4.科学技術活動を支える基盤の充実

 我が国の科学技術活動を支える基盤を充実し、科学技術活動に広がりを持たせるべく、科学技術関係人材の育成・確保、「競争」と「協調」のバランスのとれた科学技術活動の国際化の推進、科学技術に対する理解の増進等を通じた国民の心の豊かさの実現を図る。

(1)科学技術関係人材の育成・確保

  • 国際的に活躍する研究者・技術者の育成・確保
    • 大学・大学院での教育の充実と意欲的プログラムへの支援、大学院及び研究機関等において研究開発プロジェクトと高度の人材育成を一体的に進める先進的取組への支援
    • 若手研究者の海外における研究機会の拡充と優れた研究者等を海外から誘引できる研究水準・環境の確保を通じた世界水準の研究教育拠点の形成
    • 博士課程において優秀な人材が経済的に安んじて勉学することを可能とする支援の充実
    • 研究者の流動性向上、若手研究者・女性研究者・外国人研究者等が活躍できる機会の拡大及びこれらに関連する社会的制度の整備
    • 技術者教育、技術者資格の付与、産学連携を活かした継続的な教育による技術者の資質・能力の向上
    • 融合領域における人材の育成・確保
    • 「沖縄科学技術大学院大学」の設立構想の推進
    • 初等中等教育における科学技術の基礎知識と科学的な思考力の習得の促進及びこれを支える教員の資質向上
  • 科学技術活動を支える専門的人材の育成・確保
     技術経営(MOT)人材へのニーズに応じた養成を高度化。幅広い研究分野の人材を活用した知的財産人材・起業支援・国際標準化活動等の専門家を育成・確保。
  • 科学技術の理解増進のための人材の育成・確保
     科学技術を分かりやすく国民に伝える人材を育成・確保。

(2)科学技術活動の国際化の推進

  • 科学技術を巡る競争が激化の一途をたどる一方、様々な分野における国際的協調が我が国にとってもプラスの作用をもたらす場合があることも認識し、「競争」と「協調」とのバランスをとりつつ、科学技術活動の国際化を一層促進。
  • 科学技術の発展に伴う地球温暖化、生命倫理問題、知的財産権の取扱い等一国だけでは対応できない諸問題に対処するとともに、我が国が強みとする分野や我が国にとっても有意な分野でのイニシアチブを確立するため、各国との間でより緊密な「協調」を推進。この一環として、我が国がリーダーシップを発揮して、科学者だけでなく、社会各層の人々が参加する国際フォーラムを開催する等解決に向けた国際的な取組を促進。
  • 経済発展著しいアジア地域における科学技術のフロントランナーとして、アジア地域の科学技術の発展に寄与し、アジア諸国とのパートナーシップを更に深めるため、二国間協定に基づく協力や研究者間、機関間、省庁単位の各々のレベルでの協力を推進。加えて、我が国とアジア諸国との間で、今後の連携・協力の在り方について共通理解を深めるため、政策対話を実施。

(3)科学技術を通じた心の豊かさの実現

  • 国民が夢と感動を抱ける機会の提供
     科学技術の持つ、未知なるものの発見・解明を通じて人を感動させる力、新たな挑戦を通じて国民に夢を与える力を体感・学習できる機会を提供。文化財の保存・活用や新たな文化の創出に資する科学技術活動を推進。
  • 理解増進のための場・機会の拡充
     科学技術と国民生活との関わりや、もたらされる効果についての正確な理解を得られるよう公聴・広報の質的向上・活発化を図るとともに、研究者の姿に触れ、研究現場の環境を体験する機会の拡充など双方向のコミュニケーションに向けた活動を推進。
  • 生活者の視点に立った科学技術活動
     最新の科学的知見に基づき、「心の豊かさ」志向や少子高齢化の中で、障害者や高齢者をはじめ生活者の多様なニーズを踏まえた新たなモノやサービスの創出に繋がる研究開発等を振興。

お問合せ先

研究振興局 振興企画課