研究開発基盤部会(第12回)議事録

1.日時

令和4年2月9日(水曜日)14時30分~16時00分

2.場所

オンライン開催

3.議題

  1. 大学等の研究設備・機器の共用化の状況とガイドラインについて
  2. その他

4.出席者

委員

岸本部会長、高橋部会長代理、雨宮委員、網塚委員、江端委員、上西委員、上村委員、杉沢委員、田中委員、波多野委員、原田委員、宮下委員

文部科学省

(事務局)科学技術・学術政策局 研究環境課課長補佐 宮澤武志、研究振興局大学研究基盤整備課課長補佐 山本武史

5.議事録

【岸本部会長】  ただいまより、第12回科学技術・学術審議会研究開発基盤部会を開催いたします。本日は、共用ガイドラインと共用に関するエビデンスを中心に議論を行います。
 まず、事務局から本日の出席者と資料の確認などをお願いいたします。
【宮澤課長補佐】  事務局でございます。文部科学省研究環境課の宮澤と申します。出席者の確認の前に、事務局の人員に一部変更がございましたので、御報告させていただきます。
 前回、担当課長補佐の下須賀がおりましたが、一時的に別業務の関係で事務局を離れておりますので、本日は、宮澤が代理として出席しております。共用のガイドラインを2021年度中に作成することが科学技術・イノベーション基本計画に書かれており、その業務を中心に担当しております。今回、せん越ながら事務局を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 それでは、本日の出席者の確認をさせていただきます。本日は、岡田委員1名が御欠席で、そのほかの委員は皆様出席していただいております。ありがとうございます。
 次に、配付資料について確認をさせていただきます。配付資料ですが、議事次第、資料1から資料5、また、参考資料を一まとめにしたPDFをお送りしております。それとは別に、資料1-1、資料1-2を別資料としたPDFファイルをお送りしております。御確認ください。説明の際にこちらからWebexの画面上に投影するようにいたしますが、見えにくい場合は、大変恐縮ですけれども、事前にメールでお送りしております資料を御覧いただけましたら幸いでございます。よろしくお願いいたします。
 今回のオンライン会議についての留意事項をお知らせいたします。発言されるとき以外はマイクをミュートにしていただきますよう、お願いいたします。これは通信を安定させるためのお願いでございます。御発言される際には、「手を挙げる」というボタンをクリックしていただき、部会長から指名されるのをお待ちください。指名があり次第、今度はミュートを解除していただき、御発言をお願いいたします。また、発言が終わりましたら、同じくマイクをミュートにしていただくよう、お願いいたします。発言の際には、大変恐縮ですが、名前を言っていただいてから御発言いただくよう、お願いいたします。議事録作成のために速記者を入れておりますので、そのためでございます。よろしくお願いいたします。
 会議中に何か、不都合、不具合など発生しましたら、電話番号をお知らせしておりますけれども、事務局にお電話いただきますよう、お願いいたします。
 私からは、以上になります。
【岸本部会長】  ありがとうございます。
 それでは、議事に入りたいと思います。まず、議題(1)、研究設備・機器の共用化の状況と推進方策についてです。最初に、資料1から資料3について、事務局より報告をお願いいたします。
【宮澤課長補佐】  文部科学省の宮澤です。前回、ガイドラインをこれから検討しますと御報告をさせていただいておりました。それに加えて、内閣府のほうでe-CSTIというものがございますが、こちらでもエビデンスを取りますというようなお話をさせていただきました。今回は、最初に今のガイドラインの検討状況の話をさせていただき、その後に内閣府からエビデンスに関する調査結果を併せて紹介させていただこうと思います。その後に、御議論いただければと思います。
 まず、ガイドラインの検討状況につきまして、20分から30分ぐらいになりますけれども、説明をさせていただければと思います。
 御案内のとおりですが、共用化のガイドラインの検討会というのを立ち上げまして、8月から御議論いただいているところでございます。これまで3回終わりまして、前回までにガイドラインの本文のたたき台を作成しました。本日、皆様からの御意見も頂戴しつつ、同時並行で内閣府の幹部や総合科学技術・イノベーション会議の議員に説明をさせていただきながら、2月24日が最終回になりますが、ここである程度、検討会としてのガイドラインをセットさせていただきたいというふうに思っております。その後、作成しましたガイドラインを本年度中に大学等へ通知し、また、文部科学省の競争的研究費のモデル公募要領等にも、このガイドラインに記載されている旨というものを反映させたいというふうに思っているところでございます。これが今までの経緯と取組のスケジュールでございます。
 次のページに行っていただきまして、この後、ガイドラインの本文を説明させていただきますが、ポイントを示させていただいております。一番上に現状と課題、それに対して科学技術・イノベーション基本計画の記述というのもありますけれども、今まで、共用が進まないということはずっと言われていたところですが、その背景として、個々にやっていたのではなかなか進まないというところで、各機関における経営戦略の中で共用が重要だというようなものを認識してもらって進めることが必要であると。そういうものが今はできていないという現状がありますということを書かせていただいています。
 その下に、本ガイドライン(案)のポイントということで、大きく三つ、緑色と水色とねずみ色の枠に書かせていただいていますけれども、大きなポイントとしては、緑色のところに戦略的経営実現のための共用マインドセット改革、水色のところに研究基盤を最大限活用・促進する共用システム改革といったようなことを書かせていただいておりますが、左の緑色の枠のほうですけれども、研究設備・機器の共用化の促進というのは研究教育効果の最大化に資するということを改めて認識していただくことが重要だということを述べております。二つ目のポツになりますけれども、共用の重要性というものを経営戦略において位置づけることが必要だということを書いております。右の水色の枠になりますけれども、いわゆる共用のためには、研究設備・機器だけではなくて、それを支える人材と一体となった研究基盤というものをつくるのが重要だということを言っております。もちろん、そういったものを経営戦略に位置づけるとともに、技術職員、事務職員のみならず、役員、教員、URA、そういった多様なプロフェッショナルな人々が集まった、「チーム共用」といったような体制をつくることが必要ですということを言っております。その下のねずみ色の枠、その他と書いていますけれども、もう少し表現は工夫いたしますが、公的な財源、これは競争的研究費も含みますけれども、こういったものについては原則共用化しますということを検討してくださいと。実際、今も原則共用化ということは色々なところでうたわれているのですけれども、改めて認識していただいた上で原則共用化の検討をしてくださいということを言っております。その下に、共用化すると利用料収入等を期待できるわけですけれども、そういった利用料金についても柔軟かつ多様に検討しましょうというようなことを書いております。それをした後に、矢印で書いておりますけれども、各機関においては本ガイドラインのポイントを踏まえた「戦略的設備整備・運用計画」というものを作ってほしいというようなことを言っております。これが本ガイドラインのポイントでございます。
 この後、別の資料(資料1-1)になりますけれども、ガイドラインの本文のほうを、ポイント、ポイントで説明させていただこうと思います。
 まず、1ページ目から2ページ目は、「はじめに」ということで、このガイドラインを作りました背景というものを書いております。皆さん、すでに御存じかと思います。共用というのは限られた資源を使って研究成果の最大化を図るものということでございまして、今まで総合科学技術・イノベーション会議の中の研究力強化・若手研究者支援総合パッケージでも重要とされているところ、また、科学技術・イノベーション基本計画でもガイドラインを作るように言われているところでございます。2ページのほうには、こういった各機関の共用推進の取組を機関全体の経営課題と捉えて、共用の取組を担う研究現場の担当者と経営層にも活用してもらうようにこのガイドラインを策定しましたということを、「はじめに」という部分で背景として書かせていただいております。
 次、本文の4ページになりますが、このようなガイドラインを作るのは初めてでございますので、用語の定義をさせていただいています。例えば、共用の範囲をまず定義しておりますけれども、共用の範囲は、機関の裁量によって機関内外の第三者の利用も可能とする仕組みを戦略的に構築することを言っております。加えて、技術職員等の専門人材が依頼を受けて設備・機器を使用して行う受託分析・試験なども含むということも、定義として入れております。共用の中には、関係する人材として、教員、技術職員、事務職員、URAの方々が関係してきていますということを記載しております。
 4ページの下のほうになりますけれども、新しく「統括部局」という名前を出しています。各機関で共用を推進する組織を総称として「統括部局」とこのガイドラインでは呼んでおります。これは、物理的にそういった独立した部局を設けるほか、既存の研究センターとか、連携した会議体が担うことも可能であるということを言っております。
 次のページ、5ページになりますが、このガイドラインが対象とする機器の範囲はどこかということですけれども、色分けしていますが、赤い矢印で示しているところになります。大体、数千万から数百億円規模の機器を指しておりますが、右端の水色に書いてあります国際対応大型研究設備(ビッグプロジェクト)、特定大型研究施設、スーパーコンピューターでありますとか、SPring-8は別の法律ですとか国際約束に基づいた運用をされていますので、そこには入ってこない、もう少し小さいもの、各大学に設置されているようなものについて、対象としているところでございます。ただ、一方で、大型のものについてもできる限りこのガイドラインを参考にしていただきたいということをこのページで述べさせていただいております。
 次、6ページになります。ここからは、研究設備・機器の共用の重要性ということで3点ほど述べておりますけれども、1点目は現状認識ということです。大型研究設備の状況ということで、数億円から数百億円規模の大規模施設というのは今までも機関内外の共同利用・共同研究で共用に供されてはきていますと。ただ、一方で、大型であるがゆえに、管理費が肥大化して、更新が困難と。各機関は自助努力をしていただいていますけれども、必ずしも解決には至っていないというようなことがありますという、現状認識です。その下に共通基盤施設の大学内の位置づけと書いておりますけれども、国立大学の共通基盤施設というのは法人化前から整備されてきて、大学の研究教育の水準向上にも貢献してきましたと。法人化以降も、経営戦略に基づき、学外利用を積極的に展開してきておりますということを書いております。
 次のページ、7ページになりますけれども、そういった中で文部科学省としても様々な共用の取組を支援してきましたというところがございます。個々の施策による支援だけではなく、競争的研究費によって購入した研究設備・機器についても共用を進めることでありますとか、ほかの研究費により購入された研究設備・機器も活用することといったようなことを促してきたということで、文部科学省としても取り組んできたところでございます。
 次のページ、8ページから9ページになります。国立大学については、設備マスタープランというものを通じて、国立大学等としても計画的に設備の整備・維持・運用をやろうとしてきたということを書いております。9ページになりますけれども、そういう取組をしてきたということはございますが、一方で、研究環境を取り巻く状況は依然として深刻であると。特に若手になりますけれども、研究者が必要な設備・機器になかなかアクセスできていないという状況があり、いまだに、特定の研究室、狭い範囲で専有されている設備・機器もあるという状況があります。先ほど申しました国立大学等において策定します設備マスタープランも、当初、策定を始めたときに期待された機能というものが必ずしも果たせてないのではないかといったような意見もございます。また、公立大学とか私立大学にはそもそもそういう設備マスタープランというような中長期的な設備整備計画があるわけではないということで、非常に設備を維持管理することが難しいと。このような状況から、設備・機器に関しては、各機関における経営資源の一つとして戦略的に活用・運用されるよう、全く新しい整備計画を策定すること、機関全体として戦略的に設備・機器を導入・更新・共用を図る仕組みを一層強化することが求められているというようなことを現状認識として書かせていただいているところです。
 次は、10ページ目になります。こちらは研究設備・機器の共用の重要性の2点目になります。基本的な考え方ということで、こちらは三つ示しています。各機関における経営戦略と研究基盤の関係性ということが一つ目ですけれども、これは、設備・機器を重要な経営資源の一つと捉えて、経営戦略において、設備・機器に加えて、それを支える人材を合わせた研究基盤というものの戦略的な活用が求められると。各機関のミッションや経営方針において研究基盤が果たす役割や重要性を経営層も含めた形で認識して、経営戦略においてその研究基盤の戦略的な活用を明確に位置づけることがとても重要ですといったようなことを書かせていただいております。
 10ページに下半分になりますけれども、その次に重要な基本的な考え方として「チーム共用」の体制づくりということを書かせていただいていまして、役員、教員、技術職員、事務職員、URA等の多様なプロフェッショナルが参画する、言わば「チーム共用」を構成して設備・機器の適切なマネジメント、研究設備・機器と人材の一体的な活用を可能とする経営戦略を立てることが重要ですということを言っています。その中に、技術職員が共用の取組に組織的に参画することで設備・機器の一元的な管理・運用を可能とするとともに、技術職員の技能向上も図れるといったようなことも書かせていただいております。
 11ページになります。三つ目、「戦略的設備整備・運用計画」策定の意義ということを書かせていただいております。先ほど申しましたように国立大学等では設備マスタープランというものを策定しておりますけれども、ただ、今は基盤的経費のみで計画的に設備・機器を管理することは困難という状況になっています。そういった中で、外部資金、競争的研究費を含めた、より戦略的な設備整備・運用計画の策定が重要であるといったようなことを言っております。このことを本ガイドラインでは「戦略的設備整備・運用計画」という言葉を使っております。その計画を策定するに当たって、各機関では、既存の研究設備・機器の利用状況、老朽化の状況、今後のニーズ等を把握するとともに、今後、どのように更新・新規導入していくのかに係る財源分析が必要だと。共用を促進することでそういったような状況の把握が可能となり、現在の資源の有効活用のみならず、将来の資源の有効活用につながることができるということをここで書かせていただいております。
 次は、13ページになります。共用システムの意義とメリットということで、こちらには三つほど書かせていただいております。目標達成に向けた限りある資源の効果的な活用ということでして、研究者があらゆる研究設備・機器にアクセスできる環境づくりは、研究者のパフォーマンス向上、そして、卓越した研究成果の創出につながると。その研究改善のためには、機関が有する経営資源、設備・機器、予算、人材も含めた経営資源全ての最大限の活用が不可欠ということを言っております。こういった共用を促進することで、先ほど言いました「戦略的設備整備・運用計画」による計画的な設備整備・運用の実現につなげ、既存設備の有効活用、設備・機器の予算配分上の重点化・適正化を図ることが可能となるということを言っております。
 もう一つ、13ページの後半になりますけれども、意義とメリットの一つとして、共同研究とか外部連携の発展が見込まれると。設備・機器を機関内外に共用することで、共同研究でありますとか、産学・地域連携による外部資金の獲得、それによる研究者の相互連携が深められ、新たなイノベーションの創出につながりますと。まさに共用というものが共同研究や外部連携の重要なハブの役割となるということを書かせていただいております。
 三つ目のポイントとして、効率的な管理・運用による技術的・金銭的メリットということで、14ページに書かせていただいておりますけれども、今、設備・機器が特定の研究室において管理されている場合、研究者個人が管理していることが多くて、研究者の研究時間が削られるといったような問題があります。そういったものを特定の研究室に閉じることなく組織的に管理することによって、体系的な保守管理が可能となり、研究者の研究時間の捻出にもつながると。そういったところに技術職員も関わっていただくことで設備・機器の一元的な管理を可能とするとともに、技術職員の技術向上が図られると。もちろん、設備・機器を組織的に管理・メンテナンスすることは外部利用の可能性にもつながり、利用料収入に加えて学内予算等も活用することで、より効率的な運用が可能になるといったようなことを書かせていただいております。
 次、16ページになりますが、ここからはもう少し具体的な話で、共用システムの構成・運営ということです。まず、ポイントとしてこの三つが重要だということを書かせていただいておりますが、機関における諸活動の根幹である経営戦略へ位置づけることと、機関の実情に応じた統括部局を確立することと、財務や人事を巻き込んだ体制整備を図ること。そのうちの一つ目、経営戦略への位置づけということを16ページの上のほうに書いておりますけれども、設備・機器が重要な経営資源であること、設備・機器の活用方策として共用が重要であること、設備・機器の共用システムの構築・推進を図ること、この3点を経営戦略に位置づけることが非常に重要だということを言っております。
 16ページの下のほうに共用に係る統括部局の確立ということを書いておりますけれども、共用の推進を行う統括部局というものを、機関経営への参画を明確にして、明示的に位置づけることが重要であるといったことを述べております。例えば、統括部局というものを学長直轄の組織へ位置づけるでありますとか、担当理事がその部局長を担うなど、そういった位置づけが必要であるということを言っております。その統括部局は、各機関全体の研究設備・機器のマネジメントを実現する組織と位置づけた上で、学内全体の設備・機器の維持管理、運営、仕組み・ルールづくり、また、技術職員の組織化を含めて検討していくことが有効だということを述べております。
 次、17ページになりますけれども、三つ目のポイントとして、財務・人事を含めた体制の整備ということを書かせていただいておりまして、手数料収入でありますとか、財務会計システムの工夫、また、先ほど申し上げた「チーム共用」の構成というところで、財務当局、人事当局といった人たちを巻き込んでやっていくことが非常に重要だということを書かせていただいております。
 次、19ページになりますが、共用システムの基本設計というところに二つのポイントを挙げさせていただいております。共用の範囲・共用化のプロセス、共用の対象とする設備・機器の選定ということで、一つ目は、19ページの上からになりますけれども、共用の範囲・共用化のプロセスというのをどうやっていくかということでございますが、もちろん、各機関の特性やこれまでの取組状況を踏まえつつ、実効的な共用の範囲や段階的なプロセスを検討してくださいということを書いております。一方で、共用システムというのは、経営戦略でありますとか、「戦略的設備整備・運用計画」との関係もありますことから、機関全体での仕組みの導入ということが重要であると言っております。ただ、それまで特定の部局内での利用が主となるケースもありますため、状況を見つつ、設備・機器の実効的な利用の範囲を設定し、システムの設計を進めることが有効であるといったようなことを書かせていただいております。その後、主たる利用範囲を設定していただいた後、部局・拠点外へ範囲拡大とか、システムの共通化を図っていただくことが望まれますが、その際、経営層でありますとか、財務・人事部局も巻き込みながら、「チーム共用」という体制で進めていただくことが必要であるということを書かせていただいております。
 20ページになります。共用の対象とする設備・機器の選定についてですけれども、科学技術・イノベーション基本計画では「汎用性があり、一定規模以上の研究設備・機器については原則共用とする」と書かれておりますように、公的な財源を基にした基盤的経費により整備する設備というのは、統括部局が主導の上、共用化の検討を行うことが原則ですということを書かせていただいています。また、競争的研究費についても、今、プロジェクト期間中は共用化できないという認識が強いという声も聞かれますが、そこは統括部局が主導しまして、プロジェクト期間中でも共用化は可能でありますので、そういったことを認識していただいて、競争的研究費においても原則共用化を検討していただくと。もちろん、そのプロジェクトの実行に支障がない範囲ということでございますが、検討していただくことが重要だということを言っております。その上で、研究力の強化でありますとか、産学連携、地域連携の強化、機関における目標や経営戦略に基づいて、統括部局のガバナンスの下で、何を共用化する、何を共用化しないというようなことを戦略的に考えていただいて、研究設備・機器を選定していただくことが重要ということを書かせていただいております。
 次、21ページになります。共用システムの具体的な運用方法ということで、五つの例示をさせていただいています。一つはインセンティブ設計というところでございまして、設備・機器を共用する側、貸し出す側については、もちろん専用利用ではなく共用に供するための理解を得ることが不可欠ということでございます。そのためには、提供する側、部局等の管理者や運用主体へのインセンティブが有効ということでございまして、例えば、設備の維持に関しては学内予算を使って更新してもらうでありますとか、設置スペースを確保するでありますとか、そういうインセンティブの設計が必要ですといったことを書いております。
 二つ目、内部規程類の整備と書いておりますけれども、共用システムに関する規程でありますとか、その他、受託分析・受託試験に関する規程でありますとか、料金設定に関する規程でありますとか、統括部局が主導して一定のルール・規程を定めることが必要ですといったようなことを書いております。
 21ページの一番下になりますけれども、設備・機器の見える化、どういった設備・機器が学内にあるのか、利用料金、申込方法、設備・機器の使途、そういったようなことを目に見える形で公表することによって利用率の向上につながるというふうに書いております。
 22ページになりますが、予約管理システムについては、民間が提供するサービスとか、自然科学研究機構の大学連携研究設備ネットワーク、こういったものを活用することも一案であるというふうに書いております。
 五つ目は、不要となった設備の利活用と書いておりますけれども、不要になったもの、遊休設備・機器については、共用化を図るほか、譲渡、売却、リサイクルすることも考えられますということを書いております。
 23ページになりますけれども、ここからは財務の観点と人事の観点の二つを書かせていただいておりますが、経営戦略の下で共用の維持管理・運用のためには、利用料金を適切に設定して、利用料収入で運用の自立化を図ることが必要だといったことを書いております。ただし、ここで言っていますのは、必ずしも利益を上げる(もうける)ことだけが目的ではなくて、こちらについても各機関における設備・機器の運営を持続的に維持・発展させていくために必要なものとして経営戦略の中で適切に料金設定することが重要だと言っております。料金設定に当たっては、利用者が得る利用の価値というようなものを適切に勘案し、例えば、高度な知識を持つ技術職員の技術的な知見・ノウハウみたいなものを料金に加味するでありますとか、減価償却費みたいなものを料金に加味する。国外研究者の利用を想定した特別料金の設定であるとか、成果公開を前提とした場合であっても必要に応じて利用料金を設定するとか、そういったものも考えられる。一方で、若手育成の観点であれば、若手の利用については、アカデミックディスカウント、割引をするといったようなことも必要。それによって、利用率向上にもつながる。こういったことも含めて経営戦略の中で考えていただきたい。財務当局を巻き込んでいただきたい。こういったようなことは、今まで特定の部局で料金設定というようなものが行われてきたことが多いということがございましたが、こういったようなところに財務当局を巻き込んでやっていただくことが重要だということを言っております。
 次、25ページになりますが、人材の観点で言いますと、先ほど申しましたように、「チーム共用」というような体制をつくることが重要だと言っております。技術職員も含めて、人材と研究設備・機器の一体的な運用が重要だと言っております。また、特に技術職員につきましては、高度な専門的な知識を有しており、研究者とともに課題解決を担うパートナーとして重要な人材という認識の下、技術職員の能力を最大限生かすために、設備・機器の整備への幅広い貢献を図ると。例えば、経営戦略の策定にも参加するなど、活躍の場を広げていくことが望まれると。そのために人事当局も含めた検討が必要であるということを言わせていただいております。
 以上が、第3回目の検討会までの議論で作りました、ガイドラインの内容になります。
 この後、別資料(資料1-2)として、ガイドライン本文につけます参考事例集というのを用意しております。こちらについては、幾つかの大学からヒアリングをしまして、グッドプラクティスといいますか、参考にできそうな事例というのを幾つか挙げておりますので、御覧いただければというふうに思います。
 私からは、以上になります。
 続きまして、資料2に基づきまして、内閣府の白井参事官から説明をいただきたいと思います。白井参事官、よろしくお願いいたします。
【白井参事官】  御紹介いただきました、白井でございます。私から、研究設備・機器の共用化に関するデータについて、御報告させていただきます。ページ、1枚めくっていただければと思います。
 まず、私がCSTIで担当しているエビデンスについてですが、EBPMの推進に向けた取り組みとしてやってきてございます。具体的には、エビデンスシステム(e-CSTI)というものを内閣府内で構築いたしまして、様々なデータの収集と分析を行って、我が国の科学技術・イノベーション力の向上につなげていきたいということで取組んでおります。次のページ、お願いします。
 e-CSTIでございますけれども、例えば、科学技術関係予算の分析、国立大学等の研究力の分析、大学等の外部資金の獲得状況、人材育成等、様々な分析をしておりますが、今回の設備の共用につきましては、大学等の外部資金の獲得状況の調査の中でデータを収集したものでございます。次のページ、お願いいたします。
 先ほどの御説明にもありましたけれども、設備の共用につきましては、第6期科学技術・イノベーション基本計画の中でも記載がございます。こういったフォローアップする上でも具体的な数字を把握していく必要があるということで、今回、設備の共用に関するエビデンスを国公立大学・私立大学等から収集をしたものでございます。次のページ、お願いいたします。
 具体的には、対象設備・機器の認識がずれないように勘定科目上の資産について、共用の対象範囲、具体的には機関外に共用できるものかどうか、機関内専用の共用対象になっているものなのかどうか、そもそも共用の対象外になっているものなのかどうか、その件数および設備の取得価格について、把握をしてございます。それから、共用の実績ということで、件数と利用料収入についても機関ごとに把握をさせていただいたものでございます。次のページ、お願いいたします。
 ここからは具体的なデータの紹介になりますけれども、国立大学70機関に調査を行いまして、65の大学から回収をさせていただいてございます。これを集計したものになっておりますけれども、全体で研究設備・機器が3万件を超える件数がある中で、共用対象外となっているものが8割を超えるという現状でございます。共用化対象の設備というものは大体17%程度といったところでございます。次のページ、お願いいたします。
 これは、共用対象になっている研究設備・機器を取得価格別に見ております。青と緑に分けられておりますけれども、機関外での共用対象のものと機関内専用の共用対象のものとで色分けをしたものでございます。このデータを見ますと、共用対象の設備・機器の取得価格が大きくなるにつれて、機関外に利用可となっている設備・機器の割合も増えているといったような傾向が見てとれるかと思います。次のページ、お願いいたします。
 これは、設備の共用化の状況をいわゆる国立大学の支援類型ごとに整理をしたものでございます。共通して見えますのは、大体、取得価格が5,000万円以上1億円未満の設備については比較的共用が進んでいるといったものでございます。他方で、1億円以上の設備については共用化率が低下している機関もあるといったような状況がございます。それから、支援類型ごとに見てみますと、一番下の列に数字がありますけれども、例えば、世界トップ型の支援類型の大学の平均としては、全設備の大体14.4%が共用化対象となっております。これに対して、地域貢献型の国立大学の支援類型全体で見てみますと22.7%が共用対象ということで、比較的高くなっているといったような状況もございます。次のページをお願いいたします。
 これは、大学類型別の設備の共用による利用料収入の分布を見たものでございます。非常に大きな、1億円以上の利用料収入を上げている機関もあるということでございますけれども、9割方は、利用料収入については5,000万円以下のものが多いといったような状況でございます。それから、機関によって利用実績のカウントの仕方が様々なものがあるといったこともありまして、利用件数は仮に同じでも収入に差があるといったような状況もございます。次のページ、お願いいたします。
 これは、研究設備・機器の利用料収入につきまして、機関内の収入か、機関外の収入か、こういった構成比を見たものでございます。調査全体の集計からしますと、全体で約34%が機関外からの利用料収入といったデータになっておりますけれども、機関外からの収入構成比が高い、具体的には5割を超えているといったような機関も14機関程度あったという状況でございます。次のページをお願いいたします。
 先ほども幾つかガイドラインの本文中で共用の意義みたいなものが書かれておりましたけれども、これは、この調査の一環でヒアリングをしたときに長崎大学の取組ということで少し事例について情報を得ましたので紹介をさせていただきます。設備の共用化の目的とか効果については、例えば、研究の高度化に資するとか、機関外の方々との共同研究の呼び水になるとか、あるいは、利用料を確保することによって機器を支えることができる。そもそも、重複した装置の購入を避けることで、コスト低減といったメリットもある。こういったような具体的な効果も確認されているところでございます。他方で、今後の課題といたしましては、保有設備を補完する大学同士の連携とか、あるいは、設備更新・維持のための財源確保、こういったところが課題として確認されたということでございます。次のページ、お願いします。
 まとめになりますけれども、今回、内閣府のエビデンスの調査の一つとして、共用化の実態ということでデータを収集いたしました。全体で17%程度の共用化対象資産の割合があると。それから、取得価格が大きくなるにつれて、機関外の利用ができる設備の割合が増えていると。5,000万円以上1億円未満の設備共用が進んでいる一方で、1億円以上については共用が進んでない機関もあると。利用料収入については、大体9割方が5,000万円以下であったということでございます。機関外からの利用料収入については、全体でならしてみますと大体3割程度といったような状況でございます。
 我々、エビデンスグループといたしましては、今後、引き続き調査・フォローをしていきたいと思っておりますけれども、例えば、設備の共用化の実態がいわゆる研究力とどういう関係にあるのかというところも含めて、引き続き調査をしたいと考えてございます。
 私からの説明は、以上とさせていただきます。
【宮澤課長補佐】  事務局の宮澤です。次に、資料3に移らせていただきたいと思います。本日、会議は90分を予定しておりまして、ここで一度、皆様から御意見を頂戴できればと思います。
 22ページですが、事務局からガイドラインの説明をさせていただき、内閣府の白井参事官よりエビデンスの話をしていただきました。双方について御意見をいただいても、結構でございます。また、それも踏まえて、三つほど、御意見を頂戴できればなといったものを挙げております。各機関における共用体制の整備を加速するため、共用ガイドラインの活用方策についてといったようなもの。あるいは、研究基盤に関する政策全体の枠組みや、共用化に関するエビデンスを踏まえた、中長期的な観点も含めた研究基盤の在り方についてといったようなもの。各機関における共用化の取組を踏まえた、民間を含めた他機関との連携の在り方や推進方策についてといった観点で、ざっくばらんに御意見を頂戴できればというふうに思います。
 以上、よろしくお願いいたします。
【岸本部会長】  御説明、ありがとうございました。
 それでは、これまでの説明を踏まえた議論に入りたいと思います。皆様から、御意見、御質問を頂戴できればと思いますが、オンラインの会議ですので、名簿の順番でまずはコメントを頂戴するような形で進めさせていただきたいと思いますが、皆さん、よろしいでしょうか。
 それで、江端委員と上西委員はガイドラインの作成に委員として参加していらっしゃると思いますので、皆さんのことも聞かれて御発言いただいたほうがいいかなと思いますので、江端委員と上西委員は最後のほうにコメントをいただく形で進めたいと思いますが、よろしいでしょうか。
【江端委員】  承知しました。よろしくお願いします。
【岸本部会長】  それでは、いつも名簿順で恐縮ですけれども、高橋委員から御発言をお願いしても良いでしょうか。
【高橋部会長代理】  ありがとうございます。とても詳しく御説明いただいて、大変理解が進みました。前回もコメントさせていただいた点ではありますけれども、もし聞き逃していたら大変申し訳ないのですが、策定したガイドラインを実際に運用していくときのインセンティブの設計ですとか、ガイドラインの運用をどのよう広げていくかというところに関しては何か工夫などされているのか、お伺いしたいなと思いました。大変すばらしいガイドラインを策定しても、使われないともったいないなと思いますので、その観点はどういう状況なのか、ぜひ知りたいと思っております。よろしくお願いいたします。
【岸本部会長】  ありがとうございます。一通り皆さんの御意見、御質問を伺って、質問についてはその後に事務局に答えていただくということでもよろしいでしょうか。
 それでは、続いて、雨宮委員から、お願いいたします。
【雨宮委員】  雨宮です。私も、このガイドラインはいろいろと詳しく書いていただいていると思いまして、これを実現していく、実際に運用していくのが本当に大切というふうに感じております。その中で、実際にこれを適用していこうと考えると、例えば、見える化、予約システムというところは、本当に現実問題として重要になってくると思います。予約システムに関して言えば、「「大学連携研究設備ネットワーク」の活用も考えられます。」というようなことが書かれています。これがどういったシステムか、残念ながら存じ上げていないのですけれども、また、民間のものを利用することもできるのではないかとも書かれています。確かにそれを各大学なりに活用できれば良いと思いますが、何かそこに対して手助けみたいなものがもらえるともっと良いのではないかと思います。自分で構築しようとすると非常に大変なことだと思いますので、もし、書かれている自然科学研究機構のものが非常に使いやすくて、すぐにでも利用できるということであれば、それをもっと紹介していただければ良いと思いますし、もしそうでないのであれば、そういった支援があると非常に良いというふうに思いました。同じことは、研究設備・機器の見える化というところでも言えます。ここういうのがあるというのを見せるのも、自分でつくろうとすると大変なので、何かそういった支援があると良いのではないかと思った次第です。
 以上です。
【岸本部会長】  ありがとうございます。
 それでは、続いて、網塚委員、お願いいたします。  
【網塚委員】  網塚です。御説明、どうもありがとうございました。まず、感想としては、長年、本部会等で議論されていたことがしっかり網羅され、凝縮されているガイドラインとなっていると思います。江端委員をはじめ、ワーキンググループの皆さん、事務局の皆さんに、心から感謝申し上げます。内容が非常に分かりやすくて、強制感のない表現でどうしたらいいかということが各項目で具体的に書かれていて、非常に良いなと思いました。
 お話にもありましたが、活用の方策ですけれども、何らかの形で将来的には大学の評価に入れていただく方向で進められるとよいと思います。そうすることで本格的に大学も変わっていくのではないかと思う次第です。それと、科研費や、設備の予算が含まれた事業のときの申請の募集要綱には可能な限り、このガイドラインを参照するような文言を入れていただくことが必要と思います。
 また、ガイドラインの内容ではなくてテクニカルなところですけれども、ガイドラインと名前がついているものは、ともすれば頭から最後まで全部読もうとする人は少なく、必要な情報をかいつまんで見ようとしますので、検索性を高めるような工夫をしていただけるとよいかと思います。ウェブ版だと目次から直接見たいところに飛ぶとか、PDFですとしおりをつけるとか、そういったような形です。あと、将来的には、ここに書かれていることがQ&Aになっていたりすると、自分が機器共用に関して悩んでいることや、組織としてどうしようかと思っていること、その項目にピンポイントでアクセスできて有益な情報が得られる、そういう使い方ができるというふうに思いました。
 それから、今、e-CSTIの分析も御説明いただきましたけど、今まで全国の情報をこのような形で可視化していただいたことはあまりなかったので、非常に参考になりました。特に印象的だったのは、世界に伍する研究大学の共用率と地域に貢献するというカテゴリーの大学の共用率に結構な差があったということです。割合で出ていますけれども、装置の台数からすると研究大学のほうには非常にいい装置がたくさんあるはずなのに、それにもかかわらず共用率が少ないといったことがデータから如実に分かって、何を是正すべきなのか考えさせられます。研究大学はもっと多くの大学に良い装置を供出すべきであるということも言えると思うし、一方で、そうしないことによって研究力が維持できているかもしれません。そういった分析がこのようなデータを見ることによって次に活かしていけるということで、非常に有益なものだと思いました。今、北海道大学でも研究基盤IR、すなわちデータベースとその分析のためのBIツールを学内でつくろうとしているところですけれども、もちろん既につくられている大学もございますが、各大学で同様のことを行おうとすると結構大変なので、将来的には、e-CSTIのような国として整備されたデータベースに情報が集約されて、少なくとも自分の大学に関してはBIツールを使ってすぐに分析できるというような体制が整うと非常にありがたいなと思いました。
 取りあえず、以上となります。
【岸本部会長】  ありがとうございます。
 それでは、続いて、上村委員、お願いできますでしょうか。
【上村委員】  どうもありがとうございました。一番面白いなと思ったのは、競争的研究費で得たものもプロジェクトの期間中においても共用できるというのは非常に良いなと思いました。今までモノポライズされていたものはすごくあるのではないかと思って、それも供出させるというか、もちろん、できる範囲で、差し障りのない範囲でとおっしゃっていましたけど、非常にすばらしい案だと思います。私も、先ほどの先生がおっしゃっていましたけど、各大学で競わせるみたいなことになると、最初は仕方がないのかもしれないですが、国として、大学間を横串で刺したような一つのシステム、e-CSTIもそうですけど、そのような形になって、例えば私なんかだと企業ですし、その中の一つのツールに絞って、いろんな大学を横断的に見られるようなシステムがあるとすごく便利ではないかというふうに思います。共用ガイドラインの使いやすい大学とそうでない大学というところでおのずとカスタマーのほうから選ばれることになりますから、最終的には大学の取組というものが、支援数というか、それに反映されてくると思うのですね。だから、そういう形で大学横断的なものにつなげていくというところが一番、国として強くなれるのではないかというふうに思いました。
 2番目の中長期的なというところですが、一番はアップデートのところだと思います。非常に古い機器を計画的にアップデートしていく。一緒に古くなって、一緒にやると駄目ですけど、どこかにおいては最新的な機器がある程度複数的にきちんと使えるような状況をつくっていくと。古くてもいいもので測定できるところはそれを使用した良いいし、例えば、企業が使ったりするときはいわゆる特許の問題とかもありますから、そこで最新的なところが使えるというのは良いなというふうに思います。それで、最終的に企業なども使うことを考えると秘密保持と成果専有ということになりますから、その辺のところは利用料金に跳ね返ってくるのは当然のことで、私、AMEDのBINDSのPOを5年間やってきたのですが、それは、大型放射光施設、KEKとか、SPring-8とか、中性子のJ-PARCとか、それから、NMRの施設とか、「富岳」などもそうですが、そういうところではやられているわけです。ですから、そういう仕組みを取り入れられるような形で、BINDSの場合は支援ということで、先生もコンサルティングから始まって、どういうのを使ったらいいかというところからアドバイスして、コンサルティングで終わる場合もあるのですけど、その人のニーズに一番当てはまるものをコンサルするということが大事だと思うので、その辺のところもきちんとやっていって、民間については、それを利用料金に上乗せしていくといいますか、そういう形でやっていくと国として非常に強いシステムがつくれるのではないかと思いました。
 以上です。
【岸本部会長】  ありがとうございます。
 それでは、続いて、杉沢委員、お願いいたします。
【杉沢委員】  
 杉沢でございます。ガイドラインというと手順書みたいなイメージを持つのですけれども、これまで共用に関して議論をしてきた様々な課題をうまく整理していただいて、その課題にどうやって取り組むかという考え方を非常に整理されたという意味では、大変すばらしいものだと思っています。ガイドラインというよりも、バイブルじゃないかというふうな印象を持っています。このガイドラインの考え方をこれからぜひ普及していって、共用設備を管理されている、各大学様ですとか、様々な機関の方でうまく運用していってほしいというのが、我々の考えで、希望ですけれども、その上で、最も重要だなと思っていることは、組織の経営者が、個々の手順というよりも、ガイドラインの考え方をしっかり認識していただくのが大事だなと思っていますので、ことであり、そういった経営者の方々にそのことを認識していただけるような活動を進めることです。ですとか、また、それに対して我々自身がこの考え方を広める活動を進めて行くべきと思います。特に私は分析機器工業会の技術委員長の立場にありますがなどをやっているのですが、工業会その立場で支援していきたいと思っております。
 以上です。
【岸本部会長】  ありがとうございます。
 それでは、田中委員、お願いいたします。
【田中委員】  田中です。ガイドラインのほう、とても参考にさせていただけと思いながら、拝見いたしました。私たちのところも、今、マテリアル先端リサーチインフラ事業が始まったばかりで、いろいろ定めているところですので、重複する考え方がかなりあると思いました。
 先ほど、この考え方というのを経営陣にも広げていくためにはインセンティブ設計というものが重要ではないかというような御意見もあったと思うのですが、それもナノテクノロジープラットフォームでも行っていて、多少役に立つのかなと思いますが、各大学を競わせて、例えば、どれだけ件数をこなしたかとか、どういう成果が出たかとか、どれだけ収入があったかとか、そういったことに応じてインセンティブのある委託費のようなものを配るというようなことをやっていると、皆さん頑張って、もっともっと広げていこう、もっといろんな装置を入れていこうというような方向に行きますので、何らかのインセンティブというのはやはり重要だろうというふうに思いました。
 今、マテリアル先端リサーチインフラのほうでは機器の共用の次にデータの共用ということも開始しようとしていて、その結果というものもウェブ上で公開していくという形を最終的には考えていまして、そういうものですと、先ほどの統計とも関連してくるかなと思いますけれども、どれだけの人が見てくれたかとか、PV数とか、データや報告内容というものをどれだけダウンロードしてくれたかというような数に応じて、どれほど成果が出ているかということが見える化してくるかと思いますので、そういう形でも、いろいろと参考にさせていただきながら、参考にしていただきながらという形でできればよいのではと思いました。
 それから、1点だけですけれども、先ほどの資料1-1の7ページに誤りがあったようなので、修正させてください。7ページに図があったのですが、そちらのナノテクノロジープラットフォームのところが2012~2018になっていますけれども、これは2012から2021までですので、そこを御修正いただければと思いました。
 以上になります。
【岸本部会長】  ありがとうございます。
 それでは、波多野委員、お願いいたします。
【波多野委員】  波多野でございます。ありがとうございました。共用ガイドライン、先ほども御意見出ましたけど、共用ガイドラインと言うのが正しいかどうか、すばらしいものができたと思います。江端委員はじめ、御尽力に感謝いたします。そして、今日、少し驚いたのですけれども、エビデンスのe-CSTIのデータも、こんなものがあったのかと、私はびっくりしました。そこは相補的にフィードバックかかるようになれば、今後、共用ガイドラインのさらなる改善を含めて、うまく進んでいくのではないかと思いました。
 先ほどもございましたように、最終的には、一番下にありますように、民間を含めた研究力の強化をして、もちろん学際的な研究も進めて、新産業を創出していくとか、産業競争力を強化していって、法人税でもうけてフィードバックさせていくというようなのが理想的だと思いますので、今後の調査課題としましては、どういうところに設備の共用化をしたとか、それによって、論文だけではなくて、知財がどれだけ生まれたとか、標準化がどれだけ進んだとか、あと、先ほど出ましたように、データが今後重要ですので、データがどれだけ高次データ利用に発展したかというようなところの調査につながればいいかなというふうに思いました。
 以上です。
【岸本部会長】  ありがとうございます。
 それでは、続きまして、原田委員、お願いいたします。
【原田委員】  皆さん、いろいろおっしゃって、非常にすばらしいものにまとめ上げていただいたなというふうに思います。せっかく作ってくださったこの御提案をいろんな大学に実現してもらうためには、先ほどもどなたかおっしゃっていましたが、17ページに実施体制イメージというのがあるのですけど、機関長の直下に統括部局というのを置いて各組織をマネジメントするという形になっていますが、要するに、大学の執行部の方に共用の必要性とかっていうのをきちっと御理解いただいて、こういうものをしっかりつくるのだということを強く学長主導でやっていただくということが大事なので、そういう方々にいかに御理解いただけるかというところがポイントというふうに思いました。
 以上です。
【岸本部会長】  ありがとうございます。
 それでは、続いて、宮下委員、お願いいたします。
【宮下委員】  
宮下でございます。皆様おっしゃいますとおり、私もこれを読ませていただきまして、大変バランスが取れていて、特に、人材といいますか、民間の方を含めた活性化事業なので、非常にすばらしいと思います。仕組みとしましては、本日も説明ございましたが、基本的には利用料で採算いただいて、頑張ったところはさらに設備が進むという考え方が大変すばらしくて、現実的だと思います。先日御案内いただいたガイドライン等の策定に関する検討会というのを聴講させていただきました。そのときに、どの先生がおっしゃったか忘れましたけど、たしか海外に行かれて学位を取られたのか、日本の大学に赴任されたときに全くお金がなくて、そのときに設備を無料で利用できて、それで今があるというところを強く主張されました。確かにそうだと思います。若手で優秀だけど、まだ結果が出てないのでお金が払えない方というのは非常に多くいらっしゃると思っています。本日も御説明ございましたが、それを救う方策は各大学の予算でというのもあるのでしょうけど、国として何らかの方策が必要と考えます。先ほどの網塚委員のご提案のように科研費が通りやすいなどもよろしいかと思います。
 民間と一緒にやったときに、お金は出るには出るのでしょうけど、民間はすごく長期的なことには投資しにくく危険性もございます。どうしても流行のものに投資しますので、流行をやるとお金が集まって、流行ばかり大学がやり始めると、本当はうれしくないですね。民間が、思いもよらないような、驚くような、誰もやっていないようなことを、特に若手の方が思いついてやっていただいて、10年たったら、あのときのものが花開いたというのを私は大学に強く求めたいと思います。ぜひ、若手で野心あふれる方が、お金はないのだけど良い研究ができるという仕組みをつくっていただきたいと思います。
 以上でございます。
【岸本部会長】  ありがとうございます。
 それでは、一通り委員の皆さんから御意見いただきましたので、次に、このガイドラインの作成にも携わっていらっしゃっている、江端委員、上西委員から、コメントをいただきたいと思います。
 それでは、江端委員、お願いできますでしょうか。
【江端委員】  江端です。この部会の先生方から今いただいた御意見一つ一つを本当にかみしめながら、お話を拝聴しておりました。私は座長としてガイドラインを責任持ってまとめさせていただいているところではありますが、先生方からの御意見、そして、この研究開発基盤部会での議論を基に、このガイドラインを作らせていただいているという認識でおります。そういった意味で、今回いただいた御意見、お時間があれば、一つ一つ議論をさせていただきたいところではありますけれども、時間もありませんので、いただいた御意見を踏まえて、今後、このガイドライン、さらに完成度を上げていくべく、対応してまいりたいと思います。
 もう1点、今回、エビデンスということで、e-CSTIの結果を白井参事官より御説明いただきました。今回のエビデンスというのは、本部会で私は再三コメントをさせていただいているところでありますけれども、研究基盤に関するエビデンスというものがなくて、共通のエビデンスというものを我が国が初めてしっかりと調査をして取った初めてのデータということで、非常に初歩的なところではありますが、非常に大きな一歩だというふうに思っております。そういった意味で、今回、この分析を進めていただいた白井参事官、そして、この企画をスタートしていただいた宮本元参事官、内閣府の皆様、文科省の皆様に、この場をお借りして感謝を申し上げたいと思います。
 私からのコメントは、以上になります。ありがとうございます。
【岸本部会長】  ありがとうございます。
 それでは、上西委員、お願いいたします。
【上西委員】  
 上西です。江端先生が言われましたように、この基盤部会での御意見、それから、検討会でいろいろな委員の方々からいただいた意見が非常にうまく最終的にまとまってきたと思っております。江端先生が座長としてきっちりとまとめていただいたということもありますし、それから、文科省の方々も非常に上手にまとめていただいたと思っているところです。それに微力ながら使関われたことは、私としても大変よかったと思っているところです。このガイドラインは、参考事例集とセットで見ると非常に役に立つものだと思います。参考事例集は、2ページ目、3ページ目に、各大学の規模とか、そういうのも書いてありますので、その規模に合わせて御自身の大学に一番参考になる事例を逆引きという形で引けるようになっておりますから、いて、ガイドラインとセットで活用していただけたら良いのだろうと思いますので。これからはどのように活用してもらうかということに注力して、多くの方々に活用していただくような仕組みをきっちりと考えていくのが重要だろうと思いました。
 もう一つ、この作業を通して感じていることですけれども、委員の中からも少し意見が出ていました。それは何かというと、共用化の根本にあるのは、みんなが協力して、みんなでよくなるという理念だと思うのですが、一方で、政策全体で言うと、他大学とか、ほかの研究者と競って優劣を争うような競争というのもかなり意識的に導入されてきていて、ます。そこのすみ分けをきっちりしないと、みんなでよくしていこうという部分と、競い合うという競争の部分と、両方必要でしょうけれども、少なくとも研究基盤を全体で底上げするというのは、みんなで協力してやっていきましょうという理念が大事だと思うので、そこの切り分けと整合性というのが中長期的には大事ではないかと思いました。e-CSTIの結果でも研究大学のほうが、共用化が進まないということも、地方大学に比べて競争が厳しい部分があり、いわゆる競い合うほうの競争が厳しいというのもあるのではないかとも感じましたので、みんなで協力して、みんなでよくしていくというような理念を徹底するというのが共用化を進めていくには極めて重要だろうと、中長期的には思いました。
 以上です。
【岸本部会長】  ありがとうございました。
 私からもコメントを少しさせていただいて、その後、事務局から再度コメントをいただければと思います。けれども、非常にすばらしいガイドラインができた中で、その活用をしていくということでは、大学の執行部の方々に共用化をやるとどういういいことがあるのかというのがもっと分かるように説明していくというのが必要ではないかと思います。のでまた、例えば、文部科学省関係の他のプロジェクトで、共創の場のプロジェクトや、地方創生のように、いろいろな大学が一体となって進めていくようなプログラムがありますが、共用化されている設備を使ってという形では申請が今は出てきてないように思います。けれども、実際にプロジェクトを進めるに当たっては設備というのは非常に大切な要素だと思いますので、そういうところもきちんと説明してもらうことを通して共用化の必要性を分かってもらうように促すなど、そういったほかのプロジェクトと連携も取りながらこのガイドラインを広めていくというようなやり方もあるのかというふうに、思いつきのところもありますが、思いました。
 あと、今日見せていただいたエビデンスのことですけれども、いろいろな数値を見ていると、まだまだ共用化というのは進めていかなければならないのではないかと思いました。うところですが、文部科学省が進めてきた共用化の促進事業を採択されている大学とそうでない大学で数値的に違いがあるのだろうかなどを見ることによって文部科学省が進めてきたプロジェクトが効果を上げているのかということも分析できると良いと思ったところです。また、きめ細かいデータの収集ができるようになって、どういう装置が主に共用化されていて、どういう使い方をされているのかというのが分かっていくと、例えば、産学連携を強化するにはこういうところを共用化していくのが大学として良いやり方だとかを調べ、また、特に若い研究者の方々は、先ほども話がありましたが、研究費があまりない中で新しい研究をやろうとすると共用化されている装置というのが非常に大事になると思いますけれども、そういった次世代を担う研究者の方々が共用化についてどういうふうに期待をしているかも調べていくとよいのではないかというふうに思いました。
 最後に、まだ民間との連携というのがなかなか表に出てきてないのですけれども、例えば、利用料金の設定にしても、各大学の工夫だけだと、ある種の限度があるのではないか。そういうところの中で、設定の仕方というのをある程度、大学横通しで共通化していくみたいな形で、このくらいは利用料金を設定しても良いのではないかとか、これからそういったような取組もしていくと民間との連携もやりやすくなるのではないかということで、そういったことも含めて今後議論をして、さらに良いものにできると良いのではないかというふうに思いました。
 私からのコメントは以上になりますけれども、高橋委員から最初に、これからどうするのかという、ガイドラインの活用についての御質問もありましたので、そのことも踏まえて事務局からコメントをいただければと思いますが、よろしいでしょうか。
【宮澤課長補佐】  高橋委員はじめ、良いものを作っていただいたので、どのように実際に運用いただくのか、普及していくのか。それは、ほかの委員からも御指摘ありました。経営層まで含めて、どのように理解してもらうのかというところを御指摘いただいたかと思います。今、詳細は決まっておりませんが、我々も、せっかく作りましたので、各大学、経営層まで含めて理解をしていただきたいと思っておりまして、作った後には何かしらアウトリーチ活動をやりたいというふうに思っています。そういったものを通じて、各機関、経営層まで含めて理解をしていただきたいと思っております。このガイドラインは2021年度までに作るということを科学技術・イノベーション基本計画でも言われております。その後、それを受けて、科学技術・イノベーション基本計画では2022年度から大学等が研究設備・機器の組織内外への共用方針を策定・公表するとなっておりまして、基本的には、このガイドラインを踏まえた上で、このガイドラインの中では「戦略的設備整備・運用計画」というような言葉を使っておりましたが、2022年度からはそういった各機関の計画を公表するといったことになります。恐らく、このガイドラインも初めて作ったものですので、このガイドラインを踏まえて各機関が作る運用計画も、どういった観点で作ったらいいのかという、何度かやり取りがあるかと思います。そういった中で、このガイドラインの趣旨と意味、このガイドラインに不足しているところなども含めて、よく各機関に説明・相談をしていきたいというふうに思っているところでございます。
【山本課長補佐】  大学研究基盤整備課の山本でございますが、よろしいでしょうか。
【岸本部会長】  お願いいたします。
【山本課長補佐】  我々といたしましても、今、宮澤補佐のほうからありましたけれども、高橋委員にも参画いただいておりますが、大学研究力について大学研究力強化委員会で議論しておりまして、その中でも、今後、大学の研究力をどう生かすかという議論の中で、今お話しいただいたガイドラインも含めまして、研究基盤の構築・運用のようなところも大学にちゃんと取り組んでいるということを含めまして、どういう支援の在り方があるかというような、条件づけとか、インセンティブの部分も議論しておりますし、また、運営費交付金につきまして、大学を挙げて組織整備というものを支援する仕組みがございますけれども、その組織整備につきましては、研究組織の特色をいかに伸ばすかということだけではなくて、URAであるとか、そういった研究基盤に関わる研究支援組織につきましてもきちっと整備をしていくというような方向性を打ち出しておりますので、そういったところと今回のガイドラインの動きを連携させて、いろんな支援の在り方があるかなというふうに、今考えているところでございます。
 以上でございます。
【岸本部会長】  ありがとうございます。
 高橋委員から、事務局の御説明を踏まえて、さらに御意見はございますか。
【高橋部会長代理】  いいえ。御説明いただいて、ありがとうございました。
【岸本部会長】  どうもありがとうございました。
 それでは、まだ御意見があろうかと思いますけれども、終了の時刻が迫ってきておりますので、意見交換については以上とさせていただき、その他のほうに移らせていただきたいと思います。
 議題(2)、その他といたしまして、研究環境課の令和4年度予算案と、先日開催されました研究基盤EXPO2022の開催報告について、御紹介をいただこうと思います。
 まず、資料4について、事務局より説明をいただければと思います。よろしくお願いいたします。
【萩谷室長補佐】  文部科学省研究環境課の萩谷と申します。議題(2)、令和4年度予算案のほうを御説明させていただきます。時間もございませんので、手短に御説明させていただきます。次のページ、お願いいたします。
 研究環境課の予算でございますけれども、大型施設及び設備の整備・利活用の関係の予算を計上してございます。次のページをお願いいたします。
 まず、官民地域パートナーシップによる次世代放射光施設の推進といたしまして、2023年度の稼働を目指して整備を進めているところでございます。整備費用を令和4年度予算として22億円計上してございます。次のページをお願いいたします。
 SPring-8の整備・共用ということで、こちらは令和3年度と同額の予算案を計上してございます。補正予算につきましては、後ほど御説明いたします。次のページ、お願いいたします。
 SACLAの整備・共用につきましても、前年度と同額の予算案を計上してございます。次のページ、お願いいたします。
 J-PARCの整備・共用に関しましても、令和3年度と同額の予算案を計上してございます。次のページ、お願いいたします。
 先端研究基盤共用促進事業として、プラットフォームプログラム、コアファシリティプログラムがございますけれども、令和3年度予算と同程度の予算案を計上してございます。次のページ、お願いいたします。
 補正予算でございます。次世代放射光施設の推進につきましては、令和3年度の補正予算として40億円、こちらは整備費用の一部でございますが、計上してございます。次のページ、お願いします。
 文科省全体の取組でございますが、研究DXプラットフォームの構築として、スパコンやSINETなどの研究インフラをどのようにデータ創出、データ統合・管理、データ利活用に進めていくかということで、データプラットフォームを整備していこうというような取組を令和3年度補正予算も使いながら実施してございます。このうちのSPring-8に関しましての取組が次でございます。次のページ、お願いいたします。
 SPring-8におきまして、共用費用とは別に、SPring-8データ創出基盤の整備といたしまして、令和3年度補正予算として10億円を新たに措置いただいてございます。こちらは、SPring-8施設内に、データセンター、データ圧縮インフラなどの情報インフラを整備いたしまして、SPring-8で大容量化してきているデータを蓄積して解析するような基盤を整備するとともに、オープンデータ化を進めていくというようなことで予算を措置してございまして、こちらの取組を今推進しているところでございます。
 予算の説明は、以上でございます。
【岸本部会長】  ありがとうございました。
 それでは、次の資料5ですけれども、研究基盤EXPO2022の開催報告を、研究基盤協議会の立場として、江端委員より御説明いただければと思います。よろしくお願いいたします。
【江端委員】  岸本先生、ありがとうございます。報告をさせていただきたいと思います。次、お願いします。
 研究基盤EXPO2022ということで、昨年度に続きまして、今回は3日間連続してイベントを行っていただきました。こちらは、研究基盤協議会と研究・イノベーション学会の分科会組織(IRIS)が協力・連携しながら、進めてきたものであります。次、お願いします。
 研究基盤イノベーション分科会という学会ベースの組織と、今回のシンポジウムを主体的に行っております研究基盤協議会というのは、それぞれミッションとしては共通のものを持ちながらも機能として別々のものを持っているということで、研究基盤協議会においては、今回のガイドラインに関する、各現場の意見を集める役割。そして、アドバイザリーボードということで、この後御紹介します各大学の経営者の皆さんにも集まっていただきながら、御意見をいただく。そして、若手のネットワークを通じて、若手研究者、あるいは、技術職員、官僚の皆さん、そういった方々の御意見もいただくような仕組みをつくっております。次、お願いします。
 アドバイザリーボードのメンバーとしましては、コアファシリティ事業採択校だけではなくて、採択されていない大学の中でも先進的な活動をされている大学の担当理事・副学長の先生方にも御参加いただいておりまして、現在、11名の方々にアドバイザリーボードメンバーとして入っていただいています。こういったところでガイドラインをしっかりと見ていただく、そういったものを各執行部の皆さんに意識していただくということも、併せて活動として行っています。次、お願いします。
 こういったことを踏まえて3日間行っておりまして、初日の1月26日は文部科学省が主催のシンポジウム、そして、27日は研究基盤協議会主催のシンポジウム、28日は学会のIRIS主催のシンポジウムということで、それぞれ視点を変えて、3日連続でイベントを行わせていただきました。今回、主催としては研究・イノベーション学会の分科会、共催として文部科学省と研究基盤協議会、後援として国立大学法人金沢大学様と一般社団法人日本分析機器工業会様に御協力いただきながら、このイベントを開催させていただきました。次、お願いします。
 こちらはそれぞれのイベントのポスターになっておりますけれども、詳細は割愛させていただきます。次、お願いします。
 3日間の合計で、登録者数としては延べ1,300人ぐらいのイベントとなりました。実際に御参加いただいた実数を先ほどいただいたのですが、大体1,000人ぐらいに参加していただいています。今回、文部科学省より千原局長をはじめ関係者の皆様に御参加いただき、さらに先ほど御説明いただきました内閣府の白井参事官、さらには機関の執行部の方、コアファシリティ事業採択校の15機関の理事・副学長にも御参加いただきながら、非常に濃密な議論ができたなあというふうに考えております。次、お願いします。
 こちらは、先ほど白井参事官からも御説明あったとおり、こういったデータもお示ししながら議論進められたというのは、非常に大きなことだったと思っております。次、お願いします。
 以下は提言ということで、今回のEXPOの中でガイドラインに対する提言というものを各視点で出させていただきましたので、参考としてつけさせていただきました。さらに、イベントの中でパブコメのようなものはないのですかというような御質問もありまして、急きょ、今回、EXPOのアンケートの中にガイドラインについて御意見を聴取するようなアンケートを取らせていただいて、50件程度、コメントをいただいております。こういったものも協議会でまとめさせていただいて、また改めて文部科学省に出させていただきたいと考えています。次、お願いします。
 あともう一つ、こちらは、アドバイザーの名古屋工業大学の江龍先生から御提案いただいた、新たな指標の考え方というものです。こちらにつきましては、詳細に説明すると時間がかなりかかってしまうのですけれども、こういったエビデンスの活用の応用についても各大学で検討が始まっているという現状だけ、共有させていただきます。
 以降、5ページにわたって各テーマからの視点の提言を出させていただいておりますので、そういったものも含めてガイドラインをまとめていきたいというふうに考えております。
 私からの説明は、以上になります。ありがとうございます。
【岸本部会長】  どうもありがとうございました。
 御質問、御意見もあろうかと思いますけれども、予定の時刻が過ぎつつありますので、御説明いただいたところで、皆さんの情報共有とさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
 それでは、本日の議題は以上とさせていただきますけれども、事務局から、連絡事項等、ありますでしょうか。
【宮澤課長補佐】 事務局の宮澤です。委員の皆様、本日は多くの貴重な意見をいただきまして、どうもありがとうございました。次回の研究開発基盤部会の日程は、後日、メールにて調整させていただきます。
 また、本日の議事録は公開させていただくことになっておりまして、追って議事録(案)をメールで確認させていただこうと思います。
 本日は、ありがとうございました。
【岸本部会長】  1時間半ということで、いつもよりコンパクトな部会になりましたけれども、多くの意見をいただきまして、どうもありがとうございました。
 それでは、以上をもちまして、第12回研究開発基盤部会を閉会いたします。本日は、ありがとうございました。
 
―― 了 ――
 

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