資料4 アミノ酸、脂肪酸、利用可能炭水化物等の推計について

1 アミノ酸、脂肪酸の推計について(別紙1、2関係)

(1)経緯

 アミノ酸及び脂肪酸については、これまでの企画作業部会等の議論において、佐々木敏委員の論文の手法を元に、未収載食品の推計(穴埋め)を行うこととされた。推計を行う食品は、栄養摂取上重要なものを重視し、具体的な参照元については、個別に検討することとなった。

(2)推計の考え方(案)

1.生の分析値やレシピから推計

  • 「生」の分析値があるものについては、それを元に、「ゆで」「焼き」等の可食部100g当たりの成分値を推計する(加熱調理しても窒素1グラム当たり・脂質1グラム当たりの成分値はほとんど変わらないと想定)。
  • レシピからの推計が可能な食品について、可食部100g当たりの成分値を計算する。

2.類似食品・海外データベースから推計

  • 上記1.ができないものについては、類似食品(同属など)の分析値及び米国成分表(USDA Standard Reference Release 27, 2014)、独立行政法人国立長寿医療研究センターのデータを元に推計を行う。

【留意事項】

  • USDAの収載値も、類似食品から推計で算出されているものが多い。
  • 脂肪酸については成分項目がUSDAと日本で異なる。
  • USDAと日本では、品目によってたんぱく質の計算方法が異なるため、実際の計算では「全窒素1g当たりのアミノ酸」を算出して推計する。(※USDAでは硝酸イオンやカフェイン等を引かずに「全窒素」で計算。次の品目には補正換算係数を使用:chocolate and cocoa 4.74、coffee 5.3、mushrooms 4.38、yeast 5.7)
  • 肉類については、部位の違いよりも脂質の割合の違いが組成に影響しているとみられるため、脂質含有量の近い食品を参照する案としている。
  • 魚類については、同属などに限定すると参照できるデータが少ない一方、たんぱく質摂取源として重要なことや、魚種別のアミノ酸組成が大きくかわらないことから、幅広い類似食品を参照する案としている。
  • 野菜や果実等、たんぱく質源・脂質源としての重要度が低い食品については、無理に推計しない。

2 利用可能炭水化物等の推計について(別紙3関係)

(1)経緯

 利用可能炭水化物等については、平成21年度委託調査において「日本食品糖質推定成分表」を作成。この中では、主に英国成分表(McCane and Widdowson’s 6th edition, 2002)、米国成分表(USDA SR20, 2008)及びオレゴン州立大学糖質成分表を用いて、各成分の推計を行った。
その後、日本においても主要食品の分析が進み、上記推計との差が大きいものもあったことや、参照した各国成分表も改訂されたことから、改めて、推計をやり直すこととする。

(2)推計の考え方(案)

  • 参照食品の選び方は、アミノ酸・脂肪酸に準ずる。日本で類似食品を分析しているものについては、可能な限りその数値を活用(例:「01006おおむぎ押麦」の分析値から「01005おおむぎ七分つき押麦」を推計)。
  • 英国成分表及び米国成分表は、2014年版を活用(英国:MW7th, 米国:USDA SR27)。
  • 平成21年度委託調査で、でん粉やソルビトールの推計に用いたオレゴン州立大学の糖質成分表は、現在公開されていないことから、今回は用いない。ルビトールについては、他の文献を参照することを検討。
  • 英国成分表、米国成分表の両方に数値がある場合には、推定糖質量(炭水化物-食物繊維)の差が小さいもの、データがそろっているものを優先。ただし、一方が未測定で他方が「0」又は「Tr」の成分については、「0」又は「Tr」と推定。(例:「01023小麦粉 強力粉 全粒粉」は米国成分表から推計するが、乳糖は英国成分表の値から「0」と推計)
  • 平成21年度委託調査で推定した食品であっても、推定糖質量の差が大きいものや、生物としての種が属単位で異なるものは、無理に推計しない。
  • 平成21年度委託調査は、各成分表の値を推定糖質量で補正していたが、英国と日本・米国では炭水化物量の求め方が異なることなどから、今回は、すべて「水分補正」により推計を行う。

3 今後の作業の進め方

STEP1 別紙1~3の表に示した「推計(再推計)の方法(案)」について、各食品担当委員に確認いただく。
→修正意見は2月末日までに事務局へ。
STEP2 事務局で推計値を計算
STEP3 担当委員による最終確認
STEP4 各成分表に収載(推計値と分析値が明確に区別できる形で収載)

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