資料1 数学イノベーション委員会における人材育成関係の議論の概要について(第21回(8月6日)、第22回(9月29日)における主な御意見)
数学と諸科学・産業との橋渡し人材
- 九大IMIで橋渡し役の民間出身の教授を採用している。
- 大きな組織やプロジェクトで少数採用するという感じか。
- 業績の評価も問題。
- 数学のバックグラウンドを持ち、諸科学・産業に出て行こうという人を育成すべき。このような人材がある程度の集団になれば、諸科学・企業で働く数理人材や、数学関係分野で活躍する人材になる。
- 数学コーディネーター、特定分野数理人材、企業数理人材の現状の数と必要数を明らかにするとよい。
- 大学の数学教室に「数学コーディネーション」というような講座を設け、講義をすると良い。
- 「数学コーディネーター」の定義は余り限定しない方が良い。
- 初めから数学コーディネーターを育成する、という感じではなく、気付いたら数学コーディネーターになっている、という感じだと思う。
特定分野で活躍する数理的人材
- アメリカのSIAM(産業・応用数学会)では、数学者だけでなく、コンピュータサイエンスや機械工学の人も入っている。他分野に数学科出身の人がどれくらいいるかが重要。
- 現行の数学さきがけには、数学科出身者以外の人も多い。一方、純粋数学の人の関心が薄いのが問題。
- (バイオインフォマティクスでは)5年先にはどういうデータが出てきてどういう解析をしなければならないかを見越して自分で課題を見付けて形式化できないと、単なるお手伝いをする人材になってしまう。
企業で活躍する数理的人材
- 企業では、自らニーズを見つけてテーマを構想し、人や金を集めて実現できる人材が必要。数学ができるだけでは駄目。
必要な人材像
- 必要な人材像については、数学に限らず横断的分野共通の問題。シーズドリブンの人材だけでなく、ニーズドリブンの人材の必要性が高まっている。
- バイオインフォマティクスの場合、ニーズ志向の人材を育成していることになるが、大きなブレークスルーはなくなってきている。シーズから行った方が大きなことができるのではないか。
キャリアパス
- 数学博士課程修了者の進路の多くが期限付きのポストやポスドクであることが問題。
- 「企業ポスドク」のような制度(博士課程の学生を3年間程度雇用し、その後本採用も可能だし、アカデミアにも戻れるような制度)があると良い。
- 博士課程修了者の産業界でのポジションが非常に少ない。日本の企業が世界のトップ3に入るような業界でないと、基礎研究のために大量採用するような状況は望めない。アカデミックポジションも従来の評価指標の下では増えていくことは難しい。
- 数学専攻で数学の学位を取った学生が産総研などにインターンシップなどで一回出ていくようなチャンスがあるとよい。
- 学生がインターンシップに出たがらない状況があるように思う。】
- 数学専攻出身者が社会で活躍しているロールモデルを数学専攻の若い学生に示す仕組みがあるとよいと思う。
大学教育
- (数学以外の分野にも触れられるように)マイナー的な専攻、副専攻のようなものがあっても良い。
- 数学専攻の学生のうち、他専攻に進学したいと思っている者はどれくらいいるのか疑問。
- 社会人博士課程学生は、大学の研究室と企業の双方にとってメリットが大きい。
- COCNの人材委員会でも数学や物理の基礎教育が必要であると指摘されている。
研究振興局基礎研究振興課/数学イノベーションユニット
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