中教審答申では、大学教育改革に対する期待が高まり、その中で、「従来のような知識の伝達・注入を中心とした授業から、教員と学生が意思疎通を図りつつ、一緒になって切磋琢磨し、相互に刺激を与えながら知的に成長する場を創り、学生が主体的に問題を発見し解を見いだしていく能動的学修(アクティブ・ラーニング)への転換が必要。」とされている。
また、学生には、授業のための事前準備・授業受講・事後展開を通して主体的な学修に要する総学修時間の確保、教員には、学生の主体的な学修の確立のために、教員と学生あるいは学生同士のコミュニケーションを取り入れた授業方法の工夫、十分な授業の準備、学生の学修へのきめの細かい支援などが求められるとなっている。
このようなアクティブ・ラーニングのための場所として、図書館の機能が見直され、そのためのスペースを整備する動きが広まりつつあるが、その規模、内容は大学によってまちまちである。
整備にあたっては、スペースの用意・確保とともに、そのスペースをどのように活かすかが重要であることから、利活用を促進させるための効果的な方策について検討し、その周知を図ることは意義があると考えられる。
(アクティブ・ラーニング・スペースの整備方策、主体的学修における教員・図書館職員・TA等のスタッフと学生との協働の在り方、授業と主体的学修との効果的な連携・接続など)
教育改革に資する学習機能の高度化において、各大学の有する優れた教材、授業等の学習資源の電子的保存・共有・普及は意義があるという意見は多いが、機関リポジトリへの登載による流通など、あまり進んでいない。授業の予習・復習など、アクティブ・ラーニングの推進においても、これら学習資源の電子的活用は、極めて重要であることから、積極的に推進する必要がある。
学習資源の共有に関しては、現在、関心のある大学や機関間において、様々な取組が個別に検討されている状況であり、その流通を統一的に推進するための課題を明確にした上で、必要な対応策等についてとりまとめ、実行することが効果的・効率的である。
(電子化における著作権処理、電子データの標準化、共通プラットフォームの構築、機関リポジトリの活用、学習資源と公開範囲の考え方など)
井上、堀下
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