令和7年5月23日(金曜日)13時00分~15時00分
オンライン開催
網塚主査、雨宮主査代理、荒砂委員、飯田委員、江端委員、岡田委員、上西委員、上村委員、田中委員、鳴瀧委員、福間委員
(事務局)大臣官房審議官(科学技術・学術政策局担当)福井俊英、科学技術・学術政策局参事官(研究環境担当) 野田浩絵、 参事官補佐 田邉彩乃
【網塚主査】 それでは、議事を続けてまいりたいと思います。議題の2になります。先端研究設備・機器の共用促進についてです。
まず初めに、事務局から本委員会の審議事項、それから関連する報告事項につきまして、資料2-1から2-4に基づいて御説明いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【田邉補佐】 御説明させていただきます。まず、資料2-1、通し番号の11ページを御覧ください。先端研究開発基盤委員会における課題・検討事項ということで、まず前期の振り返りをこちらに掲載させていただいております。時間もございませんので、こちらは割愛させていただきます。
次のページですけれど、こちらは13期の本委員会等における課題・検討事項というところで、前期部会からの申し送りですとか、先日の5月15日に開催されました研究開発基盤部会において、こちらの内容を検討事項とすることとさせていただいております。赤枠のところが検討事項になります。1つ目は、先端研究基盤共用促進事業の事後評価を実施いただくこと、2つ目として、12期の議論の取りまとめにおいてお示しいただきました各機関のコアファシリティ化を強化する仕組みの構築、一元的な情報の見える化ということと研究基盤エコシステムの形成ということで、整備、共用、開発というものが循環する環境の構築といったものに向けた具体的な取り組むべき施策であるとか制度設計といったところについて御議論をいただければと思っております。
続きまして、資料の2-2について、研究基盤に関する令和7年度の事業について簡単に御紹介させていただきます。
マル1のところが、整備と共用ということに関して文科省で実施しております3つのレイヤーに分けての施策の展開についての図となっております。本部会に関連するところといたしましては、この緑のところの国内有数の大型研究施設・設備のプラットフォーム化ですとか、青のところの学内の各研究室で研究設備・機器の分散管理から、機関全体として戦略的に整備・運用する仕組みを構築していくといったようなところと、それに加えまして、マル2のところ、研究機器・共通基盤技術の開発というところで、こちらに記載のJST事業の一部において研究開発などを実施しているというところです。
具体的に、上の3つのレイヤーのところに関する令和7年度の予算の全体というものが次の15ページに掲載しております。右上のところの先端研究基盤共用促進事業というものが、予算としては該当するところになっております。次の16ページがそちらの詳細になります。コアファシリティ構築支援プログラム、先端研究設備プラットフォームプログラム、この2つの事業を展開しておりますけれど、令和7年度が最終年度ということで、記載の各採択期間について、引き続き最後の支援をさせていただくという形になっております。また、右の薄いブルーの枠の中に書いておりますけれども、我が国全体の研究設備・機器の利用環境の向上と最適化に向けて、好事例等を分析して横展開を図っていくであるとか、一元的な情報の見える化を推進することとさせていただいておりまして、別途これらに関する委託調査を実施することとしております。このほか、関連の事業につきましては、参考資料の2にまとめておりますので御参照いただければと思います。
続きまして、資料の2-3に、1月に開催いたしました事業のシンポジウムの実施報告を資料としてつけております。こちら、研究基盤EXPO2025というイベントの中で開催させていただきましたけれども、コアファシリティ構築支援プログラムの令和2年度の採択期間が令和6年度が最終年度であったことから、事業の取組の集大成としての報告を行っていただくとともに、パネルディスカッションにおいて、研究基盤IRシステムの構築であるとか地域連携、また人材育成といったところをテーマに、様々御議論をいただきました。概要を後ろにつけておりますので、こちらも御参照いただければと思います。
通し番号の23ページになりますけれど、こちらにシンポジウムで取りましたアンケートの概要をつけさせていただいておりますので、簡単に紹介させていただきます。御参加いただきました方は国立大学の方が多かったというところと、あとアンケートに答えていただいた方は技術職の方が半数強という形になっております。
次の24ページですけれども、共用化の進捗についてどのような認識を持たれているかといったところを聞いたところ、72.5%が進んでいる、進みつつあるというような認識であるとの結果が得られております。また、共用化の阻害要因について聞いたところ、青と赤の横線で結果を表しておりますけど、青のほうが、進んでいる、進みつつあると答えた方が選択したもの、赤いほうが進んでいないと答えた方が選択したものになりますが、進んでいないという認識の方たちにおかれては、経営層の意識改革が不十分であるとか共用化のノウハウがないというところが顕著に高いという結果が出ております。また、全体としては、体制・システム整備に係る財源が不足というところの、特に機器の導入・更新にかかる費用が不足しているというところが非常に多くの方に選択されたというような状況になっております。
次の25ページですけれど、こちらでは共用化と併せて必要な取組について聞いたところの結果をお示ししております。こちらの結果としては、依然として技術専門人材の育成強化・活躍促進というところが大きな課題として認識されているという結果が得られているところです。
また、最後に資料2-4ですけれども、先端研究基盤共用促進事業において、研究者に対する共用研究設備・機器等に関する認識の調査を行いましたので、こちらの結果も簡単に御紹介させていただきます。こちら、コアファシリティのプログラムに採択されております15機関に所属している研究者を対象にアンケート調査をさせていただいたものです。回答者数は約1,000名というところです。また、回答者の属性はこちらに記載のとおりです。
その次の28ページ、例えば学内の共用のシステムを知っているかとか使ったことがあるかということについては、多くの方が、このアンケートに答えていただいた方におかれては使ったことがあるという回答をいただいております。
また、次の29ページ、着任時と比べて研究設備・機器に関する環境がよくなったと感じる点はどんなところか、また、自身の研究活動で有用であったところはどんなところかといったところを聞きましたところ、最先端・最新の機器が利用できたとか、利用できる種類が増えたといったところが多くの方にお答えいただいたところになります。
また、次の30ページ、今と同じ質問について在籍期間別に分析させていただいたところ、3年以上という方と3年未満というところで分けて分析したところですけれども、3年以上と在籍年数が多いほどポジティブな傾向が出ており、コアファシリティ事業を四、五年前から始めておりますけれども、それ以前と比べて環境がよくなっていると感じていただいている方が多いのかなという結果になっております。
次の31ページは、共用機器を利用する上で重要だと思う点について聞いたものになっております。御参考にしていただければと思います。
また、次の32ページは、どんなところが問題と感じているか、また、その次の33ページは、利用したことがない方への質問として、どういった理由で利用していないのかというところを聞いたものになっております。また、その次の34ページは、利用するきっかけとしてはどういったことが考えられるかというものの結果となっております。
最後の34ページ、コアファシリティの採択機関の方たちに対して、先端研究設備プラットフォームを知っているかというものを聞いた結果になっております。こちらについては、残念ながら知らない、利用したことがないという方が非常に多い結果となっておりまして、利用したことがない理由としては、どういった共用機器があるのかそもそも知らないというような結果となっており、広報であるとか情報の見える化といったところを強化していくのも課題かなというようなところが見えてきたところです。
駆け足になりましたが、以上です。
【網塚主査】 どうもありがとうございました。これまでの事務局からの御説明につきまして、何かもし御質問がありましたらお願いいたします。御意見でも問題ありません。プラットフォームの認知度が低いというのは、アンケートの対象となった方々、広く一般となると、確かに知らない方が多くても仕方がないのかなと思いますけど、ちょっと寂しいところではありますね。
続きまして、研究開発基盤部会第12期の議論の取りまとめを踏まえました今後の方向性の具体化について議論してまいりたいと思います。まずは、事務局より資料3-1から3-3について御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【田邉補佐】 御説明させていただきます。まず、資料3-1、通し番号の36ページについてです。本日は、12期で取りまとめいただいた今後の方向性の具体化、制度設計について御議論いただきたいと考えておりますが、議論に先立ちまして、第7期科学技術・イノベーション基本計画に向けた文部科学省での検討状況等について簡単に御紹介を最初にさせていただければと思います。
こちら、総合科学技術・イノベーション会議の基本計画専門調査会、2月に開催されたものの資料を抜粋しております。文部科学省における研究力強化に向けた今後の取組の方向性として、こちらに記載の5つの柱で検討しているところですけれども、研究基盤に関しましては、こちらの中の施策1「多様で豊富な『知』を得るエコシステムの強化」という中に位置づけているところです。
次の38ページにその詳細を記載しております。特に上のところの「組織・分野の枠を超えた研究ネットワークの構築」というところが該当するところでございまして、書いてあるとおりではあるんですけれど、近年、高い研究力を持つ研究大学に対する組織全体としての機能強化策、国際卓越であるとかJ-PEAKS、こういったものを創設してまいりましたが、そうした大学以外にも、全国各地に意欲・能力のある人材が点在している状況であると。また、世界の潮流としては、研究設備の共用・集約化、自動/自律化、遠隔化、サービス化による研究の生産性の向上であるとか、データ基盤を含む情報基盤が支えるデータ科学、AIを活用した研究の高度化というところが図られており、日本においても全体的な推進が求められている状況と認識しています。ですので、7期においては、高度かつ高効率な研究環境を実現し、それを組織・分野を越えてオールジャパンで活用することにより、研究パフォーマンスの最大化を図ることに取り組んではどうかということを検討しております。
さらに、その次の39ページにその内容を詳細化した資料をつけております。こちらのページには、今お話ししたのと同じ内容を記載しているところなんですけれども、これを具体的にどういうふうに対策をしていくべきかというところが次の40ページになっております。
改めて現状認識・課題のところを御覧いただければと思うんですけれども、繰り返しになりますけれど、世界の潮流としてはこういったところで、研究の生産性の向上であるとか、データ科学やAIを活用した研究の高度化が進展している。他方で、日本の研究設備・機器の多くは、研究室もしくは研究者により管理されており、研究機器を利用することのインセンティブ設計が欠如していると。また、組織的な集約化・共用化・老朽化への対応を進めることが困難な状況になっているところです。さらには、開発・導入・共用といったところが遅れ、国際競争に不利な状況となっているとともに、またデータの体系的な蓄積といったところが課題になっており、これらの抜本的な改革のためには、大学の財務・人事・経営改革にも資する取組をしていくことが必要ではないかと認識しております。
これに対する施策案として下に書いてありますような丸1から丸4について、文科省全体で一体的に取り組んでいくことにより、右にあるように、全体最適により日本の研究力の飛躍的向上を図ることを検討している状況です。
簡単にそれぞれの内容を御紹介させていただきますが、まず、丸1「研究設備・機器活用の最大化」、ここがまさに共用、高度化に関するところですけれども、研究機器への全ての研究者のアクセスの確保が必要というところですので、日本全体で戦略的な整備・運用を行っていくとともに、技術専門人材の配置・活躍促進を進めていく、さらに自動化・遠隔化の導入により高効率化・精度向上、こういったことを図ることによって研究者の創造性を最大限に発揮する環境を複数の共用拠点の全国ネットワーク化により図っていくということ、また、それに加えて、最先端の研究開発を牽引する設備の高度化・開発、また、共用の場を活用し、産学連携で研究現場にそういったものを実装していくということをやることによって、世界を先導する先端研究機器の開発と国際競争力の確保というところに取り組んではどうかということを書いております。
また、これと合わせて丸2の黒のところですけれども、「資金活用の最大化」ということで、競争的研究費改革ということで、共用と連動したインセンティブなど共用と競争的研究費の改革を両輪で実施することによって、我が国の研究基盤の中心を共用機器に転換していくことを図ってはどうかということを考えております。
また、丸3のところですけれども、「研究効率の最大化」ということで、個々の大学では実現困難な先端研究設備の大規模集積・自動化・自律化・遠隔化、こういったことを大学共同利用機関において新たな共同利用サービスとして導入していくことをしてはどうかということを書いております。
また、それに加えて、丸4「データ活用の最大化」というところですけれども、データに関する保存、管理、活用、流通といったことに関する研究データ基盤の強化も併せて図っていく。これらを一体的にやっていくということでどうかということが検討しているという状況です。本委員会におきましては、丸1の青のところ、丸2の黒のところ、こちらを踏まえた御議論をいただければと考えております。次のページは、今の内容をイメージ図化したものになっておりますので御参考にしていただければと思います。
その後は関連のデータをつけておりますけれども、例えば老朽化が顕著であるといったようなデータ、右下のところですとか、その次のページは技術技能系職員の方であるとかテクニシャンの数が少ないというようなところのデータですとか、次の43ページでは、先端研究機器を多くの海外企業からの輸入に依存している状況、また日本企業の世界シェアが下がっているという状況についてのデータを参考としてつけさせていただいているところです。
次、資料3-2の御説明をさせていただきます。こちらが12期のまとめや、ただいまの説明を踏まえ、本日、特に御議論いただきたいペーパーとして作成しているものです。次の46ページを御覧ください。
繰り返しになりますけれども、「はじめに」のところを御覧いただければと思いますが、こちらのペーパーについては、12期の議論の取りまとめを踏まえまして、また、7期に向けた省内の検討を踏まえつつ、長期的な実施スキームや当面取り組むべき事項、具体的な制度に盛り込むべき事項といったところを検討いただくためのたたき台として作成させていただいているところです。
2ポツのところに、まず長期的に目指す姿として、こういったところが考えられるのではないかというものを案として記載させていただいております。詳細に御説明させていただければと思います。
まず、1つ目のポツですけれども、全国的な研究基盤として、研究設備、また人材のネットワークを構築していく。これにより、全国の研究者が必要な機器等にアクセスできる環境を整備し、個々に機器を買うのではなく、共用を前提とした研究環境に転換していく。
2ポツ目ですけれども、我が国全体として、共用研究設備等の整備・運用の仕組みを構築し、研究ニーズを踏まえた試作機の試験導入や利用技術開発の場としていくこと。これらにより、先端研究設備等の導入・共用・開発というものが循環する環境を醸成していくというところを目標として掲げてはどうかというところです。
次のところ、具体的な目指す姿について書かせていただいております。
まず1つ目のポツですけれど、共用システムに係る情報というものを一元的にしっかり集約化し、見える化をしていく。2つ目のポツですが、コアファシリティ化が進む研究大学等に共用拠点を形成し、そこを核として、ユーザーとなるような研究者の方たちの数などを踏まえつつ、コアファシリティのネットワークを複数国内に構築していく。加えて、重要な装置分野については、国際的にも存在感を発揮できる装置分野のネットワークを形成していく。これらの共用拠点やネットワークを連携することにより、全国をカバーするような研究基盤を整備していくこと。
その次のポツですけれども、共用拠点・ネットワークには分野横断的に汎用性の高い一定規模以上の設備と人材を戦略的・計画的に当初から共用を目的に配置していく。そこに遠隔化・自動化といったものも適切に取り入れていく。これらの拠点・ネットワークは、当然ながらあらゆる研究者、組織外の方たちにも開放していく。
また、次のポツですけれども、研究者は研究費から利用料金を支払って、専門人材のサービスを受けながら設備を利用する。これによって、研究活動の質の向上、効率化を実現していく。
次のポツですけれども、これらの機器から得られるデータを利活用できる形でしっかりと蓄積していくということ。
また、次の47ページのポツですけれども、共用の場を接続点とした産学連携により、研究ニーズに基づく新たな計測・分析技術の開発、試作機開発、利用技術開発等がしっかり進展していく、汎用化した先端機器をいち早く共用の場に導入していくというようなところを目指してはどうかということで書かせていただいております。
また、この実現に向けた進め方というところですけれども、1つ目のポツですが、設備や人材の配置等の在り方を刷新し、我が国の研究現場に共用文化を醸成・定着させることがまず必要であると。このために、これまでの取組をさらに発展させ、機関間の連携によるネットワーク構築を図り、大学等の財務・人事・経営などのシステム改革にも資する取組を推進していく。特にネットワークの中核となるような共用拠点においては、その試行を実施いただき、ほかの機関への横展開であるとか競争的研究費制度など国の事業・制度にそれを反映していくということをしてはどうかということを書かせていただいております。
次、3ポツのそれらに向けて当面取り組む事項の実施方針というものをまとめております。
まず、(1)の「共用システムに係る情報の一元化・見える化」というところにつきましては、冒頭の説明で申し上げましたように、現在委託調査を実施予定ですので、そちらを踏まえて制度設計をしていくこととさせていただいてはどうかということを書いております。
(2)「コアファシリティ・ネットワーク」、こちらについて詳細を書かせていただいております。まず、コアファシリティのネットワークに求められる取組といたしましては、1つ目のポツですけれども、ネットワーク全体で10年程度の期間の共用設備等の整備・運用計画というものを作成いただく。この計画については、設備等の配置状況や利用状況、ニーズを把握するとともに、アクセス距離であるとか利用方法、必要なスペック等を踏まえて作成いただくと。ただ、これをやることは非常に難しいこととも思いますので、まずファーストステップとしては、中核となる共用拠点の整備、それから、そこを中心としたネットワーク全体で連携した共用設備等の運用にまずは着手いただくとともに、長期的にネットワーク全体で戦略的・計画的に共用設備の整備・運用を行うことを目指して、計画の作成とその改善というものを図っていってはどうかと考えております。
また、このための連携体制を構築し、人材の育成等も実施いただくとともに、次ですけれど、情報の一元化・見える化とも当然ながら連携をしていただき、また、データを統合的に活用するための標準化等の取組にも協力をしていく。また、試作機や1号機等の試験導入や、それらを活用した利用技術の開発というものを併せて実施していくということでどうかというところを記載させていただいております。
その次に、こういったことを行う中核となる共用拠点の要件として考えられることを次に記載させていただいております。1つ目のポツですけれども、統括部局の体制やその運用実績というものがしっかりあること、また、機関内の研究設備等の把握ができていること、機関内の技術専門人材の状況が一元的に把握され、育成制度、キャリアパス構築にしっかり取り組んでいただいていること、また、執行部のコミットの下に、そういった共用拠点の形成であるとかネットワーク形成を主導、また成果検証を行える体制があることが必要ではないかということを書かせていただいております。
次の48ページですけれども、中核となる共用拠点に実施いただきたいこととしてこちらにまとめております。最初の3つのポツは、ネットワークに求められることを主導するということを書かせていただいております。これに加えて4つ目のポツ以降ですけれども、共用文化の醸成に向けて、しっかり機関内の研究設備等の洗い出しを行い、さらなる共用・集約化を進めていただくこと。また、コアファシリティ化の先駆者として、研究者向けのインセンティブ設計を必ず盛り込んでいただき、さらに加えて共用を通じた研究の創造性・効率性の向上に資する先進モデルを創出することに取り組んでいただくということではどうかと。インセンティブ設計ですとか先進モデルとして考えられる例を下に記載しておりますけれども、この辺りにつきましては、ほかに考えられること等々、御意見をいただければと思っております。
その次のポツですけれども、それに加えまして、競争的研究費の使途の変容を促進する、研究機器等の整備から利用料金への計上に変容していくということ、また、その状況を確認するということのフィージビリティースタディーを実施いただいてはどうかということを書いております。
その内容の試案をその下に書いておりますけれども、組織内の取組として、研究者が競争的研究費を申請する際に、一定規模以上の研究設備等の購入費を計上する場合、統括部局等において重複の確認であるとか、購入した場合はそれをどのように共用していくのか、あるいは共用が難しい場合は、その理由等を明確にするというようなことを実施していただき、そういった仕組みをフィージビリティースタディーとして機関内に導入していただくことはどうかということを考えております。また、これによって、使途の変容があったかどうかということを定量的に確認・検証していただくということでどうかということを書いております。
最後のポツですけれど、また、国において今後策定を予定しております技術職員の人事制度等に関するガイドライン、こちらも踏まえた技術専門人材の処遇・キャリアパスの改善といったことにも取り組んでいただくことが必要ではないかということで記載しております。
続きまして、(3)の装置分野ネットワークについてですけれど、こちらについては、分野横断的に汎用性が高く、国際競争力の確保の観点から、最先端の研究設備等の導入・開発が求められる装置分野を対象としまして、次のポツに書いてありますが、プラットフォームプログラムで進めてきた取組をさらに進めていただくと。3つ目のポツですけれども、ネットワーク全体で装置分野について、特に最先端・国内有数の研究設備等というところを中心に、同じく10年程度の整備・運用計画を作成いただく。こちらの計画については、配置状況、利用状況、ニーズ等々、加えて、先端的な研究や技術開発の動向等を踏まえて作成いただき、これを定期的に見直ししていくことを案として書かせていただいております。また、それに加えて、自動化とか遠隔化の取り入れもやっていただくとともに、専門人材の育成を実施していただくということを書いております。そのほか、コアファシリティのネットワークと同じようなことをその後書かせていただいております。
次のページ、あとはコアファシリティ・ネットワークと装置分野のネットワークの連携というところですけれども、装置分野のネットワークの対象となる最先端・国内有数の研究設備等の整備・運用計画の作成であるとか運用の高度化というところに当たりましては、コアファシリティのネットワークに入ってくるものと装置分野のネットワークに入ってくるものと重なる部分だと思いますけれども、こちらについては、装置分野のネットワークが中心的に担うことになるのではないか、また特に、整備においては、その2つのネットワーク間で密な連携・調整等が必要になるかと思いますので、そのための連絡会議の設置などの仕組みの導入が必要ではないかと考えております。加えて、各ネットワークの利用窓口の連携などの仕組みも導入していくことが必要ではないかということを書かせていただいております。
最後に「高度化・開発」のところですけれども、共用の場を活用した高度化・開発として、繰り返しになりますけれど、共用のネットワークに新たな研究設備等の試作機や1号機の試験導入をし、利用技術の開発を実施していくと。このような開発等を実施するために、要素技術の開発から性能実証・利用技術の開発等の各フェーズをカバーする先端計測・分析技術開発のための研究費制度の創設をしてはどうかと。特に、我が国の勝ち筋を見据えた領域等において、最先端装置等の研究開発、解析技術やソフトウエア開発等の利用技術開発を強化してはどうかということを書かせていただいております。
また、ネットワークのほうには、試作機や1号機の試験導入を図るための産学のマッチングを行える仕組みであるとか、開発に係る研究コミュニティと相互作用するような仕組みを導入していくと。このようなことを通じて、技術者等の産学の高度人材育成をしていければよいのではないかということを書かせていただいております。
長くなりましたが、私からの説明は以上となります。
【網塚主査】 ありがとうございます。第12期の議論の取りまとめを踏まえた上での今後の方向性の具体化ということですが、かなり具体的に踏み込んだ内容を考えてくださっているかと思います。お気づきの点があるかと思われますので御意見をいただきたいと思いますが、簡単に自己紹介なども入れていただいて御意見を賜れればと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、主査代理を務めていただいております雨宮先生からお願いしてよろしいでしょうか。
【雨宮主査代理】 ありがとうございます。雨宮です。自己紹介も兼ねてということですので、KEKの物質構造科学究所で主に放射光のことをやっております雨宮と申します。最近では、放射光に限らず量子ビーム全般に関する共同利用に関することをやっております。この委員会、昨年度までは研究開発基盤部会のほうですけれども、そちらを2期務めまして、今回、3期目も務めていますが、こちらの委員会も務めることになりました。よろしくお願いします。
今お話を伺いながら、前期の議論の内容を思い出しながら聞いていたんですけれども、確かに今日まとめていただいたようなことを議論してきたなと思って、まさにこれを実現できればいいよなと考えて聞いておりました。
それで、今日、具体的に2点ほど気になったところを話しますと、特に印象に残ったのが競争的研究費の改革というんですかね、やり方を変えていくのが必要なんじゃないかというところです。おっしゃるとおり、まず競争的研究費で何かを整備するときには、本当に重複がないかとかそういうことは大切ですし、逆に、もうどこかで共用しているものを使う人が優遇されるべきであると思うんです。今までそういうことをもちろん申請書に書いてきたとは思うんですけど、それがすばらしいことだとなかなか評価してもらえない部分がどうしてもあったと思うので、共用機器を使いますということがプラスになる、下手すればポイントがプラスになる、あるいはそれを前提とした何か枠があるというぐらいのことがあるといいのかなと思いました。
もう一つは、今回、1、2、3、4と大きくある中の4の「高度化・開発」のところ、これはほかも難しいですけど、やっぱりここは結構大変なことだと思うんです。1つ、今あるものだけじゃなくて、それの改良というか、開発で、試作機とか1号機の試験導入とかそういったところまでやっていくということですので、これはもちろん分野も限られ、装置の、「勝ち筋」という言い方があったと思いますけれども、全てに対してできないですし、あと、やっぱりこれができる組織はそれなりに限られてきちゃうところもありますので、当然ですけれども、全てのいろんな組織のところにこれを求めるというのはないと思うので、この4番が絶対できなきゃいけないということではもちろんないということだと思います。4番ができるというところであれば、もちろんそれを推奨していくのはとても大切なことで、これも今までなかなかできてなかったことですので、本当にこれがやっていけたらすばらしいことだなと思います。
私からは以上です。
【網塚主査】 どうもありがとうございます。
それでは、ひとまず先に進めさせていただきまして、続きまして、荒砂委員、お願いいたします。
【荒砂委員】 ありがとうございます。今年度から本委員会に参加させていただくこととなりました東海大学URAの荒砂です。私は東海大学のほかに、江端委員が会長を務めておられる一般社団法人研究基盤協議会の理事も務めさせていただいております。私は、東海大学の前は、福間委員がいらっしゃる金沢大学でURAの職に就きました。文科省様のコアファシリティ構築支援プログラムに携わって、設備のマスタープランですとか技術職員さんの評価、構造化といったところの施策を執行部の先生方の下、一緒に施策立案・運営してきたところでございます。
東海大学に異動してきてからは、本学、現状コアファシリティには採択されていないんですけれども、機器共用が比較的進んでいる私立大学としてできることがないかというところで、大学として取り組んでおりました装置の遠隔化ですね。本学は全国にキャンパスがございますので、そこに散らばっている設備を遠隔操作して有効に使いましょうという取組を大学で行っておりましたので、そちらに携わりつつ、あとは装置から生み出されたデータの管理、利活用などに取り組んでまいりました。
URAとしては、本会では私1人かと思いますけれども、研究者の先生や技術職員さん、事務職員の方と違ったURAの視点、また、企業の皆様とも違った視点といったところで、何か本会のお役に立てればと思っております。よろしくお願いいたします。
それでは、資料についてなんですけれども、コアファシリティを通して見えてきた課題等をすばらしくおまとめいただいたのではないかと思っております。「コアファシリティ・ネットワーク」という言葉が出てまいりましたが、1つお尋ねしたいのは、このネットワークの規模感をどのようにお考えかというところです。金沢大学さんとかコアファシリティに通っている大学さんは、機器の共用化というのは非常に多く推進してきたと思うんですけれども、1大学でも数十機器、多ければ100台を超えて、何百機器と共用化しているところですけれども、そういった大学が集まると、非常に数が多い共用機器をネットワークの中で使うことになりますが、どういった規模感のネットワークをお考えでいらっしゃるのか。大学、機器、どちらでもよろしいんですけれども、というところをお聞かせいただければと思います。
また、あと1つお答えいただければと思うのがデータのところですが、管理までは今、多くの大学は非常に急ぎ取り組んでいるところだと思いますが、利活用までの道のりは相当に遠いなというのが現場の印象でして、この辺りをより進めるための策といったものを何かお考えであればお聞かせいただければと思っております。よろしくお願いいたします。
【網塚主査】 ありがとうございます。2つ御質問がございましたが、いかがいたしましょう。事務局のほうでお答えいただけますかね。
【田邉補佐】 私からお答えします。まず、ネットワークの規模感というところについてですけれども、こちらについては、いろいろと考え方があろうかと現段階で思っているところです。資料の通し番号では46ページ、骨子としては1ページ目の「目指す姿」の2ポツ目のところに、「コアファシリティ・ネットワーク」というワードが出てくる少し前のところに、「ユーザーとなる研究者数等の状況を踏まえた」と書かせていただいておりまして、ですので、いろんな規模感のネットワーク、それこそ地域なのか、ある程度大学の中の学部をまたいだネットワークなのかといったところもあると思いますが、その辺りは様々な考え方に応じて、まずはどの辺りの研究者数をカバーするのかというようなことを考えながら、ネットワークの規模を検討していく必要があろうかと思っています。
また、ネットワークの中で共用する機器については、少なくとも共用拠点において戦略的に設備を整備していくという観点においては、ある程度少額のものから高額の最先端というところまで全体をカバーする形で考えていただく必要があろうかとは思っておりますが、繰り返しになりますけれど、最先端、国内有数の研究設備というものについては、例えば今後、装置分野のネットワークというものを構築して、そちらで日本全国を見渡しながらコミュニティーとしてどういうふうな整備をしていくかということも検討いただければと思っているので、そこと連携した形で考えていくことが必要かなと思っております。
また、データ利活用に関しましては、御指摘いただきましたとおり、現場においてはなかなか難しいところなのかなと承知しております。我々の見ている共用の拠点、汎用的な設備の共用の拠点という観点からは、分野において様々、データの利活用というところは、それこそARIMであるとか、ライフ分野でも進んでいるところがあるかと思いますので、そういったところで得られた好事例といいますか、そういったところでつくり上げられてきたところにしっかり参画していくということであるとか、あとは共通フォーマットといいますか、標準化、そういった取組も様々行われていると承知しておりますので、そういったところにしっかり連携していくというようなことを進めていくことがまずは重要ではないかなと考えているところであります。
以上です。
【網塚主査】 ありがとうございます。いかがでしょうか。
【荒砂委員】 荒砂です。ありがとうございます。データのところは、データ、様々ありますけれども、装置から生み出される計測データというのは、やはり利活用の中でも非常に効果があるような気がしておりますので、ぜひ今後、皆様と議論させていただければと思います。ありがとうございました。
【網塚主査】 ありがとうございます。ネットワークについては、いろいろなイメージがあると思うんですけれども、いろんな形態があっていいと思うんですよね。結果的にそれが設備の効果的な利用につながり、研究者も非常に研究に役立てることができるという、効率化が図られればいいのかなと思っていて、例えば今お話がありましたように、装置の種類でネットワークをつくるというやり方もあると思いますね。ハイエンドなもので大型のものは、既にプラットフォームというものが全国規模である種のネットワークとしてありますけれども、もう少し汎用性の高い小型の装置でも、その装置で地域あるいは全国でネットワークを組むことができますし、あと、私なんかがつくると言っていてなかなかできていないのは、自分の学術分野でネットワークをつくってしまうこと。私自身、物性物理学ですけど、その分野でネットワークを組めば、研究者間で相互利用することができるということで、そのときに、コアファシリティ化している大きな大学もあれば、それができてない大学もあるんですけれども、その分野の装置だけをくくり出して見える化してコミュニティの中で利活用すれば、1大学の中で共用化しているよりもユーザーが非常に増えるといったメリットもあるので、そういったものをつくっていくということも1つかなと思っていますし、それぞれの方々がいろんな形でネットワークをつくることができて、むしろどのようなアイデアが出てくるかというのが、今後楽しみなところかなと思っております。
続きまして、飯田委員、お願いいたします。
【飯田委員】 飯田でございます。島津製作所では、質量分析計の機器開発に主に携わってまいりまして、機器開発に関係しました共同研究を国内外の大学、企業と進めてまいりました。この関係もありまして、現在、大阪大学の特任教授として、島津製作所が大学に設置しています島津分析イノベーション協働研究所の所長、また今年、京都大学総合生存学館の特任教授を拝命しております。研究開発基盤部会におきましては、今年、第2期目の臨時委員を務めさせていただいております。また、研究環境基盤部会、あと人材育成の関係で中央教育審議会の大学分科会大学院部会の臨時委員も今年から拝命させていただきました。微力ですけれども、お役に立てるように貢献してまいりたい、努力してまいりたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
今日の議事のことに関しまして、特に49ページ、(4)「高度化・開発」という項目をいただきまして、機器メーカーの人間として、また日本の科学技術力の向上というところで、1つの課題と思っております最先端の機器の開発に少しでも貢献したいなと思っている人間といたしまして、非常にありがたく思っているところでございます。今まで、先期、第12期での研究開発基盤部会での議論でまとめられました方向性に関連しまして、この(4)にも関連いたしまして、ステークホルダーとして、研究者、科学者並びに研究プロジェクトを推進する資金配分の機関、ファンディングエージェンシーに加えまして、計測・分析技術などの基盤技術を開発し提供する企業も貢献できるものと考え、業界団体であります日本分析機器工業会におきましても、日本の科学力の回復・向上をサポートしたいということで、そのために解決が必要な課題の整理や解決のための方策につきまして、計測・分析技術などを開発・提供する立場から検討し、提言することを目指しまして、検討会を立ち上げ、夏頃をめどに取りまとめをしようとしております。こちらに関しまして今後、この委員会で御報告させていただき、議論を賜れればと思っておりますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
また、技術職員の方々のさらなる活躍支援、高度人材育成に関しましても、ぜひ具体化を進めてまいりたいと思っておりまして、先生方をはじめました皆様に御相談させていただきたく、よろしくお願い申し上げます。
まず、私から以上でございます。ありがとうございます。
【網塚主査】 ありがとうございます。大学にいる立場としては非常に心強いお言葉をいただきまして、産業界もこの状況を憂えて応援してくださっているということだと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
【飯田委員】 よろしくお願いいたします。
【網塚主査】
次は、江端委員、お願いいたします。
【江端委員】 改めまして江端です。よろしくお願いいたします。東京科学大学/Science Tokyoの戦略本部の理事特別補佐を務めております。本学では、大学全体の経営戦略を考える上で、コアファシリティ、研究基盤、研究環境が非常に重要だという認識で、様々な改革を進めております。今回の、先端研究開発基盤強化委員会では人材の話も多数含まれておりまして、コアファシリティと言ったときに、一概に設備だけの話ではなく、人についても同時に議論すべきであるというところは政策の中でも当たり前のように語られるようになりました。議論を進める中で、私も非常に重要なポイントだと思いお話をしてきましたので、このような形で進んできたというところは大変ありがたく思っています。我が国の研究基盤の政策を考えていく上で、技術人材の高度化あるいはそういった方々の集約化は非常に重要なポイントだと思いますので、今回の政策の中でも、この点を強調していただきたいと思っております。
今回御提案いただきました資料について、幾つかコメントさせていただきたいと思っております。47ページの、共用システムに係る情報の一元化・見える化につきましては、現在調査を行う準備をされているということですので、そちらである程度見える化の方向性は出てくると思いますが、具体的にどのように情報を発信していくのかは、一大学だけでやるべきことではなく、国と一体になって発信していくような流れがつくれたら良いと思っております。ぜひこれを推進していただきたいと思っているところです。
コアファシリティのネットワークにつきましては、これまで推進してきたコアファシリティ事業があり、それに採択された大学と非常に意識の高いコアファシリティ化を進めている大学が、多数ありますので、ぜひネットワーク化を進めていただきたいと思っております。
その際の論点として、10年程度の整備計画を作成する点については、各大学にとって非常に厳しい話だと思っています。一方で、こういった事業を推進する中で計画の策定が進んでくるところや、見えてくる課題もありますので、まずはたたき台をつくり、国とシェアしながら構築していけるような仕組みづくりができると良いと思っております。そして、先ほどの情報の一元化にリンクさせることが非常に重要だと思いますので、その点も含めて検討いただきたいと思います。
また、コアファシリティの件については、私が聞き逃していなければ、装置の集約化や移設の関係、装置の廃棄等について、具体的なところはなかったと思っております。各大学様々な工夫をしながらコアファシリティ化を進めておられますが、拠点として機能するためには、ある程度のスペース・人・予算をまとめてマネジメントしなければ機能しないと思います。そのため、まずそれを機能させるための設備・機器の物理的な集約化は重要です。大分前になりますが、先端研究基盤共用促進事業の新たな共用システム構築支援プログラムの中では、そういった移設等の促進をするための予算という形で使わせていただいた経緯もありますので、設備・機器の物理的な集約化を念頭に置いていただけると、最先端の機器を中核とした形で、周辺機器あるいは関連機器を集め、それに関連する人材が集まってくるような拠点になるのではないかと思いました。ぜひ御検討いただければと思います。
前回の12期の話の流れで、経営と財務という視点についても話をしましたが、先ほどの拠点をつくっていくという意味でもスペースマネジメントは本当に重要です。そのため各大学の経営陣の方々の意識改革という意味も含めて、こういったスペースをしっかりとマネジメントし、施設を何かするというだけではなく、戦略的に設備整備の計画ができるかどうかを考えていただきたいと思います。
最後になりますが、高度化の件については、私は非常に大賛成で、どんどんやっていただきたいと思っています。しかし、研究者と企業のニーズのマッチングが非常に難しいと実感していて、いかにして企業の皆さんが新しい最先端の機器についての具体的な開発の情報を、そういった共用拠点とシェアできるかがポイントだと思っております。
ここに、マッチングを支える仕組みと書いてありますが、そこから先に行くためのもう一歩踏み込んだ何かが必要で、国のサポートがあると、後押しをいただいて進められる部分があると思いますので、その点は、企業出身の方々もいらっしゃいますので、いろいろと議論を進めさせていただければと思っております。
私からは以上です。ありがとうございます。
【網塚主査】 どうもありがとうございました。 続きまして、岡田委員、お願いいたします。
【岡田委員】 理化学研究所と東京大学に所属しています岡田です。この研究開発基盤部会は、過去2期参加させていただいております。私自身はライフサイエンス系の研究者なので、そういう意味では機器のユーザーでもあるんですが、特に顕微鏡を中心としたイメージングの技術開発も積極的に行っておりまして、最先端の世界で一番優れたような性能を持っている計測器をつくって、それによっても世界をリードする研究をするというようなスタンスで研究を行ってきております。また、そうやって開発した、あるいは導入した先端的なイメージング機器を国内の様々な研究者に使っていただくという活動もしておりますので、そういう関係で今回、特に高度化とかそれを共用するという部分で少し経験があるということでお役に立てるんじゃないかと考えております。
その上で、今回お示しいただいたお話については、全体としては非常に立派なお話で、総論としては大賛成で、多分総論として反対できるところはほとんどないと思うんですが、一方で、非常に大きな話なので、ここでうたわれていることを全て実現すると、多分、日本の研究そのものが大きく変革されるような、そういう話になると思います。やはり研究において計測というのは非常に中核的な部分なので、そこの在り方を、ローカルに分散して存在するものをより集約的なネットワーク的なものに変えるということは、日々の研究活動自体もそういうふうにオーガナイズされることを内包していますので、どういうスケールでどういうふうに進めていくかはかなり考えないと、ゼロベースでできないので、どういうふうにスムーズに移行させていけるのかというのはかなり難しい問題ではないかと思っております。
例えば、もう少し卑近な話にすれば、研究費改革で共用として機器は買うということを促進するようにしましょうというのも総論としては全く正しいやり方だと思うんですけれども、一方で、この場合で言っているような、特に本来共用する効果が高そうな高額な計測機器を買えるような研究費って大型の研究費になるはずで、そうすると、大型の研究費について、機器を買ってはいけませんと。原則、機器はそれでは買ってはいけません、別に共用のための機器を買う予算を申請してくださいとかということになると、大型研究費の在り方が大きく変わるということで、多分この部会だけで済む話じゃなくて、かなりいろんなところで大きく議論しなきゃいけない話なので、うまくできれば非常に有効だと思うんですけれども、一方で大変な部分があるな。特にやはり今こういう状況ですので、そのためにエクストラに多分お金を取ってきて、こういうネットワークを整備するために、共用を促進するためにとなるのではなくて、総額は変わらなくてというふうになると、大型研究費を削って、その削った分で機器共用の予算という形になると、かなりいろんなところの反発も出てくると思いますから、言うはやすく行うはとっても難しそうな話ですけど、でもやるべきことであるというのは全くそのとおりだと思うので、うまく計画できるといいなと思っております。
あと、特に高度化とか開発とかも含めた部分でちょっと気になったのは、いろんなところで「10年程度の計画」という単語が出てきていて、いわゆるお役所仕事としては、やはり10年程度の計画って言わざるを得ないんだろうなという部分があるのも分かるんですが、研究の世界で10年って無限に近いぐらい長いと思うんですよね。特に新しい技術を開発するとなると、10年後にどんな技術ができているか考えてくださいって言って、当てられる人は多分いないと思うんです。特に先端であるようなイノベーティブなものというのは、10年後は多分非線形が先にあるはずなので、予想できないはずで、だから、それに対して整備運用計画って、何かすごそうなのが10年以内に出てくるから頑張るとかという、すごい何か意味があるようなないような計画にならざるを得ないので、その辺りもどうやって機動的に、新しい技術の芽が出てきたときに、それを取り入れて発展させていくかという機動性を担保できるような制度設計にしないと、つくった当初は確かに最先端かもしれないけど、3年ぐらいたって、想像してなかったようなイノベーティブな技術革新があったときに、でも、それを投入するのにまた5年ぐらい議論してってなっちゃうと、あまり意味がないと思うんです。だから、機動性と継続性をどう担保するかというのが、この高度化・開発の部分というところで1つ大きなところかなと思っています。
あと一言だけ。ニーズを基にしてマッチングとかそういう話があったと思うんですけど、イノベーティブな新技術の多くは、登場してきたとき、特にシーズが出てきたときには、あまり注目されないんです、これまでの例からすると。最初からニーズが分かっていて、これはすごいってなる例は意外に少なくて、最初シーズが出てきたときには、それを開発する人たちはこれはすごいとかって確信してやっているけれども、それがある程度育って、具体的な使用例が出てき始めると、そこで、いわゆるアーリーアダプターの人たちが集まって、結果が出て、それによって初めてニーズが爆発的に拡大していくという、そういうフェーズになると思うので、ここの部分、どの段階で拾い上げて育てていくかというのはすごく大事なことになると思うので、そこも一言コメントさせていただきました。
以上です。
【網塚主査】 どうもありがとうございます。いつもながら鋭い視点からの御意見、ありがとうございます。10年計画は、進化の激しい装置、分野とかには向かない。だから、ある程度安定化したスタンダードな設備に関してということだと思うんですけど、NMRとか質量元素分析だとかX線だとか電子顕微鏡だとか、汎用性が高くて安定的なパフォーマンスがあって、これがなければ勝負にならないというような装置に関しては、どこの機関も10年で計画を立てられるのかなというふうに、立てて本来はやらなければいけないんだろうなと思います。
私の番じゃないですけど、今そういうお話があったので、ちょっと意見を挟ませていただきますと、10年の絵を描くのはそれなりにできると思うんですけれども、やはり財政的な基盤ですよね。そこが難しいと思いますね、大学では。先日、NMR、それから質量分析、元素分析装置、あと電子顕微鏡といった装置の北大の中の整備状況と、それから向こう10年ぐらいでどのぐらい老朽化して、どのぐらい予算を用意しておかなければいけないかということをシミュレーションすると、やはり10億、20億というお金を用意しておかないといけない。それを行き当たりばったりと言っちゃなんですけれども、その時々の補正予算だとか外部資金等で取って、何とかつないできているという状況があるので、そこが安定的に見込めない限り、10年の絵を描くことはできるんですけれども、それが実現することを確約できるだけの財務状況に大学はないというところが問題かなと思います。そういう意味で、確かにここで書かれていることは、いろいろな意味で厳しいことなのかなと思います。
【江端委員】 江端ですが、一言よろしいでしょうか。先程の岡田先生、網塚先生からのコメントを踏まえて、少し加えさせていただくと、研究設備の整備計画については、どのレベルの装置にフォーカスするのかというのが重要と考えていまして、最先端の研究をきちんとサポートするための研究設備・機器というものであればあるほど、今、先生方がおっしゃったようにサイクルが早くなると思います。そのため、我が国の研究力強化に資するような、そういった環境をつくっていくという文脈であれば、そこにフォーカスした整備計画をきちんとつくっていくことが重要ですし、きちんと予算がひもづく話になると思います。
そのため、前回の第12期の議論でもありましたように、一般的な装置と汎用機器との分類をし、分けて検討する話がありましたし、一方でそういう汎用機器は非常に重要で、長期スパンですと、10年以上で検討すべきものも普通にありますから、そういったものをどこで活用していくかという議論も含めて取り組む必要があると思いましたので、コメントさせていただきました。ありがとうございます。
【網塚主査】 ありがとうございます。
続きまして、上西委員、お願いいたします。
【上西委員】 山口大学の上西と申します。よろしくお願いいたします。山口大学では理事を務めておりまして、学術研究担当の副学長でもあります。そしてで、研究機器の共用のための司令塔としてリサーチファシリティマネジメントセンターをつくり、そのセンター長を務めておりますし、それから、前回の研究開発基盤部会のところでも議論になっておりました技術職員を集約化して、全学組織化した総合技術部の本部長も務めております。この部会や委員会で御議論いただいて、これはいいなと思うものはすぐに実践できる立場にあって、実践してよかったこと、できたこと、できなかったこと等の知見なんかもこの委員会のところでフィードバックさせていただいたつもりでおります。今回もそういう立場で、いろいろコメントをさせていただければと思っております。
それで今回、46ページからの今後の方針の骨子のところを読ませていただいたときに、先ほども少し議論になっていましたけれども、まず、2ポツとして「長期的に目指す姿」というところの長期的というのはどのぐらいのスパンで言われているのかなというのがちょっと疑問に思ったところです。その後、「10年間」という言葉や、「10年程度」という言葉が出てくるので、10年程度なのか、もっと先を見ておられるのか、そのタイムスパンが分からないなというのが最初の印象です。
それから、これも岡田委員と少しかぶるところが多いと思うのですけれども、目指す姿はごもっともなのだけれども、これを全部やろうと思うと、いつまでにというのが分からないので、どうしても「長期的」という表現になっているのかなというのもあるので、例えば5年後にはどこまで目指す、10年ではどこまでというような、マイルストーンと言ってもいいかもしれませんけれども、目標を置いていかないと、具体的な施策に落とし込むときに焦点が絞りにくいのかなと思ったので、ここに書いてあることに時間軸を入れた形で整理してもらうといいかなと思いました。
あと一つは、かなりネットワークが強調されてきて、これからはネットワークをしっかり機能させるというのが重要になってくると思いますけれども、ネットワークを形成し、有効に機能させるためには、研究者と技術職員と事務職員、いわゆる大学に今いるリソースだけではなかなかうまく回らないと思います。ネットワークを構成する多様なステークホルダーは、組織が違えば目的も違ったり価値観が違ったりしますので、そういう多様な組織や個人を結ぶためのマネジメント人材が必要です。URAがそこを担うのがいいのかもしれませんけれども、今までの学内での機器共用で考えていたような人材以外に、ネットワークを有効に機能させるために、どういう人材が要るのかというのも考えていかないと、うまく回らないのではないかなと思いました。
私からは以上です。
【網塚主査】 どうもありがとうございます。重要な御指摘だと思います。長期的とはどのぐらいを指すのかという御質問がございましたが、事務局ではどのようにお考えでしょうか。
【田邉補佐】 御質問いただき、ありがとうございます。長期的というところですけれども、御指摘いただきましたとおり、まずは10年というところかなとは考えておりました。あとは、御指摘いただいたように、確かに全部長期的という一言ですと、なかなか見通しも立たないところでもありますので、マイルストーンを置いて、いつまでに何をやっていくというようなことを考えていくことは非常に重要と認識しております。
【野田参事官】 少し私からも補足させていただきます。事務局の野田です。今、申し上げたとおり、おおむね10年くらいを見据えて取り組んでいく必要があるのではないかと思います。今ここに、中核となる共用拠点にやっていただくこととして、研究費改革のフィージビリティースタディというようなことを書かせていただきました。競争的資金制度の改革というのは、先ほども御発言がありましたとおり、かなり大きなことになりますし、影響も大きいので、そこはじっくりと考えていかなければならないところもございますので、まずはこの中で少し小さくモデルケースをつくって、ほかの事業なりに展開をしていくとか、ほかの大学等に仕組みを入れていく。そこまで考えて、大体10年くらいで少し方向性をつけられればいいのではないかというようなことで、今の骨子案はつくらせていただきました。先生方の御意見もいろいろといただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
【網塚主査】 ありがとうございます。皆様から何か御意見ございますでしょうか。よろしいでしょうか。理想像は、目指すゴールはしっかり書かれていると思うので、それはそれでよろしいと思いますね。それがどのぐらいで実現するかというところは、今大体10年とおっしゃっていましたけれども、皆さんから御意見いただいて、よろしいのかなと思います。
飯田委員、お願いします。
【飯田委員】 ありがとうございます。今、網塚先生が言っていただいたとおりなんですけれども、先ほど野田参事官が言われました、まずはモデルケースをつくってというのは、企業の立場からも現実的でいいのではないかなと思ったということでございます。また、アジャイルといいますか、やってみて、修正して、よりよいものにというのが、いろんな制約事項、全体の予算等がある中で妥当なお考えじゃないかと思いました。
以上です。ありがとうございます。
【網塚主査】 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。
続きまして、上村委員、お願いいたします。
【上村委員】 こんにちは。上村でございます。私は製薬会社で30年以上、一番上流の薬を生み出すところで、ストラクチャーバイオロジーと、それに基づいたストラクチャー・ベースト・ドラックデザインをずっとやってまいりました。それで会社を卒業した後に、今の研究所では、アカデミックというか、そういう仕事をしています。
それで、先ほどのお話を聞いて私が思ったことは、研究開発基盤部会のときもちゃんと拠点に選ばれていましたけど、早稲田大学とかが選ばれていましたよね。先ほど荒砂委員もおっしゃいましたけれど、いわゆる国立大学と違って私立の場合、どこにそれらを組み込むかというのって結構重要な問題だと思うんです。あと、人材のこともありますよね。だから、大学にあって、公務員でしたら転勤や何かでぐるぐる回してもよいかとも思いますけど、その辺がそうもいかなくて、地域に密着して入っている方も多分いらっしゃると思うので、その辺をちゃんと考えないと人材のほうはいけないと思うし、ただ研究拠点に関しては、多くの私立大学が蚊帳の外になるのはまずいと思うんです。ですから、その辺はやっぱり私大も、ここでも取り上げましたけど、早稲田大学みたいなところとか先ほどの東海大学とかも含めて考えていかなきゃいけないんじゃないかなと考えています。
それで、1つとしての例なんですけど、私、ライフサイエンス課で、前のときも申し上げました、クライオEMを日本の中に入れていたんです。北大でも前仲先生のところに入れさせていただいたりして、いわゆる日本で初めてというか、コロナとかそういう感染症もやれるようなBSL3のところに入れてやったわけですけれども、非常に日本の中でうまく、文科省の方と連携がうまくいきまして、結局アメリカとか中国にも大きく台数でビハインドになっておりましたところを、ちゃんと拠点で入れていって、それをみんなで仲よくシェアしてやるということで、いわゆる産業界も含めた形で、私としては、ビハインドにならずに、ちゃんと一流論文とかも出せるようなところにやれたのは、これも補正予算を使っていたんですけど、東と西を交互に入れていって、そこで電顕ネットワークみたいのをつくってやったわけです。
ですから、そこのところはすごく重要だと思うのと、それから私大のところでちょっとお話ししたいのは、京都産業大というところがございますよね。いわゆる私大の中でクライオEMをこの間、200kVなんですけど、入れたと。それで私大の中で初めてライフサイエンスに適用できるような、ちゃんとしたハイエンドのクライオEMを入れたという実績がございまして、そのときは学校としては全面的にやったんですけど、半分は産業界のお金を入れたということで入ったんです。ですから、産業界の本当の意味での産学連携というのはそういうことじゃないかと思うんです。お金を出さないというのは、そこに意味がないと思っているから出さないんですけど、意味があると考えると、そこのところが非常にうまくいくと思うので、それがやっぱり目指すというか、やっていく方向だと思うんです。私大だけじゃなくて。
それで、私も若き頃、まだSPring-8の共用開始が始まる前から、私の前職の帝人という会社の代表みたいな形で会議に出たんですけど、そのときは結局、関西のいわゆるいろんな一流企業、例えば今なくなっちゃったんですけど、三洋さんとかシャープさんとか、それから神戸製鋼さんとか、もうみんな会長、社長が出ていたんですよ。私だけ下っ端の若いのが課長で出ていたんですけど、だからそういうふうなことは日本として昔からやっているわけですね。それで、この間、ナノテラスも拝見させていただきまして、コアリションメンバーという形で、非常に産学連携がやっぱりうまくいっているということで、本当に必要であれば、そういうハイエンドの基金に関しては企業もお金を出すということが分かってきているし、私大においてもそういうことができるんだから、もうちょっといろいろやっぱり本当に欲しいということがあって、それで企業も使えるということができれば、もちろん電顕ネットワークの中で全国の中で見れるわけですから、そういう形にしていくというのが非常によろしいんじゃないかなと思います。
ただ、研究環境担当の方は、10年後であってもちゃんと目標を定められたということが非常に評価すべきことで、普通企業はみんなそうやるんですけど、いわゆる積み上げ方式じゃなくて、目標を合わせて、そこで逆算して、今何をやるべきかってやるのが企業のやり方なんですけど、そういう形になってきていて、だから本当に全部はできないとは思うんですよね。ただ、できることはちゃんとあると思いますし、今、データも取っておられるというのは、まずそこからで、そこで10年で到達できそうなところを、選択と集中じゃないですけど、そういう形でお金を、無尽蔵にお金があれば、汎用機器も二、三年で買い換えればいいんだと思うんですけど、そんな話はないので、だから日本のプレゼンスが示せるようなところに、どうしてもかけざるを得ないと思うんですね。それで、壊れなきゃ普通のところでは使えるというところもあると思うので、それをやみくもに変えるというのはコストフルなだけなので、その辺は先ほど江端先生がおっしゃったように、ちゃんと区別をしてやっていく。
大きい問題としては、前のときも言いましたけど、NMRがハイエンドのやつが1台もないということがあって非常に困っているわけですよね。その筋の研究者は、人材が育成できないというところもあるし、私なんか、この間、ナノテラスに行ったときに、私がSPring-8でやっていたときにいた若い研究者がもう白髪になっていて、ナノテラスに全てのノウハウを受け継いでいっているんですよね。だから、それが結局形にならない研究の強さだと思うんです。伝承と育成というのは日本の今後の存在に非常に重要だと思いますので、その辺りも、ですから、産学含めて育成していくというか、そういう骨太のやり方をやっていくのが重要かと思います。
先ほどの繰り返しになりますけど、できるだけこの目標が達成できるようにやっていけるような形を取っていただければ、大変日本のためにもなるんじゃないかと思って聞いておりました。よろしくお願いいたします。
以上です。
【網塚主査】 どうもありがとうございました。
続きまして、田中委員、お願いいたします。
【田中委員】 物質・材料研究機構、NIMSの田中です。マテリアル先端リサーチインフラというところで、これまで20年間、この事業の前として設備共用を全国的に展開するということを行ってきていた、その事業を受け継いだものを担当しています。それで、前事業までは計測装置、分子物質合成装置、微細加工の装置という3分野について装置の共用を行っていたんですけれども、今期からはそこから出てきたデータも共用するということで、データをどんどん集めて、集める際にデータ構造化を行って、同じようなファイル形式にして蓄積していくということを行っています。今年度途中から、そのデータをデータ利用者に活用していただくということも開始する予定です。御質問にあったかと思うんですけれども、今後そのデータをどんどん利用していってどういうことになるかという好事例になれるように努力していきたいと思っております。
1点だけ申し上げさせていただきますと、お示しいただいたものの中で、全て大事だと思うんですけど、私はやっぱり一番人が大事だと考えています。人と物と、金ではなくて場所が今必要だという状況だと思うんですけれども、物と場所は頑張ればどうにかなるんですけど、人はどうにかなるというものでもないので、それを育成していくことが非常に大事。それから、これからはデータを集めるとか、そのデータを変換する、自動化・自律化実験でそれをどんどん生成していく、そういったことが世界の潮流として行われていくような状況なので、今までの装置の担当、それから、先ほど上西先生がおっしゃったように、URA的なその間をネットワークとして続く方のほかに、データも分かる、また、データだけじゃなくてデータと設備も分かる方という方々の育成も大事になってくるので、この3種類の方を育成していくことが本当に必要だと感じています。ありがとうございます。
【網塚主査】 ありがとうございます。重要な御指摘だと思います。
それでは、鳴瀧委員、お願いいたします。
【鳴瀧委員】 鳴瀧と申します。東京科学大学、旧医科歯科大です。私は、専門としては高分子材料科学で、どちらかというと一ユーザーとして、こういったコアファシリティ等の機器を活用しながら実験を進めている研究者になります。それから、少し関連するところでは、文部科学省のデータ活用型マテリアルDXプロジェクトの京大拠点の一員として関わっておりまして、共用装置にデータを蓄積・構造化して、それを基によい材料を開発していくというプロジェクトに関わっているというところが関連するところかなと思います。
今回の方向性、骨子を読ませていただきまして、本当に理想的なことが網羅されておりまして、これができたら日本の研究開発力は格段によくなるだろうなという、皆様と同じ印象を持っております。一方で、やはり現場にいる者としては、最初に見せていただいた1月のシンポジウムのアンケートに書かれていた課題ですね。装置の修理、新規導入に関わる予算不足、装置管理者が十分な知識を有していないことがあるといったあたりはまさに感じているところでもありまして、やはり足元のところ、そういった事例をどう解決していけばいいのかというところの情報共有等も、今後見える化は盛り込まれておりますので、そこにいろいろな事例を入れていってほしいなと思っております。
私の身の回りで、本当にローカルな話で恐縮なんですけれども、最近起きた事例としましては、例えば御退職される先生が、かなりハイスペックな装置を置かれていて、これを共用できればすばらしいなと思う部分もあるんですけれども、実は蓋を開けてみたら、多少修理しないと使えないと。ただ、機動的に使える予算がなかったり、それをそもそも移設するような費用もなくて、何となくそのままになってしまっているという事例が身近にあります。
また、研究テーマの旬の時期というか、ある一時期はその装置が非常に活用されていたんですけれども、その後活用されていない間に、装置管理者のノウハウというか、知識もちょっと薄れてしまって、そのうち人が交代したりして、結局装置はあるけれども使い方に精通する人がいないというようなこともありますし、あるいは大型予算を取ったときに設備の共用というのは非常にすばらしいですし、私もその恩恵にあずかっている一人なんですけれども、そのような先生が大学を異動することになってしまって、装置を持っていかれてしまって、そうすると残されたメンバーがちょっと困ってしまったとか、非常にささいなことばかりで恐縮なんですけれども、こういった事例はどこにでも起こり得るものだと思いますので、こうした事例が起こり得るというところも含めて見える化をして、末端に至るまで、共用設備が持続可能な形でうまく回るという仕組みができるといいなと感じております。
以上です。
【網塚主査】 ありがとうございます。おっしゃるとおりだと思います。
それでは、福間委員、お願いいたします。
【福間委員】 私、金沢大学の福間といいます。この委員会には初めて参加させていただきますので、今年度からよろしくお願いします。私、専門は液中の原子間力顕微鏡というナノスケールの顕微鏡装置を開発しています。そういう意味では、岡田先生とちょっと近い立場かもしれないんですけれども、先端機器の開発者の一人としてここに参加するという面があります。もう一つは、文部科学省のWPIプロジェクトの金沢大学ナノ生命科学研究所のセンター長をやっていますので、センター長という立場で、我々の研究所に70台から80台ぐらい顕微鏡があるんですけれども、そういったものをオープンファシリティとして自分たちが活用するだけじゃなくて、いかにオープンに使っていくかということもやってきたので、そういう経験からコメントできればと思います。もう一つは私、金沢大学という地方中規模大学の教員ですので、地方大学の一教員、一研究者という立場でもコメントできればと思っています。
今回のプレゼンテーションと資料を見させていただいて、既に皆さんのコメントがあったところとは思うんですけれども、私のほうで幾つかコメントさせていただきます。個人設備の共用化というところ、特に気になったんですけれども、皆さん、自分の予算で苦労して申請書を書いて取ってきて、できるだけ自分のことに使いたいと思われると思うんです。そのときに、議論にもあったインセンティブをどう与えるかというところ、すごく重要で、上から頭ごなしに差し出せって言ってもなかなか難しいと思うので、自発的にそうやりたくなる仕組みが必要で、そういう意味で、我々の大学でやって割とうまくいった例を共有したいと思っていて、装置って買ったときはいいんですけれども、その後維持管理したりするときに、突然何かあった年に、何百万円も修理とかにかかったりするので、本当は毎年毎年お金を積み立てておきたいんです。これまで年度内に使えとか、他の利用者からお金を取っても、4年に1回使い切れとかそういう仕組みが多かったんですけれども、そういう期限なくちゃんと持ち越せるような、基金的な形で共同利用したお金をためておけるような仕組みをつくったというところはすごく重要で、これがあると、自分で取ってきた予算で買った装置とはいえ、そうやって管理するほうが楽なので、そういうメリットを提示するのはすごく重要かなと思って聞いていました。
特に地方大学、今回書類を見たときに書いてあったインセンティブを大学から出すみたいな、そんな余裕は、今大学にはお金がないので、プラスアルファ何かを出すというお金はほとんどないので、そういう意味で、自発的に研究者側がそうやりたいと思わせるような施策が必要かなと思います。
あと、先端機器の共用化ということで、これも岡田先生のコメントにもあったところだと思うんですけれども、やっぱり最先端の機器って共用に行くまでにかなりいろんな段階があると思うんです。ようやく原理実証が終わって、役立つアプリケーションが1個出たぐらいのところで、いきなり技術職員の人にお任せして共用で活用してくださいということにはなかなかならなくて、我々の研究所でも、まずはやっぱり共同研究というフェーズを経て、初めの外部利用は二人三脚で、こっちも開発にコントリビューションするし、ユーザーもコントリビューションするような形の、どちらかというと共同利用というか、共同研究に近いような形で、多分先端機器を共用に持っていくまでの段階に、どっか共同研究のフェーズが必ずあったほうがいいんじゃないかなと思っていて、そういう仕組みに関してあまりここは明示的に書いてなかったので、御検討いただければなと思います。
最後に、人材に関してすごく重要だというお話があって、技術職員の方が、こういう議論の場で改めて見直されて、増えてくるというのはすごく重要だと思うんですけれども、こういう先端機器を開発している研究室ということは、将来的に技術職員とかになるであろう人を教育する立場でもあるんですけれども、そういった人たちに対して、キャリア設計としてどういうキャリアプラン、人生のプランニングの中の技術職員というプランがあり得るのかという青写真をこっちが示すことが今できないんですよね。我々研究者としては、例えば何歳にこういうポジションに行ってとか、いろんな事例も知っているし、こういう選択肢があるよということを提示して、そういうキャリアを選択肢として提示することができるんですけれども、そういう意味で、これはすぐに解決する課題じゃないと思うんですけれども、世の中全体として、そういう人が、いい人がそっちに行こうと思うような仕組みをつくるためには、教育段階で何らか将来が描けるような仕組みのものが提示できるようにならないといけないかなと感じて見ていました。
以上です。
【網塚主査】 ありがとうございます。重要な御指摘ありがとうございます。皆様から、何かコメント等ございますでしょうか。飯田委員、お願いします。
【飯田委員】 ありがとうございます。福間委員の御指摘、特に人材育成のところ、技術職員の方、非常に重要だと思っておりまして、また改めてディスカッションさせていただきたいなと思っていたんですが、第12期のときに出ていたのが、大学によっては、技術職員の方のキャリアパスと研究職のキャリアパスが行き来できるような例を考えたみたいな御報告があったりですとか、また別の部会だったんですけれども、イギリスの例とかで、待遇を、給与というところも含めた、そのために予算化も必要だったんだけれども、待遇面を変えたことで非常に優秀な人が来るようになったみたいなお話もありまして、この辺りは非常に重要なポイントだと思いますので、ぜひ次回以降で議論させていただけたらなと思っているところです。スモールスタートでもいいので、具体的にできたらなと思います。よろしくお願いいたします。
【網塚主査】 ありがとうございます。最後のところは非常に重要な御指摘で、研究開発マネジメント人材の話もありますけれども、技術支援の人材についても、大学の長い年月の間に仕事の幅がすごく広がっていて、すごいことをやっている技術職員の方もいらっしゃいますし、あと、同じような仕事をしていて教員のポストが与えられているような方もいるしということで、このスキルとこの技術、この仕事の内容に対して、従来の大学の技術職員の給与規定の範囲でここまでさせていいのかということが、今回のコアファシリティ事業を進めるに当たって浮き彫りになってきました。つまり、ジョブディスクリプションが海外のようにしっかりしていないという、非常にアバウトな感じで仕事をさせてしまっている、教員側からするとさせてしまっているということがあり、かつ、そういうことが、大学において技術職員の方々が完全に一元化されていれば全部、横の風通しもあって見えるかもしれないんですけれども、技術職員の方々が部局で管理されているという状況のときには往々にして、そこがよく分からない実態で仕事をしているケースもあって、そこは大きな改革の余地のあるところだなと感じております。
あと私なんですけれども、私は10年ほど北大で設備共用と、それからコアファシリティ事業が始まってからは、技術支援組織の実質的な一元化の取組に携わっております。上西委員と同じで、こちらの委員会、8年前からこのような検討会に参加させていただいておりますが、現場の状況をフィードバックさせていただいて、また、ここでいろいろいただいた御意見を大学で試行するといったことをさせていただいております。
本日、途中でいろいろお話をさせていただきましたので、1つだけ補足させていただきますと、競争的資金との関係性のところでは、それを行う上では国がしっかりと情報を研究者あるいは機関に提供しないといけないんだろうなと思いました。雨宮委員がおっしゃっていたように、この装置はどこかで共用されているので、それを使って研究をしますと科研費に書くためには、そのための情報がなければいけないですし、あと、大型資金で装置を申請するときにも、申請された装置は既にどっかで共用されているので点数を下げますとかというようなことを審査会でやる上でも、どこかにそのデータがないと、それを基準に判断しなければいけないということが起きるでしょう。美しいのは、そのデータベースの中にその装置はなく、日本においてその装置を導入することは非常に効果的なので導入しますと申請書に書くことができた場合には、しっかりそれが共用する取組、規格になっていれば、それに対する経費を積んでいいとか、そういうふうに競争的資金を改革していくのは1つの方向性だと思うんですが、それをやるためには、共用設備に関する情報が十分見える化していて、それを基準に申請なり評価が行われる体制をつくる必要があるだろうと思いました。ちょっと時間も押していますので、ほかも幾つかあるんですけど、本日はこのぐらいにとどめさせていただきます。
全体を通じて皆様から何か御意見、御発言などございますでしょうか。それでは、本日いただいた御意見を踏まえて、また、事務局で資料を更新していただいて、次回以降の委員会で引き続き議論をしてまいりたいと思います。
それでは、本日の議事は以上になりますけれども、いま一度皆様から何か御発言ございますでしょうか。特にないようですので、最後に事務局から連絡事項等ございましたらお願いいたします。
【田邉補佐】 事務局でございます。本日様々御意見をいただきました。ありがとうございます。いただいた御意見を踏まえまして、また次の議論に反映させていただければと思います。
また、次回の委員会につきましては、6月26日(木曜日)を予定しております。日程が近くなりましたら、また正式に開催案内を送付させていただきます。
また、議事録は規則に基づき公表することとなっておりますので、メールにて御確認いただければと思います。よろしくお願いいたします。
以上です。
【網塚主査】 ありがとうございます。それでは、以上をもちまして、第1回先端研究開発基盤強化委員会を閉会させていただきます。本日は、お忙しい中ありがとうございました。
―― 了 ――
科学技術・学術政策局 参事官(研究環境担当)付