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研究開発基盤部会(第5回)議事録

1.日時

令和2年6月3日(水曜日)14時00分~16時00分

2.場所

新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、オンラインにて開催

3.議題

  1. 研究基盤の現状と課題について
  2. 来年度概算予算要求について(共用プラットフォーム形成支援プログラムの今後を中心に)
  3. その他

4.出席者

委員

岸本部会長、藤井部会長代理、網塚委員、飯島委員、江端委員、江龍委員、金澤委員、木川委員、菊池委員、佐藤委員、杉沢委員、高橋委員、田沼委員、中村委員、西島委員、野村委員、波多野委員、原田委員、横山委員

文部科学省

大臣官房審議官(科学技術・学術政策局担当) 梶原将、
科学技術・学術政策局 研究開発基盤課長 渡邉淳、課長補佐 黒川典俊

5.議事録

【岸本部会長】 定刻となりましたので、ただいまから第5回科学技術・学術審議会研究開発基盤部会を開催いたします。
本日は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、オンラインで会議を開催することといたしました。
本日は、研究基盤の現状と課題についてと、来年度概算要求に向けての2つを議題といたします。
まず、事務局から本日の出席者と資料の確認などをお願いいたします。

――― 事務局から資料の説明 ―――

【岸本部会長】 部会のオンライン開催に伴いまして、資料1にありますとおり、運営規則を改正しております。委員の皆様におかれましては、事前に御連絡をしておりますけれども、オンライン会議における留意事項と併せて、事務局より御説明ください。

――― 事務局から資料の説明 ―――

【岸本部会長】 御説明ありがとうございました。それでは、皆様からコメントをいただきたいと思います。11ページのところに出ています観点ですが、皆様に御意見をいただきたいと思っております。手を挙げていただくということもありますけれども、少し順番にお願いしたいと考えておりますが、よろしいでしょうか。今回、大学のことということで、まず、大学の現状について、1つは、経営サイドにも参加されている藤井委員と江龍委員に、御自身の周りのことでも結構ですので、そういう観点からお話をいただいた後に、各研究室のことについては、網塚委員、江端委員、金澤委員、波多野委員、原田委員にお願いできればと考えております。
それに続いて、共用プラットフォームの観点で木川委員、野村委員、高橋委員にコメントをいただき、最後に大学共同利用機関あるいは国立研究開発法人の関係から、横山委員、田沼委員に1巡目の御意見をいただきまして、その後、フリーにディスカッションをしたいと思っております。
それではまず、大学の現状ということで、藤井委員、江龍委員から順番にお願いしたいと思います。藤井委員、よろしくお願いいたします。
【藤井部会長代理】 承知しました。では、藤井からお話をさせていただきます。
先ほど御紹介いただきましたように、東京大学はこの間ずっと(新型コロナウイルス感染症拡大防止のための大学の活動制限指針例の)レベル3で来ておりまして、今週からレベル2に緩和したところであります。先ほど御紹介いただいた表は、最近リバイスしたもので、閉じていく方向での文言が少しまだ残っていたかもしれませんが、本当に限られた研究活動を除いては、基本的には入構しないでやっていくということで、医療関係者とコロナウイルス関連の研究以外については、ほぼ研究活動としてはストップした状態になっておりました。そのため、皆さんされていると思いますけれども、サンプルはほぼ全て凍結にして取っておくということですし、クリーンルームは全部一旦ストップしておくという対応をしてきたところであります。例えば、クリーンルームあるいは電顕を置いている部屋については、万が一感染が起こって消毒作業しなくてはいけないということになってしまうと、機器自体を復帰することが難しくなる可能性があるということも心配して、使用をストップしたということであります。研究についてはそれが1点。今徐々に開き始めていますけれども、これは基本的には人が多くならないようにシフトを組んで、平均的に入構する人の割合を低い状態に保っておくという努力をしているところであります。
もう一つは、大学の場合は御存じのように教育のファンクションがございますので、これにつきましては、4月の頭から講義をオンラインでやるということで全面移行しました。先生方にはかなり御苦労をおかけしたんですけれども、幸いなことに、ここまで順調にオンライン講義で対応してきているということで、夏学期はずっとこれでいくという方向になってきております。
この後、考えるべきは、例えば実習とか研修といったものをどういった形でやっていくかということですとか、そのほか、最終的に評価をどうするか、ということも含めて、教育について考えていかないといけない状況にはあると思っております。それ以外の、いわゆる大学での業務その他、皆さん一緒だと思いますが、在宅勤務、それから会議もオンラインというふうな状況になっております。
それからもう一点は、東京大学の場合は病院がございますので、医療関係の対応というのもやらなくてはいけないということでありまして、当然、コロナ関係の患者さんの対応ということも含めて、東京大学の場合は主として中等症以上の患者さんについて対応してきていて、そのために病棟も一部再編をしたりといったことで、病院そのものの経営としては非常に苦しくなっているということはもう知られているところでございます。
それから、研究でいいますと、コロナ関係の研究、治療薬関係も1つ、これは御存じの方も多いと思いますが、ナファモスタット、フサンという膵炎のお薬ですけれども、これが、コロナが細胞に入るところをブロックする作用と、それから、血栓、血液凝固を抑える作用があるということで、今発表している範囲では、臨床研究で、アビガンとの併用とアビガン単独ということで比較を取るという研究が始まっているところであります。
現状、そういう意味で、コロナの関係は、医療的な研究と、それから当然IT、ICT的な研究と、これについても鋭意進めております。それから数理的な感染症、感染拡大を解析している皆さんももちろんいらっしゃいます。そういったところであります。
それで、一言だけ申し上げますと、こういう状況は、一見非常にしんどい状況ではあるけれども、前回の議論の続きかもしれませんが、この共用設備とか研究基盤という観点でいうと、やはり今までも、実はオンラインでもできたことは結構あったような気がします。それでもやはり実験作業とか測定というのは、直接、目の前に持ってきてやらなくてはというのが、ある種のプリンシプルとしてありまして、実はオンラインで対応できたようなことも、そういう意味では目の前でやっていたというところもあるのかなというふうに思っております。これは実際、このオンラインの環境になってみますと、むしろオンラインでできることをうまく拾い上げていけば、先ほども御提案にありましたけれども、遠隔あるいは自動化で共用設備をもっと国内全体として有効に活用するということが十分できるのではないかという気がしております。これは少し、もちろん投資も必要だと思いますけれども、それによって、前回申し上げましたように、より稼働率を高めるであるとか、付加価値を高めるということによって、その自立的な運営にもつながるような準備を、そういう意味では、短期的には対応しないといけないことはあるんですけれども、少し中長期的に、そうしたことを視野に入れた共用設備のオンライン化あるいは遠隔化というのを、今だからこそ議論をしておくべきではないかなというふうに感じているところであります。
私から、少し長くなりましたが以上でございます。
【岸本部会長】 どうもありがとうございました。続きまして、江龍委員、お願いできますでしょうか。
【江龍委員】 江龍です。ありがとうございます。名古屋工業大学、教育・研究環境という点では、藤井先生と全く同様でございます。ただ、名工大の特徴は、非常にコンパクトなキャンパスということもあって、あと、私自身が設備共用施設に係るところ、研究に係るところのお金を管理しているという立場でもありまして、その立場でこの3か月間やってきたことを御紹介できればと思います。
まず、現場で困っている研究者、技術職員というのはもちろんあるわけですけれども、ここで先生方が授業の準備あるいは大学に出てこないというところを逆に活用しまして、コーディネーターが産学官金連携機構というところにおります。その中の1名に、設備だけに専念いただき、学内中の設備の点検及びどれだけ論文のシェアがあるのかということをやってまいりました。そうしますと、面白いなと思ったのが、ネットワークにつながる機械の方が利用率が高いんですよ。論文シェアも論文もかなり出ている。むしろ、ちょっとだけ古く、孤立していてネットワークにつながらないような機械というのは利用率が下がっている。それをよくよく調べてみると、その手の装置というのは、今使えるような分解能を持っていないとか、そういったものを第一線から外していこうと。そういうような序列づけにこの3か月間を使ってきて、先生方はネットワークでつながっていますので、御理解をいただいていたというようなことをやっていました。それがまず1点でございます。
それともう1点は、これもキャンパスが小さく、工学部しかないということ、それと、割と海外と共同研究をしていらっしゃる先生方がたくさんいらっしゃって、そういった方々のお話を頂戴しますと、1つの研究、例えばNMRで出た、XPSで出た、そういうデータを、同じ装置を使っているけれども、別の分野の先生方は一体どういうような解析処理をしているんだろうねというようなものがぽろっと出てきました。そうしますと、分野を越えた、サイエンスの異なる、学理の異なる先生方がどんなふうなデータ解析をしているんだというようなことを、そうすると生データを出していただかないといけない。もちろん、論文に出すようなウルトラフレッシュなものをオープンにしていただくことはできませんけれども、ちょっと前に出したよというようなものを、学生同士あるいは助手、助教、准教授ぐらいのところに出していくと、自分たちはこういうような観点で分析しているとか、そういうふうにやっていくと、これは装置をシェアするだけではなくて、サイエンスのシェアといったところにもう一歩上がっていくかなと。それでは、それをどうするんだというような、どういう仕組みでデータの安全性というか、リークしないということですけれども、そういったことが実現可能なのかというようなところを、今取り組んでいるところです。それが、名工大が目指すアフター・コロナかなというふうには思っています。
名工大の事例は以上です。
【岸本部会長】 ありがとうございました。
それでは、研究室の現状ということですけれども、それにとらわれずにお話しいただきたいと思います。網塚委員、江端委員、金澤委員、波多野委員、原田委員の順番でお願いしたいと思います。
それでは、網塚委員からお願いできますでしょうか。
【網塚委員】 どうもありがとうございます。北大の網塚です。北大も今週の月曜日からレベル2に制限が緩和されまして、授業は、少なくとも春タームの間は遠隔授業で、滞在時間を限って実験することは可能になりました。ただ、前回、北海道は規制を緩和した結果、第2波を招いたということがあり、親御さんの心配もあるので、慎重に学生の研究のための通学を再開しているという感じです。
私は理学部にいて、物理学関係ですけれども、周りで聞こえてきますのは、まずは、もう話に上がっていましたけれども、液体ヘリウムや窒素といった寒剤の補充でありまして、これは大よそ装置1台につき週1回とか、場合によっては2回の頻度で誰かが来てやらないといけません。特に新共用事業で拠点化したところは、利用料収入を使って学生を短期支援員として雇い、それでヘリウムの補充をやっていたりします。今回こういう事態になってしまって、技術職員がいないと教員が行ってそれをやるか、あるいはもう昇温して、装置を止めるかといった状況になっています。
あと、機器共用のセンターの方では、受託分析を止めないで欲しいという要望が強かったです。御存じのように受託分析ですので、研究者や学生は大学に来なくても研究を進めることができますが、レベル3になりますと、技術職員の方も基本的に在宅勤務になりますので、現状、人がいないと装置は動かないということで、受託分析サービスを完全に止めました。今、レベル2になって、再開したんですけれども、既に依頼が殺到しているようです。レベル2でも技術職員の方はローテーション勤務をする予定になっていますが、これで回るのかどうかちょっと心配なぐらい、依頼が殺到しているという状況になっています。
あとは、先ほどお話にもありましたけれども、装置を制御するパソコンとかオペレーティングシステムのアップグレードを、ついつい装置が順調に動いているときはこれでいいかと思ってしてこなかった。いざ実際こういう事態になって、ネットにつないでリモート化しようとしたときに、経費の問題や業者側が自粛しているといった都合もあってできなかったといった問題がありました。
今後ですけれども、寒剤の補充につきましては、今、学内からも希望を募っていますが、装置1台について2、3千万円追加すると、自動液化機をその装置専用につけることができる。既に組み込んでいる装置もあるんですけれど、これは10年以上は動くので、1年にならすと300万円ぐらいのコストです。ヘリウムをくむと、寒剤費で年間200万円以上かかりますし、寒剤をくみ足しするときの測定時間のロスですとか、技術職員や学生の労力、人件費といったものを考えると、十分元が取れる投資なのではないかなと今考えているところです。多分、全国でそういう需要が増えるので、自動液化機が安くならないかなと期待しているところです。
あとは、やはり受託分析を拡充するのがいいのではないかなと思っています。つまり、受託の依存度を増やした研究スタイルに移行していく。受託分析であれば、試料とデータをやり取りすれば、研究者と学生は安全なところにいて、決められた装置を決められたスタッフだけが触りますから、比較的安全にできるわけですよね。今のところ、北大ですと、質量分析とか化学組成分析といった受託分析を行っていますけれども、それ以外にもユーザーが利用しているオープンファシリティーの機器は、多分かなりの数が技術職員を適正に配置すると受託でできるのではないかと。物理関係の分析だとか、エックス線構造解析とか、そういったものは、試料を預けて、まあ教育効果は落ちてしまうんですけれども、専門スタッフに預けてやってもらうと、研究を止めることなく質の高いデータを取ることができるのではないかなということがあります。ただ、それをやるためには、技術スタッフを増員するとか、全学で適正配置するとかといった工夫も要りますし、あと、その技術職員の方は通勤するということになるので、安全な環境とか、通勤体制も、同時に考える必要とか、また、非常事態での勤務には何か手当をつけるとか、そういったことも必要になるかなと思います。もちろんそれと、先ほどお話にも上がっていましたデータのセキュリティーといったことも重要化してくると思います。
あとは、もう一つだけ加えるとしますと、実験スペースの問題です。レベル2になって大学院生が少しずつ来て実験するようになりましたけれども、装置のある部屋が狭くて、学生が何人か入ると密になりかねないと。動線が実験室の中で密にならないように確保できるような環境整備というのが必要かなと思いました。大学は、特に法人化してからだと思うんですけれども、コスト削減の観点から、スペースマネジメントを一気に進めて、結構現場ではスペースチャージを取られたくないので、節約して占有面積を絞っているという実情があると思います。そういったスペースマネジメントの在り方も、単にコスト削減の観点からだけではなくて、あともちろん消防法の観点もありますけれども、今回みたいな感染リスクの観点から、いま一度見直す必要があると思いました。
以上です。
【岸本部会長】 どうもありがとうございました。
それでは続きまして、江端委員、お願いできますでしょうか。
【江端委員】 ご紹介いただきありがとうございます。東京工業大学の江端です。
まず、藤井先生、江龍先生、網塚先生のほうから、もう大分コメントをいただきまして、基本的な国立大学法人の中における研究体制の課題等はある程度もう出たかなと思っております。
私の方から、まず東京工業大学の今回のコロナ対策の流れを簡単に御説明させていただいて、その後全学の研究基盤どのような状況になっているのかということを、現場の技術職員の方々あるいは教員、学生の方々の声について、共有させていただきたいと思います。実は、黒川補佐から御説明いただいた現場の声というところも、私からかなりお話しさせていただいたところがありましたので、そちらにまとめられたものも御覧ください。
本学は、今年1月28日にコロナ対策本部を設置し、3月30日に、当面の対策方針として、緊急事態宣言の発出を想定した上での具体的な行動指針を学長からメッセージとして発出しました。その際に、講義自体は第1クオーター、第2クオーター、8月の上旬ぐらいまで全てオンラインにしようということで、4月はその準備期間にあて、様々な事務体制、教育用のコンテンツを作成すること等、それぞれ準備をしていただいて、5月4日からオンラインで講義が始まっております。事務体制としては、勤務の8割減というのを目指しながら、在宅勤務とかテレワークというのを実施するような形にしまして、先月いっぱいはそのような形で対応してまいりました。
研究活動自体は、出校しての研究活動自体は原則禁止というような状況にありまして、研究活動、指導は原則オンラインで、各研究室の先生方に御対応いただいているというような状況です。現在、対策自体をいろいろ整備していまして、研究再開に向けて徐々に準備を進めつつあるといった状況です。
今回、研究基盤に関するところで一番大きな課題、重要なポイントとして非常に多く声が上がっていたのは、やはりセキュリティーに関する話でした。これは、私の前に御説明された先生方からもコメントがありましたとおり、セキュリティー対策自体をしっかりしないと、データの機密性は守れない状況にありますので、それを考えないといけないのですが、それに対応する予算は現状なかなか準備できていない状況です。それを進めていくことが喫緊の課題かと思っております。
さらに、今回、この新型コロナウイルス感染症の関係において、PCR検査の話がメインテーマとして出てきております。その話は、文部科学省から各大学に、実際、装置がどれだけあるのかというようなアンケートというか内々の調査というのが来まして、それに対して各大学から、大学としてはこういったことで対応できそうだということを回答しているというふうに聞いておりますが、実際、そこに大きな課題があると考えておりまして、以前の部会からお話しさせていただいていますとおり、全国の各大学に機器がどこにどれだけあるのかというような情報は、まとめて管理し、マネジメントできるようにある程度アーカイブしておく必要があるのではないかと、今回のこういった問題を通じて改めて思った次第です。
最後に、技術職員の皆さんの現状の動きについて簡単に御報告させていただきます。今、技術職員の方々が以前ご紹介した有志の会を発展させた技術職員組織研究会という場で、以前より技術職員の皆さんの意見を共有したり、意見交換等をされていました。今回の新型コロナウイルスの問題を受けて、各自課題であったり、問題点をメーリングリストを通じてシェアするというような動きが更に活発化しております。先日は、その技術職員の方々を中心にしたシンポジウムも独自に開催されておりまして、非常に前向きに対応していただいているのかなと思っております。一方で、課題として一番よく発言があったのは、やはり実験系で、現場でしかできないというところもあり、今回のコロナの状況を受けて、その対応に苦慮しているというような話はよくありました。
さらに、装置を使って収入を得るような仕組みを今つくってきたわけでが、先ほどもお話がありましたとおり、その収入で雇用している方々というのがいらっしゃいますので、その方々をどのようにフォローするのかは、喫緊の課題としてかなり挙がっておりました。
私からは以上です。ありがとうございます。
【岸本部会長】 ありがとうございました。
それでは、金澤委員、お願いできますでしょうか。
【金澤委員】 慶應の金澤でございます。
私は、教育と研究に分けてお話しさせていただきます。
慶應大学は、ホームページには、多分来週からは徐々にキャンパスを開放するというふうに出ていると思いますけれども、理系の、特に私どもは薬学部ですので、薬剤師養成のための実務実習で現在も5年生は病院や薬局に実習に行っています。薬学部のある芝共立キャンパスは、他の学部と異なりまして、実際に手を動かさないとできない実習科目については6月から、スタートしております。新入生が昨日初めてキャンパスに来まして、200人の学生を7グループぐらいの小グループに分けて、時間差で、開放しています。理工学部などは理系ですけれども、春学期中は実習もオンラインでやるというようなことを伺っておりますので、実際に実習をキャンパスでやるというのは、薬学部が先頭を切っている形です。
講義は、夏までの春学期中の講義は全てオンライン講義ですが、当初は学生さんのネット環境が悪いのではないかということで大変心配いたしましたけれども、実はこれにも、薬学部の学生だけですが、アンケートを取りますと、評判が大変良いことが分かりまして、驚きました。例えば、講義のときに声が小さいような先生の講義もよく聞こえるようになった、何度も繰り返して聞くことができるので理解が進んだという、ポジティブな回答が8割近いというようなことです。また、ネット環境が悪い学生にとっては、一部少し不満がありましたけれども、それは動画の配信を長期間、8月の末ぐらいまで見られるようにしておりますので、後で勉強できるようにしているということで解決しています。
また、もう一つ、今回の授業の形で私自身も良かったなと思うことは、これまでレポートも紙で提出させていましたけれども、講義プリントも配布せずにネットで学生に配信し、レポート回収もオンラインで回収することによって、ペーパーレスがスムーズにできましたことも大きな収穫で、これは研究などにもつながるかなと思いました。
研究のほうでございますけれども、研究室も6月から学生が、各ラボ、私ども薬学部は20講座ございますが、研究室の定員を教員も含めて10名としてキャンパスに入っていいということで、学生は、5、6名しかラボに入れませんけれども、大学院生からラボに入れて、少しずつ研究をスタートできるようにしております。
まだ他のキャンパスは閉鎖解除していないときにキャンパスを開けるときには、先ほど御説明いただきました文科省のガイドラインが大変参考になり、そういうものもきちんと把握した上で、キャンパスのガイドラインを作成し、スタートしております。
また、研究の方につきましては、私自身が日本分析化学会の副会長をしておりますが、5月に北海道で開催予定だった討論会は、やはり3月の日本化学会や薬学会などの大きな学会が要旨集のみでの誌上学会開催としていましたので、同様に要旨集のウェブ公開をもって学会開催とさせていただきました。しかし、来る9月の年会の方は分析化学会が主催する中では大きい学会、年会ですので、誌上開催のみというわけにはちょっといかないということで、初めての試みですけれども、ウェブ開催をしようということで準備をすすめております。この試みが将来の学会にもつながるのではと考えております。以上でございます。
【岸本部会長】 ありがとうございました。
それでは続きまして、波多野委員、お願いできますでしょうか。
【波多野委員】 東工大の波多野でございます。先ほど江端委員のほうから東工大の状況は御説明いただきましたので、私は手短に、現場で何が起こっているか、またこれからについて考えていますことをお話します。
コロナ禍、アフター・コロナ、ウィズ・コロナは、一層の共用設備と遠隔・自動化・オンライン化、そしてキャンパス内のICT化の加速が進むと予測します。それに対応し、技術職員にもICT人材が重要となり、その教育も必要と考えます。
また最近6Gのホワイトペーパーも出てきましたので、オンラインによる共用化を用いた依頼だけではなく、本人があたかも操作しているような、バーチャルであるもののリアル感がある、五感センサーとネットワークの高度化が進み、6G世代に対応した新たな研究方法方が創出されることも期待しております。
一方東工大の研究室の現場では、6月から今年度卒業する学生で、本人が希望する学生の研究を徐々にスタートしています。大学での研究活動を再開するにあたり、体温を毎朝計測し、立ち入った場所を申告しています。東工大は短期間にこのような仕組みを構築しました。ここで文科省にお願いしたいのは、キャンパスICT化をご支援いただきたい、ということです。建物に非接触のサーモメーターを導入いただくのは早急にお願いしたいですし、今後は立ち寄った場所、行動範囲、三密度のチェック、装置の遠隔操作や管理、などができるようなシステムが必要になると考えます。さらに、週に約2日は大学で実験して、3日は自宅から解析するということが学生の今の標準ですが、情報セキュリティーとアクセスのしやすさの両立が課題になっています。
海外の状況を伺う機会がありましたが、海外の研究機関はより共用設備のオンライン化が進んでいるようですので、国境を越えた国際的な共用設備の活用が行われるようになると考えます。国内だけではなくて、海外との共用化、更には共同研究もオンラインにより加速するのではないかと思っています。今、この委員会は国内だけを想定していると思いますが、共用設備のグローバル化も議論することが重要と感じています。
以上です。
【岸本部会長】 ありがとうございました。
それでは続きまして、原田先生、お願いできますでしょうか。
【原田委員】 まず、大学の状況というと、ほかの大学さんとあまり変わらない、ほとんど同じなんですけれども、まず、大阪大学で行動規範みたいなものができたんですけれども、我々蛋白質研究所では具体的にどういうふうに運営したらいいのかというのを結構話し合いました。また、実際、感染者が出たときどうするのかということについて、結構職員の間で話合いをしました。蛋白質研究所は共同利用・共同研究拠点ですけれども、もちろん、普段は外部から共同研究員を受け入れて、こちらで実験してもらうんですけれども、現在、基本的には新型コロナウイルスに関連するような研究を優先して、サンプルは送っていただいて、こちらの研究員が計測するという実験をやっています。
あと、実際、私の研究室ですけれども、4月9日から基本的にはテレワークということになって、通常よりも8割減、2割ぐらいしか大学に来てはいけないということになったので、私の場合は割と在宅勤務で事足りるので、できるだけテクニシャンの人が来て実験したいということなので、私がテレワークで稼いだ分を技術職員で実験しないと、何も在宅では仕事が進まないというような人が、少しだけなんですけれども、大学へ行って最低限の実験をするということをしていました。
阪大の場合、割と車通勤の人が多いので、要するに電車で通勤する人と、車で通勤する人というのはリスクが大分違うのではないかということで、そういう一概に全員が全部テレワークにしなくてはいけないということでもないのではないかみたいなことを皆で話合いをして、あと、毎週、1週間のうち誰が何日にテレワークをして、誰が何日に大学に行くということを研究室単位でリストにして、それを全部大学の庶務係の人に提出して、あまり1つの研究室に同時に大勢の人がいないようにみたいなことを研究室ごとに計画して、それで3密を避けるというようなことをして、最低限の維持をするということにしておりました。
あと、大学とは関係ないんですけれども、男女共同参画学協会連絡会という協会が、男女共同参画についての情報交換をするような大きな組織があるんですけれども、そちらのほうで、緊急事態宣言中の在宅勤務中の科学者や技術者の実態調査というのを緊急でアンケートを取りました。それを、多分近いうちに解析して結果が出ると思うので、やっぱり在宅勤務をすると、どうしても女性がすごく負担が大きくなってというのが、多分いろいろなところでも話になっていると思うんですけれど、そういうことを実際に浮き彫りにして、じゃあどうしたらいいんだとか、実際に困っている人が何をどう困っているんだというアンケートを今取っているところです。これを取ると、多分その科学者とか技術者の実験上の緊急事態宣言時の問題点とかというのが分かるのではないかというふうに思っています。
以上です。

【岸本部会長】 ありがとうございました。
それでは、共用プラットフォームのお話ということで、木川委員、野村委員、高橋委員の順番でお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
それでは、木川委員、お願いしたいと思います。
【木川委員】 理化学研究所の木川です。もうかなりのところは皆さん色々お話しになっていると思いますが、ちょっとまず、理化学研究所全体の状況を紹介させていただきます。
我々のところ、理化学研究所は、4月の頭にレベル4と言われるほとんど出勤ができない状況に入りまして、その状態が続いていましたが、緊急事態宣言が解除されるに応じて、特にキャンパスごとに徐々に活動を再開しております。それで、一番遅かったのが和光本所と、私がいます横浜研究所と、東京オフィス、そこが先週の木曜日にレベル3という一段活動制限が解けて、ある程度の職員が限定的な業務を再開できるという状況になっています。出勤制限がかなりかかっていますので、皆さんちょっと御見受けをすると、かなり大学の先生はオフィスにいらっしゃるようですが、私は、家でずっと在宅勤務という状況がまだ続いています。研究室のほうの何人かは今出ているという状況です。
次に、では共用プラットフォームという観点から言いますと、まず、理化学研究所は少し活動制限のレベルが緩くなったところで、例えばNMR共用プラットフォームの活動を少し再開しています。具体的には、NMR装置の測定に関しては、測定者の来訪はいまだにできません。サンプルを送っていただきまして、それをこちらのスタッフが遠隔で操作できる範囲で、活動を再開しています。また、試料の調製というサービスも我々はやっていますが、そちらは徐々に課題を受け付けて活動を再開しています。
それで、やっと少し出勤が、スタッフの限られた人数ですけど、できるようになったんですけれども、理化学研究所としては、職員が感染しない、また感染を広げないということで、当然その出勤時の感染防止に配慮することは当然なんですけれども、通勤時も感染防止に配慮しなさいということで、通勤時間を思い切りシフトすることを奨励しています。その結果として、横浜研究所の場合は、かなりの人は公共交通機関、鉄道・バスを利用していて、その結果として、なかなか通勤する時間も、実際にはかなり昼前ぐらいにシフトしているという状況もあります。それから、特にキャンパスに到達するために使うバスの運行が短縮ダイヤになっていることがあって、逆に夜はかなり早めの時間にキャンパスを離れないと帰れなくなってしまうという状況があって、出勤しても、なかなかいつもどおりにはいろいろな作業ができないという状況にも陥っています。ですから、なかなかまだ今までのような基盤活動には戻りにくいという状況です。
それからもう一つ、今特にスタッフの間で問題になっているのは、皆さんのその遠隔の操作という話もそうなんですが、機械の操作自体は、多分ある程度投資をしていろいろやれば、遠隔ないしは自動ということになるんですが、その手前、先ほどの黒川さんの御説明の資料で、前処理の前の段階、ユーザー側が試料を作るところというのは、ほとんどまだ自動化されていないので、その部分が今後かなり影響を受けると、施設は動いているんだけど測定する試料がないという状況に陥るのではないかというような懸念の声が出ています。ですから、実際には多分、研究基盤そのものもいろいろ遠隔化・自動化を進めないといけないんだけれども、その手前の、要するにほかの研究活動も遠隔化・自動化がバランスよく進んでいくことが重要なのではないかという声が上がっています。
それから、その遠隔化・自動化についても、機械そのものの遠隔・自動化は進むんだけれども、実際、例えば管理者が何をしているかというと、機器の操作だけではありません。機器に付随する装置、コンプレッサーとか、そういうものの状態を常に監視していたり、それから部屋の状態を監視したりということも彼らはやっています。そのときに何をしているかというと、実際に部屋に行って、音を聞き、様子を見て、それから場合によっては匂いを嗅いでというような、そういう五感を使って様々な機器だけじゃなくて、機器が設置されている環境のモニターもしているわけで、実はそれが、この出勤制限がかかったことによってできないことが、装置の状況が分からない、不安であるというようなことをかなりの人が言っていますので、そういう全体の状況のモニター、監視なみたいなものまでテクノロジーを使って進めていかないと、本当の意味で基盤の自動化・遠隔化というのはできないのではないかというふうに感じました。
いろんな装置をIT化して、それをネットにつなげて、離れた場所からでも状況が見られるということが、これは短期的にはすぐには無理かもしれないですけれども、それもちゃんと技術開発をして進めていかないと、基盤が真の意味で遠隔化・自動化に対応した存在になっていくというのは難しい。特に、コロナの第2波が来て、次に研究活動が止まったときに、本当はそれでも研究活動が続けられるようにしていかないといけないので、その観点から、そういった視点が今後技術開発として必要なのではないだろうかというふうに感じました。
多分そこら辺が、多分今委員さんの話のなかったところで、我々として問題意識を持ったところということで紹介させていただきました。以上です。
【岸本部会長】 ありがとうございました。
それでは続きまして、野村委員お願いできますでしょうか。
【野村委員】 野村です。私はもう現職ではないので、現場の状況は必ずしも正確に把握できていないんですけれども、KEKの場合は、大都会と違いますので、在宅で済むことは在宅でやってくださいというようなスタンスです。来てはいけないというのはありません。ただ、共同利用をやっておりますと、大勢のユーザーの方が全国から来られるので、実際にはできないということで運転が停止していました。ですので、そういう多くのユーザーが来ない高エネルギーの実験は、この間、ずっと連続して運転しています。放射光とか中性子のような多くのユーザーが来られる実験は一時停止していて、中性子は先月末ぐらいから、それから放射光は今月半ばぐらいから再開します。
問題は、そういうことで、そういうものを使って研究されている学生さんとかポスドクの方々の研究にちょっと問題が生じるかなというのが1つ大きな点です。あと、外国が作っている装置がありまして、実はその方たちが来られなくなってしまって運用ができないというのがあります。そういう点をちょっと今悩んでいるところですね。
加速器が動かないと、それを使った実験は何もできないので、装置の調整とか、そういうようなオフラインでできるようなことはある程度やっています。あとは、リモート化とかも、かなり進んでいるものと、実験装置によってはもともとの設計がマニュアルでできているので、そこから自動化を全部やらないといけないということで、ちょっとすぐに対応できないものも多々あります。そういうような状況です。
それからプラットフォームのほうは、多くの機関は停止になっているんですけども、プラットフォームを構成している機関の中の2つは、割と運転を早期に再開しておりまして、特に産業界のユーザーの方はそちらのほうへかなり行かれているようです。あとはプラットフォームからの連絡は、もちろんネットを使った会議等で進めております。
以上です。
【岸本部会長】 ありがとうございました。
それでは、高橋委員お願いできますでしょうか。
【高橋委員】 高橋でございます。私どものところは、プラットフォームだけではなくて、全般にプラットフォームに関わる中で、研究について感じているところを申し上げたいと思います。
1つは、プラットフォームのみならず実験装置の設定や実験の実施に関わる部分は、これまでにもお話が出ていたように、人が設定をしなければならないというところがどうしても出てきますので、現在ほとんどがストップしているという状況でございます。実際には、これをまず安全に再開するにはどうしたらよろしいかというところのステップ・バイ・ステップの基準を、具体的に設定し、段階的にどうやったらよろしいかというところの検討を重ねている状況でございます。どういう安全な再開の仕方があるかということを、長期的な視点も踏まえて設定していかなければならないだろうという状況ございますので、安全性を確保するための一定の基準とマニュアル化みたいなものを早急に整理していくということが必要であるという状況であります。
一方、実際の施設や設備を使って実験をするということではない、計算機を使って進める部分は、従来よりリモート環境が活用されておりますので、ほとんど影響なく研究事業が進んでいるものと考えられます。ですが、その中でも、データがたくさん出てくるわけですけれども、そのデータを解析しながら議論をするという研究環境そのものは、やはりちょっと不自由を考えるところが多いということで、このような環境の不足は従来からの課題のひとつです。ほとんどがテレワークでの作業ですので、テレワークからリモートで大型計算機に入って、その周辺環境で解析をするということになりますので、どうしてもツールと通信ネットワーク環境が、実際には不足しており、非力であると思います。ですので、その非力な環境に、実際には人のほうが慣れて、先生方もそうだと思うんですけど、会議でも何でも、ちょっと不便だなと思うようなところを人が慣れて何とかしのいでいるというのが現状だと思いますので、ここのところを、やはり通信ネットワーク、解析ツールや可視化ツールなどを含む研究環境全体をどう構築し、提供していくかというようなところが非常に大事になってくるのではないかというふうに考えております。SINETの整備のみならずその能力を十分に活用できるトータルシステムとしての研究環境が必要だと感じます。
実際には、欧州のほうでは、ビッグデータが叫ばれてから研究のトータル環境、つまりデーターベースと、解析環境と、加えて複数の研究者ディスカッションをする「環境」というものをセットにして提供されるシステム構築とサービスが国家的に推進されてございます。これまでは欧州域で使われていることが多かったのですけれども、日本からも参加したいという声は聴くことが多いですし、そのようなトータルなデジタル研究環境が必要だろうということは前々から日本でも叫ばれていますが、どうしても人と会ったほうがコミュニケーションが取れるとかという便利さから、何回も言われてきましたけれど本格的な議論にはならなかった、というところがございますので、ぜひネットワーク上でこの基盤の施設の構築に、この機会に目を向けていただきたい。これらのデジタルでトータル研究環境が整うことによって、国内外の共同研究は更に活発な形でできると考えます。解析もそうですし、議論もそうですね。議論のほうに関しましては、実際、会議等々もかなりフレキシブルにできるような状況に、人のほうが変わって対応してきていると思いますし、今後も新たなツールや環境が提供されることになるでしょうから、このコロナ禍での新しい習慣を良い習慣として今後も続けていけるような、更に進んだ研究環境というものが構築できると、新しい意味での研究力の向上あるいは強化につながっていく非常にいいチャンスになるのではないかと思います。
実際、シンポジウム等々もそうですけれども、参加者がネットワーク上での議論というものに慣れてくると、参加者が急増したり、短い時間でもフレキシブルに集まれるとかということがあります。実際にシンポジウム、セミナーなど、いつでもどこでも研究に繋がれる、実際にその場に行かなくても済むというところの良さをぜひ意識して伸ばし、新たなデジタル研究環境を構築していく必要があるのではないかと思います。
以上でございますが、国際的なお話も波多野先生のほうから出ましたけれども、やっぱり国際的なことに関しても、どうしてもネックになるのがネットワークを含む通信環境と議論の場であると思います。SINETはさらに国際通信がより太くする計画があると聞いて言いますが、現状ではやっぱり細いし、遅いしというのがどうしてもあるので、そこのところは通信ハードウエアとしての整備がどうしても必要であると感じております。
以上でございます。

【岸本部会長】 ありがとうございました。
それでは続いて、横山委員、田沼委員の順番でお願いしたいと思います。横山委員、お願いできますでしょうか。
【横山委員】 分子研の横山と申します。分子研は愛知県岡崎市にありまして、あまりコロナの感染者は出ていないところですが、分子研自体はレベル2まで5月中はいっていました。現在はレベル1で、来週からレベル0.5ということで、ほぼ通常の業務に戻ります。所員は、レベル2でも教員に関してはかなり出勤率が実は高くて、皆さん徒歩とか自転車通勤が多いので、大体皆さん出勤していたように思います。技術職員や、事務の方が一番出勤が難しかったかなと。事務は制限もかかっていましたし、少しあれでしたけれども、ほかの皆さんのお話を聞いていると、大分岡崎は平和だったかなという印象を受けます。
ただ、もちろん所外の方は来たくても来られないということが結構多くて、分子研は放射光施設としてUVSORというのがありまして、UVSORは5月中はマシンスタディー、試運転をして、今週から通常運転に入っています。私が今センター長をしているのは機器センターというところで、機器センターに関しては、一応4月、5月もユーザーがいれば受け入れるという形で、閉めてはおりませんでした。ただ、実際には、来られる人はほとんどいらっしゃらなくて、昨年に比べると1割以下の来所者、ただ、入構制限はかけなかったということです。
こちらでいろいろ話は出ていまして、藤井先生や網塚先生がおっしゃったとおりで、自動化・遠隔化、あるいは受託分析、それからヘリウムの自動供給、そういうふうなものはやはり分子研でも話が出ておりました。研究者レベルではありますけれども、Zoomだけでも結構つけっ放しにして共同研究できるよねというのは、研究者レベルではある程度思ったところで、今後、自動化・遠隔化等を含めて、技術職員等が来所しなくてもできるような共同研究システムというのを考えていこうかなと思います。研究会や講習会に関しては、結構Zoomでもそこそこいけるよねという感覚はできたところです。
以上です。ありがとうございます。
【岸本部会長】 ありがとうございました。
それでは、田沼委員、お願いできますでしょうか。
【田沼委員】 物材研の田沼です。研究所の関連に関しましては、緊急事態宣言が出てからの様子は、先生方と大体一緒なので、その後のことを述べます。
まず、5月25日に、茨城県ですので、非常事態宣言が収まってからは、公共交通機関を使わないで出所する方に関しては、もうほぼ通常に戻っています。ですから、特に共用関係の部門の人たちの装置は普通に動いています。それで、ユーザーのほうだけが問題でして、ユーザーも所内のユーザーはいいのですが、所外のユーザーに関しては、大学とか企業の先方の所属の方針に従ってということなので、大部分の方が出張は禁止されているので、来ていない状況です。したがいまして、どっちかといえば代行が増えています。先生方の言葉で言いますと、「依頼」という形になっています。
問題点としては、これは物材研だけじゃなくて、ナノテクノロジー・プラットフォームもそうですけれども、やはり学生さんのところで問題が出てきています。特に、ナノプラで言うと、先生が学生さんを連れてきて、実際に装置をナノプラのスタッフと一緒にディスカッションしながら触るというのが教育になっていました。ところが、物材研の方針もありまして、来てくれるのは構わないけれども、3密を避けるということで、1名を推奨しています。そういうことで、教育的な効果は大分下がっているのではないかというふうに考えています。
さらに、先生方からも指摘がありましたけれども、代行・依頼が増えていますので、やはりスタッフの数が足らない状況になってきています。ですから、もし今後ずっとこういう状況が続くのであれば、技術スタッフを増強することが必要だというふうに考えています。
それから、ナノプラを含めて、物材研もそうですけども、研究者とか技術者が日本中から集まってきて、一緒に議論をしながら実験をするので、新しい共同研究とかそういうことが生まれるということを期待していましたが、こういうコロナの状況で少し阻害されているのではないかというふうに考えています。
あと、リモートですけれども、やはり会議はできても、なかなかリモートで装置を動かすのは物材研では難しい状況です。ネットワークでつながっている装置もありますが、やはりその目的は、どちらかといえばデータを転送とか、そちらがメインの目的なので、やはりリモートで装置操作をするということが、まだなかなか確立されていません。あと、研究者からのデータ転送に関しても、随分ニーズがありまして、これで言われているのは、大容量データをどう転送するか、そういったニーズも出てきていることは事実です。あともう一つ、セキュリティーの保障はどうするかというのもあります。
大体、物材研の状況は以上です。
【岸本部会長】 どうもありがとうございます。
委員の皆様から、コロナの影響について、それへの対応について、これから取るべき方策について、様々な御意見をいただきましてありがとうございます。ちょっと時間の関係で、これを全部まとめてまたディスカッションということは今回は難しい状況でありますけれども、2番目の来年度の概算要求に向けてというのを話題の中にも含めて少し議論していきたいと思いますので、まだ御意見をいただいていない委員の方々、皆さんいらっしゃいますけれども、この1の議題については一旦ここで閉じさせていただいて、次に移らせていただきたいと思います。
それでは、2番目のほうの議題になりますけども、来年度の概算要求に向けてということになります。
まず、事務局から御説明いただけますでしょうか。
【黒川課長補佐】 承知いたしました。資料3、12ページ、「検討を要する事項」を御覧ください。13ページですけれども、これまでは研究開発基盤部会におきましては、3Cということで、左側の図にあります構造に基づき議論をいただいてまいりました。青の部分につきましては、各大学、研究室あるいは学科、専攻レベルで持っている機器を中心に、組織としての環境整備をしっかりやっていって、どこでも、どの組織でも高度な研究が可能な環境にしていこうということで、予算上は、コアファシリティ構築支援プログラムというのを立てるとともに、各組織での共用を進めていくためのガイドライン/ガイドブックの策定に向けた取組ということを去年から進めてきているところでございます。予算要求についても、来年度も引き続きやっていきたいというふうに思っております。
他方、緑の部分ですけれども、国内有数の大型研究施設の設備をどう共用していくかということで、誰でもアクセス可能にしていくための組織を越えた環境整備というのをどうやっていくかということを前回でもかなり時間を取って御議論いただいてまいりました。
他方、昨今のコロナの状況を踏まえますと、この黄色のところになりますけれども、やはりアフター・コロナを見据えつつ、国内有数の研究設備・機器群、特に公共性が高い研究基盤というのをどういうふうに整備をし、共用していくか、そのところへの国としての政策的な後押しというのをどうするかということを考えた上での要求ということをしていく必要があるかと考えてございます。
また、その際には、コロナの状況を踏まえた、あるべき研究開発の在り方を考えた上で、研究基盤の整備・共用という面から、どういう姿が最適なのか、どういう点を補えば改善していくのかということを議論いただければありがたいと思ってございます。
一つのコンセプトの例といたしましては、先ほどの先生方の議論の中でも、やはり遠隔利用ですとか、IT技術等々を活用した自動化、スマート化というふうな議論がありましたけれども、そういったことを通じて、誰もがアクセスしやすいようなプラットフォームにしていく。それから、データの共有の話も大分ございまして、蓄積したデータですとかノウハウを共有することによって、イノベーションが持続的に創出される、こういったことが一つのコンセプトの例としてはあるのかもしれないんですけれども、どういったことをやっていけばいいのかという、そのアイデアを少しいただければと考えてございます。
今、予算上は、14ページにありますような5機関について計4億円ということで、NMRですとか、原子・分子の顕微イメージングプラットフォーム、電磁場解析、風と流れ、光ビーム、こういったところについて、各施設の整備というのは各機関でやっていただいているんですけれども、そこの間のネットワーク化ですとか、ワンストップサービス化ということで、私どものほうから追加的な予算をお出しすることによって取組を進めてきているわけですけれども、今後更にどういったことをやっていくべきかということでございます。
15~17ページにつきましては、これまでの部会でいただいた御意見をまとめたものですので、御参考でございます。前回は特にポートフォリオ管理ですとか自立化、資金運用、マネジメント体制、データの扱い、それからプラットフォームの評価をどうしていくかということについて御意見をいただいたというふうに思ってございます。
予算のスケジュールですけれども、こういう状況ですので、1か月後ろ倒しになっていまして、財政当局には9月末までに提出をするということになっているんですけれども、他方で、省内としましては、この1か月ぐらいで次の方向性というのをしっかりと形にしていきたいというふうに思ってございますので、アイデアを種々いただけるとありがたいと思ってございます。
以上でございます。
【岸本部会長】 ありがとうございます。これからディスカッションをさせていただきたいと思いますが、その一つの参考資料として参考資料1を用意してございます。先ほどの事務局からの説明は、コロナのインパクトということが恐らく概算要求でも非常に強くなると思いますけれども、そもそも共用設備等をどういうふうにしていったらいいかということも重要な観点だろうと思いますので、その観点から、参考資料ということで用意してございますので、これについて、時間の制約もありますので、簡単に御説明させていただきたいと思います。
この資料は、CRDSと機械学会が共同で、昨年度調査をしたレポートになっております。レポートの形では、科学技術振興機構のほうのホームページにこれから上がりますけれども、ここで用意したパワーポイントは、それの概略版ということになっています。
1ページ目がどういうメンバーで調査を行ったかということですけども、CRDSのほうは環境・エネルギーユニットということで、ここを中心にということになります。あと、機械学会との共同ということで、機械学会のほうのメンバーとしては、若手の先生たちも大分入っていただいて議論をして、レポートをまとめたという形になっております。
背景でございますけれども、特にその中で3番目にありますけれども、工学基盤は、我が国の産業を支える基盤として長年機能してきたけれども、最近ではなかなか難しい状況にあるということで、海外の状況、国内の状況を含めて、工学基盤の在り方について調査分析したということになっています。
ポイントとしては、一番下にありますように、人材だとか、研究環境だとか、その中で機器・設備、データ基盤・標準化のこと、それと、ファンディングの在り方についても調査したということになっています。
報告書の概要ということですけれども、工学基盤といってもいろいろな形がありますけども、環境・エネルギー分野の視点からということで、機械工学の分野中心に調査を行ってきたということであります。ただ、調査については、相手先については幅広くいろいろな形で見てきたということになってございます。
調査は昨年の7月から今年の3月までということで、19名体制で行いまして、下にありますように、国内の大学への訪問、企業訪問あるいは関係府省への訪問、それと海外では英国、フランス、ドイツ、アメリカ、豪州ということで、実際に現地に行ったりしてヒアリングをしてきたというところもございます。
国内調査の中で見えてきたことということでございますけれども、ここに書かれていることは、これまでの議論をしてきたところと非常に共通しているのではないかということです。人材の中では、博士課程のこともありますし、ここで議論している技術職員の活躍の場が限定的になっているとかということもあります。右側にありますように、機器・設備についても、いろいろな形で老朽化が進んだり、メンテナンスの費用が確保できていないとか、共用化が徐々には進んできているけれどまだまだであるとかということであります。それとともに、左下にありますように、データ基盤だとか標準化ということについては、なかなか我が国は整っていないのではないかと。それとともに、ファンディングのほうについても、なかなか難しい状況があるということでまとめてあります。
そんな中で、海外の調査の中で見えてきたことでありますけれども、それぞれの国、英国、フランス、ドイツ、豪州が例にあります。人材のことだとか、あるいは機器・設備のことだとか、ファンディングのことについて、科学技術の基盤を支えるところをどうしようかということについては、いろんな形で戦略的にやっていって、実際に実行もしているということで、それに比べて我が国は、多少こういう面では後れがあるのではないかということが見えてきているということで、調査結果をまとめています。
その中で、例えば研究インフラに関しては、それぞれの国で、長期的な導入計画、あるいは質の維持・保証のためにロードマップを作成し、そのロードマップも定期的に更新することによって、その国の中での研究基盤を充実させるということをやってきているということであります。EUにおいても、2021年に新しい形での戦略ビジョンを立てて、これから導入していくということであります。このコロナのことでまたこの辺りがどう変わっていくかというのは調査していかなくてはいけないわけですけれども、そういうような状況があると。
例えばイギリスについても、設備について、Equipment Roadmapと呼ばれているんですけれども、そういったところについて設備を整えていて、例えば、Wind Tunnel、風洞についてもきちんとした形で整えられているというような形をとっているということで、海外の状況を見ると、いろんな形で戦略的に基盤整備を行っているということが見えてきたということでございます。
ここが一つのサマリーになっていまして、このパワーポイントは、左側に国内の現状と課題ということで、人材と、機器・設備と、データ基盤・標準化、ファンディングということで課題が書いてございまして、右側にそれに対応した参考事例ということで、それぞれの国がそれに対してどういうことをやっているかというのをまとめています。A2.6とか書いてあるのは、レポートの中でのアペンディックスの中にその詳細が書かれているということで、こんな形でまとめています。
そういうことから、我が国ではどうしたらいいかというので見えてきたところが真ん中にあるということであります。いろいろなところで言われているところと重なってくるところもありますけども、一つのポイントとしましては、人材というところで、拠点にはプロジェクトマネジャーがきちんと配備されていて、その人たちがそれぞれの機器・設備のランニングのことから、様々なことを差配していています。研究者は研究に没頭することができることになりまして、そういったマネジャーがいることによって円滑にシステムが回っているのではないかということであります。
そういったマネジャーを育成するのに対して、博士人材のことだとか、技術職員のことだとか、こういった人たちのキャリアも考えつつ、こういったマネジメントをやる人たちというのがいるという姿が必要ではないかなということであります。
あと、機器とか設備に関しましては、やはりきちんとした導入計画をつくっているということが大事なことかなということであるということが見えてくるかと思います。
続いて、データ基盤だとか標準化に関しては、日本においては、データの扱いについてのきちんとしたガイドラインとか、今日も出ていましたけれども、セキュリティーの問題とかも含めての整備がまだまだ不十分ではないかということで、こういったところにも力を入れていく必要があるのではないかということであります。
最後にファンディングになりますけども、ファンディングの在り方としても、やはり基盤と応用研究のバランスをきちんと考えた上で、特に研究基盤を充実させるようなファンディングというのがこれから必要になってくるのではないかということで、こういった海外の事例を参考にしながら、我が国でどういったことをやっていったらいいかということを考えたときに、こんなことが浮かび上がってくるのではないかということであります。これは若い先生方とも議論しながら出てきたことでありますので、ぜひ実現するといいのではないかということであります。
次のページですが、そういった中で拠点形成ということを考えたときに、1か所に全部集めていくというよりは、いろんな地区にある特色ある大学がそれぞれの拠点になりながら、全体をネットワーク化していって、日本全体の基盤を充実させていく姿が必要ではないかと。この中には産学連携も入ってくるだろうしということで、設備のネットワーク化というのも先ほどございましたけども、やはりそれぞれの研究者のグループのネットワーク化ということも非常に大事ではないかというふうに提言しているところでございます。
次はまとめになっておりますけれども、今お話ししたような内容になっていまして、海外はかなり戦略的にやっているということになりますので、そういったことも見ながら、日本としてきちんとやっていくということと、ネットワークを構築していくというのが何よりも必要だというようなことになっております。
次の28ページですけれども、これが国内外の訪問先ということで、短期間ではありますけれどもいろいろなところを訪問し、こういった知識を得てきたということで、レポートを作成したところでございます。
この部会での議論の参考になればということで御説明させていただきました。私からの説明は以上になります。
それでは、先ほど事務局のほうから、来年度の概算要求に向けてということで、13ページのことについて、皆さんの御意見を伺いたいということでありますので、私のほうのお話に関わることでも結構ですし、いろいろな観点からお話しいただきたいと思います。特にまだ御意見をいただいていない委員の方で、コロナのことも含めて御意見があればと思います。それでは、手を挙げていただいた方からと思いますけれども、それでは、西島委員からお願いできますでしょうか。
【西島委員】 コロナの関係は、大学のほうと違って企業では独特の対応がありますが、コロナの関係で特に1点強調すると、企業の立場として、受託分析とかこれからの遠隔リモートを考えると、データに関わるセキュリティーのことが一番気になります。
もう1点は、先程の資料で、短期間で測定して、測定の実測は研究所でやって、データは自宅に持ち帰って云々というのがあったんですが、御存じのように、企業の場合は、データとかあらゆるものを自宅に持って帰ることはあり得ないんです。持って帰ってはいけない規則となっています。この辺は、大学はいいんですけども、そこのところを、よく新入社員が大学と企業の一番大きなセキュリティーの感覚の違いと感じます。社内資料というのは持って帰ってはいけないし、紛失もいけませんし、セキュリティーがすごく高度なわけなのです。産学連携といったときに、そういう学のほうのセキュリティーとかデータの取扱いというのは、十分大学の中でも教育していかないと、その辺が今回のことでルーズ化されてはいけないと危惧されました。そこのところがまず文面上、もうちょっとしっかりしたほうがいいかなという印象を持ちました。
それから、今、岸本先生のからお話があった海外の様子、大変勉強となり参考になりました。ちょっと気になったのは、これは産学官ですけれども、先生の結論というか最後のほうで、拠点間ネットワークのときに、大学等が中心ということがあって、これはこれで大変重要だと思うんです。一方、13ページのピンクの部分、大型のSPring-8、SACLA等が共用促進法によって運用され、それから外側の青いところは、各大学が保有し運用している。問題は、その中間に位置するグリーンのところです。購入・設置費用・維持費もどちらかというと大型で、大学・企業等が単独で保有・運用は難しい。例えばNMRとか放射光でも、実際中心になっているのは理研とか高エネ研なんです。この辺が、官の役割というのが大きくて、例えば、以前に施設訪問した経験ですが、ドイツでは理研に相当するフラウンホーファー研究機構みたいなものが物すごく大きくて、ほかの大学等とはレベルが全く違うという印象でした。このフラウンホーファーがドイツの研究開発基盤をかなり引っ張っているという感じでした。日本でも、やはり理化学研究所はSPring-8を維持しているし、それから大型のNMR、最新のクライオ電顕も理研が持っている。高エネ研の放射光も、ほかの大学が運用している放射光とは規模が異なる。それからスパコンでも海洋研が持っている物と大学保有の物では規模感が異なる。こういった、緑の部分の扱いが重要で、一大学・一企業では持てないかなり大型で維持費もかかる研究施設、こういう部分を維持しつつ円滑運用するにはどうしたらいいかというのが最大の課題と思います。例えば、単年度ではなくて、やっぱり研究基盤に関わる部分は基金化して、安定した機器の維持管理と人材の雇用を工夫するというのが重要ではないか。あまりにもピンク色部分のSPring-8等、それから青色部分の大学施設に比較して、緑色部分というものに対しての資金投入等が少なくて非常に不安定である。やっぱりここのところにある程度お金を投入して、ある程度の人材を確保することによって、各大学なんかも安心して使っていくというためには、基金化して、共用促進法に準じた共用促進方策を考えていかないと、なかなか難しいのではないかと思います。
以上です。

【岸本部会長】 ありがとうございます。
それでは、順番に御発言いただいたほうがいいかなと思いますので、杉沢委員、お願いできますでしょうか。
【杉沢委員】 日本電子の杉沢でございます。私のほうから1点だけ、分析メーカーの立場で、セキュリティーに関してちょっと言わせていただきたいんですけれども、当社でよく遠隔操作ですとか遠隔保守ということで、お客様にいろいろと機器を提案していますが、よく言われるのは、やはりセキュリティー・ポリシーの問題に引っかかって、なかなか仕事が進まないあるいは導入が進まないというのはよくあります。大学様の場合は、多分民間企業に比べまして、ある意味ではセキュリティー・ポリシーが甘いというか、ない状況だとは思うんですが、多分こういった問題、コロナの問題がありまして、今後はやはり遠隔操作、遠隔オペレーションあるいは遠隔でのデータ交換がどんどん進んでいきますと、当然、産学連携に向けまして、民間と同じような感じのセキュリティー問題が発生すると思っています。ですので、まずやはりセキュリティー・ポリシーですよね。大学様あるいは研究機関様のセキュリティー・ポリシーをまず明確に定めていただいて、それを提案していただくと、非常にスムーズに進むのではないかと思っております。やはりここがまず大きなポイントだと思います。
その際、よく混同されるのが、お客様が取られたデータのセキュリティーを守るということと、装置の保守管理、維持するためのインフォメーションのやり取りのセキュリティーの問題を結構混同されていまして、お客様のデータを扱う場合は非常に厳しいセキュリティー・ポリシーが必要なんですが、装置の遠隔保守ですよね、あるいは遠隔オペレーション、オペレーションは若干ポリシーの問題があるかもしれません。少なくとも保守に関しましては、データと異なってさほど厳しい管理の必要はございませんので、そういったところを分けて議論していただいて、例えば装置を遠隔保守するために、装置の稼働状態をリモートモニターできるための設備とか、あるいは得られたデータをどう管理するか、あるいはそのオペレーションの様子をどう管理するかというような形のセキュリティー・ポリシーをぜひ国として議論していただいて、早く決めていただきたいなと思っています。
以上です。
【岸本部会長】 ありがとうございます。
それでは続きまして、佐藤委員、お願いできますでしょうか。
【佐藤委員】 どうも、今日は皆さんがお話をいろいろしてくれたので、私はあまり話さなくてもいいかなというふうに思ったのですけども、少し別の観点から、お話をします。
皆さんの話を聞いていると、やっぱりコロナがここまでとは思わなかったのですけども、結局一言で言うと、働き方を変えなさいということを言っているのですね。これは先端計測事業のときに、プラットフォーム化とか、ネットワーク化とか、自動化とかというのをやらないと研究開発効率が上がりませんよということを言って来ました。それを事業の一つの大きな部分に据えなさいということで相当言ってきたのですけれども、そういうことをやっぱりやっていかないとこれからは駄目なのだということを再認識したということです。私は現場からは今はもう離れているのですけれども、現場にいる人たちは大変な思いで苦労されているんだと思うので、それらを解決するようなことを進めないといけないというふうに思います。
それでポイントは、当面どうするかという話と、中期と長期というふうに考えるか、ということです。当面は、まず補正予算でネットワーク化とかリモート化とか自動化の問題に対して予算が取れたということは、関係者に非常に感謝したいと思います。これをやっていけば、多分それなりに出てくるのかなというふうに思います。
中期には、やっぱりIoTとかICTというのが劇的に進歩しているので、世界は多分それで動いているのですよ。コンピューターの進歩とか、ウェブ2.0がもう3.0とか4.0を考えていると。それから通信は5Gから、6Gをもう既に考えていると。それから、AI系ではブロックチェーンとかというのがもうビジネスになっていて、日本だけ取り残されている状況なのですけれども、それが、セキュリティーを守りながら、維持しながら、非常に大きなクラウドのプラットフォームの中に組み込まれようとしている。それがウェブ3.0になっていくのですけども、セキュリティーの問題を解決しながら、パブリック型ではなく、コンソーシアム型とかプライベート型でやれば、関係者同士でデータを共有しながら、セキュリティーを守りながら、非常に開発効率のいいやり方ができるのではないかなというふうに思うので、そういうものを総合して世界標準になるようなことを考えたプラットフォームを追求してほしい。先ほどの4億円の中に組み込むというのは、とてもじゃないけれど無理だと思うのです。そういうことを今後考えていかないといけないのではないかというふうに私は思いました。4億円というのはどちらにしても少ないので、これを、内容にもよりますけれども、もうちょっと増やさないといけないのではないかなというふうに思います。
以上です。
【岸本部会長】 ありがとうございます。
それでは続いて、野村委員、菊池委員の順番でお願いします。
野村委員、お願いいたします。
【野村委員】 野村です。たまたま今朝、古いデータを見ていたら、こんな記事がありまして、ヨーロッパのいわゆるリサーチ・インフラストラクチャーが、中規模・小規模で、多分400から600あるけれども、その中で確か200ぐらいですかね、マネジメントとか、そういうことがいろいろ問題があって、そういうところをきちんとオプティマイズしていくと、予算が非常に有効に使えるのではないかなというような記事がありました。日本の場合も予算が非常に厳しい中で、本当にどうやっていくかというのは、同じような考えでやらないと、なかなかそれぞれの機械群がローカルにオプティマイズしているだけでは全体の最適化はできないのではないかということが、前から申し上げているRI整備のロードマップということです。
もう一つ、共用ということでこの間ずっとやってきたんですけれども、これまでの考え方は、どちらかというと、研究予算としてあてがったものをどう共用するかということで来たわけですけれども、海外では主要なリサーチインフラは、そもそもユーザーファシリティーというミッション定義の上で、そういうミッションがあって、その評価の上で事をやっていると思うんですね。その辺、日本としてどうするかというのは考えないといけないだろうと思いますし、大学でも、我々の研究所でもそうですけれども、先ほどデータセキュリティーの話がありましたけれども、これを誰がどう担っていくのか。多分どこの大学でもそうだろうと思うんですけど、実験データというのは、自分のパソコンに入れるか、せいぜい研究室のワークステーションに入れるぐらいで、機関としてデータをきっちりシステマティックに管理するような体制というのはどこも多分できていないのではないかなと思うんですね。その辺のところの体制というのは考えていく必要があるのかなと思っています。すぐ来期にできるという話ではないと思います。
以上です。
【岸本部会長】 ありがとうございます。
それでは、あと、菊池委員、中村委員、藤井委員から手が挙がっているところですけれども、時間の関係で、そこまでで今日の議論は区切りにしようと思います。あとまた次回がございますので、その間に、事務局とも相談しながらいろいろな御意見をお聞きしたいと思います。
それでは続いて、菊池委員、お願いいたします。
【菊池委員】 ありがとうございます。また、皆さんの御苦労に本当に敬意を表するとともに、何か皆さん本当にいろいろなことを考えられてやっているなと感心いたしました。
私からの意見ですが、佐藤委員と重なる部分もありますが、私たちの研究所は、今回このコロナの騒ぎがあったときに、出張できないということが一つの大きな制限だったんですが、その他のことは、研究所としては、最初は身の丈に合わないと言われながらも、実は、オペレーションのクラウド化をしておりました。そういう形で、たとえ在宅勤務になったとしても、自宅にあるパソコンにデータが移されるわけではなくて、クラウド上で仕事をするということになっていましたので、セキュリティーの問題は、かなりそのクラウドのところでのセキュリティーの問題に逆にすり替えておりましたので、私たちのところの責任という形にはなりませんでしたので、意外とスムーズに運用できたかなと思っております。
だから、そういう意味で、工学基盤マネジメントですか、システムのイメージ例を出していただいていますが、やはりこのネットワークを形成するというときには、このネットワーク自体をクラウド化してしまうということを前提にしないと、やはりデータのセキュリティーの課題が必ず出てきて、そこがボトルネックになってしまうのではないかなと思っておりました。通信のところは、既にSINETを持っていますので、それに即応するような形のクラウド環境を研究基盤として持っていくということがこれから非常に重要になるのではないかなと、皆さんの話をお聞きしながら、また、私どもの小さな試みからして、そのようなことを考えていくほうがいいかなと思っております。
そのための4億円は、ちょっとあまりにも少な過ぎるということで、やはりこれはもっと研究インフラを整えるためのシーズのマネーということで考えて、これから進まないといけないのかなとも思っておりました。
以上です。
【岸本部会長】 ありがとうございます。
それでは、中村委員、お願いできますでしょうか。
【中村委員】 中村でございます。私どもの企業も、同様に徹底した感染対策を行ってきた関係で、在宅勤務がずっと続くという状況にございました。私自身、まだ在宅勤務の状況にあるのですが、デバイス開発の源流におります関係で、感染対策を防ぐ方策そのものが研究開発のネックになっているという、先生方の御指摘は非常によく痛感するところでございます。
そういう中で、今後の持続可能な研究かつ効率の良い研究に向けた環境整備といった点で、先ほど来出ていますような遠隔利用とか自動化というのは非常に分かりやすいという、効果が見やすいといった点で期待しているところであります。どのような手段を取るかといったところは、対象の分野とか、あるいはプラットフォームごとに異なるかと思うのですが、企業研究者の目線から少し申し上げますと、どの手段を取るとどれだけ効果が上がるかといった、効果に対して定量的な試算といったものを示していくことも必要ではないかと思っております。これにより、全体最適化が図れるのではないかと思います。その際は、もちろんセキュリティーをいかに守るかということも併せて示していくことが必要かと思っております。
以上になります。ありがとうございました。
【岸本部会長】 ありがとうございました。
それでは、藤井委員、お願いできますでしょうか。
【藤井部会長代理】 ありがとうございます。この概算要求に関係することなんですけれども、1つは、先ほどの第2次補正予算でそこそこの額がついたというのは非常に良かったということと、共用設備を基本的に充実できるということなんですけども、ですから、冒頭に申したような、このコロナの状況も踏まえて、やはりこれを上手に下地にして、どうこのチャンスを生かすかということを考える必要があるだろうと思うんですね。ですから、第2次補正予算のほうは、どちらかというとハード面というか、物をある程度調えられるというふうなことだというふうに理解しましたが、それに乗っかる、やはり今それで、先ほど菊池先生もおっしゃいましたけれども、日本の場合は、これは前回もちょっと申したかもしれませんが、SINETがあって、全国に100ギガのネットワークがあって、今度東京、大阪が400ギガになるというふうな状況で、これは先ほど来言われてきているデータセキュリティーに関しても、つまり、このZoomは、正直言って、海外のサーバーを回っている可能性もあるわけですね。ですが、そういうことではないセキュアなネットワークが学術目的で我が国にはあるわけですので、やはりそういうものとの兼ね合いも含めて、つまり、この共用設備に限らずなんですけど、オンラインで行われる学術的なアクティビティについて、今後の考え方としては、国が支える部分がどこまでで、それからこれは前回議論でちょっとお話ししましたけれども、やはりもう一つは、共用設備側として、ある種自立的に、つまり、ずっと国の予算が増えていくということは、ほとんど今はもう増えないで減っていく見込みのほうが大きいのかもしれないので、そのときに、この設備群をどういうふうに共用プラットフォームとして支えていくかというモデルがやはり必要で、そこは国が支える先行投資部分と組み合わせて、やはりある程度自立的に回る部分を考えていかなくてはいけない。で、今のこのタイミングが実は、これも前回申しましたけれども、ここまで日本経済が比較的ポジティブな状況になってきていて、リスク投資もそこそこ、つまりスタートアップですね、ベンチャーみたいなものが生まれる素地も大分育ってきたという段階だったんですけれど、ここに来てかなりしんどい状況になっているわけです。そういうものを下支えしてあげるという意味も、多分、こういう共用設備というのは、そこをうまく開放してあげて使えるようにしてあげればあり得る話ですし、我が国の経済効果あるいは経済をここから持ち直すという意味でも、非常に重要なファンクションの一つだと思われるわけです。
そういう意味ではやはり、共用設備の運用部分のモデル、経済的に回るようなモデルというものと、それから国が支える部分としての先行投資というものとを上手に組み合わせた形での発想が必要ということで、それはこの4億というスケールでできるかどうか分からないんですけれども、いずれにしても、今現存する非常によい基盤が、SINETを含めて基盤と設備群があるわけですので、それの上に乗っかるいわゆる情報側のプラットフォームをいかに上手につくるかというふうなことが問われているのではないかというふうに思いました。
以上でございます。
【岸本部会長】 ありがとうございます。
まだいろいろな形で御意見をいただきたいところですけれども、そろそろ時間が来ているということでございますが、本日の議論の中で、コロナのインパクトに対して、各大学、各研究所、企業、それぞれ工夫されながら、研究開発が途絶えないようにしているということも伺いましたし、このインパクトを契機に、やはり共用化というのが非常に大切な、それを更に充実するには、ネットワークのことだとか、セキュリティーのこととか、データの取扱い、まだまだたくさん課題がありますけれども、これをきちんとやっていくということが、日本がまだ世界をリードしていくということにもつながるのではないかなというふうに、皆さんの御意見を伺って感じた次第です。
次回、概算要求に向けてということなので、もう少し具体的にどんなことがあるかというのが議論できればと思いますので、引き続きこのことについては部会でも議論してまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それで、議題3ということでその他がございます。話題提供ということになっていまして、2つの資料が用意してございますので、ごく限られた時間になってしまっているんですけれども、御紹介いただければと思いますが、最初に参考資料2ですけども、江端委員のほうからお願いいたします。
【江端委員】 お時間もないところ、ありがとうございます。簡単に報告させていただきます。
研究・イノベーション学会の研究基盤イノベーション分科会での新たな取組について、本日、私と江龍委員のほうからお話しさせていただきます。
まず、研究基盤の最先端ということで、海外事例というのはまだまだこれからということですが、国内外の事例を一通りまとめた論文集を学会の特集号として発行させていただきました。こちらに関しましては、今のところ学会員のみの公開ということになっておりますが、ぜひ御興味のある方は御覧いただければと思います。特に、今回、公認会計士の方と共著で、財務という新たな視点での研究基盤の現状と課題について分析した論文もこちらに掲載させていただいておりますので、ぜひ御確認ください。
さらに、これらの研究基盤に関するデータ等をアーカイブする機能が、今の現状、どこにも置いていないことは以前より報告しているとおりですが、本分科会のサイトでまとめさせていただきました。このようなデータ集をうまく活用しながら、財務情報を含めた、エビデンス・ベースの議論をするための研究基盤のデータ整備というのを行っていきたいと考えておりますので、次回、もしよろしければ、研究基盤をベースにした財政の状況、その分析状況について報告させていただければと思います。
以上です。ありがとうございました。
【岸本部会長】 ありがとうございます。ぜひ次回、そこの話題をお願いしたいと思います。
それでは続きまして、参考資料3について、こちらは事務局のほうからお願いできればと思います。御説明お願いいたします。
【黒川課長補佐】 事務局から2点説明させていただければと思います。
1つは、科学技術分野の文部科学大臣表彰 研究支援賞の募集についてということで、これは昨年に第1回ということで新しく募集をしたものでございますけれども、左のほうにあります科学技術の発展、それから研究開発の成果創出に向けて、高度で専門的な技術的貢献を通じて研究開発の推進に寄与された方をしっかりと表彰させていただこうということで、5月29日から推薦の募集を各機関にお願いをしております。7月22日が募集締切となってございまして、去年こういう賞ができたということを御存じなかった方というのも結構いらっしゃるということですので、ぜひお知り合いの方にいろいろと情報共有いただければと思います。ちなみに、第1回目の賞を受賞された方というのは、次のページに記載の10件の方々でございます。
あともう1件、課長の渡邉から少しお話しさせていただきます。
【渡邉課長】 渡邉でございます。本日は貴重な御意見をありがとうございました。
今日の予算についての議論はまだできなかったところがあるんですけれども、やはり今回の第2次補正予算は、まさに直面している短期的な対応ということで実施するものですけれども、4億円の共用プラットフォームの予算をはじめとしたものは、今後中長期的なものへの対応ができればなと思っておりまして、やはり次回の概算要求というものは、このコロナによる長期的な影響もしくは顕在化していく課題というものに対応していくことが必要です。そうでなければ、逆に言うと、予算的には認めづらいのではないかなという危惧を持っております。今日いろいろな先生方から示唆をいただきましたので、通信の話であるとかデータの話というものは、もしかしたら省内他課でやっているようなものと連携してパッケージで考えていくとか、そういうことも考えられるのではないかというふうに思います。また内部でも検討した上で、次回に御相談できればというふうに思っておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
【岸本部会長】 ありがとうございました。今回の話から見えてくることは、やはり、個々のことというよりは、もう少し大きくしたパッケージ化というのが大切だと思いますので、ぜひその方向でプランニングしていければと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、本日の議題は以上になりますので、あと、事務局のほうから連絡事項はありますでしょうか。
【黒川課長補佐】 連絡事項は2点でございます。
1つは、次回の研究開発基盤部会につきましては、7月15日(水曜日)の午後3時から予定しておりますので、よろしくお願いいたします。
それから、本日の議事録ですけれども、部会の運営規則に基づいて後日公表することとなっておりますので、案が作成でき次第、委員の皆様に御確認をさせていただきます。
以上でございます。
【岸本部会長】 それでは、以上をもちまして第5回研究開発基盤部会を閉会したいと思いますが、このウェブ会議の中で、皆さん御協力どうもありがとうございます。以上で終了したいと思います。ありがとうございました。

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