第十期食品成分委員会(第19回) 議事録

1.日時

令和2年11月26日(木曜日)15時00分~16時30分

2.場所

文部科学省15階科学技術・学術政策局会議室1

3.議題

  1. 「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」(案)について
  2. 今後の課題と対応の進捗について
  3. その他

4.出席者

委員

安井主査、渡邊主査代理、齋藤委員、佐々木(敏)委員、安井(健)委員、
石原委員、上田委員、小竹委員、小林委員、佐々木(啓)委員、鈴木委員、高橋委員、瀧本委員、竹林委員、立木委員、平出委員、本田委員、門間委員

文部科学省

松本資源室長、松本室長補佐

5.議事録

【安井(明)主査】  これより第19回の食品成分委員会を始めたいと思います。本委員会の議事については、全て公開となり、後日、議事録がホームページに掲載されますので、あらかじめ御了承ください。
 また、本日は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、傍聴については会議の模様をライブ配信にて公開しており、配信トラブルがあります場合には、後日議事録にて確認していただくよう、こちらも御了承ください。
 今年度においては、前回の七訂から5年ぶりとなる成分表2020年版(八訂)の公表に向けて、収載する食品の検討や案の執筆等について、委員各位にはこれまで大変お世話になりました。特にコロナ禍の中で、メールでの会議になりましたけれども、ありがとうございました。
 このような中で、成分表2020年版(八訂)については、これまでも検討を積み重ねてまいりましたが、年内の12月の公表を目標にしているところです。本日、本委員会としてその取りまとめを行うこととしております。委員の皆様には、本日も忌憚のない御意見をいただくよう、よろしくお願いいたします。
 それでは、これより議事に入る前に、まず、事務局から委員の出欠状況の報告と配付資料の確認をお願いいたします。
【松本補佐】  本日の委員の出欠状況でございますが、内藤委員におかれましては所用のため欠席となっております。それ以外の18名の委員におかれましては、全員出席となっております。
 続きまして資料の確認をしたいと思います。議事次第に配付資料一覧を載せておりますが、まず、資料1-1、令和2年度に追加検討した食品の概要、A4となっております。続きまして、資料1-2-1、これもA4、資料1-2-2、資料1-2-3、これについてはA3の横判の資料となっております。続きまして、資料1-3、これはA4、1枚紙、資料1-4、1-5も同じA4となっております。続きまして、資料2-1、1枚紙、A4、資料2-2、2枚紙、A4、資料2-3、2-4、A4の1枚紙となっております。
 それに加えまして、参考資料としまして、昨年度の食品成分委員会の組成に基づく成分値を基礎としたエネルギー値の算出のまとめペーパー、あと、これも去年の食品成分委員会の調理済み食品の収載方針をつけさせていただいております。ここには書いておりませんが、これに加えまして、A4の1枚紙で、食品群別収載食品数(案)を1枚づけさせていただいております。
 資料につきましては、不備とかございませんでしたか。よろしいでしょうか。
 それ以外に過不足等、なかったでしょうか。大丈夫でしょうか。
【安井(明)主査】  よろしいですか。それでは、これより議事に入ります。
 議題1の日本食品成分表2020年版(八訂)(案)について、事務局より説明をお願いいたします。
【松本室長】  それでは、私のほうから、議事の(1)、日本食品標準成分表2020年版(八訂)(案)についてというところに関わる資料を御説明させていただきたいと思います。資源室長の松本でございます。
 まず、八訂の案に行く前に、春先から、今年度、実は追加で検討している食品がありますので、そこら辺のおさらいを資料1-1に簡単にまとめてございます。
 資料1-1を御覧いただきます。令和2年度に追加検討した食品の概要。要すれば、今回、年末に向けてまとめております5年間の追補の内容も含めた全面改訂ということでございますが、昨年末に2019年のデータ更新を公表させていただいた後に、追加で検討している食品がありますということでございます。その情報でございます。
 ここに書いてありますように、パン類、麺類、漬物、それから果実のビタミンK、鶏卵の再分析。裏に行きまして、マーガリン類の無塩、菓子類についての食品の拡充ということ、減塩タイプの食品の追加、ドレッシング類の名称の変更、それから18群の見直しということでございます。
 八訂の大きな基本方針といたしましては、昨年の食品成分委員会で御確認いただいたように、エネルギー計算の見直し、それから調理済み食品の扱いの変更というところが骨になってくるかと思いますが、個別の検討食品ということでは、昨年までの検討食品に加えて、こういったものも含まれてくると御承知おきいただければと思います。これらのものの中で、まだ実は分析値の最終確定が行われてないものがございますので、それを1点申し上げておきますと、鶏卵の再分析のところで、実はビタミンDの代謝物質の分析がまだ済んでおりませんので、今回お配りしている数値ではそれが反映されてない数値が入っていると御了解いただければと思っております。
 その形で春先以降、先ほど主査のお話もありましたとおり、委員の皆様方にはメール審議というちょっと窮屈な中で御検討いただいたということになっております。ここは御確認ということでございます。
 そういたしましたら、次に、八訂本体の今の概要について御説明をさせていただきたいと思います。今回は成分表本体の案を確定していくという作業を専門委員会として行わせていただくということでございます。今後、資源調査分科会を来月予定しておりますが、その中では「八訂の改訂の概要」を作りながら上に上げていくという格好になるかと思いますが、今回はその報告書の全体ということで、資料を作らせていただいております。
 まず、資料1-2-1といたしまして、目次(案)でございます。この構成につきましては、ほぼ2015年版七訂の構成を踏襲しているところでございます。そんな中で目次の1ページを見ていただくと、真ん中ちょっと下あたり、④炭水化物と書いてあるところの説明が少し詳しくなっているという構造がうかがわれると思います。エネルギー計算の見直しに大きく関与する成分でございますので、ここの説明が少し多くなっているということでございます。
 それから、2ページ目にいきますと、無機質からビタミンそれぞれ各成分の説明を掲載させていただいているという中で、最後に括弧数字の最後のところに成分識別子というものを入れさせていただいております。これは資料1-2-3、A3横の本表の形式です。ここの表頭の一番下の段、アルファベット横文字が縦に並んでいるところに、成分の国際的な共通符号をつけさせていただいているということでございまして、そのうち特に我が国特有のものについては説明が必要であろうという先生方からの意見で、こういう項目が入っているということでございます。
 それから、その下は1章の成分の技術的な説明の中の表の種類が書いてありまして、まず、食品群別の収載食品数でございます。現在、今日段階の整理で2,478食品収載予定でございます。ただ、先ほど申し上げたとおり、まだ分析中の食品等もございますので、そこの確定については、追って皆様方と共有させていただきたいと思っております。それから表2といたしまして、適用したエネルギー換算係数。これは昨年御議論していただきました組成に基づくエネルギー換算に適用する、組成成分に対応したエネルギー換算係数が入ってくるということでございます。変わった点といたしまして、もう1つの骨であります調理食品の関係でいきますと、表12、表13、表14、ここあたりに調理関係の係数。2015年版では調理の概要と重要変化率は別々の表であったのですが、追補の検討の過程で、これを一体化したような様式にまとまってきておりますので、これを表12としております。その後、いわゆる油調理、揚げ物調理における脂質の動きについての表13、表14、これも収載食品全体にわたる整理をさせていただいているということでございます。
 そして次のページにいきますと、本当はこの表の並びで入っているのですけれども、エネルギーの計算方法ということで、これも後ほど説明、本体の案も今日、つけておりますので、そこで確認いただきたいと思いますが、2019年、昨年、予備的な試算をさせていただいた段階から、皆様御案内のとおり、エネルギー換算に用いる成分の選択についての評価の手法を少し変えているということで、その委員会としての合意した最終的な計算方法の説明がここに入ってくるということでございます。第2章といたしまして、今日、A3の横でお配りしている成分表本体、第3章といたしまして、食品群別留意点。これも品目担当の先生方にいろいろと御検討いただいているものでございます。本日はちょっと大部になりますので資料としてはつけておりませんが、皆様に協議いただいているものが現時点版と御理解いただければと思っております。
 それから、第3章の1が食品群別留意点になるんですが、2、3、4、という資料がまたついております。2につきましては、2015版からエネルギーの計算方法を変えましたということで、これも今日はつけていないのですが、2020年版のエネルギーと2015年版のエネルギーの計算方法を同じ食品に対して適用した場合の比較表をつけております。ということで、要すれば今回2020年版に収載された食品について、仮に七訂の方法でエネルギー計算をしたらどういう値が出るかというのはこの表を見れば分かるという仕掛けになっているということでございます。3の成分変化率区分別一覧につきましては、昨年委託調査の中で検討させていただいた資料がありますので、それを参考的につけさせていただいたらと思っております。ただ、若干事務局からエクスキューズになりますが、これは昨年の検討バージョンでございますので、2019年までのデータを反映したものということで、参集して委員の皆さんで検討する時間が取れれば2020年版にアップデートできたのですが、少しそこは間に合ってないので、2019年ベースの資料として今、関係者の中で作成、整理をしているという段階でございます。それから、4点目といたしまして、水道水中の無機質。これも2015年版に載せさせていただいた各地域の浄水場ごとの無機質量についての整理ということでございます。
 続きまして、資料1-2-2に移らせていただきます。今、目次で説明させていただいた改訂のポイントのより詳しいものがこの中に出てくるかと思いますので、そこの部分を少し説明させていただきます。
 まず、1枚めくって3ページです。今回の改訂のポイントとして、このページの中段ほどに①、②、③という形で書かせていただいております。先ほど、資料1-1の今年度追加で検討した食品というのは、言わば今までの追補と同じようなベースの話題となるのですけれども、今回、2020年版は全面改訂ということで、全体の構造としてどう変えていくかについて3点、こういうポイント上げさせていただいているということで、これを資源調査分科会等に御報告する際はこういうところを中心に、少し概要資料を作り上げていくのかなと思っております。
 読み上げますと、まず、これまでの追補の集積を全体に反映して、それで計算食品等、いわゆる影響する食品についても整合を取ることをしたということでございます。それから2点目といたしまして、先ほど来、申し上げておるエネルギー計算の方法を変更したと。この本旨はエネルギー値の科学的推計の改善を図ることにありますということでございます。それから3点目といたしまして、調理後食品に対する栄養推計の一助とするための情報の充実ということで、後ほど出てきますが、18群の食品類の見直しと、それから参考附表類の見直しを行っているということでございます。
 次のページに行きまして、いきなりもう誤字が出てくるのですが、4ページ目の沿革のところに、2,479が2020年版の収載食品と書いてありますが、先ほどカウントしました2,478ということで、すみません、これは次のページの中段の表1のほうが正しいと御理解ください。
 5ページに飛んでいただきまして、今のところ、検討しているものが漏れなく収載できるということになれば、こういう形で食品群別にも食品数が収載されるということでございます。
 次のページ、6、7につきましては、ちょっと技術的な話なのですけれども、いわゆるこれまでの欠番です。実は食品番号については、五訂成分表からずっと同じ背番号を使っているという構造になっておりまして、その間の検討の中で、細分化をしたとかいろいろ所々の理由によって番号が消えているものがございますということで、そういうものを整理させていただいているということでございます。
 7ページの下のほうに索引番号を出してございます。索引番号は先生方、検討値は小数点のついた番号を付させていただいて、非常に見づらかったと思うのですが、ここに来まして、やっと連番が振れるようになってきたので、そのいわゆる成分表としての収載順に並ぶように、八訂の成分表としての連番を付させていただいているということでございます。
 それから、8ページ目に行きまして、収載成分項目等の説明の中では、いわゆる成分の観点からの変更という意味では、そのエネルギーの話をまず(1)載せさせていただいているということでございます。これがA3横の資料1-2-3の並びとも関連するのですけれども、並びの考え方がここに書いてあるということでございます。エネルギー計算の基礎となる成分が、よりエネルギー近いところに表象されるような並び順に変えているということでございます。ただ、従来の窒素たんぱく質でありますとか、従来の脂質につきまして収載をやめるということでなくて、順番をよりエネルギー計算の原則に近いものから並べ換えるという形にしているということでございます。また、今回のエネルギー計算の見直しにつきましては、炭水化物の内訳を細かく評価していくという操作になりますので、関連する成分であります糖アルコールですとか食物繊維、それから有機酸もしかるべき場所に並べさせていただいているということでございます。その下に各成分ごと、一般成分から無機質に至るまでの並び順の説明が載っているという格好になっております。
 9ページ目に移っていきます。表頭全体を主査とも相談しながら整理する中で、なるべく七訂で使っているA3横の広がりの中で表現する中で、優先順位の高いもの、あるいはほかに送ってもいいようなものを整理していった結果として、⑧のところに少し、実は2015年版の本表に載っていて、2020年版の本表から落とすと。ただ、成分表は組成も含めて一体なので、情報として漏れることはないのですが、紙幅の関係で本表に載っていないものがこの⑧に書いてあるということでございます。具体的には脂肪酸のうち、飽和・不飽和脂肪酸につきましては、脂肪酸組成のほうを参照いただきたいという御案内になるかと思っております。それから、食物繊維につきましても、今まで水溶性、不溶性、それからAOAC2011.25法というものを載せているのですが、今回は、エネルギー換算に使うところの食物繊維総量を載せるという整理をさせていただいております。これも炭水化物組成の成分表を見ていくと、それぞれの分析方法別の成分値、内訳も含めて参照可能になっているという構造にありますということでございます。
 9ページの(4)エネルギーのところにエネルギー換算の紙幅を取った説明が出てまいります。ここに書いてありますとおり、FAO/INFOODSの推奨する方法に準じて、アミノ酸組成によるたんぱく質、それから脂肪酸トリアシルグリセロール当量による脂質、利用可能炭水化物(単糖当量)、糖アルコール、食物繊維総量、有機酸及びアルコールの量に、各成分固有の換算係数を乗じて、100グラム当たりのキロジュール及びキロカロリーを算出し、収載値としているということございます。
 その下のほうに、次の次のパラグラフに、キロカロリー、キロジュール問題について若干コメントを載せさせていただいているということでございます。国内計量法の扱いでも、特に食品分野についてはキロカロリーの利用は容認されているのですけれども、基本的にSI単位系はキロジュールでありますというようなこともありますので、並び順としては、キロジュール、キロカロリーという並び順に本表上しているという格好になっております。
 それから、9ページの一番下のなお以降のパラグラフでは、組成成分の積み上げの確からしさに応じて組成成分からダイレクトにエネルギー換算をするのか、あるいは補助線的に、いわゆる「差引き法による利用可能炭水化物」というカテゴリー(成分)をつくらせていただいておりますが、そこの補助線的な利用可能炭水化物の成分を使ってエネルギー計算をするという、組成成分の確からしさの評価による2段階の仕分をしていくということが書いてあるということでございます。詳しい計算方法、評価の方法については、資料として後ろのほうに送っているという構造でございます。
 10ページの中段。各食品ごと異なる係数をあてはめる修正アトウォーター係数は今回やめますので、各成分固有の係数をここに列記させていただきます。逆に言えばエネルギー換算係数の資料はこれだけになるということでございます。七訂の場合は食品別の表はこれに載っていましたので、実は紙幅としては、かなりコンパクトになっているということです。11ページの一番上に、先ほど後ろにつけましたよと申し上げました20年版と2015年版のエネルギー値の比較表は整理して載せさせていただくと。これは各食品、先ほどの2,478食品ベースで、1個1個、検索ができるようにするということでございます。
 11ページから以降は各成分、それから分析法の説明になります。それで、一般成分の内訳の書き方が若干変わってきていると。これも先ほどの原則と一緒で、例えばたんぱく質でありますと、アミノ酸組成によるたんぱく質と窒素たんぱくを載せたというような、優先順位の考え方を反映した書きぶりになっている。
 同じく14ページに飛びますと、脂質の説明の中でも、トリアシルグリセロール当量による脂質と従来のいわゆるソックスレー抽出脂質を収載しているという順番になっているということでございます。
 それから15ページでございますが、ここは先ほど目次のところで少し説明させていただきました。炭水化物の種類がちょっと増えますので、御理解いただくために、炭水化物の種類ごとの御説明を書かせていただいているということでございます。利用可能炭水化物担(単糖当量)は、エネルギー換算に使う単糖換算した利用可能炭水化物の量ということでございます。ここの説明をまずした上で、そのほかに収載しているものとして利用可能炭水化物(質量計)ということで、これは後、対になる数字なのですが、これを単糖換算していない質量単純計ということでございます。摂取量として見る場合にはこっちのほうを見るということでございますが、そこの使い方については、またいろいろと先生方とも御議論させていただきたいと思っております。それから、ウといたしまして、差引き法による利用可能炭水化物ということで、先ほどエネルギー換算の補助線的に使うと申し上げましたが、この算出につきましては、要すれば従来の炭水化物と同様、他の一般成分に属さないものの量として表象しておりますが、利用可能炭水化物でありますので、従来の炭水化物のほかに食物繊維とか有機酸とかを追加で差し引いているという格好になります。ここの下のほうにアスタリスクの説明がしてあります。本表のほうにアスタリスクを使って、エネルギー産生成分として、エネルギー換算に使った成分の肩にアスタリスクがつくような格好になっているということでございます。炭水化物につきましては、利用可能炭水化物(単糖当量)か、差引き法による利用可能炭水化物どちらかを組成成分の確からしさによって使い分けるということになりますので、そのことについて説明をさせていただいておるということでございます。
 16ページは、食物繊維総量の説明がここに出てきます。先ほど申し上げたとおり、いわゆる水溶性・不溶性の内訳は炭水化物組成の成分表のほうに出現するという御案内ということでございます。それから、ここは安井健委員から御議論があったのですが、五炭糖アラビノースの説明がここに少し入っております。食物繊維とも言い切れないのだけれども、取りあえず今回の判断としては、エネルギー換算係数として8倍、キロカロリーベースでいうと2倍を充てるという扱いをしている物質があるということでございます。
 17ページに行きまして、糖アルコール(Polyol)でございます。これは従来、炭水化物組成のほうに載せさせていただいたものと同様でございますが、それの合算値が本表のほうに出現してくるということでございます。糖アルコールのうち、一定のものにつきましては、さらに物質固有の換算係数が提案されてございますので、そういうものを使っていますという説明ということでございます。最後に従来の炭水化物の御説明が載っているということでございます。
 18ページに行きまして、さらに炭水化物と従来の酢酸のマージナル(境界的)な成分になるのですが、有機酸ということでございまして、ここにつきましては、本表成分として新たに出てくるということでございまして、エネルギー産生成分としての位置づけがあるということでございますとか、先ほどの糖アルコールと同様に、主要な物質につきましては固有の係数が出ているので、それを活用させていただいているという御説明が出てくるということでございます。ちょっとここにまた紙幅を使って説明を傾注させていただいているような構造になっていくということでございます。
 また、ずっと飛んでいただきまして、25ページ。先ほど本表の表頭の一番下に縦書きのアルファベットが出てきますという御案内をさせていただいておりますが、その説明でございます。基本的には、FAO/FOODSのTagnamesという、FAOが統一化している符号をつけさせていただいているということでございますが、詳細に見ていくと、FAOが定義している方法と若干ずれがあるようなものがあるということで、それについてはハイフンをつけた上で、日本固有の定義による成分でありますよという御案内をさせていただいているということでございます。
 それからまたさらに飛んでいただいて、27ページでございます。これは本表でまた御説明をしたいと思いますが、いわゆる推定数字の扱い、他の食品からの推計値でありますとか、文献から借用値でありますとか、外国の成分表からの借用値でありますとかという類いのものについては、従来組成のほうでは外国の成分表から来たよというものには全部括弧をつけていた。それから、一部のビタミンとかで推定ゼロとか、そういうものについては、括弧ゼロをつけていたということでございます。今回、なるべくそれを網羅的に拾うようにしておりまして、考え方といたしましては、ここに書いてあるとおり、組成については括弧づけをしましたよというところまでは前回と一緒ですけれども、なお書きの一番最後のところに無機質、ビタミン等においては、類似食品の収載値からの類推や計算により求めた成分について、括弧をつけて数値を示したと示させていただいております。原則として、借りてきた数字には括弧はつくとして、表を作る上でも、外部参照表を作表して、なるべくそれが正確に反映されるようにと処理はしているところであります。
 さらに後ろに行きまして、調理の関係、食品の調理条件、29ページ以降でございます。調理条件の説明については、これまで追補で少しモディファイしてきた書きぶりを踏襲しております。その中で、参考附表類もちゃんとしましょうよということで、ごめんなさい、ちょっとまだ表は載せられてないのですけれども、32ページ以降に調理の方法の概要と重量変化率。これは追補で重量変化率の表と調理の概要の表をくっつけた表形式ができておりますので、それで収載に全調理食品を整理しているということ。表13で、天ぷら、フライの類い。衣つきの揚げ調理における変化について整理したと。表14で、いため物100グラム。いため物についての整理ということで、これも追補で皆さん、御覧になっているかと思いますが、この形式の表を今、整理中でございます。
 それから、資料として34ページ以降、エネルギーの計算方法ということで、ここにつきましては、安井健委員から御提案いただいて、詳しい表の説明をつけさせていただいておるということです。対応を私から申し上げるとすれば、先ほど申し上げたとおり、昨年は、組成成分の積み上げの確からしさにつきまして、水分込みベースで100に近いか近くないかということで評価していたということでございますが、そうすると、多水分の食品については、成分の分析値の確からしさの評価が過大評価になるということが指摘されましたので、それに対応するために、水分を抜いた乾物の部分に対する分析成分値の達成率、確からしさで評価をするという方法で、成分の峻別、エネルギー計算の方法の峻別をしていくということが34ページに書いてあるということでございます。
 35ページ以降の係数の掛け方につきましては、昨年度、御議論いただいた方法とほぼ一緒かと考えております。また、ここは安井健委員から補足があれば、また御説明いただきたいと思っております。
 A3、横の本表資料1-2-3に移らせていただきます。まず、1ページ目見ていただくと分かると分かるとおり、表頭の並びは先ほど申し上げたとおり、エネルギー計算に使う一般成分は、より原則的なものを左側に置くという順番に並べているということでございます。ここで見ていくと、エネルギー、キロジュール、キロカロリー、水分がありまして、たんぱく質についてはアミノ酸によるたんぱく質、窒素たんぱく質、脂質については、脂肪酸トリアシルグリセロール当量とコレステロールを間に挟みまして、脂質と。炭水化物につきましては、まず利用可能炭水化物の群といたしまして、単糖当量、質量計、差引き法により算出した利用可能炭水化物、食物繊維総量、糖アルコール、それから従来の炭水化物までが炭水化物に属する成分群ということでございます。有機酸、灰分までが従来の一般成分、エネルギー産生に関与する成分という整理でございます。それから、無機質、ビタミンの並びについては、2015年版、あるいは追補の並びと一緒にしております。一番右に行きまして、アルコールと食塩相当量が出現いたしまして、アルコールもエネルギー産生には寄与するのですが、食塩相当が一番右に来るという格好で、それから備考欄となっております。あとはそれぞれ数字を見ていただければと思うのですが、若干説明するとすれば、例えば2ページ目には、先ほど説明いたしましたパン類の追加検討、計算によって添付しておりますというような例が出ております。そのような中で、例えば一番上の食パンは分析によっているのですが、1、2、3、4、5番目の食パンのリーンタイプというようなものは栄養士さんによって、配合割合から計算して出してもらっていますので、これに括弧がついているような格好になるということでございます。
 次の3ページ目にいきますと、これも種類が多いのですが、食事指導との関連でスープ残しのカップラーメンですね、麺だけ食べた場合とか全体を食べた場合についての100グラム当たりの栄養価がどうなるかというようなものがずっと品種ごとに出てきているということでございます。従来は乾物だけの表象だったわけですが、調理、加水した後の全体、それから部分というようなものの成分が出てきているということでございます。
 少し飛びまして、33ページ。先ほどの、これも追加分析物なのですが、一番下から4段目にアボガドなどが出てきます。これは何かというと、先ほどの資料1-1で御紹介いたしましたビタミンKの見直し分析を実際に行ったもので、ずっと右から1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個目に21マイクロという数字が出てきますが、アボカドの実測値21マイクログラムのビタミンK量が出ているものでございます。
 それから、69ページ。これも今回ドラフトの形でお見せしているので、傍聴者の方にも留意いただきたいと思っておるのですが、鶏卵の分析値、成分値が中段ぐらいに出てきおるということございます。具体的には全卵生、全卵ゆで、もっと具体的に言えば、卵黄の生と卵白の生からの合算値なのですが、これにつきましてはまだ、先ほど言いましたように、分析の中でビタミンD活性代謝物の分析値が上がってきておりませんで、実はこの備考欄を見ていただくと、1.3マイクログラム、ビタミンD活性代謝物を含まない場合、1.3マイクログラムと書いてありますが、これは本欄も未だビタミンDが1.3になっております。同じ数字でありますので、ここは実は本欄には活性代謝物が合算された値が最終的には入るというような構図になりますということでございます。
 最後に、86ページでございます。先ほど、調理済み食品につきまして、旧18群、現在も18群なのですけれども18群の食品につきまして、従来「そう菜項」に幅として載せていたものの栄養価を載せているということでございます。見ていただくと分かるとおり、白和えでありますとか、とん汁でありますとかといったような、配食事業者のレシピに基づく食品が載っているということでございます。ここの18群につきましては、食品群の名前につきまして御議論があったかと思います。現在、調理加工食品類というのが七訂の名前だったのですが、昨年御議論したときには、例えば商業的な食品であるとか、工業的な食品であるとか、そういう仮称をつけておりましたが、少しそれだと堅いのではないか、あるいはミスリーディングなのではないかということで、ちょっと主査と相談いたしまして、今、案といたしましては、流通調理食品類という名前をつけさせていただいているということでございます。先ほどの1章の説明でそれを言えばよかったのですが、ちょっと抜かしておりました。申し訳ございません。
 以上、本表の説明が長くなってしまったのですが、どうしましょう。組成も続けてよろしいでしょうか。
【安井(明)主査】  よろしいですか。それじゃあ、お願いします。
【松本室長】  組成はこれも大部になってしまいますので、目次(案)だけの御案内になります。
 組成成分表につきましては、アミノ酸、脂肪酸、炭水化物の3表、作りますということでございます。基本的には、2015年版で大分整理していただいておりますし、追補の中でも継続的に活用させていただいておりますので、そのフォーマットでいくということでございます。
 アミノ酸につきましては、基本的には同じ構造でございまして、先ほどのアルファベット、成分識別子の御説明については、本表と同様に、新たに参入するということでございます。表の掲載につきましても、可食部100グラム当たりが第1表、それで基準窒素1グラム当たりのアミノ酸成分表が第2表ということで、実は第3表、第4表を作成するのですが、これについてはホームページで公表するという、従来どおりの方法を取ろうかと思っております。それから、この目次(案)で、第3章が従来、実は2015年版にはついていたということでございますが、ほぼほぼ本表で食品別の留意点は記述されますので、今回はちょっと事務局の労力軽減ということも考えまして、第3章はつくらないということでございまして、所要の説明が必要なものは先ほどの第1章ですとか、各表にも第1章ございますので、その中で説明を加えていただくような構造になるということでございます。
 次に資料1-4、脂肪酸の説明でございます。これも、大体2015年に整理していただいて、追補で縷々使わせていただいたフォーマットを踏襲させていただいており、2の2)の(6)に成分識別子が参入しますということは、先ほどと一緒でございます。それから、第2章として、第1表、可食部100グラム当たり、それから第2表、脂肪酸総量100グラム当たりの表を載せますということでございます。それから第3章の説明を割愛するというのも、同じような方針でいかせてもらえればと思っております。
 続きまして、炭水化物でございます。炭水化物は2015年版とは少し異なり、食物繊維の別表を2018年から設けたことによって、構造がそこの部分は変わっているということでございます。そういった意味で、第2章の表のところが、追補2018年以降整理と同様なんですけれども、本表、可食部100グラム当たりの利用可能炭水化物及び糖アルコール、別表1として、可食部100グラム当たりの食物繊維成分表、別表2といたしまして、可食部100グラム当たりの有機酸成分表という収載になってくると思っております。
 第3章の食品別説明につきましても、割愛させていただければと考えておるところでございますので、そこまで御議論いただければと思っております。
 私からは以上でございます。
【安井(明)主査】  ありがとうございます。
 それでは、皆さんから御意見等ありましたら、お願いいたします。いかがでしょうか。
 本表のフォントなのですけれども、これは七訂と同じフォントですか。少し小さいですか。
【松本室長】  これは印刷会社の版組ではなくて、エクセルの打ち出しになっておりますので、そこら辺の工夫は我々の能力の範囲を超えるということで、本版はちゃんとなっているはずです。
【安井(明)主査】  どうぞ。
【渡邊主査代理】  目次の一番最後のページの上から3行目の食品成分表2020年版と2015年版のエネルギー値の比較と書いてあるんですが、それは換算係数の違いですよね。だから2015年版の換算係数と2020年版の換算係数で算出したエネルギー値の比較と書いていただいたほうが、前の成分表の値なのかなと誤解を生じるように思いました。
 エネルギー値を旧法と新法で計算して比較しているとのことで、この文章のまま読むと、前の成分表の値と新しい成分表の値を比べているみたいに受け取れるので。今の収載値を新法と旧法で比べたことが分かるようなタイトルにしていただければよいのではないでしょうか。
【松本室長】  2015年版のエネルギー値と書くと、七訂のほうに載っているエネルギーの値をそのまま転記したみたいに見えるということですか。
 すみません。細かい説明をいたしますと、実は先ほども言いましたけれども、八訂の収載成分値として一旦出した成分値を基に、七訂の方法で計算し直していますので、実はそのバーチャルなもの。バーチャルというのですかね。
【渡邊主査代理】  それは理解しているんですが、それが分かるようなタイトルにしていただけるといいんじゃないかなと思います。
【松本室長】  はい。
【安井(明)主査】  皆さんからいかがですか。どうぞ。
【上田委員】  資料1-2-2ですが、ちょっとしたケアレスミスです。18ページの⑤、有機酸。これだけ括弧書きの英名が抜けております。
 あと、最後についている34ページ目以降の資料はちょっとフォントが小さいのですが、これはあえて資料だからこうしたんでしょうか。ここだけ何か著しく細かく見えるんです。
 以上です。
【松本室長】  ありがとうございます。
 別々のワープロでがっちゃんこしているのでそうなっている可能性があります。版組みはちょっと印刷業者も介して、並行してやっていますので、そこら辺は整理させていただきたいと思っております。
【安井(明)主査】  有機酸は何ページでしたっけ。
【松本室長】  18ページです。⑤。
【安井(明)主査】  ほかいかがでしょうか。どうぞ。
【佐々木(敏)委員】  今後の話でよろしいですか。
 今回、本表から主要脂肪酸が抜ける、これはもうこの紙幅の関係仕方がないというふうに理解しております。けれども、食事摂取基準で必須栄養素の中に必須脂肪酸というのがあって、それが入っていること。それから、現場での栄養業務上、非常に重要なエネルギー産生栄養素バランスの中に飽和脂肪酸が入っていると。そのために、食事摂取基準の活用におきましては、どうしても飽和脂肪酸とn-6系脂肪酸とn-3系脂肪酸の摂取量を使うんですね。それ以外は全て本表に載っているんですけれども、食事摂取基準2020年版における数値が決まっていて、業務で使っていただく栄養素は載っているんですけれども、この脂肪酸のところだけが今回落とされてしまうというということで、利用者からやや不便かと思いますが、紙幅の関係で仕方がないということと、それから、この機会に脂肪酸やアミノ酸とこちらの成分表の利用、活用をさらに図るという。入らなかったということを逆手に取って、もっとこちらの脂肪酸の成分表もあるので使ってねということを、ぜひ文部科学省のほうからも、広めて周知していただきたいなというのがお願いです。ストレートに言うと、本表に入れてよねということになるわけですが、むしろそうではなく、入らなかったということを、これはあくまでも紙幅の関係であって、面積の関係であって、重要度ではないということを明記した上で、御周知いただきたいと考えます。
 以上です。
【安井(明)主査】  ありがとうございます。
 ほかいかがでしょうか。
【渡邊主査代理】  それは脂肪酸のところだけ別表というか参考に載せたほうがいいというお考えはあるんでしょうか。
【佐々木(敏)委員】  いや、それよりもこれ使ってねというほうがいいんじゃないですか。ここにちゃんと飽和脂肪酸と、n-3系、n-6系というふうに各脂肪酸の合算値が載っておりますので、そちらを使っていただくのがよろしいかと僕は思います。
【渡邊主査代理】  分かりました。私もそう思います。ありがとうございました。
【安井(明)主査】  高橋さん。どうぞ。
【高橋委員】  資料1-2-2の第1章、説明という資料の34ページからエネルギーの計算方法というのがありまして、これは以前メールで連絡をしたんですが、35ページに評価コードというのがありまして、そこが計算方法が違っているということで、安井健先生から、その後、修正案が多分、出たと思いますので、そちらに差し替えるというか。これは最後、適用範囲を乾物で割るという計算方法になると思います。
【松本室長】  具体的に言うと、どこの部分でしたか。何行目の。
【高橋委員】  35ページの真ん中ぐらいに評価コードというのがありまして、そこが適用範囲を乾物で割るという計算になると思います。それに伴って、前半とか34ページあたりも修正をされる必要があるということで、安井健先生から修正版が出ていると思いますので、そちらのほうに変えられるということでお願いをしたいと思います。
【松本室長】  分かりました。すみません。事務局の修正漏れです。
【安井(明)主査】  ありがとうございます。
 ほかいかがですか。どうぞ。
【本田委員】  良いアイデアがなくて発言を躊躇していましたが、本日の資料1-3の目次の一番最後に出てきております18群についてです。流通調理食品類というネーミングについて、良いアイデアがなくて難しい議論になるかと思いますが、しかしこの名称は新しい名称になりますので、一旦出ますと、独り歩きするという印象を持っております。そのようなことから18群の食品を確認しますと、食品単品のみではなく複数の食品で調理をしている・調理を済ませているものを18群としているならば、適正かどうか分かりませんが、流通調理品類ということで、食を除くかあるいは流通調理食類とするか、このどちらかが18群のここに入る食品を考えるとよろしいのかなと思います。今の御提案である「流通調理食品類」が不適切ということではなくて、慎重に議論し、18群の中のものを表現し、何が入っているかということをイメージでき、内容と整合が図れる名称をと考えますが、いかがでしょうか。
【安井(明)主査】  皆さんの御意見をお聞きしたいと思いますけれども。
【本田委員】  難しいネーミングだと思うんですが。
【安井(明)主査】  昨年もかなり御議論いただいておりますので、もし、その後1年たったところで。
【本田委員】  確かに1年たっているんですが、なかなか網羅しているものが、流通という意味も重要であると思いますが。しかし、単一食品ではなく、しかもクッキングが入っているから、食品ということになると、それ全てが食品ということの定義づけになってくると思うんですね。なので、恐らく調理の専門家からは相当クレームが出てくるのかなという印象を持つんですが。昨年からどう考えてもなかなか妙案がないままで。何か具体例がなくて、発言してはいけないと思いながら。
【瀧本委員】  よろしいですか。
【安井(明)主査】  どうぞ。
【瀧本委員】  栄養研の瀧本です。
 今、御指摘いただいた点、とても重要だとは思うんですけれども、もう一旦、加熱調理をしないといけないものもこの中には含まれていますよね。
【渡邊主査代理】  電子レンジ調理です。
【瀧本委員】  電子レンジなり。英語だとレディー・トゥー・イート・ミールというふうな感じになるのかなと思うんですけれども、私も何が適切な表現かは今すぐ、なかなか難しいとは思うんですが。ひと手間を加えることで、すぐに喫食することができるというイメージで、しかも複数食材を組み合わせて作られているというところがこの特徴ではないかと。
【渡邊主査代理】  家庭で作る調理ではなく、集団調理です。
【瀧本委員】  集団調理で複数食材を組み合わせてすぐに食べられる。ひと手間かければすぐ食べられる食材のものということですね。
【渡邊主査代理】  両方入っていますね。
【瀧本委員】  はい?
【渡邊主査代理】  両方入っています。
【瀧本委員】  両方入っていますよね、もう既にお総菜みたいにすぐ食べられる状態のものもあるし、コロッケみたいなものもあるしというところですよね。
【本田委員】  なので、調理という用語はそのまま置いておくのでよろしいのかなと思うんですけれども。
【渡邊主査代理】  すごくここは悩ましいところで、今回も最初、去年の時点の商業的な調理食品ということで原稿を書いていて、やっぱりそれでは少し違和感があって、今回、主査と相談してこの案を出しているんですけれども、今までも18群は調理加工食品群ということで、調理加工食品という名称だったので、ここでも流通調理食品類というふうに案を出しています。本田先生がおっしゃった御提案の調理品類、調理食類とおっしゃった2つでは、調理品類のほうが私はよいのではと思っています。食というのはちょっと違うかな思います。ただ、今まで調理加工食品類としてハンバーグとかカレーとかでずっと取り上げてきたので、ここで名称を食品調理から食品をとる、食品がついているからといって、調理関係者が違和感を持つというのはちょっと考えにくいかなとは思います。ただ、もう少し私もよく考えてみたいし、皆さんの意見もお聞きしたいと思いますが、どうでしょうか。今、決めないと時間的にまにあわないでしょうか。
【安井(明)主査】  どうぞ。
【佐々木(敏)委員】  加工という言葉は含めるほうがよろしいんですか、除くほうがよろしいんですか。フードプロセシングって。要するにプロセシングという考え方はこの18群の中に入るのか、それともむしろ入れないほうがいいのか。フードプロセシングというと、ほかの群に入っているものも入ってきてしまうような。というか、入ってきてしまいますね。そういう意味でプロセシングという言葉は除くほうが、すなわちクックドという言葉だけに限定するほうが、この18群の目的と収載食品を表しているように思います。そして。
【渡邊主査代理】  先生、この名称。
【佐々木(敏)委員】  なので加工を取る。
【渡邊主査代理】  加工を取るのがいい。
【佐々木(敏)委員】  それからもう1点なんですけれども、レディー・トゥー・イートという考え方ですと、日本語であれば調理済みという言葉は入ってくるかもしれません。けれども、特に僕はそれを推奨するわけではありません。
【渡邊主査代理】  その食品があるかの、食が要るかどうかということですね。調理品か調理。
【佐々木(敏)委員】  いや、済みが要るかどうかです。
【渡邊主査代理】  先生は済みが要るとお考えでしょうか。
【佐々木(敏)委員】  いや、済みという言葉が世の中で使われているのかなという。
【渡邊主査代理】  使っています。それは使っています。
【佐々木(敏)委員】  そうすると、調理済み食品類とするのかという観点はありませんか。
【渡邊主査代理】  ありますね。あります。
【佐々木(敏)委員】  いや、同時に頭の中でほかの英語の言葉を考えていたんですけれども、何か整合性の取れる言葉がないかなと。
【渡邊主査代理】  調理済みというと、さっき瀧本先生がおっしゃった電子レンジにかける前というのもあるので、そこがちょっと済みではないですよね。
【佐々木(敏)委員】  だけれども、途中までしてあるじゃないですか。
【渡邊主査代理】  まあそうです。
【佐々木(敏)委員】  だからプレ・クックドということですよね。だからあくまでもクックドしてあるんですよ。
【渡邊主査代理】  流通調理済み食品類。
【佐々木(敏)委員】  流通調理済み食品類。
【渡邊主査代理】  で、どうでしょう。
【佐々木(敏)委員】  かなと思います。
【瀧本委員】  それが何か実態に合っている気がします。
【渡邊主査代理】  じゃあそういうことに。
【安井(明)主査】  今の形としては、流通調理済み食品類でまとめてよろしいか。どうぞ。
【安井(健)委員】  流通という言葉は要りますか。
【渡邊主査代理】  家庭調理は想定していないんですね、この食品群には。だからそれで。
【安井(健)委員】  それは分かった上での質問なんですけれども。
【渡邊主査代理】  それなので流通という言葉は必要かなと考えました。そうでないと各食品群にある調理済み食品も全部ここに持ってこなければいけないんじゃないかということになってしまうのではないかと考えて、流通という言葉を入れました。
【安井(明)主査】  昨年の段階で商業的な調理食品になったので、ちょっと落ち着きが悪いので、そこを流通に変えたんですけれどもね。
【安井(健)委員】  もし流通を入れるとすれば、流通している調理何とか類という逃げ方もあると思うんですよね。流通がこの調理食品にくっついていると、何か日本語としてこなれていないような気がするんです。
【佐々木(啓)委員】  調理済み流通品とか、そういうのではどうですか。
【渡邊主査代理】  調理済み流通食品。
【齋藤委員】  とか、そんなのはどうでしょう。
【安井(明)主査】  調理済み流通品。
【佐々木(啓)委員】  留意点のところでその辺もきちんと書いていただかないと、私の担当群が加熱調理品をたくさん含んでいるので、副材料とかも多く使われているので、卵とかは。ちょっとだからどういうふうに。ユーザー的に個別の食品群と調理済みの食品群のどっちを見たらすぐ出てくるのかというのが直観的に分かったほうがよいのかなと。
【安井(明)主査】  流通品。
【渡邊主査代理】  流通済み。
【齋藤委員】  調理済み。
【安井(明)主査】  調理済み流通品。流通食品?
【齋藤委員】  食品を入れるか入れないか、またちょっと。
【安井(明)主査】  食品成分表ですので、食品を入れるということにして、調理済み流通食品で、よろしいですか。
(「はい」の声あり)
【安井(明)主査】  ありがとうございます。じゃあそのようにします。18群。ありがとうございます。
【松本室長】  済みというのは漢字。漢字でさんずいの斉藤さんの斉ですね。
【安井(明)主査】  調理済み流通食品。群だっけ?
【渡邊主査代理】  食品群?
【松本室長】  いや、名称は類なんです。
【安井(明)主査】  ごめんなさい。類です。
【松本室長】  食品群別留意点で。
【安井(明)主査】  ありがとうございます。
【安井(健)委員】  平仮名は入るんですか。調理済みの「み」は。
【松本室長】  それはちょっと用字チェックしましょう。官庁の様式で。
【安井(健)委員】  用例があるんですね。
【安井(明)主査】  ほかいかがでしょうか。どうぞ。
【安井(健)委員】  別件で。仕上げ部分の指摘になるんですけれども、資料1-2-2の部分の5ページで、18のここに古い調理加工食品類というのが残っているので、これを最終的なやつに直していただく。
 同じく10ページ目の表の2ですけれども、アミノ酸組成によるたんぱく質と脂肪酸のトリアシルグリセロール当量の部分。引用の部分が米印の1になっていますけれども、これはアスタリスクの1にしてください。
 それから炭水化物成分表の目次の部分です。資料1-5ですけれども、2ページ目の18群の名前ですが、これがばらけていますので、これも最終的のやつにそろえてください。
 以上です。
【松本室長】  はい。
【安井(明)主査】  ほかいかがでしょうか。どうぞ。
【竹林委員】  すみません。資料1-2-3の69ページで、鶏卵の全卵のところでビタミンDの値がペンディングだというお話があったんですが、その1つ左のレチノール活性当量がゼロになっているんですよ。レチノールが210マイクログラムあるのでゼロにはならないと思うので、確認をお願いします。
【松本室長】  はい。すみません。
【安井(明)主査】  どうぞ。
【安井(健)委員】  もう1つありました。資料1-1のマーガリンの部分なんですけれども、「無塩」の追加とありますが、バターの場合には食塩不使用という用語が使われているようなんですけれども、マーガリンの場合には無塩という言葉でよろしいんでしょうか。
【渡邊主査代理】  無塩で統一したほうが私もいいと思うんですが。
【安井(健)委員】  いや。
【渡邊主査代理】  ということじゃなくて。
【安井(健)委員】  もし流通しているものが無塩マーガリンという表示で流通しているのであればこれでいいんですけれども。
【渡邊主査代理】  流通は無塩と書いてあると思います。
【安井(健)委員】  書いてあるんですか。
【渡邊主査代理】  はい。
【安井(健)委員】  書いてあればこのままでいいです。
【渡邊主査代理】  分かりました。
【安井(明)主査】  ほかいかがですか。よろしいでしょうか。
 事務局のほうで今、修正のところをまとめられます?
【松本室長】  はい。大丈夫でございます。
【安井(明)主査】  それでは、これについて了承いただいたということで、来月の22日資源調査分科会に報告したいと思います。どうもありがとうございました。
 それでは次、議事(2)に移りたいと思います。今後の課題と対応の進捗についてですが、令和3年度分析食品について、事務局より説明をお願いいたします。
【松本補佐】  資料2-1を御覧ください。令和3年度分析食品リストの作成の考え方という紙がございます。今年度は八訂の刊行を予定しておりますことから、次年度以降におきましても国民の食生活の変化や新たな食品へのニーズ等をベースとしまして、現在検討中の組成に基づくエネルギー計算にも資するよう収載食品の検討を行っていくことを想定しているところでございます。このため、分析の要望が強い食品とともに、従前からの課題でありました微量5成分の充実、組成成分の充実並びに調理後食品の充実について成分表への収載を図っていくことと考えております。
 具体的には、①にありますように、優先的に分析するものといたしまして、令和2年度分析予定でございましたが、最終的に分析から外したもので、特に他の食品との関係から令和3年度に分析を行う必要があると考えられる食品、また国民健康・栄養調査をベースとして設定したKey foodsのうち、微量5成分が未分析のもの。さらに利用可能炭水化物、有機酸、食物繊維等のエネルギー計算に関連する成分情報の充実を図ってまいりたいと思っております。
 これに加えまして、②でございますが、これまでの食品成分表で未収載のものにつきまして、国民が日常的に摂取しているものについても分析を検討してまいりたいと思います。さらに減塩化食品や健康管理等の理由で再分析、収載値の更新が必要とされるもの、既収載食品のうち摂取量の多いもので成分値の疑義のあるものや、成分値が古く現状に合致していないもの等もありますので、計算値、推計値については分析値に置き換えていくということと、分析方法の変更により成分値が変わるというもの、食物繊維や脂質等について、これが該当するかと思いますが、そういったものについても検討してまいりたいと思います。
 今回提示するリストにつきましては、正式には令和3年度の予算決定後に、予算の範囲に応じて食品数の絞り込みを行い、事業化に努めてまいりたいと思っております。例年であると100食品程度の規模になるということでございます。今回は特に今年度の食品分析が新型コロナの影響によりまして、当初予定から規模縮小となりましたため、当初実施予定であったものでてきでいないものがありますので、それを中心に新規食品を追加しております。具体的には資料2-2に一覧表をつけております。
 食品数は合計131食品、新規食品数は78、セット分析が34。セット分析については計93食品となっております。この中から予算決定後に予算額に応じまして、例年であると100食品程度の絞り込みを行いまして、正式に決定してまいりたいと考えております。
 以上です。
【安井(明)主査】  ありがとうございます。
 ただいまの資料について、御意見等ありましたらお願いいたします。来年度の分析予定食品についてです。
 よろしいでしょうか。どうぞ。
【安井(健)委員】  有機酸関係の質問なんですけれども、七訂までで酢酸として測定していたものがありますよね。それ、有機酸の測定は全部、再測定は終わったんでしょうか。
【松本室長】  そこは再測定ですね。そうです。多分、着手されていないんじゃないかなという気がするんですけれども。今回、全体を整理してみて、過去に酢酸だけ測っているものというのがあるんですね。七訂以前のエネルギー計算の都合で測っているもの。それについての有機酸。いわゆるお酢とか、そういう類いですね。そのもの、明らかに酢酸が入っている食品というものですね。多分、その観点は今、漏れているのではないかと思っています。
【安井(明)主査】  これまでも酢酸は滴定法で測っていたデータが載っているので、要するに液クロでやったデータを入れてくるという理解でよろしいですか。
【松本室長】  そういうことですよね。いわゆる酸度を測っているということではなくて、有機酸組成になって時代が変遷していますので、そういった意味では確かにその観点は必要かなと思いますが、ただ今までのウエイティングリストの中でそういう観点は入っていないんじゃないかな。なので、ちょっとそこはまた追って調整をさせていただきます。
【安井(明)主査】  ありがとうございます。
【高橋委員】  今後の方向性なんですけれども、例えば新規食品ですとか業界団体などで成分表を載せてほしいという御要望があったときに、先ほどもちょっとお話がありましたが、一般成分のたんぱく質とか脂質とか炭水化物というのは収載を続けていくという考えでいいということでよろしいでしょうか。
【松本室長】  お答えいたします。収載を続けていくというか、まだ本表項目に残しますし、当然現場の需要としてそこの部分を参照される方もいらっしゃるという認識でございますので、そこについては、測定のほうも継続する必要があるかと。ちょっと深いところにいきますと、先生方に御議論いただかないといけない部分があるんですけれども、いわゆる組成単独で分析がしっかり成立するかどうかというようなことは多分あるのではないかと私どもも懸念しておりまして、並行して窒素たんぱくを測っておかないとなかなか安定しないみたいな状態が起こり得るのかどうかとか、そういうことについては、専門的な御議論をいただいたほうがよろしいかなと思っております。ただ、現場の視点からいうと、従来の窒素たんぱくの掲載は続けるというのは、この本表のつくりからしてそうなっておりますので、そのままの値でよろしいかと思います。
【高橋委員】  ありがとうございます。
【安井(明)主査】  どうぞ。
【渡邊主査代理】  お願いなんですけれども、炭水化物成分表の分析のための分析をするときに、今まで水分だけの分析だったんですけれども、できれば一般成分を全部分析して、差引きによる炭水化物も出しておいたほうが値のずれが分かるので、できればそれをお願いしたいなというのが、今回のエネルギー計算をいろいろやってみてそう思いました。
【松本室長】  成分そのほかの関係につきましては、今回、概念を少し入れ替えている都合上、そういった問題が多分出てくると思います。どちらでも先生方のほうからいろいろ御提案いただいた上で、それを整理していったほうがよろしいのかなと思いますので、そこら辺につきましては、本日でなくて結構でございますので、また御意見を寄せていただければと思います。
【安井(明)主査】  ありがとうございます。
 ほかよろしいでしょうか。
 それでは、令和3年度の分析食品のリスト作成については、引き続き、担当委員と事務局との個別の調整があるかと思いますが、よろしくお願いします。また、そのほかにも要望等ありましたら、事務局に出していただければと思います。
 それでは、議事(2)今後の課題と対応の進捗について、その他の課題について、事務局より説明をお願いいたします。
【松本室長】  資料2-3と2-4が残っていると思います。
 個別課題でございます。これもいわゆる試料調製のプロセスに少し疑義というか、議論が生じている点について、ここで御紹介させていただくとともに、もしお気づきの点があれば、かなり難しい問題かもしれませんので、コメントいただければと思っております。2点あります。
 1点目は2-3でございます。食物繊維の分析。御案内のとおり、2018年からAOAC2011に移行しております。その際の酵素処理が常温というか体温レベルの処理になっているということも関係しているんですが、その試料の前処理をどうするかというところについて、若干委員の先生方の間で議論が起こっているということでございます。この事前処理をするかしないかという観点につきまして、安井健委員のほうからこういった御提案を今、いただいておりまして、こういった場合分けで事前の加熱処理をする、しないを仕分けていったらどうかということでございます。事前処理の方法案に書いてありますが、こういう場合分けでどうかということでございます。生と多水分系の調理後食品とがセットになっている場合については、例えば生で食べることがある食品の場合には、分析試料採取後の加熱は実施しない。生で食べることがない食品の場合には、分析試料採取後に加熱をする。調理後食品は分析試料採取後に加熱するということ。生だけの食品を調べる場合につきましては、生で食べることがある食品の場合については、加熱はしない。生で食べることがおおよそないような食品については加熱をする。それから多水分系の調理後食品だけの場合は試料採取後に加熱をするというような処理の場合分けをしてはどうかという御提案でございます。
 具体的な方法につきましては、ここに書いてありますとおり、文献としてStarchに載っておる方法につきまして適用していったらどうかということでございます。この際、もう1つのポイントといたしましては、食物繊維と難消化性でん粉をセットで取り扱うということでございます。ここら辺の分析法の手順についてはしっかり筋が、全体の整合性みたいなことが出てきておりますので、そこら辺についてこういう整理をしてはどうかということでございます。
 2点目といたしまして、肉類のサンプル調製につきまして、佐々木委員との御議論でございます。ここにつきましては、肉類の分析につきましては、脂身と赤身を分けて分析をするという手順が取られるわけですが、その際に、いわゆる筋膜、それから腱の扱いでございます。これまでは慣例により脂身に含むという試料調製をしてきたということでございます。これは従来からそういう整理をしていたんですが、一般的な調理方法を鑑みた場合に、赤身側に含めたらどうかということ。組織の分類的にもそうではないかという佐々木委員からの御意見もあったかと思いますが、そのような整理のし直しをしたらどうかと。この肉類のサンプリングについては、従来からいろいろ御議論の中で今、こういう整理になっているかと思いますが、中間的な組織のより分けの側を変えるという御提案がございますということでございます。かなり御専門的な御議論になりますので、もしこの場で先生方からの御意見、コメントがあれば、よろしくお願いいたしたいと思います。
【安井(明)主査】  まず資料2-3の食物繊維の分析における事前処理の方法について、御意見等ありましたらお願いします。
 どうぞ。
【上田委員】  2-3に関しましては、この事前調理の方法案、場合分けするというのは、事前に拝見して賛成に考えております。ただ、この一般的に生で食べるか、ゆでとか行わないかとかというふうなのは大体分かるようなものだけれども、ちょっとグレーゾーンというか、人によって違うという食材もあると思うので、そういうところはどこで指定するんですか。購入指示書なのか、調理指示書なのか、その辺を、今後こういうふうなのを取り入れるんだったらちょっと明確にしていただければと思います。
【松本室長】  分かりました。
【安井(明)主査】  ほかいかがでしょうか。
【瀧本委員】  すみません。ちょっと確認なんですけれども、この2の(1)の生と調理後食品がセットになっている場合の②、生で食べることがない食品の場合は試料採取後に加熱、調理後食品はまた試料採取後に加熱っていう意味がちょっと分かりづらかったんですけれども、説明いただけると助かります。
【安井(明)主査】  お願いします。
【安井(健)委員】  基本的に資料の2018年の追補の34ページをちょっと開けていただきたいんですけれども、ここで加熱と言っているものが何を指すかということなんですが、そこの追補2018年の34ページにAOAC 2011.25法の分析法のフローが書いてありますけれども、ここで加熱と言っているのは試料採取。これは分析試料の採取の意味なんですけれども、試料採取で95 %エタノールを加えて、その次にマレイン酸緩衝液を加えるという操作がありますね。この段階で加熱をするかしないかの違いです。それで、まず今、御質問があった(1)の②の場合、生で食べることがない食品の場合は分析試料採取後に加熱するというのは、これは要は生で食べることがないんだから調理を想定しているわけですけれども、調理した場合にどうなるかを調べたいということなんですよね。それで調理後食品についても、同じように加熱していますけれども、実はこの2つの数値、難消化性でん粉と食物繊維が同じであるということを書いてある文献がないんです。非常に難しい問題なんですけれども。それで私が今、考えてちょっと怖いなと思っているのは、調理した食品を、一番下に書いてありますけれども、冷却をしたり、冷凍をしたり、凍結乾燥をしたときに食物繊維あるいは主に難消化性でん粉でしょうけれども、これが増える可能性があるんじゃないかという気がしているんです。これが増えないという文献はないんですよね。そこが非常に怖いものですから、ここの(1)の②であるような比較のデータを幾つかの食品で取っておいたほうがいいということでこのような提案をしているんです。
【瀧本委員】  ありがとうございました。よく分かりましたが、すごく難しいと思いました。
【渡邊主査代理】  説明はよく分かったんですけれども、調理変化ということを考えると、生と調理後がセットにあるので、生は、そのまま加熱せずに分析して、調理のほうだけ加熱すれば適切ではないかと考えますけれども、それは要らないということですか。それがないと何だかちょっと違うような気がします。
【安井(健)委員】  生では食べないんだから生のデータは要らないというのは。食物繊維の場合ですよ。食物繊維の場合はそのように考えたほうがいいんじゃないかということなんです。それで恐らく生と調理済みがあると成分変化率云々という話になると思うんですけれども、それは食物繊維の場合はそういう成分変化率を求めるとか、そのような考え方は取らないほうがいいような気がします。
【渡邊主査代理】  なかなかそうですねという感じにはならないので、少し議論したほうがいいんじゃないかなという気がします。
【松本室長】  多分、情報がない中で、推測で考えざるを得ない部分が多分にあって、先生方にも恐縮なんですが。ただ、ちょっとそこら辺の扱いについてはしっかり議論していただいて、落ち着きのいいやり方を見いだしていただければと思っております。まだ分かっていない中での試行的な状態だということですので。
【安井(明)主査】  どうぞ。
【佐々木(敏)委員】  出していただいた御意見をマトリックスにしてみたら。マトリックスにしてみたんですけど。マトリックスにしてみたら、加熱するかどうかは生で食べるか食べないかのみに依存しているということで、けれども例外が1個だけあって、生で食べるんだけれども多水系の調理済み食品は加熱すると。そこだけが例外なんですね。これはなぜですか。そうでなければ、生で。生だけの食品であろうと多水系調理後食品であろうと関係ないという、生で食べるか否かだけで加熱するかどうかが決まるんですけれども。これ、先生方、マトリックス描いたらすぐ分かると思うんです。お願いします。
【安井(明)主査】  この辺は仕様書に反映しなくてはいけないので、ちょっとこの議論は。
【松本室長】  そうですね。まず検証しなきゃいけないというのであれば、別のフェーズの課題としてやらなきゃいけないということになりますので、もし実分析のほうでちょっと不確実性があるということであれば、実分析のほうは調理後の食品だけ当面動かしておくとか、そういう立て方もあるのではないかと思いますので。今回は来年度のいわゆる成分表のための実際分析の検討の議論でございますので、そこはもう必要最小限というか、確実性のある調理後のものだけ採用するという判断にならざるを得ないのかなと思います。
【渡邊主査代理】  ここのページの一番最後に調理/冷却/冷凍/凍結乾燥と書いてあるんですけれども、おそらく、分析機関は、分析試料の調整過程でそうなさっていますよね。そうすると、一番気になるのは、例えば御飯の場合、摂取量が非常に多いので、どういう段階で量が変わるのかっていうことを検証していただいてから、分析方法を決めたほうがいいのではないかと私は思います。
【松本室長】  検証の課題という意味では別途の対応も考え得る可能性がありますので、そこら辺はまた調査研究課題としての扱いということで預からせていただければと思います。
【安井(明)主査】  ありがとうございます。
 ほかいかがですか。
 それでは2-4の肉類のサンプルにおける筋膜、腱の取扱いについて、御意見があればいただきますけれども、よろしいでしょうか。どうぞ。
【齋藤委員】  これについては、今後、全て測り直していくような方向を考えているんでしょうか。つまり多分、書かれていることは非常に分かりやすいというか、たんぱく系のあれと脂質を分けるような感じになるかと思うんですが、数字が結構大きく動く可能性もあると考えます。それともう1つ、これはまた話がちょっと違うんですが、実用的には結構こういう部位というのは脂身のほうに残してさばかれるような気がするんですけれども、これは素人の感覚なんですが、そうすると、今度、栄養士さんが脂身の部分を自ら切り分けてその栄養価を判断していかなければならないというふうな方向があり得るのかなということもあったものですから、その辺、提案の方に御意見を伺いたいと思うんですけれども。
【佐々木(啓)委員】  分析値なんですけれども、すぐにとはならないと思うんですが、長いスパンで分析をしていくことにはなるのかなと思ってはいます。これを提案させていただいているのは、主にサンプルのやはり調製上の問題があって、どうしても筋膜を分けるというときにそこから赤身の部分を全部除くというのは実務的にすごく難しいという、そちら側の問題があって。そうすると脂肪側の成分値にこれはどうしても筋肉が入っているよねというのが分かるような数字になってしまうということもあるということで、それで分析し直したりとかいうことをしていますので、こちらのほうが竹を割ったようにサンプルの調整上の問題がなくできるんじゃないかなとは思っています。この場合の筋膜と腱と申し上げているのは、実際には大体問題になっているのが、今ちょっと図で出しているようなこういうリブロースとかロースの切り身のようなものを想定しているんですけれども、この場合だと、大体周りの脂肪も一緒に食べていますので、その辺はあまり問題にならないのかなというのが今のところの私の意見です。あと、腱というのは、この場合は、いわゆる筋肉の端っこについている腱というよりは、ローススライスの一番大きい最長筋のところにかぶさっている、「筋切り」するところですね。あそこの話をしています。そこをどっちに含めるのかというところで、そこは脂肪の側よりは筋肉側に含める方がよいかと。特に脂肪が薄いような検体なんかの場合には分析の実務的にすごく難しいという問題があって、そういったところを解決するには、これはもう本来組織学的には筋肉の側の一部なので、筋肉のほうに含めるというふうに運用を変えたほうがこの先いいのかなといった趣旨で御提案させていただいているところです。
【安井(明)主査】  ありがとうございます。
 一遍にできるというわけではないので、順次に値が変わっていくという理解だと思います。
 ほかいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、その他の項目になりますけれども、今後のスケジュール等について、事務局からお願いいたします。
【松本補佐】  今後の日程でございますが、資源調査分科会を12月22日火曜日に開催予定としております。八訂の公表の時期でございますが、資源調査分科会で了承後、12月下旬頃を予定しております。また、令和3年度食品分析リストに係る分析対象食品の調整につきましては、正式には予算成立後に分析の食品数等決めてまいりたいと思いますが、分析項目やサンプルの選定につきましても個別の委員の方と調整させていただきますので、御協力をお願いしたいと思います。
 以上です。
【安井(明)主査】  ありがとうございます。
 それでは予定した課題についてはこれで終了しましたけれども、皆さんのほうから何か御提案等ありましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。
 どうぞ。
【平出委員】  提案というより質問なんですけれども、この目次の番号づけですよね。これ炭水化物のところだけアイウエオになっているので、ちょっと私的には格好がよくないなと思っているんですけれども、例えばポイント制みたいなものにするとか、そういうことというのはないでしょうか。
【松本室長】  丸の次はアイウエオにしているつもりだったんですけれども、アイウエオは格好悪いですか。
【平出委員】  ここまで数字で来たのに、急に片仮名が入るっていうのがちょっとですね。それよりも1.1、1.1.1みたいなポイント制にしちゃえば何かのとき指定するのもやりやすいかなと思ったんですけれども、どっちでもいいです。
【松本室長】  参考にさせていただきます。
【平出委員】  ありがとうございます。
【安井(明)主査】  ほかいかがでしょうか。
【松本室長】  それではちょっと私から。
 実は第10期の食品成分委員会、来年の2月に審議会の委員の改選がありまして、多分10期の集まりとしては、物理的参集としては最後になるのかなと思っております。この際、ちょっと安井明美主査のほうから、主査の御年齢的にも今回、多分最後であろうということでございますので、御挨拶いただきたいと思います。
 よろしくお願いします。
【安井(明)主査】  私、研究所に入ってすぐに食品関係の分析の研究室に入ったものですから、そのとき室長がもう成分表の仕事をしていまして、それ以来、お手伝いから委員になってと、考えてみたら半世紀ぐらいこれに関わっておりまして、最後の4期については主査をやらせていただきまして、皆さんに非常に御協力いただいて、大変ありがとうございました。今回で多分、退任ということになると思うんですけれども、外野じゃなくて応援席からまた応援したいと思っていますので、どうぞまたよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。(拍手)
【松本室長】  それでは、本日は長時間にわたり御議論ありがとうございました。いただいたコメントにつきましては、反映したものを、またメールの形で共有させていただきたいと思います。物理的参集、こういう中で、なかなか長時間のものは難しいのでございますが、本日は実りのある議論をいただきまして、ありがとうございました。また来月に向けて御協力をお願いいたします。
 それでは、散会させていただきます。ありがとうございました。

── 了 ──

(科学技術・学術政策局政策課資源室)