数学イノベーション委員会 報告書構成(案)
1.数学イノベーションに関する現状の整理
1)数学イノベーションの必要性
- 大量で複雑なデータの持つ意味を理解することの重要性
- 複雑な現象や問題の増加
- イノベーションには、これまでにない発想やものの見方が必要
- ものごとを抽象化できる数学・数理科学への期待の高まり
2)数学イノベーションを推進する上での課題
- これまでの数学イノベーション委員会における検討
- これまでの数学イノベーションに関する取組
- これまでの取組から見えてきた課題
- 数学イノベーションを担う人材の不足(連携参加者の広がりの不足等)
- 諸科学・産業からの数学の有用性に対する認知度が不足(諸科学・産業との出会いの場の不足)
- 数学が役に立つような問題の発掘が不十分
- 国際的なプレゼンス不足
3)今後必要な方策
上記の課題を解決するために必要な方策を以下の2点に整理。
- 数学イノベーション推進に必要な人材に関する方策
- 数学イノベーション推進に必要な拠点に関する方策
2.現状の問題点の整理
1)数学イノベーション推進に必要な人材に関する問題点
- 大学等における数学イノベーションに必要な人材の育成が不十分
- 数学専攻学生(特に博士課程学生)のキャリアパスが限定的
- 「数学」や「数学者」に対するイメージが限定的
2)数学イノベーション推進に必要な拠点に関する問題点
- 各拠点の組織体制や活動内容は多様
- 数学界の外(諸科学や産業界)からの認知度が十分とは言えない
- 人材育成や情報発信等、個別拠点の活動だけでは限界のある課題もある
3.数学イノベーション推進に必要な方策
1)数学イノベーション推進拠点に必要な機能
1.数学と諸科学や産業とが協働できる機能
- トランスレーション機能(諸科学や産業の問題を「数学の問題」に翻訳する機能)
- 諸科学・産業との協働による研究を実施する機能
- 研究成果の実装・実用化を支援する機能
2.産業界や高校向けの情報発信機能
- 企業の技術者・研究者向けの数学応用事例や数理的手法等の講習会
- 高校生や高校教員向けの数学応用事例等の講習会
3.人材育成機能
- 数学専攻学生の実践を通じた育成(諸科学や産業との共同研究や問題提示型研究集会・演習等への参加を通じた人材育成、数学以外の分野を専攻する学生の参加促進など)
- 数理モデリングやデータ科学等の履修機会の提供(副専攻等の活用等)
- 数学以外の分野専攻の学生の数学力の強化
2)全国的な機能(各数学イノベーション推進拠点間の協力が必要な機能)
1.各数学イノベーション推進拠点や諸科学・産業との間をつなぐ機能
(例)
- 情報集約・発信機能(各拠点や各研究者に散在している研究情報や研究者情報の集約・見える化)
- 諸科学や産業界からの相談に対応し、数学者につなぐ機能
- 国内外の研究動向を分析し、数学の力を発揮できる重要な研究テーマ等を抽出する機能
2.人材育成機能
(例)
- 複数拠点の協力による実践を通じた人材育成(諸科学や産業の問題提示型研究集会の共同開催等)
- 諸科学の研究室や他の数学イノベーション推進拠点間での学生の派遣・交流
- 外国のトップクラス研究者の滞在、日本の若手研究者との交流を通じた人材育成
- 数学専攻学生の企業へのキャリアパス構築支援
研究振興局基礎研究振興課/数学イノベーションユニット
電話番号:03‐5253‐4111(代表)