資料1‐1 学術研究推進部会(第15回)における主な意見
平成19年4月3日
(1)大学における基礎研究等について
- 大学の本来の使命は、産学連携や応用的な開発研究というよりは、基礎研究である。その意味で、大学は、まずは基礎研究をしっかりと進めてほしい。
- 基礎研究における「競争」概念は、競争的資金における「競争」概念とは異なる。既に、本当に水準の高い基礎研究を行っている研究者は、自分の競争相手は自分で設定するものである。
- 基礎研究の割合をどの程度とするか、国として議論すべきである。
- 学際、融合領域の研究は我が国は弱い。その振興を議論すべきである。
(2)特定大型研究について
(3)人文学及び社会科学の振興について
人文学及び社会科学の意義
- 人文学及び社会科学は人類全体の根源的な問題を扱っており、その振興は極めて重要である。
- 特に、我が国の社会科学研究は、「我が国が果たすべき役割」の根源に存すべき研究活動であり、もっと重視されるべきである。
- 人文学及び社会科学研究を何のために推進するのか明確にすることが必要。日本人のアイデンティティの骨格として人文学及び社会科学があり、自然科学はその上に乗っかっている。人文学及び社会科学は国の基盤を取り扱っている。
- 人文学及び社会科学の意義は、リベラル・アーツの観点から100年先、200年作の日本を視野に入れて人間を教育することにある。
- 人文学及び社会科学は、日本人の考え方の根拠を提供するものである。日本人の「感性の科学」のようなものが求められているのではないか。
研究費等のあり方
- 今はやりの「競争」の原理の外にあるのが、人文学及び社会科学である。そもそも金のかからないタイプの研究が多く、(結果的に間接経費も少額であることもあり)、大学経営の観点からは優先順位が低くなっている。人文学及び社会科学の研究環境は閉塞感がただよっている。
- 人文学及び社会科学には、大型の研究資金はなじまない。また、人材育成の観点からは、プロジェクト型の大型研究資金も望ましくない。
- 人文学及び社会科学の研究者に対する社会の需要も低い。若手研究者のポストがない。
審議体制について
- 人文学及び社会科学の審議体制については、自然科学との融合領域も含め、これらを一つの委員会で取り扱うべきである。