研究環境基盤部会 学術情報基盤作業部会(第19回) 議事録

1.日時

平成20年9月10日(水曜日) 15時~17時

2.場所

文部科学省13F1、2会議室

3.出席者

委員

 有川主査、伊井主査代理、潮田委員、小谷委員、後藤委員、坂内委員、土屋委員、美濃委員、山口委員、米澤委員

文部科学省

 舟橋情報課長、井上情報科学技術研究企画官、飯澤学術基盤整備室長 その他関係官
(科学官)
 喜連川科学官
(学術調査官)
 阿部学術調査官、阪口学術調査官

4.議事録

【有川主査】
 本日は、これまでの情報基盤センターの在り方及び学術情報ネットワークの整備の在り方に関する議論をまとめた資料を用意していますので、それをもとに意見を整理し、取りまとめに向けた審議をしていただきたいと思います。
 資料1-1「学術情報基盤整備に関する対応方策等について(骨子)」、資料2「次世代スーパーコンピュータ作業部会報告書」について事務局より説明がなされた。
 次に資料1-2「学術情報基盤整備に関する対応方策等について(議論の整理)」の「1.我が国の学術研究を支える情報基盤の今後の整備について」について事務局より説明がなされ、審議が行われた。

【潮田委員】
 「(研究の方法論の変化を背景とした計算資源整備の重要性)」に、「従来の固定価値の解明から変化過程を解明」という表現があり、現在、変化過程を解明するほうに研究が動いているという話ですが、固定価値の解明というのは何か、もう少しわかりやすい説明はないでしょうか。

【坂内委員】
 「固定価値の解明」とは、要するにどんどん分野を細分化していって、心理の探求であるとか物質の探求などを表しているのですが、難しい言い方かもしれません。

【有川主査】
 おそらく「固定価値の解明」というところが文章全体を分かりにくくしているのだと思います。

【米澤委員】
 この文章は、理論と実験に加えて、第三の方法論としてシミュレーションが最近大きく注目されているということが書かれていると思います。

【土屋委員】
 ですから、「データセントリック科学に大きくシフトしてきている」というのが非常に強くて、今までの方法論を全部捨ててしまうように読めるので、やはり3番目の方法論が出てきたという言い方のほうがよいかなと思います。
 同じ箇所についてですが、やはり人文社会科学のほうでも規模は違うかもしれないけれども、シミュレーションとデータセントリックが非常に重要になってきていると思いますので、それをカバーできるような表現にしたほうが、全体に支持される報告になるのではないかなと思います。

【有川主査】
 その意見につきましては、自然科学だけでなく人文社会科学等においてもという文章を、報告中に入れるということでいいかと思います。

【土屋委員】
 その他2点ほどよろしいでしょうか。1つは、「(大学等におけるライフラインとしての学術情報基盤の必要性)」の「大学等においては、教育・研究活動や運営等においてコンピュータやネットワーク」が不可欠と書くときに、大学間のネットワーク接続など、インターネット的なものを明示する必要があるような感じがしますが、それはこの段階では書く必要がないでしょうか。
 もう1つは、「国立大学等の学内LAN整備及び高度化は、これまで主に補正予算の措置により行われてきた」と書いてありますが、「これまで主に」といっても、ここ数年は全然補正予算がついていないので、「これまで主に」ではなく、「かつて主に」という表現などに改めるほうがよいと思います。それから、ここで大きい議論としては、要するに概算要求なり補正予算なりで、国の予算を使って学内LANの整備高度化をする気があるのかわかるようにしたほうがいいのか、しないほうがいいのか。するならばどのように書かれるのかを決めるほうがいいのかと思います。決めなくても、うまく表現していただく必要があるかなと思いました。

【有川主査】
 そうですね。研究と教育のための学術情報基盤整備が大事だから、国がきちんと役割を果たします、ということを書いていますので、土屋委員が言われたように、そうした研究教育を支える情報基盤方策の在り方について、少し議論したほうがいいのかもしれません。
 次に資料1-2「学術情報基盤整備に関する対応方策等について(議論の整理)」の「2.情報基盤センターの在り方について」について事務局より説明がなされ、審議が行われた。

【土屋委員】
 国公私立大学を通じた共同利用・共同研究の拠点的な役割が、これまでの審議の中で、重要なポイントとしてありましたが、情報基盤センターは共同利用・共同研究拠点という展開を図らないという選択もあり得るのでしょうか。

【有川主査】
 理論的にはあり得るのだと思います。しかし、実際に全国共同利用施設として運営しているのだから、そのまま共同利用・共同研究の拠点として申請することが、ごく自然な考え方であると思います。

【潮田委員】
 今のお話に関連して、「(大学における情報基盤センターの位置付けの明確化)」ですが、共同利用・共同研究拠点に係る部分については、運営費交付金の別枠で措置するというような話もあったと思うのですが、それははっきり書かないほうがいいのでしょうか。

【飯澤学術基盤整備室長】
 この部分の記述は、共同利用・共同研究拠点のこととは切り離して、外部に対しても基盤を提供していながら、その大学の予算を使っているのだという観点で、大学における位置付けを明確にするということであり、共同利用・共同研究拠点としての別枠の予算との関係は、ここでは触れていません。

【潮田委員】
 しかし、学内における位置づけを明確化するといっても、予算的にきちんとしたものがないと、自分の大学の運営費交付金は学内サービスに使うという方向に行かざるを得ないですよね。

【有川主査】
 この記述は、情報基盤センターは元々、全国共同利用だったわけなので、そのことを意識して学内での位置付けを明確にしておきなさいということだろうと思います。
 それから、研究環境基盤部会の『学術研究の推進体制に関する審議のまとめ』という報告においては、今後、私学も含めて共同利用・共同研究拠点が認められ、それについては特別な予算措置をするということになっているわけです。

【渡邊学術基盤整備室室長補佐】
 共同利用に係る経費は、大学に措置するというよりは、共同利用のために措置するという考え方で、いわゆる大学に行く運営費交付金の中には入っていますが、区分がされているということです。

【飯澤学術基盤整備室長】
 国立大学法人化前に措置をされていた情報基盤センターに係る運営経費は、現在、運営費交付金中に積算されて、各大学に措置されているわけです。結局措置されているから大学の中でも位置づけをして、きちんと情報基盤センターに対して、引き続き面倒を見てくださいという趣旨です。

【伊井主査代理】
 「2)情報基盤センターに求められる機能の充実」の「(各機能に関する更なる活動の充実)5産学連携機能」で、全国共同利用施設として、コミュニティからの要請にこたえることと、民間企業からのプログラミング支援、要請に応えていくことに、どういうプライオリティがあるのでしょうか。どんどん民間企業のために奉仕するような情報基盤センターになるというおそれはないのでしょうか。

【米澤委員】
 今の伊井主査代理のお話ですけれども、我々東京大学情報基盤センターでは、民間利用のことを議論していまして、やはり今おっしゃったような意見が出でいました。そこで、基本的には例えばリソースの提供を10パーセント未満にするとか、利用負担に係るアカデミックユーザの利用料の例えば数倍の額にするとか、さらに、社会貢献に供することに限定することで、制限をかけることを検討しています。

【有川主査】
 例えば大学図書館が市民に貸出しをするときに、冊数を制限したり、試験期には利用を制限したりするなどしています。このように、大学における教育研究を主にして、それにあまり支障が出ない範囲内で利用に供するということだと思います。

【山口委員】
 別の点ですけれども、議論の初めの段階で、オールジャパンの情報基盤の強化による国際的な情報発信の重要性が話し合われていたと思いますが、研究の多様化や、高度化ということは話していても、国際的な情報発信、国際的な連携の強化に関する文言が本文中にないので、基盤構築をした上で何をするのか、どういう情報を発信するのかというところに、国際という面を出してもいいのかなと思います。

【有川主査】
 委員の中に情報基盤センター関係者がいらっしゃいますけれども、例えばスーパーコンピュータに関する国際共同利用・共同研究についてはどうでしょうか。

【米澤委員】
 スーパーコンピュータの場合においても、国際共同研究の議論はありますが、個人ではなく大学がある程度責任を持って行うような組織体制にはなっておりません。今のところ、個人の責任で実施することになっています。

【有川主査】
 私は、以前、大型計算機センター長を務めてことがありますが、そのとき、スーパーコンピュータの国際共同利用を提案して、試行しました。物理の先生方がお使いになって、それなりに評価されたと思います。COCOMの問題等もありましたが、事前に文部省とも打ち合わせて実施しました。

【山口委員】
 国際共同研究をどこの国のどこの大学でもというわけではなく、例えば私が所属する東京工業大学学術国際情報センターの国際共同研究の場合では、タイの防災センターとの連携のもとに、津波のプリベンションのシミュレーションを実際にその研究成果を還元していくという形で、最初に協定書を締結し、1年更新で、どれだけの範囲で、どれだけの日数でという取り決めをしています。
 本作業部会は、国際共同研究の方向性を議論するということではなく、我が国の学術情報基盤の整備を議論する場なので、基盤を構築した後のユーザビリティをどうするかというところで、国際的な情報発信という部分を本文に入れておいてもいいのかなと考えます。

【有川主査】
 情報発信については、この作業部会の別な柱として議論する機会があると思います。また、ネットワークは、当然、国際的ですので、必要性が出てきたときに国際的な情報発信についても、議論のまとめに入れられると思います。

【土屋委員】
 「(各大学の特色に応じた活動の充実に向けた検討)」で、スーパーコンピュータを保有していない中小規模大学においても、情報基盤センターの計算資源を利用促進する観点から、教育、支援を独自に実施すべきという表現は非常に厳しいと思いますので、もう少し情報基盤センター側が協力することを表現したほうが良いと思います。

【坂内委員】
 また、スーパーコンピュータは、中小規模の大学のみならず、大規模大学でも保有していないところがあるので、中小規模という表現の必要性に疑問があります。

【後藤委員】
 そうですね。中小規模というのは書く必要はないと思います。また、情報基盤センターは、全国に1つしかないという他の全国共同利用施設とは形態が違いますし、国立大学法人評価委員会の全国共同利用評価専門チームにおける評価結果においても、民間利用の促進や、他大学等に対する教育支援の実績報告があったセンターについては、割合重点的に良いものとして取り上げているので、現実においてはあまり問題がないと思っています。

【有川主査】
 また、情報基盤センターを周辺の大学の教育にも還元をしてほしいというような議論はありましたね。

【美濃委員】
 周辺の大学でも、やはり最低限の情報処理センターは必要ではないかと思います。全てを情報基盤センターに集約してしまったら、情報基盤センターを有する大学以外は情報処理センターが要らないのかという議論に対して、やはり利用支援やユーザー教育は必要だということであったと覚えています。

【有川主査】
 そうですね。全て情報基盤センターにお願いするということではなくて、各大学においても取り組むべきこともあろうかと思います。

【美濃委員】
 それぞれが取り組みながら、情報基盤センターが協力するという感じでまとめていただければと思います。
 次に資料1-2「学術情報基盤整備に関する対応方策等について(議論の整理)」の「3.学術情報ネットワークの今後の整備の在り方について」について事務局より説明がなされ、審議が行われた。

【坂内委員】
 「2)学術情報ネットワークの今後期待される役割及び今後の整備の在り方」の「(学術情報ネットワーク整備の基本的方向性)」で、「SINET3の特徴として、民間プロバイダより安価で研究教育に特価した機能の充実が挙げられる」とあり、何か値段合戦だけをしている印象を受けてしまうのですが、教育研究にも特化した機能や先端研究に不可欠な高度な機能の充実ということが必要ではないかと思います。

【土屋委員】
 安価といっても接続機関の大学は、SINETそのものの利用には料金を払っていなくて、ノード校までのアクセスラインの費用を負担しているわけです。一方、民間プロバイダは大学に対して直接チャージしているわけで、比較のレベルが違っているように思います。

【坂内委員】
 ただ、各大学がネットワークとして必要な機能を調達するためにSINETに加入するのか、民間プロバイダの回線で済ませるかという選択があって、そのときにどういう機能が、どの程度のコストで得られるかということを各大学は考えるわけです。

【土屋委員】
 大学から見ればSINET加入には値段がないのですから、あえて、民間プロバイダに値段合戦を挑むような表現はなくてもいいのではないでしょうか。

【後藤委員】
 この表現だと同じ土俵で比べているように見えるということですね。

【有川主査】
 坂内委員が言われたことは12頁の「(次期SINET整備の基本方針)」の箇所に記述されていますので、この部分を前述すればよいのではないかと思います。

【坂内委員】
 あと、「(SINET整備の基本的考え方)」で、約7割のノードで最大使用率が200パーセントを超える状況というのは、以前本作業部会でも発表させていただきましたが、200パーセントを超えるような破局的な状況になるということを申し上げたかったので、実際は100パーセントでも破局的な状況であります。

【土屋委員】
 100パーセントを超えた段階で、普通使えないですよね。

【坂内委員】
 それから、以前に喜連川科学官がご指摘になったことかと思いますが、ネットワークや計算資源だけではなくて、ストレージとか、他の機能も極めて重要であるとのことでした。「(次期SINET整備の基本方針)」の5項目の基本方針中にその一文が入っていると、これからの方向性があっていいのかなと思います。
 また、学術情報基盤というのは国立情報学研究所、情報基盤センター、情報処理センター群が連携し構築されるものと考えますので、今期本作業部会は、情報基盤センターと、国立情報学研究所の学術情報ネットワークの今後の整備の在り方について議題としたことを記述いただければよいかと思います。

【飯澤学術基盤整備室長】
 次回ご提示するときには、今回この議論をするに至った経緯であるとか、なぜ情報基盤センターと学術情報ネットワークに焦点を絞ったのか、その辺の解説が入った上で展開される構成にと思っています。

【土屋委員】
 やはり、全体としての枠が見えない書き方になっているのが少し気になりました。「1)学術情報ネットワークの役割並びに位置付け」のところで、SINET3だけの話ではなくて、今まで20年近くにわたる学術情報ネットワークの整備は、日本の研究教育活動において不可欠な基盤整備であることをきちんと記述すべきではないかと思います。
 つまり、SINET3はネットワーク機能強化や、回線速度を増強しているので、確かに前に出したい部分もあるでしょうが、それ以上に、やはりこの20年間の成果が大きいだろうということで、我が国の学術活動全体のという意味合いをもっと前のほうに置いて強調すべきだと思います。
 それから、もう一つは、教育と研究の部分の書き分けが、非常に複雑に絡まっているので、これをうまく整理しなければならないという感じがしました。ですから、例えば遠隔講義という言葉がよく出てきますが、あまり教育面だけ強調するのも、この報告全体のトーンからいうとどうかという気がします。
 それから、学術情報ネットワークの非ノード校に関しての指摘がありますが、非ノード校は例えば共同調達であるとか、コンソーシアムを組んで対応するという話になるのかという、その辺の議論はいたしましたけれども、結局あまり結論が出ていないような気がしますが、どういう方針なのでしょうか。

【坂内委員】
 次期SINETの構築において重要な課題であると認識しています。

【土屋委員】
 現在のSINET3の契約が終了する平成22年までは、基本的に現状を維持し、次期SINETの整備において考えることを方針とする報告になると考えてよろしいでしょうか。

【坂内委員】
 平成22年度までは、現在のSINET3におけるノードの回線速度の利用状況に応じたスクラップ・アンド・ビルドや、回線の利用機能の高度化等を図っていきたいと考えています。
 次のフェーズとして、非ノード校も含めたアライアンスを広げて、先進的なネットワーク設計で、コスト的にも機能的にも8倍の需要予測に対応できるようなものを構築しなければならいないと考えています。

【土屋委員】
 ただ、14頁に、特別教育研究経費として予算措置がなくなった場合、ネットワークを利用する各大学が負担する必要性を認識しなければならないということが記述されていますが、そこまで記述すべきなのでしょうか。

【有川主査】
 特別教育研究経費として措置されることが保障されているわけではないというのは、実際にそうなのですが、一方で、必要なインフラ整備を特別教育研究経費で措置し続けるのがよいのかということも言えます。

【土屋委員】
 国の果たす役割として、予算措置の問題と、国立情報学研究所のような中核的組織を維持することの重要性を含むのか含まないかをはっきりさせておいたほうがいいと思います。

【有川主査】
 国公私を問わず、あるいは社会に対しても開かれているわけですので、このような基盤は国できちんと整備をしなければいけないし、そうすることのほうが効率的、効果的であるということを示すのがいいかもしれません。
 それから、次期SINET整備の基本方針の中に、「先進的なネットワーク設計を行うことによる抜本的な経済性の向上を図る。併せて、関連設備の一括共同調達とアカデミック・ディスカウントによる経済性の一層の向上を目指す必要がある。」とありますが、それだけではなく、他の手法もあるでしょうから、「など」を入れておいたほうがよいかと思います。

【土屋委員】
 同一大学のキャンパス間接続にSINETを活用するという話は、もう報告に入れてしまってよいのでしょうか。

【坂内委員】
 はい。各大学のコストが最小限になるような機能も提供すべきだと考えています。

【小谷委員】
 現在、四年制大学が国公私立を合わせると700を超えるほどあり、各大学が投資しているコンピュータ、ネットワークの費用というのは相当な額で、それに対しては文部科学省から補助金も出ます。しかし、私は補助金を少し減らしてSINETに大型の予算を措置し、ノードも増やして、全国で自由に使えるようにしたほうが、我が国全体としてみたときに、経済的に安くなるのではないかという気がします。

【土屋委員】
 ただ、大きな観点で言えば、全体の方向としては国が主導的に事を進めるのはよくないという風潮もあるかと思いますが、それにもかかわらず、学術情報基盤の整備は国が進めていかなければならないとするには、もう少し理由が必要であり、腰を据えた議論が必要だと思います。

【有川主査】
 インフラ整備という観点からすると、例えば、鉄道など国が運営すればどうかという話にもつながります。ですから、国がやることはなるべく少なくという潮流とは違う側面もあるのではないかという気もいたします。

【土屋委員】
 ただ、ネットワークは電気とガスと同じと考えた場合、電気とガスは各大学がそれぞれ料金を払っているのだから、ネットワークだって同じではないかという議論に対して、明確に回答できるよう議論する必要があると思います。

【後藤委員】
 海外の状況をみますと、ほとんどの国は、国がかなり係わっているわけです。インターネットで主立った国で、国があまり係わっていないのはマレーシアぐらいだと思います。

【坂内委員】
 それから、以前、Internet2の代表者と話をした際、リソースは国から提供されていないけれども、各大学や企業研究所等が資金をコンソーシアムで持ち寄って、全体的なネットワークを設計するとのことであり、そういう考え方は、SINETの考え方と非常に近いのではないかという気がします。

【土屋委員】
 ですから、その辺の考え方を述べて、国の役割の重要性をより具体化しておいたほうがいいのではないかと思います。

【有川主査】
 ネットワークの整備は、持続性があるようにしなければなりません。さきほど申し上げたように、特別教育研究経費で措置することが本当に妥当であるのか。持続的整備の模索ということも含めて、報告の中に入れておくべきだろうと思います。
 その他何かご意見ありますか。

【阪口学術調査官】
 ネットワークの整備というところで、IPv6の話題を入れていないのは意図があるのでしょうか。向こう数年間を見ると、今の日本の大学はIPv4のアドレスを持っていて、安心しきっているかもしれませんが、国際連携を考えると、相手がIPv6しか対応していないというケースが数年のうちに出てくるのではないかと思います。

【後藤委員】
 IPv4については、2010年頃には割り当てできなくなりますから、現在持っている大学はいいのですが、相手方が例えば民間利用であるとか、新しく設置された教育研究機関であれば、当然IPv4がないという状態が想定されますので、そうなると、何か対処しなければいけないというのはご指摘のとおりです。

【有川主査】
 キーワードとしてIPv6をどこかに入れておいた方がいいですね。

【後藤委員】
 はい。今後そういうことには対処していかなければいけないという一例としては書いておいたほうがいいかもしれません。

【有川主査】
 それでは、議論していただきたかったことについて、ほぼご意見が出し尽くされているかと思いますので、本日いただきました議論をもとにして、事務局の方で、今度は章立てや序文なども入れたものを用意していただくことにします。そのプロセスで、本日発言していただいた方に事務局から確認がいくと思います。ご対応のほどよろしくお願いいたします。
 次に、資料3「平成21年度概算要求における特別教育研究経費(学術情報基盤関連)の状況」について事務局より説明がなされ、以下の質疑が行われた。

【坂内委員】
 学内LANの要求が多く出ているのは好ましいことなのですけれども、これは各大学がネットワークの重要性を認識した上で、要求順位が上がっているという側面があるのでしょうか。

【飯澤学術基盤整備室長】
 やはりこの基盤がなくては教育研究活動に支障が出るということで、多くの大学が優先順位を非常に高くして文部科学省に要求してきており、それを受けて文部科学省としても財務省に要求をつないでいるという状況です。

【有川主査】
 それでは、本日の作業部会はこの辺で終了したいと思います。貴重なご意見をいただきましてありがとうございました。本日ご意見のあった事項を整理した上で、引き続き議論のとりまとめに向けた審議をお願いしたいと考えています。
 次に、事務局より、次回の開催は平成20年10月7日(火曜日)10時から12時を予定している旨説明があり、本日の作業部会を終了した。

─了─

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研究振興局情報課学術基盤整備室

(研究振興局情報課学術基盤整備室)