資源調査分科会(第49回) 議事録

1.日時

令和7年1月17日(金曜日)11時00分~12時00分

2.場所

文部科学省会議室及びオンラインのハイブリッド形式

3.議題

  1. 日本食品標準成分表の充実・利活用を含めたあり方の検討について
  2. その他

4.出席者

委員

門間分科会長、白波瀬分科会長代理、上田臨時委員、佐々木臨時委員、瀧本臨時委員

文部科学省

井上局長、高橋資源室長、松下室長補佐

5.議事録

【門間分科会長】  ただいまから第49回科学技術・学術審議会資源調査分科会を開催いたします。分科会長の門間でございます。委員の皆様におかれましては、本日は御多忙の中御出席いただきありがとうございます。
 本分科会の議事については全て公開となり、後日議事録はホームページに掲載されますので、あらかじめ御了承ください。また、本日は会議室対面とオンラインのハイブリッド開催としております。傍聴につきましては、会議の模様をライブ配信にて公開しております。配信トラブル等があった場合には、後日議事録にて御確認いただくよう、こちらも御了承ください。
 それでは、これより議事に入るため、まず、事務局から委員の出欠状況の報告をお願いいたします。
【髙橋資源室長】  事務局を担当しております、資源室長の髙橋でございます。
 委員の出欠状況でございますが、本日は分科会の委員5名全員の御出席をいただいていることを報告させていただきます。
 なお、本日のハイブリッド方式による会議開催に当たりまして、委員の皆様にお願いがございます。まず、会場参加の委員におかれましては、御発言の際には挙手をお願いいたします。また、オンラインで御出席の委員におかれましては、御発言の際は、手のマークの「挙手ボタン」を押していただきますようお願いいたします。また、発言後は再度「挙手ボタン」を押しまして、挙手を取り消していただくようお願いいたします。
 また、オンラインで御出席の先生方におかれましては、御発言時以外は音声をミュートにしていただき、御発言時のみミュートを解除いただくようお願いいたします。また、オンライン上でも聞き取りやすいように、御発言の都度、お名前をおっしゃっていただくよう重ねてお願いいたします。
 また、御発言の際に資料を参照される場合には、資料番号、ページ番号、ページ内の該当箇所などを分かりやすくお示しいただくよう御配慮をお願いいたします。
 事務局からは以上でございます。
【門間分科会長】  ありがとうございます。それでは、井上科学技術・学術政策局長から御挨拶を頂戴したいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【井上局長】  科学技術・学術政策局長の井上でございます。開催に当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。委員の先生方におかれましては、御多忙中にもかかわらず御出席をいただきまして誠にありがとうございます。
 本日は、第12期の最後の御審議となりますけれども、今期は日本食品標準成分表(八訂)増補2023年を公開するとともに、日本食品標準成分表の充実、利活用を含めた在り方の検討をいただきました。御審議いただきました、当分科会の先生方と食品成分委員会の先生方に心より感謝を申し上げます。
 第6期科学技術・イノベーション基本計画におきましては、総合知の活用が求められるなど、科学技術政策も新たなフェーズに入ってきております。そのような中、近年の食生活の変化や、人生100年時代におけるさらなる健康志向の高まりなどを背景に、日本食品標準成分表の果たす役割はますます大きくなっていると考えております。実際に、文部科学省が公開している食品成分データベースへのアクセス件数、今では年間約3,000万件へとなっておりまして、5年前の1.5倍になっております。社会からの関心もますます高まっていると我々も感じているところでございます。
 私ども文部科学省といたしましては、本日を含む第12期での御議論を踏まえ、より一層社会ニーズに的確に対応するために、引き続き、科学的見地から日本食品標準成分表の充実に向けた検討をしっかり進めてまいりたいと考えております。本日も、先生方には忌憚のない御意見や御提言を賜りますことをお願い申し上げまして、簡単ではございますが、私の御挨拶とさせていただきます。ありがとうございます。
【門間分科会長】  ありがとうございます。なお、井上局長は所用のため、ここで退席されます。
 それでは、議事に入ります。まず、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。
【髙橋資源室長】  資源室、高橋でございます。議事次第を用いまして、確認をさせていただきます。今、画面を共有いたします。
 議事次第の配付資料の欄を御確認ください。資料1といたしまして、今後の分析食品の考え方等について、また、資料2といたしまして、第12期資源調査分科会の検討課題の対応状況について、この2つを準備しております。また、参考資料といたしまして、分科会の委員名簿、また、科学技術・学術審議会のルール関係といたしまして、関係法令、運営規則、また、資源調査分科会の運営規則と分科会の公開の手続について、配付しております。また、併せて参考資料の6-1、6-2といたしまして、令和7年度の分析食品リスト案の内容説明、あと実際の食品名、また、分析予定の成分を示したリストをお付けしております。
 本日は適宜、zoomの画面でこれらの資料を共有しながら説明させていただきます。
 以上でございます。
【門間分科会長】  ありがとうございます。
 それでは、まず、日本食品標準成分票の充実、利活用を含めた在り方の検討について、食品成分委員会が整理した結果を、委員会の主査であります私から報告いたします。
【門間委員】  令和5年4月に当分科会で示した第12期資源調査分科会の検討課題などを踏まえ、食品成分委員会において、日本食品標準成分表の次期改定方針や在り方について検討を進めました。その結果、令和5年12月5日の食品成分委員会において、今後は、現在の流通実態に即した食品成分表となるよう、収載食品の再分析を重点的に実施すること、これまでに実施している主要な食品の未収載成分の分析、分析結果に基づく成分値の検討、収載値案の確定が終了した段階で、食品成分表を取りまとめ、公表することなどを食品成分委員会として整理しました。
 そのほか、第12期資源調査分科会の検討課題に関しては、食品成分データの利活用推進方策の検討と精度・信頼性の向上のため、食品成分データの整理や収載値の検討など、システム化などを引き続き進めております。
 詳細につきましては、資料に基づいて、事務局から説明をお願いします。
【髙橋資源室長】  それでは、資料1と2を用いまして、食品成分委員会で取り組んだ事項、また、分科会からの検討課題への対応状況などについて、説明をさせていただきます。資料を共有いたします。今画面で共有しておりますのは、資料2の末尾につけております参考部分でございます。こちらが、令和5年4月の資源調査分科会におきまして示されております、第12期資源調査分科会の検討課題でございます。
 その中で、日本食品標準成分表の充実・利活用を含めたあり方の検討として、食品成分委員会によって、今後の進め方等々につきまして検討をするということ、また、併せて、次の改定に向けまして、収載食品の更新・充実、これは実際の分析、そしてその結果を検討した上で収載値を確定するというような取組、また、先ほど分科会長からもございました、システム化の推進、その他の内容、また、国内外の動向調査といたしまして、日本食品標準成分表の様々なデータの利活用の在り方などの調査を行うといったことが示されているところでございます。
 また、その中で、食品成分委員会の具体的な検討の結果は分科会へ報告をするということでございますので、今回、その内容を資料1に基づいて説明をさせていただきます。今、画面に映しておりますのが、食品成分委員会の取りまとめの内容でございます。「今後の分析食品の考え方等について」ということでございますけれども、その内容について、項目ごとに御説明をいたします。
 まず、現状及び課題ということでございますが、八訂、2020年版の公表以降、未分析の成分、そういったものを中心に分析を進めてきたということ。また、現在の収載食品の中には、分析値が古い食品があるというようなことが課題となっているということ、また、近年新たに加わった成分項目の値がないということも示されております。御案内のとおり、広く流通している食品は、次々と農林漁業者、あるいは食品関係事業者の取組で内容が変化しております。例えば、昔のトマトは酸っぱかったというような話もございますけれども、そういった消費者の嗜好に応じた品種の入替え、あるいは、近年、問題になっております温暖化へ対応するために、例えば米の品種がどんどん入れ替わる。また、牛肉などは、特に和牛については、飼養管理の技術の向上などによって、昔に比べて非常にサシが入ったものが増えてきている、そういった変化があるというようなことを踏まえる必要があるのではないかという問題意識が示されているところでございます。
 こうしたことを踏まえまして、今後の食品分析の基本的な考え方を整理しています。まず、(1)でございますけれども、今後は、現在の流通実態に即したものとするように収載食品の再分析を重点的に実施する。つまり、食品の数を増やしていくということではなくて、既に収載しているもののデータの質の向上を図っていくというようなことを中心に取り組むということ。また、(2)として、その際には、国民健康栄養調査などを参考に、ニーズの高いものを優先して分析していくというような考え方、また、プラスして、先ほど課題のところにもございましたが、分析値の古さなども考慮しながら分析をするということが示されています。
 また、分析の進め方、やり方の部分でございますけれども、(3)として、まず、コンポジット分析、これは、あらかじめ入手した試料を混合したものを分析する方法でございますけれども、こうした方法を基本として効率的に分析を進めるということ。そして、一方で、食品の特性を考慮して、必要なものについては引き続き個別分析を行うというようなことで、いずれの場合も、サンプルをしっかり確保しながら分析をするということが示されております。
 また、2つ目のポツのところでございますけれども、できるだけ全成分を一斉に分析をすることをベースとしながらも、予算の効率的な執行の観点から専門的な知見に基づきまして、文献等で当該食品には含まれないというような成分などについては、分析の対象から除くということができるということも示されております。ただし、八訂からの計算方法を見直したところでございますけれども、エネルギー算出に関する成分については、少なくとも同時に分析するというような基本的な姿勢を示しております。また、食品成分表の中には、調理形態が異なるものを複数収載しているものがございます。このような食品の場合には、例えば生とゆで・焼きなどがございます。そういった関係がございますけれども、そういった食品につきましては、セットで分析、つまり、試料の入手をそろえた形で分析を行うというようなことが示されております。
 また、最後の4として、基本的な姿勢はこれまで挙げられたとおりでございますけれども、再分析、あるいは未収載成分の分析が必要と判断されるものにつきまして、また、新規収載が必要なものにつきましては、これらと並行して分析を実施するということが挙げられております。
 また、3番目の項目といたしまして、今後の食品成分表の取りまとめ、公表に対する考え方が整理されております。マル1といたしましては、現在、これまでに分析をいたしました、ここにあります未収載成分の分析と、その結果に基づく成分、収載値の案の検討を行っているところでございます。これらの収載値案の確定、つまり、従来の方針で分析したもののデータに基づく収載値案の確定が終了した段階で、食品成分表を取りまとめて公表をするということ、これは2025年というところを想定しているということでございます。また、その後は、先ほど示された、本的な考え方についてということに基づきまして、再分析を中心に食品分析を進めまして、その進捗状況を踏まえて、公表時期につきましては、食品成分委員会で都度検討するということが示されているところでございます。
 続きまして、資料の2でございます。先ほどの食品成分委員会の取りまとめを含めまして、第12期の資源調査分科会の検討課題に対する対応状況について、整理をしております。まず、最初の1ポツにつきましては、先ほどの委員会の取りまとめを行ったということでございますので、割愛をさせていただきます。
 続きまして、2ポツでございます。収載食品の更新・充実ということで、毎年度、文部科学省の委託事業を活用して、食品成分委員会、そして、資源調査分科会で確認をいただきました食品と成分につきまして、分析を各年度進めているところでございます。また、今回は参考資料の6としてお付つけしておりますけれども、7年度の分析食品リスト案につきましても、検討を進めてきているところでございます。また、過去の分析の結果につきましては、(2)に挙げておりますとおり、令和5年以前の分析食品につきまして、現在、収載値案を食品成分委員会で検討を進めているところでございます。
 また、3番目の項目といたしましては、食品成分データの利活用の関係の項目でございます。まず、1つ目、システム化でございます。これにつきましては、令和5年度に開始いたしました文部科学省の委託事業によりまして、分析データの受入れから収載値案の検討、そしてデータ提供に至るまで一貫で対応できる、そうしたデータベースの在り方について調査を実施しているところでございます。また、英語版についてでございますけれども、令和5年度の委託事業によりまして、八訂の英語版というのを、翻訳アプリケーションを活用した形でございますけれども、作成しております。
 また、4番目の項目としては、国内外の動向調査でございます。まず、国内動向でございますけれども、関連の施策の状況を把握に努めつつ、また、それらも踏まえた今後の成分表の在り方の検討を引き続き進めているところでございます。ここの部分について、特に最近の大きな動きということで言えば、厚生労働省から、2025年版の食事摂取基準が本年度、公表されております。そうした中での食品成分データの活用の示され方なども踏まえつつ、検討を進めることとしております。また、依頼による食品分析データの受入れについてという形で、地方公共団体ですとか、あるいは、業界団体から依頼があった場合には、当該食品の分析データを精査した上で、食品成分表に収載していくという枠組みがございますけれども、これにつきましても複数の申入れ、相談、依頼がございますので、それぞれ対応しているところでございます。
 また、国外動向につきましては、各年度、文部科学省の委託事業を活用いたしまして、昨年度、諸外国の食品成分データの整備手法につきまして、複数国の状況を調査いたしました。また、今年度は、そういった国を少し絞り込む形でございますけれども、各国で整備をしております食品成分データをどのように利活用しているかというところについても調査を進めているところでございます。
 最後の項目で、今後の課題でございます。まず、最初の1つ目のポツにつきましては、資料1で御説明いたしました委員会取りまとめ、これに示された中期的な方向性に基づいて、引き続き日本食品成分表の充実に努める必要があるということ。また、2つ目の課題といたしましては、現在進めておりますシステム化、このシステムの構築を完了させまして、効率的な収載値検討をスタートさせるということ、また、多様な利用に対するデータの提供、あるいは関係者との連携の検討というのが引き続き必要であろうというようなことを整理させていただいているところでございます。
 事務局からの説明は以上でございます。
【門間分科会長】  ありがとうございます。
 それでは、これまでの報告、説明につきまして、御意見や御質問などありましたら頂戴したいと思います。いかがでしょうか。瀧本先生、お願いします。
【瀧本臨時委員】  瀧本です。御報告ありがとうございました。国内外の動向調査、非常に貴重な情報だと思いますので、これらに基づいて、どのように今後、成分表を充実させていくかというような議論をしていただくとよいのではないかと思うのですが、そのような検討の御予定というものが、もし分かりましたら、お伝えいただけますと幸いです。
【髙橋資源室長】  検討課題のところにもお示ししたとおり、そういったところは引き続き、時期といたしましては、来期、第13期ということになろうかと思いますけれども、当分科会、あるいは、食品成分委員会で、そういった各国の実態も先生方に見ていただきながら、共有した上で方向性を検討いただくということを想定しております。ありがとうございます。
【瀧本臨時委員】  ありがとうございます。
【門間分科会長】  そのほかに御意見、御質問、ございますでしょうか。白波瀬先生、お願いします。
【白波瀬分科会長代理】  よろしくお願いいたします。御説明ありがとうございました。今の瀧本委員からの御質問とも関連しているんですけれども、来期において検討するということなんですが、日本のいわゆる食品標準成分表という、何か特徴というか、日本はこういう特徴があるといったことというのは、そもそもあるんでしょうか。その特徴みたいなのは、もちろんより強化するというのは一つの方向性だと思うんですけれども、データベースを使っていろいろなところからということでデータそのものを標準化するというもう一つの作業、グローバル化というもう一つの作業と、2つ兼ね合うということになるかと思うんですけど、現時点でもし、日本的な特徴というのが例えばもう必ず現物でしっかりやっていますというのは、でもそれは方法的な特徴かもしれないんですけど、もしありましたら伺えると、専門がすごく遠いのでありがたいです。よろしくお願いいたします。
【髙橋資源室長】  それでは、事務局からお答えさせていただきます。我が国の食品成分表につきましては、白波瀬委員からも今ございましたけれども、実際に食品を分析して、収載しているものの割合が非常に多いと認識しているところでございます。国によりましては、例えば、他国からの、他国の成分表のデータを多く使って、いわゆる食品数を増やすというようなことをしているところもあったりしますけれども、我が国の場合は、一部先行している、あるいは、我が国で流通が少ないようなものについて、他国の成分データを活用している場合は当然ございますけれども、基本的には、実際の我が国で流通しているサンプルを分析して、それをベースにつくられているというところは、お示しできると思います。
 また、例えば、食物繊維などが挙げられたりしますけれども、新しい分析法を比較的取り入れているとも言えるかと思います。国によっては、古い従来からの分析法をベースにというところがございますけれども、また、我々も予算の制限がございますので、まだまだ全ての食品で対応できているわけではございませんけれども、比較的そういった、国際機関で検討される新しい分析方法を取り入れているというところは挙げられようかと思います。
 お答えに十分かどうかは分かりませんけれども、よろしくお願いいたします。
【白波瀬分科会長代理】  ありがとうございます。よく分かりました。ありがとうございます。
【門間分科会長】  上田先生、お願いします。
【上田臨時委員】  委員の上田でございます。まずは、委員として、全ての基本的な考え方や今後の取りまとめ方針に関して、賛同しておりますので、それに関しての質問ということはございませんが、一つだけ、資料1の2の(3)番、コメントですけれど、調理形態が異なるものがある場合、全ての調理法に関してセットで分析を行うという方針が示されました。今まで新たな調理法がニーズとして出てきて、特に電子レンジ加熱なんて途中から出てまいりましたが、こういったことを追加すると、そのたびに対象となるものも一緒に分析するわけで、コストがかさんでいたと思います。このような方針を確実に示して、最初からセットで分析を行うことにしてくださったので、コスト面でも非常に望ましいことであると考えております。これは簡単なコメントでした。
 もう一つ、質問になってしまうんですけど、資料2において、国内外動向調査に関して、新たな食事摂取基準等々の対応ということをおっしゃっていただきました。これに関しまして、現時点で、例えば厚労省からの要望とか、あるいは、すり合わせて必要な事項があるとか、そういったことは何か分かっているでしょうか。その辺、浮かび上がっていましたら示してください。
【髙橋資源室長】  御質問につきましては、4の(1)の最初のポツの部分というように理解しております。
 食事摂取基準、2025年版が公表されておりますが、その中で、我々特徴的というように捉えておりますのは、エネルギーの部分でございます。我々は八訂からエネルギーの計算方法を見直しまして、組成分析を行っているものにつきましては、そういった細かい組成のデータを使いながら計算をする方法を導入しております。
 一方で、食事摂取基準2025では、様々なエネルギーに関するエビデンスが、八訂よりも前の、いわゆる七訂以前の計算方法で主要な一般成分の値をベースに計算をする、また、その係数が食品ごとに異なるものを使うというようなやり方でございましたけれども、そうしたエビデンスが従来の計算方法によるエネルギー値に基づいたものが供給されているということを踏まえて、食事摂取基準においても、エネルギー値の指導は以前の計算方法による値で示されているところでございます。
 これにつきまして、我々は既に新しい方法ということでお示しをしておるところでございますけれども、そういった、食事、栄養指導の部分のニーズについて、どのような対応の仕方がよいかということも含めてでございますけれども、厚生労働省の担当部局ですとか、あるいは、関係の皆様と意見交換に着手をしているところでございます。ただ、まだやり取りを始めたところでございますので、ここで御報告できるような形の方向性というのは得られていないところでございますけれども、また、そちらのやり取りの進み具合を随時、適切なタイミングで資源調査分科会、あるいは、食品成分委員会の場でも必要に応じて御報告をすべきというような認識でおりますので、ここにつきましては、いま少しお時間を賜ればと考えております。
 事務局からは以上です。
【上田臨時委員】  御説明ありがとうございました。特に厚労省との情報交換がスムーズに、あるいは、定期的に進むように願っております。よろしくお願いします。
【髙橋資源室長】  ありがとうございました。
【門間分科会長】  ほかに御質問、御意見等、佐々木先生、お願いします。
【佐々木臨時委員】  農研機構の佐々木と申します。よろしくお願いいたします。
 依頼による食品分析データの受入れのことで少々お伺いしたいんですけれども、今後、こちらについては積極的に引き受けていくという方針でしょうか。と申しますのは、私自身、穀類担当の食品成分委員としまして、今年、2つの食品の収載依頼に関して、数年にわたって、こちら検討に加わらせていただいたんですけれども、収載依頼の相談があってから実際の収載までの時間が非常にかかるというイメージを持っておりまして、今後、予算も、限られた予算で食品分析をしていく上で、依頼による食品分析データの活用といいますか、もしこちらを積極的に行っていくのであれば、もう少し収載までの過程というものを短縮できるような基準とか、そういったものを今後決めていく必要があるのではないかなと個人的には考えておりまして、この辺について御意見を伺えればと思って質問させていただきました。
【髙橋資源室長】  それでは、事務局からお答えをいたします。現時点では、依頼による収載について、現行、ルールに定めて、依頼がありましたら、その内容の妥当性を、まず委員の先生方にも御確認いただいた上で、収載が是であるということになりましたら、分析に着手いただき、データを提供いただくというような、そういった流れで進めておりますので、今、佐々木委員御指摘のとおり、相当程度の時間を要しているということは事実でございます。ただ、現時点で、ルールの見直しについて何か俎上に上っているということはございません。ですので、こちらも分科会、あるいは食品成分委員会で定めたルールということでございますので、見直す場合には、また改めて委員の先生方に御意見を伺い、内容を検討するということが必要であろうと考えております。
 そういう意味で言えば、現時点では、まだルールの見直しということは、着手はしておりませんので、今、佐々木委員からも御発言があったところを踏まえまして、実際には次期というようなことになろうかと思いますけれども、次期の資源調査分科会、あるいは食品成分委員会の議題として、先生方の、まずは御意見などを伺うというようなことを検討したいと思います。
 以上でございます。
【佐々木臨時委員】  ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
【門間分科会長】  ここまでで一通り先生方の御意見を伺いましたが、まだ、ほかに御意見等ございましたらお願いします。よろしいでしょうか。
 白波瀬先生、お願いします。
【白波瀬分科会長代理】  ごめんなさい、1点だけです。分野も違うのですけれども、今のいろいろな御対応というのはまさしく理解はできることなんですけども、佐々木先生のほうからもありましたけれども、データの共有とかアクセス数につきましては、要するに、あまり時間がないというか、既にもうそろそろ遅れている状況というのが、いろいろなところで日本にはあると思うんです。ですから、順序を踏んでいただくというのはまさしくそのとおりではありますけれども、特に統計分野につきましても、こことは外れますけれども、やはり遅れていると。ですから、そこは少しでもスピード感があるように推し進めていただきますよう、重ねてお願いしたいと思います。
 以上です。
【髙橋資源室長】  承りました。ありがとうございます。
【門間分科会長】  個人的な意見にもなりますけれど、先ほど室長からありましたように、八訂でエネルギー計算の方法が大きく変わり、これまで未収載の未分析の部分を充実させることに、かなりエネルギーを注力してまいりました。食品成分表は世界的に見てもかなり水準の高いところにあって、米国のUSDAのつくられているものと並び充実したものになっていると思います。
 ただ、先ほど白波瀬先生の御意見もありましたように、データのアクセスの仕方、データベースの使い勝手といったところにこれまでも御指摘をいただいております。現在、システム化を進めており、これを順次進めていくことにより、今後、使い勝手のいいデータベース、システムができるのではないかと期待しております。私のほうからは以上です。
【髙橋資源室長】  ありがとうございます。
【門間分科会長】  それでは、食品成分委員会のこれまでの報告につきまして、是とするとともに、これまでの活動状況について、資源調査分科会として了承することでよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【門間分科会長】  それでは、御了承いただいたと理解しました。ありがとうございました。
 次期改正に向けては、本分科会での御意見、課題、論点を踏まえながら、引き続き検討を継続していくこととします。
 それでは、その他の議題として、全体を通じての御意見、御質問など何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、予定しておりました議題については全て終了しましたので、閉会したいと思います。皆様、お疲れさまでした。
 
―― 了 ――

(科学技術・学術政策局政策課資源室)