科学技術・学術審議会 大学研究力強化部会(第3回)議事録

1.日時

令和7年11月19日(水曜日)9時30分~11時30分

2.場所

文部科学省内会議室及びオンライン

3.議題

  1. 大学研究力強化に向けた取組について
  2. その他

4.出席者

委員

(部会長)千葉一裕委員
(部会長代理)大野英男委員
(委員)浅井清文委員、飯田香緒里委員、小野悠委員、梶原ゆみ子委員、河原林健一委員、木部暢子委員、新福洋子委員、関谷毅委員、那須保友委員、西村訓弘委員、野口義文委員、山崎光悦委員、吉田和弘委員

文部科学省

(事務局) 西條科学技術・学術政策局長、淵上研究振興局長、松浦大臣官房審議官(高等教育局及び科学技術政策連携担当)、福井大臣官房審議官(科学技術・学術政策局担当)、坂下大臣官房審議官(研究振興局及び高等教育政策連携担当)、井上科学技術・学術総括官、俵大学研究基盤整備課長、平野拠点形成・地域振興室長、助川学術企画室長、小川大学研究力強化室長、小野大臣官房文教施設企画・防災部計画課企画官 他

5.議事録

【小川室長】  それでは、定刻となりましたので、ただいまより第3回科学技術・学術審議会大学研究力強化部会を開始したいと思います。
 本日は、御多忙の中御参加いただきまして、ありがとうございます。
 まず、配付資料の確認をさせていただきます。資料は、議事次第の配付資料一覧にある資料を事前にメールで配付しておりますが、欠落等がございましたらお申し出ください。
 本日、文部科学省の会議室とオンラインのハイブリッドでの開催としております。委員の皆様におかれましては、音声をミュートに、映像は可能な限りオンにしていただき、質疑応答の際は、御発言いただく前に挙手ボタンを押すか画面内で確認できるように挙手をいただければ幸いです。部会長に指名していただいてから当てられた方のみミュートを解除して発言をお願いいたします。また、会議中、事務局から事務的なメッセージをチャット欄でお送りする場合もございます。本部会につきまして、原則として公開で行うこととしておりますので、事前に登録いただいた方に動画を配信しております。御承知おきいただければ幸いです。
 本日の委員の出欠状況としましては、荒金委員、片田江委員から御欠席の御連絡をいただいております。
 それでは、千葉部会長、どうぞよろしくお願いいたします。

【千葉部会長】  ありがとうございました。それでは、議事に入ります。
 本日の議題は、大学研究力強化に向けた取組についてです。
 まず最初に、第7期科学技術・イノベーション基本計画に向けて今般取りまとまりました科学の再興有識者会議の提言について、事務局より御報告いたします。その後、大学の研究力強化に向けた多様な取組として、これまで本部会で行ってきました研究大学群への支援の在り方に関する議論の整理や、国際卓越研究大学やJ-PEAKS採択大学での取組状況等について、事務局より説明いただきます。その上で、多様で厚みのある研究大学群の形成に向けて、本部会における今後の議論の方向性について意見交換をさせていただきます。
 それでは、まずは、事務局より科学の再興有識者会議の提言について説明をお願いいたします。

【井上総括官】  失礼いたします。資料1-1を御覧ください。
 1ページ目でございます。科学の再興の有識者会議の御提言まとめていただいたところですけれども、その背景から、まず、御紹介したいと思います。
 現在、第6期の科学技術・イノベーション基本計画の最終年度という時期にございまして、来年度から始まります第7期に向けて議論が始まっているところでございます。全体取りまとめますのは、内閣府CSTIの基本計画専門調査会というところで、集中的に議論がなされているという状況でございまして、そちらの調査会において、9月18日、このような論点案というものがまとまっているところでございます。
 現状を踏まえた上で基本計画の方向性ということで、もう一丁目一番地に礎となる科学の再興ということが掲げられております。こちら、1、2、3、4、5とございますけれども、この①につきまして、より議論を深掘りが必要だということで、文科省のほうにおきまして、この有識者会議を立ち上げて議論を進めてきたというのが背景にございます。
 次のページを御覧ください。
 こちらは、9月から11月、昨日夕方、ちょうど最終的にまとめていただいたところでございますけれども、集中的な議論を行ってまいりました。このメンバーでございますけれども、この会議、引っ張っていただいております千葉先生にも入っていただき、また、大野先生にも今日も御出席いただいておりますけれども、入っていただきまして、ほか、民間ですとか私学ですとか、様々な観点で御議論を深めていただいたというところでございます。
 その内容でございますけれども、次のページ、御覧ください。
 まず、科学というものは非常に重要だということは論をまたないわけでございますけども、なぜ改めて今科学の再興ということが大事なのかということを、学術コミュニティーだけではなくて社会にもしっかり伝わるようにということが大分議論の中でなされてまいりました。
 そういうことを踏まえまして、1つ目、近年の国際社会、また、社会経済の情勢変化ということ。特に、様々なところで言われておりますけれども、科学とビジネスの近接化、これまでサイエンスに少し距離があったような実用化、また、企業の方々からしても、やっぱりサイエンスは重要だということを各地でいただいております。そういったことをしっかり書こうということでございます。国際秩序の不安定性とか競争の激化、あと、地球規模の課題の問題といったようなことを書いております。
 その上で、今日的な意味合いとして科学が非常に重要である、短期間で社会を変えるぐらいのインパクトがあるものなのだということでございます。
 その上で、どういった方向で強化していくかということを考えたときに、青い丸で書いてございますけれども、戦略性を持つこと、あと多様性をしっかり持つことといったような観点をまとめております。右のほうに、今年、大変喜ばしいことにノーベル賞受賞者、日本の先生方出ましたけれども、こういったような人材、すばらしい先生方がいるといったことをしっかり強みとして生かしながら、科学を再興していこうということでございます。
 こういった科学でございますけれども、社会経済の発展等々、こういったものに直結するということを改めて書いた上で、世界を引きつける優れた研究者が存在する今こそ、科学を再興して科学を基盤として我が国の将来を切り開くということを、様々なステークホルダーに伝わるようにということで、こういったメッセージを掲げております。
 科学の再興とは何ぞやというところを明らかにしましょうという議論が中でなされまして、青い丸で書いてある横の真ん中ら辺でございますけれども、科学の再興というのは、新たな「知」を豊富に生み出し続ける状態を実現するということ。そして、国際的な優位性を取り戻すということで、具体的なイメージ、右のほうにございますように、どういう状態かをさらに具体的に言うと、アカデミアはもとより各国の官民のセクターから非常に認識されているような状態、また、ダイナミックな国際頭脳循環の主要なハブになっているという状態、こういったものを目指そうという提言をいただいております。
 そのために必要な要素として、その下の枠囲みでございますけれども、新たな研究分野の開拓・先導、国際的な最新の研究動向の牽引、また、国内外、また次世代の若者たちが魅力的に感じる環境の発展整備といったような要素が必要であろうということでございます。こういったことにつきまして、この第7期、次期の2026年度から30年度において迅速かつ集中的に取り組んでトレンドを変えていくという事項をまとめたものが、オレンジの枠囲みでございます。大きく分けまして、左側が我が国全体の研究活動の行動変革、国の支援の仕組みとか、あと規模もしっかり広げるようにといったような御提言。右側が、その中でも世界をリードする研究大学群の実現ということで、大きく全体のものとリードする大学群というものに分けた構成になってございます。我が国全体のほうでございますけれども、新たな研究領域への挑戦の抜本的な拡充、これを変えていこうということ。また、国際性格段に向上しましょう。多様な場で活躍する科学技術の人材を継続的に育成して出していきましょう。あと、AI for Scienceということで、研究のやり方等もどんどん変えていくということ。それとセットで研究系環境の刷新といったようなこと、これは我が国全体で進めていこうというものでございます。
 右側が、こちらの部会でも御議論いただいてきております研究大学群の本格始動拡大ということが提言をされております。挑戦的な研究とかイノベーションを持続的につくっていくということ、そして、法人が組織として責任を持ってしっかりと技術的に経営戦略をしっかりつくって動かしていくと。その上で、以下、幾つか書いておりますけれども、こういったような環境を整備して、総じて、研究時間割合が半分以上等を実現するような大学、こういったものが期間中に20大学以上実現するようなことを目指していってはどうかという御提言をいただいております。
 非常に重要な点ですけども、その一番最後のオレンジでございますけれども、そうだよねとなるけれども、実現していくためにはしっかり投資を拡大することが必要だということを御提言を承っております。大学ですとか国研等への投資の抜本的拡充、上のようなことを実現するためにはこういうことが必要ですと。文科省をはじめとする様々な府省庁、また、民間からの基礎研究への投資というのを拡大していこうと、こういった御提言をいただいているところであります。こちらの部会では、研究大学群の育成、また、発展に向けてという御議論いただいておりますので、その点だけ本文でもう少し御紹介しておきたいと思います。
 資料1-2の、まず、構成だけ見ていただくために目次を御覧いただければと思います。
 今申し上げたオレンジの取り組む事項というのが、この構成上、5というところになっておりまして、6のところに集中的に取り組む事項の実現に向けた具体的な取組というのが書かれております。概要のところでは、全てに共通した、しっかり投資を拡充するというところで簡単にまとめておりますけれども、研究大学群のところについての書きぶりにつきまして、36ページのところで御紹介をしたいと思います。
 36ページの下3分の1ぐらいのところの②で、国際卓越研究大学制度、J-PEAKSについて詳しく書いておりますけれども、第6期計画期間中には、我が国の研究大学群を牽引する御支援ということで、国際卓越研究大学制度及びJ-PEAKSが始動して、1校、25校が現在進めている最中ということです。7期においては、これらの成果と課題を踏まえつつ、文科省及び関係府省は、我が国全体で、多様で厚みのある研究大学群の形成に向けた支援の在り方について議論の上、必要な取組を行うべきである。その際、取組の継続性や発展性の観点を持つことが重要であると、こういった御提言をいただいているということであります。既にこの部会でも、前回からJ-PEAKS等々の取組状況について、少し確認も始めていただいておりますけれども、この先に向けまして、また、この部会でもこういった点について、ぜひ御議論を深めていただき、我々も施策に反映できるようにと思っております。
 以上です。

【千葉部会長】  ありがとうございました。引き続き、大学の研究力強化に向けた多様な取組について、事務局より説明をお願いします。

【小川室長】  それでは、資料2を御覧ください。
 資料2の1ページ目でございます。
 今、科学の再興についてお話しいただきました。こちら、新たな「知」を豊富に生み続け、また、我が国の基礎研究、学術研究の国際的な優位性を取り戻す状態、科学の再興の実現が喫緊の課題であるということでございました。この中でもありましたけれども、やはり学術研究の重要性という点で、ゼロから1を生み出すことができる。これは、大学にいらっしゃる研究者などの方々の知的好奇心、こういったところが源泉になるということですので、まさに今お話いただいたとおり、大学こそが世界の学術、産業界を先導する知の拠点として我が国の発展の原動力になるということが期待されるのかと思います。今御説明いただいた第7期基本計画においても、科学の再興の実現を図るためには、世界をリードする研究大学群の実現が改めて重要だということをまとめていただいたところでございます。
 他方、一番下でございますけれども、国際卓越研究大学ですとかJ-PEAKSの採択大学において、前回も東北大学と岡山大学の先進的な取組、御説明いただきましたけれども、具体の計画が実際に進んでいるというところ、また、今、国際卓越研究大学について第2回目の公募を行っておりますけれども、やはり各申請大学が自らの課題を認識分析し、今まさに改革の機運が醸成されているというところでございます。
 こちら、検討の前提となっておりますが、この後、これまで御議論いただいてきた中身を少し整理いたしまして、また、文科省としてそれに対してどのように対応してきたか。さらに、各大学、特に前回御説明いただいた東北大学や岡山大学において、どういった取組が行われているのかを少し御説明させていただいた上で、今後の議論について進ませていただきたいと思います。
 2ページ目でございます。
 これまで、本部会におきましては、4つの柱を中心に御議論いただいてきたかと思います。1つ目の柱としましては、大学ですとか領域・セクターを超えた連携の拡大、また、学術の多様性の確保についてという観点でございます。これまでいただいた御意見、1つは例えば研究機関単位のコアファシリティーの整備というところで、研究設備の共用化ですとか活用を拡大していかなければいけないのではないか。また、最先端の研究設備の大規模集積だったり自動化・自律化・遠隔化なども進める必要がある。また、研究環境の高度化や高効率化を図ることも必要という話、さらに基盤的経費と競争的研究費の関係、こういったところについて御議論いただいたかと思います。
 参考資料をつけております。一つ一つは御説明いたしませんけれども、それぞれ先端研究基盤刷新事業、こういった研究環境を整備するような事業ですとか、大規模集積研究システム形成先導プログラム、こういった形で施策としても実現させていただきたいと考えておるところでございます。また、大学共同利用機関の検証ですとか機能強化を進めることが重要といった御議論をいただいたかと思います。こちらも、大学共同利用機関の検証作業、今後進んでいきますので、本部会でいただいた御議論も含めて、そういった検証の場でしっかりと確認して機能強化の議論を進めたいと思っております。
 また、昨今、AIが社会に浸透してきたというところで、科学研究におきましてもAIをつかっていくということ、これはこれからの時代研究環境を支える上で重要ではないか、というお話もございました。こちらもAI for Scienceという形で科学研究の革新ということを文科省としてもしっかり進めていきたいと考えておりまして、施策として進めているところでございます。
 次のページでございます。
 次の柱としまして、先端知を切り開く優秀な人材の集積・国際頭脳循環でございます。こちらにつきましては、関谷委員からも、以前、海外の主要な論文誌におきまして、やはり非常に大きなプラットフォームになっているので、どのようにして日本人も活用していくのか、こういった視点が重要ではないかという話を、海外の学術誌のエディターとして問題提起いただいたことがございます。やはりこういった日本人研究者がコミュニティーの重要構成員となるというためには、積極的に海外に人材を送り出してトップサークルにくい込んでいくということが大事だと思います。そのために、ASPIREのようなプログラムを活用しつつ、直近でいえば米国のトランプ政権に変わって大学への政策が変わり、米国含めた海外からの優秀な研究者が獲得がしやすいような状況もございましたので、大学ファンドのお金も使いながら、機動的に優秀な海外研究者を受け入れる、こういった取組を進めているところでございます。
 4ページ目、5ページ目でございます。
 こちら、これまでの議論の中で、世界最高水準の研究大学の実現、また、地域中核・
特色ある研究大学の振興に向けて、どのような活動が必要なのかといった議論、これは多くいただいております。世界と伍する研究大学の実現に向けたシステム改革という意味では、例えば構成する要素としては、研究支援人材であったり研究時間をどういうふうに伸ばしていくか、また、学際性のある研究をどうしていくか、そのために縦割りの学部というのをどうするかですとか、大学教員人事の抜本的な改革、また、そのためのエビデンスベースの戦略策定、こういったものが今後必要ではないかという話も伺っております。また、特に前回のヒアリングにおきましても、人事改革・人事評価について主導的に東北大学、岡山大学進めていただいて様子が見てとれたかと思いますけれども、こういったところに着手するとともに、次世代を担う研究者のみならず、研究支援人材の育成活用支援に取り組むことが必要ではないかという点。また、政府におきましても、社会的インパクト評価の仕組み、構築を含めて、研究力の可視化、規制緩和も検討が必要だろうという御意見もいただいたかと思います。
 5ページ目でございます。
 地域中核・特色ある研究大学の振興に向けてでございますけれども、地域や企業とともに成長する大学へと変革し、社会実装力を強化することが必要だという点。また、大学ごとのビジョンに応じて、各大学の機能を強化するため、これは継続的・安定的な支援が重要ではないかという点。また、大学の知的公益性を明確化しつつ、地域単位で知の拠点の構築を行っていく、こういった検討が必要ではないかといった点を御議論いただいたかと思います。
 その上で、特に前回の御議論を少し振り返らせていただきたいと思います。前回、東北大学と岡山大学から、それぞれ国際卓越研究大学と地域中核J-PEAKSの取組を御説明いただきまして、非常に活発な質疑があったかと思っております。それぞれの取組、この部会での御議論の中で、重要な点を幾つも挙げていただきました。そこに着目した形で少し整理させていただいております。
 1つ目は、人事改革や人事評価体制の構築という点ですとか、あと、特に若手を中心とした研究時間の確保といった点が研究力強化に重要だという御指摘、従前からいただいておりましたけれども、それぞれの大学の取組も御説明いただきました。例えば、東北大学であれば研究者や専門スタッフなど研究人材のマネジメントの司令塔となる専門部署としてHuman Capital Management室を創設して、ここが情報を一元的に集約して人事を行っていくような活動。また、研究体制につきましても、卓越したPIに国際競争力ある雇用条件や研究環境を実際に提供し、人事トラックを全学に展開しているという話。また、URAについても、評価体制含めて拡充しているような話もいただいております。岡山大学も同様に、複線型の人事制度・教員機能分化を推進するとともに、特色ある取組としては、例えば准教授・講師への昇任については、原則として博士号取得後15年以内に限るという15年ルールというのも大学全体として設定しているというお話もいただいたかと思います。URAにつきましても、研究マネジメント人材認定制度を構築して、まさに今ここ、研究の支援体制を構築しているという話を伺ったかと思います。また、事業財務戦略という観点では、東北大学におきましても、総長裁量経費と大学ファンドの助成金を一体とした法人戦略予算を創設して、エビデンスデータも活用して、どのようにリソース配分するかといったところを全学で実施しているというところ、動かしているところを御説明いただいたかと思います。また、岡山大学におきましても、産学官金で連携し、地域の課題解決を実践しているというところを御説明いただいたと思います。
 7ページ目でございます。
 もう一つの観点としては、こうした改革を実現していく上で、どのような推進体制を強化していっているのかどうかといったところでございます。東北大学でいえば、例えば最終責任者として業務を統括する総長、また、共学の責任者であるプロボスト、国際担当の役員であるCGOを海外からもお招きして、CFOの主要な4役が戦略策定・業務執行を主導していくという経営機能の機能強化を行っているという点を御説明いただいたかと思いますし、岡山大学についても同様に、研究力・イノベーション創出強化本部を設置するということで、研究大学としての全学的な司令塔機能を一本化すると。これによって意思決定、また、強固な教職協働体制・アジャイルの体制も実現しているということで、先生方から研究力強化について非常に重要な要素だよねといったところを挙げていただいた点について、各大学において進捗いただいているさまが見てとれたかなというふうに感じております。
 8ページ目でございます。
 ここまで、これまでの議論と現在の取組でございますけれども、ここからは今後の議論の方向性ということで、少し御説明させていただきたいと思います。
 まず、周辺状況としまして、政策の実施・議論状況、こちらは先ほども話にございましたけれども、第7期科学技術・イノベーション基本計画においても、「科学の再興に向けて」において、例えば集中的に取り組む事項として世界をリードする研究大学群の実現に向けた変革が示されているところです。また、関連する議論としまして、政権が変わりまして、日本成長戦略におきましても、総理から、例えば成長投資による強い経済の実現に向けて、17の戦略分野、例えばフュージョンですとか、それぞれ非常に国としての成長に重要な分野というものをしっかり官民投資していきましょうという話。また一方で、そうした分野課題に対応するための横断的な課題として、そういった未来の成長分野に挑戦するための大学改革を実施していきましょうという話が指示されております。
 こうした中で、これまでの御意見も踏まえて、本部会におけるこれまでの主な意見を少し右側に整理しております。主な意見としては、恐らく3つぐらいに集約されるのかなと考えております。
 1つ、大学の強みを生かした連携・協働というところをどのように進めていくか。これは千葉部会長からも、かなりメッセージいただきましたけれども、世界に勝てる大学の姿をちゃんと明確にすると。海外の大学のキャッチアップだけではなくて、日本のこの強みを踏まえてどのように戦略を立てていくか、こういう考え方がまずもって重要なのではないかという話。また、日本全体の研究システムがどう変わるかを考えるべき。また、大学間連携が重要ではないかということで、大学の強みというのを生かした連携協働というのが次の方向性ではないかというのが1つの話だったかと思います。また、人材育成については、やはり大学の一番重要な機能ということで、博士人材、また、次世代の若手の研究者の人材育成にさらに注力していくという点ですとか、その中でも多様な分野の人材を確保・待遇改善につなげてほしいということも御意見いただいたかと思います。
 もう一つ、地域との産業連携という点、少子化も進む中で地域単位による地域の拠点の構築について、より積極的に構築、検討すべきではないか、また、産業界からの様々な投資や共同開発・寄附を継続的に獲得するために大学変革するべきではないか、そういった御意見もいただいたところでございます。
 9ページ目でございます。
 今後の議論の方向性として、少し事務局としても整理させていただいているのがこちらでございます。これまでの御議論も踏まえますと、我が国が世界の科学に追いつくことを目指すのみではなくて、我が国の研究大学や研究者の特色を探求し、例えば競争だけではなく連携・協働を促進する仕組みの導入、また、その特色をどのように勝ち筋として出していくか。また、社会・経済・学術への貢献へとつなげるために、どのような改革が必要かといったことが挙げられるかと思っております。改革の機運が実際今、国際卓越研究大学、J-PEAKS含めて、醸成されつつある中、例えば、次世代を担う優秀な高度人材を輩出し続けている大学、また、中小企業を含めて、地域圏の産業界に多大な貢献を果たしてきた大学、また、特定地域というところで、企業・自治体とも連携しつつ、例えば主要な重要技術分野、こういったものを支えていくような大学、こうしたこれからさらに機能が大学として社会に貢献していく機能強化が求められる大学について、民間企業からの研究開発投資を促し、研究大学での人材育成や地域特性を生かした研究社会貢献等の機能強化というための方策はどのようなものが必要かと、こういった点について、議論を深める必要があるのではないかということで提起させていただいております。
 議論の呼び水というか御参考に、4つほど事例をつけさせていただいております。
 10ページ目、11ページ目が、大学がどのように社会に貢献するか、新しい大学像というところでございます。
 10ページ目は、EUにおきまして第4世代大学という考え方が提唱されております。エルゼビア社が先導の下で提案されている大学のモデルになります。優れた教育ですとか研究の知を、スタートアップなどで社会に一方的に還元する大学ではなくて、地域イノベーション・エコシステムの中核として、複数のステークホルダーと協調的に知識創造を行う大学ということで、写真にありますけれども、北陸先端大学と学術大学とエルゼビアの連携協定ということで、こういった意見交換も今後、加速していくというふうに伺っております。
 また、11ページ目でございます。
 こちら、アメリカの国立科学財団が主導するNSF、地域イノベーションエンジンプログラムでございます。米国内の特定地域における技術開発などを促進する取組でして、特徴としては、大学、企業、非営利団体など地域のステークホルダーが連携しながら、ここに書いてあるような重要技術分野における研究開発を推進する、これはエコシステムの構築を目指す取組でございます。
 また、12ページ目、13ページ目、14ページ目は、我が国の強みを示す資料でございまして、今般ノーベル賞を2人受賞されたということで、非常にめでたいと思います。これもよく言われていることですが、21世紀に入って、自然科学系3賞の日本の受賞者はアメリカに次いで世界で2番目ということで、足の長い基礎研究については、我が国について非常に強みであるということは言えるのかと思います。
 13ページ目、こちらは、全ノーベル賞受賞者について、学部、修士、博士、また受賞理由の研究を行っていた主な機関をまとめたものになります。見ていただくと、比較的学部、修士を出られた機関とは別の機関にやはり移って受賞理由の研究を行っていた主な機関というのがあるかと思います。自分の卒業した大学からさらに外に飛び立って、海外も含めて、他流試合を行う中で、すばらしい研究を収めている先生方が、ある意味、日本から世界への国際頭脳循環が行われている姿が、1つのすばらしい成果を生み出した結果につながっているのかと思います。
 14ページ目は、前回もお示しいたしましたけれども、日本は初等中等教育段階における数学的リテラシーですとか、あと科学的リテラシーは長年にわたって世界トップレベルですということもございますが、こういった点に限らないと思いますけれども、日本の強みとして少し触れさせていただきました。
 事務局のほうからは以上でございます。

【千葉部会長】  どうもありがとうございました。それでは、以上を踏まえまして、今からこれまでの御説明に対する質疑や、国際卓越研究大学やJ-PEAKS採択大学の状況を踏まえた、今後の研究大学群への支援の在り方について御意見を伺いたい、意見交換を行いたいと思います。委員の皆様から、挙手で御意見いただこうと思いますけど、大体50分ぐらいを想定しております。恐らく各論でもいろいろ御意見おありでしょうし、この科学の再興等を見ると、大学の先生が見ると、なかなか重い言葉がたくさんあって、非常にどれからどう進めればという、当惑されるということもあるかなと思います。これにつきまして、私もこの当該委員でありましたので、できればこういう骨子をいかにして前向きに進められるかということについて、もっともっと平たい形でも意見を出していきましょうということを申し上げてきました。
 最初に、ちょっと恐縮ですけど、私のほうから、もう少し広い観点も含めてということを皆さんにお伝えしたいんですけども、これとこれとこれをやりましょうというと、なかなか大変なんです、義務感ばかりが先行して。そういう意味では、今の見方を変えて、今世界的な情勢とか、今の時代はどういう時代かということを考えると、日本は、かなりキャッチアップで科学技術を振興してきましたけど、これからはやはり先頭に立っていかなきゃいけないというところにあるということと、あとは国際社会というか地球上というか、もう既に限界が来ていて、様々なものが人間が増えたことによって加速的に変化している。要するに、同じ状態ではもうあり得ないという状態になってきている。これは、見方によれば、ある日本の新しい考え方を世の中に発信していくチャンスではないかなというふうに私は思っています。これは、単に自然現象だけではなくて経済的なものもそうで、GDPを追求して大きさということが経済的需要で重要だという考えで、先進国も頑張ってきたところですけども、同じ考えだけですと、もう様々な限界が生じるだろうということが見えているわけです。例えば、もっと持続的に環境を考えて、ちゃんと自然とうまく付き合いながらという事業をもっと収益性も含めてやらないと、もうあちこちでトラブルが発生してしまうというようなことが、1つの例ですけども、見えているわけです。そういうところこそ、まさに日本が先進的に提案し、日本が先頭に立って、国際社会で経済活動も含めて、そしてそれが学術活動にリターンされていくような、そういう仕組みをつくれるのではないかなと思っています。投資という話も先ほどございました。国はもっと科学に投資すべきだということはもうごもっともなんですけども、その原資はどうなるかというと、やはり科学技術がそこに大きな起爆剤となって、国が経済的な活動も拡大して、それが科学技術のところに戻ってくるという仕組みをつくらない限りは、一時的にちょっとした資金が回ってくるということはあるかもしれませんが、長期的に日本が発展するには、やはり国際社会に何ができるかということを実証して、それが経済的なリターンにならないといけないと思います。これも、やり方はこれまでと違う。ということは、産業界に対しても学術界は、先見性を持ってもっともっと提言していく。それから、例えばスタートアップをつくったときも、国内のスタートアップにもっと資金循環するような形に考え方を国全体が変えていってもらわないと、海外投資ばかりをしているということはやはり日本の国力が落ちていく。こういう大局に立った物の考え方、提言をしていくというのも、私はまさにアカデミアのこれからの責任だと思っています。
 ということで、ぜひ、これは今、私の考えですけども、そうではない考え方もありますような御意見でも結構ですし、今回出された提言等を加速する、あるいは部分的にはもうちょっと修正したほうがいいという御意見もあるかと思いますが、その辺り、ぜひ、最終的には大きな実のあるものをこの会議を通じてつくり上げていきたいと思いますので、ぜひ委員の皆様の、非常にこれまでの広い知見を含めて御発言をいただけるとありがたいと思っております。
 ピンポイント、個別の御質問でも結構ですし、大きな考え方の御発言でも結構ですので、どなたからでも結構ですので、挙手をいただければ、御発言お願いしたいと思います。よろしくお願いします。関谷委員、お願いします。

【関谷委員】  発言の機会をありがとうございます。まず、本日、対面会場ですので、一番最初に発言させていただくことをお許しください。
 先ほど、小川室長からも言っていただきましたとおり、これからは学術の潮流とか国際連携も、フォロワーではなく潮流をつくる側にやはり立ちたいということが強くあると思いまして、もちろんトップティアーの国際誌のジャーナルエディターはもちろんですけれども、それになるための、例えば国際会議の企画プログラム員とか、それから国際標準化とか国際学会の委員会の運営をするというところも非常に重要になってきていて、そこでネットワークをつくるというところを、まず1点目の非常に重要なポイントと上げさせていただきます。
 それと関連するんですけれど、今、座長、千葉先生おっしゃられましたとおり、研究力強化がやはり大学だけでは完結しないと考えてございます。これは政策、それから産業界との三位一体がやはり必要と。これは資料でも、また、井上様からも冒頭御紹介ありましたとおり、大学研究力強化において、政策すなわち制度と、それから産業界、これは需要と資金をつくります。それから、大学はやはり人材と研究力、この3者が一体となる構造を意図的につくっていく必要があると思っております。この、いわゆる結節点となるのが、1つは大学発スタートアップであろうというふうに考えております。私も、10年前に医療機器のスタートアップを一度つくりました。実は先月にもう1個、医療機器のスタートアップをつくりまして、この10年間を考えても、明らかにスタートアップをつくりやすい環境が整っていて、かつ本当に迅速につくれるようになったのは、この10年かけて、国が文部科学省等で制度をつくってくださったおかげだというふうに感じております。さらに、もう既にスタートアップ政策、非常に強いものができていると。これによって大学の知が社会に還元されて、投資と、それから人材を循環する回路ができ始めていると考えておりまして、次のスタートアップの政策の一手は何かと考えますと、これがやはり国際接続の強化だと思っております。
 実は、先月のスタートアップつくったら、もうすぐに海外からいろいろな、こういった証券とかこういったところのイベントでしゃべらないかとかというのがばーっと来るんです。これは、10年前には決してなかったことでした。すなわち、日本でつくった技術が世界の市場で成長していく。それによって、日本のしっかりとしたコア技術が世界で使われていくという形ができるのではないかと考えました。すなわち、研究力強化の政策とスタートアップ政策をしっかりとつなげていく次の一手としての国際接続を強めるというところを御紹介できればと思います。
 最後に、アイントホーフェン工科大学の事例が出て、実は私の研究室はアイントホーフェン工科大学と人的な交流をずっと10年続けていて、彼らとは物すごく近しい関係にあります。やはりアイントホーフェンを見てEUを見てみると、何が強いかというと、国際標準化をつくるのが非常に強いんです。特に、今、環境規制という大きな変革をEUから打ち出されて、それの標準化をEUがつくっていると。そこに、ある種の不連続な国際標準化という政策をポイントに、EUのスタートアップが物すごい伸びているんです。そこに大きな世界の投資が入っていて、すなわち、政策と、それから産業界からの投資、それによって大学が強くなっていくという仕組みがEUでは見え始めていると思いますし、EUは御存じのとおり、日本と非常に近しい関係もあって、私は内閣府のほうではEUとのマテリアルの連携のところにも参加させてもらいました。これから政策、それから産業接続、大学の研究力強化、三位一体の仕組みが非常に強いと。そこの結節点に大学のスタートアップがあって、最初から海外市場でつないで育てていくという、そんな大きなビジョンも描ける時代になってきているというふうに感じました。
 以上でございます。ありがとうございます。

【千葉部会長】  ありがとうございます。それでは、続いて、山崎委員、お願いします。

【山崎委員】  山崎です。ありがとうございます。
 科学の再興の、今日の御説明を伺っての感想と、もっとこういう観点があったらいいなという視点から、3つほど発言をさせていただきます。
 1つ目は、事例の中にエルゼビアの第4世代という資料がございましたけども、ミッション主導の教育研究、価値化の実践みたいなことをうたわれておりますので、こんな方向性が科学の再興の中にも取り込まれてもいいのではないかなというのは。もう少し突っ込んで申し上げると、大学だけで研究力強化という、何というかな、ピュアサイエンスという観点もありますけども、国力がこれだけ落ちてきた日本を再興させるという観点から考えると、やっぱり産業界が欲するニーズドリブンみたいなところも含めた、もう少し具体的な中身の絞り込みと、それからそこへの投資みたいなことを考えた研究力強化というのがあっていいんじゃないかなというふうに感じました。それが1点目です。
 似ているんですけども、そういう観点から考えたときに、大学、大学と来ていますけども、大学群と、この国が有する研究機能としては、国立の研究所等々で国研等々の大きな存在があると考えられますので、国研と大学群の連携とか、大学間の連携とかという、もう少し具体的に進むような何か提言があってもいいのかなと。そこにお金を投資せざるを得ないような提言になっているといいかなというふうに。それが、単なるアカデミックインパクトだけではなくて、ソーシャルインパクトをしっかり引き出して、それが産業の芽につながっていくということを期待したいなと。そういう研究成果が産業界をリードするというような仕組みを考えてもいいんじゃないかなと思いました。
 トータルとして考えると、今のところ次の7期後30兆円と書いてあるんですけど、現在の6期で20何兆円ですか。私の感覚では、今、経済成長とか見込んだときに、政府のいろんなところで物価高を5から7%増というようなことを多分想定して予算が組まれているというふうに理解していますので、そういう観点から考えると、積み上げていくと50兆ぐらいは書かないと、結果的に目減りするんじゃないかなと思いますし、そういう意味で、科学技術予算全体が倍増とか、特に、私、論文算出の半分を担っている国立大学群の運交費をはじめ運営費に関わる部分をしっかりと倍増とか2.5倍増、3倍増みたいなことをにおわせるような再興の計画になっていないといけないんじゃないかなという感じを受けました。
 どれも感想ですけど、以上でございます。また機会があったら、別の観点からも議論させてください。ありがとうございます。

【千葉部会長】  ありがとうございます。では、続いて、河原林委員、お願いします。

【河原林委員】  私は、自分の専門近いAI for Scienceと、それから優秀な高度人材というところで、まず絞らせていただきたいと思います。
 今ここで出ていた優秀な高度人材の、ある意味、補助するデータとして数学リテラシーの話が出ていたと思うんですけど、これは実は平均が高いと言っているだけなので、本来はここではなくて、上げるべき情報は、例えばいわゆる科学系のオリンピック、情報オリンピックだとか、数学オリンピックだとか、科学オリンピックだとか、物理オリンピック、この辺の実績じゃないかと思っています。というのは、このエリートクラスが結局のところ、研究力、ある意味エリートが一番影響しているところなので、そこを出したほうがいいと思っていて、実はそれは多分世界的にほぼトップクラスなんです。私のところで言うと、情報オリンピックは、多分過去10年は大体もう世界トップ5はキープしていますし、数年前は代表全員が金メダルをとって、中国とコンピートしている、中国よりも上に行っていることすらある。もっとすごいのは、代表クラスと言われる人たち、つまり、代表は4人しかいないんだけど、代表の周りにいる人たちというのは、誰が代表に出てもメダルとれるぐらいの力を持っているんです。これ、何言っているかというと、高校レベルでは、もちろんオリンピック自体が世界、いわゆる研究力、研究分野と直結しているというわけではないにしても、この年代はほぼ世界一に近いレベル。だけど、大学院に行って、その後、研究者になったとたんに、どんどん、どんどん順位が落ちていくわけです。ここを何とかしなきゃいけないなというのは非常に思っていて、という意味では、そのエリート層をどううまく国力というか研究力につなげるかということは永遠の課題でもあるし絶対やらなきゃいけないことで、そこが多分キーになってくるのかなという気がしています。特に、これは高大、エリート接続をどうするかということかなという気がして。
 これに関連してくるということで、AI for Scienceなんですけど、AI for Scienceというのはもう絶対必要で、それをいろいろと研究整備という、研究基盤という意味では非常に今回手厚いサポートがあるような気がするんですけど、一拍感じるのは、1つは、やっぱり人材というところでいうと、AI for Science、AIもそうだしAI for Scienceもそうなんですけど、多分世界的には、もう20代後半、世界トップクラスにいるはずなんです。例えばOpenAIだとかディープマインドだとか、あの辺は平均年齢で30とか、ひょっとしたら30切っているのかもしれないというような人たちが世界の主力になっているわけです。そういう時代、そういう年代の人たちが世界のトップにいるような時代で、我々も多分同じことをやらなきゃいけないとなったときに、果たして若手という定義が我々が思っているもので本当に合っているのかなという気がしています。実際のところ、本当にトップクラスで出て一、二年ポスドクレベルで世界トッププラスに行かなきゃいけないという目標があったときに何をすべきかって逆算するということを考えると、現在のシステムではうまくいかないな。明らかにうまくいかないというふうに思っているので、その辺は何とかしなきゃいけないなと思っているところと、もう一つは、AI for Scienceといったときに、基盤を全部整備していただくのが非常によろしいかと思うんですけど、今度はファンドが結構問題出てきまますね。AI for Scienceの研究者がどこにファンドを出すのかというのは結構切実な問題らしくて、どこに来ても結構厳しいと。つまり、AIのトップ分野に出したらAIで見られるし、サイエンスで出したらサイエンスのクライテリアで見られて、両方合わせるというのはなかなか厳しいというのが現状です。それを含めて、ちょっとファンディング側も何かしなきゃいけないなというのを考えているところです。
 最後に、私は大学共同利用機関のNIIと東大両方いますが、やっぱり大学共同利用機関と東大、研究大学、それから、いわゆる共共拠点というもの、こういうものを何とかしてダブりなく、かつ研究に対して最も特化できるようなシステムをつくり上げるということが絶対に必要に思っていて、何か無駄な部分も多い気がするので、それを何とかするという努力は次の期に受けてやっていかなきゃいけないのかなというのを見ながら、特に情報系から見るとそういう観点で見えています。
 以上になります。

【千葉部会長】  大変重要な観点、御指摘いただいてありがとうございます。では、続いて野口委員、お願いします。

【野口委員】  野口です。先ほど説明がありました、内閣府主導の第7期基本計画に文科省主導の科学の再興に関する有識者会議がコミットするというのは、内容から非常に重要だと思っております。
 その上で、3点触れたいと思います。1つは、この科学の再興に関する有識者会議でもありましたように、科学とビジネスの近接化というのが1つの大きなキーワードになっていると思います。内容的には、イノベーション・エコシステムという表現もありましたが、やはり大学自身としても、マネタイズ・エコシステムとなるようなものを真剣に考える時期にも来ていると思います。海外の主要大学で数兆円規模の基金を持つ大学と伍してやっていくためには、先ほどから出ていました産業界との連携を、戦略性を持って、かつ多様性を持って、より強い連携をしていくことが非常に重要であると考えます。今、企業の内部留保は600兆円以上あると指摘もされています。そういったものを、良好な関係の下、大学業界に投入していただく、そういう場合には、例えば省庁間の連携で、例えば経産省と連携しながら、企業に対しての税制上の優遇措置等も考えながら対応していくことが肝要です。通常の研究費による産学連携だけではなく、先ほども少し触れていますように、博士人材育成などに対して、企業がスポンサーになりながら韓国が先駆的に実施しています学科を設置し、キャリアパスを企業と大学が連携しながら考えていくような仕組みも必要ではないかと思います。
 それから2点目は、研究時間割合50%という話が、先ほどの「科学の再興」に関する有識者会議でも出ていましたけども、これも非常に私は重要だと思っています。私どもの大学でも、2002年に研究専念制度を21世紀COEプログラムが始まったときに導入しました。授業の免除、教授会の出席免除、大学内役職免除を制度化しましたが、このような取り組みをしないことには、50%にもちろん届かないと思います。そのためには代替教員確保のための予算確保や研究にかかる雑務が非常に多いので、そういったものを組織的に緩和する仕組みを、例えば研究秘書の雇用など、いろいろなモデルケースを提示しながら進めていくことも重要であるというのが2点目です。
 3点目が、それらを下支え、伴走支援する、研究開発マネジメント人材の確保と育成が重要です。人事改革と処遇改善、これらはなかなか仕組み的には前進しない部分もあるので、やはり1つ、2つモデルケースを作ることや、今回、研究開発マネジメント人材に関する体制整備事業もありましたけども、それらを拡大していくことが非常に重要であると思っています。産業界、大学、研究者、支える研究開発マネジメント人材や技術職員、そういう様々な取り組みをより高めるような仕掛けが重要であるということを、今お話を聞いて再認識しました。
 最後に、第4世代の大学の話が出ていました。アイントホーフェン工科大学に見られる地域の近接性の重視です。NSFの特定地域の分野支援もありますが、地理的近接性をどう考えていくかということを再認識する必要があると考えます。その1つの取り組みがJ-PEAKSに当たると思います。研究大学間の連携で異分野の連携もありますけれども、特定の地域をひとつの中核とした地理的近接性をどのように機能高度化、研究の高度化に繋げていくかということが非常に重要であると、この資料を見て強く感じました。
 以上です。

【千葉部会長】  どうもありがとうございます。では、続いて、小野委員、お願いします。

【小野委員】  ありがとうございます。豊橋技術科学大学の小野です。
 私からも、研究大学群への支援の在り方についてコメントさせていただきます。
 特に国際卓越研究大学や地域中核・特色ある研究大学に指定された大学が、それ以外の大学に対して具体的にどのような役割を担い、どのような仕組みで日本全体の研究力を牽引していくのかといった点について、今後、より具体的な議論が必要になってくるのではないかと考えています。例えば科学の再興においては、研究者に限らず、技術職員や研究開発マネジメント人材、さらには国際業務を担える高度な事務職員など、こうした人材の重要性が指摘されているところです。
 一方で、地方の大学においては、こうした人材を自前で育成することが困難な状況です。そうであれば、今回選定されたような大学が、全国の専門人材を育成したり、人材交流のハブとして機能したりするといった役割を担うことも、検討の方向性として考えられるのではないかと感じています。特にこうした人材は、研究者と比べて流動性が高いわけではありません。これは日本に限らない話ですが、こうした人材は地域に根差した人材によって支えているという側面が、世界的にもあると聞いています。そうした特性も踏まえた上で、日本全体の研究力を牽引していくという大きなビジョンの下で、どのように人材の底上げを行っていくのかについて、議論が必要ではないかと思います。
 今回お話しした人材の話は一例にすぎませんが、前期までには、日本全体の研究力発展を牽引する研究大学群の形成について、赤色と青色の非常に印象的な図が示されていました。ただ、その図には国際卓越研究大学や地域中核・特色ある研究大学のみが描かれていたと思います。そこに、それ以外の大学も含めて図示し、それぞれの大学の関係性を矢印などで明確に示していく、そういった整理も必要ではないかと思います。
 以上です。

【千葉部会長】  どうもありがとうございます。吉田委員、お願いします。

【吉田委員】  ありがとうございます。私は2点ほど、1つは地域の特色ある大学ということと、もう一つは研究時間の確保という、大きな2点でお話しさせていただきます。
 まず、資料2の5ページのところの地域中核・特色ある大学の振興、地域や企業とともに成長する大学と。その中で、アイントホーフェン大学、第4世代の大学を御紹介いただきまして、私はこれに大変共感を受けておりまして、まさに第4世代大学というのは、地域の企業と共創する共創型の社会実装大学という形で呼んでもいいのではないかと思います。その社会実装大学と関わったときに、大きな2つのポイントがあるかと思います。先ほど山崎先生が言われましたけれども、いわゆるニーズドリブンの課題、地域の企業やグローバルに活躍する企業でさえ果たし得なかった、そういう課題を、地域の大学と一緒に解決することで、新たなイノベーションを起こす。そこまでで終われば、通常の産学連携で終わるんですけれども、もう一つ重要なのは、イノベーションを起こしたところで、やはりもう1回起点に戻って論文化をしっかりする、さらに基礎研究に戻り新たな研究分野を開拓する事が重要と考えます。一般的に、企業はあまり論文に興味ないですから、大学でいかにその論文化していくシステムをつくるかということ。それから、イノベーションを引き起こしたその最中に、やはりボトルネックであった課題であるとか良質の課題、それを元の基礎研究、いわゆるTRLでいうと、工学系の方は皆さん御存じですけれども、技術成熟度1から9までありますけど、1から3までが基礎研究、4から6が社会実装、9が最終的には企業のことになるんですけども、8のところから研究を始めて4に戻って、そしてまた8へ戻して社会実装にする。さらには、基礎研究に戻して新しい研究分野を開拓していくことでセレンディピティも起こるでしょうし、新たな研究分野の発展につながる。そここそが研究力の強化につながるのではないかと考えます。これらが大変重要なポイントと考えます。
 地域の大学というのは、今後、このアイントホーフェンみたいな考え方でやらざるを得ないんじゃないかというふうに感じています。御存じのとおり、都会の世界を目指すような大学はいろんな分野でリソースもたくさんあります。一方、地域の大学というのはリソースも限られています。なかなかシーズと社会のニーズとマッチングすることはない。ところが、ニーズに近いところからアプローチしていって小さなイノベーションを起こすことで、最終的には大きなイノベーションにつながる、こういう構築こそが私は地域の今後の大学の在り方ではないかと思って聞かせていただきました。
 2点目になりますけれども、先ほどの科学の再興のところの3ページになりますけれども、研究時間の確保という、あるいは大学院博士課程の人材の確保ということで、これはもう以前から私ども申し上げているんですけれども、医学部、あるいは医学研究科、その人たちが医師としての仕事と研究者としての仕事、その仕事を両立するためには、一般の研究者とはまた違った観点で議論をしていただければありがたいなと思っています。
 昨今、医師というのは、先端医療をやるだけでなく専門医制度、地域医療、それから待遇の面で優秀な人こそ大学から去っていく可能性が極めて強くなっていく、こういう現状がありますので、ぜひとも、そういう観点からの議論、いろんなところでやっていると思いますけれども、ぜひ盛り込んでいただければと思って聞きました。
 以上になります。

【千葉部会長】  どうもありがとうございます。では、続きまして、新福委員、お願いします。

【新福委員】  私のほうからは、国際ネットワーク関連と人材育成の2点についてお話しさせていただきたいと思っています。
 まず、国際ネットワークについてなんですけれども、私が日本学術会議若手アカデミーをさせていただいていたところから、ワールドサイエンスフォーラムですとか、また、G20に伴って行われるS20、またG7の科学アカデミー会合等も参加させていただいております。また、科学者が政策に助言をするという科学的助言のネットワークであるINGSA等にも関わらせていただいています。
 そういった大きな科学の未来をどうつくっていくかというような会議において、継続的に参加している日本人というのは非常に少ないと思っています。ほかの国では、ずっとこの方はいらっしゃるなというような研究者がいる中で、やはり数年おきに関わる人が変わるというふうになっていくと、なかなか深く理解してネットワークをつくっていくということが難しいなと思っていますので、そういった広い科学の未来をつくっていくようなネットワークに長期的に日本人が関わっていく仕組みを作ったり、日本の科学者のビジビリティーを上げていくというような活動が今後必要じゃないかなというふうに思っています。
 もう一つ、人材については、外国人人材に日本に定住していただくというような考え方もあると思いますが、この件についても、日本学術会議若手アカデミーの国際委員であったときに文科省の方も含めて議論したことがございます。長く定住していただくには、やはり日本というのは日本語というだけでも壁がありますが、大学内で言語的な調整をするだけではなくて、その地域において、外国人人材が受け入れられて住みやすいというところが非常に大きな要素を占めるということが分かりました。例えば、お子さんの行きやすい学校があるとか、公的な機関、役所が対応がきちんとしていただけるとか、そういった部分になりますので、大学だけで収まらない、近隣の住民ですとか、役所ですとかとの連携が必要な話になってくるというところで、その辺りも含めて取り組んでいかなければいけないというふうに思っています。
 また、日本人の今いる人材、未来の人材をどういうふうに確保していくか、大事に育てていくかという点に関して言いますと、やはり今が私、地方の国立大学にいる身として、運営交付金が減っていくと、どんどん雇える人数が減り、高い役職の人が雇えないなど、そういったことが起きてきます。ですので、もちろん予算増というところはお願いしたいところなんですけれども、それに加えて大学側も教育改革というところが必要かなと思っていまして、研究に関する様々な支援というのはこれまでにも取り組んできているので、大学のもう一つの大きな役割である教育というところを、いかにAIですとか様々な人材を加えて改革していくというところも重要に思います。広島大学では今URAではなくUEAという、新たな人材の雇用というのも始まっていますけれども、そうした教育のやり方の改革というのは今後ますます必要になるのではないかなと思っております。
 以上です。

【千葉部会長】  ありがとうございます。それでは、前回事例紹介いただきました那須委員、お願いします。

【那須委員】  前回はありがとうございました。今日、私のほうから少し紹介させていただきます。
 私の専門は泌尿器科学なんですが、つい最近、世界の泌尿器科学教室の世界ランキングが毎年出ているんですけど、出まして、ニューズウィークがつくっています。実はこのトップ100の中に日本の国立大学の泌尿器科学教室が入っているんです。ランクインも増えて、ランクも上がっているということで、つい最近出たのが、京都大学が世界の29位、次に東京大学が53位、私ども岡山大学が61位、慶應大学が67位、旧医科歯科大学が89位で、医科歯科がランクインしました。ランクを上げているということで、先ほど吉田先生のお話にもありますように、やはりこの領域、すごく臨床力ではなく研究力、そして産学連携、こういったことが総合的に評価されます。トップはスタンフォードとかジョンズホプキンスとか、そういうところが入って、これを振り返りますと、これらの大学はやっぱり世界のトップサークルで、ガイドラインとか学会のプログラム員とか、そういうことをやっているんです。いまさらながら振り返ってみて。私は、それを思いながら、今大学の改革ということを考えています。
 どうしてこういうふうにランクが上なのかなということをずっと考えていまして、やはり今日お話しにありました科学の再興の中で、若手がしっかり海外のトップの病院に研究で臨床で行っているんです。しかも、それは私どもですとクリーブランドクリニックに2名、ウィーン大学に1名、いわゆるポスドクのポジションでちゃんと給料をもらって、私もベイラ医科大学に30年前行って、こういうことが綿々と続いている。それは、泌尿器科学のみならず他の領域もこういうことが続いているということで、やはりこういうことがランクインしていくということですが、先ほどありましたように、働き方改革でここのところが崩れつつあるというところですが、私はこれは、今までは個々の大学の努力でやっていたんです。個々の医局の。これを、やはりそれぞれのコミュニティーでしっかりやっていくことでさらにランクを上げていき、国際的フィージビリティーを上げていくということと、もう一つは、自分としてこういうものを振り返りながらもっと細かく分析して、他の工学とか領域にももっと応用できないかというようなことを、今回の提言を27ページから28ページを増していただいて、これをもっともっとブレークダウンして、具体的に落とし込んでいけないか、今回の議論を通じて、そういうことでお役に立てればなと思っております。今回、こういうランクが非常に上がっているということを紹介させていただきました。
 以上です。

【千葉部会長】  大変重要な事例、御紹介ありがとうございます。西村委員、お願いします。

【西村委員】  ありがとうございます。先生方のおっしゃることを非常に納得しながら聞いていて、科学の再興という言葉が出てきているというのの裏返しを少し考えると、実社会を引っ張っていく力が今、科学の、今の大学には少し欠けているんじゃないかという見方ともできるのかなと思って、ちょっと厳しい言い方ですけども。私もCOIネクストとか、J-PEAKSもそう、いろんなところの評価させていただいたりとか、ハンズオンで最先端の研究やっている先生方と結構ディスカッションをさせていただくんですけども、先生方の能力は高いことは非常によく分かるんです。ただ、足りないものとして総じてあるのが経験値です。経験値というのは、確かに大学とか学会とか、領域の中での経験は相当積まれて、研究力はあるんですけども、社会に対してどんなインパクトを与えるかという、自分たちの立ち位置を認識するための経験値です。この実社会の中での経験値が低いので、ちょっと言い方は失礼かもしれないですけど、とってもお行儀よくきれいな世界で物事を考えていらっしゃる。確かにそれでピュアサイエンスは出てくるんですけども、本当の意味で社会を先導していくようなインパクトのある研究というのは、何かそういう想像力を生み出すような力がどこかにないと、それはやっぱり経験値の積み重ねで出てくるのかなと思うと、ここが薄くて。この点を、逆に言うと、私、結構、研究者の方々と荒っぽくいろんなディスカッションをさせていただくのですが、その過程でだんだんと自分たちの立ち位置に気づかれるんです。自分たちでそのことを知るようになると、やはり方向性が定まってきます。ですから、大学院とかポスドクの頃に、もっと密度を濃く、いろんな経験をいろんな場所でしてもらったほうがいいんじゃないのかなと思っていて、耳学問では分からないです。現地に行って体験して知識を得る。そうやっていくと、実社会がしっかり分かった上で自分たちの立ち位置が分かってきて、どう攻めるのかが分かる。そうなると、何を理解しなきゃいけないか、何を解かなきゃいけないかが非常にクリアになってくる。焦点が定まり、集中力が出せたときに、恐らく飛び抜けるような研究というのは日本は出せているんだと思うんです。そこだと思うんですよね。
 先ほど、すみません、ちょっと長くなるけど、もう一つ、J-PEAKSに落ちたような大学をどう支援するかみたいな話の中で、例えば中小企業を含めた地域圏の産業界に貢献しているような大学がありますよねと。そういうのを、特に地域や企業とともに成長する大学をどう創っていくか、これ、物すごく難しいんですよ。これは本当の意味で実社会を徹底的に知らない限りは、サイエンスがすごいから解けるというものじゃなくて、サイエンスで何かを解ける力をいかに実社会の中で使うかということになってくるので、これこそまさしく研究者としての解く力、考える力を試されると思うんです。ここが強化されれば、選ばれなかった他の地方大学というのは人づくりにはとてもいい場所だと思っていて、そうすると、そういった研究ができる大学として地方の末端の大学まで残しておくのが良いと思います。実社会の課題に対峙するような研究を通して行う教育、これによる人材育成というのが、僕は物すごく価値があると思っています。私はほぼそういう、ふだんは地べたをはうように活動を行っていて、末端の地方大学で、地域の企業の社長たちと一緒になって本気の取組をして、そこに学生たちを巻き込みながら行うと、やはり人の変化、それは企業側の人の変化もあるし、そこに入っていくピュアな学生たちの変化もあります。そういう意味で、研究大学という言い方もすごくいいんですけども、教育のために研究を行う大学、これを日本ではもっと強化すべきで、教育のために行われる研究についてもう一段、実社会を知りながら実質化を図っていくというのが結構重要かなと思っています。すみません、ちょっととりとめのない話になりましたけども、少し感じたことがあったので、今のような説明をさせていただきました。ありがとうございます。

【千葉部会長】  大変迫力のある御意見だと思います。ありがとうございます。続いて、木部委員、お願いします。

【木部委員】  ありがとうございます。皆さんがおっしゃったことと重なるかもしれませんが、2つ、申し上げたいと思います。
 研究大学群は、国際卓越研究大学やJ-PEAKSに採択された大学が牽引していくというふうに書いてありますけれども、国際卓越研究大学でない大学、それからJ-PEAKSにも採択されなかった大学が、どういうふうに一緒に発展していくかという視点が分かりにくいと思いました。小野委員の御意見と全く同じなんですけども、提言にある研究大学群を進めていくと、そこに漏れた大学が、どんどん逆に衰退していくような気がするんです。それは、日本にとってよくないことなので、共に発展していくような仕組みを具体的に考えていく必要があると思います。
 2つ目に申し上げたいことは、それと関係して、地方の大学、地域の大学の振興をもっと本気で考えなければいけないということです。地方の大学は、J-PEAKSに参加していないところが結構多いのですが、地方の大学には、地域にしっかり根差しているという実績と役割があります。そこと、研究大学群を牽引していくJ-PEAKSや国際卓越研究大学などが、人的にも研究的にも循環して交流するというシステムが必要だと思うんです。これまでの日本の科学技術を支えてきたのは、地方の人材がかなり多いと思います。ノーベル賞を受賞した方の学部と修士、博士は資料に書いてありますけど、出身地も書いていただけるとよかったと思います。いろんな地域の出身の方が研究を進めてノーベル賞を受賞しておられると思うんです。地方にも非常に優秀な人材が多くいるので、それを掘り起こしていくためにも、牽引する大学とそうでない大学とが、人的にも研究的にも交流していくシステムを考えていただければと思いました。
 以上です。

【千葉部会長】  どうもありがとうございます。それでは、飯田委員、お願いします。

【飯田委員】  ありがとうございます。科学の再興に向けて、挑戦的研究の拡充に関する点が記載されていたところについて申し上げたいと思います。
 企業の方から、よく企業では決して思いつかないような突拍子もない研究が日本だと見当たらないと言われることがあります。そのため、今回示されたような新たな研究領域への挑戦の抜本的な拡充が示されたことはとても重要であると拝見しております。その上で、3点ほどコメントさせていただきたいんですが、1点目は、挑戦的、こういった萌芽的な研究の選定プロセスと、失敗を前提とした制度設計の在り方が重要であると考えます。国際的には、成功確率が必ずしも高くない領域にこそ、大胆な長期的な投資が行われると理解しています。そこから画期的な成果が生まれていると理解していますが、日本においても同様の挑戦を可能とする制度設計とが必須なのではないかと思います。
 2つ目、同様の観点ですが、時間軸の設計についても重要と考えます。挑戦的な研究は、これまでノーベル賞を受賞された研究含め、本質的に長期性を要し、単年度、短期の予算サイクルでは成立しがたいものが多いと理解しています。したがって、これまでとは異なる時間軸での予算設計を行うことも重要であり、研究者の創造性を最大限に引き出し、真に国際競争力に資するような成果につながるよう、後押しができると良いと考えます。
 3つ目はこうした挑戦をする若手研究者が、安心して挑戦に取り組める環境整備ということも重要なので、これは既に様々検討されていると思いますが、持続的なポジションであるとか生活基盤等、研究費以外の面についても配慮した支援施策を整備することが重要と考え、コメントさせていただきました。
 以上です。

【千葉部会長】  どうもありがとうございます。では、浅井委員、お願いします。

【浅井委員】  地域にある大学の立場として、一言、発言させていただきたいと思います。
 もうこれまでの委員の先生方の御発言と近いところがあるかとは思いますが、やはり地域の大学の研究力をどうやって高めていくかというのは本当に大きな課題だと思っています。その中で、今日お話ありました第4世代大学という、いわゆる地域のステークホルダーと競争しながら大学をつくっていくという点については、大変我々共感するところですので、こういう視点も今後取り入れていきたいなと、いってほしいなというふうに思っています。
 それから、もう1点目は、やはり地域の大学で研究力を高めるためには、大学間の連携というのが極めて重要になってくると思いますけど、大学においては教育と研究というのはやっぱり切っても切り離せない状況にあると思います。そういう中で、一方、教育のほうでは、いわゆる地域連携推進プラットフォームみたいな形で、今後、地域の大学の連携を進めようという話が進んでいますので、できればそういう中で研究という話も少し一緒に取り上げていただくと、より地域の大学にとってはいいのかなと思いましたので、発言させていただきました。
 私からは以上です。

【千葉部会長】  どうもありがとうございます。では、続いて、梶原委員、お願いします。

【梶原委員】  ありがとうございます。私からも、数点コメントさせていただきます。
 文科省の資料の中で、マインドチェンジを起こすとありますが、マインドを変えるのはて、そうそう簡単ではなくて、あるきっかけが必要ということになります。そういう意味で、研究大学群の支援の在り方で、今までのように単品での支援ではなくて、何かを行うときに、その組織体のガバナンスの改革が伴っているということで進めていただけるような一体的な施策のセットで進めるといいのではないかと思います。いろいろな形での自立的な経営戦略を伴って大学、組織体が変わっていく、一番最初に、どういったガバナンス体制で運営していくのかというところがキーになりますので、そういう枠組みの中で、実際にマインドセットチェンジが起きていくということだと思います。何人かの方々もおっしゃっておられるような、大学の知を社会に還元するという考え方に対しての組織体の理解ですとか、安心して研究に取り組めることを進める上での大学の運営側の理解ですとか、そういったことが必要になりますので、ぜひそこはガバナンス改革と一体的に進めていただけるといいと思いました。
 それから、研究時間割合を50%にするという目標を持ったことが非常にいいと思いました。日本の研究力が下がっているという中で、どんどん、どんどん研究時間に使う比率が下がっているということが資料上に見えてきたのが何年もありました。けれども、そこを回復させて、研究者が使える時間割合を増やしていくということを1つのターゲットにしているというのは、非常によいと思いました。ただ、そこを各大学自身が、どのようにフォローアップしていくのかは仕組みが必要だと思います。もう既にそういった仕組みがある大学はいいですけれども、個々の大学のことを考えたときに、こういった研究マネジメントあるいは大学のマネジメント、組織運営のマネジメントをする観点からのいわゆるAI化といいましょうか、DX化といいましょうかが必要です。AI for Scienceで研究そのものに対するAIに対しての話がありましたけれども、こうした組織運営、経営戦略そのものへのDX、AI化、全体的に人材のアロケーションとか、資金のアロケーションとか、そういったこともできるようなDX化を進めるということも非常に重要だと思います。その点は必ずしもこの中では見えてこなかったので、指摘させていただきたいと思います。
 最後は、研究という意味での好奇心を育んで、好奇心が深く研究に入っていくということで、やはり人材育成には初等中等教育にも影響する視点、今ここでターゲットにしているのは、高等教育ですけれども、研究力の強化には、キュリオシティーを維持していくという、日本人の子供たちが小さい頃からそういったことを温存して育っていけるという、初等中等教育のことも重要で関係するということをどこかでつないでいっていただきたいと思いました。
 以上です。

【千葉部会長】  どうもありがとうございます。それでは、最後ですか、大野委員からお願いいたします。

【大野部会長代理】  発言させていただきます。何点かありますけれども、1つは、今お話にありましたような国際卓越あるいはJ-PEAKSの役割とその間の関連、そしてそこに選ばれていない大学との関連をもう1回整理していただくのと同時に、国際卓越に応募している大学群が全て国際卓越研究大学になれればいいんですけれども、そうじゃなかったり、あるいはJ-PEAKSに惜しくも届かなかったけれども、次を狙いたいと思っている大学群。加えて、今、様々な役割を果たしている大学群に対してきちんと枠組みを提示して支援を継続するということが大事だと思います。
 次に、地域や産業の要請を受けて活動をすると、してほしいという要請があるわけで、これはぜひ大学と、それからほかのエンティティー、国研も含まれるかもしれませんけど、大学や国研と、それから産業界あるいは自治体、あるいは地域の様々な活動している方々との境界をできるだけ拡大していく。つまり、大分大学の境界を拡大していく仕掛けが必要だと思います。これは、ちょっと分かりにくい言い方をしていますけれども、例えば、産学連携を例に取りますと、大学のキャンパスである装置群を利用して起業したと。そうすると、そこはうまくいけばいくほど利益が上がるわけです。国立大学のキャンパスで、どこまで利益を上げていいのかということは、実ははっきりしていないと。ですから、そういう制度的な整備というのは必要ですし、全ての大学が使う必要はないんですけれども、戦略性やガバナンスで我々はこういう方向でいこうとなったときに、どこまでやっていいのかということを明らかにすべきだ、してあるといいなと思います。
 産業に関連して言うと、人材育成も、情報系の、特にトップクラスは、大学には残らなくなってきています。大学院、修士にもいかない。それは経済的に見合わないからだというわけです。ですので、例えば修士、ドクターをまとめて、これは大学がそういう決断をすればできるのかできないのかということもちゃんと明らかにするべきだと思いますけれども、予算が仮にあるとすると、ドクターの学生に、助教クラスあるいは准教授クラス、ないしは非常に優秀だったら教授クラスの支援があってもいいぐらいだと思っています。そういうことをやろうとしたときに、もちろん予算的な裏づけがないといけませんから、大学がいかに予算的な裏づけを自らしていくのか、あるいは支援をするのかというところと同時に、制度的な縛りがあるんだったらばそれを外していくべきだと思います。
 最後、AI for Scienceではデータが必要です。データが21世紀の石油だというと、あんまりいい言い方じゃないのであれですけども、カーボンニュートラルの世界で石油だって言わないでどうやって言うんだろうと思いますけれども、データはそれ自身が価値なんです。何か利活用するためにあるプロジェクトがあって、そのプロジェクトがデータを管理して、そのプロジェクトが終わったらばどこに行ったか分からなくなっちゃうということでは、国の価値を損じているということになります。そういう意味で、大学共同利用機関の、特にNIIなどは、そういうサービス、SINETもやっていますので、そういうところを我々の科学の基盤として活躍していただくということは重要だと思います。そう読めるような部分もありますけれども、実際に何かやろうとすると、特にハードウエアをこれだけ整備します、ここに何かをつけて、このチームがやってくれるはずですという形になる。そうではなくて、国のデータをどのように蓄積していくのかという視点が、これからの科学技術に必要だと考えています。
 以上です。ありがとうございました。

【千葉部会長】  どうもありがとうございました。今日はいつもより委員の先生方からの御意見いただく時間を長めにとらせていただきまして、そのかいもあってか総括的に非常にそれぞれの背景を御理解いただいた上で、さらに裏打ちするような重要な御提言をいただけたんじゃないかなというふうに思います。それと同時に、いざこれを本当に実践していく上での重要なポイントもお示しいただけたのは非常に有意義だったなと、私、思っております。今の大野委員のデータの話とか、あるいは大学が自分自身で稼げる部分というのはもっとあるだろうというところでの規制の問題とか、現行の規則を変える、あるいはその解釈をどうするかという、何か新しいことをやろうとするとすぐそういうところにぶつかるわけですよね。こういうところについては、まさにこの委員会から発生して、文科省の方々と議論していくというところにつながるので、非常に建設的な話になるかなと思いました。
 あとは、研究時間を延ばすというのは、これは言葉では非常に重要なんですけど、実際やるとなると非常に大きな改革が必要で、大学それぞれの中でも、構想と、それからあとは現状の仕事をどうするのかという問題にすぐにぶつかるんですけども、ただ、それを乗り越えていかなければいけないということで、例えば50%研究というのは非常に前向きな目標設定だという御意見もいただけましたので、ぜひ多くの大学で、そういうことを再考していただいくというのは大事かなと思いました。
 あとは、地域の本来のニーズですね。地域の活性化とかって言葉ではよく言いますけど、実際に何をどうやっていくのか。特にアカデミアがそこのことをよく知らずにやっている場合が多いというのも問題だろうということとか、あるいは社会の経験値の少ないところが大学の1つの個性でもあるんですけど、それだけだと本当に実社会に役に立つこと、あるいはそれを動かすというところにはつながりにくいだろうという大事な御意見もいただきました。この辺りは、恐らく大学によっても考え方いろいろあると思うんですけども、まずは今回の議題になったことで足りない部分とか変えなきゃいけない部分というのも結構見えてきている部分がありますので、それはまさに前に進める上での非常に重要なポイントであるかと思います。
 今回、本当に委員の先生方から、総括的に全般にわたってのいいところと、ちょっとここ、考え方足りないぞというところを御指摘いただけたのは、大変重要な場になったというふうに思っております。
 それでは、大体予定した時間になりましたので、ちょっと過ぎましたけれども、本当にありがとうございました。大学研究力強化部会運営規則第7条に基づいて、本部会の議事録を作成して、資料とともに公表することになっております。本日の議事録については、後日メールにてお送りいたしますので、御確認のほどよろしくお願いいたします。
 それでは、以上をもちまして、第3回大学研究力強化部会を閉会いたします。本日はどうもありがとうございました。
 
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