第十一期食品成分委員会(第21回) 議事録

1.日時

令和4年6月21日(火曜日)13時00分~14時20分

2.場所

Web会議

3.議題

  1. 企画作業部会での検討事項の報告について
  2. 依頼による食品分析データの受入れについて
  3. 新規収載値の公開を含めた取り扱いについて
  4. 第11期食品成分委員会の調査事項の進捗状況について
  5. 日本食品標準成分表の体系的データの構築について
  6. その他

4.出席者

委員

門間主査、瀧本主査代理、本田委員、石原委員、上田委員、金庭委員、小竹委員、小林委員、佐々木(啓)委員、佐々木(朋)委員、鈴木委員、高橋委員、竹林委員、立木委員、平出委員、吉田委員

文部科学省

松下資源室長、原室長補佐

5.議事録

【門間主査】ただいまから、第21回の科学技術・学術審議会資源調査分科会食品成分委員会を開催いたします。
 本委員会の議事については、全て公開となり、後日、議事録がホームページに掲載されますので、あらかじめ御了承ください。
 また、本日は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、傍聴については、会議の模様をライブ配信にて公開しております。配信トラブル等があった場合には、後日、議事録にて確認していただくよう、こちらも御了承ください。
 それでは、これより議事に入るため、まず、事務局から委員の出欠状況の報告と、配付資料の確認をお願いいたします。
【松下室長】門間主査、ありがとうございます。文部科学省資源室長の松下と申します。本日、事務局のほうで資料説明等を務めさせていただきます。
 まずは、委員の出席状況でございますが、16名全員に御出席いただいております。なお、佐々木啓介委員におかれましては、所用のために中座される可能性もあるということをお聞きしておりますので、あらかじめ御承知おきください。
 次に、配付資料についてでございますが、配付資料の確認をさせていただきたいと思います。配付資料につきましては、議事次第のほうにあります配付資料に基づきまして、資料1から資料9までございます。委員のほうには、事前にお送りさせていただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、門間主査、お願いいたします。
【門間主査】申し遅れました。私、主査をさせていただいております、門間です。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、議事に入りたいと思います。議事(1)、第66回企画作業部会での検討事項の報告について、事務局から御説明をお願いいたします。
【松下室長】それでは、資料5に基づきまして、御説明をさせていただきたいと思います。ただいま、資料を共有させていただきます。
 こちらは、「第66回企画作業部会の検討事項の報告について」ということでございます。2月18日に食品成分委員会の下にございます企画作業部会が開催されまして、そちらのほうで議題1から5まで検討をしていただきました。その内容について、御報告をさせていただきます。議事要旨に沿って、御説明をさせていただきます。
 議題に先立ちまして、企画作業部会の公開の取扱いについては、委員会の公開手続に基づきまして、原則、委員会に議事概要等の事後報告をもって公開とするということが確認されましたので、こちらの御報告ということになっております。
 議題1につきましてですが、令和4年度食品成分委員会下での検討体制についてということで、企画作業部会で、第11期食品成分委員会の課題のうち、食品間で横断的な事項について検討するということ。それから、ワーキンググループを設置し、そちらで新規収載値(案)等を検討すること。それから、委託事業によりまして、専門ワーキンググループを設置し、新規収載値(案)等の検討、英語版または翻訳機能等の活用の検討、食品成分データの利用ニーズ調査、成分表のオープンデータの利活用のための検証調査を行うことについて、了承されました。
 議題2のほうですが、新規収載値の公開を含めた取扱いについてということを検討していただきまして、こちらにつきましては、更新される成分値については、それぞれ更新される理由や更新時期等が重要となるので、ある程度類型化したメタデータ等を付記するべき、収載予定値案のフォーマットは今後の議論で決めていくのか、などの意見をいただきまして、意見を踏まえた案についてメールで委員に照会することになりまして、メールで照会した結果、案を取りまとめられましたので、本委員会で検討するという運びになっております。
 議題3につきましてですが、成分表の電子的取扱いに関する見直しについてということで、こちらは、成分表のほうにいろんなデータがございますが、それを電子的な取扱いをするのかと。電子的取扱いを見直すに当たり、収載値と分析値の扱いは変えるべき、過去の分析値には個々に試料の購入指示や調理指示等のメタデータが付されており、なるべく多くの情報をデータベースに組み込んでいくことが重要との意見がありまして、継続検討となっております。
 議題4につきましてですが、依頼による食品分析データの受入れの見直しについてということでございます。こちらにつきましても、受け入れるに当たり食品成分委員会の担当委員のレビューが必要ではないか。どういった食品を受け入れるのか、必要な成分項目は何か、成文化したルールが必要。以前、食品成分委員会において、受け入れる際には全ての成分値を揃えるべきとの議論があって今に至っていたかと思う。成分項目を一部でもよい形にするのなら、その経緯と理由について整理する必要があるのではないか。分析値が揃ってない場合には、実績ある分析機関を紹介してデータを揃えさせる方法もある。収載依頼者に揃えさせる成分データの項目は、食品によって異なる可能性があるので、分析前にまずは相談を受ける形がよい。そのような意見がございまして、意見を踏まえた案についてメールで委員に照会することになりまして、こちらにつきましても委員に照会をさせていただきまして、それを反映した案というものをまとめましたので、食品成分委員会で御審議いただくことについて了解を得ております。
 こちらの議題2と議題4につきましては、この後に議題として上げておりますので、そちらのほうで、御意見、御検討をいただければと思っております。
 以上、資料5について、御説明させていただきました。
【門間主査】ありがとうございました。
 企画作業部会検討事項のご報告について、よろしいでしょうか。
 では、続いて、議題(2)に入りたいと思います。依頼による食品分析データの受入れについて、事務局から説明をお願いします。
【松下室長】次は、資料6に基づきまして、御説明をさせていただきます。こちらは、先ほど申し上げました企画作業部会のほうで御検討いただきまして、企画作業部会の委員から御意見をいただいて、まとまったものでございます。
 まず、資料6-1を御説明させていただきますが、こちらは、「依頼による食品分析データの受入れについて」ということでございますが、もう既にホームページ上に平成30年に改訂されたものが載っております。どういったものかと申し上げますと、食品標準成分表につきましては、いろいろな食品の分析データが載っておりますけれども、当方で分析をして検討をするだけではなく、きめ細かく利用者のニーズに対応していく観点から、必要に応じて未収載の食品の収載及び既収載食品の収載値の更新に向けて分析していくことが望ましいと思いますが、現状では全てに対応していくことは困難でございます。このため、未収載食品や既収載食品の成分値については、分析データの提供による収載・改訂等の依頼があった場合には食品成分委員会で収載の可否を決定するという形でさせていただいておりました。今回、御検討いただきまして、改訂部分につきましては赤字で記させていただいております。そちらのほうを御説明し、御意見をいただければと思っております。
 先ほど申し上げた趣旨で設けております制度でございます。その中で、受入れの条件、受入れの主な流れというものを整理しております。先日、委員から御意見ありましたように、食品によって、サンプリング方法、分析項目、分析方法等の調整が必要となり得ますので、提供データの分析前に、事前に資源室まで御相談くださいと。当方のほうまで御相談いただければ、委員のほうにしかるべき対応で手続をさせていただきたいと思います。
 まず、受入れの条件です。分析データの受入れに当たっては、原則として公平性やデータの信頼性確保の観点から以下の要件を満たすということで、収載依頼者につきましては、地方公共団体等公的機関もしくは当該食品を扱う業界を代表する業界団体等とするということ。それから、収載が可能な食品・成分の性格についてということで、食品については、成分表につきましては日常摂取されているものの標準的な成分値を記載するものでございますので、そこのところは変わらず、我が国において、日常摂取され、ある程度の流通量があること。また、個別企業の商品・ブランドのみのものではないこと。こちらを明記するようにという御意見をいただきまして、「1食品1標準成分値を原則とし、国内において年間を通じて普通に摂取する場合の全国的な代表値を満たすものとすること。ただし、地域特有の食品や限定された期間で摂取される伝統的な食品など、上記の条件と異なる食品の収載を希望する場合については資源室まで相談のこと」ということになっております。提供されるデータの分析機関につきまして、こちらのほうは変更ございませんが、妥当性が確認された方法を用いていることや内部品質管理などを行っていること、そういった妥当性について求められております。それから、分析、サンプリング方法につきましては、分析方法は、日本食品標準成分表分析マニュアルに定められている方法、またはそれに準じる方法で妥当性が確認された方法であること。また、標準的なものということですので、分析のための試料は、該当食品の標準的なものとし、産地、時期等に偏りがない複数をサンプルとしていること。分析データにつきましては、また別途様式を定めておりますので、それに基づいて提出していただくということになっています。
 受入れの主な流れ、こちらのほうを改めて整理させていただきました。事前相談から収載成分値の検討という形になっておりますけれども、まずは、事前相談ということで、収載したい食品の位置づけ等を明確化していくことが必要だと思っております。様式につきましては後ほど御説明いたしますが、まずは、依頼者から、収載を希望する食品、食品の概要について、資源室のほうまでお寄せいただきまして、食品成分委員会委員によるメール協議・確認により食品掲載の可否について判断し、妥当でないとの判断があれば、その旨を依頼者に伝えます。妥当であれば別紙のほうの手続を続けるということで、こういった手続にしている理由につきましては、まずは収載の可否がどうであるか。それが収載されるということになりましたら改めて相談をしていくことによりまして、分析をした後に駄目という形になりますと、その分析につきましても大変なコストがかかりますので、そういったことを避けるという形でこれが設けられています。じゃあ、食品が認められたときに、どういったサンプリング方法、分析項目、分析方法というのが必要なのかにつきましてですが、該当する食品群の担当委員のほか、分析方法に専門性を有する委員及び成分表の利用に専門性を有する委員の意見を聞くという形にして、依頼者に委員会の掲載が妥当であるとの判断を資源室のほうから伝えまして、分析に当たってのサンプリング方法、分析項目、分析方法に関する委員の意見も伝えて、いよいよ分析の実施という形になっていくという段取りを考えています。必要に応じまして依頼者へ分析機関をあっせんいたしますし、依頼者による提出様式の作成という形になってきます。分析していただきまして、分析データの提出ということで、その後、食品成分委員会による収載成分値の検討ということで、提出された成分値を基にいたしまして、まずは資源室と食品群担当委員で収載値(案)を整理いたしまして、委員会で成分値の検討ということで、その後、収載の可否を決定。この後に御説明いたしますけど、収載予定値(案)としてホームページに掲載し、その後、成分表に収載という形にしていきたいと考えております。
 ちょっと説明が長くなって恐縮ですが、こちらは様式のほうになっております。まずは、収載依頼ということで、依頼者名、連絡先、収載を希望する食品についての情報、食品の概要について、当該食品の生産状況や、加工食品については原材料名とそれらの分量など、それから、必要に応じて参考資料を添付していただく。この段階で、まず、収載できるかどうかということをメールで委員のほうに諮らせていただきたいと思います。その後につきましては、分析をしていただきましたら、これ以降の事項を様式に従って記入し、提出していただくという形を考えています。
 また、記入の際の注意事項など、そういったものも定めております。この中で一番大事だと思いますのは、日本食品標準成分表のマニュアルを参照していただく。その様式につきましても、それに沿って書いていただくということを考えています。分析データについては、「マニュアル掲載 付録4の表11-19を用い、原則、すべての表のデータを必要とするが事前にご相談ください」。原則は全ての成分という御意見もありましたので、それを原則としたいと思いますが、表、様式につきましては、全て必要かどうかというのを御相談いただくことによって、そういう手違いというものがなくなるのかなというふうに考えてございます。
 以上で、資料6の御説明は終わりました。どうぞよろしくお願いいたします。
【門間主査】ありがとうございます。
 それでは、御意見などありましたら、お願いします。
 石原委員、お願いします。
【石原委員】石原でございます。これを受けて、今回の改訂部分とは違うのですけれども、ちょっとお伺いしたいところがありまして、資料6-1の1の(1)の収載依頼者というところは、業界団体は分かるのですが、地方公共団体等公的機関というのはどういった辺りを想定していらっしゃるのか、何か具体的に事案があったのかというのをちょっとお聞きしたいと思いました。
【松下室長】御質問、ありがとうございます。地方公共団体等公的機関とございますが、今回、こちらのほうに赤字で書かせていただいていますが、既に成分表のほうでも、地域特有の食品だとか、限定された期間で摂取される伝統的な食品など、今、収載されております。こういったところの御要望というのがあるのではないかなと思っております。ただ、限られた予算の中で全て分析していくというのはなかなか難しいものですから、そういった御要望が地方公共団体のほうからあった場合には、収載の可否などを検討した上で成分表に載せていくという、そういう道があってもいいのかなと考えている次第でございます。
【石原委員】分かりました。ありがとうございます。
【門間主査】ほかに御意見はございますでしょうか。
 佐々木先生、お願いします。
【佐々木(啓)委員】農研機構畜産の佐々木でございます。どういう議論だったか忘れちゃったのですけど、データ受入れについて、クロマトグラフみたいな生データの保存期間とかって、何か決めていましたっけ? どのくらい保存しておけとかはあったほうがいいような気がするのですけど、その辺は、整理は要らないですかね。
【松下室長】今現在、平成30年に整理されていた形では、載っている限りは申請者が持っておくことというような形になっていたかと思っています。そこのところ、もし何か御意見ありましたら、ぜひお伺いしたいなと思いますが。
【門間主査】御意見ありますか。どうでしょうか。
【佐々木(啓)委員】例えば、食品分析センターさんとかでは、クロマトグラフとか、そういう類いの保存期間ってどうされているのかというのは参考になるんじゃないかと思っているのですけど。
【高橋委員】高橋です。特に成分表のデータなどを何年というふうにはっきりは決めてないのだと思いますが、すぐ捨てることはなくて、過去の分も長く取ってあるというのが実情になっています。
【門間主査】ありがとうございます。
【佐々木(啓)委員】実質的に相当長く保存するという場合でも、要は収載依頼をした主体のほうで保管しておいてくださいということでいいのですね。
【松下室長】現在の整理の状況を参考までに申し上げますと、当方で分析したものではなく、当方で説明してもらいたいというふうに言われた場合にもちょっと困る部分というのがございますので、申請者のほうで説明できるように整理していただいているという状況でございます。
【佐々木(啓)委員】承知しました。
【門間主査】ありがとうございます。
 ほかに御意見はございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。それでは、御了解いただいた内容で本委員会として進めさせていただきたいと思います。
 続いて、議題(3)に入ります。新規収載値の公開を含めた取扱いについて、事務局から説明をお願いします。
【松下室長】ありがとうございます。資料7に沿って、御説明をさせていただきたいと思っております。こちらは、新規収載値の公開を含めた取扱いについてということを、改めて御検討いただくという内容になっております。と申しますのは、こちらのほうに問題意識などを整理させていただいていますけれども、これまで日本食品標準成分表の収載値については、改訂の際など、成分表(七訂)を追補する版とかにおいて、分科会報告として公表されてきました。これまで七訂の追補につきましては、成分表(七訂)に食品や成分値を追加することが主であったのですけれども、成分表(七訂)の本表は変更しないという、そのような形で整理されてきたと考えております。
 一方、今後についてですけれども、既存食品のエネルギー産生成分を分析し収載値を決定していくということをしていきますと、今でも産生成分の中で分析値がないために空欄になっているようなところがございますが、そういったものを決定していくということになりますと、利用可能炭水化物の値やエネルギー値が変更になるなど、単に追加ではなくて、既に収載している値を変更していくということが必要となると考えています。また、成分表(八訂)の値を残して変更後の収載値を並列した場合、そういたしますと並列という形になっていきますけれども、利用者の混乱を招かないように、収載値が複数存在することの課題を整理しまして、公表方法及び数値の取扱いについて検討をする必要があるのではないかというふうに考えて、議題とさせていただきました。
 課題整理と対応案ということで整理しています。八訂の数値と更新数値の整理ということで、その対応案といたしましては、八訂の数値は固定し、別途、更新数値を整理していく。利用者は、どちらを利用するかは自ら選択してもらうということ。更新数値を掲載するに当たりましては、更新理由というものを備考欄などに掲載していくということで、後ほど、その様式を含めて説明いたします。それを五つに類型化いたしまして、新規分析(未収載成分)だとか、新規分析(既収載成分)だとか、構成成分・計算要素の更新だとか、分析方法の変更、その他という形。データ更新のタイミングにつきましては、新規収載値(案)が決定いたしましたら、委員会での決定がありましたら、収載予定成分値(案)としてホームページ上にその都度公表していきます。原則、年に1度の機会(4月末めど)で成分表に反映した形の様式で公表するという形にさせていただければと思っています。それから、(3)ですが、成分値以外の食品群別留意点など記載につきましては、収載予定成分値(案)の公表時には公表は行わず、原則、年に1度の成分表に反映する機会(4月末めど)で公表するということ。データの公表方法につきましては、文部科学省のホームページにおいて公表していく。それから、成分表の電子的取扱いとの関連ということで、先ほど企画作業部会の議題にもありましたが、成分表の電子的な取扱いというものを考えていきたいと思います。そちらのほうは継続検討という形になっていますが、後ほど議題にありますものも含めて、今後、検討していければと思っているものです。そういったものの整理ができた場合には、技術的に可能な更新方法の選択肢が増える可能性がありますので、整理方法を踏まえた更新方法については時機を捉えて改めて検討するということを考えております。
 この結果によりまして、食品の成分の情報を速やかに公開することと併せて、八訂から導入した産生成分に基づくエネルギー計算やその基となる産生成分値の充実によって、科学的知見により正確性を増している産生成分を用いた成分表の活用や食品間の比較が可能となるようにしていきたいと考えております。
 これだけ説明いたしましても具体的なイメージが湧かないと思いますので、少し、様式も交えながら、御説明をさせていただきます。
 こちらは、ホームページ上にどういった形で収載予定値(案)などを載せるかというものでございます。普通の成分表に載っておりますような様式でございますけど、そういった中に、新しく分析いたしました食品など、まず、ここに食品名を載せます。その下に、どういった形でこれを更新したのかという理由を載せるということをしております。その理由については、備考のほうに載せています。更新理由、こちらは新規分析であるということで、丸々一つ、こういうふうに更新されるという形にしています。
 もう一つ、ちょっと複雑なものになりますと、更新B食品というものがございます。こちらにつきましては、三つありますので、それぞれの更新理由ごとに分析したものを整理していくという形にしています。一つは新規分析(未収載成分)をした内容でありますということで、ナトリウム、カリウム、カルシウムを新規分析いたしましたと。あと、もう一つは新規分析(既収載成分)で、既に成分表に載っていますけれども、改めて再分析したようなものについて、α-カロテン、β-カロテン、β-クリプトキサンチンなどを分析しましたというものがございます。当然、ここら辺のカロテンの値が変わってきますと、β-カロテン当量の値も変わってきますので、これは、そういった更新理由、構成成分・計算要素の更新という形の整理をさせていただきまして、こういった計算数値を載せていく。β-カロテン当量やレチノール活性当量を載せていく。そうしていきますと、ほかにも、アミノ酸組成によるたんぱく質だとか、脂肪酸のトリアシルグリセロール当量だとか、そういったものも変わっていった場合に、差引き法により利用可能炭水化物も変わりましたと、エネルギー値も変わりましたというようなものにつきましては、構成成分・計算要素の更新というような、そういった形で理由を整理させていただければと思います。これが、1回、食品成分委員会で認められましたら、例えば、これは5月11日でありますと。次にまた同じように、別の委員会で認められましたら、9月22日ですとか、その次、こちらが認められましたら、11月10日というような、そういったホームページ掲載日でこういった整理をいたしまして、それをまとめて次の年度の4月に、赤字で入れていますが、既存の成分表の中に入れ込むような形で掲載をしていければというふうに思っています。これをそれぞれホームページ上で公表していくということでございます。
 じゃあ、それを公表する場所というものはどのように見えるようになるのかと申し上げますと、資料7-3ですが、「新規収載値の公開イメージ(案)」ということで、まず、既存のホームページにこのように一つ追加いたします。これは八訂の全体版が載っているところで、正誤表が載っている下に、こちらの※ですが、こちらのほうに更新データはありますということで、誘導するURLのリンクを張ります。で、こちらも既存のホームページにありますけれども、「日本食品標準成分表について」というホームページの中で八訂がありまして、八訂に収載している食品の一覧、Q&A、依頼による食品分析データの受入れについてというものがある、この間に日本食品標準成分表2020年版(八訂)更新データというリンクを張らせていただきます。
 そのリンク先にありますのは、こういったものを想定しています。イメージです。まずは、令和4年度ということで、タイトルにつきましては八訂公表後の新規分析等による更新データということで、毎年4月末をめどに公表予定ですので、令和4年度につきましては令和5年4月末をめどに公表予定ですという案内書きを載せます。収載予定成分値(案)ということで、こういったものが載りますという、その条件をこちらに掲載しています。食品成分委員会での決定を受けて、速報版として成分値のみ掲載します。食品成分委員会での新たな収載予定成分値(案)の決定を受けた際に更新します。食品群別留意点など関連情報は、上記「更新データ」において年に一度更新・掲載していきますということで、こちらは、まずは載るものです。令和4年度食品成分委員会決定といたしまして、日本食品標準成分表2020年版(八訂)更新データ収載予定値(案)(令和4年4月○日)ということで、先ほどエクセルでお見せしたもの、まずは決定したものはこういった形で載っていく。
 令和5年になりましたら、前年度、令和4年に決定しました更新データというのがこちらに載ります。あと、令和4年に速報版として決定したものの全体というのはここに残しつつ、次の令和5年の新たな収載予定値(案)をここに載せるというふうに考えています。令和6年は、これがさらに増えていくという形で考えています。
 じゃあ、その更新データはどういった形かといいますと、今の八訂に準じたような形で、数値のエクセルデータとそれ以外の情報というのが、食品群別留意点などもございますので、こういったところで整理させていただければと思っております。具体的になりましたら御相談する機会もあるとは思いますけれども、今の公開イメージといたしましては、こういったものを考えてございます。
 以上で、御説明を終わります。
【門間主査】ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明資料につきまして、御意見等ありましたら、お願いします。
 竹林先生、お願いします。
【竹林委員】健・栄研の竹林です。どういうふうに公開するかということについてはよく分かったのですが、今まで、データ更新とか、増補とか、2017とか、2018とか、非常に分かりやすい形になっていたのですが、今回、何年何月何日に掲載されたもののような書き方になるというように思います。一つ提案なのですが、例えば、八・一訂とか、八・二訂みたいな、バージョン番号みたいにするとか、あとは、八訂二版みたいな、論文とかで見て、このセットのデータなんだなというのがすぐに分かるような、何日更新じゃなくて、八・一とか、八訂二版とか、そのような名称を工夫して、すぐに分かるように公開するということができないかなあと思いました。
 以上です。
【松下室長】ありがとうございます。多分、この更新データに、令和5年4月公表、令和6年4月公表という形ではなく、八・何版とか、そういう名前をつけるといった形の御提案かなと思いましたが、そういった形でしょうか。
【竹林委員】そのとおりです。
【松下室長】それについては、ほかの委員の方々も御意見いただければと思うのですけれども。
【門間主査】高橋先生、お手が挙がっていますが。
【高橋委員】別の話ではあったのですけれども、多分、今の竹林先生のお話は、例えば、今の新規作成HP1-2の資料では、一番上の青字の公表の部分プラス令和5年の食品成分委員会決定のものを開けなきゃいけない場合があるので、その辺のセットが分かりやすいほうがいいよねというお話かなと思ったのですが、そういうことでよろしいのでしょうか。
【竹林委員】  竹林です。そのとおりです。更新データのほうは何年何月公表でいいと思うのですけど、セットとして公表された場合は、何回更新があったか。八・三だったら、八・二があるというのがすぐに分かりますので、そのようにフルセットが変わったのを八・一、八・二、八・三みたいな形で分かるようにするのがいいのではないのかという提案です。
【門間主査】この件につきまして、ほかの委員の先生から何か。
【吉田委員】吉田ですけれども。
【門間主査】お願いします。
【吉田委員】ちょっと確認したいのですけれども、更新データと称するものは、差分だけを、これまで変更があったものだけをここに公表するということなのでしょうか。そうしますと、竹林先生がおっしゃった、八・一とか、八・二とか、そういう全体をもう一回アップロードするというわけではないのでしょうか。そこが非常に大きく異なると思うのですが、もし差分だけですと、それを使われるユーザーの方にとっては今までの分に埋め込む作業が必要になってくるので、全体として新しい八・一版として出すという状態とは非常に異なってくると思うのですけど、いかがでしょうか。
【松下室長】差分だけではなく、それを埋め込みました形で全体版をこのように公表していきたいと思っております。御説明が粗くて申し訳なかったのですが、先ほどお見せした中で、今、八訂に載っております食品がありまして、更新した食品についてはこのような形で埋め込んでいくというふうに考えております。今お見せしているエクセルのものが、こちらの資料のエクセルのところに掲載されていくというようなイメージでおります。
【高橋委員】高橋ですけれども、私の認識では、更新版というのは更新だけのデータで、年に一度、一年たつとそれが全て反映されて、その後、更新分は更新分だけたまっていくという認識だったのですが、そういうことじゃないのでしょうか。
【松下室長】今、高橋委員のほうからいただいた話は、割と認識として近いと思っています。すみません、ちょっと言葉が悪いのですけれども。こちらのほうに載せていますように、現状の八訂につきましては、八訂という形で載せまして、そのほか、更新というものを整理させていただく。この更新したものにつきましては、既存の八訂とは別で、更新データという形で全体版を掲載させていただくということで考えております。
【門間主査】瀧本先生、お願いします。
【瀧本主査代理】ありがとうございます。更新データという名前が分かりづらいのかなあと、今、議論をお聞きして思いました。最初に室長からお示しいただいたのは、新しく分析されたりして3行ぐらいになっているエクセルのシートと、年1回、それが1食品1行になったデータと、結局、2種類できるということでいいのですよね。
【松下室長】こちらの資料ですね。これにつきましては、整理していきますと、仮に、5月分だとか、9月分だとか、11月分だとかいうふうに御説明をさせていただきましたが、こちらのほうは、5月分、9月分、11月分、こういった形で全部積み上がっていっております。この積み上がった最終版につきましてはこちらのほうの収載予定値(案)というもので、積み上がったエクセル表はずっと置いておきます。最終版につきましては、こういった形で令和4年度に決まったものは置いておくという形で、それは令和6年になっても置いておくというふうに考えております。ただ、ここの更新データにつきましては、令和4年、令和5年、令和6年の全てを反映したものを一つだけここに置くというふうに考えています。
【瀧本主査代理】そうしますと、例えば、1年のうち何回か更新、今、グレーになっている部分はたまっていって、最後に、年1回、下の食品成分委員会決定というところにまとめて載っていくということですよね。
【松下室長】そうですね。個別の食品の分析データというのは、新しくされた分析データだけをこういったところで整理いたしまして、1年の結果というものは、こちらのほうでまとめて現在の八訂のデータの中に埋め込むような形の表を作って、ここに載っけていくと。これは更新データというふうにちょっと名前が分かりにくいという形ですけれども、どうしてこうしたのかというと、令和4年のもの、令和5年のもの、令和6年のもの、それを積み上げて今の八訂の中に埋め込んだものをここに載せるというふうに考えているからで、更新データというのが分かりにくければ、少しアイデアをいただければありがたいのですが。
【瀧本主査代理】あと、ちょっと気になったのは、さっき、5種類ぐらい、なぜデータが変わるのかの理由づけを整理されると言っていたのですけど、その理由づけで検索とかは現状のエクセルシートだと難しいですよね。
【松下室長】ああ、なるほど。こちらのほうですね。こちらの備考欄にその理由を掲載するということができれば、可能だと思います。収載予定値(案)のほうにつきましては、その理由というのはそれぞれ整理をするのですが、まとめたものを掲載する、こちらのほうには、今、そういった理由というのは入れていないのですけれども、こちらも入れたほうがいいという御提案だと思うのですが。
【瀧本主査代理】はい。おっしゃるとおりで、そうでないと、どうして変わったのか、後でつなぎ合わせるのが非常に難しいというのが気になりました。
 以上です。
【松下室長】そこは、ほかの委員の御意見もいただきたいと思います。備考欄につきましては情報が多過ぎるという御意見も一方ではいただいておりますので、そこのところを御意見いただければ当方としてもありがたいと思いますが、いかがでしょうか。まとめた年1回のものについても備考欄のほうに更新理由があればいいという御意見を委員の方からいただけるのであれば、そのように対応したいと思いますが。
【門間主査】いかがでしょうか。
【佐々木(啓)委員】よろしいでしょうか。
【門間主査】お願いします。
【佐々木(啓)委員】佐々木ですけれども、検索の便利という観点では、備考欄を少し分けたほうがいいのではないかと思っています。1個のセルにたくさんの情報を入れてはいけませんよと、政府が電子データを出すときの総務省のガイドラインとかでもそういうことを書いてあると思うので、更新の理由は更新の理由の欄、別名は別名の欄、それ以外に何か必要な、食品特有の事情は食品特有な事情みたいな感じで、備考欄を分けるというのはそろそろ考えたほうがいいのではないかというのが1点と、あと、ちょっと話が戻るのですけど、毎年出てくる新しいデータというのは、要は更新用のデータで、それは差分だけですよ。それが反映されたものは更新済みデータですよというふうに、更新用と更新済みという言い方をしちゃえば直感的に分かりやすいんじゃないかと思ったので、その辺は、先ほど、これについて吉田先生からコメントがあったところですけれども、例えば、そんな感じでいいんじゃないかなと思うのですが、どうなのかなという、この2点ですね。
【門間主査】どうでしょうか、事務局の御意見としては。備考欄を分けられるかというのと、更新用、更新済みで分けるというような案ですね。
【松下室長】御提案いただきまして、ありがとうございます。まず、備考欄のほうをお答えしたいと思うのですけれども、電子的データとしてホームページに載せるという形で今御提案していますが、その限りにおいては多分大丈夫だと思います。ただ、それを書籍等にしていくときに、そこは煩雑だという議論があった場合にはなかなか難しいかなと思っていますけれども、実はこの後御提案したい議事の中にありますが、電子的なデータで整理できるほうがいいのではないかなあと思っておりますので、そういうことを踏まえまして更新理由と特殊な事情というものを分けていくという形で整理させていただければと思っております。
 更新用と更新済みというものにつきましては、ほかの委員の御異論がなければ、そのようにさせていただきたいと思います。
【門間主査】更新用、更新済みという分け方なんですが、御意見ございますか。
 高橋先生は、手が挙がっていますけど。
【高橋委員】別の案件なので、後からにします。
【佐々木(啓)委員】その呼び方は、主査と事務局で御整理いただくのがよろしいかと。
【松下室長】更新用、更新済みにつきましては、主査と御相談した上で、また委員のほうに御提案をさせていただきたいと思います。そういった形でよろしいでしょうか。
【門間主査】そういう形でよろしければ、今後、相談させていただきたいと思います。
 それでは、高橋先生、お願いします。
【高橋委員】別件なんですけれども、今、説明があったのは本表についての更新のあれですが、アミノ酸と脂肪酸と炭水化物の組成編についても同様のことをするという認識なんですけれども、そういう認識でよろしいのでしょうか。
【松下室長】はい。例といたしまして本表のほうを提示させていただきましたが、先ほどのイメージのパワーポイントのほうにありましたように、全体を掲載するつもりでございますので、そちらのほうも整理していくということにさせていただきたいと思います。
【高橋委員】分かりました。ありがとうございます。
【門間主査】そのほか、御意見はございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。それでは、本議題については、事務局と相談して、皆さんの御意見を伺いながら進めさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
 それでは、議事(4)、第11期の食品成分委員会の課題の進捗状況について、事務局から説明をお願いいたします。
【松下室長】資料8に基づいて、御説明をさせていただきます。第11期食品成分委員会も開催いたしまして1年以上たちまして、資源調査分科会から調査事項のほうをいただいておりましたので、その進捗状況について、御報告をさせていただきたいと思っております。全部で五つの調査事項がございます。1番から御説明するのがいいのかと思いますが、説明の順番は、2番からにしたほうが分かりやすいかと思いますので、2番からさせていただきます。
 2番につきましてですが、収載食品の更新・充実についてということで、こちらのほう、今、どういった状況になりますかといいますと、食品分析につきましては、令和3年度の食品分析に関する委託事業を実施いたしました。令和4年度の食品分析に関する委託事業は公告中でございます。分析に当たっては、AOAC.2011.25法による食物繊維の分析を優先という形で、委員会にもお諮りしながら進めてまいりました。それから、収載食品・成分の充実につきましては、過年度(平成31年度、令和2年度、令和3年度)に分析された食品について収載値を検討し、令和4年度中に公表という形にさせていただきたいと思っております。ワーキンググループがまだ開催できておりませんので、そちらのほう、事務的な手続、委託事業などができましたら、すぐに開いて、やらせていただけたらと思っております。
 調査事項の3番ですが、食品成分データの利活用推進方策の検討と精度・信頼性の向上ということで、デジタル化というものがございます。令和3年度の委託事業によりまして、分析データの受入れから収載値案の検討、外部へのデータ提供の一貫体制を念頭にした、日本食品標準成分表の次期データベースの基本設計等を検討いたしました。令和4年度、こちらも委託事業によりまして、過年度の分析データのデータベースの構築及び収載値の検討に関するシステム化を検討していきたいと考えております。こちらのデジタル化については、次の議事(5)で改めて御説明・相談させていただければと思っております。それから、新規収載値の公表についてということでございますが、資源調査分科会からいただいた事項の中には、ドラフト版としての公開をするといったような記載がございます。そういった公開条件を満たしつつ、産生成分の追加によるエネルギー等既収載値の変更に配慮した公表方法を検討というのが、先ほどの議題でございました。それから、英語版の作成及び多言語利用についてということで、こちらも今年度の委託事業でございますけど、八訂の英語版の作成、それから、多言語利用に関するアプリケーションの調査を行うということにしております。
 4番は国内外動向調査ということで、国内での食品成分の利用状況につきましてですが、令和4年度の委託事業により国内における成分表の利用状況等について調査するという予定になっています。それから、外部からの食品分析データの受入れについてということで、先ほど議題(2)で御説明させていただきました内容でございますが、その受入れ方法の見直しを検討させていただきました。
 5番のその他、日本食品標準成分表に関連する事項についてということで、八訂の分析マニュアルを令和4年2月に公表しております。
 こういったものをまとめという形で、調査事項の1番でありますけれども、日本食品標準成分表の次期改訂方針や在り方についてということで、令和5年度をはじめとした今後の分析食品及び成分について、今年度中に検討を開始させていただきたいと思います。また、企画作業部会のほうにも案を諮らせていただいた上で、委員会のほうで検討をさせていただければと思っております。その際の課題といたしましては、現在検討中の次期データベース及び収載値検討システムを踏まえた次期改訂方針や在り方に関する検討が必要と。その際に、多様な利用に対する食品成分データの提供や関係者との連携の検討が必要というふうに考えております。こういったものにつきましては、今、問題意識を持っておりますので、委員会のほうに今後お諮りさせていただければと思っている事項でございます。
 以上、資料8について、御説明をさせていただきました。
【門間主査】ありがとうございます。
 それでは、ただいまの説明について、御意見ありましたら、お願いします。
 高橋先生、お願いします。
【高橋委員】1点、英語版の作成及び多言語利用についてというのがありまして、多言語利用に関するアプリケーションの調査を行うというのがあるのですが、これは具体的にどんなことをするためのアプリを調査するのかというのが分からなかったので、ちょっと教えていただきたいなと思いました。
【松下室長】今、公告中の委託事業でございますが、その中で想定していますのは、まずは八訂の英語版の作成というものはその事業の中でやりまして、多言語利用と申しますのは、今、既に世の中には翻訳のためのアプリケーションというのが出ておりますが、成分表につきましてはいろんな専門用語などもございますので、英語だけではなく、フランス語だとか、ドイツ語だとか、いろんな言語がございますので、多言語に翻訳した場合に、なるべく成分表の意味を損ねないような、そういった形で利用できないかなということの、適応性を見ていければというふうに考えております。
【高橋委員】最終的には英語以外の言語の成分表(八訂)を作るための調査ということでいいのでしょうか。
【松下室長】八訂の多言語版を作るというところまでは、今、想定はしておりません。アプリケーションの調査までを想定しています。
【高橋委員】分かりました。ありがとうございます。
【門間主査】平出先生、お願いします。
【平出委員】森林総研の平出です。4番の国内外動向調査の(1)なんですけれども、これについては書籍と電子版の利用の差異みたいなものも含まれているのでしょうか。
【松下室長】もう少しイメージを教えていただければ助かります。
【平出委員】何回前の委員会か忘れてしまったのですけれども、書籍版は、電子版のデータをそのままそっくり載せるだけでなく、例えば調理師が使うような形でコンパクトにまとめればいいんじゃないかというような議論があったと思うんですよ。もし、書籍版は書籍版で非常にコンパクトにまとめる、でも、電子版は必要なデータは全部載せるみたいな違いがあれば、先ほどのエクセル表のカラムを増やすみたいな議論はあまり関係なくなるのかなあと思ったのですけれども、そういったイメージです。
【松下室長】まず、令和4年度の委託事業で想定している調査について御説明いたしますと、成分表の中にはいろんな食品だとか成分値が載っていますので、そういったものをどのような方がどのように利用しているのかということを調査したいなと思っております。形態というよりも、中身の利用をどのようにしていただいているのかなという、今、想定しているのはそういった形でございます。
 書籍版と電子版という形ですけれども、書籍版につきましては、実は当方から発行というのは八訂からしておりません。印刷会社さんのものにつきましては、当方が編集したものはありますけれども、あくまでも発行自体は当方ではないという形でございます。そういった形で利用者が利用目的に沿ったような形で書籍というのは自由に作成していただいたほうがいいのかなと思っているところでございまして、昨今、書籍だけにとらわれず、どのような形で出せばいいのかなというのは、電子化していきますといろんな可能性というのが追求できるかと思っておりますので、次期改訂版とかというときにどんなような形がいいのかなというのをまた改めて委員の方に御検討していただければと考えている次第でございます。
【平出委員】分かりました。ありがとうございました。
【高橋委員】高橋ですけれども、よろしいでしょうか。今の続きなんですけれども、成分表の利用状況についての委託事業を行う目的というのは、どのような方がどのように活用しているかということを調べて、今後、どういうところを充実させていけばいいのかとか、力を入れていけばいいのかということを調べるというような目的ということでいいのでしょうか。
【松下室長】おっしゃられたようなものも検討する基礎材料ともなりますので、私ども、ユーザーの要望とかというのも捉え切れてないところがございますので、そういったものを利用状況調査という形でまとめさせていただければ、今後、どういった方向性で成分表のニーズがあるのかというのをつかまえられるかなというふうに考えての調査でございます。
【高橋委員】分かりました。ありがとうございます。
【門間主査】ほかに御意見ありますでしょうか。
 よろしいでしょうか。それじゃあ、デジタル化については後で説明ということで、事務局は、いただいた意見を踏まえて進めていただきたいと思います。
 それでは、次の議題(5)に入ります。日本食品標準成分表の体系的データの構築について、事務局から説明をお願いします。
【松下室長】資料9に基づいて、御説明をさせていただきます。これも、今現在、公告中の委託事業を基にして検討していきたいと思っているものでございますが、題名といたしましては「日本食品標準成分表の体系的データの構築について」というふうにさせていただいております。今まで食品成分表の収載値というものをどういうふうに検討してきたのかと申し上げますと、資料の後ろのほうにありますが、「食品成分委員会申し合わせ」というような形で、収載値の根拠データの取扱いだとか、根拠データから収載値を計算する方法だとか、こういったものを食品成分委員会のほうで御了解を得て、これを基にして収載値(案)を検討し、具体的なそのデータの収載を認めていただいていたというような形かと思っております。その中には、そもそもデータの取扱いだとか、計算方法、手順とかっていうのは載ってはございますけれども、これだけですと、私ども資源室のメンバーも替わっていく中で、いろんなデータが積み重なり、そして計算方法も積み重なっていく中で、継承ということと、どのようにやっていくのかというのを迷うところが非常にございまして、七訂から八訂となったときに収載する成分値も多くなっておりますし、成分値同士、分析値同士から計算するもの、エネルギーなんかはその最たるものですけれども、アミノ酸組成によるたんぱく質なんかも、アミノ酸の合計とかというものがございますので、そういったものを整理していって、なるべくデータを整理していかなければ手が回らないなと。それは、迅速に分析値を使えるように出すということと、私ども過去のデータを取り扱う上では非常にマイナスとなるものでございますので、それを改めて整理していきたいというふうに考えているところでございます。
 その方法につきましては、今ほどお話ししたものと重複する内容となりますけれども、そのような御説明をさせていただきますが、先ほどの「食品成分委員会申し合わせ」がございまして、最新の食品分析データから四訂までを事務的に整理し、収載食品について委員会で検討の上、資源調査分科会の報告書として日本食品標準成分表を公表してきました。今般、積年のデータ蓄積や分析精度の向上等により、食品成分ごとのデータ値の構築のための条件や作業が成分値の追加や計算により大規模化かつ複雑化しており、分析結果の信頼性を担保しながらデータ構築や検証を通じてデータを公開するまでに多大な労力と時間を要することが課題となっています。そのため、令和4年度から、既存データ処理作業のフローの見える化と、食品成分委員会の経験者など国内での専門家の知見が収載値へどのように反映されてきたかを整理した上で、日本食品標準成分表の体系的データ構築(システマティックな収載値案の構築)手法の確立を目指した検証調査を行っていくこととしたということです。
 課題解決に向けましては、成分表の作成に当たりまして、体系的データ構築手法の確立によりまして、分析食品の確定、食品分析、食品成分データの統計的な処理、収載値案の検討、成分表への反映の一連の流れの中で、上流からのデータ構築の処理について、より一般化し、データ公開までを体系化することによって、ヒューマンエラーの減少と迅速さの確保などの課題解決を行うというふうに思っています。一方で、成分表の体系的データ構築によって従来との比較や関係機関への影響等も懸念されるところでありまして、資源調査分科会食品成分委員会での確認をしていくことが必要となっております。
 そういった委託事業の中でいろいろな検討をいたしますので、食品成分委員会のほうでもそういったものを確認していただくことが必要と考えております。具体的に、まずは今年度やっていくことといたしましては、企画作業部会と委託事業で連携し、体系的データ構築手法の確立の検討を進める。ちょっと観念的なことを書いてありますが、後ほどイメージを御説明します。また、食品成分委員会にて、次期成分表の改訂方針の在り方への反映等も検討していきたいと思っております。
 イメージといたしましては、一部を簡略化した図なんですけれども、まず、食品成分委員会のほうで分析食品を決定されます。これが決定された後、分析企業によって分析をしていただきまして、食品分析の結果が出ます。これにつきましてデータの統計的な処理をしまして、収載値案の検討をしまして、成分表への反映ということになっておりますけれども、ここの部分につきまして、特に膨大な作業となっておりますし、人員が替わっていく中で、継承、それは私どももそうですし、食品成分委員会の委員の中でのやり方の継承だとか、考え方の継承というのもなかなか厳しいものがあるのではないかなと思っておりますので、こういったものをきちんと整理します。こういった一連の流れについてシステム化することによりまして、電子的に整理できるようにすることによりまして、ヒューマンエラーの減少と迅速さの確保を目指していきたいと思っております。今、エクセル表を使いながら、人力で、コピー・ペースト、数式の入力など、そういうものをやっております。そういった中では、時間もかかりますし、ヒューマンエラーというのも生じてくるというふうに考えておりますので、こういったものをデジタル化することによりまして解消していくことが、今後、膨大なデータ、複雑な計算を扱う上で必須事項かなと思っております。こういった取組を始めさせていただきたいので、私ども資源室だけではなく、委員会の委員にいろいろと御協力をしていただかなければ知見の集積というものができてないというふうに考えておりますので、こういった方針について御意見をいただき、そして御協力いただければというふうに思っている次第でございます。
 資料説明を終わります。
【門間主査】ありがとうございました。
 それでは、今の説明について、御意見をお願いします。
 瀧本先生、お願いします。
【瀧本主査代理】どうも、御説明、ありがとうございました。これまで成分表というのは非常に膨大なデータの積み重ねがあって、これは本当に重要かつ貴重なものだと思っております。これを体系的に整理して、ヒューマンエラーが起きないようにきちっと整理していくという作業は、今後、ますます重要になっていくと思います。特に、過去の分析データを管理していくこと、古い分析値のままのものが残っている食品というのも更新していかないといけませんので、その基盤となるデータベース作成ということは急務だと考えます。また、優先順位、どういう食品から優先的に分析していくか、どの成分を分析していくかということも、体系化していかないと、行き当たりばったりというふうにみなされては非常にもったいないと思いますので、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。成分表データは、私どもの関わっております国民健康・栄養調査でも活用させていただいていますし、すごく利用範囲が広いと思います。ぜひ、どのようにデータセットをうまく外部にも提供していくか、そういった提供方法の検討も含めて進めていただけると幸いでございます。
 以上です。
【門間主査】ありがとうございます。
 そのほか、御意見はございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。デジタル分野の進歩も著しくなって、社会変化のスピードも速くなってきていて、今、瀧本先生がおっしゃったように、積み重ねてきたデータを体系的に構築していくというのは喫緊の課題になっていると思います。事務局のほうも、こういった状況を踏まえて、進めていっていただけたらなと思います。
【松下室長】ありがとうございます。
【門間主査】それでは、最後の議事(6)、その他ということで、今後のスケジュール等について、事務局のほうからお願いいたします。
【松下室長】ありがとうございます。まず、次回委員会につきましては、9月頃の開催という形で考えさせていただきたいと思っております。その前提といたしましては、ワーキンググループなども開催できましたら、そこで収載値(案)の検討などをさせていただきまして、次回委員会の中でも検討をしていただければというふうに考えている次第でございます。
【門間主査】ありがとうございます。
 それでは、予定していた議題については全て終了いたしましたので、閉会にしたいと思います。皆さん、長時間にわたり、ありがとうございました。

── 了 ──

(科学技術・学術政策局政策課資源室)