令和7年12月25日(木曜日)13時00分~15時00分
オンライン開催
網塚部会長、高橋部会長代理、雨宮委員、有馬委員、飯田委員、伊藤委員、岡田委員、高村(山田)委員、古川委員
(事務局)科学技術・学術政策局長 西條正明、大臣官房審議官(科学技術・学術政策局担当)福井俊英、研究開発戦略課長 石川貴史、参事官(研究環境担当)馬場大輔、参事官補佐 伊藤有佳子
【網塚部会長】 それでは、定刻になりましたので、ただいまから32回研究開発基盤部会を開催いたします。本日はお忙しい中、御出席いただきまして、ありがとうございます。
まずは、事務局から事務連絡、参加者・定足数の確認等をお願いいたします。
【伊藤補佐】 かしこまりました。
まず、科学技術・学術政策局長の西條から御挨拶申し上げます。
【西條局長】 文部科学省の科学技術・学術政策局長の西條でございます。ウェブ会議ということなので、着座にて失礼いたします。
本日はお忙しいところ、研究開発基盤部会に御出席賜りまして、誠にありがとうございます。委員の皆様方におかれましては、前回8月の終わりでしたけれども、先端研究基盤刷新事業(EPOCH)の事前評価をはじめ、研究基盤の在り方について御議論いただき、感謝申し上げます。
前回8月以降の動きといたしまして、皆様御存じのとおり、今年は坂口先生と北川先生がノーベル賞を受賞されたという非常に喜ばしいニュースも入ってきました。特に北川先生におかれましては、まさにSPring-8を使ってMOFの解析に大きく貢献したという非常にありがたい、うれしいニュースも飛び込んできたというところでございます。ただ一方で、近年、我が国の研究力は、諸外国と比較して相対的に低下していると言われているのも事実でございまして、この状況を打破して我が国の研究力強化を図ること、これが喫緊の課題となってございます。
そういった中で、先日、文科省に設置されました有識者会議において、来年度から新たにスタートする第7期科学技術・イノベーション基本計画、この重要な方向性の一つとして、我が国の基礎研究力の抜本的強化、すなわち、科学の再興に係る提言、これが取りまとめられたところでございます。後ほど詳細については担当課長から御説明いたしますが、本提言につきましては、まさに科学(基礎研究力)が、国の社会経済等の発展に直結する国力の源泉になると、こういった認識の下で、今こそ科学の再興によって我が国の将来を切り開くということとして、特に次期基本計画中に集中して取り組むべき事項、その中として一つが研究システムの刷新、もう一つが投資の大胆な拡大、これを掲げているところでございます。
このうち、研究システムの刷新につきましては、その重要な取組の一つとして、高い生産性の設備環境(コアファシリティ化)の実現等による研究環境の刷新を掲げているところでございます。特に世界をリードする研究大学院においてその先導役となることを求めているという中身になってございます。この科学の再興の提言につきましては、科学技術・イノベーション会議の基本専門調査会に報告をさせていただきまして、これを踏まえて12月19日の基本専調で示された素案のたたき台、この中においてもしっかりと反映されているという状況でございます。
こういった流れの中で、先日、高市総理の下で新たな経済対策が取りまとめられまして、12月16日にはこれに基づく補正予算が成立したところでございます。同対策・補正予算には新技術立国を目指す新政権の方針の下で、その実現に向けた様々な取組が盛り込まれておりますが、その一つとして、先ほど申し上げた研究環境の刷新、これを後押しするための施策としてEPOCHの立ち上げや、また、大型施設の高度化としてSPring-8の高度化(SPring-8-II)それから、NanoTerasuのビームラインの増設、こういったものも盛り込まれているところでございます。
こういった動きの中で、我々としてもしっかりとこの基盤を前に進めるべく取り組んでいきたいと思っておりますので、委員の先生方には研究基盤の刷新に向けまして、忌憚のない活発な御議論を本日お願いできればと思っておりますので、どうかよろしくお願いいたします。
【伊藤補佐】 続きまして、参加者の確認をさせていただきます。
本日はオンライン形式で会議を開催しており、木下委員、唯委員が御欠席で、全11名中9名の委員の皆様に御出席をいただいております。
事務局からは、西條局長、福井審議官、石川課長、馬場参事官、当方が参加させていただいております。
議題1から議題3につきましては、会議公開の原則に基づき、報道関係者や一般傍聴者によるユーチューブでの傍聴を認めておりますので、御了承ください。議題4、NanoTerasuの中間評価につきましては、研究開発基盤部会運営規則第5条に基づき非公開とし、出席委員のみで議事を進めていただきたく、議題3が終わりましたらユーチューブの配信を終了いたします。
続きまして、配付資料の確認をさせていただきます。議事次第にございますとおり、資料1-1から資料4-2、参考資料1から参考資料4-5を配付しておりますので、御確認ください。
何か御不明点はございますでしょうか。会議中にお気づきの点があれば、事務局まで御連絡ください。
以上でございます。
【網塚部会長】 ありがとうございました。
それでは、議題1に移らせていただきます。研究開発基盤に係る最近の動向です。まずは、資料1-1から1-3について、石川研究開発戦略課長より御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いします。
【石川課長】 それでは、私のほうから、まず資料1-1から1-3で、先ほどの西條局長からの御挨拶にもありましたように、第7期科学技術・イノベーション基本計画に関しての関連した動きを御紹介させていただければと思います。今表示いただいております資料1-1でまず御説明できればと思います。
1枚進んでいただきまして、2ページです。今、第7期科学技術・イノベーション基本計画につきまして、この資料自体は先月11月28日のCSTI本会議でも用いられた資料でございますけれども、今、基本計画の骨格として、資料の右側にございますように、大きく6つの柱でこれからの科学技術・イノベーションを進めていくというところで議論がされております。1つ目が科学の再興、2つ目が技術領域の戦略的重点化、3つ目が国家安全保障との有機的連携、4つ目がイノベーション・エコシステムの高度化、5つ目が戦略的科学技術外交の推進、6つ目が推進体制・ガバナンス改革ということで、こういう6つの柱があるうちの一番最初に科学の再興が今、位置づけられて議論いただいているところでございます。
この科学の再興につきましては、まさに我々文部科学省のほうが中心となりながらまとめていくところという下で、文部科学省の中でも科学の再興に関する有識者会議を立ち上げて議論の深掘りをしてきたところでございます。それがまず3ページでございます。ここにございますように、短期間ではございましたが、9月に第1回を開催いたしまして、およそ2か月半にわたってここに記載の委員の先生方に御協力いただきながら科学の再興に向けての提言をまとめさせていただいたところでございます。
その概要が次の4ページになります。この科学の再興の有識者会議で提言をおまとめいただくに当たって、まずそもそも、以前から基礎研究が大事であるということが言われている中で今日的な意味合い、科学の意味合いは何かというところから議論を進めていただいて、科学の再興と言うけれども、科学の再興とは、では、どういった状態が達成できたら科学が再興されたというのかという、そこからしっかり有識者の先生方に御議論いただいたところでございます。
その議論の中で、まず今日的な意味合いというところを議論するためにも、近年の国際的な動向、社会経済の情勢変化などを議論いただいて、ここに記載がございますように、特に昨今、科学とビジネスの近接化とか、急速な実用化・社会浸透が進んでいます。いまた、地政学的リスクを含めて国際秩序が不安定になっているということ、研究開発投資、先端科学競争の激化があるということをこの報告書の中でも整理しております。
次にあるように、科学の今日的な意味合いということでは、大きく2つの観点から科学はやはり今日的にも重要であろうということで、一つが変動する社会を見据えた戦略性ということで、我が国の自律性とか不可欠性、また、社会課題対応という観点で重要であります。もう一つが、不確実な未来に向けた多様性ということで、将来の見通しがなかなか難しいがゆえに、多様性としての科学の重要性がやはりあります。裾野の広い研究分野の多様性だけではなく、人材の多様性という観点でも科学の今日的な意味合いということで多様性が重要であろうということで整理いただいております。ここに記載がありますように、先端科学が国の社会経済の発展や経済安全保障に直結するという、まさに科学が国力の源泉であるということで整理をいただきました。
そうした今日的にもやはり重要である科学を再興させるということはどういうことかというので御議論いただきました。下の青の丸の中ですけれども、科学の再興とはということで、新たな知を豊富に生み出し続ける状態の実現ということと、また、我が国の基礎研究・学術研究の国際的な優位性を取り戻すということが科学が再興しているということではないかということでまとめていただいています。
具体的なイメージは、右側にありますように、アカデミアはもとより各国の官民セクターから常に認識され、また、認識されるだけではなくて、何か課題があったときに日本の研究者に問い合わせるとか一緒にやってみようというような形でしっかり見えているという状況をつくっていくということであります。また、国際頭脳循環の主要なハブになるというような状況が日本の科学が再興している状況ではないかということで御議論いただきました。
そのためには、まさに海外から日本の研究が見えている、研究者が見えているという状況になるためには、必要な要素として、やはり新たな研究分野を開拓・先導しているということ、また、国際的な最新の研究動向を牽引する。国際ネットワークに参画するだけではなくてむしろ牽引するということが大事であろうという御議論をいただきました。こういった研究・研究者が日本に存在するためにも、国内外や次世代が魅力的に感じる研究環境があるということが大事であろうというところで、科学の再興とそれに必要な要素ということで議論いただいております。
少し飛ばしましたが、その上の枠の外にありますように、科学を再興するで止まる話ではなくて、科学を再興して、その上で科学を基盤として日本の、我が国の将来を切り開く、そこまで見据えた上での科学を再興していくことを御議論いただいております。
では、具体的に次の7期5年間で何をしていくべきかというところで、下の朱色のところで、集中的に取り組むもの、トレンドを変えていく事項ということで主要な事項を挙げております。左側が、我が国全体としての行動変容を促すという意味で、こうした取組、トレンドを変えていくのが重要であろうというのを5つほど挙げております。右側は、全体というよりも、特に研究大学についてはこうした環境を整えていくことが大事であろうということでまとめております。
我が国全体という中の行動変革では、一番下の4-2にございますように研究環境の刷新ということも一つ大きな柱に挙げております。その研究環境の刷新を見ていく、変わっているかどうかのトレンドをモニタリングする上で一つ、研究設備の共用化率も挙げております。
右側の研究大学群の中にも、以下のような先導的な研究環境の確保により、研究時間の割合50%以上を実現する研究大学を20大学以上。これも次の5年間で少なくとも20大学はこういった環境を整えられるよう目指す目標ということで掲げております。この中にも教員評価とか様々書いてございますけれども、組織・機関を超えた共用システムの構築ということで、小さいポツで上から5つ目ですけれども、組織内だけの共用ではなくて、こういった研究大学群は、自分の大学を超えた外の組織・機関とも共用するようなシステム拠点になっていくということを期待して、記載させていただいております。
こういった行動を変えていく、システムを変えていくというためにも、一番下にございますように大学・国研への投資の抜本的拡充ということを書いてございます。これは先ほど申し上げたように科学とビジネスが近接化ということであれば、もう文科省だけの問題ではなくて、様々な府省庁、また、民間からの基礎研究への投資も抜本的に拡充していくべきであるということで御提言いただいたというところでございます。
次の5ページに少し詳細な資料を載せております。先ほど申し上げた4-2のところの少し詳細の部分を今黄色にハイライトしております。先端研究設備の整備・共用・高度化というところではコアファシリティ化の話とか、競争的研究費の使途の変革、また、老朽化が進む施設の計画的整備、また、大型研究施設の高度化ということでSPring-8やSACLA、NanoTerasu、こういったものについてもしっかりやっていくべきことを提言として盛り込んでおります。
この内容は、先ほど局長の西條から冒頭申し上げたように、内閣府の基本計画専門調査会のほうにも御報告させていただいて、今日、資料1-3ということで資料を入れさせていただいておりますが、先日12月19日に内閣府の基本計画専門調査会で素案のたたき台が出ました。今、目次を表示いただいておりますが、ここの第2章に知の基盤としての科学の再興が位置づけられておりまして、その5番目に、研究施設・設備、研究資金等の改革ということで今申し上げたようなこちらからの提言の内容も盛り込んでいただく形で今、素案のたたき台が19日に議論されて、今後さらに深掘りされていく議論が詰められていくというところで、我々としても引き続き内閣府とも協力しながら次の第7期の基本計画に向けて議論を進めていくということで取り組んでいるところでございます。
まず、基本計画に関しての動きということで私のほうから紹介させていただきました。
【網塚部会長】 どうもありがとうございます。ただいまの御説明について御質問、御意見などございましたら、どなたからでも結構ですので、御発言いただけたらと思います。よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
大変心強い提言にまとめていただいて、それがまた、素案のたたき台にも反映されたということで、非常に感謝申し上げたいと思います。研究環境の刷新についてもしっかり盛り込んでいただきましたし、あと、私は基礎研究の人間なので、最初のほうに「研究の多様性」という言葉をしっかり入れていただいたのは本当にありがたいなと思っています。
皆様、何か御意見、御質問ございますでしょうか。
それでは、ほかに皆様から特にないようでしたら
続きまして、資料1-4について、馬場参事官より御説明いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【馬場参事官】 それでは、資料1-4に基づきまして、今御説明があった科学の再興に関する有識者会議の第3回で私が説明した資料について御説明させていただければと思います。こちらについては、先週開催された研究開発基盤強化委員会のほうでもお話ししていますので、なるべくコンパクトに説明をさせていただければと思います。よろしくお願いします。
まず、1ページ目、こちらが科学の再興の有識者会議における主な御指摘を踏まえて問題意識を書いたものになっております。少し小さいと思いますが、画面は見えているかと思いますので、こちらの資料に基づいて説明していきたいと思います。こちらは科学の再興の有識者会議においてどういう指摘がこれまであったのか。例えば一番上にあるとおり、新たに雇用された研究者が研究室をセットアップするのに時間や経費がかかるというような課題とか、若手研究者の研究に対するモチベーションを阻害する古い慣習・制度・ヒエラルキー構造、そういったものがまだあるのではないかというような問題意識、また、研究設備・機器の関係では、日本の科学の自律性がないと海外に依存しないといけないというような問題意識をこちらの有識者会議でも御指摘いただいたことを踏まえ、赤囲みで囲っておりますけれども、時代に即した研究環境を構築していかないといけないというような提案をさせていただきました。
2ページ目に、こういったことについては実は我々の調査でも明らかに示されています。毎年行われております科学技術・学術政策研究所(NISTEP)の定点調査においても、こういった研究施設・設備については十分改善されているというようなコメントをされている方であっても、例えばJSTの大型予算を獲得したため新たな研究設備が導入されたとか、そういった理由になっております。他方、こういった状況については十分改善しておらず、右側にありますように施設・設備の老朽化に対応できていない、共用するためには管理する人材が必要であるがその不足が顕著になっているというようなことが毎年度行われている調査でも明らかに示されております。
また、下半分にもございますが、こちらは日本、イギリス、ドイツにおける研究環境を比較したときの調査報告になります。この中でも日本においては、大型の競争的研究費頼みになっているというような声とか、その管理についても学生やポスドクが当たらざるを得ないというような声が聞かれております。他方、イギリスやドイツなどは、こういった研究機器・設備については多くの場合共用であり、組織レベルでの更新を可能にしているというような回答とか、こういった管理についてもテクニシャンが多くの場合専門性を持って対応しており、そういった方々の人件費についても競争的研究費が充てられるというような御説明になっております。
3ページ目以降については、この部会でも従前から御説明しているとおり、問題意識の丸1、研究開発費について、今申し上げたような状況を踏まえ、研究費の中で設備費に充てる部分が諸外国に比べて多い一方、国立大学における共用機器、いわゆる研究機器については、整備が計画的に難しく、老朽化が顕著であるというところなども右下に示されております。
4ページ目の問題意識丸2、こちらについて先ほどのNISTEPの調査で表れているとおり、研究者自身が研究をするに当たっての課題として、やはりこういった技術・技能系職員、URA等の支援人員が諸外国に比べても少ないというような課題が示されております。
5ページ目、問題意識の丸3、先ほどの科学の再興の有識者会議の委員からも示されているとおり、研究設備・機器の多くを海外企業にも依存しているということで、こういった部分についても対応していかない限り、どれだけ関係予算が増えたとしても持続的な発展は難しいのではないかというような課題もこの部会でも示していただいたと思います。
また、6ページ目、丸4、大型研究施設、いわゆる特定先端大型研究施設などについては、日本が世界に誇る施設・設備となっておりますが、海外においても競争が激化しているというような状況についても御説明してきたかと思います。
そういった中、7ページ目にございますが、科学研究のための基盤の刷新ということで、次期基本計画を見据えて、こういったものに関して総合的に取り組んでいかないといけないというようなことを提言、提案させていただきました。
こういった内容については、次の8ページ目に大きく書いておりますが、日本学術会議においても実は繰り返し御指摘させていただいているところです。例えば、真ん中辺りに書いてありますが、現状では研究機器の整備や更新を大型プロジェクトや研究者個人が獲得した競争的資金に頼っている。目的外使用を制限する制度上の問題や獲得者による機器の占有意識などが障害となっている。また、研究機器はその操作に熟練した技術スタッフがいて初めてその真価を発揮するというような部分、また、そしてやはり大事なものとしては、一番下、研究者自身が、おのおのが公的な競争的資金で購入した機器も公共財であるという認識の共有に努めるべきであるというようなことが日本学術会議からの提案にも記されているというような状況になっております。
そういった中、前回事前評価いただいたEPOCHにつながる話でありますが、10ページ目のほうが見やすいかと思いますので、10ページ目で御説明したいと思います。今回我々としては、次期基本計画を見据え、科学研究のための基盤を刷新していきます。その中核としてコアファシリティを戦略的に整備するということが記載されておりますが、我々は、これはただ設備を更新するということではなく、こういったものをやることによって、研究設備のアクセスの確保、左上にあるとおり、若手研究者がたとえ自分で買う設備のお金が十分ないとしても自由に使えるようにするというような問題に対応するということとか、右上にあるとおり、競争的研究費の使途についても、設備を買わざるを得なかったような状況から、利用料という形でしっかり更新料とか、技術者の人件費とか待遇とか、そういった面にもしっかり充てていくことによってのエコシステムがつくれるのではないか。
また、左下、産学連携の持続可能な仕組みの構築ということについても、先ほどあった問題意識のとおり、やはり日本の大学・研究大学においては、機器を買ってもらうマーケット、市場ではなくて、一緒に研究開発をする場というふうに位置づけて、海外市場をマーケットとし、そこで上がった利益なりをしっかりと回していくというような大きなマクロのトレンドをつくり上げていくことが重要だと考えております。また、AI for Scienceへの貢献の点からすれば、高品質な研究データを作るというようなところにもしっかりと貢献していくということが重要かと思っております。
11ページ目、研究人材、研究資金、研究環境を三位一体で改革をしていくということは実は今期の基本計画に求められたメッセージでありました。2020年には研究力強化・若手研究者支援総合パッケージで掲げられておりました。この研究環境の部分について、次期5年間を見据えて取り組むべき課題についてしっかり取り組んでいきたいと考えております。
12ページ目、これまでの取組としては、下にあるとおり、分野ごとにおいては、例えばマテリアル領域であればARIMとか、ライフサイエンスであればBINDS、また、歴史的には大学共同利用機関や共同利用・共同研究拠点を中心に様々な取組が進められたと思います。ただ、やはり我々の問題意識としては、これだけのコミュニティーの取組などに頼るだけではなくて、やはり研究大学においてもしっかりとコアファシリティを整備していく。そこまでは各大学がやるべきところかもしれないですけれども、やはり重要なのは、日本全体としての研究基盤を構築するに当たって、全国の研究大学との連携をさらに強化することによって網目のように日本全体をカバーしていくことをやっていきたいと考えています。
13ページ目、これもイメージ図ですけれども、今後、研究現場の刷新に向けては、個々の研究室でそれぞれの設備・機器や人材を確保するということではなくて、やはり研究大学においてしっかりと共用設備・機器、技術職員を中心に研究者が集まってくる魅力的な場、また、それは産業界の方にも利用できるような場をつくっていくということがやはり新たな仕組みとしては重要だと考えております。
14ページ目、この部会の議論にも関わるところではありますが、今後、日本全体の将来像として、国として備えるべき研究基盤を整備し、先端的な研究設備・機器の開発と併せ、成長・発展し続ける研究基盤をつくり上げていきたいと考えているところでございます。
15ページ目以降が参考資料として本部会でまとめていただいた。例えば16ページ目、第12期の議論の取りまとめ、20ページ目、これは基盤強化委員会のほうでまとめていただいた今後の方針についても参考で添付しております。
本文等については参考資料にございますので、ぜひ、本委員会に参画いただいている方は当然御存じのことかと思いますが、傍聴いただいている方々にはこれまでの議論の御参考になるかと思いますので、参考資料についても御参考いただければと思います。
事務局からの説明は以上でございます。
【網塚部会長】 ありがとうございました。ただいまの御説明について何か御質問、御意見などございましたら、どなたからでも結構ですので、御発言いただけたらと思います。5分程度時間を取りたいと思いますが、いかがでしょうか。
有馬委員、お願いします。
【有馬委員】 方向性として大変すばらしいことをきちんと書いていただけていると思っております。まず、それが第1です。
大型資金を研究者個人が取って、その人に、特に目的外利用というのが許されないみたいなことがずっとあって不便に感じていたと思うんですけれども、これの大きなものの一つに、文科省さんじゃなくて経産省、NEDOというのがありますけれども、これはもちろんこの話は、要するに、省庁を超えてきちんと今後やっていく方針だと。要するに、内閣全体としてすることだということと理解してよろしいでしょうか。ごめんなさい、有馬ですけれども、そういう確認をちょっとしておきたいと思います。
【網塚部会長】 ありがとうございます。競争的資金改革のポイントかと思います。
参事官、よろしいでしょうか。
【馬場参事官】 ありがとうございます。この後の議事でもちょうど御紹介しようと思っていたところではあるのですが、今回の科学の再興に当たっては、例えば科研費ということで例示などもさせていただきながら御説明させていただいたところであります。今年度から科研費においては、1,000万円以上の機器で汎用性のあるようなものについては、原則共用に努めるということの通知なども出ているところでありますが、そういったある意味先行的な事例については、科学の再興の提言にもしっかり盛り込まれておりますし、また、先ほどの資料1-3、内閣府の会議のほうにもそういった理念はしっかり盛り込まれているところであります。
我々としては、ある意味そういった先行している競争的研究費、特に基盤となっている科研費でそういった姿勢になっているというところを、ほかのファンディングエージェンシーの研究費にも広げるということが重要だと思っておりますし、特に高額な設備に当たっては、NEDOとかAMED、その他のファンディングエージェンシーの経費を利用しているようなものが多いと思っております。さらに言えば、産業界との共同研究においても、機器が整備されるものについては、今後やはりその研究プロジェクトだけでということではなくて、個人ではなく組織でしっかりとアセットとして管理していく方向に変えていくというようなメッセージについても、科学の再興の提言並びに内閣府でまとめている基本計画のたたき台の素案に既に盛り込まれています。なので、今、有馬委員がおっしゃっていただいた方向性で我々としては実行していきたいと思ってはいます。
ただ一方、やはりそういったものを実行するに当たっては、研究者のマインドとか、研究大学との組織のそういったシステムの仕組み、そういったところとも連動していくことが重要だと思っておりますので、その辺りはできる限り実効性ある取組にするためにも、研究現場・大学の皆様とも意見交換しながら、より実効性ある取組にしていければいいかと思っておりますので、方向性としては有馬先生のおっしゃったとおりでよろしいかと思います。
以上です。
【有馬委員】 どうもありがとうございました。
【網塚部会長】 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。
高村委員、お願いします。
【高村(山田)委員】 高村です。新しく研究者を研究室主宰者として雇用したときに研究室の立ち上げに時間がかかるという先ほどの話ですけれども、研究力のある国の大学では、若手を採用したときにスタートアップ資金をかなり大きく措置すると思うんですね。日本にはあまりそういう習慣がないのですけれども、その点はどうお考えなのでしょうか。結局、新たに雇用された人が、自分が使える装置がその大学になくて、外部資金を獲得していろいろそろえていかなければいけないから時間がかかるということですが、海外の大学で、雇用側がぽんとお金を出して、いろいろな装置をそろえさせたりしているように、そういったスタートアップ資金を潤沢に準備するという話の方向に行かなかった理由は何なのでしょうか。
【網塚部会長】 ありがとうございます。いかがでしょうか、事務局。
【馬場参事官】 ありがとうございます。こちらに書かれている一番最初の行については、科学の再興の有識者会議の委員のほうからこういった指摘があったというようなことになっております。今先生が御指摘いただいたとおり、海外ではある意味それが一般的になっていると。実は日本の大学の中でも、しっかりそういったものを確保している大学もある一方で、準備できてないような大学もあるというような指摘なども過去にもあったと思っております。
恐らく研究室の立ち上げの資金を準備するというのは当然より進めていくべきで、既に進んでいるところもありますし、また併せて、研究者がよりよい環境を求める、また、研究大学として備えるべき研究基盤としてしっかり備えておくというところも併せて多分必要なのかなと思っています。なので、方向性としていわゆる研究室立ち上げ資金を日本の大学においても整備するというところは、テニュアトラックとか、いろいろな研究者を受け入れるに当たって既に取り組まれていると思っていますし、最近でもJ-RISEとかいろいろな取組においても、海外の研究者受入れのためには当たり前のように必要だよねというような議論になっているのかなと考えております。なので、方向性としては、立ち上げのための資金を否定してこちらに回すということではなくて、恐らく両方必要なのではないかなと考えておりますが、お答えになっていますでしょうか。
【高村(山田)委員】 ありがとうございます。あともう1点、日本の場合、競争的資金が雇用、例えばポスドクの雇用に行かずに、設備に行きがちだという話がありました。私は、何回か経験があるのですが、審査の際に、人材に予算を割く、例えば、ポスドクの雇用にこの競争的資金の中のこれだけのお金を割くと書いてあると、それだけで否定的に審査する審査員がいます。日本の研究資金の審査の際にそういう審査員の意識が働いて、人材を雇用する申請が通りにくくて、設備を買う申請が通りやすいというのは何となくある、と個人的に感じているのですけれども、その辺りいかがでしょうか。
【馬場参事官】 ありがとうございます。事務局のほうからよろしければ回答したいと思います。何と言えばいいか自分もちょっと悩ましいんですけれども、その審査自体がどうなのかなという部分も多少あるのかなと思ってしまいました。自分自身も例えば5年前の競争的研究費改革、また、その前からこういったリサーチアシスタント、博士課程、ポスドクに対しての人件費をしっかり手当てすべきだというところは、恐らくすべからく競争的研究費の公募要領などには書かれているところではありますので、これまで文化として、いわゆる博士課程についてリサーチアシスタントとしてのいわゆる業務に当たった場合にあっても無料で働かせてしまっていたというところはむしろ変えていかないといけない文化だと思いますし、博士・ポスドクについても、海外のようにしっかりと生活費相当額を支払っていくべきというのが基本的なスタンスではないのかなと思います。
そういった意味で、もし競争的研究費の審査なり遂行に当たって必要な人員の人件費を確保できていないということであれば、むしろその審査がどの事業かというところはちょっと分からないところもあるんですけれども、課題なり問題なのかなと思います。いずれにせよ、日本の競争的研究費に限らないと思うんですけれども、資金についてはなるべく人に回していくというような方向性でいくべきだというのは科学の再興の提言の中でも、ハードからソフトというような形でたしか書かれていたのではないかなと思います。
【高村(山田)委員】 ありがとうございます。
【西條局長】 いいですか。
【網塚部会長】 どうぞ。
【西條局長】 すみません、局長の西條でございますが、御質問ありがとうございます。
先ほどお話のあったスタートアップ資金の話とか競争的資金の人件費は、今、馬場参事官から話があったとおりではございますけれども、そもそもとして、やはり特に若手の研究者なんかにしてみると、異動してきた後にすぐに研究活動を立ち上げたい、すぐに活動したいというところが、いわゆる機器や何かをそろえなきゃいけないというような話になってくるとやはり全然スタートが取れないというところもあって、今回は基本的にまずはコアファシリティ化、そこにはサポート人材もいて、逆に言うとスタートアップ資金があまり多くなくてもすぐに活動ができるようなそういう体制を整えていきたいというのが大きな方向性です。
かつ、スタートアップ資金の部分については、特に今国際卓越、それから、J-PEAKSとか、いわゆる研究大学群、これを中心にそういった仕組みを変えていこうというところが我々の方針になっておりますので、先ほど先生がおっしゃったようなところにまさに近づけていきたいというのが今我々の方向です。
かつ、競争的資金も、そういったコアファシリティがかなり出来てくれば、ある意味、設備のほうに回すお金ではなくて、まさに人件費のほうに使ってもらうと。ここは我々のほうも競争的資金改革ということで徹底していきたいとは思っております。いずれにしても、まずはどちらかが整わないといわゆる鶏卵になってしまうので、まずはコアファシリティのところを中心にこのシステムをしっかりと変えていきたいというのが我々の今考えている思いでございます。
【網塚部会長】 ありがとうございました。
【高村(山田)委員】 ありがとうございます。
【網塚部会長】 私の大学の私の部局ではスタートアップの文化はあって、資金も異動してきた方や新規採用の方にはある程度の額を支援するようにしているんですが、昔はその金額が非常に潤沢ありましたが、法人化後どんどん減っていって、今は本当に僅かな額しか手渡せないという事情はあります。
ほか、皆さん、いかがでしょうか。よろしいですかね。では、大体お時間ですので、この辺りとさせていただきまして、科学の再興の提言、それから次期基本計画の方向性に沿って、本部会においてもさらに議論を今後深めていきたいと思います。
それでは、議題2に移りまして、先端研究開発基盤強化委員会の審議経過についてでございます。まずは事務局から審議経過について御説明いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【馬場参事官】 ありがとうございます。事務局でございます。それでは、資料2に基づきまして、最新の審議動向について、先週開催された強化委員会の資料に基づいて御説明したいと思います。
表紙をおめくりいただいて、1ページ目を御覧ください。改めて復習にはなりますが、前期第12期においては、本部会において2月14日に議論の取りまとめをちょうど委員の任期切り替わりのタイミングでおまとめいただきました。その後、基盤強化委員会のほうでは議論を重ね、7月10日には今後の方針ということで、まさに今検討中のEPOCHの根本となるような方向性を示していただきました。その後、8月19日、また、8月28日に本部会も開催しましたが、我々文科省、政府において今後の方針を踏まえた具体的な事業の制度を設計し、事前評価をいただき、概算要求にも計上したというような状況になっております。
その後は、議題1でも話題提供させていただいたとおり、科学の再興に関する有識者会議において本部会の議論内容についても報告し、そういったものがしっかりと盛り込まれた提言が11月に出ております。そういった中、11月21日には総合経済対策が閣議決定し、補正予算が12月16日に成立しておりますが、閣議決定する際にはEPOCHについてもしっかりビームと一緒に盛り込まれているというような状況です。先週12月18日には基盤強化委員会が開催され、活発な議論をいただき、本日を迎えたということになっております。
先走って今後の予定を申し上げると、最後にも御紹介したいと思っておりますが、2月には先端研究基盤共用促進事業、今年度でちょうど終わる事業についてのシンポジウムを公開で行うことを予定しております。また、そこで共有された成果や課題等についても踏まえながら、2月頃には本部会や基盤強化委員会を再度開催させていただき、既存事業の事後評価を本来であれば今年度終わるので来年度でも構わないところであるんですけれども、最終年度の今年度にしっかり行うことでEPOCHの制度設計にも生かしていきたいと考えているというのがこれまでの流れと今後の予定となっております。
この中で何点か主立ったものについて御紹介したいと思っております。まず、ここで言う丸6、総合経済対策については、2ページ目以降に簡単に内閣府がまとめているものがあります。こちらについても、物価高であったり、防衛力・外交力というものがどうしてもメディア的に大きく取り上げられがちですが、第2の柱として危機管理投資、成長投資による強い経済の実現ということが盛り込まれており、一番下のところに未来に向けた投資の拡大というような項目が先端科学技術として記載されております。
3ページ目、ちょっとビジーなスライドになりますが、真ん中の第2の柱の例えば右側の5ポツ、未来に向けた投資の拡大、(1)先端科学技術の支援というところには、科研費の拡充、産官学の国際競争力強化という部分にSPring-8の高度化というところもしっかり政府全体で記載されております。
文部科学省においては、4ページ目、この総合経済対策の中に盛り込まれているものをまとめておりますが、科研費・創発事業による若手研究者の国際的・創発研究等への支援や、AI for Scienceによる科学研究の革新に並んで、全国の研究者が挑戦できる研究基盤の刷新というような部分とか、下から3番目、特定先端大型研究施設の整備・高度化についてもしっかり盛り込ませていただいております。
具体的には、6ページ目を御覧ください。研究基盤の刷新による研究力強化ということで、総額、補正予算額としては750億円を計上しておりますが、大きく2つございます。1つ目が共用促進法に基づく大型研究施設の高度化ということで、この後御紹介しますが、NanoTerasuについてのビームラインの増強とか、SPring-8-IIに向けた整備をしっかりと進めるというところについて盛り込まれております。また、大学等の研究基盤を刷新という部分については、この後御紹介しますが、補正予算額としては530億円計上しております。
7ページ目、NanoTerasuの共用ビームラインの増設については、この後中間評価についても御審議いただくことを予定しておりますが、昨年度整備した新たに整備する1本に加えて、新たに共用ビームラインとして2本の整備について計上することができました。これについては、8ページ目のSPring-8-IIの高度化に向けては、いわゆる運転停止期間が1年間あると。そこに何とか間に合わせるべく計上しているというところになりますが、いずれにせよ、NanoTerasu、SPring-8の補完関係に加えて、この後の議題で議論する全国のビーム施設、そういったところの連動・連携もこの機会に深めていきたいと考えているところでございます。
9ページ目、冒頭の局長の挨拶でもありましたが、北川博士のノーベル化学賞受賞、先般、授賞式のスピーチの中でもSPring-8の紹介なども図でありましたが、やはりこういった研究基盤というものは、ともすればすぐに成果が出るようなものではないんですが、やはりこういったものをしっかりと国として整備したおかげで成果につながったというところは、ちょっと前になりますが、『Newton』等でも北川先生もお答えしていらっしゃるところであります。特にこういった部分については、一緒にノーベル賞を受賞されたヤギー先生などについても、その直後に同じような成果も独立して出しているというようなことであるので、やはりこういった部分については、時間はかかるかもしれないですけれども、しっかりと取り組んでいくというところの重要性についても一つの証左になったのではないかなと思っております。
また、こういった部分について役立っているということが残念ながらまだまだ一般の方には知られていないというところ、そういった問題意識を北川先生も持たれたということもあり、SPring-8を理研とも連動し、京都大学とも連動し、ノーベル賞の授賞式の直前にはSPring-8に来ていただいたタイミングで地元の小中学生向けに講演会なども開催することもできたというところはよかったと思っております。また、1月にはちょうどNanoTerasuで、仙台で放射光学会が開催されるということで、北川先生の講演会ということも予定しているところでございます。
本題の10ページ目、先端研究基盤刷新事業については、こういった形で補正予算に計上しております。ほぼほぼ事前評価で御説明している内容ですが、大きく更新された内容としては、点線で囲われている対象大学等の数などになります。対象については研究大学等、採択件数は15件程度ということになっております。また、この後御紹介しますが、事前評価でも御指摘されていた施設等についても、必要であれば新しく施設を造ることもできる。また、大学の実態に合わせて柔軟にというような御指摘もあったことも踏まえて、今回は530億円のうち430億円の事業費をJSTの基金に計上することができており、大学の実態に合わせた執行も可能というような仕組みになっております。
11ページ目、12ページ、13ページ目は、先ほど御説明した内容なので、説明は省きたいと思います。
16ページ目に行っていただければと思います。16ページ目は、事前評価で指摘いただいた内容についてまとめております。こちらについては、事前評価の際に基盤強化委員会、また、本部会においても多々御指摘がありました。例えば一番上、来年度から始まる次期基本計画期間からの事業開始を予定しているが、研究基盤の刷新のためには速やかに事業を実施することが求められるというような御指摘も踏まえ、今回補正予算に計上することができたのはよかったと思っております。
また、優秀な人材確保や研究基盤の強化の観点から10年程度の中長期にわたって取り組むことが期待されるということを実は基盤強化委員会のほうで御指摘されたことを踏まえ、当初は5年間の制度設計も検討していましたが、御指摘を踏まえて10年間というような制度を認めていただいたというような状況になっております。
また、7月10日の今後の方針の中では、今後10年の目指す姿として、地域性も踏まえ20程度というような御指摘もあった中で、計画の具体化に関しては、1つ目の御指摘にも通じますけれども、今回は15件程度を一気に始めることによって一斉に日本全体を変えていくというような形で対応していきたいと思っております。
また、4つ目、これも大学の皆様からヒアリングすると、スペースの問題というのはよくよく指摘されているところでございますが、事前評価の中でも、集約化するためには、設備・機器だけではなくて施設についても十分な仕様やスペースが必要ではないかと。こういった御指摘も踏まえて施設についても要求をしていたところ、全部ではないですけれども、5件程度の施設の新設も認められております。
また、研究大学等の規模や地域性に応じてハードルや状況が異なることに留意が必要ということに関しても、やはり大学によっては人材が不足しているところ、設備が足りていないところ、そういった状況についても応えられるように基金という形で計上することができたということはよかったと思っております。
また、丸2、創造性と協働の促進に関わる部分として、これはまだ引き続き議論が必要なところでありますが、研究データを創出・活用するためには、ルールの明確化が求められるというような御指摘もありました。また、手続の効率化・簡素化を図ることの重要性。また、丸3、持続的な仕組みについては、こういうような大学として組織的な企業との協働の必要性なども御指摘いただいたというような状況になっております。
それぞれの項目について、17ページ目以降にまとめております。時間の関係もあるので簡単に御紹介したいと思いますが、17ページ目については、先ほど申し上げたとおり、10年で20程度というところを一気に今回前倒しすることができたというところについては、政府部内の問題意識は、科学の再興の有識者会議並びに本委員会・部会の問題提起もしっかり理解が得られたということだったと思っております。
ただ、今後さらに議論を重ねていかないといけないなと思っているところとしては、下に書いている主な検討事項として、いわゆる今後の方針で示されていたコアファシリティ化が進む研究大学等という部分についての要件をどうしていくべきなのかというところとか、例えば先般、第2期公募の結果についても発表されておりますが、国際卓越研究大学に加え、大学共同利用機関や公立研究開発法人等の扱いについても、連動することは当然でありますが、EPOCHの対象としてどう考えるかというところもあるかと思います。また、施設整備と基金事業の一体的な選定に関しても、J-PEAKSについてはJSPSの基金で行われていますが、今回EPOCHについては文科省の施設整備補助金とJSTの基金という形になっております。これについても当然ながら一体的に連携して取り組むということが重要だと思っております。また、競争的研究費の使途の変容(1,000万円以上の研究設備・機器の原則共用)については、先ほど有馬委員の御指摘を踏まえて簡単に御説明しておりますが、こういったことも併せてやっていくということが重要かと思っております。
18ページ目を御覧ください。こちらについては、右側には、7月10日の今後の方針に記載していただいているとおり、例えば統括部局とのコアファシリティ化の体制構築や運用の先進的な取組が実施されていること、機関内の研究設備等の所在や共用の状況等の把握ができていること、人材についても一元的に把握され、育成制度・キャリアパス構築に取り組んでいること、執行部がしっかりコミットメントしていること、こういったところなどが要件として示されております。こういったことについても具体的にどこまでを厳しく、どこまでをある意味大学に任せるのか、そういったところについても今後さらに検討を重ねていきたいと考えております。
19ページ目は、他事業における申請対象の機関の事例になります。
20ページ目を御覧ください。先ほどこれも有馬委員の御指摘について答えているところですが、科研費については、今年の通知においてここに記載のとおり、取得価額が1,000万円以上であること、ほかの研究でも利用できるような汎用性を有すること、補助事業の遂行に支障を来すおそれがないことという通知が出ております。ただ、実はこちらの通知については大学にあまり周知し切れていないというようなのが、自分が肌感覚として大学の皆様と意見交換すると寄せられた声でありました。それもあり、本日の会議でもこちらを添付させていただいているところでありますが、こういった部分について、精神論ではなくて、より実効性があるような取組にしていくことが重要であると思っておりますし、特に高額な設備については、科研費というよりはむしろNEDO、AMED、ほかのファンディングエージェンシーで整備されることが多いと考えられることから、内閣府とも連動しながら、また各省庁とも連動しながら、こういった取組について今期基本計画中にしっかりと実効性ある取組に変えていきたいと考えているところです。
21ページ目、こちらについて、いわゆるアクセスについてどう考えるかというところについて、これについても検討事項として、いわゆる共用化率をどう定義していくのか。これも数字をただ目的化するというよりは、本質的なものにしていかないといけないと考えております。また、組織・機関を超えた共有システムの構築についても、設備・機器だけではなくて人材、データについてどう考えるか。また、研究データの管理・利活用についても、NIIとの連携、また、先行事例としてのARIMの活用に加えて、JAIMA、いわゆる産業団体が提示していた分析データ共通フォーマットについてはJISに今認められるところがありますので、こういったものの活用をこの期間にしていくというところも一つの考え方としてあるのではないかと思っております。
22ページ目は、この部会でも何度かお示ししているところでございますが、我々今回、23ページ目の事前評価における指摘事項を踏まえて、日本全体としての共用システムの見える化、これは単に設備がどこにあるかということだけではなくて、どういう技術者がいるのか、どういうようなサポートが得られるのかというようなことも含めて見える化をしていきたいと思っております。AI for Scienceへの貢献をするための研究データの管理に加えて利活用について、また、さらに丸3、これも並行して議論しておりますが、関連する先行する分野の取組、共同利用機関の取組、そういったところとも連動していきたいと考えております。ぜひ本部会においては、こういった他事業の状況、ほかの分野の取組、そういったところも俯瞰して議論を進めていきたいと思いますし、場合によってはそういった審議会との共同開催も今後検討していきたいと思っております。
24ページ目、持続的な仕組みについては、研究基盤・研究インフラのエコシステムの形成に向けては、産業界、学会、ファンディングエージェンシーとも協働していきたいと考えております。我々はこれをどうやっていくべきなのかということについては、JSTとも連携して先般、網塚部会長にも御参加いただいたワークショップなども開催し、海外の事例なども踏まえながら検討しているところであります。また、併せて先端研究開発基盤強化委員会では、産業界との組織的な連携だけではなくて、周辺自治体や近隣の機関、関係大学と連携することにより持続的な仕組みをつくれるのではないかというようなことも、山口大の委員のほうからも示されております。そういった中では、自治体であったり公設試、そういったところと取り組むことによって持続的な仕組みが出来得るというような御提案などもありましたが、こういったものもどういったものが考えられるのか、さらに具体化・具現化を関係者とも議論していきたいと考えております。
いずれにせよ、右側に書いてあるとおり、今後10年の目指す姿として、こういった人が集まる場を活用した技術開発にも取り組んでいきたいと考えております。そのためにも主な検討事項として下に書いているところ、共通するところとしては、研究データの部分もありますが、それに加えて、いわゆるテクニシャン、技術者、そういった方々も踏まえた多様な専門人材を育成・確保するためにも、人事給与マネジメントも高度化していかないといけないと考えているところでございます。
25ページ目が、10月に網塚先生、また、本部会の関係者であると、飯田先生、岡田先生などにも加わっていただいてワークショップを開催しているところでございます。こちらの報告書についてはまた1月以降まとまると聞いておりますので、また本部会でも御紹介したいと思います。
26ページ目、こちらについては、JSTのCRDSワークショップで示されたエコシステムの一つのアイデアとして示されているものになっております。これもこれまでの機器開発がどうしてもいわゆるリニアに基礎、開発、応用、実装というような形で進んでいたものを、より循環したようなモデルをつくれるのではないかというようなイメージで考えております。その前提としてまずあるのが、真ん中にございます共用の緑色の図、いわゆるこういった場で魅力的な場をつくれば、若手研究者であったり学術界、産業界の方々も含めて集まってくる。こういった中でいろいろなニーズを踏まえて、小規模な開発・改良が赤色のサークルで回り、その中でよりさらに大型の開発をしようという場合には、クローズドな研究をする、技術開発をするべきだというところについて、青色の循環というようなものをつくり得るのではないかと考えております。
我々としては、今回のEPOCHを通じてこういったエコシステムを、リニアではなくより循環するようなモデルとして、魅力的な場があることによってつくり上げられるのではないかというようなことを一つの案として考えています。恐らくこれ以外にも様々な考え方があると思いますが、一つの案として御紹介させていただきました。
最後のページ、事後評価についてです。こちらについては、2月以降の本部会において事後評価について御審議いただきたいと考えておりますが、実は前回の中間評価のときには本部会において全機関、具体的にはコアファシリティ構築支援プログラムとして15機関、先端研究設備プラットフォームプログラムとして4機関へのヒアリングを全部やっていただきましたが、いろいろな時間の都合、また、大学への負担、また、委員の先生方の負担なども考えて、現在、我々のほうでは各大学個別にいろいろな話を聞きながら、それぞれの大学の評価というよりは、事業全体としてできたというところに、より着眼点を置いた評価表などをつくり上げようと思っております。
大事なのは、各大学・機関が取り組んできたこの5年間ないし10年間の取組についてしっかりと成果や課題を取りまとめ、その基準・水準をできる限り高めていくというところが重要かと思っております。その一環として、2月2日には公開の場で、今年度事業期間が終わる10機関の方々に関して、成果や課題について御報告、御議論いただくことを予定しております。次回2月頃に開催する際には、本シンポジウムやEXPOで、そういったところの議論なども踏まえながら、まずは事務局のほうで事後評価案を作成し、委員の先生方とも議論し、また、重要なのはそこで見られた方向性についてEPOCHの制度設計にも生かしていければと考えているところでございます。
雑駁になってしまって申し訳ありませんが、先端研究基盤強化委員会の議論ということで御紹介させていただきました。事務局からは以上になります。
【網塚部会長】 大変詳しく御説明いただきまして、ありがとうございます。
ただいまの御説明について御意見、御質問ございましたら、お願いいたします。どなたからでも結構です。特に今日は順番にということはございませんので、御自由に発言していただけたらと思います。よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
部会で……、高村委員、お願いします。
【高村(山田)委員】 高村です。御説明ありがとうございます。最後のスライド、事後評価のスライドを見ていて気になったのですけれども、EPOCHは何となくコアファシリティ構築支援プログラムの後継事業のように見えるんですが、先端研究設備プラットフォームのほうは今後どうなっていくのでしょうか。
【網塚部会長】 ありがとうございます。重要なポイントだと思います。事務局、よろしくお願いします。
【馬場参事官】 ありがとうございます。事務局です。まず前提として、今回我々としては、単にコアファシリティ構築支援プログラム、今やっている事業の事後、いわゆる継続、後継というような位置づけではあまり捉え切れては実はいないところでありまして、いろいろなやる内容についても、大きく今後の方針を踏まえて、日本全体の研究基盤の一翼を担っていただけるような大学ということで制度設計をしているところではあります。
そういった中で、今各大学、また、先端研究設備プラットフォームプログラムの機関などについては意見交換なども重ねているところでありますが、どういう形で先端研究設備プラットフォームでやってきたところを取り組んでいくかというところについては、引き続き検討を重ねているというのが実態であります。
というのも、例えばある大学においては、先端研究設備プラットフォームの代表機関も兼ねている、そういったことも実は縦と横の関係では取り組むこともできるのではないかというような話なども聞かれているところではあるので、そこをどういう形で調和させていくかというところについて、今、各大学さんともディスカッションをしているというような状況になっております。
併せて、今回、実は前回との大きな違いの一つとして、事業全体としては、これまで文部科学省が直接執行していたところでありますが、今回のEPOCHについてはJSTが全体を執行、運営するというところもあります。そういった意味では、そもそも横連携というところについては、この先端研究設備プラットフォームにかかわらず、すべからく横連携というところもある意味可能な形になってはいるので、そこについてもどこまでを本当に国として、JSTとしてやるべきなのか、また、逆に各大学さんでやっていただく部分が出てくるのかというところについて、まさにどこを線引きしたほうがいいのかというところは悩みながら今考えているところです。御指摘ありがとうございます。
【高村(山田)委員】 ありがとうございます。今の点にちょっと関連しているんですけれどもう1点よろしいですか。
【網塚部会長】 どうぞ。
【高村(山田)委員】 先ほど「設備・機器」という言葉と「施設」という言葉をしっかり区別されて使っておられましたが、EPOCHの「施設整備」という予算は、建物についているということになるのでしょうか。
【網塚部会長】 そういうことですが、事務局からよろしくお願いします。
【馬場参事官】 御指摘のとおりです。我々のいわゆる予算用語になってしまっているかもしれないんですけれども、530億円のうち100億円が文部科学省が執行する施設整備補助金になっておりますので、いわゆる建物を建てることもできるというような経費が計上されているというような状況になっております。こちらについては、事前評価でも御指摘がありましたし、また、各大学さんを実際見に行くと、共用は設備されているというものの、キャンパスの中でばらばらになっていったりすると、いろいろな情報管理の話とか、外部の方・企業の方が利用するに当たっていろいろな課題があるというような声もあったということで、施設についても建物を建てるということも必要に応じてできるというような予算措置になっております。
以上です。
【高村(山田)委員】 ありがとうございます。
【網塚部会長】 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか、皆様から。よろしいですか。
コアファシリティ事業は、過去10年以上ですか、共用文化を醸成していくということで、コアファシリティの事業が走り始めたときには一応、大学として統括するコアファシリティをつくるというのが一つのゴールのように見えたんですが、そのゴールを実際迎えてみると、やっぱりいろいろな課題、さらに発展できる要素が見いだされてきたということで、次のステージアップということで部会でいろいろ出された様々な議論を整理していただいて、今回このような大型予算に結びつけていただいたということで、事務局の皆さんに感謝申し上げたいと思います。これをしっかり無駄にしないように、今お話にありましたように、これまでのコアファシリティ事業とプラットフォーム事業で築いてきた様々な財産をしっかり次のステージにも生かしていけるようなアイデアを全国で出していけたらいいのではないかと思っております。
皆様、何か御質問がさらにございますでしょうか。
よろしいですかね。それでは、引き続き、強化委員会のほうでも議論を深めていきたいと思っております。
それでは、次に移ります。議題3です。量子ビーム施設利用推進委員会の審議経過についてです。まずは、事務局から審議経過について御説明いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【伊藤補佐】 承知いたしました。それでは、資料3を用いまして、量子ビーム施設の動向について御説明させていただければと思います。
まずは1ページ目でございますけれども、SPring-8の経緯から御説明させていただければと思います。平成3年に整備に着手されまして、平成6年には共用法が施行され、JASRIが放射光利用研究促進機構に指定されております。また、この法律に基づいて、平成9年からは共用促進法に基づくSPring-8の共用が開始され、25年以上皆様に利用されています。共用開始後にも、SPring-8ユーザー協同体が発足しています。令和3年には「我が国全体を俯瞰した量子ビーム施設の在り方」を量子ビーム利用推進小委員会の皆様におまとめいただいているところでございます。
2ページ目でございます。共用促進法についてです。定義といたしましては、特定先端大型研究施設とは、三つの条件を満たす先端大型研究施設のうち、国が共用すべき施設として共用促進法に定められたものとされております。重複設置することが多額の経費を要するため適当でないもの、先端科学技術分野において比類のない性能を有するもの、広範な分野の多様な研究等に活用されることで価値が最大限に発揮されるものとして、SPring-8、SACLAのほかにも、一番直近ではNanoTerasuが指定されています。概要の右下にございますが、施設設置者と施設登録利用促進機関が協力いたしまして、幅広い研究者の皆様に共用される仕組みを整えているところでごす。
3ページ目でございます。先ほど御紹介いたしました令和3年の量子ビーム利用推進小委員会の取りまとめの概要です。当時の課題といたしましても、大型研究施設の整備等について各施設が独自に整備され、計画的な整備・改修が行われていない、各施設の位置づけの整理及び各施設の連携強化が必要となっています。(2)といたしましては、研究施設の利用の促進といったことで、ユーザー支援の充実・強化が必要。また、(3)といたしましても、国際競争力強化のための海外施設との連携・協力とか人材育成・確保が重要であるとされております。今後の推進方策の中でも、各施設の位置づけの明確化、施設間の連携促進のためのプラットフォームの構築、大型施設の整備計画の策定とか、ユーザー支援の強化、複数の量子ビーム施設の利活用の促進といったようなことについて推進方策がまとめられていました。
次のページでございますけれども、最近のSPring-8-IIに向けての動きです。4ページ目に戻っていただければと思います。SPring-8については、令和5年の山本左近文部科学大臣政務官を座長としたタスクフォースを契機に、令和6年には量子ビーム利用推進小委員会の皆様方に、「SPring-8-IIの整備及び我が国の放射光施設の今後の在り方に関する報告書」をお取りまとめいただき、SPring-8/SACLAの中間評価も行った上で、令和6年度にはSPring-8-IIの整備に着手しました。また、科学の再興に関する有識者会議、強い経済を実現する総合経済対策などにおいて、大型研究施設が必要という提言を取りまとめられました。
5ページ目につきましては、SPring-8の概要です。詳細な説明は割愛いたしますけれども、累計利用者数のところを見ていただければ、年間延べ約1万5,000人の皆様に利活用されているといったような施設になってございます。
6ページ目でございます。北川博士のノーベル化学賞受賞とSPring-8とは関係があり、北川先生にはSPring-8において小中学生向けに講演会なども実施していただいています。
7ページでございます。こちらは今年度の補正予算といたしまして、SPring-8-IIの整備が着実に進められているというところです。整備スケジュールは、左下にございますけれども、令和11年度の共用開始に向けて着実に進められているといったような状況にございます。
8ページ目でございます。こちらは秋に開催されました量子ビーム施設利用推進委員会における、SPring-8-IIの整備状況のフォローアップです。SPring-8-IIにつきましては順調に整備が進んでおりまして、令和9年度後半から令和10年度にかけて、こちらではダークタイムと呼んでおりますけれども、運転停止期間を経て令和11年度から共用開始される予定になっています。
次のページでございます。今後の検討事項という中では、運転停止期間におけるSPring-8ユーザーの研究の継続性ができるだけ損なわれないように、国内外の放射光施設の連携を図ることが必要だとまとめています。
10ページ目でございます。SPring-8-IIに向けた報告書については、SPring-8-IIの整備が必要ということに加えまして、利用制度について不断のアップデートが必要、利用環境の高度化が必要、量子ビーム施設間のシームレスな連携が必要といったことも提言いただいているところでございます。
11ページ目には具体の記載を書かせていただいております。まず、5番の(3)では、我が国は国内9施設10リングを有しており、それぞれが強みや特色を発揮し、お互いを補完し合いながら、我が国の放射光科学を底上げしていくことが肝要とおまとめいただいているところでございます。
12ページ目には、我が国の放射光施設をはじめどういった量子ビーム施設があるかという一覧を載せており、赤色のところが放射光施設になっています。
13ページ目でございます。こちらもSPring-8-IIの報告書からの抜粋になってございます。国内9施設が、施設間連携も含めて放射光施設の今後の在り方を政策レベルで検討する場が必要であるということとか、放射光だけではなくて、J-PARCで利用できる中性子・ミュオンも含めまして量子ビーム施設間のシームレスな連携を可能とするゲートウェイのようなものが必要であるということとか、また、SPring-8停止期間に研究開発が滞ってしまうことで、研究開発の国外流出や放射光利用の減少が危惧されるため、SPring-8停止期間における他施設への支援について検討を行う必要があるといったようなこととか、また、人材育成についてもおまとめいただいているところでございます。
次のページになりますけれども、こちらも先ほどの報告書からの抜粋になっております。真ん中のところでございますけれども、従来の利用制度や施設運営に係る考え方を時代に即したものへアップデートしなければ、SPring-8-IIの価値を最大化することは困難であるとおまとめいただいております。
15ページ目でございます。こちらは科学の再興でまとめた資料ですので、説明は割愛いたしますが、国際的にもまだまだ競争が激化しているという状況にございます。
16ページ目でございます。先ほど議題2で御紹介したEPOCHに加えまして、大型研究施設も継続的に高度化し、日本全体の研究力について底上げを図る必要があるとまとめているところでございます。
17ページ目でございます。こういったような議論を踏まえまして、先ほど議題1で御紹介いただきました基本計画専門調査会の中でも大型研究施設の高度化について触れられているといったような状況になってございます。
18ページ目でございます。今まで御紹介したことをまとめまして、SPring-8-IIの共用開始に向けて早急に検討すべき事項(案)といったような形でまとめています。SPring-8ですが、繰り返しになりますけれども、年間延べ1万5,000人の多くの皆様に御利用され、多くの成果を創出しているといったような状況にございますし、国際的にも競争が激化しているということ、また、その停止期間中には、技術やアイデアの国外流出や放射光利用の減少が危惧される状況にございます。
こういったことを踏まえまして、主な検討事項(案)です。丸1でございますけれども、SPring-8の運転停止期間中の対応といたしまして、国内放射光施設を含む量子ビーム施設間の連携促進等による産学の利用者の受入れ体制の整備、丸2といたしましては、利用制度等の仕組みの高度化、時代に即したものへと改定していってはどうかということ、また、丸3といたしましては、放射光施設の今後の在り方ということで、施設の特色とかを明確化いたしまして、相互に補完し合う関係の強化、持続的な発展を可能とする仕組みについて、年明け以降、量子ビーム施設利用推進委員会において集中的に御議論いただけないかといったような形でまとめております。
19ページ目でございます。今後の検討スケジュール(案)といたしまして、本日の研究開発基盤部会をキックオフといたしまして、1月以降、量子ビーム施設利用推進委員会にて検討事項の整理、また、関係者のヒアリングをして、6月に中間取りまとめをするといったような方向で御議論いただけないかという形でまとめているところでございます。また、ヒアリングの候補といたしましては、量子ビーム施設の設置者の皆様とか、登録利用促進機関の皆様、また、関連学会の皆様、量子ビーム施設の利用者、産業界の皆様から御意見をいただくといったようなことが考えられるのではないかと案として掲げさせていただいております。
20ページ目になります。こちらも繰り返しになりますので割愛させていただきますが、研究大学における取組と大型施設の取組、全ての取組が網目のように日本全体をカバーすることが重要なのではないかと考えております。
21ページ目になりますけれども、こういったことを全て踏まえまして、研究基盤の刷新に向けて日本全体として底上げしていく必要があるというふうな形で考えております。
事務局からは以上でございます。
【網塚部会長】 ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明についてコメント、御質問等ございましたら、お願いいたします。
有馬委員、お願いします。
【有馬委員】 有馬です。ただいまの御報告、どうもありがとうございました。最後のほうで、今後、来年度の前半に集中的にいろいろなことをやって取りまとめという話があって、その中で産業界、あるいはその関連、放射光の施設の方々にヒアリングするということがあります。その中でぜひここは、もともと産業界の方というのは利用する方を想定してヒアリングするということになっているんですけれども、ぜひ、一番初めに、冒頭にありましたように、日本の科学を支える技術というかいろいろな設備とかを造ったりそういうところもやはりこれから考えていかなければいけない。
例えば放射光も普通造るときは光源側をずっと思っていたりするわけですけれども、実は光源の性能プラス検出のほうの性能との掛け算で性能は効いてくる。そういう意味では検出器の開発というか、どれだけいいものにしていくかというところを、これは大学、研究機関、産業界、それぞれが連携しながらやっていく必要があるので、そういうところも含めて、各施設で検出器が高度化されるとどういうようなことが必要かということと、それから産業界でどういうようなそれに関する芽があって、こういうような需要があったらこういうことをできるという、そういうようなこととかも含めて考えていくのがいいんじゃないかなと個人的に思っていますので、そういうことをちょっとここで申し上げておきたいと思います。
以上です。
【網塚部会長】 ありがとうございます。事務局よりコメントがもしございましたらお願いいたします。
【伊藤補佐】 御意見いただきまして、ありがとうございます。そういった観点も重要だと思っておりますので、ここはあくまで案ですので、いただいた御意見も踏まえまして、またヒアリングさせていただく方を御相談できればと思います。
【網塚部会長】 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。
SPring-8が結局1年から1年半ぐらい停止するということになるんでしょうかね。その間、たくさん量子ビーム施設の絵は出ていましたけれども、結局サポートするとなりますと、NanoTerasuと、それからUVSOR、NewSUBARU、あと、KEKのPFになるんじゃないかなと思うんですけれども、それは停止期間を十分支えるだけの稼働能力といいますか、財務面も含めてその辺りは大丈夫なんでしょうかというのが、私も放射光の一ユーザーとしてちょっと気になるところなんですが……、有馬委員、お願いします。
【有馬委員】 そのことも含めて、委員会のほうで議論はしています。まず、SPring-8の施設側からは、同じサイトにある、レーザーですけどSACLAというのはもちろんちょっと違う使い方もあるわけですが、性質では同じところもあるわけです。SACLA自身がもう少し産業利用を進めたいという、要するに、SPring-8が止まったときを一つのよい機会と捉えて、どういうふうにSACLAのほうを産業界で使ってもらうかということを考えているという、そういうことをおっしゃっていました。
それからあとは、止まったときに一番困るのは実は産業界だと思うんですね。海外に行けないので。そこを考えると、産業利用用に造った放射光もほかにあるわけで、だから、まず産業利用側でほかのいろいろな施設がどういうふうに使えるかというのをやはりちょっと見ておく必要があって、愛知とか佐賀とか立命とかいろいろあるわけですけれども、もちろん学術最先端のものでそれが全く行かないものももちろんありますというときに、それは例えば短い時間分解ならばPF、PF-ARを使うとか、あと、もちろん軟X線に近いところはHiSOR、NanoTerasuとか、いろいろなことを多分認識するいい機会かなと思っていて、そういうところは本当は日本放射光学会もちゃんとやるべきだというのは放射光学会自体は分かっているんですけれども、かといって、利害関係者とかもいろいろ出てきてしまうので、そういう意味で委員会のほうでそういうことをもう1回議論しながらやっていくのがいいのかなと。それから、もちろん学術に関しては国外に対して協力を求めるということも、SPring-8としても考えているというようなことになっています。
なので、もちろんお金の問題等というのもあるわけですけれども、実際に使える施設、あるいはそうはいってもSPring-8独自のもので、できないことも出てくるわけですけれども、そういうことを仕分しながら、できるだけブラックアウトのときの影響緩和、完全にゼロにはできないと思いますけれども、緩和できればなというのが委員会側でいろいろ議論しているところではあります。
完全なお答えになってはいないんですけれども。
【網塚部会長】 いいえ、ありがとうございます。すみません、HiSORでしたね。
ほかにいかがでしょうかね。放射光絡みということで、雨宮委員、何かコメントございますか。
【雨宮委員】 ちょうどよかったです。今後、放射光施設の在り方を議論していくに当たっても、直近で起こる、ブラックアウトと呼んでいるSPring-8の停止期間、そこでいろいろな施設をこの機会にいろいろ使ってもらうとか、そういったことをどんどんやっていくことが今後にもつながっていくと思いますので、ぜひ積極的にやっていただければと思います。非常に身内の話で恐縮ですけれども、フォトンファクトリーはもちろんウエルカムで、そのための準備も進めておりますので、ぜひそういうことを全国的に進めていただければと思います。
もちろん運転にはどうしても電気代がかかるので、その部分の支援、例えばそういったもの、あるいは、やっぱりSPring-8は進んだ施設ですので、そのユーザーさんが使うに当たってある程度満足していただけるためには、やっぱり装置もある程度のアップグレードが必要な場合もありますので、そういったことができた上でブラックアウト期間に使っていただけるのがとてもメリットがあることかなと思います。
以上です。
【網塚部会長】 ありがとうございます。やはり共用促進法にある意味守られた施設と、それから、KEK PFのように大学共同利用機関として大学と同じように効率化係数で1.6%何がしで予算が減らされ続けて運営が厳しくなっているところと比較すると、やはり少しずつ、先鋭化していく施設もありますけれども、日本全体として果たしてどうなのかというところはいつもちょっと思いながら自分自身も実験させていただいているところがあるので、今後日本全体での議論をされていくということでしたので、ここに期待したいなと思います。
ほか、皆様いかがでしょうか。伊藤委員、お願いします。
【伊藤委員】 伊藤でございます。量子ビームラインを企業のユーザーとして使わせていただいている立場として、ブラックアウトの期間のことは非常に多分戦々恐々と皆さんされていると思います。国内でないとやはり測定できないものは企業の立場から申し上げると、なかなか海外に持っていけないというのも実情じゃなかろうかなと思います。
といった中で、今回のブラックアウト以降も恐らく大型設備の更新は何らか入ってくることになると思うんですけれども、そういった際にうまく計画を立てていただいて、なるべくいろいろなところで国内で量子ビームを使わせていただけることが持続的に成り立つように計画をいただけると非常にありがたいなと思っておりますので、今後ともよろしくお願いします。コメントというかお願いでございます。
以上です。
【網塚部会長】 ありがとうございます。ほかに皆様からいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
【馬場参事官】 事務局ですけれども、一言だけよろしいでしょうか。
【網塚部会長】 お願いします。
【馬場参事官】 事務局です。ありがとうございます。やはりSPring-8も出来て20年、30年というところで、やっぱりいろいろと時代に合わせて変えていくところがあるかと思っています、このタイミングで。併せてやはりそれぞれ日本全体のいろいろな施設については特徴もありますけれども、やっぱり背景、経緯、また、設置主体が異なる中でどういうことが我々でき得るのか。いずれにせよ審議会という場も活用しながら、他方、ちょうど1月頭に放射光学会みたいなところもありますので、いろいろな場で議論を活性化していって、今後10年、20年、その先を見据えてどういうことができるのかというところを考えていければいいかなと思っております。
我々文部科学省の中でも、大学共同利用機関を担当している部局とか、そういったところとも連携していきたいと思いますし、放射光施設の中には県が造っている、自治体が造っているようなもの、個々の大学が造っているもの、それぞれ事情も変わってくるとは思いますが、それぞれの施設がどういった観点でどういう役割を担っているのか、どういう重要性があるのかというところをこのタイミングで改めて整理するというところは、それぞれの機関とか自治体の中でも重要なタイミングなのではないのかなと思っています。
我々としても、このSPring-8のブラックアウト、運転停止期間という機会をピンチというよりはチャンスというかいい機会と捉え直して、ぜひこの量子ビーム委員会でも年明け以降、先生方の御指導を仰ぎたいなと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
以上です。
【網塚部会長】 ありがとうございます。ほか、皆さんいかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、本日御議論いただきましたこと、また、次期基本計画に向けた動向を踏まえまして、有馬主査の下でSPring-8-II共用開始に先駆けて御検討いただいて、また進捗をこちらの本部会で報告いただけたらと思います。よろしくお願いいたします。
議題4. NanoTerasuの中間評価について(非公開)
「NanoTerasuの中間評価」について、量子ビーム施設利用推進委員会での議論を取りまとめた資料4-1、資料4-2を確認した。今後の修正については部会長一任とすることで承認された。
【網塚部会長】 それでは最後に、議題5はその他なんですけれども、事務局から何か連絡事項等がございましたらお願いいたします。
【伊藤補佐】 事務局でございます。次回の研究開発基盤部会の開催日程につきましては、追ってメールなどで日程調整をさせていただきます。詳細につきましては改めて御連絡させていただきますけれども、議題2等で御説明しているとおり、2月中の開催を今目指して調整をしたいと考えております。
また、本日の会議の議事録につきましては、作成次第、委員の皆様にメールにて御確認をいただきまして、非公開である議題4に係る箇所を除いて文部科学省のウェブサイトに掲載をさせていただきます。本日の配付資料につきましても、公開可能なもののみを文科省のウェブサイトに公開いたします。
以上でございます。
【網塚部会長】 ありがとうございます。いつも議事録が送られてきますと、あ、こんなしゃべり方をしていたのかということで相当直させていただいておりますが、いつもありがとうございます。
皆様、最後に何かございますか、コメント。よろしいですか。
それでは、今年最後ではないかと思いますけれども、皆様、本日もどうもありがとうございました。よいお年をお迎えください。
以上をもちまして、第32回研究開発基盤部会を閉会いたします。本日はどうもありがとうございました。
―― 了 ――
科学技術・学術政策局 参事官(研究環境担当)付