令和6年6月21日(金曜日)10時00分~12時00分
オンライン開催
網塚部会長、高橋部会長代理、雨宮委員、飯田委員、伊藤委員、江端委員、岡田委員、岡部委員、上西委員、上村委員、鳴瀧委員、宮下委員
(事務局)科学技術・学術政策局 研究環境課 課長 稲田剛毅、専門職 田邉彩乃
【網塚部会長】 10時になりました。皆様、おはようございます。お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。ただいまから、第25回科学技術・学術審議会研究開発基盤部会を開催いたします。
それでは、まず、事務局から本日の出欠と資料の確認などをお願いいたします。
【田邉専門職】 研究環境課の田邉でございます。本日もよろしくお願いいたします。
本日の御出欠ですが、13名の委員の先生方全員に御出席いただいております。ありがとうございます。
続きまして、資料の確認をさせていただきます。配付資料につきましては、議事次第、資料1と2をPDFにて委員の皆様にお届けしております。説明の際は、zoomの画面上に投影するようにいたしますが、見えにくい場合は、適宜、お手元の資料を御覧いただければと思います。
また、いつものことになりますけれども、オンライン会議の留意事項ということで、御発言されるとき以外は、マイクをミュートでお願いいたします。御発言される際は、「手を挙げる」をクリックしていただき、部会長の指名をお待ちください。指名があり次第、ミュート解除にて御発言ください。
議事録作成のため、速記者を入れておりますので、御発言の際には、お名前を言ってから、御発言をお願いいたします。
不具合等ございましたら、事前にお知らせしている事務局の電話番号にお電話いただければと思います。よろしくお願いいたします。
以上です。
【網塚部会長】 どうもありがとうございます。
それでは、早速議事に入りたいと思います。議題(1)先端研究設備・機器の共用推進についてです。
資料1について、まず、事務局より説明をお願いいたします。
【田邉専門職】 事務局でございます。まずは、直近で共用ガイドラインのフォローアップ調査を実施させていただきましたので、その結果について、簡単に御報告させていただければと思います。
次のページですけれども、「科学技術・イノベーション基本計画」において、2022年度から大学等が研究設備・機器の組織内外への共用方針を策定・公表するということが求められているところです。我々といたしましては、ガイドラインを策定しておりますので、こちらを踏まえて大学等に御対応いただければというふうに考えておりますけれども、現在の対応状況がどうなっているかというところを確認させていただくという意味で、今回の調査をさせていただきました。こちらの調査については、令和4年度末にも調査をさせていただいておりまして、その際の結果もこの部会の中で御報告させていただいたところではありますが、その時点では令和5年度末までに対応するというような回答が多数であったということも踏まえまして、令和5年度末を過ぎたところで、その時点での対応状況というものを改めて調査させていただいたというのが、今回の調査の内容となっております。
国立大学と、大学共同利用機関法人、国立研究開発法人に対して調査を実施しておりまして、今回の調査では全機関から回答をいただいております。質問は三つございまして、調査結果としてこちらのグラフにまとめさせていただいているとおりの内容となっております。調査対象の機関を全部まとめた結果として、ほとんどが国立大学になりますので国立大学の結果が反映されているような形にはなっておりますが、大体のところが、共用方針の策定であるとか、共用ガイドラインで求めている戦略的設備整備・運用計画の策定であるとか、あとは経営戦略において共用の推進を位置づけているかというようなことに対して、対応済みであるというところがかなり増えているところです。検討中というところも多く、未着手は1割程度になっているという状況です。
次のページなんですけれど、こちらは、国立大学にフォーカスして、前回のR4年の調査のときとの比較というところをまとめさせていただいております。先ほど申し上げましたとおりではあるんですけれども、R5年度末までに実施予定としていた機関のほとんどで対応が取られて、実施済みの機関が大きく増加しているところです。現時点で令和6年度末までに対応しますという回答をしている機関と合わせますと、約8割の機関が共用化の取組を着実に進めていると言えるのではないかというような結果になっております。一方で、今回の調査で各設問に対して未着手と回答した機関が約1割ございますけれども、そのうちの約8割程度のところは、その理由として、研究設備・機器がない、非常に少ないという回答をしておりまして、具体的には、教育大学とか、そういった大学になっております。そういったところではなかなか、やれと言われてもというところはあるのかなという感じではありますが、主に理系の学部を持っていて研究設備・機器をたくさん持っているようなところでは、ほとんどのところがこういった、ある意味、表面的なところではあるのですが、そういった部分では着実に共用化を進めているというふうに言えるのではないかというような結果になっております。
以上です。
【網塚部会長】 どうもありがとうございます。
ただいまの事務局からの御説明を踏まえまして、何か御質問などございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
私から質問いたしますと、今の未着手という大学ですけれども、数字としては1割ぐらいになりますでしょうか。
【田邉専門職】 そうですね。実際の数字としては、こちらのグラフにあるとおり、このグラフですとブルーのところで、共用方針を策定・公表しているかどうかというところは未着手なところが11.6%で、ガイドラインにある戦略的設備整備・運用計画の策定で未着手なところが15.1%、経営戦略での位置づけというところは14%が未着手とになっていまして、全てがいわゆる教育系の大学だけというわけではなくて、当然、もうちょっとほかの大学も含まれてはいるんですけれど、その中の大半は、研究設備・機器はほとんどないというような大学になっているところかと思います。
【網塚部会長】 ありがとうございます。
あと、気になるのは、策定することはできるのですけれども、実際、各大学・機関の中で皆さんそれを十分に意識して運営を行っているかというところが、次の課題のように思います。そのとおりに実施しようとする案をつくろうとすると、結構いろいろと細かな点で様々な意見が出てきて、すり合わせるのになかなか時間がかかるものだなと思っております。全学的にいろいろな意見を集めて、それに合う形で計画をつくっていくのは改めて大変な作業だなと、私自身やっていて思っているところです。
上西委員、御意見いただけるということで、よろしくお願いします。
【上西委員】 この図を見てちょっと不思議に思ったんですけれども、Q3で経営戦略における共用の推進の位置づけというところで83%が位置付けているということなのに、Q1の共用方針の策定・公表してないのが68%になっています。経営戦略に共用の推進を位置づけておきながら共用方針を策定してないところが結構あるというように見えるんですけど、それはどのように考えればよろしいのですか。
【田邉専門職】 我々のほうで詳細な分析ができているわけでもないんですけれども、一部の大学では、位置づけとしては共用を進めるということは経営戦略の中にも盛り込んでいるということではあるけれど、それを具体的にどうしていくかというところはまだこれから検討をしていくというようなところもございますので、そういったところがこういった結果に反映されているのかなと少し考えております。先ほど部会長のほうから具体的に本当に本気でどうやっていくのかということを考えるとなかなか難しい部分もあるというような御説明をいただいたかと思いますけれど、そういったところが少し表れているのかなあというふうに考えております。
【上西委員】 本当の意味で経営戦略に位置づけているかどうかというのはかなり疑問があると、そういう理解でよろしいでしょうか?
【田邉専門職】 そうですね。どういうレベルで位置づけができているかというところまでは、ちょっとこの調査結果からは表れていないと。分からない部分があるというところです。
【上西委員】 分かりました。ありがとうございました。
【網塚部会長】 ありがとうございます。
ただいまの御質問、北大も、実はQ1は、ほぼ策定しているのですけど、公表一歩手前のところで止まっています。設備共用のことを念頭に策定していたのですが、技術支援本部、技術職員の組織改革を今行っているところで、技術職員の人材育成のことまでこのガイドラインに盛り込むことになり、調整に時間かかっています。ただ一方で、Q3にあるような部分については、もう中期目標・中期計画の中に書き込んでいて、大学の経営戦略の一環としてコアファシリティを運営する、研究基盤マネジメントサイクルを回すということはうたってます。そのように、経営戦略に十分位置づけているという意味では、Q1はまだだけれども、Q3はイエスというような回答になるケースはあります。
【上西委員】 ありがとうございました。
【網塚部会長】 ほか、皆様からいかがでしょうか。
江端委員、お願いします。
【江端委員】 ありがとうございます。今の上西委員の御質問に関係するところですが、Q3の経営戦略というのは何を指しているのかというところが少し具体的に見えるとよいと思いました。網塚部会長から中期目標・中期計画という言葉が出ましたが、それも一つの国立大学の経営戦略というような形になると思いますし、各大学で申請されている経営改革に関する文科省の事業、あるいは研究大学の強化事業みたいなところでそういった戦略というものは策定されるというのが一般的ですので、そういうところでも位置づけられていると認識されているのかどうか。それが分かると、実効性のある経営戦略、実効性というか、即効性のある経営戦略に反映されているかどうかが見える化できると思いました。今後調査していただく際には、その辺のどういったレベルの戦略になるのか、経営戦略といってもいろんなレベルのものがあるので、具体的にどこなのかというところを質問していただけると、大学の中にどの程度浸透しているかどうかというのが見えるようになると思いましたので、ぜひ御検討ください。
よろしくお願いします。
【網塚部会長】 ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。
特にないようでしたら、続きまして、資料2について、事務局より御説明をお願いいたします。
【田邉専門職】 事務局でございます。続きまして、前々回から御議論いただいております先端研究設備・機器の共同推進に係る論点整理(案)ということで、こちらについて御説明させていただきます。こちらにつきましては、4月の部会のときに御説明させていただきましたとおり、2回ほど御議論いただきまして、今回の部会でこちらの内容について中間的にまとめということで、本日御審議いただき、一旦、取りまとめという形にさせていただければというふうに考えております。資料の内容につきましては、前回の部会でいただきました意見を反映させていただく形で更新しておりますので、その部分を中心に御説明をさせていただきます。
まず、9ページのところに飛んでいただくと、更新部分は基本的に網かけさせていただいているんですけれども、こちらはちょっと網かけが落ちてしまっているのですが、最後の丸のところで、先ほど御紹介させていただいたガイドラインのフォローアップの調査の結果を踏まえた形で、少しデータを更新させていただいているところです。
続きまして、11ページになります。前回の部会の中で、機器メーカーと大学等の連携推進というところで、利益相反や秘密保持などの観点について御意見をいただいたところですので、その点について追記をさせていただいております。
まず、官学連携という意味では、「組織」対「組織」の共同研究を進める上での手引きとなる「産学官連携による共同研究強化のためのガイドライン」といったものが平成28年に策定されておりまして、こちらは共同研究を進める上でのガイドラインというものにはなるんですけれども、産学連携という意味ではこういったものが参考となるのではないかということがまず一つあるかと思いまして、そちらを書かせていただいております。
また、こちらで今求められているような共用の場などを核とした連携については、公表されている事例が少なく、取組も進みにくいといったようなこともありますので、事例の収集とその周知を改めて図っていくというようなことが連携促進に向けた対応として必要ではないかということで、このように記載させていただきました。
「産学官連携による共同研究強化のためのガイドライン」につきまして、その概要を後ろにつけさせていただいておりますので、簡単に御紹介させていただければと思います。
39ページになります。大変有名なものですので御存じの方も多いかと思うんですけれど、少し御紹介させていただきます。
まず、こちらですが、平成28年に、産業界から見た、大学・研究開発法人が産学連携機能を強化する上での課題とそれに対する処方箋をまとめたガイドラインということで策定されております。内容としてはこちらの表にあるような項目について網羅的に書かれているものですが、例えば、この中の1ポツの3)知というところにリスクマネジメント強化というものがあるんですが、こういったところに利益相反であるとか営業秘密管理に関するようなことについて記載がなされております。また、こちらのガイドラインですが、平成28年に策定された後、様々、続きの資料ができております。
次のページになりますが、まず、2020年6月に、こちらのガイドラインを実現する上でボトルネックがあるということで、そのボトルネック解消に向けた処方箋と、新たに産業界/企業における課題と処方箋についてまとめたものが、さらに策定されております。こちらの中では、例えば、オレンジの枠のところにありますように、産学官連携を「コスト」ではなく「価値」への投資として捉え、知を価値づけする手法を整理するということで、大学の知に対する適正な対価が支払われるよう、その手法を整理されております。また、大学発ベンチャーも含む形での連携への対処方針というようなことも書かれたりしているようなものになっております。
さらに、次のページですが、その後、ハンドブックというものと「大学知財ガバナンスガイドライン」というものが2023年に策定されております。まず、ハンドブックのほうでは、さらに大学の知の価値を評価・算出する方法を実務的な水準まで掘り下げて整理されているようなものになっております。「大学知財ガバナンスガイドライン」のほうにつきましては、その名とおり、大学における知財マネジメントと知財ガバナンスに関する考え方というものが提示されたものになっております。全体を通して、いろいろなものが出ているんですけれど、かなり具体的な事例など多数掲載されておりまして、かなりボリュームのあるものになっております。これまでの産学連携の知見がかなり蓄積されているものかなというふうに思いますので、こういったものも参考になるのではないかと思いますので、困りごとがあれば、こういったものを参照していただくということも大事かなというふうに考えております。
資料、戻っていただきまして、続きまして、12ページになります。こちらも論点整理の更新点でございますけれども、コアファシリティ化の、あらゆる取組全てを高いレベルで実施することは困難であり、分業を進めていくことが必要であるというような御意見いただいておりましたので、その観点での記載を少しさせていただきました。特に、一定程度の実績が認められる機関、例えば、ここで実施いただきました中間評価でしっかりと評価されているような取組が行われているような機関のリーダーシップの下で、例えば、研究基盤IRや予約管理システムの構築ですとか、人材育成など、こういったことについて分業を進めていくことも必要であろうかということで、このように記載させていただきました。
続きまして、13ページです。事例の横展開についてですけれど、うまく進んでいないというところで、資料等で好事例が紹介されるだけでは本質的なところが分かりにくく、取組に生かすことが難しいといったような声もございますので、事例を分析したり、さらに背景やポイントを詳細化したりとか、各事例の問合せ先なんかを明らかにするといったようなことも必要ではないかということを書き加えさせていただきました。
続きまして、14ページになります。目指すべき方向性のところでエコシステム形成というものも打ち出させていただいておりますけれども、この部分に関しては、具体的にどういったことをまず着手いくべきかというところを少し書き加えさせていただいております。ということで、このようなエコシステムの形成に向けて、直ちに、共用の場やネットワークでの機器メーカーと連携した共用機器の運用であるとか、実証の場としての活用、次世代人材育成等のモデルケースの構築といったようなことに着手することが必要ではないかということで、このように記載させていただきました。
続きまして、15ページです。こちらの現場課題の解決と全体を底上げする仕組みの構築という部分につきましても、同じ観点で少し追記をさせていただいております。ということで、まずは共用システムの個々の取組について一定の成果を上げている機関のリーダーシップの下で機関ネットワークの構築であるとか、全国の共用システム等の見える化といったことに直ちに取り組み、我が国全体でのさらなる効果的・効率的な共用化を促進するということが必要ではないかということで、少し追記をさせていただきました。
最後のページになります。本日までいろいろと御意見をいただき、それを反映してきたところではございますけれど、まだ議論が尽くされていないかなと思われるような点もございましたので、その部分を引き続き検討が必要な事項として、一旦まとめさせていただきました。
まず、1点目は、エコシステムやネットワークに求められる機能や活動、あるいは特に国が支援すべき部分といったようなところについては具体的な検討がさらに必要かということで、記載させていただいております。
2点目ですけれど、最先端を追求すべき部分ということについて、かなり御意見をいただいているところですが、あまり十分な議論とこの資料への反映というところができていないところでありますけれど、こういったことについては、これまで中心的に議論されてきたベーシックを充実させるということとは別に、今後、議論を深めることが必要であろうかということで、こちらに記載させていただきました。特に、国内有数の大型先端研究施設・設備につきましては、イノベーション創出の促進を目的として、これまでプラットフォーム化を進めてきたところです。事業として先端研究設備プラットフォームプログラムを実施してきておりまして、現在、御承知のとおり、高磁場NMR、顕微イメージング、パワーレーザー、研究用MRIのプラットフォームを支援しているところでございますけれど、今後、こういったものについて、どうしていくべきかというところをより掘り下げて御議論いただくことが必要かなというふうに考えております。特に、重点分野につきましては、それぞれの分野の戦略の下で様々なことが議論され、様々な施策が進んでいるところです。例えば、マテリアルであればARIMのプラットフォームがございますし、ライフの分野では御存じのとおりBINDSというものがございます。こういったものも分野ごとには進められているといったことも踏まえた上で、本部会のスコープではどうしていくべきかというところを今後掘り下げて御検討いただければというふうに考えております。
以上となります。
【網塚部会長】 どうもありがとうございます。
それでは、これまでの説明を踏まえた議論に入りたいと思います。本日のところは、中間まとめを取りまとめるに当たりまして、これまでの議論に、さらに追加する点、あるいは強調される点などがございましたら、いただけたらと思います。今、ここに示されているような観点に絡めてということでも、それ以外でも、比較的御自由に御発言いただいてよろしいかと思います。
また慣例によりまして名簿順に一言ずついただいて、その後、もし皆さんでどこかポイントを絞って御議論いただくことがありましたら改めて御意見いただきたいと思いますが、いつも最初で恐縮ですけれども、雨宮先生、よろしいでしょうかね。
【雨宮委員】 承知しました。雨宮です。
2回の議論を経て、すごくまとめてくださっているので、これ以上何か追加すべきということは私としては思いつかないのですが、コメントといいますか、ある意味、自画自賛の部分もあるのですけれども、例えば12ページを見ていて思ったことを……。
一番下のところ、新たに加えてくださったところですけれども、特に大学の研究者というのは、自分のところで全てやろうとしがちなところがあるので、そういう意味ではこういった、ある機関のリーダーシップの下、分業を進めていくというようなことを書いていただいているというのは、ある意味、画期的かなと思ったところです。非常に重要なポイントかなと思います。
あと、16ページ、最後に示していただいてたところで、確かにここについてはこれから議論をしていくところで、今日何か話せるような内容ではないような気もしますが、ちょっと思ったのは、例えば、三つ目のプラットフォーム化というのは、例のプラットフォームの事業をやっていて進めているところだと思うんですけれども、ああいったのは、プラットフォームの事業を始めます、プログラムを始めますといって公募して、応募していただいて、審査して何件か採択してということなんですが、そういった方法でできることというのはどうしても限られてくると思うので、ちょっと言葉はきついですけれども、そういう旧来のやり方が必ずしも機能しないときもあると思うので、新しいやり方を考えていかなきゃいけないのかなというふうに思います。今日の時点で何かアイデアがあるわけではないのですが、コメントをさせていただきました。どうもありがとうございます。
以上です。
【網塚部会長】 どうもありがとうございます。
ただいまの雨宮委員の御発言について、何か御質問などございますでしょうか。
よろしいですかね。
特にないようでしたら、続きまして、飯田委員、お願いしてよろしいでしょうか。
【飯田委員】 ありがとうございます。飯田でございます。
まとめていただいた部分に、私も特に追加すべき点などはございません。非常にきれいにまとめていただいたと思っているところです。
その上でコメントさせていただくとすれば、14ページの「目指すべき方向性」の冒頭のところにありますように、現在構築されつつある共用の場やネットワークを活用してさらに発展させるという中で、最初の〇の③、④、そして、2つ目の○にあるエコシステム形成の取組というのが、今後の方向性として一つ重要ではないかと思っております。
それを踏まえまして、16ページの「引き続き検討が必要な事項等」の二つ目の○の部分で「今後は、最先端を追求すべき部分について、ベーシックを充実させることとは別に議論を深める」と書いていただき、三つ目の○の「国際的プレゼンスの獲得」や「研究データの利活用」などをキーワードとして、具体化のお話をさせていただければと思います。例えば、JSTの支援を得て多くの非常に優れた研究がなされていると思います。一定の成果が出ているものの中から、最先端、国際的プレゼンスの獲得の視点でテーマを選び、例えば、量子センシングなどの量子技術もその候補ではないかと思っておりますが、複数の研究者がチームになって、この技術を製品化する企業と組んで、技術を使って最先端の論文を出すとともに、技術のブラッシュアップや最先端の製品化に取組み、完成度を高め、それが製品として世に出るときには、これを使った論文も日本の研究者を中心に複数の研究者から発表され、製品発表時に国際的プレゼンスを得る、のような形で、最先端の国際的プレゼンスを獲得して、研究データの利活用でも一歩先を行くというようなことが可能ではないかと思っております。この辺りを引き続き検討させていただければ非常にありがたいと思います。
長くなりましたが、以上でございます。
【網塚部会長】 どうもありがとうございます。
ただいまの飯田委員の御意見につきまして、何か御質問などございますでしょうか。
よろしいですかね。
特にないようでしたら、続きまして、伊藤委員、お願いいたします。
【伊藤委員】 伊藤でございます。中間まとめということでしっかりとまとめていただいて、私としてどうこうということはないのですが、細かい質問で申し訳ないのですけど、15ページを出していただいてよろしいでしょうか。
ありがとうございます。15ページの目指すべき方向性という中でネットワークのイメージという図が下にあるんですけれども、共用システムにネットワークとしてつながっている部分といない部分というのがあると思うんですが、これはあえて意識的につなげていないのか、どうなのかなというのがちょっと気になったので、質問をさせていただきました。
あと、16ページの今後引き続き検討をしていくという事項の中で、追加で感じたことで述べさせていただきますと、グローバルの中において日本がどうしていくのかといった観点をもう少し議論してもいいのかなというふうに感じております。先端研究設備あるいは共用推進の動きというのは恐らく海外においても時代とともに変わってきているというような中において、日本は、どういったところで特徴を出して、どうやって強みにしていくのか、それをどのような形で国に御支援いただけるのかといったような議論というのは、今後、少ししていってもいいのかなということを追加で感じました。
以上でございます。
【網塚部会長】 どうもありがとうございます。
伊藤委員より御質問をいただきましたが、いかがでしょうか。
【田邉専門職】 事務局より、お答えさせていただきます。
15ページの図は我々のところで作らせていただいたものでございますけれども、我々のところで作ったときのイメージとしては、ネットワークがつながっていないところは、意図的にそのように描かせていただいたところです。まずはつながれるところからつながっていただくことが必要かなということで、いろんなタイプ、例えば、地域であるとか、分野であるとか、何らかのプラットフォームであるとか、何かのまとまりの中でつながっていっていただくということと、そこからどうしても漏れるようなところもあるかなあと思っているということで、こういうふうに図を描かせていただきました。ただ、そこはネットワークから漏れた形でいいというわけではなくて、そういうものも含めて全体に横串を刺せればいいなというふうに考えているところでして、全体に横串を刺す取組として、例えば、全国の共用システム、ネットワーク、プラットフォームの見える化みたいなところを描かせていただいておりますけれども、その中でネットワークにつながっていないものも含めて全体を見える化するということで、外から見ると、単独であるもの、あるいはネットワークであるものが例えば一覧化して全て見えるようになっていくことがまず必要かなというふうに考えながら、こういった図を作成させていただいたところです。
以上です。
【伊藤委員】 御説明ありがとうございました。意図は理解できました。ただ、目指すべき方向性といったところになるので、全体的に、包括的に、見えている、つながっているみたいな、あえてオープン・クローズ戦略を取られているというようなところがより絵で分かるといいのかなというのは感じました。
【田邉専門職】 承知しました。ちょっと工夫させていただきたいと思います。ありがとうございます。
【伊藤委員】 表現は難しいかもしれませんが、御検討いただければ幸いでございます。
【田邉専門職】 承知いたしました。
【網塚部会長】 ありがとうございます。確かにそうですね。共用システムと書いてしまうと、システムとネットワークという、インターネット上での連携のような、ソフトウエアのシステム間の連携のように見えてしまいます。地域ネットワークというのはそういうものでもいいのかもしれませんが、例えば、代表機関でつくった大きなシステムの中にそれぞれの大学の中の共用設備が登録されて入るようなイメージで、私が時々お話ししていた分野ネットワークというのは、それぞれの小さな丸の共用システムも大きなところの共用システムも、その中の一部のある分野に必要な設備が一つのどこかのウェブサイト等に集約化されて見える化するというようなイメージなので、各拠点の共用システムが丸々分野ネットワークでつながるというイメージではありません。ちょっとそのあたりは、絵の描き方に少し工夫の余地があるのかなと思いました。
ほか、皆さんからいかがでしょうか。
よろしいですか。
それでは、続きまして、江端委員、お願いいたします。
【江端委員】 ありがとうございます。前回の指摘を踏まえて、追記していただきまとめていただいたのですが、あえて少し強調したいところを改めてお話しさせていただきたいと思います。
まず、1点目は、12ページの雨宮委員が御指摘されたところで、こういった分業でやっていくという考え方というのは、今、非常に求められている形だと思います。文科省さんのほかの事業を拝見しても、そういう意図というか、考えが必要だと思っていても、機関ごとに、集中投下・投資するというような形になっていて、そこが連携して横につながっていくようなところへの支援が、なかなか難しいというところもありますので、ある意味、そういったリーダーというものをきちんと定めた上での、共用システムの新たな展開を目指すというのは、非常にいい方向だと思っております。
また、16ページの引き続き検討が必要な事項を改めて拝見していて思ったのですが、課題には利用料収入で装置の維持・管理は難しいということが幾つか書いてあった一方で、難しいのはそうなのですが、どういったアクションを取るべきかという次なる議論ができておらず、共用政策に長年関わっていますが、この点について議論が進まずに終了してしまっています。自走というのはどのような形で皆さん考えているのか、先ほどお話があったBINDSや、ARIMといった事業で料金設定も様々検討されているということもありますし、共用ガイドラインでも料金設定については新たな視点を入れて、こういう料金設定の仕方があるんだよということは示しているものの、大学の中でそれがなかなか進まない事情がずっと残ったままです。したがって、引き続き検討が必要な事項で、共用ガイドラインでも財務の視点という言い方で記載がありましたが、財務的な考え方の隘路をしっかりと整理していくということは、本部会で議論してまとめていく必要があるのではないかと思っております。学内利用の考え方や学外利用の考え方、学外の料金設定だったらペイする仕組みは何とかできるが、大学としては学内の先生方あるいは学生さんに対するサービスという視点での共用というのもありますから、どうしても大学ではペイしない構造になってしまうというところもありますので、その点も踏まえての財務的な視点の検討というのは改めて強調して書いていただきたいなと思います。
最後に、伊藤委員が少しお話しされましたが、海外の事例という話はぜひとも調査をすべきと思います。というのは、本部会の委員の先生方はもう既に海外の事情はよく御存じで、部会でも、こういう状況だよということはお話しいただけるのですが、実際にどういう状況にあるのかとか、具体的にどういったエビデンスとして参照できる状況がなかなか作ることができておりません。海外と比較してどうなのかという議論をまとめるためにも、ぜひ文科省さんのほうでしっかりと調査を進めていただきたいと思いますので、引き続き検討が必要な事項というところに追記していただければと思います。
私からは、以上です。ありがとうございます。
【網塚部会長】 どうもありがとうございました。
ただいまの御意見について、何か御発言ございますでしょうか。
よろしいですか。
それでは、続きまして、岡田委員、お願いいたします。
【岡田委員】 いろいろ難しい課題がたくさんある中、非常にたくさんの議論を踏まえてうまくまとめていただいていると思うのですが、10ページのところにどうしていくべきかという課題を非常にクリアにまとめていただいていると思いますし、以降のページにおいては、これに対するアンサーという形で提言がまとめられているという構造だと思うんですけれども、この丸の中で、1番目は人材の問題で、2番目が開発の問題で、3番目が利用の問題でというように続いていると思うのですが、特に3番目の利用については非常に、この後のところで議論が進められています。人材についてもある程度メンションされていると思うんですけれども、一方で2番目の開発の部分というのは、どうしても今回のこの提言では弱い部分があるのかなというふうに思っています。そもそも論で言うと、ここの中でも、技術を開発し、活用しながら汎用化していくという仕組みが限られていて難しいということがうたわれている。ここの部分は多分、すごく難しいけれども本質的な部分で、というのは、開発と共用って本来的にはあんまりマッチがよくないんですね。例えば、共用事業として最先端の機器を買いましたと。でも、それを開発のために改造するので、しばらくマシンは止めますと。しかも、半年ぐらいたって失敗して壊しちゃいましたとかというのは、共用事業として許されるかというと、多分それはアウトなので、結局、そういう活動って非常に難しいということになると思うんです。実際、海外の事例なんかでも、開発と共用は分かれていることが多くて、開発している研究室で開発した成果をそのまま共用するんじゃなくて、すぐ横に次のチームがいて、それをベースに汎用機を造って、それを共用するというようなやり方というのがよく行われているんですけど、そういう視点とか、しかも15ページぐらいのところにネットワークの図があったと思うのですが、15ページにあったようなネットワークの図のところで、そういうのをどこか限られたファシリティ、コアファシリティのようなところにだけそういう権能を持たせるのか。それとも、研究開発というのは幅広くいろんなところで草の根的に行われるほうが新しいものが出てくる芽が高いということを考えると、もっといろいろな大学等の研究機関で行えるようにするということを考えると、そういうのをどういうふうに、今度は開発面のほうを統合しながら最終的にこの共用のネットワークのシステムの中に組み入れていくかというのはすごく難しい問題だと思うんですけど、多分、今回、答えが出る問題じゃないと思うんですが、でも、それについて考えていく必要があるというようなことはもう少し、目指すべき方向性のところで追加があってもいいかなというように思いました。
以上です。
【網塚部会長】 ありがとうございます。
それでは、ただいまの岡田委員からの御意見について、何か御発言ございますでしょうか。
特にないようでしたら、続きまして、岡部委員、お願いいたします。
【岡部委員】 1年間勉強させていただいて、大変勉強になりましたし、資料はこれでまとめられるで構わないと思うんですが、文科省さんは優しいというか、大学の現場のことを見ながら、この資料、ボトムアップにまとめられていると思うんですね。ただ、中央なので、もっと現場を無視してトップダウン的にやらないと、現場は、レガシーがあるので、どうしても引きずられちゃうんですね。トップダウン的に考えたときに、共用化って二つの側面があると思っていて、一つは、これからを担っていく若手学生の教育的な人材育成。これ、教育といっても、いわゆる技官さんのじゃなくて、学生教育という意味ですね。もう一つは、研究で書かれているような、持続的イノベーション、国際競争力強化。こういう教育と研究という、二つのピラーがあるんじゃないかと思っています。
その点から、私としては、今回、これは書いていただくかどうかは別として、四つの提言があって、一つは、教育と研究を分離すべきだと思っていて、学生教育、それがたとえドクターの学生でも、教育と最先端研究というのは分離されるべきだと思っています。もう一つは、民間のマインドマネジメントをきっちり導入すべきだと思っていて、使用率・稼働率の悪いような装置というのを抱え込む必要があるのかということですね。そもそも、大学の事務が共用施設のマネジメントをやる必要があるのかと。国鉄と一緒で、民間を導入すべきなんじゃないかということです。それともう一つは、今の話にもなりますけど、選択と集中ですね。要らない装置まで抱える必要はないわけで、要る装置を選択していくし、要る人材にちゃんとシャープに絞る。それと、競争原理ですね。共用システムはいいけど、そこにはちゃんと競争があるべきで、成果を出せない共用システムチームは退場してもらう。ダイバージェンスと言われていますけど、ダイバージェンスというのは出入りがあることダイバージェンスと言うわけで、やはり競争原理の導入ですね。
まとめると、教育と研究を充実させるためには、教育と研究の分離、民間のマインドマネジメントの導入、選択と集中、競争原理の導入といったような、ちょっとトップダウン的な目線があってもいいのではないかなあと。多分、民間の方は結構納得しても、大学の先生は敵に回すかもしれませんけど、納得してもらえるんじゃないかなあと思います。
以上です。
【網塚部会長】 どうもありがとうございました。
ただいまの御意見につきまして、何か御発言ございますでしょうか。
よろしいですか。
それでは、続きまして、上西委員、お願いいたします。
【上西委員】 上西です。皆さんが言われたように、大変よく論点が整理されているので、私からも特に言うことはないんですけれども、あえて言うとすると、13ページに新たに付け加えていただいているところですね。ここに書かれているように、事例の横展開というのは、事例を分析して背景やポイントを詳細化するとか、問合せ先を明記するとかということで、それはそれで、効果的かなと思いますけども、一方では、このページの上のところに共用現場で共通的に見られる課題をたくさん挙げておられますが、これらは、現場の課題ということでもあるかもしれませんけれども、大学経営、研究機関の経営課題でもあるわけで、この経営課題を解決した機関にとっては、その解決方法とか、ノウハウとか、そのために築いてきた組織力とかいうのは、その機関にとっては貴重な、競争力の源泉になるような、知的財産でもあるのだと思うんです。それを底上げのためにオープン化するということであれば、その組織に対する何らかのインセンティブなりがないと、細かい、具体的なところまで本当にオープンにできるかというと、そうでもない部分があるのかなあというところをちょっと感じております。15ページの目指す方向性のところで、全体を底上げする仕組みの中に、研究者のインセンティブだけじゃなくて、組織のインセンティブ、すなわち共用化に関する知的財産的なものをオープンにするインセンティブの設計があってもいいのかなというふうに思いました。
以上です。
【網塚部会長】 どうもありがとうございます。
皆様から、何か御質問などございますでしょうか。
よろしいですか。ありがとうございます。
それでは、続きまして、上村委員、お願いいたします。
【上村委員】 どうもありがとうございます。私、二、三日前に文科省のライフサイエンス委員会に出ておりまして、今日はここで、両方に出ているのが私だけということもありまして、そのときに申し上げたことと同じことを話すことになると思うんですけど、私、AMEDのBINDS事業で、第1期の5年間と、今、第2期の5年間に入っているのですが、両方ともPOをやっておりまして、実は第1期では5年間で3,000件ぐらいの支援をしてきたんですね。第2期に入りますと、もう今の時点で3,000件を超えてしまっているんです。クライオEMとか、先ほど岡部先生からも話がありましたように最先端の話をやっていて、私の場合、企業の出身なので教育のほうはあまりファミリアではないんですけど、いわゆる最先端研究ということに関しましては、一つのクライオEMでいわゆる論文数を、サーモフィッシャーというCryo-EMを造っている企業が、日本が一番、生産性が高いといいますか、一台あたり論文数を出している、世界で一番効率的というふうにおっしゃっているんですけど、それは、台数が少ないから、みんなでシェアしているというところもあるんですね。ですから、価格の高額な機器に関しては、今、日本電子もありますし、サーモフィッシャーは円安ですごい値段になってしまっていて、決して日本電子でも安価ではなくて、やっぱり数十億程度のものになってしまうわけです。そういうものに関しましては、まだまだ数が足りないというところがございます。ですから、その辺を文科省さんのほうから、課を超えて、ライフサイエンス課と研究環境課とのコラボレーションといいますか、タイトな情報の交換と方策の更新というものを文科省としてイニシアチブを取っていく必要はすごくあるんじゃないかなというふうに考えております。
それから、機器更新に関しましても、非常に古いものになってきてしまって、よく言われることなんですけど、同時に入れているんですよね。BINDSとかも、始まったときに同時に購入した分注機は、同じように古くなってしまうわけですね。そうなった場合、後継機種というのを買うときに、どういうふうに更新していくかって非常に重要で、それも各機関に任せるのは難しいと思うんですね。ですから、国として、その辺の統一した見解に基づくイニシアチブを取っていくというのは非常に重要じゃないかなというふうに思います。
それから、先ほど江端先生がおっしゃっておられましたように、財務的な観点というのが非常に重要なわけです。そういう大きいところというのは税金を使って入れるしかないんですけど、機器のランニングコストとかって、先ほどもちょっと申しましたけれども、BINDSの場合も物すごくランニングコストがかかるんですけど、医学部の先生の中には、自分では何も実験しなくて、BINDSを渡り歩くように支援申請をして支援を受けている人がおられます。そういう人たちというのは、CRO代わりにBINDSのいわゆる一流の先生たちの支援を受けて、いろいろ渡り歩いてやっているというところがあるので、そういう方たちから、受益者負担といいますか、ある程度、お金を取っていくというシステムがない、論文のほとんどがBINDS支援で成しえた結果で論文を出してしまうという、あまりお勧めできないようなやり方はいかがなものかと思います。お金を払ってやるとなると支援申請も本当にやってほしいアイテムのみを選択するようになりますので、そういう運用はやはり必要だと思います。
ただ、大学によっては、そういうお金を受け入れるところがないようなシステムのところもあるんですよ。今、そこがすごくネックになっていて、そうなると、例えば、原材料費で買ってもらって、物をその先生にお渡しするとか、そんなことをしなきゃいけなくなっていて、それじゃあ両方が手間ですよね。ですから、その辺は、ちゃんとお金を受け入れられるようなシステムを各大学が、ほかからの原材料費とか、そういうものを受け入れられるような話にしていかないと、そもそも受益者負担を進めるあれにはならないんですね。そこのところは、このシステムとして非常にクリティカルな部分じゃないかなというふうに考えております。ですから、ちゃんと統一した形で、各大学が同じような形で、明朗会計ができるような形で受皿を用意する必要があるのではないかなと。非常に重要な問題でして、昨日もBINDSのPS・PO会議で私のほうから提言いたしまして、そういうような形で課題がまだ今のところはあるんですけれども、ここをオーバーカムしない限りは、全てのところから受注を受けるというのは難しいんじゃないかなというふうに思っております。
もう一つは、データの話なんですが、私のほうも非常にデータベースということの重要性を申し上げてきたのですけど、データに関して、例えば遺伝子データとかを取るときには、もちろんマテリアルのほうとは関係ないのですが、ヒトのデータとかは非常に重要で、そのデータを取る統合プロジェクトというのがAMEDのほうで立ち上がっているのですけど、それは、機械に対するお金は全く出ずに、いわゆる調整費でコアファシリティなりのBINDSの機械を使ってやってくださいと。ですから、測定機器のお金は出ないんですよ。そうなりますとBINDSのコアファシリティの測定機器を用いるというのがますます重要になってくるわけです。そこから出るデータに関しましても重要なわけで、ヒトのデータに関しますと、御存じのように個人のELSIという問題が出てくるわけですね。そこのところも、AMEDのいろんなプロジェクトで、厳し過ぎるようにやっているところとか、そうじゃないところもありまして、これは、今、AMEDのほうで、ゲノムの統合プロジェクトのほうを基軸といたしまして、全てのプロジェクトを統一するようなAMEDのシステムを三島理事長がトップダウンでやるようになってますけれども、ELSIを、必要以上に厳し過ぎちゃうと、アプロプリエートのデータの運営にならなくて、研究がすごくやりにくくなっちゃうんですね。だから、そこもとても必要だと思いますので、教育のほうは機関でやっていただくのが必要だと思うんですけど、統一的見解というのは国の方針として出していっていただくというのが重要かなと思って、この方向性というところに、これからの課題、16ページのほうに課題と書いてありますが、その辺の国のリーダーシップというんですか、そこのところを非常に私としては求めたいなと思いました。
長くなりまして、すみません。以上です。
【網塚部会長】 どうもありがとうございました。
ただいまの御発言について、何か御質問などございますでしょうか。
お金を受け入れられなかったとおっしゃったのは、具体的には、機関で受託した業務について、その対価を得るための会計上のシステムが機関になかったということですか。
【上村委員】 そうです。中ではいいんですけど、外から受けるということがBINDSの場合は重要になってきますので、学内で回す分にはあるんですが、外から受け入れられるシステムがないところが結構あって、だから、つくってくださいってお願いして、つくってくださったところはいいんですけど、やっぱり駄目というところもあって、そうなると、原材料を買ってそこに渡すというか、そういう別のシステムになってしまうんですね。それは、原材料を買うほうも大変ですし、受け入れるほうも自分で受注できるような形にしたほうが、いわゆるシェアリングするときに、ここのところをシェアリングというわけにいかないわけですね。だから、その辺は、お金でやり取りできるシステムを、どこの機関もというか、大学も持つような形にするのが一番理想じゃないかと、私は思います。
以上です。
【網塚部会長】 なるほど。ありがとうございます。確かに、設備共用でも、各大学でお金の払い方はいろいろと違っていて、各大学で規定を整備するのも大変なことだと思います。会計システムができていて、学外からそのシステム上で入金手続ができるところと、使った後で個別に銀行振込してもらって処理しているところもあったりして、確かに、おっしゃるように統一的なシステムとしてはまだ確立してないのかなというふうに思います。ありがとうございます。
ほか、皆様から何か御発言ございますでしょうか。
よろしいですか。ありがとうございます。
それでは、続きまして、高橋委員、お願いします。
【高橋部会長代理】 高橋です。うまくまとめていただいて、特に追加はないのですけれども、今日御説明いただいた産学連携のためのガイドラインというところがありますが、本日、江端委員や上村委員からも問題提起がなされたように、このガイドラインがあれば大丈夫ということではなくて、特に学外からの、機器の利用とか、利用料収入とか、そういったところについては、いくらガイドラインがあったとしても悩みながら進めていくことにはなると思うので、その辺り、機器共用に当たって、より具体的な指針などがあると、より動きやすくなるのかなというふうには思いました。
御説明されているように、事例の収集だけではなくて、そのノウハウを、うまくいくような事例というのをもう少し参考にできるような改善ができるといいのかなというふうには思います。
以上です。
【網塚部会長】 どうもありがとうございます。
皆様から、何か御質問などございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
それでは、続きまして、田中委員、お願いいたします。
【田中委員】 田中です。前回出席できなかったところも、きれいにまとまっていまして、どうもありがとうございます。
資料の中で思ったことは、13ページ目になりますけれども、大きなところではないのですが、一番下の「先進的な取組」というところで、実際の取組に生かすために問合せ先を明記することが効果的と書いてあって、これは、問合せが来て、一つ一つ回答するのは大変だろうなあと思いましても、もう少しシステマチックな方法のほうがいいんじゃないかというふうに考えました。ほかにも出てきていましたけれども、事例を横展開するときに先進的なところがリーダーシップを持ってというようなことを書いてありましたので、そこが、何らかの取りまとめをやるとか、分業というところが集中的にこういうことを取り組むというふうにしたほうがいいのかなというふうに考えました。
途中でARIMの事例を出していただいたので、ARIMの例を少しお話しさせていただきますと、15ページのところに代表機関的なシステムというのがほかの機関とシステムでつながっているような形があって、NIMSがARIMでは代表機関的なことをやっているわけですけども、大きな事務局的なものをつくりまして、それが25機関にいろいろな情報を展開しているということになっていますので、方針等も決めたものを25機関にというような形でやっていて、皆さんの足並みをどうにか合わせていくというような。先ほどお話ありましたように、各機関で規定を整備するのにとても時間がかかりますとか、いろいろあるんですけれども、全部のところに同じような機能を持たせるというよりは、分業というのはいい体制ではないかなというふうに考えています。先ほどのお金をどのように集めるかというような方法も、機関ごとのものをみんなで共有して、それをまねしようというようなことをやっていますので、そういうシステムがあればいいのかなと思いました。
あと、上村委員がおっしゃっていたように、同じ機器を同じ時期に機関で入れてしまうと一斉に古くなって全体として困ってしまうというような話も、委員会を設けまして、導入時期が一緒にならないように少しずつ調整しながら、A機関は今年入れて、B機関は次の年というような調整を行って、一斉に古くなるということ何とか避けるようなシステムを構築していますので、そういう形で横につながってやっていけるということはいいのかなと思っています。
それから、途中で人材育成の話が何度か出てきたと思うんですけども、人材育成がうまくいっている機関と、まだまだという機関と、いろいろあると思いますが、人材育成というのは、いいやり方というのを皆さんがだんだんまねしていければいいと思うんですけども、今、危機感を一番感じているのは確保の部分で、人材がどんどん確保できなくなっているのを感じていて、そこはこの部会でどうこう言えるところではないのかもしれないのですが、そもそも分母が小さくなっている中、どれだけ確保できるか。確保したら頑張って育成するしかないんですけど、そこをもう少し書いてもいいのかなと思いました。
私からは、以上です。
【網塚部会長】 どうもありがとうございます。
皆様から、御質問、何かございますでしょうか。
よろしいですかね。
人材確保は確かになかなか大変で、求人広告を出しても応募がなかなかなくて困っているというところがありまして、特に技術支援人材、大学における働き方の改革を進めていかなきゃいけないのかなと思っておりますが、皆さん、いかがでしょうか。御発言ございますか。
よろしいですか。
それでは、鳴瀧委員、お願いしてもよろしいでしょうか。
【鳴瀧委員】 鳴瀧です。ありがとうございます。
論点整理につきましては、前回部会での我々の意見を適切に取り入れていただきまして、非常に充実した網羅的な内容になっていて、よいと思います。私から、特に追加や修正をお願いしたい点はありません。
特に、16ページの2番目で、最先端を追求すべき部分について、要は最先端とベーシックで別に議論を深める必要があるというところを記載いただいたのは非常によかったと思います。というのも、ここがいろいろなところを解決するための足がかりになると感じておりまして、例えば、11ページ目の課題の2番目、データの利活用の仕組み構築に向けた促進が望まれるというところがあるんですけれども、これはやはり、ベーシックな装置と最先端の装置でそれぞれ分けて戦略を考えていく必要があると感じております。例えば、比較的アクセスのしやすい、分光器のような装置ですと、皆さん、データをデータベースに上げてくださいというふうにお願いしたとしても、研究者の側にとっては、それだけだとインセンティブがなく、面倒になるだけという側面もあったりして、そういったベーシックな装置に関しては利用者側のインセンティブを何か付与するような仕組みが必要であると思いますし、最先端の機器に関しましては、例えば、私も参画しておりますけれども、マテリアルDXプロジェクトのような大型プロジェクトで、トップジャーナルに論文を載せる、あるいは良い評価を得るといったことがインセンティブになって、特に、高額機器、最先端機器について戦略的にみんなでデータを集めていこうという動きが一部あります。
もう1点、12ページ目の最後、分業の話ですけれども、私も皆さんと同じで、ここも非常に重要であると感じております。特に、私は大学をこの4月から移ったということもありまして、機器共用に関してではありませんが、例えば大学の予算管理システム一つ取っても、大学間で運用に大分違いがあるというのが見えてまいりまして、ここについてはこっちの大学のほうが使い勝手がよかった等を肌で感じることもありますので、ここで書かれているように、うまくいっている機関の好事例を、そこの大学にユーザーと意思決定者が共に集まって実際にその機関におけるシステムを体験してみて、持ち帰って自分の機関で取り入れていくといった、そういった工夫が有効ではないかと感じました。
以上です。
【網塚部会長】 どうもありがとうございました。
皆様から、御質問などございますでしょうか。
よろしいですか。ありがとうございます。
それでは、お待たせいたしました、宮下委員、お願いいたします。
【宮下委員】 宮下でございます。先生方にいろいろ言っていただいて、私から言うことはほとんどございません。15ページの提言につきましては、非常によく書けていて、結構であります。
16ページのところで少しだけ言わせていただきます。活動で特に国が支援すべき部分の機器更新とか最先端装置の導入というのは、先ほどから先生方がおっしゃいますように、みんなで仕組みを活用しながら提案していって大きいのを導入すればいいと、私は思います。しかしながら、このプログラムでは各大学がITインフラを構築されてきたと思いますが、これはただでは維持できません。大学独自のものをつくられましたら、それをつくった方の雇用のお金と、それから、IT企業が提供するクラウドを使ったシステムでしたら利用料が発生いたします。そこら辺は機器更新に比べれば額としても大したことありませんので、文科省さんがうまくやっているところには継続支援するというふうにするか、当該予算が取りにくいということでしたら、学長が学内で、それは通常発生する費用であるというふうに、もともと大学の予算に入れてしまうように、文科省さんが指導していただければいいかなと思います。最近は電気代やなんかも高くて、それが払いにくいという話ですけど、電気代のような通常の予算とするといいかなと思いました。
あと、機器更新に関しましては、ベーシック機器の更新は利用料収入には有効と思われます。産学連携の推進というのを皆様おっしゃっていますけど、現状、議論を拝見してまして、大学から出てくるのはどちらかというと計測器メーカーです。計測器メーカーというのは、こう言ったら言葉は悪いですけど、出入り業者みたいなものですよね。計測器メーカーとやるのが産学連携というよりは、むしろ計測器メーカーの顧客とやらないといけませんね。計測器メーカーより、その顧客のほうがたくさんお金を持っておりますし、そういう方が内部で共同研究されれば、思わぬ課題というのも聞くことができます。とんでもないことを言うこともありますし、機器を使い込んだ人でしたら、こんなことが大事なのか、こんな重箱の隅みたいなことが実は本質的に大事なんだという気づきがあったりします。先生方もずっと研究されてきましたけど、論文を読んで、いいと思ってやってみても、結局、いい成果が出たのは予想もしなかったところだったというご経験をお持ちと思います。顧客は意外かもしれませんが、本質を知ってますので、計測器メーカーの顧客と大学が普通にやり取りするような産学連携があったらいいかなと思いました。
私からは、以上です。
【網塚部会長】 どうもありがとうございます。
御質問、御意見等、ございませんでしょうか。
よろしいですか。
私からですけれども、皆さん、いろいろお話しいただきまして、特に追加する点はなく、蛇足になるかもしれないのですが、改めて強調したい点といたしましては、結局、日本の研究力を上げていくにはどうしたらいいかという目標があって、その目標にどうアプローチしていくかという問題になろうかと思います。二つの方策があって、一つは、岡部先生がおっしゃるように、選択と集中を強化して、集中投資して先鋭化していくということと、もう一つは、現在、選択と集中が行き過ぎている側面もあり、運交金(運営費交付金)が削減されて光熱費等で多くの大学があえいでいるといった中で、裾野を大切にして拡充、底上げして研究力を上げていくということの二つだと思います。特に後者は、岡部先生のおっしゃる研究と教育を分離するということのイメージがちょっと分かりにくいところはあるんですけれども、例えば、想像すると、研究は、教員とポスドク、あるいは海外で言うところのリサーチアシスタントが行って、ドクター以下の学生は教育のカテゴリーに入るというようなイメージなのかなと思うのですが、その理想に到達できると確かにいいんですけど、日本の多くの大学、私のところでも、少なくとも私の分野ではドクターの学生は先端で研究をしていることが教育の一環になっているというのが、海外で見てもそういう状況なので、なかなかそのレベルまで行くのは難しいように思います。そういう二つの方策がある中で、この部会が所掌する範囲としては、プラットフォーム事業をどのように進化させていくかというのが先鋭化する方向の前者であって、コアファシリティの流れをどう充実させていくかというのが後者のボトムアップに当たるのかなと思います。国の予算、投資できる予算は限られている中で、その両者をどう効果的にさらに発展させていき、全体として研究力の向上に結びつけていくかというのが課題です。
研究力、研究力と言うと、先ほどの話に戻るんですけれども、結局、研究と教育を分離したとしても、理工系の教育を行うための設備基盤も結構危うくなっている状況なので、やはりボトムアップをしていくことというのは大事なんじゃないかと思います。この部会では主にコアファシリティの流れをどう発展させていくかということに焦点を当ててブレストをしてきたと思いますが、今後、先鋭化の方については、プラットフォームをどう進化させていくかというところで議論をさらに進めていくのがいいように思います。コアファシリティの流れのところで改めて強調したい点としましては、一つは、これももう既にまとめに入っていますけれども、これまでの共用促進の施策が、功を奏してといいますか、基幹的な大学、しっかり運営できている大学が生まれていて、そこは既にハブとしても機能し始めていると思います。なので、まとめにございますように、それらの機関がその取組を各地域等に波及させて、分業体制という言葉もありましたけれども、それを敷くなどして新たな地域の拠点を構成して、日本全体の底を、全体の研究力を持ち上げていくという強い意識を持って設備共用基盤を充実させていくことが大事だと思います。
二つ目としては、これと並行して、先ほどのネットワークのところにありましたけれども、学術分野とか、あるいは技術・手法で横串を刺して、共用のネットワークをつくっていくこと。これは全国でできることですし、今日、話に幾つか出ていましたけど、国際的な展開も、分野で切り出せば、比較的やりやすいんじゃないかと思っております。個人的にも、それを進めていきたいなというふうに思っています。
三つ目としては、産学官の連携でしたけれども、今日もお話の中に出てきましたが、装置の共同開発というのは敷居が高いし、共用とは相性が悪いというふうに、岡田委員からの御意見もありました。あと、装置の共同開発は主に研究者個人の裁量で行う性格が強いので、大学として組織的に行うのはやりにくいところは確かにあると思います。なので、前回もお話ししましたが、これは江端委員からのお話にもありましたけれども、技術開発人材を共同で育成していくということから取りかかると入りやすくて、その後、それが共同での技術開発などを含んだ多様な展開につながる基盤をつくっていくという点でも、効果的なのではないかと思いました。
冒頭、御説明ありました産学官のガイドラインの中には、イノベーション促進がもちろん第一目標になっているのですけれども、ちらっと人材交流の深化ということも書かれてありました。あと、その方策としてクロアポ(クロスアポイントメント)活用なんていうことも書かれていました。なので、コアファシリティと相性がいいのは、技術人材を産学官共同で育成していくということがいいのではないかと思いました。折しも、大学院の教育にも、民間企業、産業界からの協力、産業界と大学が一体化して教育をしていくという動きもありますので、その流れにも接続するのではないかというふうに思いました。
私からは、以上です。
全体を通じまして、改めて皆様から何か、御意見、御発言などございますでしょうか。
岡部委員、お願いいたします。
【岡部委員】 部会長、コメントをいただき、ありがとうございます。私もその方向性でまとめることに対して必ずしも否定的なわけではないので、これでまとめていただいていいとは思うんですが、簡単に言うと、我々、現場を知り過ぎているので、現場を知り過ぎると目線がどうしても下がってしまって、現場をどうするんだろうということを前提に企画すると、どうしても延命措置になってしまいがちなので、ボトムアップという目線も大事だけど、今日、国大協で永田会長が言ったみたいですが、このままだと国立大学の経営が成り立たないと。それは分かった上で、ただ、そればっかり見て立案すると本当に世界から落後してしまう可能性があるので、時々、目線を上げて、目指すべき方向性はちゃんと見ていくということが重要だなあと思うんです。
あともう1点は、宮下委員がおっしゃっていたのは賛成で、産学連携ってそもそも、装置をする部分というのはほとんどないはずで、日本の場合は製造業が非常に強い。もしくは医療分野とか収益性の高い分野との連携が重要だと思うので、マネタイズができるところの分野との連携というのは、今回入れる必要はないとしても、もうちょっとリアリティのある産学連携の記述になってもいいのかなというのは、私もちょっと感じたので。
以上です。基本的には、これでまとめていただいて結構だと思います。
【網塚部会長】 ありがとうございます。
飯田委員、お願いいたします。
【飯田委員】 ありがとうございます。網塚部会長にとてもきれいにまとめていただき有難うございました。岡田委員も言及されていました開発について、少しコメントさせていただきたいと思います。
全体的に、この部会の取組として、研究力の底上げということは、非常に意味があるということはもちろん言うまでもないところですが、技術開発に関して、技術員の方の活用というのも非常に重要であると思うとともに、日本の研究力をアップしていくというときに、P.16にあります「最先端を追求」の「最先端」は必ずしも、海外から技術なり製品を導入して、それを研究に使っていくというだけではなくて、日本で最先端の技術を開発し海外に発信していく、製品として出していくことも、開発にかかってくるのではないかと思っております。世界初のような技術の製品化に取り組む際には、その分野のトップの研究者とのインタラクションといいますか、ニーズをインプットいただいたり評価いただいたり等は必須と考えておりまして、この「最先端を追求すべき部分について、これから引き続き検討が必要」という中に、このような開発の部分も含ませていただけると有難いと思っています。含まれていると理解して先にお話しさせていただいておりましたが、クリアにするためにコメントさせていただきました。
以上でございます。
【網塚部会長】 ありがとうございます。ごもっともではないかと思います。
ほかに、皆様から何か御発言ございますでしょうか。
江端委員、お願いします。
【江端委員】 ありがとうございます。そうしましたら、もう少し時間があるようなので、議論に出てこなかった点について少し俎上に上げさせていただければと思います。
今、最先端とベーシックなものという、設備のカテゴリーで議論されていたところがありましたが、例えば、大学研究基盤整備課のほうで中規模設備を重点的に議論されているところがありまして、中規模設備の話は、まさに今、概算要求案件で皆様のところにも問合せが行っているところかと思いますが、定義で言うと1億円から10億円ぐらいまでと伺っており、そこの価格帯の設備の導入については、特に共同利用機関法人や共同利用・共同研究拠点を中心に検討されているところかと理解をしています。
一方で、最先端といっても1億円に届かないような設備は必ずありまして、大学がフォローできていない価格帯という意味でも、1億円以下世界最先端の設備の整備をどう考えるべきかという点については、議論の中で抜け落ちているところだと思っております。文科省さんの中でその辺は政策的に整理をされているかと思いますが、例えば、1億円以下の最先端設備をどのように維持・管理していくかというような、少し具体的な点で踏み込んだ議論は、もしかしたらこの場でお話をする必要があるのではないかと思いました。そういった意味で、そのぐらいの価格帯の設備を、例えばコアファシリティの場で維持・管理するようなものとして理解するのか、あるいはプラットフォームという連携の中でやるべきなのか検討をする必要があると思いましたので、そこは問題提起をさせていただきます。今回の資料に入れる必要はないかもしれませんが、引き続き、本部会の中で議論させていただきたい点です。
もう1点は、先ほど、海外調査のお話をさせていただきましたが、いざ海外調査をやるとすると、いろんな設計から、誰がやるのというような話も含めて調整が大変だろうなといろいろ考えを巡らせておりまして、先生方からも少しお話がありましたけども、まずは本部会の先生方にきちんとヒアリングをし、そういった事例をきちんと集めていただくというのが最初の一手かなというふうに思いました。実際に現場に行っていただくのはその次の段階でもいいと思うので、今回の委員の先生方や、以前に委員だった先生方もいらっしゃいますので、そういう有識者の先生方の御意見や、世界の最先端はどうなっているのかというようなところをきちんと整理をしていただいた上で、具体的な調査に入っていただくというのも一つの考え方かなと思いました。
以上2点、これまでの議論のプラスアルファとして、コメントさせていただきました。
ありがとうございました。
【網塚部会長】 どうもありがとうございます。
ただいまの江端委員からの御発言について、何か、コメント、御質問など、ございますでしょうか。
【江端委員】 網塚部会長、可能であれば、田邉さんや文科省の方から検討の方向性も含めてコメントをいただければと思いますが、よろしいでしょうか。
【田邉専門職】 ありがとうございます。
1点目にいただいた、1億以下の最先端の機器に関すること、その整理をどう考えるかという点に関しては、機器の更新とか、既にある設備の更新とか、そういった観点については、共用ガイドラインの中でも書き込んであったかとは思うんですけれども、そういうことも含めて、大学の中での戦略としてどういうふうに考えていくかということも含めて、コアファシリティというか、大学の戦略的設備整備・運用計画というものを考えていくことが重要ではないかというのが一つの方向性なのかなというふうに思っています。ただ、そこを具体的にどういうふうに実効性のあるものとしてやっていくかというのは、コアファシリティの流れの中で引き続き、この部会も含めて御検討いただく、これまでの議論の中で、利用料収入であるとか、そういった観点の話もありましたけれど、そういうことも含めて御検討いただく必要があるかなというふうに考えております。当然、それ以上に、新たなものということでプラットフォームの中でやっていくようなものもあるかもしれませんけれども、そういったところも含めて、様々、御意見をいただければというふうに考えております。
もう1点の海外調査のほうに関しましては、江端委員から御指摘のときに特にこちらから発言しなくて申し訳なかったんですけれど、我々としても、有識者の方々からそういったことを、御報告といいますか、御説明をいただくというのも一つのやり方かなと考えておりますので、そういった機会もこの部会の中で設けることができたらいいかなと考えております。
以上です。
【稲田課長】 少しだけ補足させていただきますと、先ほどの先端機器の値段による閾値なんですが、これはあくまでも基準でありまして、別にここでばちっと決められているわけではないんですね。だからこそガイドラインという緩やかな形でやられているわけでありまして、例えば少額であっても共用するのが有用であるというものだったら、共用の仕組みで考えればいいですし、例えば、施設・設備と言っても、それこそ100億かけた坑道は決して共用するもんじゃないですよねというように、高くても性質的に共用を必ずしも要しないものもあるというところはありますので、ここら辺はまさに運用においてどれだけフレキシビリティを持つかというところを確保しつつ、しかしながら、考え方としては、こういうふうな考え方でこういうものを造ったんだというところを明確に示すことが国としては重要だというふうに考えています。
以上です。
【網塚部会長】 ありがとうございます。
【江端委員】 ありがとうございます。田邉さんが説明された有識者の先生方のお話ですが、この部会でしっかりお話しいただくことも重要だとは思いますが、事前にいろいろと個別に聞いていただいた上で、まずはざっくりとまとめていただくというところから入っていただくのがいいのかなと思いましたので、お手数ですがよろしくお願いします。
【網塚部会長】 ありがとうございます。
委員の皆さん、海外事例、それなりにご存知だと思いますので、情報提供、改めてしていただけたらと思います。
あと、1億円未満のところは、これは私の想像ですけれども、例えば科研費だと、1億近くの装置というのは、学術変革とか基盤Sで届く範囲で、それなりに頑張れば導入できる物です。あるいは、各機関でも、大学の予算での中で頑張って整備できる、あるいは概算要求で事業に入れていくことができる整備費であると思います。一方、1億から10億となるとなかなか手が届かないというところで今回の事業になっているのかなあと想像していました。コアファシリティの事業でも、三、四千万の設備であれば手が届くけれども、億に近くなってくるとなかなか難しいかと思いますね。確かに、おっしゃるように、1億未満の設備、汎用性の高い装置も多々あると思いますので、そこをどう整理していくかということは、先ほどの中規模設備の強化と総合的に考えていく上で、この部会においてもあってもいいかなというふうに思いました。ありがとうございます。
ほか、皆様から何か御発言ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
それでは、この先端研究設備・機器の共用推進に係る論点整理につきましては、本日いただいた御議論を反映して、事務局にて、一度、中間まとめとさせていただきたいと思います。取りまとめた結果につきましては、事務局より各委員に御確認いただいた上で私に一任いただきたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
ありがとうございます。それでは、とりまとめ版ができましたら、事務局から各委員に御報告いただきますとともに、当部会のホームページにて公開いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
以上で本日の議事は終了いたしますけれども、最後に何か御発言ある方がいらっしゃいましたら、お願いいたします。
よろしいでしょうか。
特にないようでしたら、最後に、事務局から連絡事項等ございましたら、お願いいたします。
【田邉専門職】 本日も皆様から貴重な御意見をたくさんいただきまして、ありがとうございました。論点整理(案)につきましては、近日中に、本日の議論を反映させていただき、先ほど部会長から御説明いただきましたとおり、委員の皆様に御照会いたしますので、御確認のほど、よろしくお願いいたします。また、最終的なとりまとめ版につきましては、7月中旬頃までに、網塚部会長に御相談の上、公開したいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
次回の部会につきましては、日程は未定となっておりますが、後日、日程調整の御連絡を差し上げますので、そちらにつきましても御回答いただけますと幸いです。
また、議事録につきましても、資料とともに公表することとなっておりますので、そちらのほうも、別途、御確認のお願いを差し上げますので、よろしくお願いいたします。
以上です。
【網塚部会長】 どうもありがとうございました。
何か御質問などございますでしょうか。
よろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは、以上をもちまして、第25回研究開発基盤部会を閉会いたします。本日は、お忙しい中、お時間をいただきまして、ありがとうございました。
―― 了 ――
科学技術・学術政策局 研究環境課