参考資料 学術情報基盤作業部会(第32回)で出された主な意見

学術情報基盤作業部会(第32回)で出された主な意見

(図書館職員としての専門性)

○ 図書館員は、専門性を持っていると同時に、図書館全体のマネジメント業務もできるバランスのとれた職員が理想ではないか。

○ 今後、様々な専門職大学院が徐々に大学に占める位置付けが高くなってくると、図書館員の役割は、それぞれの専門性と同時に、マネジメント能力など、様々な能力が求められてくるのではないか。

○ 図書館が伝統的に有してきた機能というのは、資料の提供であり、それは今も変わっておらず、おろそかにはできないと思う。したがって、主題の専門家ではなく、学術情報基盤をつくるための専門家が必要であり、学術情報流通の仕組みについて非常に詳しい職種もきちんと図書館の中で抱えている必要があると思う。

(教育・研究等支援としての専門性)

○ ロー・スクールにおけるライブラリアンが図書館のマネジメントに様々なスキルを持ってくる可能性があり、他の分野にも応用できるのではないか。

○ 米国においても研究図書館、大学図書館において、伝統的なカタロガーなどプロフェッショナルと呼ばれてきた者が大幅に減って、ファンクショナルスペシャリストが拡大してきていることについて、考えなければいけない。

○ 法学部などの他分野から、図書館情報学系の大学院を修了するライブラリアンは、法律図書館など、その分野のライブラリアンとして続けることを希望して、マネジャーにはなりたがらないことが起こりがちであると思う。

○ 法律に明るい職員を擁する環境的な要素としては、教育研究の現場に密着した分散的な図書館に専任職員を配置することによって、教育研究の現場からモチベーションを喚起され、本人も勉強する環境の中で、経験値が蓄積される。

(国際性)

○ 今後、年々増加する留学生に図書館がどのように対応すべきか。言葉の問題も含めて、図書館員の、利用者のニーズに的確に対応する能力が試されるのではないか。

(処遇・キャリアパス・業務形態)

○ 学府研究院制度のように、図書館職員から教員に、教員から図書館職員になるなどの行き来があるような仕掛けをどこかでつくってみる価値があるのでないか。

○ ライブラリーサイエンス構想においては、学部長に、学生指導をお願いし、サイエンスなどについて広く知ってもらうというようなことなどが考えられるのではないか。学部長は管理的なことで忙しいので、通常の学生の指導ができないが、図書館関係の学生であれば、指導面からは最適と考えられる。

○ 日本では、かつては、助手がサブジェクト・ライブラリアン的な機能を十分果たしていたが、最近、助手が非常に少なくなって、そのような役割が期待できなくなっている面もある。

○ 図書館的な知見だけでは不可能なことと、若手研究者も情報分野を体系的に学んだことが少ないことを、お互いにメリットのある枠組みの中に収斂させていけば、相乗効果が生まれるのではないか。

○ 図書館職員の育成に関しては、図書館情報学の専門家と教員が密に連携して話し合って、作り上げていくことと、育てられる側も、多彩なバックグラウンドがないと、教えられることに限界がある。その2つのポイントは条件として重要なのではないか。

(その他)

○ 情報分野では、現状、ディレクトリ型とサーチ型では、完全にサーチ型から入っている。それは、人で分類すること自体がほぼ不可能であることと、現実のアクセスは、テール側へのニーズの方が遙かに大きくなってきているという現状がある。そのようなことを踏まえて、今後どうあるべきかを本質的に議論するといいのではないか。

○ 全体の集合知を社会の共有知にする仕掛けを作れば、いろいろなおもしろいことが出てくるのではないか。

○ 日本の個々の図書館を超えて、世界的に「知」を統合し、その統合のアクティビティが集合知として形成されていくということが、今の世の中の動きではないか。

○ 学生が複数集まって、さまざまな情報源からの情報を突き合わせて、何か議論しながら物事を進めていくというような学習のスタイルと、図書館の情報提供の仕方がうまくマッチングするようなことを考えないと、先へ進めないのではないか。

○ 図書館という組織を独立させることがどこまでいいことなのか、大学内の他の機関との連携ということも含めて、狭く図書館、図書館員だけの話をしていたのでは、もう立ち行かない時代になってきているのではないか。

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