(注)以下、本章においては、「業務」は独立行政法人、国立大学法人等における運営費交付金による科学技術関係の取組、「施策」は運営費交付金以外の資源による科学技術関係の取組を指す。
国の資源を活用して科学技術関係の施策又は業務(以下、「施策等」という。)を推進する場合には、当該施策等に関わる者は、その内容や成果を社会に対して説明するとともに、投入する資源から最大限の成果を得るよう努力する責務を負っている。このため、限りある資源を効果的・効率的に活用する科学技術システム改革や府省間の縦割りによる弊害排除・連携強化に取り組む必要がある。加えて、施策等の企画に当たっては、その必要性や有効性等を見極め、研究開発課題のスクラップ・アンド・ビルドを含めて、必要な整理・合理化・削減を行う。また、科学技術分野における構造改革を目的としてこれまで取り組んできた、企画(PLAN)、実行(DO)、評価(SEE(check、action))のプロセスについて、更なる進化・徹底を図る。
限りある資源を活用して、新たな知の創出や経済・社会の発展につながるような質の高い科学技術を推進するためには、「選択と集中」の考え方により、不必要な重複や府省の縦割りによる弊害を排し、研究開発資源を更に効果的・効率的かつ計画的に配分しなければならない。そこで、真に重要な施策等に研究開発資源を重点的に配分した科学技術関係予算の確保を図るため、平成17年度概算要求において、各府省の科学技術関係施策全体について十分に把握・俯瞰した上で、外部専門家の助言を得つつ、科学技術政策担当大臣及び総合科学技術会議有識者議員を中心として優先順位付けを行う。また、併せて当該施策に係る留意事項を取りまとめる。
独立行政法人、国立大学法人等については、業務の実施に当たって自律的・自発的運営が行われることを踏まえつつも、科学技術政策における重要性と活動規模の大きさにかんがみれば、各法人における科学技術関係業務を国の施策全体と整合して推進する必要がある。そこで、科学技術政策担当大臣及び総合科学技術会議有識者議員が、科学技術に関する全ての独立行政法人、国立大学法人等の平成17年度の科学技術関係業務の概要を把握する。その上で、
(a)下記の「1)対象」のうち、主要な業務について、これら業務の優先度、関連する施策等との重複や連携等について検討して見解をまとめる。
(b)独立行政法人のうち、一定規模以上のものについては、下記の「1)対象」に該当する業務がない場合においても、主たる業務を対象として、(a)と同様の検討を行い、見解をまとめる。
(c)国立大学法人等については、教育研究の特性への配慮など国立大学法人等の自主性・自律性に充分配慮しつつ、主たる業務に対し、関連する施策や独立行政法人における主たる業務との連携等を検討して、見解をまとめる。
なお、こうした検討に際しては、各法人の特性に配慮するとともに、外部専門家の助言を得る。
優先順位付け等の対象範囲は、基本的に、概算要求額又は業務規模(見込み)が、(イ)1億円以上の新規施策等、及び(ロ)10億円以上の継続施策等、とする。ただし、以下の経費に係る施策等については、原則として対象としない。
なお、対象外とした施策等について、各府省から要望があれば対象とすることを検討する。
優先順位付け等の検討に当たっては、各府省における評価の結果やその反映状況等を含め、各府省の考えを十分聴取しながら、分野・事項を横断し、以下の観点を含む総合的な見地から実施する。
科学技術政策担当大臣及び総合科学技術会議有識者議員が、次の区分で施策の優先順位を付けるとともに、その理由や留意事項を明らかにする。
S:特に重要な施策であり、積極的に実施すべきもの
A:重要な施策であり、着実に実施すべきもの
B:問題点等を解決し、効果的、効率的な実施が求められるもの
C:研究内容、計画、推進体制等の見直しが求められるもの
優先順位、その理由及び留意事項については、各府省からの意見を十分聴取した上で、10月中旬を目途に決定し、関係各府省に伝達するとともに原則として公表し、総合科学技術会議に報告する。
独立行政法人、国立大学法人等については、優先度等の検討結果を踏まえて見解をまとめ、当該法人の主務省に伝達、原則として公表し、総合科学技術会議に報告する。
また、優先順位付けの結果を十分に踏まえた予算編成が行われるよう、必要に応じて財政当局と連携を図る等適切な対応を行う。
研究振興局 振興企画課