第五期食品成分委員会(第4回) 議事録

1.日時

平成22年3月26日(金曜日)14時~16時

2.場所

文部科学省 15階 科学技術・学術政策局1会議室

3.議題

  1. 日本食品標準成分表の改訂について
  2. 日本食品アミノ酸組成表の改訂について
  3. その他

4.出席者

委員

(委員)野口主査、石見委員、大坪委員、岡崎委員、神部委員、久保田委員、佐々木委員、関谷委員、千國委員、長尾委員、野村委員、安井(明)委員、安井(健)委員、渡邊委員

文部科学省

(事務局)中岡政策課長、内畠資源室長、田口室長補佐

5.議事録

【野口主査】
定刻になりましたので、ただいまから第4回科学技術・学術審議会資源調査分科会食品成分委員会を開催いたします。本日は皆様ご多忙の中、ご出席いただきまして、まことにありがとうございます。それでは事務局から委員の出欠の確認等をお願いいたします。よろしくお願いします。

【内畠室長】
本日は18名の委員の中で、ご都合により欠席されますのは、齋藤委員、田中委員、東尾委員、村田委員でございます。14名の方の出席をいただいております。以上でございます。

【野口主査】
ありがとうございました。

それでは議事に入らせていただきます。まず事務局から配付資料の確認をお願いいたします。

【内畠室長】
まず資料1として「食品のたんぱく質量の新たな算出法と新しい「窒素-たんぱく質換算係数」の考え方等について」という三枚紙がございます。続いて1枚紙で、資料2として「脂肪酸量からトリアシルグリセロール当量を求める計算法について(案)」という資料がございます。A3を折りたたんだ資料3といたしまして、「日本食品標準成分表2010(仮称)の本表想定様式」というものがございます。続きまして資料4-1として「第2章アミノ酸成分表(本表)」というものがございます。資料4-2が「第2表食品可食部の基準窒素(仮称)1g当たりのアミノ酸組成表」でございます。最後に資料4-3として「第3表食品可食部のたんぱく質1g当たりのアミノ酸組成表」と、こういう資料があろうかと思います。それから参考資料といたしまして、今年度の委託調査の報告書、皆様には既に送付させていただいておりますけれども、成分表とともに机上に置かせていただいております。何か欠落がありましたらお申しつけください。

【野口主査】
よろしいでしょうか。ありがとうございました。

それでは議事1の日本食品標準成分表の改訂について、事務局よりご説明をお願いいたします。

【田口室長補佐】
では説明させていただきます。最初の議題につきましては、資料1から3について説明させていただきます。順番が前後しますが、資料3を見ていただきまして、今回最初の議題といたしましては、現在の食品成分表でございますけれども、これにつきまして、大きく3つの情報をつけ加えるということで今後作業をしていきたいということについて、お諮りしたいという趣旨でございます。ここで上側に成分が書いてありますけれども、赤字で書いてあるところが現在の成分表にはないものでございまして、順番に、一番左から「アミノ酸組成によるたんぱく質」というものがございます。その右、「脂質」の隣に「トリアシルグリセロール当量」という欄がございます。それから真ん中以降、「ヨウ素」「セレン」「クロム」「モリブデン」、それからちょっと外れまして右側に「ビオチン」というものがございますが、これは数年前に厚生労働省のほうで摂取基準につけ加えられました4つの微量元素と1つのビタミンでございます。この3つの情報を今の成分表につけ加えるということを今後検討したいということでございます。

順番にご説明させていただきますと、最後に申しました「ヨウ素」以下「ビオチン」までの5つの栄養素につきましては、平成19年度、20年度、21年度と、主なものについて成分の分析をしてまいりました。21年度の分析結果につきましては、今月末、間もなく数字が入ってくるわけでございますけれども、この3年分を総括しまして、数値の評価等の議論を今後いただきまして、その結果を成分表に反映したいというのが1点目でございます。ここに配列も含めて、あくまでもイメージで入れ込んでありますけれども、この順番等につきましては、既に公表されております摂取基準の順番にならっています。

次に一番左の「アミノ酸組成によるたんぱく質」でございます。これにつきましては、従来より別冊として、「アミノ酸組成表」とういものがあるわけでございまして、このアミノ酸の組成情報がわかっている食品については、それを積み上げていけば、基本的にはたんぱく質が計算されるという考え方で、これはFAOの報告書の中で推奨されている方法でございます。これにつきまして、きょうの議題の2番目になりますけれども、アミノ酸組成表自体も改訂するという作業がございますが、これの中でアミノ酸組成の積み上げによるたんぱく質を計算して、全食品にはなりませんけれども、少なくともアミノ酸組成がわかっているものについては、その組成から求めたたんぱく質についての情報も、従来のたんぱく質とあわせて、その隣に追加して載せたいということでございます。

それから「脂質」の隣にございます「トリアシルグリセロール当量」、これも同じFAOの報告書の中に推奨されている方法でございます。これにつきましても、「脂肪酸成分表」が別冊であるわけでございますので、これらの脂肪酸についても同様に、すべてをトリアシルだと考えて当量換算した数値を計算できますので、この数値も追加したいということでございます。

以上3点でございますが、詳しくは、たんぱく質につきましては資料1を見ていただきます。どのようにたんぱく質を計算するかという考え方の資料でございます。最初に載っておりますのは「提案の背景」ということでございますが、FAOが推奨している方式ということですが、まだ先進国も含めて本格的にこれを採用している国が調べた中ではなく、成分表に準拠させるためには、その前提としまして、今まで使ってきた昭和61年発行のアミノ酸組成の情報がございますが、これが現在でも、たんぱく質を推定するのに信頼できる情報かどうかということが、1つの課題になっておりました。

そこで、1年かけて、皆様方のご協力をいただいて、委託調査で新たなたんぱく質の推定にかかわるアミノ酸組成に対する検証をしていただきました。その結果、新しく分析したものと、従来の数字、非常によい相関が得られるということを確認できたところでございます。

全体の40%程度のものを、特に流通とか品種とかが変わったり、あるいは一部、細かい情報が不備であったりという、若干心配なものを中心に調べさせていただいたのですけれども、これだけ今回、よい相関が得られたということで、これはおおむねたんぱく質を推定するのに十分な情報であろうという結論が得られたところでございます。

したがいまして、これを用いて計算しようということでございますが、資料1をめくって2枚目を見ていただきますと、具体的な計算の考え方が出ております。計算の前提になります大きな考え方、(1)、(2)と2点ございますが、(1)につきましては、アミノ酸組成の情報が、各アミノ酸がペプチド結合したということで、それをそれぞれ足し合わせて、水分を除いて、重合計算をして求めるということが前提の1つでございます。2番目は、細かいことを言えば末端のアミノ基の扱いですとか、遊離アミノ酸の扱いですとか、理論的にあるわけですけれども、全体的な量から見ると、ネグレクトできる量であろうという判断に立ちまして、これについての補正は特に行わない、この2つの前提に基づいてFAOの考え方に従って計算をしましょうということでございます。

資料1の3枚目でございますが、以上2つの前提で、まずアミノ酸分析を行った食品の可食部100グラム当たりのたんぱく質量を求めます。この数字をAとしますということで、実際に今回分析した133のサンプルもそうですけれども、100グラム当たりのアミノ酸組成をまず求めまして、これから水を引いて重合計算して足し合わせたものを求めるということでございます。それから別途、同じサンプルを用いまして、窒素量をはかります。この場合、窒素量をなぜ測定するかといいますと、100グラム当たりのたんぱく質が計算できれば、まず目的は達せられるわけですが、それをその後成分表に載せるときに、五訂の成分値と並ぶようなものにしなくてはならない、つまり準拠させるという作業が1つあります。

五訂のたんぱく質の考え方自体は、ご案内のとおり、窒素量をはかりまして、そこから硝酸、カフェイン、テオブロミン等由来の窒素を差し引いたものを基準にたんぱく質を求めておりますので、今回分析したものとか、過去のものについても、同じ考え方で窒素量を出します。これをBとします。その両者の比をとりまして、この比が五訂のサンプルとアミノ酸のサンプルでは一定だという前提に立ちまして準拠させた計算をするということが2点目の考え方でございます。ちなみにこれを100グラム当たりで作業をしますと、これが自動的に窒素とたんぱく質の換算係数、今回私どもが新しいたんぱく質を求める際の係数になりますので、この結果を使うということでございます。

3番以下は、議題2の具体的なアミノ酸の成分表の中で、もう少し詳しく説明させていただきますが、以上のようなFAOの考え方に立ちました、アミノ酸を重合計算してたんぱく質を出すという考え方と、そのたんぱく質を五訂のサンプルに準拠させる計算をして補正するという、2つの考え方で数値を求めて、先ほどの資料3の様式の中に入れていきたいというのがたんぱく質についての考え方でございます。

最後にトリアシルグリセロール当量でございます。これは資料2に計算の考え方がございます。これもアミノ酸と同じように、脂肪酸の情報がある食品につきましては、やはり脂肪酸を積み上げたらどの程度のものになるのかということを求めるために出すものでありまして、これは従来の脂質とは、そもそも定義から全然違いますので、そこをしっかり説明するという意味もあって、このような考え方をはっきり書いているということでございます。トリアシル以外にも、食品中にはモノとかジアシル等もございますけれども、これをすべて、まずトリアシルだと考えて、当量換算するということが1点目の考え方でございます。2点目につきましては、具体的な計算ですけれども、脂肪酸が3本あるわけですから、Hのつき方とか、真ん中が少し違うとかいうことがあるんですけれども、これを3分の1にしまして、脂肪酸がくっつくトリアシルの分量というのを平均的に求めますと、ここにありますように30.697ということになりますので、これに脂肪酸がついて、ついたときに水が抜けますので、水の分子量の18.02を引くという計算をしますと、単純に脂肪酸にくっつく分量として、12.677という数字が出ますので、そういう計算をいたしまして、今持っている脂肪酸の成分表からトリアシルグリセロールの当量換算値を求めるということが3番目の考え方でございます。

以上、追加情報の考え方でございますが、基本的に、ここで決定いただければ、今後数値の計算、それからその説明の文章なりを、作業部会レベルでよく練って、最終的にもう一度、できた成果について決定するということが1番目のお諮りの主旨でございます。説明は以上でございます。

【野口主査】
ありがとうございました。

それではご質問、ご意見ございましたらどうぞ、どなたからでも結構ですのでよろしくお願いいたします。

【安井(健)委員】
よろしいでしょうか。

【野口主査】
どうぞ。

【安井(健)委員】
資料3の本表の想定様式のところで、新しい5成分についてですが、ビオチンを除いた4つの成分の元素の並びについて、ちょっと意見を申し上げたいんですけれども。無機質を全体的に眺めると、周期表の並びになっている部分がありますので、私としては、ヨウ素とセレンの位置を変えて、クロム、モリブデンの後にセレン、一番右にヨウ素としたほうがおさまりがいいように思うんですけれども、ご検討ください。

【野口主査】
ありがとうございます。

いかがでしょうか。そうするとセレン、クロム、モリブデン、ヨウ素という順番になるということですね。

【安井(健)委員】
いえ、クロム、モリブデン、セレン、ヨウ素です。

【野口主査】
クロム、モリブデン、セレン、ヨウ素ですね。

【田口室長補佐】
これにつきましても、厚生労働省のほうでも一通りの議論はあったようですので、また作業部会で、そのときの考え方も紹介しながら、今のご意見も踏まえて、どういうような配置がいいのかも含めてご検討いただいて、最終的に、厚生労働省の出すものと当方がそろっていたほうが使い勝手がいいということなので、そこも含めて検討させていただければと思います。

【野口主査】
ありがとうございます。これはまだ仮ですけれども、セレンやクロム、ヨウ素などとなってきますと、マイクログラム表示にしたほうがいいかなと考えます。どの辺からマイクログラムにしたほうがいいかはわかりませんから、ちょっと数値を計算して検討して下さい。

【大坪委員】
細かい点ですけれども、欄が小さいからしようがないかもしれませんが、アミノ酸組成によるたんぱく質とか、トリアシルグリセロール当量のところは、英語は要らないですか。

【田口室長補佐】
入れることは可能だと思います。

【野口主査】
それでは、それは作業部会のほうで検討して、原案をつくらせていただきましょう。

【大坪委員】
ありがとうございます。

【安井(明)委員】
それから2行にわたる表記のときに、「アミノ酸組成によるたんぱく質」というのは右から左になっていますよね。これはひっくり返すことは問題ないですよね。

【関谷委員】
ちょっと教えてもらいたいんですけれども、資料3で、アミノ酸組成によるたんぱく質で入れるものというのは、分析したものと、新しい換算係数を用いて分析しないものも入れるという理解なんでしょうか。

【田口室長補佐】
そこは従来から、いろいろな方からメール等でもご意見いただいたりしておりますが、少なくても今回、アミノ酸情報があるものについては、また後で議題2のほうで数字が入ったものもご説明しますが、数字がありますので、まずそれは入れたいと。それ以外に、推定できるものがあれば、入れるか入れないかも含めて議論していくというふうにお考えいただければいいと思います。そういう意味で、ここは空欄にしてございますので。

【関谷委員】
ありがとうございました。

【野口主査】
どうぞ。

【渡邊委員】
非常にこれは小さくなって見にくいかと思うんですけれども、例えば表の形式を横書きにして、4ページにわたって見やすくするとか、そういった検討もしていただけるとありがたいかなと思いました。

【田口室長補佐】
フィックスしたものではございませんので、様式とか、いろいろそういった詰めの部分でまた議論はあると思います。今必ずしも従来どおり、成分表を出すに当たっては1枚におさめなければいけないというような制約もありませんので、様式についてはまさに詰めの段階でいろいろご議論賜ればと思います。

【野口主査】
ありがとうございます。

【関谷委員】
今の関係で言えば、印刷するときにCD-ROMか何かをつけてもらえると、すごく助かります。そうすればこの様式は、ある面ではどういう形でもフレキシブルなのかなという気はしますけど。

【野口主査】
五訂が出たときには、ついてはいないけれどもインターネットで見ることが出きたように。

【田口室長補佐】
そうですね。今まではPDFの形にしたもので電子情報はインターネットで公開していたんですけれども、今度はそれをどういう形にするか。CDをつける場合、使い勝手の意味では、PDFより、例えば計算ができるような様式のほうがいいとか、いろいろなことはあると思うんですけれども、そこも全く白紙ですので。

【野口主査】
外国の例でも、CDをつけているところもありますから、ちょっと検討してもいいかもしれません。先ほどの単位のこと、ビオチンもよろしくご検討ください。

【田口室長補佐】
はい。

【野口主査】
それから「日本食品標準成分表2010(仮称)」という名称についてはいかがでしょう。こういうところも検討していただいていいわけですけれども、今は仮称になっております。

【田口室長補佐】
これも雑談の中でいろいろな意見が出て、とりあえずこういうふうにしているんですが、この意見が出たときのメリットというのは、今後、随時改訂するときに、5回目、6回目とかいっても、引用したり、参照したりするときに非常に不便だし、2010と書いてあれば、何回目の改訂であろうがいつの段階のものかがはっきりするとか、そういう便利さもあるのではないかとか、いろいろありましたので、今から皆さんイメージを持って、これも含めていいネーミングを考えていただければと思います。

【野口主査】
おっしゃるとおり、2010というとわかりやすく、引用はとっても楽ですね。

【石見委員】
食事摂取基準等では「2010年版」というような書き方をしているんですけど。

【野口主査】
そうですね。「国民衛生の動向」でしたか、あれも2009とか2010とか、毎年出していますからね。

【石見委員】
あとたんぱく質のことで、新しく「アミノ酸組成によるたんぱく質」という欄ができて、資料として非常に、価値がまた1つ上がったということだと思うのですけれども、多分、現場の栄養士さんが見たときに、どっちを使ったらいいんだろうというようなことも想定されると思うんです。だからそれに対する配慮というか、何か注意書きみたいなものは入るんでしょうか。どこか、前文か何かに。

【野口主査】
私は入れたほうがいいと思います。

【田口室長補佐】
そうですね。

【野口主査】
どういうふうに使われているか、もしですよ、将来、厚生労働省の食事摂取基準が、新しいこちらの数値で答申が出るようになると、また一歩進むように思います。当面は、まだ旧来のたんぱく質でやっておられますから、ここでとってしまうわけにはいかないでしょう。エネルギーのこともありますし。

【田口室長補佐】
2段書きにしたというのは、まさにその議論を踏まえて、差しかえではなくて2つ情報がありますよ、と。その目的に応じて使っていただくということなので。やはり従来のたんぱく質と、今回新しく、組成に基づいて算出したたんぱく質というのは、まだ議題2のほうで説明するというところで説明していなかったのですけれども、こういう使い勝手のためにはこういうものですよということをはっきり書いて、恐らく全食品について、この組成に基づくたんぱく質の情報があるわけではありませんし、私たちも多分、今引用許可なり複製許可をしているいろいろな会社なりソフトのところからも、同じように、計算のもとのデータはどうしたらいいのかという質問が出てくると思うんですけれども、一応2段書きにする想定として、今までのものをそのまま使っていただけるようにしております。あとは、とりあえず目的をはっきり書いておけば、時代に応じてこっちに乗りかわっていくというときには、いつでも乗りかわっていただけるようにということだと思っております。

【野口主査】
よろしいでしょうか。

【安井(明)委員】
脂肪酸のほうですけれども、1つには未同定の脂肪酸の取り扱いについて計算方法をどうするかですね。一応計算式があるはずなので、それを使って足すという考え方を案の中に入れておいていただいたほうがよろしいかと思います。

それから、その後ろに分子量の計算の記載があるんですけれども、Merck Indexから引っ張ってきていますけれども、Merck Indexを引っ張る必要はないので、IUPACの最新の勧告の値、炭素と水素と酸素から単純に計算して、最終的に丸めるというような方向で行ったほうがいいと思います。

【田口室長補佐】
すみません、1点目が、ちょっと私理解しなかったんですけれども、未同定の脂肪酸という点について、もう一度御教示下さい。

【安井(明)委員】
ええ、未同定というのが脂肪酸の成分表を見ると出てくるんですね。

【田口室長補佐】
ええ、ありますね。

【安井(明)委員】
何グラムというのが出ますね。その数値があるので、それは計算式で数値が出ていますので、恐らく、ちょっとそこまでは調べていないんですけど、何かを想定してやっていると思うので、その分子量で計算したものを入れ込むような形にしたほうがいいと思います。

【田口室長補佐】
それも要するにトリアシルの換算に入れると。

【安井(明)委員】
入れ込んだほうがよろしいと思うので。

【田口室長補佐】
そもそも未同定の計算の仕方を含め、全く勉強していない部分だったので、また資料をつくってから、今後ご議論いただくということでよろしいですか。

【安井(明)委員】
はい。

【野口主査】
食品数としては少ないですよね。

【安井(明)委員】
少ないです。

【野口主査】
未同定が出ているのは極めて少ないですから、本質的なところには影響しないと思います。

【長尾委員】
よろしいですか。それに関連してですけれども、Merck Indexの値が、私が持っている12版のMerck Indexの値とちょっと違っていまして、その関係かと思いますので、計算しなおしていただいたほうがいいかと思います。

【野口主査】
私のは何版だったか忘れましたけど、すみません。

【長尾委員】
それから1枚目のところの、グリセロールの寄与率のところですけれども、これも同じように、小数点以下3桁で計算して、最後に丸めるという方式でいくと、ちょっと数値が変わってきまして、最終的に12.677というところが12.683になります。

【野口主査】
そうですか。

【長尾委員】
この辺もちょっと注意して。

【野口主査】
ありがとうございます。ご指摘の点は検討して、専門委員会で原案をつくらせていただくということでよろしいですね。

【田口室長補佐】
はい。

【野口主査】
貴重なご意見いただきました。ありがとうございます。よろしいですか。

それでは議題1の、日本食品成分表については、今回ご説明いただいた方向で、今後作業部会で検討を進めるということでご了解いただいたとしてよろしいでしょうか。

(「はい」の声あり)

【野口主査】
よろしいですか。ありがとうございます。それではそのようにさせていただきます。ありがとうございます。

それでは続きまして議題2に移らせていただいてよろしいですか。議題2の日本食品アミノ酸組成表の改訂について、事務局よりご説明をお願いいたします。

【田口室長補佐】
引き続き、アミノ酸組成の改訂のほうのご説明ですが、残りました資料4-1、2、3、それから先ほど途中まで説明しました資料1についてご説明させていただきます。最初に資料1の3ページ目、3という数字からです。新たに改訂する予定の、仮称ですけれども、アミノ酸成分表2010の表示に係る提案ということで、ここで資料4-1、2、3のつくり方、計算の仕方について書かせていただいております。この1、2、3はそれぞれ、現在の改訂アミノ酸組成表では、第1表、第2表、第3表に対応するものでございます。ちょっと読ませていただきますと、新たに改訂する予定のアミノ酸成分表2010(仮称)の第2表のアミノ酸量には、「基準窒素(仮称)量」1g当たりのアミノ酸量を記載する。これは資料で言いますと4-2、これが第2表。窒素1グラム当たりの表でございますけれども、これについての考え方です。先ほど、五訂成分表で、計算の基準になる窒素ということで、硝酸体等の窒素を全窒素量から引いたものと申し上げましたけれども、これをその計算の基本にするということが第一の前提にございまして、従来のアミノ酸組成表の第2表に比べますと、硝酸態等の窒素を除いたもので割るというところが、まず変更点の第1点でございます。

そして先ほど申し上げました、この第2表ベースで重合計算したたんぱく質量というのが計算できるわけですけれども、これはそもそも第2表が基準窒素1グラムで割っているたんぱく質の数字なので、そのまま係数になるということなんですけれども、当然、水を抜いた計算をしていますので、単純な合計とは変わりますよということを書かせていただいております。たんぱく質をアミノ酸組成から求めるために、ここで重合計算した第2表ベースのたんぱく質量、すなわち「窒素-たんぱく質換算係数」の新しいものですけれども、これも今回の情報として第2表に載せますということで、資料4-2をめくっていただきますと、最初の穀類のところを参考に見ていただきますと、従来のスタイルの一番左側に、窒素-たんぱく質換算係数。これも仮置きですけど、(新)となっております。これを載せるということが今までとの様式上の違いでございます。割ってある数字は先ほど申し上げましたように、特に野菜なんかのように硝酸が入っているものは、それを抜いた窒素で割っているというところが変更点です。

それから資料1の先ほどの第2番目のパラグラフです。「第3表の「たんぱく質1g当たりのアミノ酸量」の表には、第2表の各アミノ酸量を、前述の新しい「窒素-たんぱく質換算係数」で除して、新たな算出法で求めたたんぱく質1g当たりのアミノ酸量としたものを記載する」というところでありまして、これは資料4-3、第3表になりますが、これもめくっていただきますと、今までのようなスタイルの表が載っておりますけれども、これについて、割っているのが五訂に収載されている今までのたんぱく質では割っていなくて、今回新しく求めた、アミノ酸組成から求めたたんぱく質で割った表になっているというのが、今までとの違いでございます。計算の仕方は第2表から直接、第2表の一番左側に載っておりました係数で割ると、分母と分子がひっくり返って、窒素1グラム当たりがたんぱく質1グラム当たりになるわけですので、計算の方法としては第2表から直接求めることができるので、そういう結果を載せておりますということが第3表の説明です。

それから3つ目のパラグラフで、第1表の説明になりますが、「第1表の「可食部100g当たりのアミノ酸量」は、「五訂増補日本食品標準成分表」に収載されている可食部100g当たりのたんぱく質量を、従来の「窒素-たんぱく質換算係数」で除して」。これは五訂成分表で使ってきた、従来の係数です。大部分が6.25という係数。これで1回割って、といいますのは、成分表のたんぱく質量自体が、もともと先ほど言ったように、ケルダール法で測定された窒素量から、硝酸態等を除いたもの、これに6.25等を掛けて出しておりますので、よりもとの数字で計算したほうがいいという議論がございましたので、1回割って、その窒素量を求めまして、基準となる窒素量を求めまして、これをアミノ酸第2表の基準窒素量1グラム当たりで割った数字に掛けてやれば、分母の窒素量が掛けた五訂の窒素量に合わさって、準拠した第1表の数字が求められるということを、3つ目のパラグラフで書かせていただいております。いわゆる第1表が五訂成分表にそのまま載せられる数字、準拠した数字になるための計算方法でございます。

4-1を開いて見ていただきますと、今言った計算によるアミノ酸の成分値が載っておりますのとともに、一番左側にございます3つの情報ですね。水分とたんぱく質と、それからアミノ酸組成よるたんぱく質。この水分とたんぱく質は載せるかどうかという議論もありましたけれども、載っていたほうが便利だということで、そのまま載せて、それに並べて、今回求めるアミノ酸組成によるたんぱく質という数字を書かせていただいております。これが第1表の説明でございます。

資料1をもう一枚めくっていただきまして、最後、4番目ですね。「新しい「窒素-たんぱく質換算係数」の使用について」ということで、単純に五訂に準拠させるためだけに使った係数であれば、何もアミノ酸の本にわざわざ載せて公表する意味もないのかもしれないんですけれども、計算の途中に使って準拠させる前提として、この係数が一定だというために用いたわけですけれども、これをそのまま第2表に載せようという趣旨は、ここに書いてございますように、この係数を使いますと、例えば自分が特別にいつも食べている食品のたんぱく質をより正確に求めたいというようなニーズがあった場合、いつも自分が食べている食品なり食事の窒素量だけをはかって、この係数を掛ければ、今までのたんぱく質よりも、よりリアルなものが求めることができ、大変、現場で便利なのではないかということで、この係数を載せたいということでございます。

最後にまとめです。一番下、「以上、(1)食品のたんぱく質量は、アミノ酸組成に基づいて、その重合物の量として計算すること」というのが1点目のポイントでございます。「(2)個別の食品のたんぱく質量を求める場合には、「基準窒素(仮称)量」に新しい「窒素-たんぱく質換算係数」を乗じて算出すること」。これがただいま述べた趣旨でございます。それから3番目として、「アミノ酸量は、たんぱく質態となったアミノ酸残基の量ではなく、アミノ酸の量そのものとして表示すること」。これは従来どおりの記載方法をとりますよということを繰り返し言っているわけですけれども、今回の提案のポイントということになります。

あとは資料1、2、3のところで、今後議論していくに当たって、今の段階でちょっと心にとめていただきたいのは、1つは名称の扱いです。リシン、リジン。いろいろ今までの議論等を踏まえまして、一応ここに「リシン(リジン)」「トレオニン(スレオニン)」というような書き方にしてございます。名称とかっこ書きの扱いとかについても頭に入れておいていただければと思います。こういう案が今のところベストな案ということで出てきておりますので、最終的にはこの名称も決めるということになります。

それから一番右側に「アンモニア」という欄が今回増えました。これにつきましては、今回分析しなかった、従来のアミノ酸組成表のサンプルにも、実はアンモニアの情報がございまして、それは載せていなかったわけですけれども、今回それを公表しましょうということで、検出されたアンモニアの値をここに載せるということであります。それから今回新しく120ぐらい分析したものについては、新しく分析し直したアンモニアの数字を入れてございます。

そして備考なんですけれども、例えば野菜類のところ、アスパラガス06007から始まるわけですが、そこの備考を眺めていただきますと、硝酸イオンの数字が1つ入っております。それとともに、赤字で剰余アンモニアという数字も入っているかと思います。今の説明の関係では、アンモニアを載せる意義は、アンモニア自体はアミノ酸ではないわけですけれども、アスパラギン酸、グルタミン酸から、どの程度分析のときにアンモニアにかわって出てきたかというものを、大体検討をつける数字として、アンモニアが載っていると非常に便利だということで載せております。

剰余アンモニアというのはどういう計算かと申しますと、理論的に、アスパラギンがすべてアスパラギン酸になったと。グルタミンがすべてグルタミン酸になったと考えても、それ以上にアンモニアが出てくる場合は、例えば「いんげんまめ」であれば、ここにアンモニアが69とありまして、剰余アンモニアが5.8とあります。69全部がアスパラギン、グルタミン由来のものとは論理的に考えられない。余剰の分を備考に載せてあると。そういうものが載っていると便利だということで、計算の上、載せてあるというふうにお考えいただければ結構です。

それから肉類等につきましては、ヒドロキシプロリンの情報が入ってございまして、これは分析値です。すべてについて分析したわけではないんですが、ヒドロキシプロリン等が入っているものについては分析値を求めておりますので、その情報は備考に載せてございます。

また、先ほど申し上げました硝酸イオンについてですが、今載せてある数字は五訂の成分表の硝酸イオンの数字をそのまま載せてございます。今回、基準窒素を計算してたんぱく質やアミノ酸の値を五訂に準拠させるという作業のために、新たに分析したものについてはすべて硝酸イオンというのを別途定量してございますので、その数字はありますが、そもそも成分表に準拠させた数値で並べてある、水分やたんぱく質など、そういう情報の並びで硝酸イオンというのを五訂に準拠させたものとして眺める場合には、五訂のものを載せておいたほうがいいのかなということで、その数字が入っています。ここは、このまま五訂の成分表の数値を載せるか、新たに分析した数値を載せるかという議論を今後賜っていくところかなと思います。例えば今回新しく同定した硝酸イオンというのを載せておいたほうが、より便利なのではないかというような議論があれば、そういうものを載せるという考え方もあると思います。

いずれにしましても、備考の扱いについては、これからどんな考え方でこれがつくってあるかを説明しますけれども、まだ詳細に全部見きれていないので、備考については仮置き、たたき台と考えていただければと思っております。この数値のほう、備考から左側の成分値のほうについては、皆様にご協力いただいたこの報告書の中で、かなり詳細に詰めて計算したものですので、数値についてはほぼ固まったものとして方向を出していただければと思いますが、備考につきましては、今後五訂の備考と突き合わせて、それぞれのアミノ酸のサンプルの成分ですとか、呼び方の名前ですとかいう資料をもう一度事務レベルでつくったものを作業部会で議論していただくという手続が必要なのかと思いますので、あくまでもきょうの段階では参考と考えていただければと思っております。

それから、もう一度、第1表の資料4-1を3枚めくっていただきますと、穀類のところの「精白米」以下、「きりたんぽ」まで、黄色いマーカーがついているかと思います。これは計算による食品として、第1表、資料4-1に収載する食品の一部なんですけれども、この委託事業で同じような計算の考え方ということでまとめていただいたときに、事務的に当方のチェック漏れで、「おかゆ」ですとか「おにぎり」ですとか「きりたんぽ」、こういったものもお米に水をどのくらい加えるかとか、しょうゆをどのくらい加えるかということで、同じように計算できる品目としてかつてリストアップされていたのを見落としましたので、渡邊先生に計算の方法を教えていただいて、従来と同じような考え方で計算してございます。ここに載っていますもので、「焼きおにぎり」以外はすべてお米に水の割合をどのくらい変えたかというだけの計算値になっておりますので、01093にございます「精白米」のアミノ酸の組成と、それ以下の「おかゆ」のアミノ酸組成の比率を見れば、同じになっていると考えていただければ結構です。「おにぎり」につきましては、備考のところにありますが、こいくちしょうゆが100グラム中6.5グラムあるという配合割合で計算させていただいております。

同じく計算の関係で言いますと、15番目のグループの菓子類でございます。ここにも黄色でマーカーがございます。15095の「サブレ」「パフパイ」「マシュマロ」、これについては委託調査の報告のときに既に計算して載せてある数字ですが、計算違いが見つかりまして、渡邊先生からご指導いただきまして、若干数字が変わってございます。変わった趣旨は、やはりこれも同じように、配合割合を加重平均とりまして、その後、水分の情報に合わせまして計算するという考え方で、五訂がそういう計算をしているんですけれども、たんぱく質の数字が若干、例えばここに6というのがあるんですけれども、そういう配合割合で計算すると、5.9とか6.1とか、四捨五入すると若干ずれると。五訂のときに同じように計算して、たんぱく質もそういう計算、脂質もそういう計算で、全部足したときに、四捨五入の関係で当然100にならない場合がございます。101になったり99になったり、そのしわ寄せが来た場合がここだということで、それも含めて、例えば5.9分の6という補正を加えて計算し直したのが後ろの黄色い数字でございます。以上で、それ以外は今回まとめていただきました委託の報告書の数字と全く同じものがここに載ってございます。

最後に備考について、今後の議論に当たって、今回のたたき台の考え方だけ紹介させていただきますと、ここで赤い字と黒い字がございます。黒い字は、古い話になりますが、平成19年7月30日に、第3回の食品成分委員会を行ったわけですが、そこで出した備考を黒字で、今回つけ加えたものが赤字で入っております。黒字で斜線で消えているものは、その時点では備考としてあったんですけれども、今回分析をし直して、備考の情報の意味がなくなったので切ったというようなものがございます。そういう差し替えがわかるように一応色分けしてございますが、前回の部分も含めまして、そして今回つけ加えた備考も含めまして、一応たたき台の考え方としましては、まず五訂増補食品成分表に載っております備考で、名称とか別名は何でありますというような、そういう名称に関する注というのはここに載せてございます。それから先ほども話しが出ました、計算をして求める食品についての配合割合の情報、これも五訂等にある情報をここに入れさせていただいております。

それから名称、定義の違いということで、例えば五訂では、「おから」なんかは旧来製法と新製法の2つに別れているけれども、四訂のとき、あるいは昔のアミノ酸組成表のときには、そういう製法の別がないわけでございまして、そういうのを合わせられるという判断で合わせてありますけれども、注としては、ここに「旧来製法」と書いてありますけれども、ここに入れたものは、昔の製法にかかわらない「だいずその他おから」というものの数字を載せています、というような、定義の違いが出てくる場合には、そういう情報も載せてあります。

それから今回新しく加わったものとして2点ございます。先ほど申しましたヒドロキシプロリンの数字や、剰余アンモニアの数字というのが今回備考に入っております。

以上でございますが、今回お諮りしたい趣旨は、基本的にこのアミノ酸の1表、2表、3表につきまして、備考以外に載っている数字のところはほぼ確定したものとして方針を出していただければと思います。備考の部分、それからここに載っておりませんけれども、今後詰めていきます説明文ですとか、索引ですとか、先ほどもちょっと出ましたけれども英語の表記の仕方ですとか、こういうところを今後作業部会でご議論いただきながら詰めていければと思います。以上です。

【野口主査】
ありがとうございました。

それでは意見交換に移らせていただきます。ご質問、ご意見ございましたらどうぞ。

【安井(健)委員】
よろしいですか。資料4-2ですけれども、(新)窒素-たんぱく質換算係数のところが全部かっこつきになっているんですが、かっこは要らないんじゃないかと思いますので、作業部会でまた検討していただければと思います。

【野口主査】
ありがとうございます。

【安井(明)委員】
よろしいですか。資料1の3ページ目、最後のパラグラフですけれども、計算の仕方です。実際には成分表に載っている数値そのものを除して掛けているのではなくて、元データ、要するに四捨五入する前の数字ですよね。

【田口室長補佐】
そうです。

【安井(明)委員】
だから、それは何かしらコメントしておかないと、このまま計算したら違うよというのが必ず出てくると思いますので、計算に当たっては、元データを使っていますというような一言を入れておけば、それで問題解決すると思います。

【野口主査】
ありがとうございます。

【田口室長補佐】
基準窒素量というのはずっといい案が出なくて、今のところこれを使用していますけど、もしアイデアがひらめいた方はぜひ教えていただきたいと思います。

【安井(明)委員】
ずっと眺めていたので、これでもう確定するのではないかという気になってきているんですけれども。

【野口主査】
なれてきてしまいますね。

【安井(明)委員】
ええ。

【野口主査】
(新)窒素-たんぱく質換算係数もそうでしょうね、きっと。アミノ酸組成によるたんぱく質か、新たんぱく質じゃなく。換算係数でいいんだろうな。

【安井(明)委員】
換算係数そのもの。換算係数が2つ出てくるんですよね。

【野口主査】
そうですね。

【田口室長補佐】
先ほどの成分表自体の想定様式との関係では、ここの第1表、資料4-1にありますアミノ酸組成によるたんぱく質という数字が成分表の想定様式に載ってくるということを考えておりまして、それに加えて、この情報がないもので推定できるものがあるかどうかは議論していただくということだと。

【千國委員】
よろしいですか。この計算式でたんぱく量を計算すると、備考欄にあるアンモニアの分とか、ヒドロキシプロリンもその計算に入りますよね。

【田口室長補佐】
はい。

【千國委員】
だから、ちょっと見ると備考欄は外れているように見えるんですよね。

【田口室長補佐】
硝酸みたいに。

【千國委員】
計算上。

【田口室長補佐】
硝酸の場合はそうですからね。

【千國委員】
ええ。ですからそこのところを説明文か何かに書いておかないと、備考欄を足さずに計算される可能性があるんじゃないかと思うんです。その辺は表現を工夫されたらいいんじゃないかと思います。

【田口室長補佐】
説明文で、ヒドロキシプロリンについて必ず説明しなきゃいけないと思うので、またご相談させていただきたいんですが、どういうものについて必要だから測定したという、その説明と一緒なのか、あるいはまた別の計算するところの考え方にするのかも含めて、それはきちんと、計算は何と何と何を足したというのを書かせていただこうと思っております。

【千國委員】
はい。

【野口主査】
ありがとうございます。

【安井(明)委員】
ヒドロキシプロリンは表の中に入れ込んでしまうと、特殊なものだけですよね。ですからそこの食品群については1欄増やすとか。

【千國委員】
考え方の問題なんですが、全部ヒドロキシプロリンをはかっているわけではないので、全部に欄を足すというのもおかしいと思うので、この表現でも構わないんですが、ちょっと私も一瞬勘違いしそうになったんですが、ヒドロキシプロリンだけあると、例えばゼラチンみたいなものはヒドロキシプロリンがすごく多いですよね。するとこれを足して、出ているたんぱく量に対して、さらにこれを足したものが真の値ではないかと誤解される方がいる。だからその誤解がないように説明を加えなきゃいけないと思います。

【野口主査】
基本的にはたんぱく質の中にヒドロキシプロリンが入っていますから、これも足さないといけないんでしょうね、肉とかゼラチンとかは。

【千國委員】
計算式は、数値的な意味にはほかのアミノ酸に重なっちゃって計算されていると思うんです。この計算式なら。

【野口主査】
入れないとたんぱく量としてはおかしいですものね。肉とかゼラチン。

【千國委員】
おかしいんですが、窒素をはかって、それからその窒素をB分のAの計算をするときに、事実上ヒドロキシプロリンはその計算に入っちゃっているんです。

【野口主査】
そうですか。

【千國委員】
だから結果としては、実質上ヒドロキシプロリンを入れ込んだ数値としてたんぱく質量が出ているはずです。

【田口室長補佐】
例えばじゃあ、千國先生のご指摘は、この資料1の説明のところに、2番目の、先ほど申しました(1)(2)の点、たんぱく質量の計算があるんですが、例えばその(1)のアミノ酸がペプチド結合したものであるとの前提に立ってというところのアミノ酸に、例えばヒドロキシプロリンも含むと書くということではないんですか。

【千國委員】
単純に言えば、ヒドロキシプロリンも計算数値に入っていますよと。

【田口室長補佐】
入っていますよと。だからここに例えばアミノ酸といったときに、「(ヒドロキシプロリンも含む)」と書いてあればいいということですね。

【千國委員】
いいと思います。そうしないと、その説明だけ見たときには、備考欄にヒドロキシプロリンが外れていますから、それをさらに足し込まなきゃいかんと考えられる危険性があるということです。

【野口主査】
なるほど。

【渡邊委員】
表だけ見たときに、やっぱりそういうふうに思いますよね。文章を読まないと。だから脂肪酸成分表のときのように、表頭を、それがある食品群だけ変えたらだめですか。脂肪酸のときには変えましたよね、表頭を食品群によって。

【安井(明)委員】
測定していないのは、もう測定していないので棒線にして、はかったものは表の中に入れ込んではいかがでしょうか。

【千國委員】
肉類に関してはそのほうがすっきりしてわかりやすいということはわかりやすいですけど、全体の扱い方ということになりますが。

【野口主査】
おっしゃるとおりですね。だけどそれ以外はほとんど棒線になってしまうわけで。

【渡邊委員】
いや、肉類だけ表頭を変えて……。

【野口主査】
別に表式を変えて、1段増やしてしまうということ。

【渡邊委員】
そうですね。脂肪酸のときは、食品群によって表頭は全部変えているんですね。

【野口主査】
でもあれは随分大きくずれるからですよね。

【渡邊委員】
ずれますからね。

【野口主査】
だからあれはやむを得ないと思うんですけど、この場合に肉だけヒドロキシプロリンを増やすかという問題でしょう。

【渡邊委員】
はい。

【田口室長補佐】
かなり棒線になりませんか。

【渡邊委員】
はい。でも多分、備考にあると、今のようなことが必ず起きる。あるいは備考欄に丁寧に、これは入っていますよと書く。

【野口主査】
たんぱく質には入っていますと書かなきゃいけない。文章中のみではなく、せめて表の一番下にでも書く必要がある。

【渡邊委員】
そうですね。

【田口室長補佐】
売る本では文章部分がカットされるかもしれないですからね。

【野口主査】
では作業部会に預からせていただきましょう。

【田口室長補佐】
お願いします。

【野口主査】
ありがとうございます。

【田口室長補佐】
作業部会で詳しく議論していただければいいんですけれども、硝酸の扱いですね、今まで議論していなかったので、ちょっとここを、フリーディスカッションでもいいんですけど、もし時間があれば、備考に載せる第1表の硝酸イオンの数字です。これは先ほど申し上げましたように、今は五訂成分表の備考の数字をそのまま入れておりまして、それは五訂成分表に準拠させた成分値ということで、そのまま入れてあるということなんですが、それと第2表、第3表には、100グラム当たりじゃないので、前に一度、入れたんですけど、全部それは消しました。その数字は変換してございませんので、第1表に少なくとも入っていればいいでしょうということで入っているんですが、ここはご意見があれば頂きたいなと思っているんですけれども、今回分析した硝酸の値というのも別途数字はある。ただサンプルが違うということで、どうすべきかということです。

【野口主査】
ご意見がありましたら。どうぞ。

【渡邊委員】
サンプルの数が、多分五訂のときのほうがずっと多いと思うんですね。野菜の。だからやっぱり、どちらかといえば五訂のときのほうが、データ的に正しいんじゃないかと推察します。

【野口主査】
じゃあそれも今回、重ねて分析したやつの相関でもとって、作業部会で検討しましょうか。

【田口室長補佐】
必要があればそれで。

【野口主査】
そうすれば五訂を載せても十分だという結論になりますね。それはアンモニアについてもやりましょうか、一応。

【田口室長補佐】
はい。

【野口主査】
アンモニアについても今回のデータと前回のデータの相関をとってみましょうか。再分析したものについて。

【田口室長補佐】
はい。

【野口主査】
それで作業部会にお任せいただくというか、作業部会で検討していただくということでよろしいですか。

(「はい」の声あり)

【野口主査】
ありがとうございます。どうぞほかには、よろしいですか。またもしお気づきの点が後日ありましたら、作業部会のほうで検討させていただきますので、まだ全体の委員会もございます。その前に作業部会でいろいろ詰めていきますので、事務局のほうにお申し出いただければ十分対応ができると思います。

【安井(明)委員】
硝酸イオンの表記の仕方が、これはグラムなんですよね。多分ミリグラム表記にして検討しないときちんと出てこないと思いますので。

【田口室長補佐】
相関をとるときですか。

【安井(明)委員】
相関のときはもちろんで、表現も、グラムではなくてミリグラムで出すような形にしたほうがいいのかなという感じがしますけど。

【野口主査】
有効数字はどのくらいですか。有効数字は2けたありますよね。

【安井(明)委員】
あると思います。だから測定値は、そうですね、2けたは確実にあると思うので。1けたしか載っていないので。

【野口主査】
そうですね。ちょっと検討しましょう、作業部会で。どうぞ。

【石見委員】
新しい窒素-たんぱく質換算係数ですが、表2をつくるときに、この新しいものを使ったということで、ただ、通常の食品分析をする場合は従来の係数を使って食品の表示等をするわけですよね。

【野口主査】
申し訳ありませんがもう一度お願いいたします。

【石見委員】
通常、食品の表示におけるたんぱく質の量は、従来の栄養表示基準等で定められている係数を使うわけですよね。

【野口主査】
そうですね。第1表ですね。第1表の2つ目のたんぱく質ということですね。

【石見委員】
ええ、そうです。この表を見ると、すべてこれになってしまったような印象を受ける場合もなきにしもあらずですので、前文か何かの注意書きのところに書いておいていただいたほうがわかりやすいかなと。将来的には食事摂取基準等もその方向に動いていって、食品の表示の部分も、この新しいたんぱく質の量ということで、新しい基準を使うことになるかもしれないんですけれども、まだそこまでは行ってないと。急に移行することはできないと思うので。

【野口主査】
できません。エネルギーの問題もありますし。

【石見委員】
そうですよね。

【野口主査】
それから食事摂取基準の問題もありますから。

【石見委員】
そのあたりが全部ついてこないと、ということなので、一般の人にもわかりやすく書いていただくと。

【野口主査】
わかりました。これは例えば肉のところですと、もし欄をつくるとすると、6.25というのをずっと入れるわけですよね。

【石見委員】
そうですね。本表では併記してあるんですけれども、これはこの表をつくるときに、新しいのを使ったということで、これだけ出ているんですけれども。

【野口主査】
むしろこれはそうですね。どうしましょうね。

【石見委員】
そこをちょっと考慮していただけるとわかりやすいかなと。あるいはこの係数を最後にするとか。結構これは目立ってしまうんですよね。

【関谷委員】
今の関係で思い始めたのが、食品で表示する際に、一般成分も表示する場合があるんですけど、そのときに、こういった五訂準拠のものを載せる場合が多いんですけど、その際に新しいたんぱく質の表示を、こういったものに表示していいものかどうか。

【石見委員】
それはないです。栄養表示基準に決められていますので、それは消費者庁がこっちに切りかえるというふうにしないとなりません。

【関谷委員】
わかりました。

【野口主査】
何かきっと、規定か法律か、通達か何かを変えないとだめでしょうね。

【石見委員】
栄養表示基準を変えないと。

【野口主査】
表示基準を。

【田口室長補佐】
この新しい係数というのは、まず成分表本体には出てこない情報です。それからアミノ酸組成表には世の中のために出すということで、よく読まなければ、成分表の最初に載っている係数とアミノ酸の係数と、何が違うんだという問い合わせが必ずあると思うので、そこは我々も電話対応でその都度答えるのが大変なので、アミノ酸成分表の説明のところにきちんと、基本的には資料1の、この4番目の新しい係数の使用についてということがありますから、こういうところを成分表本体にもきちんと書けば、まずいいのかなとは思っていて、また書きぶりについては作業部会等でいろいろご議論いただければいいのかなと思います。あと載せる場所については、載せたいということが第一ですので、一番左でも一番右でも、それはあまりこだわってはいないんですけれども。

【野口主査】
食品に栄養表示を載せようというときに、アミノ酸組成表を使う人はいないわけですね、一応。

【田口室長補佐】
そうなんです。多分アミノ酸成分表を読んだ人が、初めて本表の換算係数とどう違うんだろうというのを疑問に持つと思うんですね。ですからこのアミノ酸の改訂成分表の中にきちんと書くことになると思います。書き方は、この資料1がそのつもりで一応書いたんですけれども、舌足らずかもわかりませんので、またいろいろお知恵をいただきながら、文章を充実していくということでいいのかなと。

【野口主査】
そうですね。

【安井(明)委員】
じゃあ作業部会で詰めましょう。よろしくお願いします。

【野口主査】
それでは作業部会でこの点も詰めさせていただきましょう。ありがとうございます。どうぞ、ほかによろしければ。

よろしいですか。どうもありがとうございます。貴重なご意見をいただきました。大変仕事を進める上で有益でございました。ありがとうございます。

それでは議題2のアミノ酸組成表の改訂については、収載食品のこと、それから収載項目、それから成分値、これは既に食品分析センターからの報告書の形でお送りしたものを、そのまま掲載してありますので、この数値ですね、成分値は、本日の資料で確定したということでよろしいでしょうか。よろしいですか。今後の宿題となっておりますのは備考のこと、それから説明文のこと、英文表記その他あれば、そういうことを作業部会で検討させていただくと。そしてこの委員会に提案させていただくということで確認をお願いしたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。

(「はい」の声あり)

【野口主査】
ありがとうございました。それではそういう方向で、作業部会で検討を進めるということでご了承いただいたということにいたしますが、収載食品、収載項目及び成分値、これは一応これで確定したというふうにご了解いただきたいと思います。ありがとうございます。

それでは次の議題に移らせていただきます。議題の3、その他ですが、何かご提案がありますでしょうか。今まで議事としては、「日本食品標準成分表の改訂の方向について」、および「日本食品アミノ酸組成表の改訂の方向について」ということが終わりました。その他、委員からご意見がございましたら検討いたしますが、よろしゅうございましょうか。

【安井(健)委員】
FAOの例の報告書の勧告の中で、炭水化物の扱いがあったと思うんですけれども、あれについては今後どのようになる予定になっているか、そこをちょっと、もしわかればご説明お願いしたいんですけれども。

【野口主査】
事務局のほう、いかがですか。

【内畠室長】
皆様にもお送りしたと思いますけれども、来年度、22年度にサンプル的に差し引き法で計算した場合と、直接定量した場合の差について検討してみるということで、本格的に炭水化物についてFAOが推奨する方向にするかどうかは、長期的な課題というふうにとらえております。来年度は約40品目について、サンプル、試験的に分析してみるという方向で、皆様にもご案内は行っているかと思います。

【野口主査】
ありがとうございます。よろしいですか。

それではその他、今の件を除いてなしということで、ほかに事務局から何かございますか。

【内畠室長】
次回の日程につきましては、もろもろ調整いたしまして、またご連絡いたしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

【野口主査】
ありがとうございます。それでは本日はこれにて閉会をしたいと存じます。よろしゅうございますか。ほんとうに本日は年度末のお忙しいところありがとうございました。おかげさまで方向がはっきりいたしました。ありがとうございました。閉会いたします。

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電話番号:03-6734-4009

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