第12期科学技術・学術審議会 国際戦略委員会(第5回)議事録

1.日時

令和6年7月31日(水曜日)13時00分~15時00分

2.場所

文部科学省15階科学技術・学術政策局会議室1及びWeb会議(Webex)

3.議題

  1. 国際的な科学技術・イノベーション活動等に関する有識者ヒアリング
  2. これまでの議論の整理(意見交換)

4.出席者

委員

菅野委員(主査)、狩野委員(主査代理)、梶原委員、松本委員

※オンライン参加:相田(卓)委員、相田(美)委員、飯塚委員、石原委員、礒田委員、小川委員、鈴木委員、林委員

文部科学省

井上科学技術・学術政策局長、髙谷大臣官房審議官(科学技術・学術政策局担当)、倉田参事官(国際戦略担当)、岡田参事官(国際戦略担当)付企画官、長田参事官(国際戦略担当)付参事官補佐、飯塚参事官(国際戦略担当)付参事官補佐

オブザーバー

蟹江慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授、葉山科学技術振興機構STI基盤ユニットフェロー、倉持科学技術振興機構上席フェロー

5.議事録

第12期科学技術・学術審議会 国際戦略委員会(第5回)

令和6年7月31日

 

【菅野主査】 第12期科学技術・学術審議会国際戦略委員会を開催いたします。 第12期科学技術・学術審議会国際戦略委員会室の菅野です。よろしくお願いします。 本日は、対面及びウェブ会議システムによるハイブリッド開催とさせていただくことと なりました。委員の皆様には御協力をいただき、誠にありがとうございます。 初めに、開催に当たっての留意事項を事務局から御説明をお願いいたします。
【飯塚補佐】 事務局より、会議開催に当たっての留意事項を御説明します。本日の委員会は公開で開催させていただいております。 まず、出席状況ですが、野本委員より御欠席の御連絡をいただいております。また、今、相田先生、飯塚先生、林先生もオンラインでの御参加という御連絡をいただいているんですが、今まだ接続が確認できていない状況です。
【事務局】 林先生、今、入室されました。
【飯塚補佐】 はい。いずれにせよ、まだ2名ほど接続が確認できておりませんが、総委員数の13名の過半数には達しており、定足数を満たしていることを御報告します。
 続いて、配付資料につきまして御説明します。会場に御出席の委員の皆様は、お手元にある資料を御覧ください。オンラインで御出席の皆様は、事前に事務局から送付しましたファイルを御覧ください。本日は、座席表、議事次第、資料1-1、1-2、2-1、2-2及び参考資料1~4となっております。なお、資料は一つのPDFにまとめており、しおり機能で各資料をすぐ開けるようにしておりますので、御活用ください。ファイルの不備や操作方法に関してのお尋ねなどがございましたら、事務局までお知らせください。
 次に、会議の円滑な運営のため、Webexによるウェブ会議システムの注意点を申し上げます。委員の先生におかれましては、表示名は本名を日本語表記・フルネームとしていただきますようお願いします。また、回線への負荷軽減のため、通常はマイクオフにしていただきますようお願いします。 発言される際の留意事項です。御発言がある場合は、会場に御出席の委員におかれましては挙手を、オンラインで御出席の委員におかれましてはWebexの挙手ボタンを押していただきますようお願いします。オンラインで御出席の皆様は、マイク設定のミュートを解除し、御発言をお願いします。発言が終わられましたら、再度オフにしていただきますようお願いします。また、御発言の際は、オンライン参加者にも分かりやすいよう、最初に御自身のお名前から御発言いただきますようお願いします。 そのほか、システムの不備等が発生しましたら、随時、事務局までお知らせいただきますようよろしくお願いします。 また、ウェブ会議システムの音声が切れてしまった場合には、事務局より事前にいただいております御連絡先に御連絡させていただきますので、何とぞ御理解のほどよろしくお願いいたします。
 最後に、文部科学省の出席者を御紹介させていただきます。7月に人事異動がありまして、科学技術・学術政策局の審議官に着任しております髙谷審議官、参事官(国際戦略担当)付 の参事官として倉田参事官が、ほか、企画官として岡田企画官が着任しております。
【髙谷審議官】 ただいま御紹介いただきました科学技術・学術政策局担当の審議官に着任いたしました髙谷でございます。今、国際関係、非常に動いている中で、科学技術はどうあるべきか、この戦略の議論は大変重要だと認識しております。どうぞ忌憚のない御意見を頂戴できればと思います。よろしくお願いいたします。
【倉田参事官】 同日付で国際戦略担当の参事官に着任いたしました倉田と申します。よろしくお願いいたします。私、前職、こちら同じく科政局の研究開発戦略課というところで、よりこちらの国際戦略も含めた全体をフォローさせていただいておりましたので、これまでの議論もフォローはさせていただいておりましたが、引き続き先生方といろいろ意見交換させていただければと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
【岡田企画官】 7月より企画官として着任しております岡田と申します。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
【飯塚補佐】 また、後ほど科学技術・学術政策局長の井上が参加する予定でおります。加えて、本日は、議題1に関しまして有識者からの話題提供を予定しております。その観 点で、SDGsに関する最新の動向を伺うため、慶應義塾大学の蟹江教授に御出席いただいております。また、インドのSTI動向や各国との連携状況を伺うため、JST CRDSの葉山フェロー と倉持上席フェローに御参加いただいております。事務局からの説明は以上です。
【菅野主査】 ありがとうございました。 それでは、議事に入ります。 議題1、国際的な科学技術・イノベーション活動等に関する有識者ヒアリング。 では、蟹江教授及びCRDSの葉山フェローよりそれぞれ御説明いただきたいと思います。それでは、資料1-1、SDGsの研究における課題とポスト2030について、蟹江教授より説 明をお願いいたします。よろしくお願いします。
【蟹江教授】 ありがとうございます。まず、本日はお招きいただきましてありがとうございます。SDGsの現状と、それからポスト2030に向けた動向ということでお話をするように伺っておりますので、大体の見取図をお話しできればと思っております。
 次、お願いします。SDGsと科学技術あるいは研究との接点、いろいろございますけれども、ごく簡単にここにまとめてみました。毎年5月に国連のSTIフォーラムというのがありまし て、そこの中でTechnology Facilitation Mechanism(TFM)というものがあります。そこの中で一つは議論が行われているという文脈があります。日本からは10人委員会という、この Technology Facilitation Mechanismの中の議論を促進するような委員会がありまして、そこに小谷先生が入られているという状況です。10人委員会とはいえ、先日も国連に行っていろいろお話を伺うと、今、あまり予算がなくて人を集めるのもなかなか大変だということは、コチェアのうちの1人が、Joyeeta Guptaという、私、昔からいろいろ研究で一緒にやっているオランダの研究者なんですけども、彼女がそんなことを言っていました。なかなか動きがしにくいということなんですけれども、一つのSDGsと研究の接点としてこの仕組みがあるということです。 それから、今月上旬ですけれども、1週間程、10日から19日まで、今年の場合はハイレベル政治フォーラムというのが行われていました。これはHigh-level Political Forum on Sustainable Development(HLPF)というので、持続可能な開発に関するレビューをいろんな形で行うということで、2012年のリオ+20のときに設置が決まったものです。ですので、SDGs ができる前からあるメカニズムなんですけれども、SDGs ができてからは、主に Voluntary National Review(VNR)という、国ごとの政策、それから実施状況のレビューを行うということが一つの目玉になっておりまして、そのレビューを行うというところでいろんなプロセスで各国の研究者がコミットしているような状況です。 昨年からこの中でScience Dayというのが開催されるようになりまして、昨年、今年、私もそれぞれ参加しましたけれども、ISC、それからスウェーデンのStockholm Environment Institute、それから国連の経済社会局等が主催して、こういったサイエンスとSDGsの進捗を考えるようなフォーラムが半日行われています。去年はサイドイベント的に行われたんですけれども、今年は本会議の一部という形で、だんだん注目はされ始めているのかなという感じがしています。 それから、SDGsに関しては、4年に一度、SDGサミットがありまして、2015、SDGsができ たとき、それから19にありまして、昨年サミットがありました。その後、27、今後あるという予定になっています。このサミットのときに、2019 年からはGlobal Sustainable Development Reportという、評価の評価というふうに言われていますけれども、左側にあるように、IPCCとかIPBESとかGlobal Environment Outlookとか、いろいろな機関からそれぞれ分野別に報告書が出ていますが、その報告書を俯瞰して評価の評価を行うというのを Sustainable Developmentの観点から行う報告書が、2019年から15人の独立科学者と呼ばれていますけれども、が国連事務総長にアポイントされて書くというものがあります。2023年、昨年、出しましたけれども、ここには私自身もその一人として入って発行に貢献してきたというところです。 それから、国際的なプログラムとしては、例えばGlobal Sustainabilityのリサーチに関してFuture Earthがありまして、日本は、幾つかある国際的な事務局のハブの一つを長崎大学が今担っておりまして、春日先生がその事務局長をやられています。 それから、Future Earthの中がサポートする形で、Earth Commissionというものが10年のプログラムといいますか、実際には5年ごとのプログラムという形でスタートしています。 2019年から始まっています。これは、いわゆるPlanetary boundariesの状況を見ながら、その中で人間が完全に活動できる部分はどこかというようなことを同定していくような研究活動を行っています。第1期は私がこの委員となりました。それから今は東大の沖先生が委員となって進めているという形で、ざっと見るだけでもこのようなフォーラムが幾つかあるということです。このほかにも、STIフォーラムとか日本でも行われていますけれども、そういったSDGsに関連する学術的な会合が行われていたり、Future Earthに関しては、今年、フィンランドで大きな会議がありましたが、そういった年次会合のようなところでも SDGsの関係は話されているという形になっています。
 次、お願いします。そういった中で、先ほど申し上げたGSDRですけれども、SDGsのフォローアップとレビューの一つの仕組みとしてありまして、評価の評価、先ほど申し上げたようなことと、それからもう一つのミッションがScience-Policy Interface、科学と政策の Interfaceを強化するという役割を持ってスタートしています。結論から言いますと、科学と政策のInterfaceが大事だというところから始まったんですけれども、我々が書いた去年の報告書では、科学と政策のInterfaceだけでは不十分で、科学と政策と社会のInterfaceが大事だということを提案しています。
 次、お願いします。その中で述べたSDGsをめぐる現状ですけれども、ここのグローバルに取れる36の指標がありまして、その中で、このままいけば達成できるon Trackというものは僅か5指標にとどまっているということで、いろいろ国連事務局のサポートも得ながら評価した中では、去年が大体SDGsの折り返し点ですけれども、15%の達成度であると。今年の事務総長の報告書でも17%程度ということですので、およそその程度の進捗が現在の目標達成に向けた進捗だということかと思います。原因はいろいろありますけれども、特にコロナの影響が大きいというのと、戦争の影響、それから気候変動、気候変動に関する気候危機といいますけれども、気候危機の影響というのも非常にインパクトとしては大きいと。ただでさえ達成が難しいと言われていたSDGsの達成がさらに難しくなっているというのが現状ということになります。
 その一方で、幾つか進捗があるところもありまして、次、お願いします。SDGsの認知度、それからが枠組みとしての強さ、それから目標ベースでいろんな動きが動いていると。気候変動でもそうですし、生物多様性でもそうですけれども、目標ベースの動きが活性化しているというところで成果は一定程度見られると。それから、制度設計でもあるんだけれども、要はファイナンス、予算とリンクしていない、そこが弱いと。それから、意思決定への参画というところでも弱いと、そういう大きな評価をしています。
 次、お願いします。資金に関してもいろいろな評価の評価をしていきますと、毎年の資金ギャップがコロナによってさらに大きくなって、3.9兆ドルのSDGs投資する上で必要な資金と現状のギャップがあるということです。ただ、一方で、こういったものがビジネスチャンスにもつながると。3.8億人の雇用を生むというような報告書なんかもビジネス界からでも出ていますので、この辺り、いかにポジティブな投資にしていくのかというのが鍵だというのが一つの現状かと思います。
 次、お願いします。そういうこともありまして、必要なことというのがトランスフォーメーションだということで、GSDRの中で一つのモデルを示しました。ここにあるような「Sカーブ」モデルと言われるものですけれども、トランスフォーメーションを3つの段階に分けまして、萌芽期、加速期、そして安定期ですね。同時に持続可能でない経路も不安定化して、減退して、廃止していく、フェーズアウトしていくと、こういう3つのフェーズがあるので、こういったモデル、これが全てのトランスフォーメーションを表しているわけではないですけれども、を想定しながら進めていく必要があるということをGSDRの中で主張しました。
 次、お願いします。そのために必要なものとして、これは2019年のGSDRの中でも言っていたんですけれども、そこに書かれているような6つぐらいのエントリーポイントがあると。そのそれぞれにおいて、レバーとなるような事柄があって――ガバナンス、経済、資金、それから個人あるいは集団の行動、それから科学技術と能力構築と、そこをそれぞれの入り口で工夫して進めていくというのが大事だというような枠組みを提示しています。報告書の中では、具体的に、例えばモデルの中でそれぞれの入り口においてどういうような動きをするとこのトランスフォーメーションが達成できるのかということであるとか、あと、実際に例えばEVですね、ノルウェー辺りは5年間でEV車が20%から80%まで上がっていますけれども、そういった事例を見ながら政策の必要性というのを提示していると。それから、社会的な浸透のさせ方のモデルというのを幾つか出しているということです。ただ、とはいえ、包括的な政策的なツールを出すというところまで、今回は事例も少なく、あるいは我々自体の手も足りず、そこまで至らなかったというのが現状です。
 次、お願いします。こういった中で日本の現状ですけれども、これは国連が出しているわけではないですが、SDSNとドイツのベルテルスマン財団が出している毎年の報告書の中で、日本は今18番目ぐらいに位置しているという評価が出ているところです。認知度は高いんですが、実施のところは非常に遅れているというのが現状ということかと思います。
 次、お願いします。ということで、こういった話を踏まえながら、ポスト2030目標形成に向けた議論が今始まりつつあるという状況です。 次、お願いします。今後のプロセスなんですけれども、今年、国連ではSummit of the Futureというのが開催されることになっています。このうちの一つの柱がSDGsということになっていて、後ほどお示ししますけれども、今のドラフトの中で2030年以降の議論というのが初めて登場しています。それから、来年は日本がVoluntary National Review、国としてのレビューを行うということになっておりまして、この辺りはぜひ学術的な評価を含めてしっかりと評価をして打ち出していくべきではないかなと思っております。今何をやっているかを示すということが、次の何をやらなければいけないかというところにもつながっていくという意味では、非常に重要なレビューの機会かなと思っております。それから来年、大阪の万博、その横に書きましたけれども、一番最後の週はSDGs+Beyondという設定になっているということからも、この辺りもSDGsを超えた社会の在り方というのを考える一つの契機になるのではないかなと思っています。今後ですけれども、恐らく2027年ぐらいから2030年以降の目標というものの議論が活性化されていって、2030年、この目標達成期限でどうなるかというところかと思います。その年、たまたま日本はG7の議長国でもあり、いろいろな意味で日本に期待されるところがあるかなというところです。
 次、お願いします。先ほど申し上げた今年の9月のサミットのドラフトの文章ですけれども、最初の段階ではSDGsとかBeyond SDGsとかそういう話は出ていませんでした。というのも、国連のメンバーステーツの話を伺うと、今まだ先ほど申し上げたように15%、17%という達成度なので、その先を話すというのはちょっと拙速ではないかという多くの途上国からの声もあって出ていなかったんですが、5月に出てきたリバイス版のドラフトでは、そこの上に掲げているように、2027 年のSDG サミットで、どういうふうに2030 年以降の sustainable developmentの枠組みにするかということを考えるということが出てきていたり、ポスト2030フレームワークというのが初めて出てきまして、その話を2027年のSDGサミットで話すという話が出てきています。それが、先日出てきた次のドラフトではさらに変化を遂げていまして、そこにお示ししているとおりなんですが、先ほど申したような一部の国からやはり「まだその先の話は」という声もあることもあって、このSeptember2027という時期に、28の(b)というところですね、ハイレベル政治フォーラムでどのように2030年以降のサステーナブル・ディベロップメントの枠組みを考えるかというのを検討すると。それから、そのときに国連事務総長が報告書を出すというようなことが書かれていっています。ということで、国連事務総長の次の、Guterresさんの次の事務総長が入ってくるのも27年ということもあって、どうも27年がこの交渉の開始時期としてあり得そうだという議論になっております。
 次、お願いします。この辺りは、SDGsができたときのプロセスを振り返ってもあり得そうだなと思うんですが、SDGsができたときは、2015年はもう最後のファインチューニングで、13、14が主に議論がされた年です。ただ、その前にBeyond MDGですね、MDGの先どうするかという議論は、例えば国連のハイレベルパネルというのが2012年から2013年に出てきていたり、4年前あるいは5年前ぐらいからかなり仕込みが始まってきているという状況です。それを考えますと、やっぱり2025、26辺りが一つ大きなこういった国際的な議論の鍵になっていくということは考えられるかと思います。
 次、お願いします。さらに申し上げますと、SDGsができたときは、この2013年、14年のプロセスで、実は最初の前半戦、2013年から2014年の前半までは、いろんな研究成果であるとか、いろんな報告書の成果であるとか、そういったものをオープンにディスカッションすると。研究セミナーみたいな感じだったんですけれども、交渉担当者を前にして、いろんなところから研究者あるいは活動家が呼ばれて議論の状況を話して、その後、交渉が行われるという非常にユニークな形が取られていました。そういうことを考えても、こういったところに入れ込んでいくような研究をしていくということが今から求められてくると考えていいかと思います。
 次、お願いします。それから、そういった中で、これは6月の末ですね、今から1か月ちょっと前に、そこの下に書かれているような何人かの人が、中には Johan Rockströmとか Jeffrey Sachsとか、私も知っている人が何人かこの中に含まれていますけれども、『Nature』のコメントのところで提案をしています。彼らの提案の中身はというと、ポスト2030はSDGsを延長するべきであるということですね。進捗は悪いんだけれども、延長して、各国がそれぞれロードマップを示していくというようなことを2027年までにやるべきではないかと。それから、目標の数を減らすのは賢明ではない。特に全ての目標はつながって、これは包括的な枠組みであるということが言われています。これはこの提案以外のところでも、今からひっくり返してまた議論をゼロから進めるというと決まらない可能性がある。2015年は、パリ協定にしろ、SDGsにしろ、そういった国際合意がきっちりできる最後のチャンスだったかもしれないので、決まらない可能性があるので、今、この延長が賢明ではないかというのが、ただ、その中でターゲットをチューニングしていくというのがいいのではないかという声がかなり聞かれるというのが現状かと思います。 次、お願いします。そういった中で、「ポスト2030目標」設定に向けてですけれども、恐 らく今年の9月辺りから議論が少しずつ始まっていくということになるような気がします。それから、特にその中ではBeyond GDPの議論が加速していくということが先ほどのドラフトの文章にも書かれていますし、あり得るんじゃないかなと思います。それから、そういった中で日本は来年のVNR、それから万博があるので、この辺りはひとつ打ち出しを始める機会かなと思います。この話は、特にヨーロッパ辺りは今後の経済政策に大きく関係してくると。基準づくりをサステーナビリティーの分野でしていくというようなことが出てきていますので、そういったことが実は一番の落としどころ、狙いどころになっていくんじゃないかなと思います。
 次、お願いします。そういった中で、今回のこの研究上の課題というところですけれども、一つは、目標に関してやっぱりいろいろ分析をしていくと。特にいろんな目標が関連している、連関しているという分析が必要かと思います。GSDRの中でもそういったところの重要性というのを強調しましたが、あまり研究が包括的に行われているわけではないというのが現状かと思います。 そういった中で、次のページに行っていただいていいですか。この3月に、国連環境総会で日本政府から、SDGsの間のシナジー効果を高めることが環境問題解決にも大事だという決議を日本主導で出しています。こういったことからも分かりますけれども、とにかくシナジー、トレードオフを明らかにしていく。それはかなりローカライズした形で政策には反映されていくので、その知見の集積というのが、今、非常に求められていることかと思います。
 戻っていただいてよろしいですか。それからもう一つは、先ほどEarth Commissionのところでも少し申し上げましたけれども、目標領域ですね、17目標ありましたが、そこにおける Planetary boundariesの状況、それから、そこと特に人間との関係、人間活動の関係に関する研究・分析というのは非常に大事だということかと思います。Earth Commissionでも Planetary boundariesと正義(justice)の枠組みを組み合わせたboundaries、要はヒューマンとプラネットのboundariesの在り方というのを考えていっています。この辺りのことを例えばシナリオ研究であるとか指標の在り方の研究とかと絡めながら進めていくということは、非常に実務的にも求められていることではないかなと思います。それから、日本に関してはVNRが来年ありますし、その後も多分2030年までもう一回ぐらいやると思いますので、レビューを包括的にやっていくということも重要かと思います。 それから三点目ですけれども、このSDGsの実施の方法ですね。我々、このSDGsをつくると きに、これ、Governing Through Goalsだと、目標ベースのガバナンスだということを国際研究グループで主張したりしましたけれども、実はそのメカニズムというのがまだ十分分かっていないというところがあります。今までのメカニズムの評価、それから、それを実際に政策として実施するためのツールを開発していくと、そういったことも必要だと思いますし、先ほど申し上げたようにヨーロッパはサステナビリティの基準をつくっていこうというような動きが垣間見えますので、そういった基準の在り方に関する研究というのも重要になってくるかと思います。 それから、最後は「決め方」ですね。決め方に関しても研究をしっかりしていく必要があるだろうということで、ざっと挙げてもこのぐらいの課題が現状のSDG、それから今後の国際交渉を主導していく上でも重要になってくるように思われますので、ぜひそういったことを御参考にしていただければと思います。
 私からは以上です。
【菅野主査】 どうもありがとうございました。 それでは、ただいまの蟹江教授からの御説明に関して、質問、御意見があればお願いいたします。いかがでしょうか。
【狩野主査代理】 では、口火を切ります。ありがとうございました。SDGsが始まった頃からCRDSで皆様とお付き合いをいただいておりました。その際にロードマップのことが、当時、日本政府が頑張って引っ張っておりまして、中村先生をはじめとして一生懸命宣伝をされた結果、国連でも非常に受けがよかったような覚えがあります。昨今、なかなかその推進力がもう一声という感じもあって、この辺りの先はどうするかというのを、もしお見通しがあればというのが一つ目の御質問です。
 加えて、ここは科学技術政策ですので、その意味で、科学技術政策で特にこういう国外で起きていることに影響を受けた結果として国内ですべきことは何かなと思っております。ロードマップも一つなんですけど、もう一つ、こういうテーマに触発された研究活動というのが、自分のも勤め先で頑張ってみましたけど、そう簡単に広がるわけではないので、そこらをよりインセンティブをつけていくような感覚がもしあるとするとどういう方向性かなと思ったのが、関連し二つ目です。 これの関連としては、私がアドバイザーをさせていただいているOECDのTransformative Agendaというのがあります。あれの中身は、本当は、それをやろうねと書いてあるように本質的には思えるわけです。しかし、なかなかそれを国内でインプリメントしていこうとするとそう簡単ではないという感覚もなかったりしないわけではなくて、どうしたらいいかなと思っております。そういう質問です。 お願いいたします。
【蟹江教授】 ありがとうございます。
  一つ目の点ですけれども、ロードマップに関しては、各国がどういうような実施をしていくのかというところを、先ほどのJeffrey Sachsとかが出した提案では、2027年までに各国がロードマップを出すというのが大事だと。イメージとしては気候変動のやり方というのをイメージしているように思うんですけれども、各国がそれぞれ自分の国で目標を設定して、それを実施するというところのシナリオをつくって、政策のパッケージも出していくと。それを集めたらどうなるかというのをグローバルに見ていこうというイメージだと思うんですね。そういう意味では、2027年になるか分からないですけども、そのぐらいまでにやっぱりしっかりとロードマップをつくる、シナリオをつくっていくということを行うのは、実際にそうならないにしても決してマイナスにはならないですし、その先の 2050年ぐらいを見た上ででも大事になるんじゃないかなと思います。 我々のGSDRの中でも、2050年に向けた、グローバルですけれども、シナリオの分析をしたところ、2050年でもSDGs全て達成はできるシナリオはありませんでした。一番ポジティブなので、多くのものができるけども、食品ロスとかもまだできていないと、そういうものでしたので、ただ、それはシナリオなのでチューニングの仕方でいろいろ変わってくると思いますので、そういったロードマップづくりというのはやっておく必要があるかなと。政策を考える上でもあるのではないかと思っています。
 それから、もう一つの研究上のやっておくべきことということですけれども、最後のスライドにも幾つか書かせていただきましたが、大きく言って、いわゆるPlanetary boundariesと人間の活動がどういうふうに関係していて、どこを狙っていけばサステナブルな世界になっていくのかというところがまだきっちり分かっているわけではないので、やっぱりそこを明らかにしていく必要があると思うんですね。ただ、非常に大規模な話で分野横断型になりますし、かなり気合を入れないとできないというか、形になっているので、皆さん、その手前で止まってしまったりとか、あとやっぱり資金ですね。資金がなかなかそういったものに残念ながら今のところついていないということもあって、分野もかなり横断になるので、そこのところでちょっと難しさが出ているんじゃないかなという気はします。 日本からの研究者も、だから日本の国内でやるということも大事かもしれないですし、やっぱり世界のそういったところに入っていってやるということも大事だと思うんですけれども、正直、あまり活発でないというのが感じるところで、そこはぜひ活発になっていただきたい、活発にしていただきたい、活発になるべきだというふうには思っているところではあります。 あともう一つが、シナジーとトレードオフですね。どういったところでシナジーがあるのか、トレードオフがあるのかというのを要はシステミックに考えていくというところが大事になってきて、この辺りは関心は高まってきていると思うんですけれども、やっぱりSDGの研究というとどうしても分野ごとに分かれてしまう。目標3だ、目標4だ、目標5だとか、そういうふうになってしまうんですけど、それ全体を俯瞰して、こことここにシナジーがある、ここにトレードオフがあるというようなところを見ていくということが必要で、それは非常にローカライズした形で出てくるので、分野ごとの蓄積はある。それから、地域ごとに蓄積なんかもあるんですけれども、そこを全体まとめるというところも、これまたマクロな話になってくるので、なかなか手がつけられていないというのが現状かなと思います。 お答えになっているか分からないですけど。
【狩野主査代理】 いえ、大変なことだと思います。Springer Natureの会に行ったときに、彼らがこの関係の姉妹誌を作りましたという宣伝をしておられて、そういうところに載せていける日本の科学者はどれぐらいいるだろうかという会話をしたときに、あんまり簡単に答えられないなと思ったことがあります。
 それからあと、さっきの社会的インパクトを図ろうという動きはだんだんあるにはあるんですけど、多分、これ、研究すると載せ場所が 『Nature』姉妹誌であれば結構ですが、そのほかにも当然載ることがあろうというときに、いわゆる媒体自体の被引用数的なインスタントな指標で勝ち組になりにくいという状況が多分今あるということを考えると、多分この辺は政策的に関わって伸ばす必要があるのかもしれないと思ったりしながら見ているところです。そんな意味でちょっとお伺いいたしました。
【蟹江教授】 そうなんですよね。あんまり論文の引用数になりにくいというところはあると思います。一方で、割と実務的に使われるようなことがあったりとか、こういう評価報告書とかもそうですけども、そういうところで使われる、引用されるというところがあると思いますので、そういったインパクトをもう少しきっちりはかる指標というのを打ち出せたらいいなと思います。
【狩野主査代理】 ありがとうございます。
【菅野主査】 よろしいでしょうか。はい、松本さん。
【松本委員】 松本です。ちょっと関係するのかな、非常に一般市民的な目線から見て、始まった頃はすごくマスコミやら何やらも取り上げていて、すごく盛り上がっていたと思うんですけど、今、SDGsって本当に目標に掲げているのかどうかすら気づかないぐらいの存在感のような気がするんですよね。実際、日本は多分そんな感じだと思うんですけど、世界がどういう感じで受け止め、社会が受け止めているのかというのをもし御存じだったらということと、あと、企業はこれに対して、これも自分たちの利益につながることは当然取り組むでしょう。特にエネルギーとかそういったところは取り組んでいるというのが見えるんですけど、当時はステークホルダーに対してそれをうたったようなことをしないと株価も上がらないみたいな、新しい新入社員も入ってこないみたいな、そういった位置にあったと思うんですけど、現状どういう感じかなという。その辺、企業に聞いても、「取りあえず言っておかないと駄目だから言っているけど、実際そこに投資しているかって言われるとどうだろう」みたいなことを聞くので、もし何かその辺御存じでしたら。
【蟹江教授】 ありがとうございます。実際、私自身は、やっぱりSDGs、ちょっとバブル的にワイワイ言われ過ぎだなと思っていますので、今ぐらいがちょうど落ち着いていいのではないかなという気はしています。なので、数年前と比べると確かに勢いは落ちているとは思うんですけれども、まあこんなもんだろうと。当時が割とバブルだったなというような気はしています。 というのと、なぜそうなったかということを考えても、一つは国連が言ったというのも大きいと思うんですけれども、やっぱり企業の方々とかが対応しなければいけないことが SDGsの中に包括的に含まれているという側面が非常に大きいと思います。そこに関してはいまだに関心は高いのではないかな。特に実質的にやらなければいけないという意識は、企業の方にはかえって強まっているところもある。だから、一緒くたに言うことはなかなか難しいけれども、かえって強まっているところと、ちょっと取りあえずやっておけば、やっているふりをしておけばいいかなというところと分かれてきていて、ヨーロッパなんかだと、やっぱりやっているふりのところは規制をし始めてきているというのと、ウォッシュに対する規制はかなり厳しく考えられ始めているというところかと思います。それを見ながら、日本もちょっとそろそろ注意しなきゃいけないなと思っている人たちと、まだウォッシュと言われていないからいいかなという人たちと、少し二極化しているんじゃないかなと思っています。 特に関心のあるところに関しては、やっぱりサプライチェーン全体で、日本の企業じゃなくても、例えば再エネ使っていなきゃ駄目だとかそういう圧力が来たりとか、情報開示が必要になってきたりとかというのを非常に感じていたりとか、国際的なところに出ていって、例えば「あなたの会社、何やっているんですか」と言われて、何も出せない。そうすると、ヨーロッパの会社とかが一緒に来ていると負けてしまうというところにさらされているところは、感覚がすごく上がってきているかなというのと、やっぱり人材ですね。人材確保のところで、特に中小企業なんかも中心に、サステナビリティ、SDGsに関心があるようなところによい人材が集まってきているという傾向があるような感じですので、人材確保のところで企業の方々は関心をまだ持っているんじゃないかなとは思います。
【松本委員】 分かりました。ありがとうございます。
【梶原委員】 簡単に。イメージをもうちょっと明確にしたいので、36指標のうちの5指標が達成しそうだというお話だったんですけど、全部じゃなくてもいいんですが、具体的にどういう目標が達成しそうかというのを教えていただけるとすごくイメージしやすいかなと。
【蟹江教授】 一つは、インターネットとかIT関係ですね。インターネットの普及とかアクセスが伸びているというところは、パンデミックなんかでも順調に伸びていったということがあります。それからもう一つは、この3番のところで伸びているのは、妊産婦の、要は子供が生まれるときに助産師さんがいるか、いないかというので、いるというところが増えてきたと。パンデミックになって大分それが鈍化してはいるんだけれども、助産師さんがちゃんとアテンドして子供を産めるというところが伸びているということが分かっています。大きくはその二つですね。インターネット関係と医療関係のそこですね。
【梶原委員】 はい、分かりました。
【菅野主査】 ありがとうございます。サイエンスとポリシーというところが最初結びついて、それに社会を結びつけないといけないというのが最初のほうにありましたけれども、その社会と結びつけるというところに困難さと、それがこれから広がるポイントであるという点ですね。次の課題も社会とのつながりをどうするかというところが大変な重要なポイントであるという主張ですね。
【蟹江教授】 そうです、はい。
【菅野主査】 ほかにありますでしょうか。もしありましたら、また後の議論の時間でもお願いしたいと思います。
 それでは、次の議題に取りあえず進めさせていただきます。 続いて、資料1-2のインドのSTI政策動向と主要国・地域との協力状況について、CRDSの葉山フェローより説明をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
【葉山フェロー】 ありがとうございます。ただいま御紹介いただきましたJST研究開発戦略センター(CRDS)よりお話しさせていただきます。
 では、次のスライドをお願いします。こちらに示しておりますとおり、本日のお話では、 前半でインドのSTI政策動向についてお話ししまして、後半では主要国・地域とインドとがどのような協力を行っているかということについてお話しします。ただ、一点、先に申し上げますと、私ども、インドに関しては今年度調査を開始したばかりでございまして、今の段階ではまだ網羅的・体系的な調査の報告というわけにもいかない面がございます。ですので、特に後半の協力状況等の御説明は顕著なトピックを中心にお話しさせていただく具合でございまして、今日の発表でちょっと足りないところがありましたら、後日またお調べして御報告するような対応もさせていただきたいと思っております。
 では、次、お願いします。では、前半はインドのSTI政策動向ということで、国情からお話ししてまいります。 次のスライドをお願いします。皆様御存じのとおり、インドは非常に大きな国でございまして、国土面積はEU圏の約4/3に匹敵する329万平方キロメートルです。人口は2023年に中国を抜いて世界最大となって14億3,000万人ぐらいおられます。国勢調査によると1,000以上の言語が存在するということでありまして、非常に多様性に富んだ社会・文化を基盤としております。連邦共和制の下にいろんな方が暮らしている民主主義国家ということでございます。
 次、お願いします。人口構成ですけれども、このように非常に人がたくさんおられまして、生産年齢人口の割合の上昇が2050年頃まで続くものと見込まれていて、豊富なタレントプールがあることがインドの強みだと言われています。また、中間所得者層が増加しておりますので、消費全般の拡大・多様化が進んでいて、内需主導型の発展がインド経済の特徴と言われています。
 次、お願いします。GDPについてです。インドの名目GDPですけれども、既にイギリスを抜いています。左側のグラフですね。IMFの発表によりますと、2025年には日本を抜いて世界第4位になると推計されています。ところが、一人当たりということになるとそうでもなくて、右側のグラフなんですけれども、一人当たりの名目GDPは2022年で2,500ドルということで、これは世界第134位の数字なんですね。なので、こういった観点からすると、インドの経済発展というのはまだその途上にあるというふうにも見受けられます。
 次、お願いします。こちらは産業構造です。インドのGDPに占める第2次産業比率ですけれども、左側のグラフの2022年のところですね、28.5%でした。この状況はよく中国と比較されるんですけれども、中国は第二次産業比率が大体40%程度ありますので、中国と比べると工業化が進展していないと。第三次産業が経済成長を牽引してきたと言われます。右側のグラフですが、部門別構成比における製造業のシェアは15.8%です。インド政府はこれを2025年までに25%に引き上げると2014年の時点で目指していたんですけども、ちょっとこれもあまり順調に進んでいないと言われています。
 次、お願いします。次はSTI指標についてです。 次のスライドをお願いします。まず、研究開発費ですけれども、研究開発費の総額は過去 10年間で大体2倍になりました。2020から21年の数字が154億米ドルとなっていますが、大体これはイギリスやフランスと同水準の研究開発費の額です。ただし、これも対GDP比ということになりますと0.64%です。日本が3.3%ぐらいだったと思いますし、フランスは2.2ぐらいだか、イギリスは2%を切っていたと思いますけれども、そういった世界の主要国と比べますと0.64%というのはちょっとまだ低いかなという状況です。グラフにはないんですけれども、セクター別の負担部門の内訳ですが、政府系が大半を占めていて、民間企業による投資は36.4%にとどまりますので、この辺りが課題だと言われています。 次、お願いします。研究者数についてです。フルタイム換算での研究者の総数はやはり増加を続けていて、2020年で36万3,599人と推計されました。こちらも、大体、数字的にはイギリス、フランスと同じぐらいの規模となっています。人口100万人当たりの研究者数となりますと、これもやはり世界の主要国と比較するとかなり低い水準となりまして、右側のグラフにありますが、2020年のデータで260.4人ということでありました。
 次、お願いします。こちら、ごく限られた数ではありますけれども、研究開発組織や大学 のランキングについてお示ししております。左側ですけれども、主要な研究開発組織として、 Nature Index2024で上位にランクしたインドの組織を上から5つ並べております。トップに来ていますのがインド理科大学院といいまして、国立の高等教育研究機関です。こちらの学校は、実践というよりは、基礎や応用に特化した研究をやっておるところです。そのほか、タタ基礎研究所、インド工科大学ボンベイ校、ホミ・バーバー国立研究所と、ここ、5つあるのは全部国が出資している組織なんですけれども、あと5番目にある科学産業研究委員会(通称CSIR)といいますのは、インド最大の研究機関でありまして、インド全土に37の国立研究所を展開しているような組織です。右側がQS大学ランキング2025における日本とインドの大学をリストアップしてみました。そうしますと、やはり日本の有名校と同じような順位のところにインドの大学もたくさん入っているということが分かります。
 次、お願いします。次は論文生産に関してです。やはり自然科学分野の論文生産数が飛躍的に伸びております。また、トップ1%論文や10%論文に関して、分数カウントで世界シェアを調べてみました。右側の図なんですけれども、1%の場合も10%の場合も、直近の過去 3年間の平均で世界第3位の数字となっています。グラフにはございませんけれども、国際共著率22.7%でありまして、主な共著相手国・地域としては、米国、サウジアラビア、中国、英国、韓国などが挙げられます。整数カウントでのランキングにおいて日本は第10位という結果でありました。 次、お願いします。これは、特許やGlobal Innovation Index(GII)について簡単にまとめ ました。左側がWIPOが出している特許のグラフなんですけれども、これ、絶対数が日本よりもインドのほうが少ない。絶対数としては日本のほうがずっと多くはあるんですが、インドの特徴として、パンデミックの期間中でも特許出願件数がどんどん伸びたというところと、あとはレジデント(居住者)からの出願の割合というのも過去に比べてどんどん増えている、今、半分以上になっているということが見てとれます。右側は、やはりWIPOが出しているGIIのスコアですけども、インドは世界第40位という結果でした。
 次、お願いします。次は政策に関してです。まず、科学技術行政機構に関してですが、インドの行政システムというのは非常に複雑でありまして、例えば省の数だけでも60近くあったりしまして、丁寧に説明するととても複雑なので、ここでは本当にかいつまんで主な組織だけを並べたものを図示しております。この中でも国の科学技術政策について中核的な役割を担っているのは、科学技術庁(Department of Science and Technology)で、通称DSTという組織で、星がついているところであります。こちらのほかにも、ちょっとマークをつけてなくて申し訳ないんですけど、主席科学顧問(PSA)というポジションがございます。こちらは1999年にできたポジションで、首相に対して科学的なアドバイスをする役職なんですけれども、割と最近、2018年にその下に科学技術イノベーション首相諮問委員会というのができまして、PM-STIACと略しておるんですけども、そちらの組織も最近、活動が活発なように見受けられます。DSTの方々も、このPSAやPM-STIACの方と御相談しながらいろいろ進めておられるようにも見受けられます。あと、最近の動きなんですけれども、去年の8月に新しいファンディングエージェンシーとして国家研究財団(通称ANRF)の発足が決定しました。これ、どうやってつくるのかというと、DSTの下にあった科学工学研究委員会(SERB)というものを廃止しまして、この図だと左側のほうに書いていますけども、国家研究財団として設立し直したというところであります。ただ、まだあまり本格的な活動というのは始まっていなくて、今準備が進められていると聞いております。
 次のスライドをお願いします。政府による研究開発投資についてですが、インド中央政府では、独立以来、伝統的に、防衛、宇宙、原子力、農業などの研究分野へ重点的な投資がなされております。
 ちょっと時間の都合もあるので、次、お願いします。主要政策についてですけれども、直近の主要政策としては、2013年に科学技術・イノベーション政策というものが出ています。しかし、これの後継を準備しておられるところで、既に2021年1月にDSTから新たな政策の原案が公表されております。それで今現在は、その正式発表に向けた調整中ということであります。この新たな政策に関しての図の左側のところに目次をお示ししておりますけれども、趣旨としては、「自立したインド」を目指して、インドの急速な成長に対応するということを一番に掲げておりまして、ビジョンとしては、今後10年間にインドを科学超大国のトップ3に位置づける等々が示されておるところです。 では、次、お願いします。次はインドの国際戦略・連携に関してですが、ごく一般的な外交のお話としましては、インドは独立以来、大体1960年代ぐらいまでは非同盟主義ということを非常に強く打ち出しておりました。その後、1971年8月にインド・ソ連平和友好協力条約が締結されました。その後、いろいろございまして、1991年の夏には経済の自由化が始まって、2000年代に大きな経済成長を遂げて以来はインドの「大国志向」というものが指摘されておるところです。そして2009年の6月には初のBRICs首脳会談が開催され、2019年の9月には初のQUAD外相会合が開催されました。こういった流れを見ますと、もはやインドは非同盟主義を維持しているとは言えないというのが一般的な物の見方でございまして、今のこうした流れを見てみると、インドの外交のキーワードとしては「戦略的自律性」ということがよく言われます。どういうことかというと、特定国との同盟に拘束されずに、インドの自立と自主性を戦略的に維持強化しようとする姿勢でありまして、その時々の案件に関する損得だとかを考えて戦略を選び取っていくというような態度を維持していると言われています。科学技術に関してですけれども、2013年の政策では、国際面に関しては大型国際プロジェクトへの参画を奨励ということで、いろいろなプロジェクトへの参画が進められました。また、新たな政策の原案のほうでは、世界的な科学技術ガバナンスにおける存在感発揮ですとか、頭脳還流に基づくエコシステム実現といったことの重要性が強調されているところです。
 次、お願いします。次はSTEM人材の育成・動向についてです。概要なんですけれども、先ほども申したとおり、インドでは第三次産業(サービス産業)が成長を牽引してきました。 IT産業がやはり有名だと思いますが、これは米国グローバル企業からのアウトソーシングにより大きく成長しまして、特に2000年問題の解決でインドIT人材の存在感が急上昇しました。また、先ほど申したとおり生産年齢人口が爆発的に増えておりますので、インド政府としてもこのIT人材の育成ということはやはり念頭にあるようでおられまして、2020年には国家教育政策が34年ぶりに改訂されました。この内容ですけれども、やはり教育課程全体において数学や計算的思考に重点が置かれています。また、コーディングを伴う活動をミドル・ステージ(6年生)から導入するというようなことも盛り込まれておりました。ただ、今度は、労働力は増加しているんですけども、インドでは就業者数が相応には増えていないというところが指摘されていまして、雇用の創出が経済発展の要であると言われます。右側にちょっと書いておるところなんですけれども、インドの失業者数は2022年で約2,290万人に上りまして、顕在失業は2011年から12年以降、特に増加しています。つまり、GDPが増えている時期なのに失業も増えてしまっていると。特に問題だと思われているのが、若年層の失業率が世界平均よりも高いということなんですね。こちらのグラフはILOのレポートから持ってきたものなんですけれども、大卒者の失業率が29.1%、小学校を卒業していない人の失業率が3.2%で、教育を受けた若年層に見合った雇用を創出できていないという状況が指摘されています。
 次、お願いします。そうしますと、やはり教育を受けた若い方というのは外に出ることを考えられると思うんですね。これは、インドからほかの国へ留学する人たちの状況をユネスコのデータを基にまとめました。上位7位までの行き先の国と、あとフランスと日本を加えてグラフにしておるんですけれども、アメリカがやはり過去は圧倒的に人気がありましたが、2017年から減少傾向にあるようです。逆に、カナダ、英国、オーストラリアが2017年から留学生の行き先としては急上昇しております。英語圏の国ですね。ロシアも、やはり友好国でありまして、留学生の数が増えております。一方、日本は、このグラフだと一番下のグレーのところになるんですけれども、増加傾向にはあるんですが、絶対数としては大分少なめかなというふうに見えるところです。
 次、お願いします。後半は、各国・地域のインドとのSTI協力状況についてお話しします。最初は米国についてです。米国は、インドとの間で、二国間合意に基づくセンターとしてインド-米国科学技術フォーラムというものを2000年に設置しまして、両国政府が共同で運営しています。具体的にやっていることとしては結構いろいろあるんですけれども、クリーンエネルギー共同研究開発センターを設立して、クリーンエネルギー関係のプロジェクトを推進していたり、米-印AIイニシアチブに基づいて研究をしていたり、いろいろやっておりますね。あとは、近年の動きですと、「重要新興技術:生活を変革する量子技術とAI」というテーマで公募を実施しておりました。
 次、お願いします。割と最近の政治的なというか、協力枠組みに関してなんですけれども、 2022年の5月に米印首脳会談がありまして、その際に重要・新興技術に関する米印イニシアチブ(通称iCET)というものが発表されました。この対象分野については下に簡単に表にまとめております。この中でSTEM人材に焦点を当てていて、両国の大学間の連携等を推進するということが盛り込まれております。これを受けて、2023年4月に米国の大学協会は米印大学間パートナーシップ拡大タスクフォースというものを設置して活動を開始しています。 次、お願いします。一方で留学生の関連動向なんですけれども、皆様よく御存じだと思いますが、米国における理工系の大学院の留学生の出身国としては、圧倒的にインドと中国が多いと。なので、ある意味これはちょっと問題だという指摘がございまして、国家科学審議会(NSB)からは、STEM人材の獲得において中国とインドに過度に依存しているという指摘がなされています。ですので、低・中所得国からの人材獲得に新たな重点を置くべきという提言もなされておるところです。
 次、お願いします。次はイギリスです。イギリスは、やはり旧宗主国としてインド とのつながりが深く、人材パイプライン開発についても多くの施策が存在します。まず、ここで掲げているのは教育研究イニシアチブというものが2006年から始まっていて、2023年には第四期が始まっております。このイニシアチブの今行われている件の主な内容、三本立てになっていまして、組織的な研究モビリティーのパートナーシップということで、学生や教員の移動を奨励・支援しています。二つ目が女性のためのリーダーシップ開発プログラム、三番目が学部生・修士課程学生のための資金援助という、この3本立てで進められておるところです。
 次、お願いします。あと、2023年4月には英国とインドとの間で「研究とイノベーションに関する覚書」の締結がなされました。これに伴って、直近では、英国-インド・ネットゼロイノベーション・バーチャルセンターの開設ですとか、初の科学的深海調査の開始などについて合意がなされました。また、これと同時に、同じ日に、英国の国際科学パートナーシップ基金のパートナーにインドを選定したということも公表されまして、こちらでは、家畜の研究だとか、AI・機械学習・バイオイメージング等に関する研究への支援等が始まっているところです。
 次、お願いします。ビザとか制度的なお話なんですけれども、英国、御承知かと思 いますが、国際貿易省と教育省が共同で国際教育戦略というものを進めておりますが、2022年7月に英国とインドとの間で学術資格相互承認を推進するという合意が達成されまして、英国の大学を卒業したインド人の学生がインドで大学院に行ったりとか政府機関でキャリアを選択したりできると、そういう資格の相互承認制度が始まりました。また、右側のほうではビザ発給状況について示しておりますが、インドは中国を追い抜いて英国の学生ビザ発給でトップとなっておる時期がありました。これ、インドが上になったり、中国が上になったり、ちょっと順位が変わることもあるんですけれども、2022年分ではインドは追い抜いていたと。こうした優秀な人材を呼び寄せるためにイギリスという国はいろんなビザを用意しておりまして、特にインドに関してはインド若手専門家制度ビザというものも用意しておるところです。
 次、お願いします。次はドイツに関してです。ドイツは二国間合意に基づくセンターとしてインド-ドイツ科学技術センターというものを2010年に設置しまして、ドイツ教育研究省とインドDSTが共同で運営しています。これは、科学技術協力強化に加えて、官民間のパートナーシップ推進だとか、若手・中堅の科学者・技術者間での交流促進を進めています。この共同研究プロジェクトでは、ちょっと面白いなと思ったんですけれども、必ず学術機関にプラスしてそれぞれの国の企業が参画するということをモデルとしているプロジェクトが進められていまして、このプロジェクトでは、2024年には「持続可能性のためのAI」というテーマで公募が実施されていました。
 次、お願いします。ドイツ人材交流に関してですが、ドイツは、独印戦略的パート ナーシップ共同声明というのが2013年に出ていまして、これに基づいて各種フェローシップによる大学間人材交流などが行われています。ただ、これは別にドイツがインドに対して特別やっているというわけでもなく、ドイツはパートナーシップを結んでいる国に対してどの国とも同じような枠組みで進めておるところだそうです。それで特段に施策を実施したわけではないんですけれども、インド人学生数というのが爆発的に増えておりまして、 2023年にはインドは中国を追い抜いて留学生の出身国として最多であったということです。
 次、お願いします。次はフランスです。フランスも結構歴史があるんですけれども、1987年に二国間合意に基づく科学技術センターとしてインド-フランス先進研究促進センターというものを設置しまして、これはフランスの外務・国際開発省とインドのDSTが共同で運営しています。2024年にもいろいろな分野の研究領域においてプロジェクト支援が行われていました。
 次、お願いします。STEM人材関連についてですけども、近年、フランス政府というのは外国からの人材獲得に努めておるんですが、特にインドに限定して何か特段に施策を打っているという状況は見当たりませんでした。にもかかわらず、やはりインドの方というのは増えていまして、長期滞在ビザで働く外国籍研究者に占めるインド人の割合は2021年で13%もありましたので、やはりフランスにおいてインドの研究者というのは一定の地位を築いているものと見受けられます。
 次、お願いします。次はEUです。EUは国とは違いますので、国として何か人を受け入れるというような政策は打っていないんですけれども、近年、STI関連分野においてもインドと協力関係を強化しておるところで、2005年にパートナーシップを締結したんですが、それに基づいてEU-インド戦略パートナーシップに基づく国際協力ロードマップというものを 2020年に発表しています。この中でも研究開発に関して多く取組が盛り込まれています。下の表に簡単にまとめております。
 次、お願いします。また、貿易技術に関する調整プラットフォームが2023年に新しく設置されましたが、これはEU-インド貿易技術評議会というものです。これを設置しまして、特に連携するような分野としては、量子だとか、ハイパフォーマンスコンピューティング、人工知能、半導体といった分野において連携していこうということが盛り込まれております。
 次、お願いします。最後は日本です。日本は1985年に日印科学技術協力協定が締結されて、これに基づいて協力合同委員会がこれまで10回開催されているところです。近年の協力例なんですけれども、四角で囲ってあるところですが、JSTがやっておるんですが、日印大学等フォーラムというものを開催しておりまして、交流基盤の形成を目的としております。第三回を2024年の10月にデリーで開催する予定です。
 次、お願いします。主な協力プログラムをまとめてみました。こちらに示したとおりです。
 次、お願いします。まとめですけれども、インドの研究開発パフォーマンス は大きく向上しておるんですが、国全体の規模を考えたときの指標としてまだ低い水準というものがございます。STI政策面では、新たな主要政策の正式発表ですとか、新たなファンディングエージェンシーの本格稼働に向けた準備が進められておるところです。
 長くなりました。以上でございます。御清聴ありがとうございました。
【菅野主査】 ありがとうございました。 それでは、ただいまの葉山フェローからの説明に関して、質問、御意見、お願いしたいと思います。
【狩野主査代理】 以前、外務省の大臣次席科学技術顧問の仕事をしておりまして、そのときにインドに訪問させていただきました。その際に首相科学技術顧問もお会いしましたし、それからICMRも行ったりとか、IITも見学させていただいたりいたしました。それを通じた私見として、「これから」「可能性」が存在する国だと思うんです。他方、我が国だと「確率」した状態が好きな場合が多くて、この「これから」との両立をどうするかというところが非常に、もし今後進めていこうとするといろいろ検討を要するんだろうなと思っております。それを政策としてやろうとしたらどういうことかなというのを今のをお伺いしながら思っておりました。
 一つ目に、交流を増やすということであるとすれば、例えば若い方々が行き来してくださるように背中を押すということなのかなと思うんですけども、先方からこっちに来ていただこうとする場合に、先方の社会が是としておられるように見受ける個人主義的なものというのは、比較的ヨーロッパの方向に相同性が高くて、言葉もインド・ヨーロッパ語族ですから近くて、そうすると、日本の方角に向けた魅力を感じる機会は、作ろうとするなら頑張って作る必要があるということは向こうで思っておりました。それをどのように具体化するのかということが一つ目に考え得るかなと思っておりました。
 次に、日本からの人たちはどうかというと、日本の体制は、さっき申し上げたように、どっちかというと、思い通りでない展開を心配して良い可能性も取りに行かない人が多いという状況があると思います。けれども、日本人の学生が行って、向こうのIITの出店を楽しそうにやっている姿も見たりしました。そうすると日本の中にはそういうことが好きそうな人も多分いるんですね。
【葉山フェロー】 はい。
【狩野主査代理】 もしかすると若い世代に多いのかもしれません。分かりませんけども。そういう人たちに元気を持って行ってもらうためにどんな方策が立てられるのかなという ことが多分考え得るところかなと思ったところです。これと先ほどのSDGsの研究の話も似ていて、結局、「これから」「可能性」があるところに行きたいと思う人たちをどうやって元気にするかということと全部通底するかなと思ったので、そういう質問にしてみました。お願いいたします。
【葉山フェロー】 ありがとうございます。
 非常に難しいところで、解決策については皆様に御議論いただきながらそのうち見えてくるんだと思うんですが、まず、日本側に人を呼ぶためのことなんですけれども、やはり正直なところ、インドでトップ・オブ・トップというような人々はアメリカだとかヨーロッパとかに流れていくところもあるかと思います。ただ、インドは先ほど申したとおり非常に人口がたくさんあって、優秀な人たちがたくさんおりますので、一番の上ではなくても、かなり優秀な人たちを日本に呼んでくるのがよろしいんだろうと思うんですね。 アピールポイント、そうですね、やっぱり新興国なので技術ということに対してすごく憧れ――憧れと言うとちょっと言葉が適切じゃないかもしれませんけれども、未来をつくっていく、そのために新しい技術が有効だということはすごく浸透しておると思うので、日本はその辺が強いんだよということを打ち出すのが一つ。あとは、安全な国だというのも一つアピールポイントになるかなと思っておるんですね。特に女の子を呼びたいということですと、御家庭で心配されるところも多いと思うので、それはもう全然違う国ですから、どこでも娘さんを外国にやるというのは御心配かもしれないんですけれども、日本はすごく安全に勉強ができる国だというのはアピールポイントになってくるんじゃないかなと思っておるところです。 日本から人に行ってもらうというのはさらにハードルが高いというか、お互い、まだインドと日本ってよく知らないところがあるように思われるんですね。なので、先ほどおっしゃっていたように、IITで活躍されている、生き生き活躍されているような若い方をちょっと取材して広報的にお見せするとかいう辺りでしょうか。すぐに思いつくのはその辺でした。
【狩野主査代理】 こちらで国際頭脳循環という大枠でよく話をするわけですけども、そのとき一生懸命魅力のことを申し上げてみるんですが、今回、いい例だったので、その具体についてちょっと語ってみたという、そういう発想でした。
【葉山フェロー】 ありがとうございます。
【狩野主査代理】 低いがないと、人も水も流れないと思うんですね。そういう意味で、 「魅力」それをどういうふうに上手に設定するかということを考えていかなきゃいけないなと思っておりましたので。
【葉山フェロー】 すみません、言いそびれました。あともう一つ、日本側に人を呼んでくる話なんですけれども、先ほど申したとおり、インドの国内では雇用がなかなかないというところがあるので、じゃあ、外国に行って外国で働けるのかというのが問題になってくると思うんですね。なので、日本の社会の中でもちゃんと企業で働ける状況になっているんだよということは見せないと、なかなかいい人が来づらいかなと。恐らく、今どきもうアジアの若い方々というのは、ずっとその国で暮らそうとは思っていないんじゃないかと思うんですね。ほかの国にステップアップしていく。一方で、日本の企業というのはずっと同じ方にいていただくということを前提にしちゃっているところもあると思うので、その辺のすり合わせもうまく調整した上で、日本で働けば先々いろいろございますよというようなことをお見せできるといいかなと思います。
【狩野主査代理】 今のお話を伺って、もう一つ、人材政策課でやっていることで 博士人材のキャリアパスを増やすということがあるんですが、似たような話で、留学生の方々の日本国内において就職のお手伝いというか、支援というか、こういうところであれば、日本がそこまでじゃなくてもウエルカムで能力を生かせますとか、結果として日本の社会を気に入ってくれば働き場所ありますよという情報をうまく周知するような取組というの もあってもいいかなと思ったりしておりました。あんまりインドと直接関係なかったんですけど、申し上げてみました。
【葉山フェロー】 ありがとうございます。
【狩野主査代理】 以上です。
【菅野主査】 ありがとうございます。我々、「頭脳循環」というキーワードで議論していますけれども、先ほど出てきたワードは「頭脳還流」なんですね。
【葉山フェロー】 そうですね、はい。
【狩野主査代理】 確かに、日本の政策だと循環……。
【葉山フェロー】 ちょっと出ていく一方だというのは、政府の側ではちょっと問題で、各国に散らばっている優秀な人たちをインドのためにうまく呼び寄せて働いてもらおうというお気持ちがあるようでした。
【菅野主査】 だから、我々は頭脳循環と考えているのを、向こうの立場に立つと頭脳還流という……。
【葉山フェロー】 政府の立場に立つとそうですね。
【菅野主査】 キーワードで捉えている。それを踏まえて我々は考えないといけないということをちょっと強く感じました。
【葉山フェロー】 はい。
【菅野主査】 ほかにいかがでしょうか。飯塚先生、お願いいたします。
【飯塚委員】 ありがとうございました。発表、大変参考、侃侃諤諤聞かせていただきました。
 それと、さっきの狩野先生の質問等とちょっと関わってくるんですが、いろいろな形でインドの留学生がいろんな国で増えているということがよく分かったんですが、その方たちはどうやってそちらの国に行っているのか。要するに、スカラシップとかそういった観点の情報というのは分かりますでしょうか。
 あと、そういった形で学位を収めた方というのは、仕事が得られるとか、あと御家族の方を連れてこられるとかいう、そういったビザの仕組み、こちらがどういうふうに整備されているのかということも、多分先ほどおっしゃられたように、仕事ということと留学先を関連づけて考えていらっしゃる方々というのは考えると思うんですね。ですので、今増えていると言われているアメリカなり、それからイギリスなり、いろんなところでのそういった状況というのはどういうふうになっているのか。例えば、その際に、全部の留学生ではなく、理科系の方にはこういうのとか、こういうエリアの人にはこういう措置をしていますというようなセレクティブなポリシーというのは図られているのか、その辺のことをもし御存じであれば教えていただきたいなと思っております。よろしくお願いいたします。
【葉山フェロー】 御質問どうもありがとうございます。御指摘くださった点、非常に重要だと思われるんですけれども、今回、私ども、まだそこまで調査が十分に及んでいないというのが正直なところでございまして、イギリスやドイツに関してはフェローシップの制度があるということを調べた程度にとどまっておりますので、各国に行かれているインドの学生さんのうち、どれだけの人がフェローシップをもらっているのかとか、そういった状況についてはまだ調べがついていないところであります。これはインドの政策を調べれば分かるものではなくて、逆に各国の教育白書とかそういったものを詳しく調べて分かれば分かるかもしれないというところで、ちょっと今後、注意して見てまいりたいと思います。
 あと、ビザ関連のことについてなんですけども、これもなかなかはっきり体系的にまだ調 査が進んでいないところでして、ぱっと調べた範囲では、やはりイギリスですね。先ほど申したインド若手専門家制度ビザというのがあって、そちらでそれなりに優秀な方をセレクトして人を入れているという動きはございました。ほかの国に関して、優秀な人だと特別いいビザがもらえるという仕組みがあるかどうかは、まだ完全には調べがついていないとこ ろです。
【飯塚委員】 ビザの件でもう一つ、多分重要だと思われるのは御家族だと思います。御家族を連れてこれるかどうか。1回、たしかインドの家族を連れてこれないといったビザになった、それが廃止されて留学生が減ったということがイギリスであったと思うんですね。
【葉山フェロー】 ありました。
【飯塚委員】 過去に1回。もし例えば日本がそういった優秀な人材の方に来ていただいて、それでその後、就業していただくということも考えるのであれば、ビザとか家族の方を連れてこれるのかとか、そういうこともすごく重要になってくるのではないかと思うんですが、その辺りのことが分かると参考になるのではないかと思いました。 以上です。
【葉山フェロー】 ありがとうございます。そうですね、確かにおっしゃるとおり、イギリスでは、インドに限らないんですけれども、英国への移住者数抑制のための施策というのが2024年から、今年から行われていまして、最低年収基準の引上げとかやっていますので、あと扶養家族を伴ってはいけないとかいろいろありますので、その辺、恐らく大きい問題だと思います。 日本に関してなんですけれども、ちょっと単に調べてまとめたというだけですが、こちらの今回お配りした資料の一番最後のページに、日本における出入国在留管理上の優遇制度というものをJ-SkipとJ-Findでしょうか、これを取りあえず貼りつけたというぐらいで恐縮なんですけれども、こういう制度はありますが、これが本当に有効かとか、そういった辺りは、今後、皆様のほうで検討されていくのかなと思います。 海外の状況については引き続き注意して、もう少し丁寧に調べてまいりたいです。ありがとうございます。
【菅野主査】 ありがとうございました。 大分時間が過ぎていますので、もし質問がありましたら、また後ほど議論の時間にお願いしたいと思います。
 それでは、続いて、資料2-1のこれまでの議論の整理及び資料2-2のG7科学技術大臣コミュニケの概要について、事務局より説明をお願いいたします。
【倉田参事官】 それでは、資料2-1に基づきまして御説明させていただきます。
 これまで、5月9日、5月30日と2回ほど御議論いただきまして、いただいた御意見等を こちらのほうに簡単にまとめさせていただいているものでございます。 まず、2021年3月に策定されました第6期科学技術・イノベーション基本計画策定時からの変化ということで、特にAI・量子をはじめとしました先端技術の著しい進展、そしてやはり地政学的な変化というところの二点を挙げさせていただいております。
 このような変化を踏まえて、「検討にあたっての背景」ともつながりますが、まず、原則的には、やはり開かれた研究環境の中で、研究者の方々が国際的に連携して、そして自由な発想に基づく研究を通じながら科学が発展してきた、これはもう変わらない前提としてございますが、その中で、特に、まずはコロナ禍を踏まえて、非常に日本に対しての期待、地政学的な変化も背景にありますが、やはりそういう国際連携について日本に対する期待も高まっておりまして、コロナ禍で一旦減少傾向にありました国際交流をもう一度再起動させると、そういったことが期待されている非常によいタイミングでもあり、このタイミングを逃してしまうと非常に厳しい状況にもなってしまうと。 また、もう一つの大前提としまして、やはり国際連携といいますのは研究力、いろいろなところで課題として指摘されています研究力の向上ですとか、あるいは科学全体の発展にもちろん資するものでございますし、あるいはビジネスですね、マーケット、そういったグローバル化の観点からも非常に重要であるということで、国際連携自体が目的といいますか、国際連携をやはりレバレッジをこういったことに利かせていくということで非常に重要性が高まっているということでございます。 こういったことがある中で、G7、あるいはOECDなどで、そういう開かれた研究環境というのが大前提であるものの、それを逆に不当に利用して技術流出等につながるリスクというものが非常に認識されることが増えてきておりまして、これまでも研究インテグリティということについては数年前から議論もあり、いろんな取組を大学等でもしていただいているところですが、さらにここに研究セキュリティの確保というものが非常に求められるようになってきているということでございます。 そういった中で、繰り返しではございますが、そういう国際的な共通の価値観に基づいて信頼できる開かれた研究環境の確保、こういったことが重要になっているというところを背景として挙げさせていただきました。
 こういった第6期科学技術・イノベーション基本計画策定時からの変化ですとか背景を踏まえて、今後、じゃあ国際連携、国際頭脳循環をどういうふうにしていくべきかというところでの、具体策といいますか、まずはこの認識という観点からの方向性として幾つか挙げさせていただいておりまして、また繰り返しにはなりますが、まず大前提としては開放性、そして開かれた研究環境と。ここについてはもう揺るぎない国際的な共通認識であるといったことを大前提とした上で、やはりそこを逆に制限することなく研究力を向上していかなくてはいけないということを書かせていただいております。そういった中で、先ほども話題ございましたが、SDGsの達成、そういった地球課題の解決にも資するような国際連携の重要性ですとか、あるいは、1つ飛びまして、先ほどもございましたように、インドですとかASEAN、そういった地政学的にも重要な地域等も含めた、今までの先進国だけではなく、そういった地域との連携の強化の重要性も高まっているということを挙げさせていただいております。
 また、(2)といたしまして、そういう中で、やはりインテグリティ・セキュリティの確保ということで挙げさせていただいておりますが、これもまた一つ目は繰り返しになりますけれども、まず、連携をするに当たっては、学問の自由・独立性・開放性、そして互恵性・透明性、そういった共通の価値観というものが双方に確認されている、そういったところがまずは必要であると。そういった観点から、やはり開かれた研究環境を不当に利用したリスクというものがありますので、これまで以上にそういったことについての対応が求められてきているということで、研究インテグリティに関しましては政府の方針が令和3年に出ておりますが、引き続きそれを徹底するということ。
 一方で、研究セキュリティのほうにつきましては、これまで以上にそのリスクへのことが懸念されておりますので、今後、日本の研究者の方々が海外の主要国、G7等の同志国、同盟国と連携するに当たって、海外でもやはりセキュリティの取組は進んでおりますので、同等の取組が求められていくことが今後想定されるということでございます。また、もちろん国内でも経済安全保障上重要な分野の特定といった議論も始まっておりますので、そういった分野での情報や技術の保全ということがこれまで以上に求められていくということでございまして、そういったことを考えますと、やはり政府のほうでは、研究コミュニティの皆様ともそういった取組について、今後、具体的にどうしていくのかといったところについて検討する必要があるということで、これまでいただいた御意見をこういった形で列記させていただいておりますが、本日は、こういったことについて、さらにこれを具体的にどういう形で実行していくべきか、あるいはさらに留意するべきことがあるかといった点につきまして、ぜひ引き続き御意見をいただければと考えてございます。
 また、本日いただきました御意見を踏まえまして、次回、これをもう少し肉づけといいますか、より具体的な取組も示させていただいた上で、一旦、中間的な取りまとめという形をさせていただきつつ、引き続き、年内また、こういう具体的な事例も含めて御議論をさせて いただければと思ってございますが、本日はこういった2枚紙程度でございますが、ぜひこういった論点につきまして引き続き御意見をいただければと存じます。
 ちょっと説明が行ったり来たりでございますが、G7におけます議論ということで、2-2で簡単に御紹介をさせていただければと思いますが、本年の7月10日からイタリアのボローニャでG7の科学技術大臣会合というのが行われまして、日本から高市大臣が御出席されております。 その中でも、一ポツ目に研究セキュリティ・インテグリティということが大臣コミュニケにも記されておりまして、やはり潜在的に外国からの干渉のリスクがあることについてより大きな認識が求められるべきことが強調されているということでございますので、G7各国ともこのリスクに対してどう向き合うかというところについて認識を再確認し、そして、現在もそういう情報共有するバーチャルアカデミーという取組もございますが、そういったものですとか、本件についてより詳しく議論する会議などの開催もここでも記載されておりまして、引き続きG7の中でも議論されていく見込みではございますが、そういったことも留意をしながら、我が国としてもじゃあどうしていくのかというところを、ぜひ今後、この会議でも議論を続けさせていただければと思ってございます。 事務局からは以上でございます。
【菅野主査】 ありがとうございました。 それでは、ただいまの説明を踏まえて、御意見、御質問いただけますでしょうか。
【狩野主査代理】 では、また口火を切ります。
 私、思いますに、技術もそうだと思いますが、科学は特に「思っていたのと違う」「驚き」がスタートだと思います。「驚き」のもとは「違い」ですよね。そういう意味で、やっぱり国際というのはその源として極めて重要なところだと思っております。したがって、これを阻害しないことが大事だと思います。ただ、驚きって、いい驚きもありますけど、悪い驚きもあって、悪い驚きのほうを何とか減らしたいと。特に社会に対する影響という意味ではなるべく減らしたいということで、セキュリティあるいはインテグリティの議論が出てきていると思っております。 それゆえ、これ、どうしてもアカデミアの側からすると、政治・行政の皆様から止める側の話をいっぱいされて、どうしようかというところが多いんだと思いますけど、驚きをもって前に進んでいきたい人たちとしては、じゃあ、その中で自分の身を守るにはどうしたらい いんだろうかとか、それから全体としてうまくいくにはどうしたらいいんだろうかという、そういうことの発話が多分より必要なんだろうと思うところでして、ぜひ何かそういう表現を探していきたいような気はしております。 今の話が多分セキュリティに関係するところで、個々人も気をつける必要があるんですけど、どうしても政治・行政とのお付き合いという意味では「組織」側も何かしなきゃいけなくなっていて、その組織で余分な仕事はなるべく増えないけど、ぎりぎりうまくいくような方法というのを探っていく必要があるだろうと思います。この委員会だけでできるか分かりませんが、必要があるかなと思っております。ぜひお願いいたします。
 それから、さっきの驚きのもととして、やっぱりそういう意味では、例えば留学に来る 方々あるいはこっちが行く先というのも、一様でないほうが本当はいいわけですよね。インドも含めて、ASEANも含めてですけど。そういう多様の源になるような人の交流というのを起こすにはどうしたらいいだろうかということをやっぱり考えるわけです。その意味でも、先ほど申し上げたように、「これから」「可能性」を求めたい人たちの背中を押すような仕組みをぜひ、国際担当だから言えるという感じで、国内のみだと分かりにくいときがあるので、国際だと分かりやすいときがあると思いまして、それを進めていけるといいなと思っております。共同研究もしかりです、 という意見です。
【菅野主査】 ありがとうございます。 ほかにいかがでしょうか。石原先生、よろしくお願いいたします。
【石原委員】 「検討にあたっての背景」等についてなんですけれども、ちょっと現場の感覚としては、大きな変化としてはやはり最近の円高ですね、これが意外と海外に行き来するときの阻害になってきているなというのをちょっと感じ始めていまして、留学のほうも、もちろん向こうからお金を持ってくる方はいいかもしれないんですが、日本の学生が外に出るときに、現在の円安もそうなんですけども、この先もっと悪くなっていくんじゃないかと、そういう何かリスク感みたいなのがちょっと内向きのマインドをさらにつくっちゃっているかなというのを感じますし、あとは、海外からよい人材を呼び込もうとしますとどうしても、短期でこちらに来てくれる方は増えてはいるんですけれども、よいプロフェッサークラス、かなりの成果を上げられた方とかをリーダーとして呼び込もうとするとすごい大きなハードルになっていまして、これをどうすればいいかというのはちょっと私も難しいんですが、そういうリスクをとにかく減らせるような、もうちょっと柔軟なやり方とかそういったものが出てくるといいなという気持ちがあります。 以上です。
【菅野主査】 ありがとうございます。そのとおりで、大変重要ですね。それじゃ、松本先生。
【松本委員】 松本です。研究セキュリティに関してこれまでも議論出ていましたけども、結局、どの程度までやらなきゃいけないのか、どこまでやったら外国との付き合いが途絶え ずにちゃんと継続できるのかというのが、まだちょっとよく見えないですよね。本気でやろうとして各大学に例えばそういうセクションをつくるとなると、これまでの議論にもありましたけど、予算的にやっぱり厳しい。人を新たに独自に大学単独で雇うのは厳しいし、それをやれる人材がいるかという問題もある。なので、ある程度ここは、例えば文科省なり、 JSTとかJSPSか、分からないけど、そういったところがある程度方向性をはっきり出して、そういう人たちを、今大学にいるURAに対しての教育の場面をつくるのでもいいし、どうしても本当に大学にそれぞれ置かなきゃいけないとなったら、ある程度概算要求をそこを優先してつけるとか、何かそういったちょっと思い切ったことをやらないといけないかなと。だから、みんな漠然とセキュリティはちゃんと担保しなきゃいけないなというのは分かっているけど、現時点では各国がどれぐらいまで対応するかというのはまだ始まったところだと思いますし、その様子を見ながら、日本としてどうするのかというのを明確に、ともすれば文科省に限らず、「各大学さん、ちゃんとやってくださいね」で終わってしまうケースが多いと思うので、そうではなく、もうちょっと国際的な関係をつくるという意味ではリードした議論を国にしてもらいたいというふうには個人的には思います。 以上です。
【菅野主査】 ありがとうございます。具体的にどうするかというのは大変重要な課題で、予算が関係しますし、人の意識も関係しますので、そこをどのように方向を示して運用して いくか、大変重要であるという改めての御指摘かと思います。 ほかに。
【蟹江教授】 ありがとうございます。先ほど、SDGsの関係でいろんな仕組みというか、委員会等あると申し上げたんですけども、例えば今ですと、Technology Facilitation Mechanismの10人委員会に小谷先生が入っていらっしゃって、去年まで私も GSDRのところに入ったりしていたんですが、国際戦略委員会などで一言申し上げさせていただくと、やっぱりそういった方をサポートする体制をしっかり取っていただくというのが大事だと思います。決してこれ、1人でできることではないので、少しバックアップするチームであるとか、私もGSDRのときいろいろ相談したんですが、パンデミックの最中ということもあって、結局、最終的に1人で、あとほかのことをやっているうちの特任教員にサポートしてもらってというふうにやっていたんですね。ただ、ほかのところでかなり戦略的にやっているところは、特にヨーロッパの国々とか、あとオーストラリアとかは、個別に人を 1人なり何人かつけたりとかというふうにやっていて、そうするとやっぱりこちらもそっちに頼らざるを得なくて、そうするとそっちに知識のストックができてきて、彼らは論文を書いて、我々もやっているんだけど、結局、後ろについて書くという形になっていったりして、非常にもったいない機会だなと思いました。10人委員会に関しても、私、一緒にやっているJoyeeta Guptaさんという、今、コチェアやられていますけれども、彼女なんかはやっぱりオランダ政府がかなりバックアップしてくれる。国連からお金が出ないんだけれども、オランダ政府がサポートしていろんな会議に行ったりとか、リサーチをサポートする人たちがいるとか言っていたので、そこの差は実はすごく大きく出てくると思いますので、せっかく機会をつかむようなことがあったら、ぜひサポートをしっかりしていただきたいなと思います。
【菅野主査】 ありがとうございます。今回の資料にも多分どこかあったと思いますけれども、研究者の数に比べてサポートの人数の割合が少ない、日本は特に少ないという指摘がありました。どの分野でも同じかと思いますけれども、事あるたびに我々としては指摘する必要があるということで、どうもありがとうございます。
【狩野主査代理】 今の、ちょっと一言だけエコーさせていただくと、極めてそう思います。例えば国際会議に代表で行った場合に、1人で行くとか、チームで行ったとしても専門の似ている人のチームだけですと、本来、そこで起きている議論にデータを加えて反論しないと西洋社会では認めてもらいにくいわけですけど、そのデータを自分で持ち合わせていないときにそのことは調べられないですよねというようなことも含めて、ぜひそういうバックアップチームが欲しいなと思うことはたくさんあるということ、エコーいたします。失礼しました。
【菅野主査】 ありがとうございます。 それでは、次、飯塚先生、よろしくお願いします。
【飯塚委員】 第6期科学技術・イノベーション基本計画の話にちょっと戻るんですが、最近、ドイツの学者たちがTechnological sovereigntyという言葉を使い始めているんですが、これ、どういう意味かというと、国家が自国の福祉にとって重要とみなされる技術を提供する能力、自分が能力を持っている及び一方的な構造依存なしにそれらを開発したり、ほかのキー材料費から調達する能力という、それが今後重要になるであろうと言われていて、それって多分、構造的依存なしにというところは、国際的相互依存または国際的な人のやり取りとかそういうことを進めていくことで達成できるのではないかと思いますので、そういう関係性をつくるということも一つの技術主権を守るための国の戦略として考えられるという考え方があるので、そういったことも入れてももしかしたらいいのではないかなと思いまして申し上げました。 以上です。
【菅野主査】 ありがとうございます。小川先生、よろしくお願いします。
【小川委員】 ありがとうございます。第7期科学技術・イノベーション基本計画の前に SDGsのところで一言なんですけれども、先ほどの御説明の中で、ヨーロッパはすぐれて経済政策と結びつけて考えていると、ルール形成なども含めて考えているというお話があったと思って、そこが非常に重要だと思っています。SDGs策定当時、正直、日本の産業界はルール策定前にあまりきちんと関われていなかったと思っていまして、SDGsの内容あるいはポストSDGsの内容については、日本の競争力、要するに日本が持っている技術とか日本の産業界が提供できるものがいかに役に立つか、それがまた日本の経済成長につながるかというところは、無視できないと思っています。「金もうけのためにはやるけれど」という御発言も先ほどありましたけれども、ボランティア、フィランソロピーの範囲で日本の企業がSDGsに対してできることは限られていまして、それでは大きなインパクトは持ち得ないと思っています。今、経団連の代表的な企業、少なくともグローバルに展開しているような主要な企業の間では、SDGsというのは経営計画の中にしっかり織り込まれていまして、対外的に説明するときにも、自分たちの本業がどのようにSDGsに貢献するかということで説明するということはある程度当然なことになりつつあると思います。ただ、今の状態は、あらかじめ外で決まってしまったルールに自分たちの本業を一生懸命当てはめようとしているという状態になっているんですけれども、この先、新しい目標をつくっていくときには、自分たちの本業が貢献しやすいような形にルール設定をしていくというところも能動的にやっていかなければならないと思っています。ですので、これから先のポストSDGsの議論の際には、ぜひ研究者の方々、政府の方々に加えまして、産業界の視点も加えて国際的な交渉に臨んでいただきたいということが1つです。
 それから、第7期科学技術・イノベーション基本計画のほうなんですけれども、背景にある変化の一つとして、この委員会の議論でも出ていたと思うんですが、やはり人材不足、人口減少に伴う人材不足というのはますます顕著になってきているということを最近実感しています。ありとあらゆる分野で新しい課題に対処するために人材が必要という議論になるんですけれども、日本人の人材はどんどん減っていきますので、そこは取り合いになるだろうと思っています。既に確保が難しいというお話を様々な分野で聞きます。外国から来ていただくにしても、やはりそこはほかの国との獲得競争ということがあると思いますので、日本の人口減少と、それから人材獲得競争の激化というのは、一つ最近の大きな変化としては踏まえるべきかと思っています。
 それから、国際頭脳循環のところですが、毎回、恐らくもっと循環させるべきという議論はもう何年もしてきていると思います。それで、ビザのお話がありましたけれども、少なくとも日本に来ていただく高度人材に関しましては、大学卒業程度の方々に関しましては、相当開かれていると認識しています。家族の帯同も含めて相当自由に来ていただけるようになっているので、制度の問題というよりはやはりそれ以外のところに問題があるだろうと思います。また、日本人が行くことに関しても、日本人が行く際にそんなにビザの取得が問題になるような国というのはあまりないと思いますので、やはりそれ以外のところに原因があると思います。ただ「行け、行け」と掛け声だけかけていてもなかなか行かないと思っていて、先ほどインドの人材の議論のときにキャリアのお話が出てきました。その後の雇用に結びつくかどうかとか、そこ、非常に重要だと思っていまして、例えば日本の企業の中で、一頃、非常に企業からの海外留学が増えた時期がありましたけれども、結局、今それほどでもないというか、少し落ちてしまったのは、帰ってきてからその人材がうまく生きないんですね。外国で学んできたことがうまく生かせなくて、それがその企業でのキャリアアップにうまくつながらないということだと、やっぱり行くインセンティブがなくなってしまいます。
 例えば、ずっと国内にいて一生懸命その会社のために働いていたほうが出世が早いとかということになると、やっぱり皆さん海外に行くのはためらってしまうと思います。それは研究者についても同じではないかなと私は想像していまして、やはり海外経験ですとか留学に限らずですけれども、例えば海外の学会に積極的に参加するとか、そういうことがしっかり評価されてキャリアアップにつながるということが見えないと、なかなかそういう方が増えないのかなと思います。
 同じように、来ていただく方に関しても、日本の大学、日本の研究所に来ることによって、その後のキャリアアップにどうつながるか、キャリアアップにつながるような実績が積めるかどうかということが見えているということが重要なのかなと思います。キャリアは必ずしもアカデミアの中だけで完結するとは限りませんので、例えばその後、日本の企業に就職できるかというところについては、日本の企業も努力していかなくてはいけないと思いますし、その部分は実は海外の人材をいきなり海外から連れてきて雇用するのって相当ハードルが高くて、今、日本の企業で海外から人材を採ってきたいところは、相当程度、留学生に注目していると聞いたことがあります。なので、海外からの留学生が日本の企業に就職する道というのは、ポテンシャルとしてはかなりあるんだろうと思っています。 出ていくほうにしても、入ってくるほうにしても、そうしたアカデミアと産業界との間の往来も含めたキャリアがもう少し見えるようになるようにしていくと、評価ですとかキャリアアップというところが対応できると、もう少し数として増えていくのかなと感じました。 長くなりましたが、以上です。
【菅野主査】 ありがとうございます。SDGsに関して社会の後押しが必要だというのを、先ほど議論ありましたけれども、社会というのは企業を含めることによってより強みを出せるのではないかという御指摘かと思います。あと、これも頭脳還流ということを日本も考えて出さないといけないということですね。ありがとうございます。 それでは、次、鈴木先生、お願いできますでしょうか。
【鈴木委員】 日立製作所の鈴木です。今、小川委員がおっしゃっていただいたこととかなりかぶってきてしまうんですが、簡潔に意見を述べさせていただきます。
 まず、蟹江先生のお話、まさに本当にサポート体制がないというか、層が薄いといいますか、それは本当に私も実感していまして、このSDGsの問題、今、社内にプラネタリーバウンダリープロジェクトというのをつくって、あとウェルビーイングプロジェクトというのもありまして、プラネタリー・バウンダリーとウエルビーイングをいかに両立していくかというところに取り組んでいるんですけれども、エキスパートにインタビューをしようとしても、やはり国内ですといつも大体もう顔が浮かんでくるといいますか、いつもこの先生とこの先生というふうになってしまいますと。一方で、特に欧州に目を向けると、かなりエコシステムになっていたり、層が厚いなというところを思います。なので、やはりそこはちゃんとエコシステムをつくっていかなければいけないだろうと思います。 その中に、アカデミアだけじゃなくて、やはり企業、産業界も入るべきだと思っています。一企業である日立が何でそんなことを研究しているんだというと、例えば、Johan Rockström博士などとコミュニケーションして、先に、サイエンスベースでどういうリスクがあるか、地球がどんなふうになってしまうか、経済の基盤の地球がどういうふうになってしまうかみたいなことを知っておくことは、事業を進めるに当たってもリスクを未然に防ぐ、回避するという意味で重要ですし、あるいは課題というのは裏返せば事業機会になりますので、そういったところを人よりも早く先行して気づくということは非常に大事だと。そういうモチベーションもあってやっているわけですけれども、やはり非常に層が薄いというところは実感しているところですので、そこをいかに膨らませていくかというのは、課題意識としてはおっしゃるとおりだなと思います。
 もう一つ、第7期科学技術・イノベーション基本計画のほうのお話なんですけれども、これも小川委員のおっしゃったことと本当にかぶってしまうんですが、今、人的アセットが非常に不足しているというところに企業は直面しているというところで、特に理系の人材というものが少ない。社会として理系人材を圧倒的に求めているにもかかわらず、例えば国内の大学も、ざっくり言うと、男性で3割、女性に至っては1割ぐらいしか理系に行かない。一方で、いわゆるホワイトカラー的な人材は余っていると。ですが、人材を輩出する大学の学部の構成ですとか、そういったものは変わっていない。じゃあ、それをそのままで海外との連携でそこを埋めていけばいいかというと、それはそれだけじゃ駄目だと思います。大学のカリキュラムですとか学部・学科の再編みたいなものもちゃんと見直しを国が主導でやるべきだとは思いますけれども、やはり時間がかかることだと思いますので、そこはやはり国際連携でちゃんと必要な研究の体制・教育の体制を国内に構築するというのは非常に重要だなと思います。
 特に女性の比率が少ないというところで、先ほどのインドのお話で、男性と女性の比率が 分かるともっと具体的にアクションが考えられたりするのかなと思ったところであります。ちなみに、弊社では、AI関係の研究センターのセンター長はインド系の人材ですし、インドのラボではデジタル系のエンジニアリング、そのラボ長といいますか、ダイレクターはインドの方になっています。やはり普通に升が多くて、高度な人材というのを求めていったらそういう形になったという形なので、もうその流れは必然的な流れにもなりつつあるのかな と思います。国内に人材がいない、海外には一方でいるというということです。なので、そういうことが、国内の特定分野の人材不足というところにもぜひ前提として触れるべきではないかと思いました。 以上になります。
【菅野主査】 ありがとうございます。ジェンダーの問題、大変重要で、そういう情報もインドに関して少しあったほうがいいかもしれないですね。よろしくお願いいたします。 それでは、次、相田美砂子先生、お願いいたします。
【相田(美)委員】 ありがとうございます。大学側から、留学生の企業への就職に関して少しお話しさせていただこうかなと思っております。
 最近は特にドクターコースは留学生が結構多くて、大学によって違うと思うんですけれども、私、広島大学なんですが、広島大学ではグローバルキャリアデザインセンターという相談ができるセンターをつくっていまして、そこにドクターの学生さんが毎月、もちろん月によって違うんですけど、30件から40件ぐらい相談があるんですね。それの言語別の人数を出してもらおうと思って、この間、センターに依頼して数字を出してもらったんです。そうすると、ざっくりした数字しか今出せないんですけども、面談を日本語でする人が大体20人弱ぐらい、中国語でする人が10人弱ぐらい、英語でする人が20人ぐらいで、その中で本当に日本語が片言はできるというのが大体10人弱ぐらい。なので、中国も多いんですけど、いろんな国の方が英語で話すので、結構英語で話して面談のところに申し込んで面談をするということをやっています。日本の企業さんに就職する外国人も結構いて、窓口というか、もちろん指導教員のルートで企業さんに就職する人もいるし、こういうようなセンターに相談に来て、そこから就職先を探すという人もいるわけです。今、本当に留学生が多いので、留学生対応を、センターが対応できることがまず大事だと思うんです、窓口を広げるためには。そのためにはいろんなことが必要なんだけども、ここの会議で話し合っているような問題点とかも、窓口の人が認識しているようにして対応することができるようにしておくということもいろんな意味で重要になるんじゃないのかなと思います。 今日の段階では以上です。よろしくお願いします。
【菅野主査】 ありがとうございます。サポート、留学生が増えた場合に非常に重要であるということです。
【梶原委員】 簡潔に。一つは蟹江先生の御説明にあった、要するに 国際戦略をつくる上でやはりサポートという話なんですけど、そういう課題について、もっとそこをうまく利用して政策をつくることが大事で、それをしようとするとサポート体制も当然充実してきて、そういう国際的な議論をしているところと有機的につながって、日本 の新しい政策、それから計画を策定していくというスタイルに変えていかないといけない。今まで海外での情報だけを持ってきて国内で議論しているような政策づくりをしていると、結局は海外との関係は情報を集めるというだけになってしまうので、そうではなくて、やっぱり日本はこういうふうにやりたいという政策を国際の場で話をして、そして世界の方向性をある程度共有した議論の中で日本の政策もつくっていくという、政策をつくるところの方法論から少し大きく変えていったほうがいいのではないかなと思います。そうすれば、当然、国際で議論している人にはしっかりとバックアップしないといけなくなってしまいますので、そういうところなのかなというのを一つ思いました。
 あと、インテグリティのところは今日は抑えておいて、最後、これは少しドラスティック なお話になるかもしれないんですけれども、日々の学生と接している教員目線から言うと、、今日、小川委員からも言われましたが、逆に経団連のようなトップ企業の各企業が海外留学をしている人を優先的に採る、海外留学をしなければ採らない、そのくらいのことを打ち出すと、多分我々の学生たちはみんな海外留学すると思います。そのくらいの大きな変化を経済界も腹くくってやっていただけると、大きく国際の頭脳循環というのが起こってくるんじゃないかなと、毎日学生と話をしている者としては思います。 以上です。
【菅野主査】 ありがとうございます。最後に礒田先生、お願いできますでしょうか。
【礒田委員】 一言だけ、もしこのことを入れていただければと思ったのが、科学技術外交とODAのところで、いろんなグローバルサウスの取組なんかもこの中で議論があったと思いますけれども、やはり我が国の国益と、あと国際益ということを考えたときに、科学技術外交に基づくODAを用いたような部分というのもこの議論の中であったと思いますので、そこをちょっと入れていただけるといいかなと思いました。また、それが国際頭脳循環にもきちっと反映されて競争されていくというところがあると、その辺り、議論の中で、 ちょっとリピート的になるんですけれども、入れていただければと思います。よろしくお願いいたします。
【菅野主査】 ありがとうございます。林先生、お願いできますでしょうか。
【林委員】 報告書をまとめるに当たって留意すべきというとこ ろで、研究セキュリティについては、研究セキュリティのリスクって、国なのか、組織なの か、研究者個人なのかというところがあると思うんですけども、結局、そういうリスクを防いでいくのは個人になると。国じゃなくて個人になるので、優れた研究者、優れた学生とのよき関係を築くことが研究セキュリティの確保の結局のところは根本だと思うんですね。それが、要するによき関係、よい研究環境を日本でつくる、よき共同研究の体制をつくる、それにはどうしたらいいかという問題だと思います。そこが就職だったり、ビザだったり、家族の帯同だったり、奨学金だったり、いろんなことにつながっていくと思うので、目的はよい人とよい関係を築くというところだというのが盛り込まれるといいかなと思いました。 以上です。よろしくお願いします。
【菅野主査】 ありがとうございます。研究セキュリティ、大前提であるという議論をこれまでしてきましたけれども、結局、個人が重要であるという考えが少し抜けていたなとちょっと思ってしまいました。どうもありがとうございます。 予定時間を過ぎていますので、この議論、ここまでとさせていただきます。追加の御意見、ぜひお願いしたいと思います。事務局まで連絡いただければと思います。よろしくお願いします。 井上局長が出席されていますので、ぜひ御挨拶をお願いしたいと思います。
【井上局長】 7月11日に着任しました井上でございます。どうぞよろしくお願いします。
 今日の議論も聞かせていただいて思いましたのは、基本的に日本人あるいは日本というのは国際的な情勢に鈍感なところがありますよね。なので、我々は、国際という旗、国際というキーワードを常にある種立ててやっていかないと、この日本という国が国際的なアクティビティーを活発にやっていくためにはそういったことが必要じゃないかと思っておりまして、そういう意味でも国際戦略を検討するこの委員会は重要であるなと思います。そういう意味で、先生方にはどうぞお力をお貸しいただきたいと思いました。
 あと、今日の議論を聞いていて、やはり改めて思ったのは、国際的な活動というのは労力が要りますよね。だから、その労力が要るところを、情熱というか、思いで乗り越えてやってくる方がいつもやっていただいているんだと思います。だから、いつも同じ顔ぶれになっ ちゃうということなんだと思うんですよね。また、特に蟹江先生のSDGsの話もお聞かせいただいて思いましたのは、SDGsだと、その達成、目指すところがより高尚になりますので、そうすると、ますます皆さんの個々の研究者あるいは個々の民間の方のアクティビティーからは若干遠いものに見えて、なかなか参画する人も少ないのかなと思いまして、そういったもの、特にSDGsはいろんな知恵を集める総合知の活動ですから、やはりいろんな方が参画できる、本当はいろんな方がちゃんと参画する余裕がないといけないと思うんですけれども、今、特に大学の現場なんか見ていると、みんな余裕ないですよね、全く。サポーターの方の話もありましたけれども、結局、皆さん、御自身の研究をやるだけでも四苦八苦している。ですから、もう終わりますけれども、国際という旗はやはり我々もしっかり立てて、国としてこの委員会の議論の中心でやっていかなきゃいけない。 それと同時に、いろんなサポーターの話に関わることですけれども、人事的な組織的なところにある程度同時に手を突っ込んでいかないと、なかなか我々が思っているような活動は、思いはあるんですけれども、言うだけは言えるんですが、成し遂げられていかないなと思いました。そういう意味では、我々、しっかり先生方の御意見も受け止めて、その目指すところに行くようにいろんなことをやっていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
【菅野主査】 どうもありがとうございました。 それでは、最後に、事務局より連絡事項を御説明いただきます。
【飯塚補佐】 事務局より、最後に事務的な連絡をさせていただきます。 先ほど主査よりも御指摘いただきましたとおり、本日のこれまでの議論のまとめというところに関して修正ですとか追加の意見等がございましたら、事務局までメールで御連絡いただければ、主査とも御相談して適宜に反映させていきたいなと思っております。 次回第6回の委員会は8月26日に行う予定です。詳細な情報につきましては、またメール等で御連絡させていただきます。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。 事務局からの連絡は以上です。
【菅野主査】 ありがとうございます。 それでは、国際戦略委員会、これで閉会とさせていただきます。どうもありがとうございました。

―― 了 ――

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