資料3‐4 学術審議会答申「科学技術創造立国を目指す我が国の学術研究の総合的推進について」(平成11年6月29日)に対するこれまでの対応状況

学術分科会
学術研究推進部会(第7回)
平成17年4月8日

平成16年12月現在

学術審議会答申の事項等 対応状況等
第2章 学術研究の振興に当たっての具体的施策 〔●検討体制・報告等、○施策等〕
1 優れた研究者の養成・確保  困難な課題に挑戦していく精神はもとより、俯瞰的な視野を持って研究に取組む能力や自立性、主体性、創造力、構想力を持つ研究者の養成・確保が必要。 ● 科学技術・学術審議会人材委員会の設置(平成13年10月)、「第1次提言」(平成14年7月)、「第2次提言」(平成15年6月)、「第3次提言」(平成16年7月)を取りまとめ
(1)大学院における教育・研究指導の改善・充実  最近の若手研究者については、細分化された専門分野の個別課題のみに関心が集中する傾向があり、博士課程においては、専門分野を超えて幅広い分野の教育を行うことができるように、カリキュラムを含む教育体制を一層整備することが必要である。 ● 大学院の教育研究機能の強化等について中央教育審議会大学分科会大学院部会において審議中(平成16年8月「審議経過の概要」公表)

○ 21世紀COEプログラムの実施(平成14年度開始、現在93大学274拠点)
(2)博士課程在学者に対する施策  日本学術振興会のDC特別研究員については、今後、博士課程修了者の需給予測、採用者の質に留意しつつ、博士課程在学者数に応じて拡充する必要がある。 ○ DC特別研究員の拡充
(平成11年度予算2,860人→平成16年度予算3,220人)

○ 研究奨励金単価
(平成11年度204,000円→平成16年度200,000円)

○ リサーチ・アシスタントの充実
(平成11年度予算2,761人→平成15年度予算4,267人)
※ 平成16年度予算より各国立大学法人の必要に応じ実施できるよう運営費交付金の中で計上
(3)博士課程修了者に対する施策  PD特別研究員については、各分野の博士課程修了者の需給予測を踏まえつつ、真に優秀な人材の確保や研究者としての適切な経歴形成の観点から拡充する必要がある。 ○ SPD特別研究員の拡充
(平成14年度創設、平成14年度予算12人→平成16年度予算36人)

○ 研究奨励金単価(SPD)
(平成14年度468,000円→平成16年度446,000円)
(4)若手研究者のプロジェクト研究への参加の促進
 研究費を活用し、労働者派遣事業者との契約による受入れを促進するなど、環境を整備していく必要がある。 ○ 未来開拓学術研究推進事業等における若手研究者の活用

○ 共同研究等に従事する非常勤職員の給与の取扱いについての弾力化・簡素化(平成13年度~)
※ 平成16年度の国立大学の法人化により、より弾力的な運用が可能
(5)若手研究者の適切な経歴形成と研究者全般の流動化の促進
 支援制度に支えられた期間を経て、常勤の職に就くことが一般的な研究者の経歴となるように、環境を整備する必要がある。
 博士課程修了者の情報や博士課程修了者の受入れを希望する大学等に関する情報を収集・提供する仕組みを創設する必要がある。
○ 国立大学等の非常勤研究員の拡充
平成11年度予算 平成15年度予算
一般分 443人 581人
COE分 256人

※ 一般分は、平成16年度より各国立大学法人の必要に応じ実施できるよう運営費交付金の中で計上
※ COE分は、平成14年度より「21世紀COEプログラム」に振り替え

○ 海外特別研究員事業の拡充
(平成11年度予算255人→平成16年度予算380人)

○ 特別研究員(PD)の採用にあたり、出身研究室以外を研究場所とすることを申請時の条件に追加(平成15年度~)

● 助教授・助手の職の在り方について中央教育審議会大学分科会教員組織の在り方に関する検討委員会において審議中(平成16年12月「審議経過の中間的整理」公表)

○ 教員の任期制の普及
(平成11年度66大学→平成14年度196大学)

○ 教員の採用にあたっての公募の普及
(平成9年度350大学→平成12年度412大学)

○ 研究者公募情報提供事業の移管(平成13年10月、国立情報学研究所から科学技術振興事業団へ)

○ 科学技術振興事業団(平成15年10月~独立行政法人科学技術振興機構へ移行)「研究者人材データベース」の開始(平成13年10月~)
(6)研究者の養成・確保における国際的連携
○ 海外特別研究員事業の拡充【再掲】
(平成11年度予算255人→平成16年度予算380人)

○ 外国人特別研究員〔一般〕の拡充
(平成11年度予算930人→平成16年度予算1,620人)

○ 外国人特別研究員〔短期・欧米〕の拡充
(平成11年度予算45人→平成16年度予算60人)
※ 平成11年度は米国人研究者特別枠として実施

○ 外国人特別研究員〔短期・夏期〕の拡充
(平成11年度予算79人→平成16年度予算110人)

○ 国際クローズド・セミナーの充実
(平成11年度2件→平成16年度6件)

○ 若手研究国際交流促進事業の新設(平成15年度)
(7)経験豊かな研究者の活躍の機会の確保
○ 海外で活躍中の研究者をプロジェクト・リーダー等として招へいする著名研究者招へい事業の新設(平成12年度)
(8)女性研究者の活躍の機会の拡大
 研究活動や業績が継続して評価されるよう、学会等の研究活動においては、旧姓等の使用について配慮することも大切である。 ○ 科学研究費補助金において、旧姓や通称のみによる申請を可能とした(平成13年度~)
 出産・育児期等における勤務形態の多様化や支援など、女性研究者活躍のための条件整備に努める必要がある。 ○ 育児休業に伴い科学研究費補助金による研究を中断する女性研究者等を支援するため、1年間の中断の後に研究の再開を可能とした(平成15年度~)

○ 特別研究員事業において、出産・育児に伴う中断の後に、研究の再開を可能とする弾力的運用を開始(平成15年7月)
2 研究組織・体制の機動的な整備
 
(1)我が国の研究体制の現状と目指すべき方向
 新しい研究領域や分野を開拓し、新しい学問を創造していくためには、COEの形成に留意しつつ、多様な学問の動向に応じて、効果的な研究組織・体制を柔軟に編成するとともに、流動化を促進する必要がある。
(2)大学等の研究機関の今後の役割
1.研究組織の多様性の確保
 各研究組織がそれぞれの役割と使命を吟味して、その特色を生かす在り方を検討することが必要である。 ● 学術分科会において「新たな国立大学法人制度における附置研究所及び研究施設の在り方について」を取りまとめ(平成15年4月)

○ 国立大学・大学共同利用機関の法人化により、各国立大学等が機動的に研究組織・体制を整備できるように措置(平成16年度~)
2.大学の研究組織の役割と使命
 附置研究所等については、COE性発揮の観点から、組織の再編成や転換・廃止等を含めてその在り方を再検討することが必要である。
3.附置研究所等と学部・大学院との関係
4.大学共同利用機関の役割と在り方
● 学術分科会において「大学共同利用機関の法人化について」を取りまとめ(平成15年4月)

○ 大学共同利用機関の法人化に際し、新たな学問分野の創出など学術研究のダイナミックで総合的な発展を目指し、既存の16研究所を4つの機構に再編(平成16年度)
(3)研究組織の活性化のための方策
 研究組織の活性化のため、制度やその運用の弾力化を含めた積極的な対応が必要である。
1.研究組織の柔軟な編成
 各大学等が、自らの判断と責任により、学術研究の動向に応じて、研究組織やその内部組織である研究部門などの編成を、一層柔軟に設計できるようにする必要がある。
 積極的な研究活動の展開のためには、機能強化に向けた組織の再編成や廃止・転換を含む思いきった見直しが必要である。
○ 大部門制の設置状況(平成11年度50附置研究所→平成15年度53附置研究所)

○ 部門省令の廃止(平成14年度)

○ 国立大学・大学共同利用機関の法人化により、各国立大学等が機動的に研究組織・体制を整備できるように措置(平成16年度~)
2.研究機関間の連携・協力の強化
 大学や研究機関が、他の大学等に研究ユニットを柔軟に設置できるような仕組みを設ける必要がある。 ● 中央教育審議会会長と科学技術・学術審議会会長の申合せにより「大学改革連絡会」を開催(平成13年8月~平成14年4月)

○ 国立大学・大学共同利用機関の法人化により、各国立大学等が機動的に研究組織・体制を整備できるように措置(平成16年度~)【再掲】
3.研究者の流動化の促進
 研究課題や研究者が一定期間ごとに入れ替わるタイプの研究組織(いわゆる「流動的研究施設」)の設置を促進することが望まれる。 ○ 流動部門の設置状況
(平成11年度4機関→平成15年度10機関)

○ 国立大学・大学共同利用機関の法人化により、各国立大学等が機動的に研究組織・体制を整備可能。これにより、研究者の流動化を促進

○ 公的研究機関(国立試験研究機関、独立行政法人研究機関)における任期制の導入状況
機関数 35 任期付研究員数 606人
(平成16年1月現在 文部科学省調べ)
(4)重点分野の特定や研究体制の在り方に関する検討の場の設置
 学問分野全体を視野に入れた上で、バランスのとれた研究体制の整備を進めていくためには、重点的に整備すべき研究領域について専門的な観点から審議する仕組みや、個々の大学の枠を超えて各領域の研究組織の在り方についてレビューし提言する仕組みを本審議会に設けることが適切である。 ● 重点分野の特定や研究体制の在り方について、学術審議会学術研究体制特別委員会及び特定領域推進分科会において検討(~平成12年12月)

● 科学技術・学術審議会学術分科会に学術研究推進部会を設置(平成16年3月)
3 競争的研究環境の整備  競争と評価を通じて適切な資源配分が行われることが肝要。
(1)研究資金の配分システムの整備

1.デュアルサポートシステムの意義
● 研究費部会・基本問題特別委員会において「大学における研究費の在り方について(審議経過の整理)」を取りまとめ(平成14年6月)
2.基盤的研究資金の確保と競争的研究資金の拡充
 基盤的研究資金と競争的研究資金によるデュアルサポートシステムを維持しつつ、基盤的研究資金の確保と競争的研究資金の拡充を図ることにより、相対的に競争的研究資金の比率を高めていくことが必要である。 ○ 基盤的経費の確保
・国立大学における当積算校費(平成11年度予算2,123億円→平成15年度予算2,129億円)
※ 平成16年度予算より運営費交付金の中で計上
○ 競争的資金の拡充
(政府全体 平成11年度予算2,614億円→平成16年度予算3,606億円)
 研究費を人件費の一部に充当する方向で施策を講じていく必要がある。 ○ 文部科学省所管競争的資金における雇用状況(平成15年度見込み)
 大学院博士課程在籍者 1,153人
 ポストドクター 2,301人
 その他 2,436人
 (平成16年2月現在 文部科学省調べ)

○ 間接経費においては人件費として使用することが禁じられていない
3.オーバーヘッド制度の確立
 オーバーヘッドを徴収する制度は、競争的研究環境を創出する上で、有効な方策である。デュアルサポートシステムを維持しつつも、将来的にはアメリカの制度の長所を取り入れる方向を目指しつつ、当面実施可能な具体策を検討する必要がある。 ○ 間接経費の拡充
 第二期科学技術基本計画を踏まえ、研究費の30パーセント程度を目安として拡充
4.研究費の弾力化
 国立大学等における受託研究費や共同研究費についても、これまで以上に弾力的な使用を可能にする方途を検討する必要がある。 ○ 受託研究・共同研究の研究資金の受入れ及び使用の円滑化(平成12年度~複数年度契約の可能化等)
 ※ 平成16年度の国立大学の法人化により、より弾力的な運用が可能
 研究者にとって使い勝手のよい研究費になるよう、例えば、研究費の使途や繰越し等、会計上の弾力化を図っていくことも、その効果的・効率的活用の観点から重要である。 ○ 繰越明許による予算の年度間繰越(平成14年度指定開始)
 総合科学技術会議から出された「競争的研究資金制度改革について(意見)」を踏まえ、科学研究費補助金、科学技術振興調整費に関しては繰越明許となっている。科学技術振興機構における制度に関しては、運営交付金による弾力的な運用が可能
(2)競争的研究資金の拡充・制度改善
1.科学研究費補助金の拡充・制度改善
○ 科学研究費補助金の拡充
 (平成11年度予算1,314億円→平成16年度予算1,830億円)

○ 科学研究費補助金の一部種目について「間接経費」を措置(平成13年度~)

○ 科学研究費補助金により行う研究のために必要となる研究支援者を雇用する仕組みを構築(平成13年度~)

○ 「基盤研究(S)」・「学術創成研究費」(平成13年度)、「若手研究(A)、(B)」・「萌芽研究」(平成14年度)の新設

○ 科学研究費補助金を繰越明許費として登録(平成15年度~)

○ プログラムオフィサー、プログラムディレクターの配置による科学研究費補助金の審査・評価体制の充実(平成15年度~)

○ 科学研究費補助金において、民間も含め学術の振興に寄与する全ての研究者が応募できるよう応募資格を拡大(平成16年度~)

○ 科学研究費補助金の適正な経理管理等について研究機関の責任を明確化するなど、科学研究費補助金の適正な使用を確保するための新たな方策を実施(平成16年度~)

● 学術分科会研究費部会において「科学研究費補助金の在り方について」を取りまとめ(平成16年12月)
2.日本学術振興会の「未来開拓学術研究推進事業」の拡充・制度改善
○ 未来開拓学術研究推進事業の補助金化(平成14年度~)及び終期の設定(平成16年度)
(3)研究評価の充実
1.学術審議会における研究評価に関する審議状況
● 学術分科会において「学術研究における評価の在り方について」を取りまとめ(平成14年2月)
2.研究面の機関評価の現状
3.自己点検・評価の充実の必要性
 効果的・効率的な自己点検・評価が行われ、その成果が活用されるように、自己点検・評価の共通的な基準や手法の研究・開発、成果の公開・流通などを推進していく必要がある。
4.第三者評価の必要性
○ 大学評価・学位授与機構における評価の実施(平成12年度~)
5.第三者評価の方法・基準
6.第三者評価システムを構築する際の留意点
 本審議会は、これまで実質的に行ってきた第三者的な立場からの機関評価的な機能を含め、これまでの役割を引き続き担っていくことが必要である。
4 世界水準の研究基盤の整備
 研究施設・設備、研究支援体制、学術情報基盤・学術資料等の整備の立ち後れが隘路となって、研究費の拡充に見合った研究成果が上がらなくなる可能性も指摘。
(1)政府支出の学術研究関係経費の拡充
 大学等に対する投資水準の低下は、長期的には、学術研究の基盤の弱体化を招く恐れがあり、今後一層の配慮が必要である。
(2)研究施設・設備の整備
1.研究施設
 大学院学生等の増加に対応した施設の拡充や学問の動向、研究活動の状況、COEの形成などの観点から重点的整備が必要である。

 研究施設の共同利用化の推進が必要である。

 地方自治体と連携した共同の研究施設を確保するなどの施設整備の検討が必要である。
○ 「国立大学等施設緊急整備5か年計画」により、重点的・計画的整備及びシステム改革を実施
・ 重点的整備として大学院の充実や卓越した研究拠点等の施設整備を実施
  ・ 大学院施設の整備(115万平方メートル)
  ・ 卓越した研究拠点の整備(32万平方メートル)
 ※ 整備実績は平成16年度予算まで
・ システム改革として共同利用スペースを確保した総合的・複合的な研究棟を整備するとともに、弾力的・流動的施設利用を推進するシステムを構築
 ・ 共同利用スペースを確保した学校
 (平成12年度20パーセント→平成16年度85パーセント)
 ・ 使用面積の再配分を実施した学校
 (平成12年度22パーセント→平成16年度84パーセント)
 ・ 地方財政再建特別措置法施行令改正等により、地方公共団体との連携などによる施設整備・活用を実施。
・ 地方公共団体からの寄附等(無償貸与)
(平成14年11月~平成16年12月 4件)
2.研究設備
・いかなる分野の研究遂行においても必要不可欠な基盤的設備の計画的な整備、新しい研究分野の開拓に資するような先導的設備の重点的整備が必要である。 ○ 研究設備費を拡充
・ 研究基盤設備
 (平成11年度予算21億円→平成15年度予算34億円)
・ 先導的研究設備(最先端拠点設備含む)
 (平成11年度予算28億円→平成15年度予算55億円)
※ 平成16年度予算より各国立大学法人の必要に応じ実施できるよう運営費交付金の中で計上
 効率的な整備のためにレンタル方式の推進が必要である。
(3)研究支援体制の整備
1.研究支援職員の量的充実と支援体制の強化
 リサーチアシスタントや研究支援推進事業の拡充が必要である。

 研究支援のための独立した組織(技術部・室)が確立される方向で組織整備が必要である。研究支援者の確保にあたっては、研究費により労働者派遣事業を活用することが現実的な対応であり、労働者派遣事業者との契約による受け入れを促進するなどの環境を整備していくことが必要である。さらに、かつて技術職であった者など研究支援者の人材に関する情報や、そうした人材を求めている大学等に関する情報を集中的に収集・提供する方向で具体策を検討する必要がある。
○ リサーチ・アシスタントの充実【再掲】
(平成11年度予算2,761人→平成15年度予算4,267人)

※ 平成16年度予算より各国立大学法人の必要に応じ実施できるよう運営費交付金の中で計上
2.研究支援職員の養成・資質向上等
 研究支援者の養成に努めることが重要であり、修士課程修了者や学部卒業者が、例えば一定の期間、研究支援組織がある大学等において、奨励金の支給を受けながら技術者としての実務研修を受ける仕組みについて検討することが必要がある。
3.研究支援職員の処遇の改善
(4)学術情報基盤・学術資料の整備
1.学術情報基盤の整備
 学術情報ネットワーク、コンテンツ、アプリケーションの充実が必要である。 ○ 大学や研究所を接続する超高速研究ネットワーク「ス-パーSINET」(最速10ギガビット・パー・セコンド)の整備
(平成13年度予算68億円→平成15年度予算62億円)
※ 平成16年度予算より情報・システム研究機構の運営費交付金の内数

○ 大学、研究機関等が保有する情報を横断的に検索する学術コンテンツポータルシステムを構築
(平成14年度予算2.39億円の内数→平成15年度予算2.39億円の内数)
※ 平成16年度予算より情報・システム研究機構の運営費交付金の内数

○ 研究成果の国際的な情報発信能力の強化のための基盤整備
・ J-STAGE(科学技術情報発信・流通総合システム)
(平成11年度運用開始、平成10度補正予算15.7億円→平成16年度予算11.5億円)
・ 国際学術情報流通基盤整備事業の推進
(平成15年度開始、平成15年度予算1億円)
※ 平成16年度予算より情報・システム研究機構の運営費交付金の内数
 資料購入予算の確保、目録所在情報の遡及(そきゅう)入力、電子図書館的機能の整備・充実等の大学図書館の整備、大学図書館、大型計算機センター等の情報関連組織の有機的な連携強化や再編成、保存図書館(集中文献管理センター)の整備の検討を行うべきである。 ○ 大学図書館等の電子図書館的機能の充実・強化・電子図書館化推進
 ・ 国立大学に総合目録構築経費を措置
 (平成12年度予算0.27億円→平成15年度予算0.41億円)
 ※ 平成16年度予算より情報・システム研究機構の運営費交付金の内数
 ・ 国立大学に海外電子ジャーナル導入経費を措置
 (平成14年度予算3.97億円→平成15年度予算6.65億円)
  ※ 平成16年度予算より国立大学法人の運営費交付金の内数

○ 情報基盤センター等の整備(平成11~15年度)
2.学術資料の整備
 実験動物を含む生物遺伝資源、放射性同位元素等の整備、大学博物館の整備を推進すべきである。 ○ 生物遺伝資源センター、動物実験施設、アイソトープ総合センター、大学博物館等の整備・充実(~平成15年度)
※ 平成16年度予算より各国立大学法人等の必要に応じ実施できるよう運営費交付金の中で計上
5 人文・社会科学研究の振興と統合的研究の推進
(1)人文・社会科学研究の重要性
● 科学技術・学術審議会学術分科会に人文・社会科学特別委員会を設置(平成14年2月~平成15年1月)
(2)人文・社会科学研究の特性を踏まえた振興方策
● 学術分科会において「人文・社会科学の振興について」を取りまとめ(平成14年6月)
(3)人文・社会科学研究の現状を踏まえた振興方策
 人文・社会科学研究の特性に配慮した評価が必要であり、広がりを持った専門研究者の連携の下に、国際的な視点も含む評価を行うことが必要である。
 人文・社会科学の動向や研究状況などを分析・評価する審議組織の設置が必要である。 ● 科学技術・学術審議会学術分科会に人文・社会科学特別委員会を設置(平成14年2月~平成15年1月)【再掲】
 人文・社会科学研究を振興する際、社会的課題への積極的取組を推進することが必要である。 ○ 人文・社会科学振興プロジェクト研究事業の開始(平成15年度~)
(4)統合的研究の推進
○ 人文・社会科学振興プロジェクト研究事業の開始(平成15年度~)【再掲】
6 学術国際交流の推進
 学術研究の発展は、経験や発想の異なる研究者からの触発によって促進されることが多いため、より一層学術国際交流が推進されることが期待される。 ● 科学技術・学術審議会に国際化推進委員会を設置(平成13年8月)、「科学技術・学術活動の国際化推進方策について」を取りまとめ(平成15年1月)
(1)大学等の国際化の推進
1.外国人研究者雇用の推進
 外国人研究者の雇用・受入れを自ら目標を設定した上で、積極的に推進する研究組織については、目標実現に向けた重点的支援を行うべきである。 ○ 外国人特別研究員〔一般〕の拡充
 (平成11年度予算930人→平成16年度予算1,620人)

○ 外国人特別研究員〔短期・欧米〕の拡充
 (平成11年度予算45人→平成16年度予算60人)
 ※平成11年度は米国人研究者特別枠として実施

○ 外国人特別研究員〔短期・夏期〕の拡充
 (平成11年度予算79人→平成16年度予算110人)
2.外国人研究者招へいの拡充
 日本学術振興会の招へい事業については、世界的に著名な研究者を研究等のため招へいする制度の検討を進めるべきである。 ○ 海外で活躍中の研究者をプロジェクト・リーダー等として招へいする著名研究者招へい事業の新設(平成12年度)【再掲】
3.研究者の海外派遣機会の拡充
○ 海外特別研究員事業の拡充【再掲】
 (平成11年度予算255人→平成16年度予算380人)
4.外国人研究者受入れ体制・環境の整備充実
(2)学術国際交流・協力の戦略的推進
1.学術国際交流の戦略的推進方策の検討
 学術研究の国際戦略を検討する審議の場を形成すべきである。 ● 科学技術・学術審議会国際化推進委員会の設置【再掲】
2.戦略的学術国際交流を支える研究費の措置
○ 先端研究グローバルネットワーク事業の新設(平成15年度)
3.国際共同研究の円滑な実施のための枠組み整備
4.海外研究拠点の設置
○ 日本学術振興会海外研究連絡センターの充実
ストックホルム(平成13年度)
(3)アジアを中心とした学術国際協力・交流の推進
 我が国を含むアジア地域について、ヨーロッパ、アメリカと並ぶセンター・オブ・ラーニングとして、学問上、研究上重要な地域へと変容を図る観点から、日本学術振興会事業の充実・強化等が必要である。 ○ 論文博士号取得者の支援の充実
 ・ 累積学位取得者数
 (平成11年度296人→平成15年度407人)
 ・ 在籍者数
 (平成11年度144人→平成16年度146人)
○ 拠点大学方式による交流の充実
 ・ 拠点大学数
 (平成11年度6カ国17交流→平成16年度7カ国29交流)
7 社会的連携・協力の推進
(1)学術研究における産学連携等の推進
1.産学連携の現状と目指すべき方向
 今日、産学連携は、大学等の責務としての社会貢献を進める上でも、学術研究の進展の上でも、ますます重要である。大学等が自らその研究成果を社会全体に還元する有効なシステムとして産学連携を推進すべきである。 ● 科学技術・学術審議会技術・研究基盤部会産学官連携推進委員会において「新時代の産学官連携の構築に向けて」を取りまとめ(平成15年4月)
2.産学連携の推進のための体制等の整備
 企業のニーズと大学等のシーズをつなぐ「産学のコーディネーター」の配置など、国立大学の地域共同研究センター等の更なる整備・拡充を進めることが必要である。大学における産学連携の先進的な取組を支援するため、国が、内外の事例を収集しつつ、大学等と共同してモデル開発を行い、それらを広く関係者に紹介することが期待される。 ○ 共同研究センターの整備
○ 研究協力部・課等の設置
○ インキュベーション施設の整備
○ 大学等に対し、知的財産の原則機関帰属に対応する体制整備を支援する大学等知的財産整備事業を開始
(平成15年度~、平成15年8月に43課題を採択)
○ 大学等公的研究機関の研究成果の社会還元機能の強化を図るため、大学等のニーズに応じて、産学官連携を推進する際に必要となる各種専門知識、技術を有する専門家(産学官連携コーディネーター)を、大学・高専等に配置する産学官連携支援事業を開始
(平成14年度~、平成16年6月現在82大学に110名配置)
3.大学等と企業との望ましい関係の構築
 産学連携に係るルールをより明確にする必要があり、今後、国等がそのモデルを示すことなどにより、各大学等における取組が推進されることが期待される。大学等内に産学連携の在り方と倫理に関する委員会組織を設置することも検討すべきである。 ● 科学技術・学術審議会技術・研究基盤部会産学官連携推進委員会知的財産ワーキンググループにおいて「知的財産ワーキンググループ報告書」を取りまとめ(平成14年11月)
● 科学技術・学術審議会技術・研究基盤部会産学官連携推進委員会利益相反ワーキンググループにおいて「利益相反ワーキンググループ報告書」を取りまとめ(平成14年11月)
○ 「利益相反マネジメントを考える会」の開催など、利益相反・責務相反への対応について各大学の取組みを支援(平成16年度)
4.産学連携に係る諸制度の改善
 人事・会計上の一層の弾力化を推進する必要がある。
私立大学の受託研究収入の非課税化を推進すべきである。
○ 受託研究・共同研究の研究資金の受入れ及び使用の円滑化【再掲】
○ 国立大学教員の民間企業等役員等兼業(平成12年度~)
※ 平成16年度の国立大学の法人化により、より弾力的な運用が可能
○ 共同研究・受託研究契約における運用の改善(平成14年度~契約の雛形の改訂等)
※ 平成16年度の国立大学の法人化により、より弾力的な運用が可能
○ 私立大学の受託研究収入に係る非課税措置(平成14年度~)
○ 大学等との共同研究、受託研究について、試験研究費の一定割合を税額控除する「特別共同試験研究税額控除制度」の創設(平成15年度~)
5.研究成果の社会における有効活用
 特許取得や社会での実用化促進のため、研究者の啓発や技術移転機関(TLO)の設置支援等に努める必要がある。 ● 科学技術・学術審議会技術・研究基盤部会産学官連携推進委員会知的財産ワーキンググループにおいて「知的財産ワーキンググループ報告書」を取りまとめ、知的財産の機関帰属化等の方針を提示(平成14年11月)
○ 大学等知的財産整備事業を開始【再掲】
○ 国有特許に関する新たな発明補償金支払要領の制定(平成15年1月~)
・ 国立大学等教官等の国家公務員の職務発明に対する補償金に関する上限を撤廃
・ 実施補償金の算定率を国の収入実績の約25パーセントに
○ 承認TLOによる「企業化支援業務」の明確化(平成14年6月~)
○ 国立大学法人の承認TLOへの出資の可能化(平成16年度~)
6.地域との連携・協力の推進
○ 知的クラスター創成事業の開始(平成14年度~、現在18地域)
○ 都市エリア産学官連携連携促進事業の開始(平成14年度~、現在37地域)
○ 地方財政再建促進特別措置法施行令改正により地方公共団体から国立大学等への研究開発等にかかる寄附が可能(平成14年11月~)
(2)学術研究に関する国民理解の増進
1.学術研究に関する国民理解の現状
2.学術研究に関する国民理解増進のための方策
○ スーパーサイエンスハイスクール事業(平成14年度~)
○ サイエンス・パートナーシップ・プログラム事業(平成14年度~)
○ サイエンスチャンネルの本格放送開始(平成12年10月~)
○ 日本科学未来館の開館(平成13年7月)
8 学術・科学技術の調和
(1)大学等と試験研究機関等の連携・協力
 関連機関間において研究者等関係者による協議の場を設けることが大切。また、各研究分野の特性等を踏まえつつ、情報交換、施設設備の利用、研究者交流、更には共同研究の実施等を図っていくことが必要である。 ○ 大強度陽子加速器計画の推進
○ 宇宙3機関統合(JAXA(ジャクサ))による総合力の発揮と技術基盤の強化等により効果的・効率的な研究開発体制を構築(平成15年10月)
(2)学術・科学技術の調和  学術と科学技術の調和を図るためには、総合科学技術会議の活動に大学等の研究者の意見を適切に反映させていくことが必要である。審議会を活用して、文部科学省に研究者の意見を集約するシステムを構築することが必要である。 ○ 科学技術・学術審議会の設置(平成13年1月)

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