくださり、ありがとうございました。
 それでは、画面共有させていただきます。見えますでしょうか。
 さて、協議会のことはあまり御存じない方も多いと思いますので、簡単に組織の説明をさせていただきます。機器・分析センター協議会は、研究基盤の整備を通して我が国の教育・研究力を強化するため、ユーザーまでも含んだチーム共用の全てのステークホルダーが参画し、こういった現場の人たちの生の声を集約・分析、そして、ファクトベースで文部科学省にフィードバックして、現場との乖離のないボトムアップ型の改善に取り組んでいる組織です。64校の理工系国立大学のうち48大学と、分子研、OISTが加入する国内最大規模の研究基盤に関する協議会で、個人会員ではなく、機関会員制度の1機関1議決票ということで、高い公平性と公共性を持った歴史ある組織です。
 まず、本日のお題である中規模機器の整備について、課題と提案をさせていただきます。
 これまでクライオ電顕やNMRなどの中規模機器は、分野のエキスパートのプロジェクトに対し設備整備されています。これがそのプロジェクトの発展に大きな貢献をしていることは間違いありません。ところが、「ヒト」という視点で情報を集めてみると、幾つかの課題が見えてきます。まず、マネージャーやオペレーターの視点では、プロジェクト期間終了後は予算措置がなくなりますので、拡大した機器や雇用を維持するために、また大きなプロジェクト予算を取るという、プロジェクトの綱渡りをしなければなりません。これはプロジェクト研究という意味では競争原理なので良いのですが、研究基盤という立場から言うと、好ましい状況ではありません。また、ユーザー側から見ると、プロジェクトベースで導入した機器を新たに挑戦的な研究者が利用しにくいという声があります。これでは文科省が意図する真の共用化、オープン化がなされていないと言えます。
 そこで、私たちは、真の共用化実現に向けた設備整備のために、まず中規模機器に関して、コアファシリティベースの機器整備を行い、研究の創発-発展・展開サイクルを起動させるべきと考えます。この申請に対する審査基準として、コアファシリティが本当に組織化され実質的に機能しているかの公平な立場の第三者機関による認定と、利用者の便宜と共用化を見える化するため、大学間で共通フォーマットの予約・課金システムを利用することが必要です。
 また、設備の配置は、大学の地域性を考慮した「研究大学総合振興パッケージ」と紐づけることで、国内の全ての大学から機器にアクセスできる、そういった研究基盤の裾野を広げる配置ができると考えています。
 次に、中規模機器を含めた機器運用に関わる人の問題について述べさせていただきます。
 まず、技術職員についてですが、近年、技術職員は危機的状況にあることが我々の調査や分析から分かっています。技術職員は、この10年間でこのように増加していますが、その増分は兼任や非常勤職員が占めています。そのため、高度専門技術を持つ技術者が育ちにくい環境と言えます。
 また、さらに深刻なことは、一部の大学で、定年退職後の技術職員席を教員の助教枠に配置換えし、教員数減少に対応する人的リソースとして技術職員の定員が使われているということで、これにより常勤の技術職員数が減少し始めています。
 そこで提案です。中規模機器の運用とマネジメントには、高度専門技術を身につけた技術職員の常勤枠での採用が不可欠です。ここで配置された高度専門技術職員は、実務経験を重ね、後任を育て、ここに示す僕らが「SMART」と呼ぶ能力を獲得した人が、コアファシリティマネジャーとして他大学に転出できる仕組みがあれば、その技術や経験を他大学に広げることができ、研究基盤の裾野を広げることができます。「SMART」は座学だけで学ぶことはできませんから、指導力を持ったエキスパートによるOJTを介した能力開発を目指すキャリア形成プログラムの流れをゼロベースでつくることも大切なことだと考えています。
 最後に、センター教員の現状についてお話をさせてください。
 これは昨年公開された共用ガイドラインの中で示されている「チーム共用」のステークホルダーのリストです。この中に、機器管理運用に中心的な役割を果たしているセンター教員の名称がありません。センター教員は、実質的に「チーム共用」の重要な役割を担う構成要素であるにもかかわらずです。
 さらに、学内でのセンター教員の立場が非常に弱いという現実があります。例えば、センター専任教員の職位の8割が准教授以下で、全体の6割に教授ポストがないという点で、待遇が恵まれていない。さらに、各大学内でマスタープランの作成にセンターの教員がほとんど関与していない割合が6割と、研究基盤運用の中心的役割を果たすべきセンター専任教員の立場が極めて弱いことが分かります。
 今後、コアファシリティマネジャーとしての専任教員の役割定義と職務相応の待遇に改善することを通して、コアファシリティの実質化、これの実現のための御検討をお願いしたいと考えています。
 以上で、機器・分析センター協議会からの意見を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

【観山部会長】  どうもありがとうございました。
 御説明いただいた内容について、質問等がありましたら、よろしくお願いいたします。
 それでは、私のほうから。まず、栗原先生、どうもありがとうございました。
 各大学で技術職を研究職で振替えて使っているという状況があり、また、技術者のキャリアパスとか、そういう確保が非常に難しいという状況は前からありました。私どもが所属しているところでもそうだったと思いますが、これはやっぱり各大学、各学部、各単位が、そういうふうに技術職を研究者に振り分けて助教とかを採ってきたという、自分で自分の首を絞めたという状況があります。例えば、私どもが以前いたところでは、反対に、研究職を高度な技術者に振り分けていました。今、各大学は法人化して、その法人化の自由度の中でいろんなことが、金銭的な問題はありますけれども、以前のように技官が幾人で助教が幾人でという、制限はなくなったのでありますから、これは内部的な努力でどんどんそういう形をダイナミックに変えていくということでも対応できる部分があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

【国立大学法人機器・分析センター協議会(栗原会長)】  どうもありがとうございました。
 観山先生おっしゃるとおりで、まさにそれを内部的な問題だと私も思います。ただ、問題の本質は、その内部的な問題が解決できないという点だと思います。ここが実は一番大きな問題で、なぜかというと、まず第一に、執行部、大学を経営する側の人たちが、もちろんいろんな大学があると思いますが、その中で、本当に研究基盤に対して理解をしてくださっている執行部と、それほどでもない、あるいは、そうでもない執行部があり恐らくものすごく温度差が大きくて、そういう部分があって、これをどうやって変えられるのかという問題になります。
 その場合には、執行部を変えればいいのかという議論になると思いますが、意識を変えればいいのかという。それはやはりなかなか困難だなというふうに僕らは考えています。そういったときに、文科省であったり、こういった部会の場であったり、あるいは、国大協であったり、こういったところからのアクションというのがやっぱりあったほうがいいだろうなと思います。やはり現場の情報の流れを含めて、非常に悪いなというのが僕らの印象です。

【観山部会長】  この委員には大学などの執行部の方もおられると思いますが、私の画面に映っている順番に、渡辺さん、中野さん、長谷部さんの順に御意見伺いたいと思います。
 まず、渡辺さん、よろしくお願いします。

【渡辺委員】  ありがとうございます。どちらの御説明も分かりやすくて、すごく納得できて、本当にありがとうございました。
 江端さんの資料で2ページ目に、若手ネットワークの御意見を尊重しながら進めたということで、ここに注目したいと思います。その若手というのはどういう方なのか。ユーザーなのか、オペレーターなのか、何人ぐらいが貢献してくださったのか。
 それと、ここの資料では、チームの共用が大事と書いてありますが若手ならではの提案や、若手がこうしたらいいというような、そういう御意見があったら教えてください。

【一般社団法人研究基盤協議会(江端会長)】  ありがとうございます。
 若手ネットワークですが、中心になる方々が12名ぐらいいらっしゃいました。基本的には、技術職員の方が中心です。そういった意味では、オペレーターの方々というような位置づけかと思います。
 一方で、URAの方々や、マネジメントに関わる教員の方々も少なからずここには関わっているという意味で、若手の「チーム共用」みたいなところが出来上がり、その議論の中で、そういった新たな発想が生まれてきたのかなと思っています。
 具体的な提案としては、やはり現場感覚を踏まえた提案です。特にマネジメント側ではなかなか気づかないような、実際に現場で困っているけどなかなか言えなかった課題などは、ここの若手のチームから発信することができました。
 そういった意味で、繰り返しになりますが、この「チーム共用」という考え方というのは、まさにそういったところからの発想であり、具体的にこの考え方が全国的に広がってきているのは大きな成果であると考えています。

【渡辺委員】  ありがとうございました。

【観山部会長】  それでは、中野さん、お願いします。

【中野委員】  2つ質問があります。まず、技術系職員に関することですが、江端さんと栗原さん、両方にお伺いしたいです。技術系職員の人数、また、人件費もですが、右肩上がりで上がっているにもかかわらず、パーマネントの人が少ないために、なかなか技術の継承が難しいし、また、キャリアパスとしても魅力があまりないという状況になっていると思います。
 それで、江端さんの御説明で、1つの原因として、プロジェクト単位で予算が下りることが多い、それによって長期の雇用ができないということを指摘していただきました。このようなコアファシリティとか共用施設に人件費として下りている予算が、期限付きのプロジェクト経費と、それから、運交金のような継続して続く予算があると思います。その割合をどういうふうに改善すれば、もう少し技術系職員をパーマネントポストで雇用できるかということが最初の質問です。
 2つ目の質問は、同様に教員についても、これは栗原さんの御説明で、かなり大変な状況にあるかなと思うのですが、やはりセンターの教員が属されている組織が小さいというのが一番の問題ではないかなというふうな感じはします。あまりに組織が小さいと、繰り上がり人事以外なかなか難しいという状況があります。大学の中で複数のセンターがそのような状況にあると思いますが、そのセンター群が人事の面で連携して大きな組織をつくるというようなことはできないのかという2点目の質問です。
 以上です。

【一般社団法人研究基盤協議会(江端会長)】  ありがとうございます。それでは、私のほうから技術系職員の件についてお話しさせていただきます。
 プレゼンの中で、少し省略してしまったのですが、P.5に示したデータが日本の研究力に直結するような教育研究に携わる技術職員の方々の調査結果です。男性、女性の比率がほぼ半分ぐらいですが、有期雇用、無期雇用でいきますと、無期雇用は4割ぐらいということになっています。
 我が国のこれまでの政策の考え方からすると、補助金頼みでフォローしてきた部分がかなりあるという結果ですので、その補助金でフォローしてきた分がまさに運交金にそのまま乗っかれば、それこそ継続的な研究環境整備につながる話になるかと思っております。しかし、実際には、そこは非常に難しい。したがって、技術職員の待遇とキャリアパスをいかにきちんと整備するかが重要なポイントだと思います。
 そういった意味で、P.11に参考として入れました共用ガイドラインの好事例として取り上げていただきました「東工大TCカレッジ」と「東工大次世代人事戦略」の仕組みを通じた新たな高度技術人財のあり方が良い事例として高い評価をいただいております。先ほど観山先生からもお話があったように、教員から高度な技術職に行くようなこれまで明確になっていなかったキャリアアップの仕組みは一部の大学からではありますが徐々に整備されつつあるというような状況です。ただ、栗原先生の御説明のとおり、きちんとこのようなキャリアパスが整備できる大学というのはごく限られておりまして、共用ガイドラインのような各大学の執行部を後押しするような国からの提言、あるいは施策は必ず必要です。
 具体的に割合については、そのキャリアと、技術職というのがどれだけ魅力的なのかなどに依存することかと思っておりますので、できる限り運公金で現在雇用されている技術職員の活躍できる環境を整備していきながら、補助金等でさらに活躍の場を拡大できるような形を取っていただきたいなと思っております。

【中野委員】  その点について質問を追加でしたいのですが、研究職から技術職にキャリアを変えられる方は、変えた時点で、研究でのキャリアがリセットされてしまいませんか。

【一般社団法人研究基盤協議会(江端会長)】  ありがとうございます。
 研究でのキャリアがリセットされることはないです。こちらの研究支援の形で実績を積むことができるとは思いますが、またそういった経験を踏まえて教員に戻る、そういったパスも考える必要があるかと思います。
 したがって、それによって教員が技術職員側に流れてくるということは考えられると思いますが、一方通行であると、技術職員側に飛び込んでいくというような気持ちになかなかなれないのではないかというのが、現場の感覚としてはあるかと思います。
 技術職員と言ってしまうと、心理的になかなか教員からは移りにくいかという懸念もありますので、そういう意味では、高度な技術職の新しいイメージをポジティブにつくっていきたいなと考えています。

【中野委員】  ありがとうございます。大変すばらしい取組だと思います。

【一般社団法人研究基盤協議会(江端会長)】  ありがとうございます。

【観山部会長】  栗原先生、どうぞ。

【国立大学法人機器・分析センター協議会(栗原会長)】  それでは、手短に。
 ほとんど江端先生、最初の質問に関してはお話しくださったので、あまりないんですけれども、研究者から技術者、技術者から研究者という双方向の流れがいいのかどうかというと、ちょっと僕は疑問に思っています。
 といいますのは、本当にプロを育てる、育成するという、そういうことを考えると、コアファシリティのマネージャーとして、高度専門技術者はやはりプロになってほしいなと思います。先ほど示した「SMART」ということを書きましたけれども、やはりプロになっていただきたいという気持ちがありますので、それはその程度にしてですね。
 あと、もう1点、教授職の話ですが、これも手短にお答えすると、先生おっしゃるとおりだと思います。大きな組織になるということは大事です。ただ、それの前提も、やはり執行部の方がきちんとそういった手当てをしてくださるということがとても大事だと思います。
 あと、もう1点、お話をしておきたいのは、技術職員が求めていることはキャリアパスなのかということです。そのことについてはここ3年間、我々いろいろ調査をしてきました。その結果、キャリアパスを望む技術職員の割合は極めて少数です。何が必要か、彼らが望んでいるかというと、スキルアップです。この機会がなさ過ぎるというのが今の問題だと思っています。スキルアップ、やはり彼らは職人さんで、僕、すごく立派だなと思うのですけれども、スキルアップを望んでいる気持ちが非常に強いということをここでお分かりいただければと思います。
 以上です。

【観山部会長】  どうもありがとうございました。
 長谷部さん、松岡さん、勝さん、吉田さん、治部さんで止めたいと思います。時間が大分押していますので、手短に御質問いただいて、手短にお答えいただければと思います。
 それでは、長谷部さん、お願いします。

【長谷部委員】  質問というよりはコメントですが、両方の協議会ともに、問題点というのを的確に指摘していただいてありがとうございます。私、共同利用研で働いている者ですから、今の御指摘は極めてもっともだと思いました。
 その中で、特に課金システムと技術職員について、全国規模での統一基準をつくるというのは非常に大事だと思います。例えば、私の所属している自然科学研究機構では、その課金については、例えば、共同利用研は元から予算で共同利用するようになっているから、してはいけないというふうに事務にしばしば言われるんですね。そんなことないんじゃないのかなと思うんですが。
 あるいは、その価格の設定についても、ぜひ全国規模で議論していただきたいと思います。例えば、消耗品の分しか課金できなくて、機器の購入費ですとか新規設備に対する投資については課金ができないというのを、事務の人はかなり強く強調されます。そういう点について、協議会で、今の組織を見ますと、機関事務の方が入っていないような気がしたので、ですので、文科省は入ってくると思うんですが、機関事務の方も含めたような形でぜひ協議を進めていただけたらありがたいと思いました。
 あと、技術職員のキャリアパスということについては、昇級システムについての視点がちょっと落ちていたかなと思います。昇級システム、今、技術職員の給与というのは、研究教育職に比べてかなり低く抑えられています。そういう点も、新しい方をリクルートする上では非常に障害になっていると思いますので、そういう点についても提言をしていただけるとありがたいかなと思いました。
 以上です。

【観山部会長】  ありがとうございました。
 それでは、松岡先生、お願いします。

【松岡委員】  どうも、今日は、御説明ありがとうございました。私の御質問は、もう既に出ていることにも関係していますが、江端先生、栗原先生、お二人にお聞きしたいと思います。
 技術系職員の問題です。私、自分の研究の関係で、外国の大型プロジェクトとも接することが多く、私も外国の方も予算はないと言うんですけれども、技術系職員については大分状況が違うなというのは日々感じております。今日御提案いただいた待遇改善、キャリアパスの改善、それは全くもっともと思いました。一方で、なかなか内部の努力ではもう限界があるというのも現実ではないかと思います。どうしてこんなに外国と違うんだろうということを考えますと、やはり何か大型のそういうプロジェクトをやる、そういう設備を持つとか、そういうことをやる上でのシステムから何からもう違うのではないかというようなことを思います。
 今日御提案いただいたのはもっともなんですけれども、もっとこういう政策というか、施策というか、そういうものがあったらいいというのがあればお聞かせいただけないかと思いました。
 例えば、こういう大きな設備、そういうプロジェクトの予算を認可するときに、こういう技術系職員について何か条件をつけて、そういう条件を満たすところしか予算を通さない、ちょっと言い過ぎかもしれませんが、そういうことをするであるとか、あと、ちょっと外国で見られますのは、必ずしも大学の定員内に頼るのではなく、外の企業ともっと積極的にタイアップして、そういう技術職員というものを外に求める、アウトソーシングする、そういうものもあるのではないかというようなことをちょっと考えておりますが、その辺りについて御意見いただければ幸いです。よろしくお願いします。

【国立大学法人機器・分析センター協議会(栗原会長)】  それでは、まず最初に私のほうから。
 今の松岡先生の御指摘、非常に重要だなと思うことが何点かございました。やはり諸外国とシステムが違うよねという話ですが、確かに僕もアメリカにいたときに、研究基盤に対する考え方が、もう日本とアメリカでは全然違うなと。つまり、大学の中に例えば購買部があって、僕らは制限酵素を買いたいとなったら、もうそこへ行けばすぐ買えるとか、32Pも5マイクロもらえるとか、そういう非常にサポートシステムがしっかりしていると思います。
 それを日本にそのまま持ってこられるのかというのは、もう一つ議論で、実は、僕ら検討を始めているところは、日本式のコアファシリティってどういうものなんだろうということを検討しようと思っています。つまり、諸外国のをそのまま持ってきても多分駄目だろうなということなので、日本で現実可能、どういうシステムが一番理想的なのかということを考えたいと思っています。
 あと、内部努力は極めて重要です。それをぜひやっていただきたいと思うんですけれども、限界はあるだろうなと。そういったところで予算を通さないという、非常に重要な指摘だと思うんですけど、実は、それは先ほど僕がお話しした、やはり文科省がとか、国大協とか、こういったところがきちんと認定するということが大事だと思うんです。つまり、コアファシリティ一つ取っても、本当に動いていますかというのを内輪で評価するのではなくて、第三者がきちっと評価をしなければいけない。
 例えば、僕ら、今OISTといろいろ情報交換するんですけど、そうすると監査が入るんですけど、外国人なんですね。全く別の立場の人が来る。そういうふうな立場の人が監査をしないと多分うまくいかないだろう。それが今の日本のシステムを駄目にしているんだろうなというふうに感じています。
 あと、もう一つだけ。研究ということはとても大事です。研究基盤を考える上で、ここは研究を考える場ですけれども、ぜひ教育という視点を入れていただきたい。そのときに課金というのが本当に正しいのかというのは、学生の教育機会の平等という観点から見ると、それはちょっと違うだろうと思いますので、その辺は御検討いただきたいと思います。
 以上です。

【観山部会長】  ありがとうございました。
 すみません。次、勝先生。

【一般社団法人研究基盤協議会(江端会長)】  少しだけよろしいでしょうか。
 先ほどの諸外国の技術職員の件については本協議会で、オランダのデルフト工科大学で技術職員をやられている方やそのPIの研究者のヒアリングを実施したり、諸外国における技術職員の実態調査等も実施しております。実際に諸外国における技術職員のキャリアがどう違うのか、考え方が違うのかというのは、実はきちんと調査されたことがありません。そのような文献もほとんどない状況です。そういった意味で、文科省さん、NISTEPさんにも協力いただいて、そういった調査は積極的に行っていく必要があるのではないかと思います。また、コアファシリティ事業に採択されるような大学は、それこそ公募の段階で技術職員、あるいは事務職員、特に人事系、財務系の方々をいかに巻き込むか、そういった点も含めて提案することがマストとなっています。
 そういった施策も文科省さんのほうで少しずつ始められている、意識が大分変わってきているなと思いますので、引き続きそれを加速させていただきたいと思います。よろしくお願いします。

【観山部会長】  ありがとうございました。

【松岡委員】  ありがとうございました。

【観山部会長】  勝先生、お願いします。質問は1件でお願いします。

【勝部会長代理】  時間がないようですので、簡単に質問させていただきます。説明、大変ありがとうございました。
 先ほど課金システムの話も出たんですが、最初の江端さんの報告の中の4ページ、やはり特に収入も多いんだなと。この収入で得た資金はエコシステムみたいな形で、いろいろ人財や設備を拡充するために、何かシステムとして使えないのかなというのがアイデアとしては出てくると思うんですけど、この辺、状況はどうなっているのか。10億まではいかないまでも、かなりの額があって、グループによって違うとは思うんですけれども、この辺ちょっと教えていただきたいのが1点です。もう1点は、栗原さんのおっしゃった技術職員について、やはりかなり常勤の方は少ないということで、皆さん、あまりそういったものを目指してなられる方が少ないのではないかと思います。この辺について、例えば、企業との連携とか、流動化であるとか、何かシステムとしてあるのかどうか、この2点だけ教えていただければと思います。
 以上です。

【一般社団法人研究基盤協議会(江端会長)】  ありがとうございます。技術職員の件は栗原先生にお任せして、課金システムの件を御説明します。
 一応、調査結果によると、数千万単位の利用料金の収入を得ているような大学が幾つかあって、それも大学の規模によって違うかと思いましたが、地方国立大学でも、そういった数千万単位の利用料収入を得ているような大学もあります。
 それを使って人を雇用したり、維持管理費に充てたりということはしていますが、一番大きな問題は、先ほど栗原先生も少し触れられましたが、教育に資する取組なのか、それとも研究に資する取組なのかといったところで、教育に対して課金をしてお金をたくさん取るというモデルはなかなか成立しないと思っています。したがって、研究に対して課金をして、それが果たしてペイするぐらいきちんとした料金が取れるかというと、今の各機関の規定の中ではなかなか難しいというのが、これまでの事業ベースでエビデンスとして出てきておりますので、まずは、それで利用料でペイするという考え方はあまりないかなと思います。
 特に学外との連携においては、産学連携の形、共同研究の形で、さらにその価値を上げるような取組であったり、例えば、教育に資する話であれば、授業料を上げていく、そういったところも含めて、機関全体の経営的・財務的な視点で、もっと大きな議論にしていかないといけない重要な問題です。課金のところだけにフォーカスして頑張っても、それだけではすでに破綻している話であるということがこれまでの経験で分かっているところなので、ぜひ、もっとこの話を広げて、議論を引き続きお願いできれば幸いです。よろしくお願い致します。
 
【国立大学法人機器・分析センター協議会(栗原会長)】  では、時間がないので、かいつまんで。
 課金の話は、今、江端先生がおっしゃってくださったので、ちょっとだけ。ちなみに、横浜国大は、学内では課金はしていません。機器の利用料は無料です。外部利用とかの外部収入で大体年間500万あるんですけれども、これは機器の導入に使っています。リース契約という新しい契約の仕方、プロジェクトではよくやるんですが、これを大学の中でリース契約で、今回NMRを入れて、今、原子間力顕微鏡とMSを入れています。こういったことが可能になります。
 もう1点の御質問で、技術職員の流動性なんですが、これはあまりないなと。ただ、今の時点ではないんですが、例えば、教員の場合には、教授から教授へという形で、ほかの大学へ移ることができるんですけれども、技術職員の場合には、あまりそういうポジション的に明確ではないので、次のところへ移ってどうなのというのはなかなか難しいなという。だから、そういう意味では、ポジションをきちんと明確にそろえるということも、各大学であっていいのかなという印象は持っています。
 以上でよろしいでしょうか。

【観山部会長】  ありがとうございました。
 吉田先生、お願いします。

【吉田委員】  じゃ、簡潔に、江端先生に2点ほど。
 7ページ、諸外国との違いということで、テクニシャンの数ということを言及されました。あわせて、大型あるいは中型機器のメンテナンスであるとか、あるいは更新、そういうものが諸外国ではどうなっているのか、もし分かれば教えていただきたいのが1つです。
 それから、2ページのところで、ガイドラインへの提言に言及されて、特に地域中核大学等の概念というふうなことでポイントアウトされましたけれども、そこら辺、もう少し詳しく分かれば教えていただければと思います。よろしくお願いします。

【一般社団法人研究基盤協議会(江端会長)】  ありがとうございます。
 メンテナンスの件ですが、諸外国では、プロフェッショナルなテクニシャンが、共用施設とセットで存在しているという状況で、コアファシリティという概念は、ハードとソフトがセットになっているというところが、まず大きく違うところだと思っています。そのような施設にいるテクニシャンの方々が、しっかりとメンテナンスまで含めてプロのお仕事をされるというのが諸外国の典型的な状況ということになります。
 一方で、御存じのとおり、日本の場合は、教員が教育研究をしながら一所懸命設備の整備もやったり、研究室の学生さんが対応したり、必ずしも技術職員のミッションというわけではなくそういったところで非常に複雑な状況になっています。教育研究力の向上に加え、安全性の面も含めて考えても、よりプロフェッショナルな方々として高度な技術を持った専門人財にその業務を担っていただくということが必要だと思っています。
 2点目のお話ですが、地域中核研究大学というのは、これまでの概念ですと、地域と言うと、そこの地域、例えば、中国地方や、四国地方などで、限定されるような形が一般的だったと思います。今回、国としての議論で出てきているキーワードとして、オールジャパンで高度技術人財養成やネットワーク構築等を行うべきというところがあり、それをどのような形でフォローするのかという議論がまだまだ抜け落ちているかと思っています。
 したがって、我々、一般社団法人研究基盤協議会や今回プレゼンされている各協議会等の関係団体の皆さんが、いかにオールジャパンのネットワークを構築し、それを各地域の中核大学と連携しながら、人材育成なり、データプラットフォームなり、そういったものを全国的につくり、各大学の負荷を減らし、教育研究力の向上に貢献するか、そういったことが施策として必要ではないかなと考えておりますので、そういった意味での国の投資もぜひお願いしたいと考えているところです。
 ありがとうございます。

【観山部会長】  どうもありがとうございました。
 では、治部先生、お願いします。

【治部委員】  ありがとうございます。
 栗原先生の話を聞いて、高度専門技術職員の雇用の安定と、ポータブルスキルにするということはとても大事なんだなということがよく分かりました。
 それで、伺いたいのは、いろいろな状況が分かったんですけれども、現状、研究力を高めていくために、そういった技術職員の方の状況を変えるということが、今ある大学内の人事制度内で可能なのか、はたまた予算措置、予算を増やすということが必要なのか。仮に予算を増やす場合に、それは現状の文科省予算で可能なのか、もう少し財務省に言って、文科省予算、高等教育の予算、研究予算そのものを増やす必要があるのかによって、結構議論のレベル感も違ってくるのかなと思います。
 私は文系なので全く今日の議論には明るくないんですが、何となく雑感で言って、恐らく納税者の認識をもう少し高めたりとか、財務省にきちんと言っていく必要があるのではないのかなと思うんですが、その辺りのところをお聞かせいただきたいことと、あと、その場合の規模感、何億円とか、何十億円とか、何百億円か分かりませんが、どれくらいあると研究者の皆さんにとってベターというか、国際的に遜色ないレベルになるのかということを伺いたいです。
 少なくとも研究者の待遇が欧米先進国と比べてかなり日本が大変な中で、皆さん頑張っているということは認識はしているんですが、ちょっと金額をお聞きしてみたいと思います。よろしくお願いします。

【国立大学法人機器・分析センター協議会(栗原会長)】  かなり大きなお話なので、どう答えていいのか、今お答えしたらいいのかよく分かりません。はっきりしているのは、文科省からの運公金ってどんどん減っている。その結果何が起こっているかというと、大学では教員の数が減っています。そもそも教員の数が減っているところで、なので、技術職員の数も減って当然だよねという考え方が多分あると思うんですね。したがって、少なくとも今より多いというか、この減ってしまった分をもうちょっと人として足していただきたい。だから、少なくとも予算を減らすのはまずいなという印象を持っています。やはり人が一番減らしやすいので、そこから減らしていきますから。
 だから、それが何億円なんだと言われると、すみません、そこに対しては、僕はお答えは難しいのです。ただ、はっきり言えるのは、研究はお金がかかります。ただし、大学というのは、もう一つ、教育機関であるということを考えれば、研究費は自分で取ってこいやという部分もあるので、やはり教育に対してのサポートは文科省でしていただきたいです。それが幾らなのかというのは、すみません、それは僕のほうではお答えできないので、財務のほうにお詳しい江端先生、お願いします。

【一般社団法人研究基盤協議会(江端会長)】  ありがとうございます。
 先ほど御指摘いただいたところですが、一つ言えるのは、P.7に示しておりますグラフは、諸外国と比べて、日本の研究者1人当たりの研究支援者数がどの程度かを見ているわけですが、特にこのテクニシャンにおいては、日本の場合は0.0何人というような形になっております。これを諸外国と比較すると、2倍から3倍は確実に必要だということになりますので、今、無期雇用の技術職員が全国で4,000人ぐらいいるとして、その方々を2倍、3倍にしたときの金額感というのが必要になるのではないか。それはまさに今、文科省さんで公募されている国際卓越研究大学に対する投資の規模間のような話になるかと思います。
 重要なのは、技術職員の方のミッションが非常に広範囲で、様々なことが業務とされているため技術職員の方が何をすべきかが実は明確でないという点です。先ほど栗原先生おっしゃったような、教育に資する非常に重要な技術職員の方もいらっしゃいます。したがって、そういった方々をそれぞれどういう形でプロフェッショナル認定していくのかというのが非常に重要で、少しずつですが、そういった取組は各大学で進められております。
 そういった意味で、すみません、最後に事例として、本学の話になりますが、先ほどご紹介した「TCカレッジ」という、テクニシャン、技術職員の方々の育成システムについてご紹介させてください。先ほどお話があった研修の機会がないというのは少し表現が難しくて、研修自体は、実は個別にちょこちょこ実施していますので、個々の技術スキルというのは少しずつ上がっていくかもしれませんが、それを体系的に人材育成をするようなシステムはありませんでした。それを東工大では、博士論文のような「TC論文」というのを書いていただいて、プロフェッショナル認定していくというような認定制度を作り、TC(technical conductor)という称号を出しておりまして、それが全国13機関に受講生が広がっており、岡山大学、長岡技術科学大学,山口大学といった3
つのサテライト校および自然科学研究機構と一緒に連携するような形を取っているという意味では、こういった仕組みは、当然東工大だけでできるような話ではないので、これをさらに全国に広げていき、技術職員の高度化と技術レベルの標準化を目指す、そういったところに国として投資をしていただくというのは非常に重要かと思っています。
 とにかくオールジャパンで全国を挙げてやっていかないと、技術職員の関連の問題は解決しないと思っておりますので、ぜひそういった形で進めていただければと思っています。よろしくお願いします。

【観山部会長】  どうもありがとうございました。
 江端先生、栗原先生、どうもありがとうございました。退出していただいて構いませんけれども、残っていただいても結構でございますので、よろしくお願いいたします。
 次は、国立大学附置研究所・センター会議及び国立大学共同利用・共同研究拠点協議会です。
 まず、佐々木会長より御説明をいただきます。

【国立大学附置研究所・センター会議(佐々木会長)】  私、国立大学附置研究所・センター会議の現在会長をしております、東北大学金属材料研究所で所長を務めております佐々木と申します。よろしくお願いいたします。
 また、本日の発表は、同じ国立大学共同利用・共同研究拠点協議会の、京都大学エネルギー理工学研究所長の森井先生も参加させていただいております。
 それでは、画面を共有させていただいて、始めたいと思います。
 本日は、附置研・センター会議、また、共同利用・共同研究拠点のほうから、現在の学術研究基盤整備、特に中規模設備、中型設備の現状に関する課題や要望についてお話しさせていただきたいと思います。
 最初に簡単な紹介ですけれども、この国立大学附置研・センター会議、また、国立大学共同利用・共同研究協議会について、簡単に御説明します。
 こちら、国立大学法人に設置されました、いわゆる附置研またセンターの所長・センター長が連絡・協力を取り合う会議体でございます。全体として大学は、研究教育の場ではあるのですけれども、特に研究に特化して、自然科学、人文・社会科学、各研究分野それぞれに附置研・センターございますので、それらを取りまとめた協議会になっております。
 また、その中で、いわゆる共同利用・共同研究拠点として認定されている機関がございます。こちらは、海外大学、また、国内の各研究機関と連携して、各研究コミュニティの共同利用・共同研究を振興しているものになっております。このような共同利用・共同研究拠点は、大学の附置研や研究センターが中核となって展開されているものでございます。
 大体どのような数や分布があるかについてなんですけども、附置研・センター会議では、トータル107機関ございます。また、ほぼ同じような包含関係にございますけれども、共同利用・共同研究拠点、こちらは今トータル95拠点ございます。
 特に、この国立大学共同利用・共同研究拠点というものは、国内の大学、国際共同利用・共同研究拠点もございますが、大学や組織の枠を超えて、研究コミュニティの共同利用・共同研究拠点として、世界的に見てもあまり例がない、我が国独自の研究システムになっております。このようなセンターや拠点を舞台にして、いわゆる先端的な学術研究を展開しております。我が国の学術研究を牽引しているという自負もございます。
 一方で、各附置研・センターですけれども、かなりサイズ感、規模に分布がございます。こちら、横軸に、各拠点やセンターの数を教員数でヒストグラムを取ったものですが、多いところは教員数として80名以上、100名以上のところもございますけれども、中央値として、平均値としては、教員数平均33名程度。最も多い数で言いますと、20名以下のような比較的小規模の研究所・センターというところもございます。
 この附置研・センターですけれども、非常に長い歴史、日本の学術研究の創始から存在いたします。最初の附置研は、東京帝国大学に伝染病研を附置された頃に始まります。既に100年以上の歴史を持つものです。特に戦後は非常に数も多くなり、現在では理工学、医学・生物、また人文・社会系も含めた幅広い学術領域に、この研究所・センターが広がっております。また、国内の地域分布を見てみましても、北海道から沖縄まで、各地域地域にこのような拠点が存在しております。
 まず、共同利用・共同研究拠点ですけれども、基本的には、各大学の一つの部局としての研究所・センターが拠点として認定され、一つの大学だけではない、他大学、高専や企業、また海外の大学からの研究者を共同利用・共同研究として受け入れております。一つの研究コミュニティの中での重要な研究の目利きのような機能を持っております。
 特に、国内外の研究者の方に対して、一つの大学や機関で導入していない拠点の設備を共同利用として利用できるということ、また、拠点自身はそのような特化した設備を有しておりますので、その設備についてのノウハウをずっと有しております。そのため、外から来ていただいた共同利用の研究者は、拠点に来て共同利用していただくことで、迅速に研究を進めることができる。このような他大学、海外から研究者が集まることによって、またリアルに集まることによって、研究分野の活動、一つの大学や拠点機関にとどまらない、コミュニティとしての活動の中心となっています。また、そのように人が集まることから、それぞれの拠点ではコミュニティの持っている要望などを常に直接的に把握しております。そのような状況から、各拠点では、その拠点で必要となるような共通的な設備の更新や、開発の方向性を明確にビジョンとして持っているところが多くございます。
 このような拠点というのは、共同利用・共同研究として研究者の方は設備利用で来られている方が多いので、そこで必要となる中規模の研究設備については、各拠点や研究所・センターで導入や運用、また、その機能の高度化、先ほどからお話ありました技術系の職員の方と一緒になって、活用を図ってきました。
 このような点から、理工系、また、生命科学、人文・社会含めた新しい新学術知の創出の中核的なところになっている。また、共同利用や共同研究を通して、若手研究者の育成にも非常にこの拠点や研究所・センター中心的な役割を担っているかと思います。
 研究設備の現状について、これ、私が所属しております東北大学の例ですけれども、先ほどからお話がありました、いわゆる装置の共用化については、大学として、コアファシリティ事業ですとか、低温センターの液化機ですとか、大学の共用設備共用化という流れが一つございます。
 また、各研究所や共同利用拠点では、それぞれの共同利用・共同研究、1つの研究コミュニティにある意味で特化した中型の先端設備を持って、それを国内外の大学や研究者、企業に開放して共同利用にしているというように、若干その設備の設置・利用目的が違います。共用設備、共同利用設備それぞれ共通的な課題を持っていますけれども、特に現在、中規模研究設備の更新は必須の課題になっています。特に老朽化が進んでおります。また、既存の設備であっても、維持・運用・修繕に係る経費の確保に苦労しているというところです。
 あと、新しい設備の導入を各拠点で行いたいのですけれども、遅れているということがあります。
 このような状況の中で、日本の共同利用・共同研究を支える設備や装置を、特に長期的な視点の下で共通的に導入・整備する方法・仕組みが今のところ限定的な状況にあります。
 その限定的な理由ですけれども、右側の図には、このような研究設備を要求する主体と金額を非常に概略的な図として示しております。各研究者自身は、主として科研費などに代表されるような公的外部資金で、1億円以下程度の小型の研究設備は、それぞれの研究者が導入いたします。
 また、大学は、先ほどからお話ありましたような、いわゆる大学が策定する設備マスタープランに基づいた設備要求を概算要求としています。また、文科省のロードマップなどでは、各研究コミュニティを中心にして、ナショナルプロジェクトとして計画しているような大型の設備があります。ただし、附置研・センタークラスの部局から直接的に予算要求ができる中型設備のところがぽっかり空いているというのが現状です。
 このような状況から何が起こるかと言いますと、特に大学から出る設備マスタープランというのは、大学の教育に必要な設備整備が多くの部局からの要望によって順位が決定されるということで、研究に特化した設備というのは、なかなか大学の設備マスタープランの上位に載らない傾向があります。どうしても複数部局からの共同提案の順位が高くなるということで、比較的共用設備的な、汎用性の高いものというものの順位が高くなりがちになっていますので、特定の研究分野、研究コミュニティに資するような設備要求というのは、大学から出るときに順位が低くなってしまいがちということがあります。
 また、設備マスタープラン、これは、数年間にわたるマスタープランをつくるわけですけれども、なかなかこういうところに出ますと、世界的な現在の研究競争のスピード感に対応した設備要求になっていないという現状でございます。
 共同利用・共同研究拠点というものは、附置研自身の歴史は100年を超えますけれども、現在の共同利用・共同研究拠点制度が開始して13年が経過いたします。この間、国内外研究者を対象にした共同利用・共同研究を展開しております。その中で、やはり現在、中規模設備の老朽化や陳腐化、現在の非常に早い研究スピード感になかなか設備整備が追いついていないという現状があります。
 また、一方で、私たち拠点や研究所というのは、その研究コミュニティの中で、今の立ち位置や研究のストリームというものを十分によく把握しています。あわせて世界動向を十分に把握しています。このような、いわゆる目利きと言われるような機能を、スピード感を持って中型の設備要求に反映されるような仕組みが必要であろうと我々は考えております。
 ここは私や森井先生と相談している中での非常に試案的なものなんですけれども、附置研・センター会議や拠点協議会という、いわゆる日本の研究コミュニティの中で、このような中規模の設備計画を各大学、関係大学とともに練って、それを審査主体、文科省、国に申請する新しいスキームを提示させていただきます。その中では、採択後の設備の運用費用、技術職員の方の雇用、そのようなものも含めた、長期的な視点からの運用ができるような予算要求ですとか、財政的な支援なども得られるものがあるといいと考えています。
 これはやはり研究にある意味で特化した、もちろん研究の中で若手研究者、学生の方の教育という面もありますけれども、特に研究に特化した部分で、大学から出る設備マスタープランとは別枠として、コミュニティ、拠点、研究所から出せるような予算要求枠があると、非常に日本の研究力等の向上に資するものになると我々は考えております。
 これ以降のページは、参考として、意見をまとめる中で、附置研・センター会議、拠点協議会でアンケートを取って、各拠点・センターからの生の声として、この後の資料としてつけておりますので、御参考いただければと思います。
 少し駆け足での説明でしたが、以上です。

【観山部会長】  どうもありがとうございました。
 いかがでしょうか。非常に重要な点を指摘していただきまして、最後はちょっと提案みたいな形です。確かに、法人化した後、法人の中のコミュニティに基づいて附置されたという仕組みと、大学毎の法人化というものと、もう少しうまい連携ができればと思います。今は問題があるような現状での、それに対する御提案がありましたけれども、いかがでしょうか。
 それでは、私のほうから1つだけ。大学共同利用機関、それから、共同利用・共同研究機関、附置研というのは、日本独自の仕組みで、20世紀、随分活躍してきたと思うんですね。それは割と分野分野でいろんな設備、それから、いろんな技術者をある程度そういう中に入れ込んで、先ほどから随分議論になった技術者のキャリアだとか、設備だとかというものに効果的に大学の枠を超えて使われてきました。うまい成功例だったと思うんですが、ここに来て様々な問題が指摘されています。たとえば研究力が非常に落ちてはいないけれども、ほかの国に比べて伸びていないという状況が、どうも今までの附置研とか共同利用研で、みんなが使ってうまくやっているという部分が、先ほど言いましたように、設備の更新だとか、そういうものがうまくいっていない状況も一端としてあるのではないかなという感じを持っています。
 先ほどありましたように、大学が予算要求するということと、大学にある共同利用のための附置研なり共用拠点がうまく予算を確保していくということが難しくなっていることも一つの原因なのかなと思いますけれども、どうでしょうか。森井先生、そういう点について、いかがでしょうか。

【国立大学共同利用・共同研究拠点協議会(森井会長)】  ありがとうございます。まさしくおっしゃるとおりでございまして、附置研・センターというのは、大学の研究力というものを支えることを自負しておりますけれども、その中の一つの機能ということで、コミュニティ、即ち大学の外と、世界にまで通じた機能を発揮する共同研究・共同利用をサポートするのが拠点機能でございます。
 それを特徴づけているのが、先ほど佐々木先生から御紹介ありましたけれども、非常に多様な学術分野というものを附置研・センター及び拠点はカバーしている点です。それぞれの拠点を特徴づけるといううえで、全部の拠点ではないですけれども、中規模の設備というものは、かなり特色的な役割を果たしています。中規模であるからこそ、より先端に近い研究ができると同時に、超大規模設備と違って、ちょっとしたアイデアを手軽に確かめられる。この学術の発展にとって非常に重要な研究を活発にできることが、これまでの日本の学術を支えてきた内特徴だと思っています。
 それに加えて、附置研・センターというところには、それぞれの装置に特化した、即ちその装置のプロこれは、先ほど来、話題に出ていますけれども、そういう、技術職員もおられます。ですから、中規模設備とそれを支える総合力非常に強かったんですけれども、その更新が世界のスピードに追いついていない。それがまさしく今、先生がおっしゃった、研究力は落ちてはいないんだけどついていけていないというところの大きな要因になっていると思います。
 日本のトップ10%等の学術論文を見ましても、トップの部分というのは、まだ頑張っているのですけれども、日本の大学の中堅どころからの論文発表数等が、諸外国に比べてかなり落ちてきているというデータもございますのは、あながち偶然の一致とは言い切れないと思っております。
 研究の多様性を保つこと、それから、いかに最先端の研究で使える設備を早く更新できるか、これら点が本当に重要だと思っております。

【観山部会長】  委員の方々から質問なりコメントがありますでしょうか。どうぞよろしくお願いします。
 あまり時間のことを言ったので、今度は質問がなくなってしまったのかもしれませんけれども。

【国立大学附置研究所・センター会議(佐々木会長)】  それでは、先ほどの観山先生のご質問に少しコメントさせていただいてよろしいでしょうか。
 かつては、日本の各国立大学の中でも、小型装置であっても持てないところが多かったです。ただ、最近は、小型の分析ですとか、関連する装置については、それなりに個々の大学や研究者の方が所有するようになりました。そうすると、共同利用の意味合いも、昔は小型装置・分析装置を利用するために拠点に来ていた。ただし、だんだんと小型装置については普及しているのは事実だと思います。
 一方で、さらに先端的な中型の装置を拠点として整備して、個々の、小規模大学、中規模大学、裾野の広い大学の共同研究者・共同利用者が、自分のところで持てない、個人では持てない、個別で持てない装置を拠点が整備して共同利用に供するという傾向に、その度合いとともにだんだん変わってきた、研究実施の在り方が歴史的に変わってきていると思います。
 現在は、ナショナルプロジェクト的な大型のものは、文科省ロードマップなどで整備される。小型のもの、汎用的なものは、共用化するというような流れの中でも整備が進みつつある。一方で、中間的な、個々の研究者では持てないけれども、ナショナルプロジェクトまではいかない中型設備、ただ、それがないと世界の研究ストリームの中には絶対に乗っていけない、スピード感を持った中型設備整備というのが、今、日本の政策の中では穴が空いているというのが現状かと思います。

【観山部会長】  ありがとうございます。
 そのために、こういう機会を設けているわけなんですけれども、確かに超大型施設は、ロードマップみたいな形で進めているわけですけれども、中規模に関しては、各大学で結構設置することができるというのはあるんですが、さっきもありましたように、そのプロジェクトの期間が終わると、それを維持するための経費がなくなる。それから、技術職員は、もともと足らない。共用にしようと思っても、なかなかそういう対応ができないという部分があって、やっぱり戦略をつくっていかなければいけないかと思いますが。
 森先生、どうぞ。

【森委員】  ありがとうございます。
 今、佐々木先生、それから森井先生から、まさに的確な御指摘をいただきました。縦軸ということで、それぞれの大学があり、自立経営を求められる中、学術の発展には、縦軸だけではなく、横軸が必要で、その横軸の中で学術をグローバルな視点から展開することが必要です。その横軸の活動を支えるために、スモールスケール研究は科研費、プロジェクトで賄われ、中・大型の一部の装置は、ロードマップに認定された計画を含め大型プロジェクトで選定され、世界の最先端の研究が推進されています。
 さらに横軸は、次世代を育てるという意味でも非常に重要です。その中で、横軸を支える共共拠点の概算申請ですが、法人化前は各拠点から文科省に提出されたのですが、法人化後は縦軸の大学を通して出すことが必要で、横軸を視点とした提案が難しい状況です。これに関して、文科省側では、どのように考えていらっしゃるのかお伺いしたいので、よろしくお願いいたします。

【観山部会長】  事務局、いかがですか。

【森委員】  まだ進行中のところも含めて、何かありましたらよろしくお願いいたします。

【黒沼大学研究基盤整備課長】  大学基盤整備課長、黒沼でございます。
 まさに大型のところにつきましては、ロードマップとかで優先順位をつけながら、各大学の要求枠と別枠で、運営費交付金の中で、予算総額の中で枠をつくっていたりはするんですけれども、まさにそういう予算枠を中規模のところでもつくれれば、御指摘のようなこともできるかとは思いますし、運営費交付金の予算枠と別枠で、そういうものをつくっていくというのも議論としてはあり得ると思いますので、今日のヒアリングとかは、今後の議論を踏まえて、予算に向けて検討していきたいというふうには考えております。また御意見賜れれば調整したいと思います。

【森委員】  どうもありがとうございます。よろしくお願いいたします。

【観山部会長】  そういうために、この会議をやっていると思います。
 中野さん、ちょっと手短にお願いします。

【中野委員】  今の森さんの意見に賛成するのですけれども。今、大学で予算要求するときに、複数部局で要求であることが必要であるとか、そのような条件が設定されているのは、できるだけ大学レベルで統一した要求にするため、一部局が欲しいものではなくて、複数部局が欲しいものが順位が上がるというシステムになっていると思います。大学の枠を超えた取組を実施するときに、そういう順位上の特別扱いができなくなっているというのが、やっぱり非常に大きな問題だと思います。
 だから、今回も提案されたんですが、何らかの方法で、例えば、拠点協議会であるとか、附置研会議が、大学レベルで出てきた設備マスタープランでもいいけれども、大学の枠を超えた取組をエンドースする仕組み、例えば、A大学から出てきたこの設備プランは、大学の枠を超えて大事だと思っていますよということをコミュニティや他大学が発信できる、あるいは、後押しできるような、そういうシステムがあると少しは改善するのではないかと思います。
 以上です。

【観山部会長】  重要な指摘だと思います。
 それでは、どうもありがとうございました。佐々木先生、森井先生、本当にありがとうございました。退室していただいて結構でございますが、残っていただいても結構でございますので、よろしくお願いいたします。

【国立大学附置研究所・センター会議(佐々木会長)】  どうもありがとうございました。

【観山部会長】  次に、大学共同利用機関法人として、自然科学研究機構の川合機構長より御説明いただきます。よろしくお願いいたします。

【自然科学研究機構(川合機構長)】  機構長の川合でございます。
 資料は、私のほうからシェアするんでしょうか。

【観山部会長】  文科省、事務局のほうから?

【自然科学研究機構(川合機構長)】  一応できることはできるので。

【柿澤大学研究基盤整備課学術研究調整官】  もしシェアできるようでしたら、お願いします。

【自然科学研究機構(川合機構長)】  では、今、プレゼンテーションモードに切り替えます。
 では、中規模中核研究設備の重点配置の必要性について、自然科学研究機構の川合から説明させていただきます。
 今日お話しするのは、ここに挙げたような順番でございます。皆さん御案内のとおりだとは思いますが、大学共同利用機関とは何ぞやということを最初にお話しさせていただきます。
 これはもともと個々の大学の枠を超えて、効果的な共同研究を推進するということで、今の共同利用機関、天文台は除きますと、1975年に分子科学研究所ができたあたりから共同利用のシステムとして整われていきます。
 我々の役割は、個々の大学では整備が難しい規模の、それから、維持管理が困難なような大規模な施設を整備をすることです。そして、先端的な共同研究や新分野開拓の場を提供すること。さらには、膨大な学術資料はデータなどの知的基盤というものを供して、国内外の学術研究の発展に貢献するというのが我々のミッションでございます。
 具体的な研究所の名前を見ていただくと、ああ、この研究所がそうなのねということで分かりやすいかと思いまして、右側の下のほうに4つの研究機構に入っております研究所や台、それから、センターなどの名前を示しました。
 自然科学研究機構は、その中でも特に自然科学分野の国際的研究拠点として活躍する研究所を束ねておるところでございまして、その最たるものは国立天文台です。国立天文台は、国内外の天文学の先生たちが共同の設備を使うということをサポートするために働いている機関でございまして、観測装置の設置と技術の提供、時によっては、解析方法までも提供しています。そういう意味で、国立天文台は包括的な共同利用の研究機関の代表です。
 共同利用機関は、左下に書いてあるように、研究者コミュニティの要請に従って設置されていた経緯がございますので、必然的に国内外の大学や研究機関、即ち、アカデミアからの要請を受けながら運営をすると同時に、最近は産業界からも利用される方が大変増えてまいりましたので、産学のインタラアクションも強固になってきていると思います。
 次に、ここで議論する中規模研究設備とはどのくらいの大きさのものを想定しているかを定義しますが、先ほど佐々木先生や森井先生の話を伺っていますと、共通した認識で進められているようではございます。数億円から200億円以下という言い方をしたのは、200億円を超えるものはビッグプロジェクトとしてフロンティア研究等でサポートされているという認識でございますので、それ以下という意味で、この金額を上限とします。
 この規模の研究設備の大事さは、これまでも前の先生方も述べてらしたとおりでございますが、特に最近、機器が高騰化しておりまして、個別の大学ではなかなか入手できないものも増えていると認識してございます。
 私自身、分子科学研究所で一年ほど前まで実際に運営を見ていた立場として申し上げると、ここ10年ぐらいの間に、共同利用研を使いに来る大学の種類によって、利用目的に差が出てきていることに気がついておりまして、これは重要な視点ですので、見ていただきたいと思います。
 左側は小型の放射光施設、UVSORを使いに来ている人たちの年次変化でございます。大学のカテゴリー分けは数年前の古い形を使っておりますので、重点支援の1、2、3と書いてございますが、研究大学、それから、地方貢献大学といったことで分類されているものとほとんど一致しております。UVSORのような特殊な装置、もともと全ての大学でそろえることができないような装置は、どのカテゴリーの大学からも利用者があり、変化はあまりありません。常に求められています。中型設備の一定した要請状況を反映しています。
 それに対して右側のほうは、汎用性の高い共同利用機器に対する利用件数の推移ですが、2012~2013年ぐらいから、地方貢献型にカテゴライズされた大学の人たちからの利用者数が急激に伸びております。
 分子研ではなるべく最新の汎用性の機器を備えるようにしておりますので、そういうところを狙って、あるカテゴリーの大学からの利用要請が非常に高くなっているということを認識しておりまして、中規模設備をちゃんと設置することと同時に、汎用性のある高いものであっても最新の設備をどこか、決して大学共同利用研だけでなくてもいいんですけど、共同利用ができるようなところに設置することも、我が国にとっては非常に大事かと思います。
 先ほど物性研の森先生がご指摘されたように、大学自身は縦割りの国内競争にさらされて、これによって効率よい運営が実現してきてはいますけど、失ったものも多いことは皆さんも御承知のとおりでございます。そういう意味では、大学の活動に横串を刺す共同利用の機関の存在は重要です。共同利用研究所というのは日本固有のシステムでございますので、ぜひこれを強化して、多くの学生や大学院生を抱える地方の中堅大学の研究力強化を目指すことを提案します。国内規模ではありますが、研究力のボトムアップに寄与できることは、これまで御議論されていたことと同じ方向であるかと思います。
 では、その研究設備を置いたときに、大学共同利用研だったらどんなことができるかということを少し整理してみました。ある程度の設備投資するわけですので、その効果を最大限にするためには、次の3つのカテゴリーの方々を対象にサポートを考えなければいけないのではないかと思っています。
 1番目は、利用者自身が十分に知識を持っているので、装置を適切に整備しておけば、それでサポートになっているというケースです。先ほど来先生方の議論を聞いていると、この辺のところが中心なのかなと思いました。
 2番目は、利用者自身がこの装置の有効性を認識していて使いたいと思ってはいても、使いこなすスキルをそれほど持っていらっしゃらない場合です。高いニーズがあると思います。ここには専門的なコンサルティング、すなわち、サイエンティフィックな観点と実験的な解決手段とを結びつけるようなコンサルティングが必要です。このカテゴリーの方々に対しては、測定解析の技術の提供も必要です。この辺りの技術提供については国立天文台のような機関ではすでに国際的に動かしていますし、分子科学研究所でも、このようなコンサルティングは行っておりました。ここまでのサポートを実現するためには、一定の人員とお金が必要ですので、それなりの設備投資の覚悟が必要かと思います。
 3番目が、もしかするとボトムアップという意味では一番大事かと思います。御自身は、自分の研究とこれらの装置との関係性をあまり認識していませんが、装置の有用性を知っている人が見ると、この人の研究、これを使ったらすごいぜというのが分かる場合があります。そういう場合は、共同利用研の側としては、新規利用者の開拓ということになるんですが、単に広報するだけではなく、こちらから目をつけたところに行って、これやりませんかという、リクルーティングに近い接触が必要かと思います。この最後の支援は、実は播磨にあります理化学研究所のSPring-8の施設で、10年ぐらい前に力を入れていたリクルーティングです。そして、超一流の論文を書くお手伝いをしたという歴史がございます。全部の共同利用研でできるとは思いませんが、こういう考え方を整理しておくことはすごく大事だと思います。
 このスライドは、今までだらだらと述べてきたことをまとめたつもりです。個々の大学ではそこそこの装置を整備することができるようになっている。これはさっき東北大の佐々木先生がおっしゃったとおりだと思います。ただ、整備できる大学とできない大学があるというのは、分子研の経験から感じています。汎用的なものであっても、最新鋭のものを共同利用の拠点に置くことは大事かと思います。
 さらに、先ほど述べたようなコンサルティングからリクルーティングまでやるということになると、これはある程度人員を既に備えている大学共同利用機関の担う役割かなと思っております。今まで私たちがやっていたものをさらに強化しなければなりませんので、現状のままで期待に添えるわけではありませんが、目指すべきはここにあると思っております。
 最後に、大学の研究力に貢献するという矢印の下にサポートしている事例を書き出しておりますので、お手元の配付資料を御覧いただければと思います。
 次の課題は、予算額の問題でございます。これは先生方全員が認識されていると思いますが、かつては大学の運営費交付金のレベルでそこそこの装置を買うことができました。それは、運営費交付金の総体的な金額がそこそこの金額であったということと、中規模の設備群の中でも、安いほうは比較的金額も小さい億のほうで買えたので、工夫の余地がまだあったかと思います。この図は縦軸にサポートレベルを示していますが、かつてあまりサポートは必要ではなく、必要な人が使っているというレベルだったと思います。先ほど申し上げたように、本当に底上げを狙うのであれば、サポートする質を変えないといけないと思います。
 価格についてですけれど、これは一般的な消費者物価の指数でございます。驚くべきことに、数年前から、日本に比べて、欧米の諸国はぐんと消費者物価が上がっておりまして、これに連動して大型装置の価格も物価とともに高額になっています。さらに、為替レートのこともありますので、日本から見ると、何でも高くなっている。さらに、装置の高度化もすすみますので、装置そのものも高額になっています。運営費交付金の金額は、この20年ほどで多少は減っていますけど、それほど大きく縮小はされていませんが、国際的に見ると実行的な金額は非常に小さくなっていて、中規模の設備群を整えるのは大学にとっては大変厳しくなっていると思います。プラス、もう少し活用度を上げるという、さらに高度化するという意味では、縦方向の設備支援レベルも上げなければいけませんので、ここに対するケアが大事であるということです。
 次は、今の申し上げたことを具体的にDNAのシークエンサー等について例示してございますので、後で見ていただければよろしいかと思います。
 最後に申し上げたいことがございます。この6番目のものは、国がやるべきかどうかは疑問なんですが、我々の国と比べて、欧米の国々で決定的に違うサポートがあります。それは、若手を取り巻くと上に書いてありますが、うちの機構の人たちはすぐ若手と書くんですけど、若手だけではなく、先生方が大学にリクルートされて、新しい研究室を立ち上げるときのスタートアップの支援でございます。これは米国のつい最近の例を聞き込みで調査した結果を示しました。
 右側の上の例1を見ていただきたいと思います。カリフォルニア工科大学の例です。理論物理学であっても、新規雇用の准教授クラスで、1ミリオンドルは標準的なサポート金額です。日本円にしますと、1億3,000万から5,000万のレベルでございます。さらに、実験物理学の場合はもう少し出すので、5~6ミリオンドルを支援したという話はよく聞くとのことでした。有名教授、各大学で取り合いになっているときは、10ミリオンドルの支援をした例も聞いたことがあるということでございました。これは複数の大学の関係者からの情報でございます。一般的には公開されてない情報ですので、正確な数字にはなかなかアクセスはできませんが、実態はこの辺のところにあるかと思います。
 生命科学系も調べてみたところ、カリフォルニア大学アーバイン校の例ですが、やはりアシスタントプロフェッサー、これは準教授クラスだと思いますけど、こちらも1.2から1.5ミリオンドルが標準だろうということでした。生命科学系分野も同じようなレベルで、物質科学系と並んで立ち上げの支援が行われています。
 3番目のマックスプランク研究所の例は少し特別かもしれませんけど、マックスプランク研究所のディレクターは、40~50人のメンバーを備えた大きなグループでございますが、彼らは毎年4~5億円程度、日本で言うとERATO程度の経費が定年に至る最後までサポートされているのは御案内のとおりですけれど、それに加えて、研究室立ち上げ時には設備投資として数億円の支援があるようです。大学機関側が新しい研究室の立ち上げに際して、施設を整えることにこれだけ気を遣っているということが分かります。
 日本の例は左に書いてございますけど、桁が2桁から3桁違うので、この辺はどういうふうに考えるのか、今後の宿題ではないかと思っております。
 大学共同利用機関、4機関ございます。最後に述べた研究室立ち上げに際しての国際比較以外は、4機関からヒアリングをした結果を反映しております。アンケート結果はここに書いてございますので、後ほど見ていただければと思います。
 最後に、今まで述べましたことをまとめますと、中核となるような中規模設備、数億円から200億円までぐらいのところは、国内で重点的に配備する仕組みをつくる必要があり、これらの装置を維持しないといけないと。
 それから、高度化した中規模設備でございますので、有効利用するためには、単に設備を置くだけではなく、技術人材やサポート人材の体制を取ることが非常に大事であって、これはそのベースを持っている大学共同利用機関が担える役割ではないかと我々は考えております。
 3番目に指摘した研究室の立ち上げに際した支援は、これは大学が留意することでありますので、ここの委員会の議題とは少し違うのかもしれませんが、設備を幾ら備えても、研究室の強化に大きな差がある現状では、恐らくいつまでたっても後塵を拝している感を拭えないのではないかと個人的には強く思っております。
 4ポツ目は、大学共同利用機関だけではなく、共共拠点や、大学の附置研、全ての共同設備を持っているところが情報共有を進めて、オールジャパンで研究を支援する仕組みをつくる必要があると思っております。
 発表は以上でございます。

【観山部会長】  どうもありがとうございます。時間厳守していただきまして、ありがとうございました。
 いかがでしょうか。委員の方々から御質問やコメントはいかがでしょうか。
 渡辺先生、どうぞ。

【渡辺委員】  ありがとうございます。とても分かりやすく御説明いただきました。最後に川合先生がおっしゃっていたスタートアップを強化していくというのは、これは研究だけではなくて、日本全体の課題ではないかと思います。
 特に研究に関しても、研究が社会で循環して発展していくためには、新しいものができていかないといけないので、これは設備だけの問題ではないので、文科省を含めて、国として最大級の課題ではないかなと思います。
 質問したいのは、それとは別に、5ページ目のところで、汎用性の高い共同設備利用件数が、重点支援1で非常に伸びています。2と3はそんなに伸びていないんですけれども、これはどういう機関で伸び、なぜそういう機関でこれだけ伸びているのか、御説明いただければありがたいと思います。

【自然科学研究機構(川合機構長)】  分かりました。
 重点支援3のカテゴリーの大学というのは、今で言うと、地方貢献型になっている大学です。当時ですと55大学がこれに当たります。それで、重点支援の1、2というのは、少し高い数字になっているほうが、いわゆる研究大学に指定されたところです。そういう大学では、汎用的な小型の設備は自分たちで整えられるんですね。これは先ほど東北大学の佐々木先生がおっしゃっていたとおりだと思います。
 例えば、分子研で見ていても、分子研の最高のNMRと最高のMS、質量分析機を整えても、名古屋大学の人は来ません。彼らは自分たちで持っているから。だけど、例えば、富山大学や、その辺の方たちは、特に最後の頃、利用される方が急増していました。機種を更新して最先端のものが入るに従って、使いに来る方が増えるので、多分、高価な装置を頻繁に更新することができる大学とできない大学が、縦割り行政の中でカテゴライズされたんだと思っています。
 国のそこここに使える場所があればよろしいわけですので、どこかで提供すると。それから、そういうものを持っている共同利用機関があれば、それをみんなで、ここにありますということを手を挙げればいいので、この部分は、さっき4番目にネットワークをちゃんとしてというところとリンクして、解決の仕方はあるかなと思います。

【渡辺委員】  どうもありがとうございました。

【観山部会長】  松岡先生、お願いします。

【松岡委員】  御説明どうもありがとうございました。
 御説明いただいた資料の6ページですが、この設備に、どういう設備側でやらなければいかないかということで、3つお示しいただいたと思っています。
 まず2番目の専門的なコンサルと実験サポート、測定解析技術の提供というのは、今日のお話の中でも十分にお話しいただいて、また、今日のこの会議の前半でも、技術者の問題など議論できたと思っています。
 3番目の、自身の研究とこの装置との関係性を認識していないということについてなんですけれども、今日御紹介いただいた自然科学研究機構の、例えば、天文台でのいろんな装置提供のお話を別の機会なんかでも聞きますと、マシンタイムとか観測時間の公募に対しては、もうすごく高い応募がありまして、倍率がすごく高いということで、そういうところは自分の研究との関係性というのが非常に認識されているというふうに私はこれまで思っていたんですけれども。ここであまり名指しで教えていただく必要はないかなと思っているんですけれども、中には……。

【自然科学研究機構(川合機構長)】  具体的な例を出したほうが分かりやすいと思います。
 国立天文台が担っているのは、2のところまでだと思います。先生おっしゃるとおりで、分かっている人が使っている設備だと思うんですね。
 3のところは、例えば、X線の分光学を使ったときにどういう情報が得られるかとかというのを知識としては持っていらっしゃる先生方でも、自分の材料でそれができるかどうかというのは、あんまり認識されないケースがあるんですね。それは、本当に世界で初めてのことをやろうとするときは、論文がないわけですから、これをやったらこんなすごい結果になるということがそれほど当たり前に分かっていない場合があります。
 さっき別のシートでSPring-8の例を出したんですけれど、今、東北大学に移られましたけど、高田昌樹さんがSPring-8にいらしたときに、彼はSPring-8をどうやって有効活用するかというのを一所懸命考えていらっしゃるときで、その当時、京都大学の北川進先生が非常に面白い、有機物と無機物の混ざった錯体を作っていらしたんですね。構造解析を彼らは熟知されていましたが、X線スペクトロスコピーでえられる情報がどんなに貴重であり研究分野が広がるかということは、あまり認識されていませんでした。それで、高田さんはそれに目をつけられて、完全にリクルーティングです。ともかく最初に試料を持ってきてください。僕たちが何に使えるか見せてみますと言って、引き込んで、それがきっかけになって、錯体分野の人たちがいっぱい使うようになりました。これも多分20年以上前の話なので、そういう例は他にもたくさんあると思います。
 未開拓の分野の要の人に使ってもらうことによって、その装置が有効活用されるだけではなく、その分野の発展を加速する例を幾つかSPring-8で私は見ていたので、使えるところに声をかけて、こちらの労を惜しまずにやってみるということができるとよいかなということです。あれは機構としてかなり負荷が多いので、どこでもできることとは思わないんですけど、意識をすることによって変わるものもあると信じております。

【観山部会長】  ありがとうございました。

【松岡委員】  どうもありがとうございます。そういうすごく視野の広い方、スーパーマンがいらっしゃるとそういうことができるのかなと思ったんですけど、なかなかシステマティックにやるというのは難しいので、今後の課題も含めてなのかなというふうに。

【自然科学研究機構(川合機構長)】  そうですね。それと、そういう人を育ててリクルートしなければいけない時代に入っていると思います。

【松岡委員】  分かりました。どうもありがとうございます。

【観山部会長】  中野先生、お願いします。

【中野委員】  大学共同利用機関と大学との連携強化ということが、特に中規模設備については有効に働くのではないかと思うんですけれども。マックスプランクなどに倣って、大学内に大学共同利用機関の分室をつくって、大学共同利用機関が大学に中規模設備を整備したり、あるいは、もう既に大学にある中規模設備の利用面での応援、先ほどのコンサルであるとか、技術支援を実施するとか、そういうことも可能ではないかと思うんですが、このような方向性を検討していただくことは可能でしょうか。

【自然科学研究機構(川合機構長)】  すばらしい御提案だと思います。私たちも人員が限られているので、大学のほうに設置されているものに出向いていって、そこでこういうサービスをするというのは、なかなか手が出ないところであります。ただ、今はウェブでシステマティックに意見交換することもできるようになっているので、大学側にメンテナンスできるようなスタッフがいた場合に、そこに機能を追加するという部分を一緒に共有するというのは考えてもいい話ではないかと、今、伺っていて思いました。今まで計画しておりませんでしたけど、今、先生の御発言を聞いて、ぜひ検討したいと思います。

【中野委員】  ありがとうございます。

【観山部会長】  今の件に関しては、昔、分子研は流動研究員制度というのがあって、大学から講座の先生を入れて研究組織を組むというような仕組みもありましたけど、そういう関連で……。

【自然科学研究機構(川合機構長)】  今それはクロスアポイントメントの制度を使って、大学の先生方に分子研に一定率の所属をいただくことを実施しております。また,大学や研究所や附置研に分室を置いていただく制度もあり、それは非常にうまく動いております。
 先ほどの中野先生の話は、逆に装置が大学のほうにある話かなと思ったので、そうすると、逆クロアポをいくというのも考えてもいいのかなと思った次第です。

【観山部会長】  そうですね。
 ありがとうございました。チリから、非常に遠いところで、時差の問題はあると思うんですけどありがとうございます。

【自然科学研究機構(川合機構長)】  森先生が手を挙げておいでです。

【観山部会長】  すみません。森先生、どうぞ。

【森委員】  川合先生、どうもありがとうございました。
 先ほど松岡先生も御質問になった6ページ、4番目ですが、国際プロジェクトに利用すると良いと思い、そういう事例があるかどうかを伺いたいと思います。最先端の装置があったときに、世界中で見て非常にポテンシャルがあるところに使っていただくということで、国際共同研究をこのような形で我々も進めようと思っております。既に大型施設では既に行っていると思いますが、大学共同利用機関、今度は一般社団法人で取りまとめている部分もありますが、考えておられるプランはあるかどうかということについてお伺いします。

【自然科学研究機構(川合機構長)】  ここはまだちゃんとみんなとすり合わせなければいけないんですけど、非常に大事だと思っています。こういう中規模の設備を引き取るときに、こういうものとセットでシステムをつくっていかないと、特徴が薄くなってしまうかなと思っておりますので、これは国際共同研究も国内研究も全部含めて同じスタンスです。

【森委員】  それは非常に良いと思います。ぜひよろしくお願いいたします。

【観山部会長】  どうもありがとうございました、川合先生。

【自然科学研究機構(川合機構長)】  どうもありがとうございます。

【観山部会長】  それでは、最後となりますけれども、国立大学協会です。西尾副会長より御説明いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【一般社団法人国立大学協会(西尾副会長)】  国立大学協会副会長の西尾でございます。お時間いただきありがとうございます。本日は、国立大学協会を代表して説明させていただきますが、私が総長を務めております大阪大学の事例をもって説明をさせていただく箇所もありますので、御承知いただければと思います。
 最初に、国立大学における教育・研究設備の現状について説明をいたします。こちらは国立大学全体の設備老朽化に対する現状です。文部科学省の資料を基に、国立大学協会でまとめたものです。
 お示ししているデータは、施設・設備の残存度のデータです。残存度とは、保有固定資産の取得価格に対して、どの程度減価償却が進んでいるかを示す指標でありまして、御覧いただいて分かるとおり、残存度は減少傾向であり、設備残存度については、近年10%台という非常に低い水準まで下がっております。この図は、施設・設備への十分な投資が進まず、老朽化・陳腐化が進行していることを如実に示しております。
 次のページは、設備の老朽化に対する研究者の声をNISTEPの調査から引用しています。研究施設・設備の程度は、創造的・先端的な研究開発や優れた人材の育成を行うのに十分だと思うかという問いに対して、全体として曇りマーク、つまり、十分でないとの認識を研究者は持っております。
 その理由として、施設・設備の老朽化が進んでいるといった意見が多数を占めております。1ページの残存度のデータに加え、研究者の実感としても、施設・設備の更新が十分でないことが分かります。
 なお、大学グループ別の第1、第2グループの箇所に晴れマークがある理由につきましては、時間の都合上、詳細な説明は省きますが、この調査の対象者が第一線で研究開発に取り組む研究者を対象としており、かつ、規模の大きい大学の所属であるため、このような結果が出ていると思います。
 国立大学が世界最高水準の教育・研究を実施する機関として国際競争力を強化していくためにも、優れた人材の育成は重要でありまして、そのために、教育・研究を行う環境を十分に整備する必要があり、老朽化した設備の更新も非常に重要であります。
 3ページ目を御覧ください。設備マスタープランと中規模設備機器に関する資料です。
 設備マスタープランの策定に当たっては、毎年度学内の設備機器の状況を把握した上策定を行っております。中規模設備機器として捉えられる10億円以上100億円未満の規模ともなりますと、資金調達のめどが立たず、特に導入計画を立てることが難しい状況です。政府に概算要求した場合でも、その時点の政府の政治的な強化策に適合しなければ措置される可能性は低く、さらに補正予算頼みであるため、計画的な導入・更新ができていないことが課題です。また、設備機器導入後には継続的に維持管理費が必要となり、人の確保は大きな課題になっております。
 なお、資料中段にあるグラフは、大阪大学が平成16年度の国立大学法人化に伴う国から継承した資産を含め、現在稼働している設備機器の導入年度をまとめたものです。令和3年度までに導入した設備機器のうち、導入から5年以上経過した設備のパーセンテージが71%に上り、そのうち10年以上経過している設備機器は44%ございました。導入機器の内訳は、1億円未満が1,854件、1億から5億円が78件、5億円以上が13件となっています。さらに、その中でも10億円以上のものを確認したところ、大阪大学においては、補正予算等の措置で導入されたものを含め、何とか3件という状況でございます。
 具体的には、光源開発用光増幅装置(レーザー科学研究所)、物質・生命科学超高圧電子顕微鏡、これは超高圧電子顕微鏡センター、それから、大型コンデンサバンクシステム、これは理科学部が該当いたしております。
 4ページ目を御覧ください。国際的視点から、研究用設備機器の役割としましては、その維持・更新は研究力向上の生命線であります。図の左側は、本学の接合科学研究所の事例ですけれども、同研究所では、1980年に実験設備棟を建設いたしました。その後、超大型電子ビーム溶接装置や電子顕微鏡を導入したものの、設備機器更新がままならず、廃棄となり、実験設備棟のみが残ったというケースがございます。
 一方、右側は、この研究所とタイトな連携を取っている上海交通大の事例ですが、レーザー装置やロボットシステムを円滑に更新して、潤沢な人材や資金を獲得し、正のスパイラルを構築していると言える状況にあります。
 中央の黄色部分に示しておりますように、特色ある基盤的設備機器は、最先端の研究成果を生み出す源泉であります。現時点では日本が優位である分野でも、学術交流などをきっかけに、他の国、相手国が研究として自立したフェーズに入り、かつ、研究環境整備のための潤沢な予算などを有している場合、すぐに追い越されます。その優位な分野が壊滅的な状況になるのは明らかです。そうならぬためにも、設備機器を整え、我が国が先を生き続ける必要があります。
 5ページ目を御覧ください。研究用設備機器は政府予算で措置していただけるとありがたいのですが、近年、この予算は大変厳しい状況であるため、大学で工夫している事例として、企業と連携して設備機器導入を図っている事例を紹介します。
 1つ目は、島津製作所と取り組んでいる事例です。これまで共同研究と言えば、企側が一定の資金を大学に提供くださり、研究が進められていました。この事例は、相互にリソースを提供するという前提ではありますが、企業から資金でなく、研究に必要な設備機器も併せて提供いただいているケースです。大学としては、設備機器を新たに購入する分の経費などを研究に充当できる、企業側としては、研究に利用されることによって、研究成果が出たときに製品の広報効果がある、設備のグレードアップにつながる助言を本学の研究者から得られるなど、両者にとって相互互恵の関係で進めている事業になります。なお、本設備機器は、現時点では共同研究のために提供いただいております。
 6ページ目を御覧ください。2つ目は、ニコンと取り組んでいるもので、学外も含めた共同利用も行っている事例です。従来、設備は導入したら陳腐化、修理不能になるまで利用し廃棄する、または、リース契約で複数年利用し返却するのが一般的でした。本学では、ニコン株式会社と、最新の設備が発表されたら更新するという手法で契約を結び、設備の陳腐化に悩まされず研究ができる仕組みを導入しました。大学としては、最新の設備を利用し研究ができる、企業としては、研究に利用した学生が卒業後に所属する組織で同機器を利用したいといった宣伝効果を期待できるなど、両者にとって、これも相互互恵の関係で進めている事業になります。
 この2件の事例は、企業にとってメリットがある点を理解していただき進めているもので、設備開発をしている企業に限られますが、効率的な設備更新ができるなど、大学にとってはメリットを感じている取組です。
 しかし、このような取組は分野や地域経済の状況によっても左右されるため、全ての設備を大学ごとの自助努力でパートナー企業を見つけて解決するなどということは大変難しいことです。研究基盤としての施設の整備、設備の改善は、政府として対応が必要であると非常に強く訴えたいと思います。
 7ページ目を御覧ください。設備機器の現状を踏まえ、大阪大学では、大学の経営戦略として、「OUマスタープラン2027」において、先端的実験機器の多様性向上の取組を進めています。設備機器の共用化、支援人材の全学ネットワーク化を図ることで、効率的な機器の利用促進と研究者の利便性の向上を目指しています。その具体例を次のスライドで説明します。
 8ページ目を御覧ください。本学では、令和3年度から文部科学省の支援を受け、コアファシリティ構築支援プログラムを実施しております。黄色いタイトル部のすぐ下に「統括部局」とありますが、これに該当する組織として、当初はコアファシリティ推進室を設置し、令和5年4月から改装を行い、コアファシリティ推進機構を設置しました。同機構では、機構長を研究担当理事とし、大学執行部まで現場の声が届く体制といたしました。
 また、図の中央下部の記載ですが、同機構には、研究支援人材育成部門を設けて、スキルアップ研修を行うなど、人材育成に努めております。しかしながら、特に支援職員のキャリアパス構築に関しては、他機関におかれても御苦労なされていることと思いますが、教員側も支援職員の将来を考え、キャリア構築に協力する必要が絶対に求められると思います。支援職員の専門性を維持しつつ、移動先を開拓することが課題と考えておりまして、この点は、先ほど栗原先生が御指摘なさったとおりでございます。
 9ページ目を御覧ください。続いては、隣接機関である大阪公立大学、奈良高専と連している取組です。この取組は文部科学省「先端研究基盤共用促進事業(研究機器相互利用ネットワーク導入実証プログラム:SHARE)により支援いただき構築しているものです。支援期間終了後も、3機関で協定を締結して実施しております。この取組では、ハイエンド装置の遠隔操作のほか、それぞれの強みのある機器を相互に活用し、また、最近は、近隣地域のヘリウムリサイクルに取り組んでおります。
 10ページ目を御覧ください。最後に、まとめとなります。
 概算要求した設備機器が当初予算で措置されることはまれであり、補正予算頼みとなってしまっていますが、補正予算でも、その時点の政府の強化策に適合するものでなければ措置されないのが現状です。多くの機器が5年以上経過しており、維持管理費の確保にも苦労しているのが多くの国立大学の現状です。
 このような状況では、世界に伍する研究を行うのは難しい状況です。国際的視点で見ると、日本が研究力を有する分野においても、設備機器の整備ができず、追い越される事例がございます。大学などでは民間企業と連携した取組も実施しておりますが、これは一部にとどまらざるを得ないと思います。
 設備機器を扱う支援員のキャリアパスも課題です。打開策の一つとして、複数機関が連携した強化策に取り組んでおりますが、根本的解決は難しい状況であるというのが現状です。
 以上のように、各組織で工夫を凝らして対応しておりますが、それももう既に限界に近い状況ではないかと推測します。特色ある基盤的設備機器は、最先端の研究成果を生み出す源泉であり、その維持・更新は研究力向上の生命線であると考えます。ついては、政府には、計画的に中規模設備機器を導入できる、また、継続的に、例えば、導入額に対して5%程度、10年以上といった維持費が措置されるスキームを構築いただきたいと思います。さらに、先ほど佐々木先生もおっしゃいましたが、概算要求の要求事業を考えたとき、学内中心の共同利用の設備機器を優先するのか、全国的な共同利用の設備を優先するのか、議論があるかと思います。
 大学の研究力強化の観点から、学内を優先するというのが、ほとんどの国立大学としては致し方ない状況であり、小規模設備の優先度が高くなる傾向となり、結果的に、中規模設備機器の更新の要求がしづらくなっている現象があります。したがいまして、この要求順位とは別の、ある意味では中規模研究施設に特化した施策をぜひとも始めていただきたいと思います。
 以上で私からの説明を終わります。ありがとうございました。

【観山部会長】  どうもありがとうございました。いろいろな重要な視点を指摘していただきまして、どうもありがとうございました。
 いかがでしょうか。先生方から御質問、コメントありましたら。
 最後にちょっと聞きにくいことで聞いてみようかなと思ったのは、学内の要求と附置研・共同利用研との優先度の問題というのは確かにあって、その優先度をどう共同利用・共同研究拠点が確保していくというのは、各大学の中でなかなか難しい問題だと思いましたけれども、問題点を指摘していただきましてありがとうございました。
 井上先生、どうぞ。

【井上委員】  どうもありがとうございます。まさに身につまされる思いの話を聞かせていただきました。
 中型計画の重要性ということも指摘いただきました。あと、維持費ということの大事さというのも指摘いただいたんですけれども。前の話にもいろいろ登場していましたけれど、例えば、物価高騰だとかというのもこのファクターになってくると思います。
 我々の分野特有のものかもしれないんですけど、共同利用というのは、やっぱりいろんな人たちにサービスを提供できていて、研究の発展に大きく貢献できていると思うんですけれども、実際に新しい分野とかがどんどんできている中で、そのスピード感に対応するところは難しくなってきている部分もあるかと思います。
 その中で、汎用のものを使ってできることというのは、アイデア勝負で非常に健全なんだと思うんだけれども、実は、唯一無二の装置を使って研究すれば、もう簡単に世界トップというのをどんどんやっていけるわけです。そういう研究設備とかというのは中型に結構あるのではないかと私は思っておりまして、中型の設備をいかにうまく運用していくか、新しく造っていくか。
 特に、若手が大事なのは分かるんだけれども、古参の人間もずっと独自の中型設備を造って研究を展開してきたわけですけれども、昨今は、老朽化という指摘がありましたけど、老朽化によって維持が本当に大変になっておりまして、もうだましだまし動かすことに多大な労力を費やしていて、研究というのは3分の1ぐらいの時間しか割けないというようなことも度々出てきています。
 なので、そういうことも考えますと、物価高騰にも対応するためにも、やはり維持費というものをちゃんと手当てしていただいて、中型というのを特別に見る仕組みというのがぜひあってほしいなと思います。
 そういう唯一無二の装置というのは、老朽化して使えなくなったらおだぶつなんだけれども、たまに改良すれば、また最先端の唯一無二の装置になるので、恒常的にお金をつけて、いろんな目的、維持、修理もあるだろうし、改良もあるだろうし、電気代高騰に対応するのもあるだろうし、そういう裁量が持てるような運用というのを考えたらいいのかなと思います。そういう御指摘いただけたのかと思うんですけれども。
 すみません。コメントみたいになっちゃいましたけれども。

【一般社団法人国立大学協会(西尾副会長)】  ありがとうございました。
 今、井上先生がおっしゃられることが非常に大事だと思います。要は、いわゆる大規模設備というのは、国の大きなプロジェクトとして、これはやっぱり必要なものとしてあるんですが、ここは文部科学省の枠組みでも、例えば、ロードマップとか、そういうところで考えられていくと思うんですけど、10億から100億未満というこの金額のところで購入できる機器が、例えば、情報とかの分野においては、テクノロジーのイノベーションがどんどん進んでいる中で、従来は大型設備的な値段をしていたものが、この中規模のところにずっと価格的には技術革新の中で下がってきていて、だから、そういう機械を、我々、新たな分野の開拓でもし使えるとなると、先生がおっしゃったように、本当に世界のトップに立っていけるような、そういう重要性を秘めた設備が10億から100億未満のところには結構集積しているのではないかと私は思っているんですね。
 そこの機器を日本としてどれだけ充当していくのか、これがやはり今後の国力の源となる科学技術の推進の上では、一つの大きな鍵になっていくのではないかと思っておりまして、そこは10億以上100億未満というところが、以前我々はそこの装置で創造していたもの以上の性能をきっちり持って、大きく研究を進展させる、まさに鍵、エンジンとなっているのではないかと思いますので、そこの設備がやはり世界と戦っていく上では大事かと思います。
 もう一つは、今まであったものをリノベーションして有効に使うということは、これは私は非常に大事な考え方だと思っているんですね。我々も、そういう感じで、学内の設備に関しては、いろんな企業との連携も含めて、今ある装置をリノベートして、さらに性能アップするということを重ねる。そこでは、大学が今までそれに関わってきた技術者の知恵もそこで生かされていく。そうすると、大学と、その機械を造っておられるところの新たな意味の産学連携的な研究力向上のプラン、あるいは計画が進むと思いますので、そこも非常に重要な観点かと思いました。
 どうも貴重な御意見ありがとうございます。

【観山部会長】  吉田先生、お願いします。

【吉田委員】  ありがとうございます。西尾先生、どうもありがとうございます。
 最後のまとめというのは、非常によくコンパクトにまとめられて、感銘を受けました。そういう観点から、1つコメントと、1つ質問させていただければと思います。
 特に、計画的に導入、それから更新、一定の維持管理費が継続して措置されるスキーム、これは中規模設備に関しておまとめいただいているんですが、ぜひお願いしたいと思います。
 といいますのが、大阪大学のような大きな大学でもこういう問題を抱えているだけでなく、我々のような地域の大学ではもっとシビアでございまして、こういう、特に2,000万円を超えるような設備というのは、自助努力を図りつつ、概算要求や補助金、これで支援を求めているんですけれども、概算要求で措置されることはもうほとんどないと言っていいぐらいになっております。補正予算頼みという面が大きいんですけれども、結局は、設備マスタープランを作成しているけれども、絵に描いた餅と、こういうような状況でありますので、ぜひとも頑張って、国大協という立場からでも、このような支援をしていただけるようお願いしたいというのが感想でございます。
 もう1点、質問は、今日の前半のディスカッションでもあったんですけれども、海外と比べて専門技術員、そういうものの措置というのが、ハードとソフト一体になってやるという御意見が出たんですけど、これ、非常に重要で、我が国もぜひこれは進めていくべきだと思うんです。先生の後半での話では、その技術員のキャリアパスということにも言及されて、恐らくネットワークを構築したりとかということになるんだと思うんですけれども、そういう観点から、我々がまず最初にやらなくてはいけないこと、やるべきことというのはどういうふうにお考えでしょうか。

【一般社団法人国立大学協会(西尾副会長)】  まず最初の御指摘の点で、1点だけコメントさせていただきますと、先生がおっしゃいましたように、今、どちらかというと、やはり補正頼みになっているわけですね。その際に、補正予算の性格上、それを維持・管理していくというところの経費の積上げをどうするかというのが、補正の場合は、予算の性格上、いわゆる後年度負担のものを予算の枠の中にどう入れていくかということで、ここら辺はやっぱり文部科学省とか財政当局との中で、そういう補正で予算されるものの機器に関しての維持費というものをどう枠組みの中で入れていくのか。これは決して我々は無駄なことをしているわけではなく、むしろ補正で獲得できたものを有効に長期レンジで使うという観点から言えば、財政面でいっても非常に理にかなったものですので、これを何とか枠組みの中に入れていくということは、今後の大きなことだと思います。
 2つ目のことに関しては、やはり技術職員の方に非常に大学で頑張っていただいている中で、どうやって日々の活動していただいていることに対して、将来の展望に対するモチベーションを持っていただくかということが非常に大事でして、その意味で、できるだけ技術職員というものを学内で大くくりの組織にして、そうしますと、そこでいろんな意味でキャリアのパスとしても、そこで重要な職にどんどん就いていく。それが小分けにされていますと、そこで昇進とかというのはなかなか難しいので、そういう大きなプールというか、マスの中で組織を構築して、その中でキャリアを構築していく。
 あるいは、今後は、先ほど意見もありましたけれども、大学間でうまく連携を取りながら、今後はそういう技術職員の方のキャリアパスというのをどう構築していくかということも考えなければならないと思います。
 ただし、やはり我々もふだんからそうなんですけれど、技術職員で本当に優秀な方というのは、本当に大学にもう必要不可欠でして、そういう方は大学にずっと残っていただきたいんですね。そうなると、どうやってその方の学内におけるキャリアのパスをつくって、それだけの権限を持っていただくかということが重要かと思います。
 海外は、私、いろいろ行った権限では、そういう技術者、あるいは、その設備・施設双方なんですけど、そういうことに関わっておられる方の権限は非常に強いものがあります。例えば、学部の学部長の隣にそのヘッドの方のオフィスがあって、そこに行って許しを得なければ何も動かないというような状況が多々ありますので、今後、先ほど栗原先生がおっしゃっていただいたようなことを踏まえて、その方たちのキャリアパスをどうつくるか。それと、人数的な確保をこの財政状況厳しい中でどうやっていくのか。
 先ほど先生もおっしゃったように、やはり研究者がメンテナンスとか維持管理で時間を相当費やしているということは、これ、研究時間の創出の観点からも非常に大きな問題ですので、これはやはり文部科学省にもいろいろ中心になっていただいて、この状況を何とか打破していかないと、日本の研究力が向上しないということを思っております。
 以上です。お答えになっているかどうか分かりません。失礼します。

【吉田委員】  ありがとうございました。

【観山部会長】  渡辺先生、お願いします。

【渡辺委員】  ありがとうございます。大変分かりやすい御説明ありがとうございました。
 大学や研究をめぐって、予算を増やさなければいけないというところなんですけれども、GDPが伸びず、税金も増えない中で、どういう工夫をしていくかということを現実的には考えなければいけない現状にあると思います。その中で、御提案いただいたように、民間企業と連携して、その設備に関して充実させていくというのは、一つのやり方ではないかと思います。中心的にはならないかもしれないけれども、実際、民間企業も、ある程度業績が出ているところでないとなかなか余裕がないわけですが、日本の装置メーカーは、今利益も十分出していますので、ここと連携していくというのはすごく重要ではないかと思います。
 人材育成についても、メーカーと大学で人が行き来し交流しながら、技術と人のキャリアアップを図っていくのは、やるべきことの一つで、大きい成果につながっていくのではないかと思います。限定的とは言いながらも、もう少し日本全体でこれを進めるということはできないでしょうか。

【一般社団法人国立大学協会(西尾副会長)】  どうもありがとうございました。
 今日、民間企業との連携の事例を出すべきかどうか、最後まで、渡辺先生、迷っていて、こういう話をすると、結局、民間企業からお金を入れたらいいでしょうということ、それは国の施策としては絶対間違っていると思いますので、そういう観点から、やはり今の国立大学の厳しい状況に対しては、国としてちゃんとそこは考えてほしいということを再度強調させていただきます。
 ただ、その上で、今、渡辺先生おっしゃっていただいたようなことは、今後の方向としては十分考えられると私は思っております。例えば、大阪大学においては、今、100社の方がキャンパス内に来られて、共同研究講座、共同研究所を開設していただいておりますけれども、そこの中では、テーマとして、やはり最先端の装置を一緒になって開発していこうとか、それが大学にとっても結構研究業績になっていくというようなテーマでないと駄目ですけども、そういうことを、もう既にいろいろあるのかもしれないんですけれど、何らかの観点で、今後そういう事例等も我々アウトリーチしながら、ぜひその動きは今後大きく展開していければと思います。それがある種の日本型の産学連携の一つのタイプとしての研究力向上、2つの面でメリットがありますので、それによって世界にない装置が開発できるということと、大学側はそれによってスカイセンターの装置を使うことが継続的にできるという2つのメリットがありますので、そういう観点での今後の方向性は一つ打ち出していけるものではないかと思っておりますので、今後、その展開については働きかけたいと思います。ありがとうございます。

【渡辺委員】  ありがとうございます。
 私も西尾先生の意見と同じで、民間企業の資金だけを頼りにするというのでは、うまくいかないと思います。そこに国として重点的に方針を出していくことが必要ですので、文科省の方もいらっしゃると思うので、そこはぜひ誤解しないでいただきたいです。

【一般社団法人国立大学協会(西尾副会長)】  ですから、例えば、そういうことをエンカレッジするようなプログラムを、国のお金でまずスキームをつくっていただいて、そうしたら、民間企業も大学側もそれを取りに行って一緒にやるというような、そういうプロジェクトですと、国もうまく関与できるというやり方で、あり得るのではないかと思います。

【観山部会長】  ありがとうございました。
 永田先生、お願いします。

【永田委員】  西尾先生に対する質問というよりは、コメントに近いのですが。
 中型をどこら辺に定義するかは、今日のお話でも大分違っていて、5,000万から1億というのと10億から100億というのと幅があったのですけれども、実は、今週初めに岡崎に行く用事があって、7テスラのMRIとクライオ電顕を拝見してきたんですが、かなり稼働率がよく動いているんだけれども、そのキーが、そこのサポートのスタッフなんですね。それはテクニシャンと言うべきではなくて、どちらかというとアカデミアに近い人たちがサポートしているんですけれども、お一方は、実はクライオ電顕の開発に関わっていた方だったので、ベストパフォーマンスが出せるんです。つまり、誰が使いに来ても、きちんとそのニーズに合わせて、それから、何が起こっているか分かるので、当然装置の改良ができる。
 そういうことを考えますと、さっきから技術職員という話が出ているんですけど、キャリアパスをこれから先どうつくるかというのは、その方たちをきちんと抱えていくために大事なんだけど、どういう人たちをそこに入れてくるかという、リソースも問題なんですよ。私は古い人間なので、30年前は国鉄の民営化で、その方たちが大学の技術職員になっていたりした時期があったんですが、今はそういう時期ではなくて、さっき申し上げたような、その装置の開発に携わったような方がアカデミアに入ってきて、それをサポートしながら研究者と一緒にやっている。
 渡辺先生の話で資金とか言われたんですが、人も同じだと思うんですね。つまり、そういうところの人たちがアカデミアに入ってきて、自分が持っている技術を使いながら、その装置をリノベーションしていってという。だから、結局、技術職員のリソースをどこに求めるか、それを求められるためには、どういうキャリアパスを見せるか、そういう施策だと思うんです。それがうまく動いていかないと、中規模のところに設備をきちんと投入しても、結局動かない。あるいは、ベストパフォーマンスが出せないだろうなと思って。その仕組みは、企業と大学が連携をしてつくれるような気がしているんですけれども、西尾先生、そこら辺はいかがお考えでしょうか。

【一般社団法人国立大学協会(西尾副会長)】  分かりました。本当に永田先生、重要な課題だと思います。
 私、そこで1つだけ提案したいんですが、技術職員の方も、今持っているサポート的な意味のナレッジで満足していただいていたらよくないと思うんですね。だから、やっぱりそこが今いろいろ言われているリスキリング、リカレントという観点で、例えば、先生がおっしゃるように、ある装置のことで企業との連携をやっていただくなら、企業からそういう人に参画いただくと同時に、学内にいる技術職員の方を、その最先端の装置に関してのリスキリングとかリカレント教育をそこできっちりやる。そうでないと、あなた方もいわゆるキャリアパスを築く上では、そういうことをどんどん吸収していかないと、大学として貢献をしていただく上では、そういうことをぜひ配慮してもらいたいということで、リカレント・リスキリングの教育をきっちりやっていくというのは大事かと思います。
 例えば、エアクラフトのエンジニアというのは、航空関係の技術者というのは、新しい飛行機とか新しいものが出てくるたびに、相当な勉強とか、リカレント・リスキリング教育をやっては、新しいサーティフィケートを取っていくというような仕組みになっていますので、今後大学においても、今いる技術職員をいかに有効にお働きいただく、活用させていただくかという意味では、そういう意味のリカレント・リスキリング教育が大事で、我々大阪大学としては、先ほど言いましたコアファシリティの機構では、それを非常に重要視して今やっております。
 以上です。

【永田委員】  多分、中規模先端のところで、機器の開発も含めて、企業と大学の人的なモビリティ、これをつくってやるとうまく動く部分があるかなと思って。

【一般社団法人国立大学協会(西尾)】  ものすごく賛同します。ありがとうございます。

【永田委員】  すみません。コメントですけれども。

【観山部会長】  どうもありがとうございました。
 皆さん、今、12時2分ですね。時間になっておりますけれども、申し訳ありません、10分ほど終了時間を延長したいと思います。予定が合わない先生は、退室していただいて結構です。
 森先生、簡潔にお願いします。

【森委員】  西尾先生、どうも御説明ありがとうございました。
 先生が大阪大学だけではなく、社会に開かれた公共財ということで、地域連携、産学連携をはじめ、社会に向けて活動をされているということに非常に感銘を覚えました。
 その中で、9ページにございます他機関との連携、大学の事例というところで、阪奈機器共用ネットワークとして、ヘリウムリサイクル・液化支援の活動を拝見しました。大学だけではなく、民間も含めたリサイクルを考えておられるということで、これは大阪大学をはじめ、全国規模の課題だと思っております。
 民間企業ではリサイクルシステムを持っているところが少ない中で、大規模な大学ではリサイクルシステムのリソースというものを持っているところが非常に多く、教員が優秀な技術職員とともに維持しているという形態を取っていると思います。
 ヘリウムは全部輸入で、値段も変動して、リサイクルというのが非常に重要になっていく中で、やはり全国ネットワークの中でこのリサイクルシステムをどのように構築するのか、さらにその中では、リガスをまた回収してボンベに詰めておいて、時々そのボンベを回収するような、多様な技術的革新もあると思います。
また、低温液化の業務を行う技術職員を育成するというところも非常に大事な部分です。ボトムアップには、我々の拠点を含め低温液化グループで進めておりますけれど、トップダウン、例えば国立大学協会の中で、ワーキンググループを作り意見交換をし、文科省様ともさらにガスの規制緩和は経産省様と連携して、進めていくというようなことはあるのかどうかというところの質問でございます。とても重要な学術基盤だと思います。

【一般社団法人国立大学協会(西尾副会長)】  森先生、どうもありがとうございました。
 今、先生から御指摘いただいたことで、ヘリウムに関しては、本当に価格といいますか、財政的にも非常に大学としては、今、相当な意味で、これをどうやっていくかというのを考えなければならない状況でして、一方で、その需要量はどんどん増えていて、大阪大学も、先ほどありましたが、7テスラのファンクショナルMRIとか、これ、ヘリウムをもう本当に大量に使うものでして。
 おっしゃったところで、私、気づきました。やっぱりこれは国大協レベルでも、きっちりとこのリソースをどう有効に回収するか、また、それを供給するような仕組みをどうつくるかというのを、国大協のほうへ持ち帰りまして、今後そういうことについて検討するようなことを提案してまいりたいと思います。
 非常にすばらしい御提案だと思いました。ありがとうございました。

【森委員】  どうもありがとうございます。よろしくお願いいたします。

【観山部会長】  どうもありがとうございました。
 時間が来ていますけれども、関沢先生から御発言いただいていませんが、何かありますでしょうか。

【関沢委員】  文系の者なもので、今日は各機関の現状につきましていろいろお聞かせいただきまして、ありがとうございました。
 私、大学共同利用機関におりますけれども、大学共同利用機関としての役割というところを改めて考えさせていただく機会になりました。ありがとうございました。

【観山部会長】  どうもありがとうございました。
 ちょっと時間が超過してしまって申し訳なかったんですけれども、これで本日のヒアリングを全て終了いたしました。ヒアリングに参加していただきました先生方、本当にお忙しい中、どうもありがとうございました。
 今日いただいた説明や御意見等の議論については、事務局にて整理した上で、次回の議論の参考にさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、最後に、今後のスケジュールについて、事務局からお願いします。

【柿澤大学研究基盤整備課学術研究調整官】  事務局になります。
 今後のスケジュールにつきましては、資料7を御覧いただきまして、記載のとおりですけれども、次回は6月15日10時から12時ということで、本日のヒアリングを踏まえた議論を予定しております。
 なお、本日、時間の関係で御発言できなかった質問などがございましたら、会議終了後に事務局までメール等でお知らせいただければと思います。
 事務局からは以上になります。

【観山部会長】  次回、今日出ました技術職員の問題だとか、機器の更新率とか老朽化の問題、それから、附置研と大学との関係とか、中規模の戦略の立て方について、大型についてはロードマップというのがあるんだけれども、中型についてはなかなか戦略性がないのではないかという、多様な貴重な意見をいただきましたので、次回、そのことも振り返って議論を続けていただきたいと思いますので、本当にありがとうございました。
 それでは、本日の会議はこれで終了したいと思います。どうもありがとうございました。
 
―― 了 ――

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