資源調査分科会(第43回) 議事録

1.日時

平成31年4月18日(木曜日)10時~10時45分

2.場所

文部科学省15階科学技術・学術政策局会議室1

3.議題

  1. 分科会長の選任及び分科会長代理の指名について
  2. 運営規則の確認等について
  3. 食品成分委員会の設置について
  4. 第10期資源調査分科会の検討課題について
  5. その他

4.出席者

委員

宮浦分科会長
石見臨時委員、安井臨時委員、渡邊臨時委員

文部科学省

角田総括官、松本資源室長、松本室長補佐

5.議事録

 それでは、ここで角田科学技術学術総括官から、御挨拶を頂きたいと思います。
【角田総括官】  総括官の角田でございます。本日は遅参して大変失礼いたしました。着座にて失礼いたします。 
 改めまして、第10期の科学技術・学術審議会資源調査分科会の開催に当たりまして、御挨拶を申し上げます。委員の先生方におかれましては、大変お忙しい中委員をお引き受けいただきましたことを改めまして感謝申し上げます。誠にありがとうございます。
 先生方御案内のとおりでございますが、資源調査分科会は昭和22年に資源調査委員会として発足、その後昭和24年に資源調査会として改称、さらには平成13年には省庁再編の際に、科学技術・学術審議会の下の資源調査分科会ということで改組され、現在に至っております。この間、当分科会は時代に要請にかないました資源の相互的利用に関する重要事項につきまして、調査審議を行っております。
 その一環といたしまして、食資源を評価し国民の栄養を改善していく観点から、昭和25年に経済安定本部が策定した日本食品標準成分表(初版)、これを引継ぎまして、その後当分科会の報告として成分項目、収載食品の流通を図りながら策定を続けているところでございます。
 本報告に対する国民の関心も年々高まっておりまして、現在公開をしております食品成分データベース、ネット上の公開でございますが、昨年度は2,000万ページビューで、かなりのアクセスがあるということで、本当に関心が持たれていると考えております。特に、最近健康志向の高まり、あるいは食品の栄養表示の義務化の動きなどから、各版の食品の標準的な成分値を示す成分表に対する期待が大きくなっていると考えております。
 このような状況の中、この分科会におきましては、第9期では成分表2015年版(七訂)の内容につきまして、毎年度の充実を図りそれを公表する追補を策定していただくなど、成分表の更なる充実に関する議論をしていただきました。
 今期第10期におきましては、社会のニーズにより的確に対応するために、これまでの追補の実績を踏まえました日本食品成分表2020年版、第八訂です。八訂の策定に向けまして御議論を頂きたいと考えております。それとともに、現在の食生活やライフスタイルの変化に対応した食品成分表の在り方について、科学的見地から議論を進めていただきたいと考えております。
 今後、先ほど設置をお決めいただきました食品成分委員会におきまして、食品標準成分表2020年版(八訂)に向けての各種の課題の検討を行いまして、本年秋以降に本分科会におきまして、具体的な取りまとめについて御審議をお願いすると考えております。
 今後も、各委員から忌憚のない御意見・御提言を賜りますようお願い申し上げまして、簡単でございますが御礼と御挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
【宮浦分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、次に今期の検討課題について、でございます。まず、事務局から御説明をお願いいたします。
【松本資源室長】  先ほど設置をお決めいただきました、食品成分委員会を検討母体といたしまして、第10期資源調査分科会の検討課題(案)でございます。資料8で御説明させていただきます。
 第10期の資源調査分科会の検討課題(案)といたしまして、先ほど食品成分委員会の設置の中でも触れさせていただきました第10期、2021年2月までとなります。その間において、前回全面改訂、2015年から5年後に当たります2020年内に、日本食品標準成分表の改訂を実施することを目標としてはどうかと考えております。そのための関連する調査検討を推進することが課題として挙げられるのではないかと考えております。
 具体的には、1に掲げさせていただきました日本食品標準成分表2020年版(八訂)、現在は仮称の形で審議会等でも提示させていただいております。その検討方向といたしまして、先ほどお認めいただきました食品成分委員会を設置する手法によりまして、これまでに提起されている下記のような主要な論点を踏まえた資源調査分科会報告の編集方針の作成と内容の検討を進めてはどうかということでございます。
 大きく3点あるかと考えております。まず、収載食品の充実でございます。前回2015年度全面改訂におきましては、2,191食品についてまとめさせていただいております。その後各年に追補又は今後も若干の新規分析食品等が続きますが、一定の時期までに検討を要した新規食品、大体今年度末までに約200食品程度の積み上げがあると考えております。こういったものを反映させた全面改訂で、収載食品の充実を検討してはどうかということでございます。また、新たに追補の中、あるいは追補後の今年度末までの検討の中で、新規食品として出てきたものを全体に入れ込むことになりますと、当然その新規検討食品、あるいは成分を見直した食品も中にはございます。そういったことで既収載食品についても所要の反映、見直しが必要になってくることもございます。そういったところも総合的に御検討いただくとなろうかと思っております。
 それから、2点目といたしまして、成分項目の観点からの見直しでございます。特に、2015年版、前回の策定以降に取扱いを変更した成分がございます。具体的には、この括弧内に書いてあるようなナイアシン当量や低分子量の食物繊維などの成分項目が、新たに概念として追加されています。それから、前期の検討の中で、アミノ酸の成分値に係る補正係数の導入について技術的な御了承を頂いております。そういった点についても、改訂版の中で反映させてはどうかということでございます。1点目は個別の成分項目の話でございましたが、組成全体の問題といたしまして、上記の食物繊維の概念を検討の中で変更させていただいております。それに伴いまして、炭水化物全体の取扱いについて検討し、成案を得ていく方向で検討を進めていただいてはどうかと考えております。
 それから、全般的な事項といたしまして、七訂以降調理後食品の栄養成分について意を用いてきたわけです。そういった中で、成分変化率の概念が徐々に充実してきております。こういったものをしっかり確立していく。あるいは、成分値に係るデータ来歴等の関係資料の充実です。成分表自体のアカウンタビリティを上げていくためにも、サンプルやどういう分析をしたかという来歴について、しっかりバックデータを整理していく。必要な部分については対外的にお見せしていくということが考えられるのではないか。それから、さらには冊子版あるいはデータベースでの公開で、昨今2本立てで公開をしてきております。そういった中で各版の媒体につきまして、よりユーザーの使い勝手を増していく工夫が考えられるのでないかと思っております。
 2点目といたしまして、その検討のスケジュールでございます。第10期の期間が、先ほど言いましたように2021年の2月までということの中で、2020年内にできれば第八次の全面改訂の食品成分表を出していきたいと考えております。そのためのスケジュールといたしまして、本日第10期の食品成分委員会の設置を先ほど決定させていただきました。これに伴いまして、本年の秋口までにかけまして食品成分委員会の各作業部会、品目別あるいは調理企画といった横断的な検討をそれぞれのグループ単位で検討を進めさせていただきます。11月には食品成分委員会の全体会合、資源調査分科会につきまして12月頃に開催させていただければと思っております。この時点で2020年版、八訂の全体構成について確定をさせていただければと思っております。
 その後、具体的な八訂の編集作業を開始することを考えております。これも予定ではございますが、その中を若干区切って申し上げれば、本年度調査分析を進めている食品の中で、是非八訂に載せたいものが大体2月末ぐらいまでにはデータの整理が済むのではないかと思っております。最終的に八訂に載せられるものにつきまして、2月末ぐらいに収載食品及び成分値の確定を行う。4月以降各説明資料の作成を開始し、各般の調整を行っていくことで、2020年の年内には報告・公表まで持っていければと考えております。
 以上が、第10期資源調査分科会の検討課題の案として、こちらから御提示させていただいているものでございます。
【宮浦分科会長】  ありがとうございます。ただいま事務局より食品成分表の改訂に向けた資料8について御説明がございました。何か御意見等ございますか。
【安井臨時委員】  2015年版までは5年分の資料をまとめて検討しないといけないという時間的なスケジュールがありました。今回の場合は、2016、2017、2018と追補を出しています。その点もう少し作業が楽になるのではないかと思っております。
 もう1つは調理食品です。大量調理や個別調理、各そういう単位で行うものはいいのですが、いわゆるメーカーが出している食品です。それの扱いをどうするか。メーカーによってその都度レシピが変わってくるなどあります。それについて成分表に取り込むのかどうか、できれば分けて対応できたらということもあります。その辺も含めて検討したいと思っております。
【宮浦分科会長】  御指摘の点、いかがですか。よろしいですか。追補を出してきていますので、例年の5年に1回に比べて少し作業量が減りますか。
【安井臨時委員】  そうなることを願っています。
【松本資源室長】  先ほど新規食品の話もしましたが、追補の中で既収載の素材食品の見直しなども行っております。ただ、具体的に見直しをしたものを本体に入れ込みますと、それをまた計算根拠として使っているほかの食品があったりします。そういったものの影響をきちんと見ていかないといけないことがありますので、そこはそれなりにしっかり数字を見ていただければと思います。
【宮浦分科会長】  いろいろ多岐にわたるということで、メーカーが出している対応やその辺りを御検討いただくことになると思います。
【安井臨時委員】  食品表示が2020年から始まりますので、できればそちらで対応がうまくできればいいと思います。
【石見臨時委員】  多分、成分表と栄養成分表示は一緒に進んでいく形を取った方が、スムーズにいくと考えております。
【渡邊臨時委員】  先日、室長と一緒に大手の給食会社の工場を見せていただきました。その工場では、ほとんど葉物野菜は冷凍食品を使っていました。冷凍葉物野菜は調理損失がとても多く、調理後重量が想定する以上に小さくなっていました。この場合は、成分表が当てはまらないことが分かりました。また、このような料理を食べている方もたくさんいらっしゃいます。そこで、その取り扱い、今回、成分表に収載する、収載しないではなくて、その取扱いも考えていかなければいけないのではないかと考えました。
 また、コンビニなどでもキャベツが千切りで売られていますが、そういういったものの成分はどうだろうかなど、一般の消費者が持っている疑問について収載する、しないの前に調べておく必要があるのではないかと思っています。
 この2番の成分の見直しのところには、エネルギー換算係数の見直しも入っているという理解でいいのでしょうか。
【安井臨時委員】  はい。
【渡邊臨時委員】  分かりました。
【宮浦分科会長】  はい、では……。
【石見臨時委員】  たんぱく質への換算係数ですね。Codexで大豆が低過ぎるのではないかという取りまとめをこれからする、専門委員会で検討するということですが、成分表はどのような対応になりますでしょうか。今までどおりということでしょうか。あるいは、Codexの結論を待ってからそれを検討し始める形でしょうか。
【松本資源室長】  そうですね。換算係数はどこでしょうか。
【安井臨時委員】  FAOの推奨事項として、たんぱく質はアミノ酸組成から計算するとなっています。そうすると、現在の5.71の方がむしろ合っています。だから、Codexの動きはどうなのかという気がします。今後恐らくアミノ酸組成から換算係数を出す方向が、私は正しいと思っています。そうすると、逆に5.71を低過ぎると見直すのはいかがなものかという気がしています。全てが、6.25自体が高過ぎるという指摘もあるので、その辺も含めてその換算係数への管理もありますし、たんぱく質の換算係数についてももう少し突っ込んで話をしなくてはいけないと思っています。
【宮浦分科会長】  そのほかいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、今後本日の憂慮も踏まえまして検討を進めていくこととさせていただきたいと思います。具体的な今後の予定としてはどうなりますでしょうか。
【松本資源室長】  本日設置をお決めいただきました食品成分委員会において、本日の議論を踏まえて作業を進めてまいりたいと思います。具体的には、先ほどの作業スケジュールの中でも触れさせていただいたように、成分委員会の中で品目別、あるいは品目横断的な検討の小グループを作りながら個別の検討を進め、最終的には食品成分委員会全体として成分表の方向性について原案を御決定いただき、資源調査分科会に御報告させていただきたいと考えております。
 案ができた段階で資源調査分科会に御審議いただくことにつきましては、先ほど御説明させていただいたとおりです。その際には御審議をよろしくお願いしたいと思っております。よろしくお願いいたします。
【宮浦分科会長】  それでは、改訂に向けた作業を進めていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日の予定議題は以上でございます。何かほかにございますか。
【安井臨時委員】  よろしいですか。
【宮浦分科会長】  はい、どうぞ。
【安井臨時委員】  先ほどの資料8の1(3)で全般的な事項の中に「成分値に係るデータ来歴等の関係資料の充実」があります。ドキュメンテーションと言っていますが、これについては委託事業で、資源室で考えておられるということで、その御紹介をしていただければと思います。
【松本資源室長】  では、御指名がございますので。実は、このデータ来歴等の関係資料の整備につきましては、本年度委託調査費を計上させていただいております。その中で既往の私どもの基礎データ、バックデータと申し上げておりますが、過去にその食品について得られている実際の分析値、あるいは文献データといったものがございます。これを体系的に整理して、すぐに引き出せるようなデータセットを作り上げていきたいと思っております。
 具体的には、そういった個別の分析値を見ながら、食品成分委員会の中で妥当な成分値を決定していただいております。食品成分委員会が根拠としたデータ、実際にどういう判断で成分値を取ったかということ、それから実際の成分値と、3つのデータベースが今後整理されていき、それの重要な部分についてはなるべくオープンデータ化をしていきたいと考えております。
【安井臨時委員】  ありがとうございます。
【宮浦分科会長】  ありがとうございます。そのほか、何かございますか。よろしいでしょうか。
それでは、ないようでございましたら、本日の議論はこれまでとさせていただきます。本日会議議事録でございますが、本分科会運営規則第6条第2項によりまして、会長の選任時の人事に関する案件に係る部分は、非公開とさせていただければと思います。よろしいでしょうか。
 それでは、以上で閉会とさせていただきます。ありがとうございました。

 

  ── 了 ──  

お問合せ先

科学技術・学術政策局政策課資源室

電話番号:03ー6734ー4009
ファクシミリ番号:03ー6734ー4010
メールアドレス:kagseis@mext.go.jp

(科学技術・学術政策局政策課資源室)