第十期食品成分委員会(第18回) 議事録

1.日時

令和元年11月26日(火曜日)13時~14時

2.場所

文部科学省15階科学技術・学術政策局会議室1

3.議題

  1. 令和元年度の検討結果について
  2. 「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」(仮称)に向けた論点について
  3. 令和2年度分析食品について
  4. その他

4.出席者

委員

安井主査、渡邊主査代理、齋藤委員、佐々木(敏)委員、安井(健)委員、
上田委員、小竹委員、小林委員、高橋委員、竹林委員、立木委員、平出委員、門間委員

文部科学省

松本資源室長、松本室長補佐

5.議事録

【安井(明)主査】 皆さん、お集まりいただき、ありがとうございます。これより第18回になります、食品成分委員会を開催したいと思います。本委員会の議事につきましては全て公開となり、後日、議事録がホームページで掲載されますので、あらかじめ御了承ください。
今年度におきましては、平成30年度、昨年度における分析食品の成分値に係る公表についての検討や、来年度予定の日本食品成分表七訂の次期全面改訂に向けた各種の課題についての検討など、委員の皆様にはこれまで大変お世話になりました。
このような中で、特に平成30年度における分析食品の成分値に係る公表については、これまでも数回、作業部会で検討を積み重ねてまいりましたが、2019年度における七訂のデータ更新として、年内の12月の公表を目標にしているところで、本日、本委員会において、その取りまとめを行うこととしております。委員の皆様には、本日も忌憚(きたん)のない活発な御意見を頂きたいと思います。
これより議事に入りますので、まず事務局から、委員の出欠状況の報告と、配付資料の確認をお願いいたします。
【松本補佐】 本日の委員の出欠状況でございますが、石原委員、佐々木啓介委員、鈴木委員、瀧本委員、内藤委員、本田委員におかれましては、所用のため欠席となっておりまして、19名中13名の委員に御出席していただいております。
次に、配付資料の確認でございますが、次第にもありますように、資料の1-1でございますが、A3の大きなものでございます。成分値となっております。続きまして、資料の1-2になります、資料はすべて右上に番号を振っておりますので、それで御確認いただければと思います。資料の1-2のA4の縦の紙でございます。続きまして資料の2-1、これもA4の縦の紙、次に資料2-2、これもA4横紙となっております。表頭項目でございます。資料2-3、これもA4横紙でございます。1枚紙でございます。調理済み食品の収載方針。続きまして資料3-1、A4縦紙でございます。これも1枚紙でございます。続きまして資料3-2、A4横紙、これは2枚ものとなっております。最後に参考資料としまして、日本食品標準成分表の更なる充実に向けた今後の課題と対応について、2枚紙を付けさせていただいております。
以上でございます。資料はおそろいでございましょうか。
【安井(明)主査】 不足がありましたらお知らせください。よろしいでしょうか。
それでは、議事に入りたいと思います。令和元年度の検討結果についてでございます。事務局より説明をお願いいたします。
【松本室長】 それでは、資料1-1、成分値(案)、それから資料1-2、データ更新(案)というものに従って御説明をさせていただきます。議事の進行上、まず成分値を確定させていただき、更に報告の体裁を御確認いただくという意味で、1-1の方に成分表、それから、成分表自体も含まれるんですが、1-2が公表の体裁という構成になってございます。
まず、資料1-2の19ページをお開けください。今年度の検討食品のリストが表1として掲載されております。本表という右の細長い欄をちょっと見ていただくと、大体係数的なものが分かるかと思います。今回、31年度検討結果といたしまして、105食品の成分値を公開に持っていきたいと思っております。そのうち81食品が新規の収載ということで、この本表の欄で見ると二重丸になっているもの、既収載の食品のデータの更新という意味ではこの一重丸になっているもの、ここの表1で言いますと、1行目の「食パン、食パン」という食パンそのものの値というのは、既に載っているものの書換えで一重丸、その下の「食パン、焼き」となっているものは二重丸ということでございます。こうしたものが105の食品ということで、成分表に数値が載ってくるということになります。
そのほかに、ずっとその本表の欄を下にたどっていただきまして、注と書いてある黒丸のところが出てきます。黒丸のところは、実は今回の新規食品や、あるいは食品名の再検討という中で、既存の食品名について少し変更を加えたものということで、計10個ほどのものが全体を通して出てくるという構造になっております。
今回の新規食品の全体像を捉まえていただくために、少し特徴的なところを申し上げますと、一つは、食パンというところが四つ並んでいる、そういったセット分析というものですね。七訂以降、調理済み食品に力を入れてきているということでございますが、このセット分析、同じ食品名で状態、形態が違うものを調べたものが19セット、この105の中に含まれているということでございます。代表的な品目を申し上げますと、養殖のくろまぐろでありますとかブロッコリー、それから鶏卵についても、再分析とともに、調理済みのラインを少し増やしているということになっております。
それから、もう一つ特徴的なことで申し上げますと、これは毎年なんですが、新たな食品ということで、新たに食卓にあがるようになってきたもの、これについても掲載をしているということでございまして、例えば象徴的なのは、20ページの一番下に乳児用液体ミルクというものが出てきております。これは、新たに許認可を経まして国内でも流通が始まっているということで、市販品2品目の中間値を載せさせていただいているということでございます。
それから、3点目といたしまして特徴的なところを申し上げますと、これも七訂以降の新たな食品成分委員会としての検討項目にありました、地域、あるいは伝統的に食されているものとして、日本の食品成分表として捉まえておいた方がよさそうなものを、少し予算の範囲内でピックアップさせていただいた。実はこの地方食品、あるいはアイヌ民族食品というものになってくるかと思いますが、このようなものについては、29年の2月に事務局が都道府県にアンケートを取らせていただき、県から御要望があったもの、あるいはアイヌ文化振興財団からアイヌ食材の代表的なものとして御推薦があったもの、これを通常の食品と同様に、優先順位を付けないで、全体の中でどれを取り組むかというのを食品成分委員会の中で決めていただいて、今回一定の成分値が出てきているというものでございます。
県から推薦があったものとしてそのまま出てきているものは、大体5品目ぐらいあるのかなと思っておりまして、例えば表の1でいきますと、19ページの一番上から5行目のこむぎの油ふ、かやきせんべいといったもの、これが地域伝統食品というものになってくるかと思います。それから、アイヌ民族食品ということで言いますと、その下の方に、でん粉類のところにおおうばゆり、ユリネのでん粉ですね。アイヌ特有のゆりでん粉でありますとか、それから、一番下できはだの実というものが載ってきているということでございます。
それから、最後に、流通実態、生産実態が変わってきている食品についても取り上げさせていただいておりまして、その代表例としてここで御説明させていただきたいのは、そのきはだの1個上ですね、「うめ、梅干し、塩漬」というものでございます。こういったものについては、昔ながらの梅干しということで流通がまだあるんですが、従来に比べて食塩相当量が少し下がってきておるということも言われておりましたので、再分析をさせていただいているということになっております。
以上が新たな105食品の対応なんですが、1-1の方に戻ってください。成分値は、追補という形で、従来、書籍、冊子の形での公表をしてきたんですが、今回につきましてはデータ更新ということで、ホームページ上のエクセルの表による更新を主体とさせていただきたいと思っております。資料の1-1にそのエクセルで、我がホームページ上に近々にアップさせていただきたい表の形式でまとめた成分値を載せてございます。表頭項目につきましては基本的に冊子版と同じでございますが、1枚めくっていただきまして、食塩相当量より右に、いわゆる冊子版では、備考成分ということで備考欄に数字を掲載させていただいているものについて、実はホームページ版では、固有の列を設けてデータ掲示をさせていただく形式を取っているということで、アルコール以降、有機酸、重量変化率といったものについて、個々に固有のセルが設けられて、ここに数字が表記されてくるということになってございます。
それから、去年と若干表頭を変えておりますのが、重量変化率から二つ戻っていただいた「調理油添加食品の脂質収支」という、ちょっと表頭の名称を変えさせていただいているところがございます。従来、「調理油」と端的に書いておったんですが、実際には脂質の収支を取っておりますので、調理油添加食品において調理後に脂質収支がどうなっているかというものの数字を、この欄に載せさせていただいているということでございます。
それから、ちょっと駆け足になりますが、食品ごとに技術的な特徴を少し申し上げたいと思います。1ページに戻っていただいて、食パンから、食品は縦に展開しております。食パンにつきましては、今回、トーストと耳を除いた食パン、いわゆるサンドイッチ用の調製品というものをやっておりますが、それに併せまして、それぞれの分析値から推計ができますので、食パンの耳という成分値について4行目に追加で掲載しております。
それから次に、おこめの欄で、おこめにつきましては赤米、黒米の穀粒とめしの部分を載せてございます。その下にいわゆる軟飯(なんはん)、ここでは軟めしということで、私ども、成分表の中では「水稲めし」という表記を使っております関係で、軟飯(なんはん)と呼ばずに軟めしという表記にさせていただいておりますが、いわゆるかゆと炊飯の中間形のもので、病院の療養食等で使われているものを載せさせていただいているということでございます。
それから次に、先ほどもアイヌ食品で少し触れさせていただきました、おおうばゆりでん粉ということでございます。備考欄を見ていただきますと、食物繊維の特記事項を載せさせていただいております。技術的には、このでん粉につきましては、少し分析法上の特例が出ておりまして、従来の食物繊維の分析法ではうまく数字が出なかったので、加熱処理をしましたよということを特記させていただいております。こういったことで、アイヌ特有の伝統食材というものを調べることによって、食品成分の特殊な部分が少し出てきているのかなと考えております。
それから、更に行きますと、還元水あめという食品がございます。これにつきましては、従来、エネルギー換算係数につきましては、科学技術庁の調査結果、あるいはFAOのガイドラインといったものを当てはめてきたんですが、この還元水あめにつきましては、米国の食品表示の方で特有の固有係数が出ているということで、ここの炭水化物については、新たに米国の食品表示の体系から係数を引用させていただいて、ここのエネルギーを出させていただいているということでございます。
それから、ずっと跳びまして、済みません、実は検討時点と分類場所が変わっているものが少しございまして、5ページ目でございます。5ページ目の上の方に、きはだの実、それからくこの実というものが出てきます。最終的には、これは果実に、7類に分類をさせていただいております。当初は、いわゆる核も含んで食べている関係で、種実類という分類で検討させていただいておりましたが、結果、果肉も食するということで、果実に分類をさせていただいているということでございます。
それから、その下の方に行きますと、この同じページの5ページの下の方に、まぐろの赤身、生から水煮、蒸しといったような調理シリーズがずっと展開してきている。7ページを見ていただくと、最終的には天ぷらまでの調理シリーズを載せてございます。
それから、1ページ戻っていただきまして、6ページ目の一番上でございます。野菜ミックスジュースについて、新規収載をさせていただいているということでございます。このミックスジュースにつきましては、近年、濃縮タイプということで、1日分の野菜が小容量で取れるといった商材が出ておりますので、こういったものを通常タイプと並べてサンプリングさせていただいているということでございます。
それから、先ほどのくろまぐろでございますが、くろまぐろの備考欄を見ていただくと分かるんですが、「畜養を含む」としております。基本的には国産品をサンプリングしているのですが、完全養殖とともに、まだ少し表示上は区別されていない「養殖」という形で流通しているんですが、いわゆる畜養ものというものも存在するということで、「畜養を含む」という表記を備考欄にさせていただいているということです。
さらに、最後なんですが、10ページを見ていただくと……。10ページじゃない。済みません、もう1個前でした。ごめんなさい、7ページになります。鶏卵につきましては、先ほど調理済みの分析とともに、その元になる「生」なり「ゆで」というものについて再分析をさせていただいているんですが、ここにつきまして、従来、ゆで卵については廃棄率ゼロという計上、あるいは、生全卵につきましては廃棄率15%という計上をさせていただいておりましたが、それぞれ殻の部分については、「生」、「ゆで」の時点で除いているということで、それぞれに廃棄率を計上させていただいております。その廃棄率につきましては、15という、10 %超のものについては5%刻みという廃棄率の考え方を取っていたのですが、卵殻につきましては一定程度数字が収れんしているだろうということで、11という数字を使わせていただいているということでございます。
それから、最後に、後ろの方に組成成分表が載っておりますが、その中でちょっと、御議論の中でいろいろ御指摘を受けているものでまだ漏れている部分がございます。具体的には、炭水化物の成分表、一番後ろが炭水化物の成分表になるんですが、炭水化物の成分表の利用可能炭水化物、9の1ページのところです。ここの下3分の1ぐらい、てんさい含蜜糖、それから還元麦芽糖、還元水あめといったものが載っております。これらの食材につきましては中間的な糖質を実は計測しておりまして、そういったものも備考欄に掲載するというふうに委員から指摘を受けております。せっかく分析値を取っておりますので、備考欄に本来掲示をすべきところ、ちょっと作業が間に合っておりませんので、ここ、マルチトールという別名しか載っておりませんが、ここに中間糖質、3価の糖アルコール等につきまして、少し数字を計上させていただきたいと思っております。
以上でございます。
【安井(明)主査】 ありがとうございます。内容についてはほとんど、作業部会で値についてほぼ確定したものでございますけれども、皆さんの方から御意見等ありましたら、お願いいたします。
はい、どうぞ。
【安井(健)委員】 資料の1-2の28ページのところなんですけれども、エネルギー換算係数の話ですが、先ほど還元水あめの炭水化物については、アメリカの係数を使って3キロカロリー・パー・グラムを使いますというお話がありました。それで、もう一つ、還元麦芽糖についても、これは同じアメリカの資料「フェデラル・レジスター」ですけれども、そこに資料があって、2.1キロカロリー・パー・グラムという数字が出ていますので、それを使った方がいいと思いますけど、いかがでしょうか。
【松本室長】 その点につきましては、たしか作業部会の中でも1回、御議論があったかと思いますが、仮に、今回調べた食材がピュアなマルチトールであるということであれば、まさしく還元水あめと同じで、その食品に当たる係数を、従来のものとは違うところから引っ張ってきたということになると思いますので、そこの判断によるかと思います。
【安井(健)委員】 今回の食品は、ほぼ純粋なマルチトールを試料として収集してもらいましたので、これは2.1を当てた方がいいと思います。
【松本室長】 作業部会のときの議論は……。
【安井(健)委員】 作業部会の議論では、19年度は従来どおりという話だったと思いましたけれども。
【松本室長】 はい、そうですね。えっと……。
【安井(健)委員】 それを今回、アメリカのデータを使って3キロを使うというのであれば、還元麦芽糖についても2.1キロカロリーを使わないと、バランスが取れないと思います。
【松本室長】 物の整理として、食品ごとに当てる係数であれば、後ほどそのエネルギー換算係数の御議論があるかと思いますが、食品ごとに固有の係数を当てるということであれば、従来の考え方と近いのかなと思いますが。ということで、事務局としては、それぞれのものに対して固有の係数、食品に対する固有の係数が当てられるのであれば、それを当ててもよろしいのかなと思っておりますが、いかがでしょうか。
【安井(明)主査】 というと、還元麦芽糖について、それについての値が使えるんだったらばそれを使うと……。
【松本室長】 はい。
【安井(明)主査】 そういうことでしたら、2.1にするということで。
【松本室長】 はい、そうです。
【安井(明)主査】 現在、3.87と書いてあるところですね。
【安井(健)委員】 そうです。
【安井(明)主査】 はい。では、それは修正ということで。
ほか、いかがでしょうか。はい、どうぞ。
【佐々木(敏)委員】 データの更新なので不必要なことだと思うんですけれども、表の中の読み方という、とても基本なところの、トレース、Trは何かとか、ハイフンは何かとか、とても……。更新だから何も変わっていないんですけれども、そういうところって、今回のこの文中とか表中に全く触れなくてもよろしいんですかね。更新だからよいという判断もあり得ると思うんです。要らないという判断もあり得ると思うんですけど。
【安井(明)主査】 どうでしょう。
【松本室長】 おっしゃるとおり従来の追補では、丁寧に全部、表中の表記の定義を全部書いているんですよね。
【佐々木(敏)委員】 そうですよね。
【松本室長】 今回は、八訂で1年限りの更新なので、そこは、表記の原則は今までの七訂追補に準ずるという言葉で丸め込んでおるということでございます。
【佐々木(敏)委員】 その言葉は入っているんですか。
【松本室長】 その文言は入れています。
【佐々木(敏)委員】 そうですか、ありがとうございます。それがあれば十分かと思います。
【安井(明)主査】 どこに入っていますか。
【松本室長】 具体的には1ページの……。
【安井(健)委員】 下から2パラ。
【松本室長】 「このため」以降のところで最後に、詳細な説明は割愛していますという……。
【佐々木(敏)委員】 ああ、ありますね。はい、ありがとうございました。
【松本室長】 準じていることが前提ですということでございます。済みません、ちょっとユーザーの……、これだけでもユーザーに非常に不親切な構造になっておりますけど。
【佐々木(敏)委員】 いや、この文章が入っていれば十分だと思います。
【安井(明)主査】 どうぞ。
【渡邊主査代理】 まぐろのところの畜養についての説明が、この1-2の方に少し書いていただけるといいかなと思ったんですけど。養殖と畜養の区別がなかなか一般的には分かりにくいかなと思うので、畜養ってこういうことですよというのを。
【松本室長】 文章の方に。
【渡邊主査代理】 はい。
【松本室長】 では、少し齋藤委員と相談の上、文章を追加したいと思います。
【渡邊主査代理】 お願いします。
【竹林委員】 済みません。
【安井(明)主査】 はい、どうぞ。
【竹林委員】 資料1-1の2枚目の食パンの耳の備考欄に、「廃棄部位:食パンの耳」となっているんですけど、それ、1個上の間違いじゃないですか。
【松本室長】 そうですね、ずれています。自己否定していました。済みません。1個ずれています。参照ミスです。
【安井(明)主査】 では、修正をお願いします。
【松本室長】 はい。
【安井(明)主査】 ほか、いかがでしょうか。
はい、どうぞ。
【安井(健)委員】 資料1-2の22ページ目、とうびしの調理の部分ですけれども、「調理に用いた水、植物油、食塩等の量及び用いた衣の素材」と書いてあるところに、「ゆで:5倍(浸漬後の豆に対し)」とかあるんですけれども、ひしは「豆」ではないので、浸漬をしたのであれば、「実」に対してとか……。
【松本室長】 ああ、豆になっていますね。
【安井(健)委員】 そのような表現にしてください。
【松本室長】 はい。
【安井(明)主査】 ちなみにこれ、シンセキじゃなくてシンシと読みます。
【安井(健)委員】 ああ、シンシ。
【安井(明)主査】 失礼しました。
【松本室長】 はい。ありがとうございます。
【安井(明)主査】 修正をお願いします。
【松本補佐】 だいずはいいんですか。
【安井(健)委員】 だいずは豆ですから。
【松本室長】 食材の種類によって変わります。
【松本補佐】 わかりました。
【安井(明)主査】 ほか、よろしいでしょうか。
この後、公表までにデータの修正はあり得るかと思いますけれども、各委員の方と、そのときは相談していただいてということになると思いますけれども、よろしくお願いいたします。
大方これで公表するということでよろしいでしょうか。
はい、どうぞ。
【安井(健)委員】 一工夫した方がいいというのが、1-1のエクセル表ですけれども、一番上に一般成分とか無機質とかビタミンとか、いわゆる一般名というんですかね、それの欄があるので、せっかくこれがあるので、例えばたんぱく質とアミノ酸組成によるたんぱく質というのは、両方とも、もちろん一般成分なんですけれども、例えばたんぱく質と書くとか、脂質とトリアシルグリセロール糖類については脂質と書くとか、炭水化物以下食物繊維総量までは例えば炭水化物と書くとか、一般成分より、より具体的な成分項目群の名前を書いたらいかがでしょうか。その方が分かりやすいんじゃないでしょうかということなんですけれども。
【松本室長】 では、そうさせていただきます。水分、たんぱく質、脂質、それから炭水化物で、灰分。
【安井(明)主査】 はい。あと食物繊維ですかね。
【松本室長】 食物繊維は炭水化物でいい。
【安井(明)主査】 炭水化物に入りますね。
【松本室長】 はい。
【佐々木(敏)委員】 一応、食事摂取基準が使っている分類との整合性を、少し確かめておいていただけると助かります。
【安井(明)主査】 不整合にならないようにお願いいたします。
【佐々木(敏)委員】 ただ、こちらの方が栄養素は当然多いので、完全整合は必要ありません。
【安井(明)主査】 はい。よろしいでしょうか。
ありがとうございます。概ねこれで公表するということで、合意を得たと理解いたします。それで、この案で、資源調査分科会が来月ありますけれども、これに報告したいと思います。
続いて、議事の2に入りたいと思います。日本食品標準成分表2020年版(八訂)に向けての論点についてお願いいたします。事務局より説明をお願いいたします。
【松本室長】 論点は、議事次第に載せているとおり大きく二つございます。一つはエネルギーの値の問題、それから、もう一つは調理済み食品の取り扱いの問題ということでございます。
まず、エネルギーの問題につきまして、資料2-1と2-2で御説明させていただきます。
実は食品成分委員会の中では従来から、食品ごとに食品のたんぱく、脂質、炭水化物ごとに係数を当ててエネルギーを換算する方法について、確からしさが足りないところがあるのではないかという御議論があったところでございます。そういった中で、国際的なエネルギー換算係数の動向ということも加味したときに、いわゆる一般成分として古典的に使われてきている窒素によるたんぱく質、有機溶媒抽出による脂質、それから、差引き法による炭水化物といったような一般成分に係数を掛けていくということではなくて、それぞれの組成分子種ごとに固有の換算係数を掛け、それで全体のエネルギー値を出していくという方法に変更してはどうかという御議論でございます。
さはさりながら、この計算方法を変更するということに伴いまして、じゃあ、今まで現場で使用されてきたエネルギーの値というのはどれぐらい変動するのかと、こういうところが、非常に変えていく上でのネックになってくるのであろうということで、今回、食品成分委員として望ましいと考えられる、組成分子種ごとのエネルギー換算係数の掛け方というのを構築し、それに基づいたエネルギー値の再計算、これは七訂の現行の各組成成分値、分かっているものを適用して、試算をしてみたということでございます。
今回、食品成分委員会、あるいは事務局である私どもの名前で、この試算結果につきまして会議資料として公表させていただき、八訂、2020年版に全面改訂を考えておりますが、その際に、そのエネルギー計算の扱いをどうするかというのを広く世の中に公開していこうということで、この紙を作っております。計算の方法の詳細は、このペーパーの中にいろいろ細かく書いております。ざっくり言いますと、個別の組成分子の種類ごとに、燃焼率といいますか、それぞれの分子種の燃焼率的なものを勘案した係数を掛け、それをグラムからキロカロリー又はキロジュール、質量から熱量に換算していくという方法でございます。
七訂の、今の手元にある我々の値、2,294食品あります。追補2018年までの値がございます。それに当てはめて試算をしてみるという、その結果が6ページ以降に載ってございます。具体的な数字は7ページの表1、表2ということになってくるかと思います。食品100グラム当たりで再計算をして、従来の七訂収載中のエネルギー計算の数字との差異が出る食品について、上位と下位、下振れ、上振れのものを表1、表2に計上しております。
若干の考察も載せておりますが、基本的に表1に出てくるものにつきましては、例えばピュアココアというのが一番上に出てくるということでございます。ココアにつきましては、例えば今適用しているFAOの換算係数が、そもそもこのチョコレート、ココアにつきましては、低めにFAOの中で扱われているということが影響しているのではないかとか、それから、この表1の中に出てくるもので、海藻類がざーっと出てきますが、これは、従来の日本の成分表の考え方でいきますと、五訂以降、暫定係数ということで、アトウォーターのエネルギー換算に対して2分の1をざっくり掛けて、消化率が低い食品群である藻類、キノコ類については、エネルギーを低めに算出しようということをやっていた。その関係で、今回、それぞれの組成分子種ごとに暫定特例措置を設けずに計算すると、こういう結果になってくるということでございます。
それから、表2のエネルギー値が下振れする食品でございます。一番上に出てくるのは、分かりやすくて煎茶の葉っぱですね。これ、ほとんど炭水化物の組成が食物繊維でございますので、そこに換算係数が掛かってくることによって、カロリーが低くなるということでございます。
それから、動物性食品がざっと並んでおりますが、こういったものにつきましては、基本的に組成と、いわゆる古典的な方法、窒素からのたんぱく質、それから有機溶媒抽出による脂質といったようなものとの、若干のまだマージンがあるところが、少し反映されているのかなということでございます。更に申し上げれば、そのうちアミノ酸組成と窒素たんぱくの差につきましては、次期改訂においてはアミノ酸の補正係数を少し……、アミノ酸分析時の分析損耗を少し上に補正するような係数を掛けようと思っておりますので、そういったことで、少しその乖離は少なくなるのかなと考えております。
次に、8ページ目に、今度は摂取量ベースでの影響度検証ということで、これは少し他部局のマターにも入り込んでしまうのですが、こちらから御相談申し上げる上で少し、こういった摂取頻度を加味したカロリーの乖離がどれぐらいあるかというものを、試算させていただいております。摂取頻度のデータにつきましては、26年度の食事調べの調査票データを基にしております。そういったことで、摂取頻度を加味しますと、当然のことながら頻度の高い食材、水稲めしでありますとか鶏卵、じゃがいもといったようなものが上ってくるということでございますが、特異的には水稲めしの摂取量、1日当たりのカロリーとしてマイナス36ぐらいになるのかなというのが、一番大きなところになってくるということでございます。
ここに変動増の数字は特に載せてございませんが、変動増は基本的にそんなに見られておらなくて、ここの8ページの下の字の文で書いてあります、ほうれんそうで1.7キロカロリー・パー・デー、それからバナナ等で0.7キロカロリー・パー・デーの変動ということになっております。
こういった試算結果を少し公表し、また関係者と御相談することによって、成分表としてエネルギー計算値を変えていくことについて、どういう形で提示したらいいのかというようなこともあわせて、委員の皆様方と検討していきたいと思っております。 それから、表頭につきましてはよろしいですか。
【安井(明)主査】 はい。
【松本室長】 それから、資料2-2でございます。今のエネルギー算出の方法の変更と、少し連動した話になります。本表の一番左側の一般成分が載っているあたりの構造なのですが、従来、エネルギー計算に用いる成分値というものを載せております。そのほかに、例えば脂肪酸の飽和、不飽和でありますとかというものも一緒に載せておったんですが、今回、仮にエネルギー計算を、こういう組成分子種ごとの質量に固有係数を掛けていくという方法に変えるということであれば、それに関連する成分を、今の一般成分の場所にそれぞれ見えるように置いていったらどうかということでございます。
たんぱく質については、ここに書いてありますように、従来ですと窒素定量換算法によるたんぱく質が主であったのですが、アミノ酸組成によるたんぱく質を主の方に持ってくる、左の方に持ってくると。脂質についても同じように、いわゆるソックスレーの脂質よりも、トリアシルグリセロール当量としての脂肪酸総量というものを載せてくるということ、炭水化物につきましては、従来は、この真ん中にある炭水化物、「差引き法等による(※)」というものが炭水化物の主たる成分値であったものを、いわゆる可給態、利用可能炭水化物といった、いわゆるでん粉、単糖、二糖の塊と、それから、難利用性の炭水化物として食物繊維総量でありますとか糖アルコール総量といったようなもの、それから、有機酸につきましてもエネルギー換算に使いますので、こういったものを載せてくるということで変えたらどうかと思っております。
これも、八訂に向けた検討素案ということで、きょう若干御議論いただいた上で、また引き続き検討を深めてまいりたいと思っております。
以上でございます。
【安井(明)主査】 2-3はよろしいですか。
【松本室長】 2-3でございます。これはちょっと話題が変わりまして、調理済み食品です。調理済み食品につきましては、総論といたしましては、なるべく摂食時点に近い成分値を取るということで、素材系の食品を中心に、どんどん調理後の成分値を充実させてきているところということでございます。ここに載せましたのは、素材としてのものというよりは、従来18類、あるいはそう菜項というところに七訂の時点で載せておりました、いわゆる本当の料理、調理としての食品でございます。そういったものを、八訂ではどういうふうに整理していくのかなということでございます。
今、18類につきましては、工業的に生産され全国的に流通する製品ということで、一定の規格があるとか、使用頻度があるといったようなもの、レトルト食品でありますとか、主要な冷凍食品といったものを載せておるということでございます。ただ、収載数としてはそんなに多くなく、しかも、ちょっとデータ的には古くなってきているのかなという問題があると。
次のそう菜というものにつきましては、実は成分表本体には、まだ七訂の時点では整理しておりませんで、成分表の参考資料ということで、収集した事業者のレシピ――複数のレシピがございます――に基づき、計算によって各調理、八宝菜でありますとかカレーでありますとか、若干18類との重なりもあるんですが、そういったものの栄養価を載せさせていただいているということでございます。
八訂に向けましては、そういったものをどう処理していくかということでございますが、実はそう菜項に今載せておりますのも事業者からの取り寄せているレシピであるということで、ある意味、商業的・工業的に作られているものであるということで、数字を並べてみても、そんなに中央値のレベルで、18類との間で乖離があるのかなと思うと、そうでもないということもございますので、この際、八訂においては、こういったものを新18類、いわゆる商業的・工業的に作られる、供給される加工済み食品ということで、くくってはどうかということでございます。
この工業品と書いてある下に、少し個別課題の対応方法というのは載せております。これも作業部会で若干議論をさせていただいたところでございますが、例えば調理加工食品及びそう菜と素材――いわゆる下の各食品群で焼いた魚とか煮た野菜といったような展開をしているものとは、分けて考える必要があるであろうと。
それから、2点目といたしましては、現18類は過去の分析値、先ほど言いましたようにちょっと古くなってきているところがあるということで、この際、古いものは最新のデータに更新していく必要があるのであろうと。そういったときに、七訂の際に集めましたそう菜項のレシピというのは、現18類のデータなり表示根拠といったものよりは若干新しいのかなということで、レシピの新しいそう菜項のデータを優先して使ってはどうかということです。
それから、なるべく摂食時点に近いものという考え方にしますと、揚げる前のフライの数値というのを、今18類に載せております。これ、事業者の表示とか等の兼ね合いで、いろいろ考慮すべき点はあるもかもしれませんが、基本的に優先度が高いのは摂食時点のものということで、フライされたものであろうということで、フライ前の数字は、少し合理化のために削除していくということも考えてはどうかというようなこと。
それから、冷凍食品等、いわゆる工業的なものという限定を掛けていくと、多分、売れ数のデータというもので優先順位がある程度掛けられるのであろうということで、生産量上位のものを追加と。
さらに、そう菜項というのは、実はいわゆる栄養価を示すというだけではなくて、いわゆる栄養計算の手順をインストラクティブに提示していくという役割も兼ねていたということでございます。この、従来、七訂のそう菜項に載っている栄養計算の手順、手引きのようなインストラクティブな素材につきましては、引き続き資料編として、成分表の中に収載していってはどうかということでございます。
そんなような形で、八訂においては従来の18類、かなり高度な調理済みレトルト食品、冷凍食品といったものと、そう菜項に載っている工業的なレシピに基づく調理の栄養価といったものを統合して、新18類として運用していってはどうかということでございます。
以上でございます。
【安井(明)主査】 ありがとうございます。資料として2-1から2-3までありますけれども、まず2-1と2-2について、御意見等ありましたらお受けいたしますけれども、いかがでしょうか。エネルギー換算係数、今までのものと大分異なってきます。国際的なグローバルな値を中心に使うということと、エネルギー換算係数を掛ける成分そのものについても変更があって、大きく変わってきます。これについては事務局の方で、関係省庁等について意見をこの後、聞いていくということでございます。そういう対応をしていただきますけれども、皆さんの方から今現時点でコメント等ありましたらお受けしますけれども、いかがでしょうか。
こういう方向で進んでいくということでよろしいでしょうか。ありがとうございます。
どうぞ。
【安井(健)委員】 単純ミスをちょっと直していただきたいんですけれども、2-1の5ページと6ページ目の真ん中あたりのマルチトールのエネルギー換算係数、先ほど言った2.1の前に8.8が入っていますので、これを削ってください。
【松本室長】 ジュールが入っていました。
【安井(健)委員】 それで、6ページも同じです。
【安井(明)主査】 8.8というのが入っているということ?
【松本室長】 ジュールの値が残っていました。
【安井(明)主査】 ああ、そうですね。
ありがとうございます。
【佐々木(敏)委員】 あともう一つ。
【安井(明)主査】 はい、どうぞ。
【佐々木(敏)委員】 8ページの表のタイトル……。
【安井(明)主査】 摂取頻度ですか?
【佐々木(敏)委員】 そうです。そのところの、カロリー変動じゃなくてエネルギー変動。
【安井(明)主査】 おお。
【佐々木(敏)委員】 同様に対応する図もそうでした。
【松本室長】 はい。
【安井(明)主査】 ありがとうございます。
ほか、いかがでしょうか。
表の2-2の表頭の説明なんですけれども、真ん中ぐらいにある利用可能炭水化物の左側の「クロマトグラフ法による(単糖当量)」ですけど、これ、「クロマトグラフ法による」は外して、単糖当量だけにしてください。それから、その真ん中の「クロマトグラフ法による」ですけれども、炭水化物、でん粉がこの中に入ってきますので、でん粉は酵素法を使いますので、「クロマトグラフ法等による」、「等」を入れていただければと思います。
【松本室長】 はい。
【安井(明)主査】 お願いいたします。
【松本室長】 単糖当量は括弧も付かないで、もう単糖当量……。
【安井(明)主査】 ええ、そのままでよろしいと思います。
【松本室長】 ということですね。
【安井(明)主査】 はい。
2-1と2-2についてはよろしい……。はい、どうぞ。
【安井(健)委員】 2-2についてですけれども、全体の並びとしてはこれでいいと思いますけれども、成分項目の名前については、もう少し改良の余地があるように思います。それは、先ほどの資料1-1の表頭がありましたけれども、これの表頭が非常にすっきりしているので、これと同じようにしたらいいというような考え方をしています。ですから、例えばたんぱく質について、従来法のものについては「たんぱく質」と書けばいいというのが私の考えです。
それから、脂質については、同じように、脂質と脂肪酸のトリアシルグリセロール当量と書けばいいと思います。
それから、利用可能炭水化物については、単糖当量で表すものと、それから重量というか質量で表すものと、それから、差引き法による利用可能炭水化物という成分項目を作れば済んでしまうことだと思います。
それから、有機酸と糖アルコールの総量については、方法は書く必要がないので、これの食物繊維、糖アルコールとも、いずれも炭水化物から、この場合には難利用性炭水化物の下に直接にぶら下がっていればいいと思います。
【安井(明)主査】 炭水化物そのものの中に食物繊維と糖アルコールは入りますよね。
【安井(健)委員】 入ります。
【安井(明)主査】 それの表示法は。
【安井(健)委員】 入りますけど、その上に難利用性炭水化物という横書きがありますよね。
【安井(明)主査】 はい。
【安井(健)委員】 そこにぶら下げればいい。直接ぶら下げればいいと思います。ですから、炭水化物については、易利用性炭水化物と難利用性炭水化物に大きく分かれて、難利用性の方に食物繊維と糖アルコールが直にぶら下がるというような書き方がいいのではないかと思います。
それで、従来の炭水化物の下に「差引き法等による」というのがありますけれども、これは「炭水化物」と書いて、炭水化物からぶら下げるか横に書くかはちょっと検討の余地があると思いますけれども、炭水化物と書いておけば、これは従来法によるものだと認識できますので、その下に方法を書く必要はないように思います。もし方法を書きたいのあれば、「差引き法による」に対応するような方法を書くべきで、今のところは書かなくていいと思っていますので。
【安井(明)主査】 はい。御意見ただきます。時間ありますので、ここについては、また今後詰めたいと思います。
ほか、2-1と2-2はよろしいでしょうか。
2-3について御意見を頂けますか。この場合は、家庭調理については各食品群の中で対応するということですね。
【松本室長】 そうです。素材からの成分変化というのは、各素材の中で対応してきている。
【安井(明)主査】 はい、ありがとうございます。
よろしいでしょうか。ほか、2-3について。
【佐々木(敏)委員】 一応名前だけのことなんですけど、工業品という名前の発想はいいなと思ったんです。これ、工業品がふさわしいのか商工業品がふさわしいのか、又はそれ以外なのか。というのは、数字は飽くまでも副として付けられるもので、正はこの日本語の方だと思いますので、一番ふさわしいのを付けるべきなんだろうなと。それから、18はこれ、類じゃなくて、群ですよね。
【松本室長】 そうでした。済みません。
【佐々木(敏)委員】 単に言葉の話だけなんですけど。というのは、ここで決めれば普及しますので、いい言葉をここで作っていただけるとね。渡邊先生。
【渡邊主査代理】 総菜の成分値は、給食会社ののレシピを沢山使っているので、ちょっと工業品と言われると違和感が……。
【佐々木(敏)委員】 そうそう、かなと思って。
【渡邊主査代理】 違和感があるので、今ちょっと適切な言葉は浮かばないんですけれども、私も考えてみますので、みんなで考えていただきたい。
【佐々木(敏)委員】 いわゆるビジネスとして動いているという、そういうぐらいの意味合いなんですけど。
【渡邊主査代理】 そうです。だから、言葉をこれにして、中身はこうですよと書いてあれば、それでいいのかもしれません。
【安井(明)主査】 でも、名は体を表すから、名前の方が重要だという話なので、これについては、時間はまだちょっとありますので、検討しましょう。
【佐々木(敏)委員】 いや、工業品と言うと、その作り方の工の方を言っている。商業品と言うと、市場に出回っていますという意味が入るかなと思ったんです。
【松本室長】 そういう意味ですね。
【安井(明)主査】 商業品……、はい。検討しましょう。ありがとうございます。
それでは、この方向で対応していただくということで進めたいと思います。
それでは、議事の3に入りたいと思います。来年度ですね、令和2年度分析予定食品について、事務局から説明をお願いいたします。
【松本補佐】 資料につきましては3-1と3-2でございます。まず、3-1をごらんください。今回、令和2年度分析食品リスト作成に当たっての考え方について示しております。現状につきましては、来年度に日本食品成分表の全面改訂を予定していることから、今後さらなる成分表の充実を念頭に置きまして、国民の食生活の変化や新たな食品ニーズ等をベースにいたしまして、現在検討中の組成に基づくエネルギー計算にも資するよう、分析・収載食品の検討を行っていくこととしております。
具体的には、マル1にございますように、優先的に分析するものといたしましては、(ア)といたしまして、昨年度に分析する予定でございましたが、最終調整により取りやめたもの、(イ)として、平成26年度の国民健康・栄養調査をベースとして設定したkey foodsのうち微量5成分が未分析のもの、(ウ)といたしまして、利用可能炭水化物、有機酸、食物繊維等のエネルギー計算に関連する成分情報の充実、これらを優先的に分析することといたしております。
次に、マル2といたしまして、これまでの分析候補としてリストに掲載されておりましたが、分析未実施のもの及び関係団体等からの要望があったものについて、国民が日常的に摂取している食品や、減塩化等の成分の変化が見られるもの、成分データの根拠が古く現状と合致していないもの、計算値等で分析値がないもの、分析方法の変更により成分値が変わると見込まれるもの、これらにつきましては、具体的には食物繊維、それから魚介類等の脂質等で、分析法によって成分値が今後変わる食品についても考慮してまいりたいと考えております。
これらを総合的に勘案しまして、令和2年度の食品分析リストを作成することとしております。
具体のリストにつきましては、資料3-2をごらんください。そこにリストアップさせていただいておりますが、今回リストアップさせていただいた食品は95食品になります。このうち新規の食品につきましては、食品番号、左上のところに新規と書いてあるものが44食品でございます。新規につきましては、これまで未分析の食品に加え、更に収載されている食品の中でも新たな調理条件が加わったものを、新規として入れております。具体的には、「生」以外に「ゆで」、「焼き」等でございます。これらの食品につきましては、現在、素案として示させていただきまして、今後、個別に担当の先生に御相談し、それから、関係団体等からのヒアリング等で中身を検討していくものもございます。このほか、他の食品の成分値から計算で求める予定としているものが、8食品でございます。具体的には、「しゅうまいの皮」、「うし、かた、脂身つき」等でございます。
これらの分析リストにつきましては、最終的に来年度の予算が決定しました後に、予算額もございますことから、その調整も入ることとなっております。最終的には、予算の制約等もありまして、絞り込みを行いまして、これが第1案という形で、また示させていただきたいと思います。
同様に、実際に分析する分析成分についても、現在、項目に丸印で示しておりますけれども、予算額や、それから、幾つか担当の先生方と詰めなければいけないところが残っておりますので、そこで分析すべき成分について再度精査させていただいた上で、決定させていただきたいと思いますが、限られた予算の中で、効率的に、なるべく幅広く食品の分析を行っていくように努力してまいりたいと思います。
最後に、令和2年度の食品の分析結果は、令和2年度の年度末に委託の成果物として文科省に上がってまいりますので、実際に従来の形で食品成分委員会に掛けられるのは令和3年度になってしまいますが、成分表の2020年版には反映はされないということでございますが、それ以降の公表となる予定として考えております。
以上でございます。
【安井(明)主査】 ありがとうございます。ただいまの資料について御意見等ありましたら、お願いいたします。
来年度の分析食品で早期にデータが出たものについては、八訂に反映できる可能性もありますか?
【松本補佐】 現在、31年度分析の食品に掛けておりますものの中で、例えば、麺類とか、あと漬物類ですね、これらについては、11月中にデータが上ってまいりますので、それについては八訂に間に合うように、今後、御相談してまいりたいなと思っております。
【安井(明)主査】 来年度分析食品についてはちょっと無理ということですかね。
【松本室長】 来年はちょっと難しいんじゃないですか。契約の手続とかが春先で済んでしまい、かつ、サンプルの入手が春先にできるものであればというかなりの限定的な条件となりますけど。ただ懸案があることは承知しておりますので、懸案の食品について少し早めにそういう手順が取れないかというのは、運用の中で工夫をしていきたいと思っております。
【安井(明)主査】 多分これまでの経過で言えば、2020年版データ、八訂が出た後も、追補という形で、新規に分析したものについてはデータが出次第やるような態勢が続くものだと思いますけれども……、はい。
皆さんの方から御意見等ありましたら。よろしいでしょうか。この後、各食品群の担当の委員の方と、最終的なものについては調整するということですので、皆さんの方もよろしくお願いしたいと思います。
それでは、その他ということで、今後のスケジュール等について、事務局から周知すべき事項がありましたらお願いいたします。
【松本補佐】 本日、御承認いただきました資料1-1及び資料1-2につきましては、資源調査分科会におきまして承認の上、公表という運びになります。資源調査分科会につきましては、来週、12月3日火曜日の1時半から開催を予定しております。また、分析結果のデータの公表の時期につきましては、12月の中下旬頃をめどとしております。今後、公表に向けまして内容の最終的な確認を行いまして、それと並行しまして、令和2年度の食品の分析リストに係る対象食品の調整についても、行ってまいる所存でございます。個別の調整を含めまして、委員の先生方におかれましては、引き続き御協力のほどをよろしくお願いしたいと思います。
以上でございます。
【安井(明)主査】 ありがとうございます。今年度のデータにつきましては例年の追補という形ではなくて、ホームページにデータを公開することで対応するということになりました。
それでは、予定していた議題については全て終了しましたけれども、皆さんの方からコメント等何かございましたら、発言いただきますけれども。
はい、どうぞ。
【安井(健)委員】 一つなんですけれども、2017年、2018年の追補が出ていますけれども、これの英語版がアップされていないので、できれば早めにアップしていただけると、ほかの国の人が使えると思いますので、よろしくお願いします。
【松本室長】 はい。予算との兼ね合いで検討することとなります。
【安井(明)主査】 よろしくお願いします。
【松本室長】 はい。
【安井(明)主査】 ほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、これで、この委員会、閉会としたいと思います。皆さん、どうもありがとうございました。

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