研究環境基盤部会 学術情報基盤作業部会(第5回) 議事要旨

1.日時

平成18年3月23日(木曜日) 10時~12時

2.場所

文部科学省M1会議室(三菱ビル地下1階)

3.出席者

委員

石井主査、有川委員、伊賀委員、後藤委員、土屋委員、西村委員

文部科学省

 清水研究振興局長、松川情報課長、柴崎学術基盤整備室長、大山学術基盤整備室室長補佐、上田情報研究推進専門官
科学官・学術調査官:
 西尾科学官、柿沼主任学術調査官、逸村学術調査官

4.議事要旨

(1)資料1の前回議事概要案について、修正があれば3月30日(木曜日)までに事務局へ連絡することとした。

(2)事務局より、資料2及び3に基づき、学術情報基盤作業部会の開催状況及び第4回学術情報基盤作業部会における主な意見について説明が行われた。

(3)事務局より、資料4-1から4-3に基づき、「学術情報基盤としてのコンピュータ及びネットワークの今後の整備の在り方について(報告)(案)」について説明が行われた。その後意見交換・質疑応答が行われた。

(○…委員等 △…事務局、以下同じ)

○ コンピュータ・ネットワークワーキンググループでは、ネットワーク及び大学・大学共同利用機関の保有するスーパーコンピュータは学術の進展に大いに貢献し、日本の学術の基盤となっているが、整備してから時間が経過し、陳腐化・老朽化してきており、いかにして継続的に更新していくかという点が重要なポイントとなった。このため、過去の経緯、現在の国内外の状況を分析しつつ、国よる継続的な支援と、大学等がコンピュータ及びネットワーク環境を長期的な視野に基づいて整備することを求めるという、二種類のメッセージを発することにした。また、平成18年度より開始する次世代スーパーコンピュータプロジェクトは本ワーキンググループとしても推進すべき取り組みであると考えているが、次世代スーパーコンピュータプロジェクトのみに予算が投入され、各大学・研究機関等の計算環境が老朽化したまま放置された場合、長期的に国全体の情報基盤が衰退してしまうとの危惧がある。このため、ハイ・パフォーマンス・コンピューティングという用語を用い、ネットワークとあわせて国全体の計算環境を整備していく必要性についても述べている。

○ 全体的に見て研究用途からネットワークの整備の必要性等を説明しているように思うが、キャンパス全体がある意味でデジタル化してきており、また、現在コンテンツの流通量が増大してきているという状況を考えると、コンテンツ流通の観点からネットワークの整備の必要性等を説明するという点が弱いのではないか。例えば「3.1(2)大学等におけるニーズに基づいたサービスの提供及びそのための工夫」では、様々なコンテンツが時間をかけずにネットワーク上で利用されるような、ネットワークに対するコンテンツ面でのニーズを強調してもよいのではないか。また、「3.2(3)認証基盤の構築」においてはコンテンツの送受信における認証基盤のニーズについても触れられているが、当面はライセンス契約に基づいてコンテンツを利用していくことになると考えており、誰がどのコンテンツを用いることができるかといった、適切な利用制限の点でも全国的な認証基盤が求められていると思う。このようなコンテンツ面でのニーズも書き加えた方がよいのではないか。

○ コンテンツという観点は重要であるが、大学図書館等ワーキンググループ及び学術情報発信ワーキンググループにおいて議論すべき事項ではないか。

○ もちろん両ワーキンググループにおいても検討されている。ただ、今やコンテンツの流通量が増大しており、コンテンツが円滑に流通するための基盤という観点でもネットワークは重要である。両ワーキンググループではネットワークの整備について議論することはできなかったため、三ワーキンググループの報告書案からコンテンツ流通の面でのネットワークの重要性という観点が抜け落ちているのではないか。

○ これらの報告書を受けて、次の段階として一般的なコンテンツ流通も含めた、総合的観点からのネットワーク整備について議論すべきではないか。

○ 小規模の大学や地方の大学はネットワークの更新等への対応が困難である。大学の実態として、地方大学や小規模の大学では最先端学術情報基盤の前に、ネットワークの老朽化対策という問題がある。また、本来ネットワークは地理的な格差の是正のため機能すべきであるが、現実として地方大学の方がネットワーク環境の整備に不利である。基盤整備という点では、日本全体の教育研究のデジタル化といった観点からネットワークの整備の必要性を主張すべきではないか。

△ 「2.1(1)最先端学術情報基盤の必要性」において、コンテンツやデータベース等も含めて超高速ネットワーク上で共有する、最先端学術情報基盤(サイバー・サイエンス・インフラストラクチャ)が不可欠であるという認識が重要であると指摘し、その上でコンピュータ及びネットワークを整備していくための持続可能な計画を立てることを求めている。また、「3.2(1)(イ)最先端の研究を支える能力の確保」において遠隔授業やe-Learningも視野に入れ、研究データや画像データ等が円滑に流通するために必要な回線速度を確保することを指摘しているところである。

○ 「3.2(1)(イ)最先端の研究を支える能力の確保」において遠隔授業やe-Learningも含めて議論しており、教育研究を支える能力の観点からコンテンツについても記述しているのではないか。

○ コンテンツ流通の面でのネットワークの重要性については前回の本委員会においても指摘されており、これを受けてコンピュータ・ネットワークワーキンググループにおいて審議を行った。その上で、これまで補正予算によりネットワークを整備してきたという事実に鑑み、継続的に維持・整備するための仕組みが求められるということを重視して報告書案をまとめている。例えばスーパーコンピュータでデータを処理する際も、膨大な量のデータの送受信が行われているのであって、このような観点でもコンテンツを適切に蓄積・管理する必要がある。このようなデータの問題はコンピュータの議論とネットワークの議論の双方から抜け落ちてしまいやすく、今後検討すべき課題と考えられる。

○ アプリケーションについては記述されているが、ミドルウェアについても記述してはどうか。

○ コンピュータ・ネットワークワーキンググループではミドルウェアについても議論し、次第にハードウェア、ソフトウェア、コンテンツ等を含めて議論を展開したところである。

○ 資料7において、学術情報基盤作業部会として三ワーキンググループの報告をまとめる序文の案が示されているが、その後半に三ワーキンググループに共通する認識を示している。コンテンツ流通の面でのネットワークの重要性については序文において記述することも考えられるのではないか。

○ 情報の蓄積・送受信の問題は三ワーキンググループ共通の問題であるため、序文で扱ってはどうか。

(4)事務局より資料5-1、5-2及び5-3に基づき、「学術情報基盤としての大学図書館等の今後の整備の在り方について(報告)(案)」について説明が行われた後、意見交換・質疑応答が行われた。

○ 大学図書館等ワーキンググループでは、図書館自身、大学、そして国(文部科学省)という、三つの主体ごとに課題と対応策を分類して議論した。コンピュータ及びネットワークに比べて大学図書館は学内で重要性等についてしっかり位置付けられていない。このため、まず図書館関係者が問題の所在及び深刻さを認識しているかという問題意識に基づき、大学図書館及び大学のすべきことを明示し、その上で国は大学図書館の重要性に鑑み、できるところから支援していくという趣旨でまとめている。

○ 図書館長としてこれまで実務の中で感じていた様々な問題点等が、しっかりと盛り込まれており、また、機関リポジトリなど新たな課題についても言及されている。今後この報告が指針となって大学図書館の改善が進むことを期待する。ただ、情報関係の施設に融合したり、あるいは人員を取られてしまい、大学図書館として機能不全に陥る大学が出てきているのではないかと危惧している。アウトソーシングできるところはアウトソーシングしてもよいが、サブジェクトライブラリアンなどが専門性を持ってユーザー対応に従事する体制ができていないのではないか。

△ 「3.1(エ)役割に応じた組織・運営体制の強化」において、大学全体の情報戦略を統括する組織との有機的連携や業務のアウトソーシングなどを検討する際にも、大学図書館の機能を損なうことのないよう注意することが必要な旨を述べている。

○ 図書館の組織・職員を事務組織、事務職員と記述した場合、図書館職員の専門性、国際性が分かりにくいのではないか。図書館職員は専門性を発揮する必要がある職であり、それを示すためにも別の表現に置き換えるべきではないか。

○ 専門スタッフ等の表現がよいのではないか。

○ 国立大学では、サブジェクトライブラリアン等の専門性の高い職員が不足しているが、私立大学はどうか。

○ 早稲田大学などには、修士号を持っている大学図書館の職員が数名いると聞いている。

○ ただ、私立大学では図書館職員として採用しておらず、大学職員として一括して採用した事務職員を図書館に配置するケースがほとんどであり、大規模私立大学でも専門性を持った図書館職員を確保できているとは限らない。

○ 人材の問題は三ワーキンググループに共通の課題であるが、働く者のインセンティブ等が考慮されるべきであることはどの組織にも共通するのではないか。また、コンピュータ・ネットワークワーキンググループにおいて職員のローテーションについて議論したが、法人化を踏まえ人事上の工夫が必要ではないか。

○ 大学の情報基盤センター等に、コンテンツの管理機能を加えて総合情報センター化しようとする流れがあるとすれば、既に大量のコンテンツを蓄積し、電子化を進める図書館の果たす役割は大きく、両者の連携が重要である。一方で書籍の電子化により情報基盤センターと大学図書館の差がなくなってきており、将来的には両者は統合する方向に進むのではないか。

○ 本作業部会としては三ワーキンググループの報告を一冊にまとめ、序文をつけて、将来の展開に向けた方向性等を示したいと考えている。また、情報基盤センター等と図書館の融合について、両者には共通する部分が多く、私の所属していた大学では図書館内に情報センターを置くことも検討していた。

○ 欧米諸国では一時期盛んに組織の統合が行われたが、多くは失敗に終わり、再分離している機関も少なくないと聞いている。ただ、インターネット環境の整備に伴い、ネットワーク、コンテンツは共にやるべきことが増えており、それらを管理する上で、今後大学内にCIOを設置するなどして両者の連携を深めていくことが不可欠になってくるだろう。

○ 直接的に述べているわけではないが、大学として情報戦略を立てることの重要性を指摘している。

○ 具体的には、それぞれの大学の事情や環境を勘案して連携、統合を進めることが重要になるだろう。

○ 資料5-2に「図書ファイル」、「雑誌ファイル」の表現があるが、特殊な用語なので一般には分かりにくい。他の表現に置き換えられないか。

(5)事務局より資料6-1、6-2及び6-3に基づき、「我が国の学術情報発信の今後の在り方について(報告)(案)」について説明が行われた後、意見交換・質疑応答が行われた。

○ 学術雑誌の支援方策については、様々な施策が展開されてきたことは事実である。このため、報告書案では単に学術雑誌の振興を主張するのではなく、電子的な学術情報の発信が主流になりつつあることを踏まえ、機関リポジトリなど大学や研究機関が直接研究成果を発信できる手段があること、そしてこれに対する政策的な取り組みが必要であることを指摘している。一方、学術雑誌自体については、学術雑誌をより流通させるためには良い学術雑誌を作るしかないとの結論に達し、単に印刷費等を助成するのではなく、競争的な環境下で重点的に助成する必要性を指摘した。また、オープンアクセスについては、日本の学術雑誌を直ちに無料で利用可能にすることは非常に難しいことから、オープンアクセスのもう一つの手法であるセルフアーカイビング、機関リポジトリの利用により、日本の学術研究成果を経済的に厳しいところでも利用できるような、最低限のバックアップを設けることを提案している。アーカイブ化については様々な機関が行っており、一見重複しているように見えるかもしれないので、それらの機関が連携して取り組むべきとしている。

○ 資料6-2概要(案)の「3.今後の方向性、(1)研究成果情報の受・発信の国際的なアンバランス状態の解消」に、インターネットにより大学・研究機関等が自ら情報発信を行うことが可能となったので、これを活用すべきであるという、本文にある文章の趣旨を追加する必要があるのではないか。

○ 「1.(2)海外出版との比較」において国際的に流通している学術論文について言及し、また、「1.(4)英文学術雑誌の出版に伴う問題点」において英文学術雑誌の役割の重要性を指摘しているが、学術的な内容を出版するに際にも、国益を守り、日本の文化を守り育てるという面があり、国際的な貢献はその一部ではないか。現在の文案では国際貢献が全て善であるように読めるが、例えば、電子情報通信学会では、生産という国益に鑑み、日本語の論文でなければ工場勤務の人が読めないという判断から、現在もそれぞれ独立の内容の和文と英文の論文誌を4タイトル刊行している。また、文科系の学術雑誌の中には、日本語でなければ書けないものもあるのではないか。国益と国際貢献について視点を明確にしなければ、論文が100パーセント海外の学術雑誌に掲載されていない分野は遅れているといった誤解を与えるのではないか。

○ このワーキンググループでは研究成果情報の受・発信の国際的なアンバランス状態の解消が検討課題となっていることから、国際的な対応を中心にまとめられている。ただし、それだけでは不十分なので、日本語の学術雑誌に配慮することについては随所に記述したところである。

○ 「インパクトファクター」に関する記述が多く、メッセージ性が高いように見えるが、どのような観点から記述したのか。

○ 日本の学協会が刊行している英文学術雑誌にはインパンクトファクターがついていないもの、ついていても著しく低いものが多い。そのため、国際的に競争をしている日本の研究者が投稿する雑誌の対象に日本の学術雑誌は入っていない。そこで、インパクトファクターについての考察を行った。

○ 結論はインパクトファクターに関わらず、電子化が必要な論文誌については電子化を進めるべきだということか。

○ インパクトファクターと無関係に良い論文を日本の学術雑誌に投稿すれば、日本の雑誌が良くなるはずだという考えはあるが、現在の研究評価の中でインパクトファクターが乱用されているため、その論理は受け入れられない。学術情報発信ワーキンググループとしては、インパクトファクターはあくまでも学術雑誌の評価指標であり、直接研究の内容の評価につながるものではないと指摘することができうる最大限のことと考えている。

○ 科学技術振興機構(以下「JST」)や国立情報学研究所(以下「NII」)が海外から見て日本の学術情報の所在をより分かりやすく効率的に知らしめる取り組みを進めており、そのことについて記述したほうがよいのではないか。

○ 日本学術振興会は科学研究費補助金の研究成果公開促進費で電子アーカイブ構築の支援をしているが、JST、NIIの取り組みと全く独立ではよくない。相補性があり、お互いに利用しあえる関係でなければならない。様々な枠組みを活用しつつ、全体的にユーザーである研究者が使いやすいようなサービスが提供されればよいのではないか。

○ 例えばグーグル・スカラーというポータルサイトができつつあり、グーグル・スカラーで検索できるので図書館は不要であると考える研究者もいるが、グーグル・スカラーに掲載される論文はグーグル社が決定するのであり、掲載されない論文は閲覧されることがなくなる傾向にある。このため、きちんとしたポータルを作成することが重要になってくるが、グーグル・スカラーに対抗するのは困難である。また、「3.今後の方向性」の3に指摘したように、学術雑誌の刊行についてはこれまで学協会が投稿、ピアレビュー、掲載、流通、配付まで担ってきたが、電子化によりその一部に商業出版社が関与するなど水平分業が可能となってきており、学協会に残る機能はピアレビューだけではないかと考えている。このような水平分業が進む状況下では、研究成果情報の受・発信の国際的アンバランスについても、何がアンバランスなのか、何が国内なのかが不明確になる。現在では学術雑誌の刊行に商業出版社が関わる部分が多くなっており、また、オープンアクセスや機関リポジトリといった現在の刊行形態とは全く異なる手段が出現しているため、全体として何をどうすべきか、ということを述べることは困難である。しかし、ポータルサイトに登録されない論文は閲覧されなくなりつつあり、ポータルの役割は大きいものではないか。

○ 今やグーグルやSCIRUSなどによりインターネットを用いて研究成果を受・発信する時代であるため、日本の学術情報だけを集めたポータルサイトを構築しても国際的に利用されることはないであろう。このため、日本のポータルサイトのみ議論しても仕方がないのではないか。

○ 学術論文をきちんと発信していくことが、日本の学術政策上非常に重要であることをより明示したほうがよいのではないか。

○ 学術情報発信ワーキンググループでは、学術成果を論文中心に発信していくことはコミュニケーションの本質的な一部であり、学術研究振興施策においてはコミュニケーションの基盤整備も含まれるべきであること、日本の学術コミュニケーション基盤が国際的に評価される形できちんと研究評価ができる体制にならなければならないということを指摘した。

○ 出版・流通等を含め、学術情報の発信についてあるべき形を言及したほうがよいのではないか。

○ インターネットの時代においては機関リポジトリをはじめ、伝統的な出版・流通以外の様々な学術情報発信の方策が存在し、水平分業化の可能性等についても考慮しなければならないということを指摘している。

○ 例えばブログで注目された成果が論文になるなど、ピアレビューではないレビュー形態が出てくる可能性もある。一般の人がそのような可能性を感じているので、既存の方策に限られず、新しい可能性についても記述してはどうか。

○ 学術研究成果の発信機能と評価機能は別個に存在しうるので、例えば機関リポジトリにより発信した成果を別途評価することもできるのではないかと考えられるが、記述することは困難である。

委員等 Nature等が行っているピアレビューではないEditorial Reviewは、編集者にとっては魅力的なものであるが、学協会にとってはピアレビュー機能を手放すことは学協会の存在意義を問われることになってしまう。このため、ピアレビュー以外のレビューの可能性について、明示的に記述するのは非常に困難であろう。

(6)事務局より資料7及び8に基づき、学術情報基盤作業部会報告の序文案及び「学術情報基盤の今後の在り方について(報告)」の全体構成案について説明が行われた後、意見交換・質疑応答が行われた。

○ 資料7の序文案の後半で三ワーキンググループに共通する問題意識について指摘されているが、3について、職員の育成・確保、キャリアパスの構築、モチベーションの維持・向上の必要性に続いて、専門家としての処遇について追加してはどうか。また、1においてコンピュータ及びネットワークと大学図書館を切り分けて議論しているが、その前に学術情報基盤はコンピュータ、ネットワーク及びコンテンツから成り立つこと、両者の間には密接不可分な関係があることを記述してはどうか。

○ 「3.我が国の学術情報発信の今後の在り方について」において、「雑誌評価(インパクトファクター利用の問題点)」とあるが、インパクトファクターを論文評価、研究評価に用いることの問題点という趣旨に改めてはどうか。

○ インパクトファクターの問題をこれほど明確に取り上げる必要はあるのか。

○ インパクトファクターにあまりこだわると学術情報発信がうまくできないといった考えから記述している。

○ そのような趣旨が伝わればよいと思うが、一方で、一部の分野ではインパクトファクター以外の評価指標がないという実情があるのではないか。

○ インパクトファクターのみに依存してはならないという趣旨で記述している。

○ インパクトファクターという語が目立ってしまい、学術情報発信ワーキンググループの報告が真に述べたいことが伝わりにくくなるのではないか。

○ インパクトファクターを研究評価・論文評価に用いることは学術情報発信全体にとって問題であるということをもう少し明確に示してはどうか。

○ インパクトファクターの問題をこれ以上に強調すると、日本の学術論文誌はインパクトファクターが低いからインパクトファクターの意義を否定しているかのごとき誤解を与える危険性があり、現在の表現としたところである。

○ 一時期インパクトファクターを研究評価、論文評価に用いることとなったのは、大学に責任があるわけではなく、文部科学省やファンディングエージェンシーの責任なのではないか。また、「1.学術情報基盤としてのコンピュータ及びネットワークの今後の整備の在り方について」は全文が一つの文章で記述されており分かりにくいので、分割し、分かりやすく改めてほしい。

○ 「1.学術情報基盤としてのコンピュータ及びネットワークの今後の整備の在り方について」において、サイバー・サイエンス・インフラストラクチャという語が用いられているが、ここではコンテンツ・データベースも含む概念として定義されているため、サイバー・サイエンス・インフラストラクチャという語が三ワーキンググループに共通する概念となるのではないか。このため、コンピュータ・ネットワークワーキンググループの報告部分でサイバー・サイエンス・インフラストラクチャについて記述するのではなく、三ワーキンググループをまとめる部分で記述してはどうか。

○ コンピュータ・ネットワークワーキンググループでは、今後の学術情報基盤の在り方として、「最先端学術情報基盤」の重要性を述べており、通称を「サイバー・サイエンス・インフラストラクチャ」としている。

○ 「最先端学術情報基盤」という語は現在の案の通り残し、「サイバー・サイエンス・インフラストラクチャ」という語は結論部分において用いてはどうか。

(7)3つの報告書(案)をまとめ、「学術情報基盤の今後の在り方について(報告)」として取りまとめることが了承され、また、今回出された意見に基づく修正は主査に一任されることとなった。

(8)事務局より、参考資料に基づき研究環境基盤部会等のスケジュールについて説明が行われた。

(9)報告書の取りまとめにあたり、清水研究振興局長より挨拶が行われた。

(10)今回の議事概要(案)については、後日確認を依頼することとなった。

お問合せ先

研究振興局情報課学術基盤整備室

(研究振興局情報課学術基盤整備室)