(イノベーション・ナショナルシステムの実現)
イノベーション創出の基盤を担う大学について、機能強化の方向性に応じた三つの重点支援の枠組みの新設を通じたメリハリある配分、ガバナンス確立とマネジメント改革等を強力に推進する。また、大学改革と競争的研究費改革を一体的に推進する。
(文教・科学技術)
(略)
予算の質の向上・重点化については、大学改革と競争的研究費改革を一体的に推進するとともに、総合科学技術・イノベーション会議の司令塔機能を強め、各府省の予算の重点化、重複排除と連携による効率化を徹底する。また、研究者等による研究設備の共用を原則化するとともに、府省を超えた複数の研究費の合算使用を促進することにより、研究費の効率的使用を推進する。
i)イノベーション・ナショナルシステムの実装
2. 競争的研究費の改革
近年、国立大学法人については、研究の多様性や基礎研究力の相対的低下といった問題が生じており、大学改革と研究資金改革の一体的推進が必要となっている。
このため、文部科学省及び内閣府の大学等に対する競争的研究費については来年度から新規採択案件について間接経費30%を措置する。また、総合科学技術・イノベーション会議の下で、関係府省の競争的研究費における間接経費の適切な措置等について年内に検討を開始し、来年度から順次実施する。
また、国立大学法人の人事給与システム改革等の状況を踏まえ、直接経費からの人件費支出の柔軟化、設備・施設の共用化の促進及び研究資金制度間のシームレス連携等の運用改善について、総合科学技術・イノベーション会議の下で検討を開始し、来年度から順次実施する。
民間からの研究資金の間接経費についても、産学連携を加速する観点も踏まえ柔軟に措置されるよう、内閣府が本年中を目途に民間への理解の促進を図る。
なお、運営費交付金と競争的経費(研究費に限らず公募型の経費全てを含む。)による大学のデュアルサポートシステムの再構築を図るための方策(持続的なシステム改革の継続のための方策等)についても本年度中に結論を得て来年度から順次開始する。あわせて、科学研究費助成事業について、審査分野等の基本的構造の見直しを進め、挑戦性・融合性等を強化しながら、多様で独創的な学術研究に、裾野広く一定程度腰を据えた研究資金の配分を行う。
(2)大学改革と研究資金改革の一体的推進
一方で、競争的資金等は、科学技術イノベーション活動の根幹をなすものである。その改革は、研究力・研究成果の最大化に資する方向で進めるとともに、研究費を獲得した機関における組織の機能向上や所属研究者の育成にも資するものであり、ひいては我が国全体の科学技術イノベーションの推進に貢献するということに留意することが必要である。
また、競争的資金等の在り方は、若手人材の育成にも大きな影響を及ぼすものであり、我が国の人材力の強化の観点も踏まえ、その改革を進めていくことが重要である。なお、人材育成の観点からの取組については、本章(1)で記載する。
【重点的取組】
○研究力強化に資する研究資金の改革
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