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総合政策特別委員会(第27回) 議事録

1.日時

令和元年6月27日(木曜日)14時00分~16時00分

2.場所

文部科学省3階 3F1特別会議室
東京都千代田区霞が関3-2-2

3.議題

  1. 関係部会等における検討状況について
  2. 今後の論点について
  3. その他

4.出席者

委員

濵口主査、新井委員、越智委員、川端委員、菊池委員、五神委員、白石委員、新保委員、竹山委員、知野委員、塚本委員、土井委員、畑中委員

文部科学省

山脇文部科学審議官、生川官房長、菱山サイバーセキュリティ・政策立案総括審議官、松尾科学技術・学術政策局長、渡辺科学技術・学術政策局審議官、角田科学技術・学術政策局総括官、山﨑技術参事官、原研究振興局振興企画課長、林研究開発局開発企画課長、井上科学技術・学術政策局企画評価課長、大洞文部科学戦略官、中澤企画官

5.議事録

科学技術・学術審議会 総合政策特別委員会(第27回)


令和元年6月27日


【濵口主査】
それでは、お時間になりましたので、ただいまより科学技術・学術審議会総合政策特別委員会を開催させていただきます。委員の皆様におかれましては、お忙しい中、御出席いただきまして、まことにありがとうございます。
 それでは、会議開催に当たりまして、事務局から資料の確認をお願いいたします。

【中澤企画評価課企画官】
資料については、議事次第の裏側にあるとおりでございます。資料1から資料3まで、それから参考資料1から参考資料4までございますが、参考資料の1、2、それから資料3については、机上に配付してございます。紙でも配付してございます。その他の資料については、タブレットの中に入ってございます。
 欠落等ございましたら、適宜お伝えください。

【濵口主査】
ありがとうございます。
 本日は、議題1において、関係部会等の研究力向上に向けたシステム改革についての検討状況を報告していただき、議論したいと思います。続きまして議題2において、引き続き骨子案の取りまとめに向けた論点整理について御議論をお願いしたいと思います。
 それでは、議題1に移ります。事務局から資料1について説明をお願いいたします。

【大洞文部科学戦略官】
それでは議題1、資料1を御説明させていただきます。こちら、タブレットの中のみに入っておりますので、PDFファイルを開けていただくようにお願いいたします。こちら、関係部会におきまして、我々の骨子取りまとめに向けまして検討いただいた資料でございます。
 2ページ目を開けていただきますと、目次がございます。ご覧いただいている部会と分科会から報告が上がってきております。
 では、3ページ目の資料に移らせていただきます。
 まず学術分科会からの御報告でございます。報告のポイントですが、一番上にございますように、学術振興が科学技術イノベーション政策を支える柱の一つであると位置付けるべきであるというメッセージを頂いております。
 また、2番目のポイントとして、研究者の挑戦的な意欲を喚起するような環境を徹底すべきというメッセージを頂いています。
 また、ローマ数字の1にありますように、現代の社会のパラダイムシフトですとか、将来の不確実性を考えると、未来社会に求められるものとしては、新たな知の開拓、未来を構想する力の涵養、また知的多様性の確保という3点が重要と。
 右に行きまして、これらの実現においては、研究者一人一人の動機に基づいて行われる学術研究が重要な役割を果たすということ。また、人間中心の社会においては、人文学・社会科学の学術的蓄積があって、それが自然科学と協働することが重要であるという御指摘を頂いています。
 また、イノベーションへ向かったアプローチとしては二つ。一つは学術振興アプローチ、内発的な動機に基づく独創的な研究課題。多様性ですとか研究人材を育成しながら行っていくもの。また右側にありますように、ミッションオリエンテッドなアプローチがあると。
 ローマ数字の2に行きます。学術研究推進の方向性ですが、研究者一人一人の問題意識を尊重するということと、研究者の挑戦的な意欲を喚起するということで、三つ柱として研究者の志が最大限発揮されること、挑戦できる研究環境ですとか処遇の確保、キャリアパスということが指摘されています。
 また研究基盤の確立といたしましては、大学の裁量により使うことのできる経費をしっかり拡充していくことですとか、また多様性の確保やプロジェクト研究の専従義務の緩和ということを頂いております。
 また、一番右の基盤的インフラの充実ということで、共同利用体制ですとか共同研究体制の強化をしていく。また学術情報基盤の整備を図って質的充実を図っていくということを頂いております。
 この次のページ以降が本文でございまして、かなり大部の本文を頂いております。非常に格調の高い、示唆に富む報告を頂いております。PDFファイルの表示ですと68分の25でございます。
 こちらが基礎研究振興部会からの論点整理でございまして、1番目にありますように、基礎研究を取り巻く状況は複雑であるけれども、「イノベーションの源泉」としての基礎研究の政策定義付けですとかが重要であるということ、未来社会を創り支える「文化」としての価値の側面からも重要であるということを指摘いただいております。
 2ポツにありますように、スモール・サイエンスですとか、ビッグ・サイエンスとか、いろんな形の基礎研究があり得るけれども、3ポツにありますように、事業スケール、支援形態、分野特性、政策的意義等を考慮した上で、その効果的な連携を図っていく必要があること。
 4ポツにありますように、トップダウンとボトムアップのそれぞれのファンディングがあるということですとか、あと5ポツ、6ポツでは、戦略創造事業ですとかWPIをしっかりと見直して充実させていく必要があるということ。
 24ページに移りまして7ポツですけれども、新興・融合分野の開拓においては、その政策的な意義の重要性があるということと、基礎科学に係る理数系人材の養成ですとか、数理科学の振興、科学技術イノベーションにおける文理融合の促進等の政策的要請が重要であるということを指摘いただいております。
 続きまして、27ページの研究開発基盤部会を御説明させていただきます。「研究力向上」の原動力である「研究基盤」の充実に向けてと書いてある取りまとめ資料でございます。
 こちらにつきまして、まず基本認識といたしまして、研究施設・設備・機器等は、あらゆる科学技術イノベーションの原動力である重要なインフラであるということですとか、あと科学技術先進国であるためには、そういったものの持続的な整備と専門性を有する人材の確保等が重要である。3点目といたしまして、研究インフラは広く研究者で共有すべきものであるということが述べられております。
 6期計画に向けて目指すべき方向性というところで、目指すべき方向性としては、全ての研究者に開かれた研究設備・機器がという環境が実現されていることですとか、あとは研究基盤としてハードとソフト両方を組織的に構築していくということ、また長期ビジョンに立ちまして、研究基盤の全体像を俯瞰していく必要があること。
 具体的には右側の青い四角にありますように、まずは大学・研究機関の「基幹的機能」としての研究基盤を整備・共用していくこと。「ラボから組織へ」ということでございます。
 それと、あとは2番目にございますように、中長期的に先端的な研究設備を計画に基づいて更新をしていく、戦略的配置をしていくということ。
 また、最後のグレーの四角にありますように、その運営の要である技術職員について、チームとしての機能ですとか、キャリアアップ、専門性という観点で育成・確保していく必要があるということを御指摘いただいております。
 それ以降に本文が続いております。
 続きまして、産業連携・地域支援部会でございます。PDFのファイル、68分の34ページでございます。まず現状認識として、いろいろ御指摘を頂いておりまして、例えばスタートアップに対する産業界の期待の高まりですとか、企業における採用・処遇の在り方が複線的になってきていることですとか、あとは価値創造に対する産業界からの大学等への期待の高まりですとか、そういったことが書かれております。
 続きまして、35ページに移らせていただきます。35ページの2ポツ、特に科学技術基本計画に向けて議論が必要な部分といたしまして、1番目ですが、産学連携ということで、「組織」対「組織」の話ですとか、スタートアップまで含めた一体的推進、価値創造に着目した民間企業との共同研究の在り方を検討していくことが重要であるということ、また5番目にありますように、産学官連携を行う主体の在り方の検討、また大学等の出資法人ですとか出資制度について更に検討していく必要があるのではないかということを指摘いただいております。
 また、下の地域コミュニティが中心となって好循環サイクルを作り、地域の多様なアクターが、人文・社会科学も含めて、知的資源により自律的に課題を解決し続ける、それが地方創成ですとか、そういったものにつながる仕組みが重要であるというのを御指摘いただいております。
 また続きまして、36ページに移らせていただきまして、大学を中核としたスタートアップ・エコシステムの形成が重要である。また、研究マネジメント人材も含めた人材流動化の促進・キャリアパスの多様化。こちら、URAの質保証の制度の話ですとか、インターンシップ、クロアポについても御指摘いただいております。
 続きまして、国際戦略委員会に移らせていただきます。こちら37ページになります。まず現状認識といたしまして、科学技術がますます国境を越えていることですとか、日本が質の高い安定的なプレーヤーとして見られている一方、世界から取り残される危険もあるということを御指摘いただいております。また今後としては、世界の研究ネットワークの主要な一角に位置付けられる、存在感を発揮するための戦略が必要であると。また次期科学技術基本計画の5年間は絶好のチャンスであり、今手を打つ必要があるということを御指摘いただいております。
 また、下の今後特に取り組むべき事項といたしまして、国際共同研究の抜本的強化でや若手研究者の養成・確保の海外研鑽機会の確保、ファンディング機関等の国際化、また大学等の国際化が重要であるという御指摘を頂いております。
 続きまして、科学技術外交の促進ということで、先進国では我が国の研究力向上に資するもの、新興国、途上国においては、我が国の強みをインクルーシブ科学技術協力という形で協力していくべきではないかという御指摘を頂いております。
 また最後に、STI for SDGsということで、我が国のイノベーション力を地球規模問題の解決に、対応に活用して、世界に貢献していくと。そこでJSTのSATREPSのような制度が重要であるということを御指摘いただいております。
 こちらが概要でございまして、続きまして本文を付けていただいています。
 次に人材委員会の説明をさせていただきます。こちらは45ページになります。人材委員会から御指摘いただきましたのは、まず1ポツとして、優秀な博士人材の確保ということで、キャリアが不透明であることとか経済的負担、こういったところの対応を進めることが必要である。2番目といたしまして、そのためには学生等に普遍的なスキル・リテラシーを身に着けさせるとか、学生に対してのリクルーティングの改善・強化が必要である。3点目といたしまして、博士課程に対する経済的支援について充実を図るために、競争的資金や共同研究におけるリサーチアシスタントの雇用の拡大、処遇の改善に積極的に取り組む必要があるということになっております。
 続きまして46ページに、産官学の枠を超えたキャリアパスモデルをしっかり作っていく必要がある。また、AI等の先端的、産業ニーズの高い分野において、重点的に支援していく必要があるということを頂いております。
 また、2ポツの若手研究者の自立的・安定的な研究環境の確保というところでございますけれども、大学の自由裁量で活用する経費の拡大が重要である。これはポストの確保のために必要である。直接経費からPI人件費の支出を可能にすることや、また若手研究者の任期の長期化、テニュアトラック等の安定的な研究環境の確保をしていく必要があること。
 一番下の三つ目の丸ですけれども、ポスドクや特任教員につきましては、望ましい給与体系や雇用期間ですとか、あとポスドクのガイドライン、それに関するガイドライン等を策定することも検討すべきという御指摘を頂いております。
 続きまして47ページですが、若手研究者の研究力向上に向けた支援といたしまして、研究者の切磋琢磨できるネットワークや、それを教育できる戦略的に体系化されたプログラム等の開発が重要である。また海外研鑽機会ですとか、国際的な研究コミュニティへの参画も促進することが必要であると。
 続きまして、女性研究者の活躍促進といたしましては、ライフイベント等を迎えた女性研究者が効率的に研究を進められるような研究環境の構築や、2番目にありますように、国内外の好事例をしっかりと普及展開して、それを産官学を通じて取組を促していく。3番目にありますように、若手の活躍が求められる分野ですとか、女性の割合が低い分野などをしっかりと、その辺りに、分野の課題に対応した取組を促していくと。
 続きまして48ページでございますけれども、次世代を担う中高生の育成ということで、SSH事業を更に伸ばしていく取組をしていくということと、4番目にありますように、高等学校等において特別免許状制度の活用等により博士人材の知見の活用を図っていくことが重要ではないかと。
 最後、6ポツでございます。研究人材が多様な場での活躍を支える環境ということでございますけれども、2番目にありますように、競争的資金や共同研究から研究以外の業務の代行経費を支出可能とするバイアウトや、それを導入することによって研究専任教員、教育専任教員等も可能とするようなことについて検討すべき。次にありますように、技術専門人材やURA、こちらをチーム型研究体制の構築ということの欠かせない技術人材として、キャリアパスをしっかりと構築していく、評価していく仕組みが重要だとなっております。
 また49ページの一番上にありますように、若手研究者等のスタートアップを支えたり、また共同研究設備・機器が、高度な技術サポートで支えていることも重要であると御指摘を頂いております。
 続きまして、ナノテクノロジー・材料委員会、51ページに移らせていただきます。ナノテクノロジー・材料委員会は、分野ごとの委員会でございまして、システム関係を検討いただく委員会ではないのですが、今回提言を頂いております。具体的には53ページにあります四つのポイントというのを頂いています。
 1番目は、最先端の設備と全国共用ネットワークを、ナノテクプラットフォームで実現したようなものをしっかりと構築していく必要があるということ。2番目は、「良質」かつ豊富な実験データを戦略的に収集するためのデータプラットフォームと、それをマテリアルズ・インフォマティクスのような形で活用していくことが重要である。3番目は、そのためにスマートラボラトリのような形で質の高いデータが収集される。4番目は、そのためのサイエンス基盤をしっかりと構築する。後ろに、ナノテクの分野での取組の実例も付けていただいています。
 続きまして、57ページに移らせていただきます。大学分科会からも、科学技術・学術審議会に対して提言、検討案を頂いております。
 まず57ページの真ん中辺りにありますように、科学技術基本計画の策定に当たっては、国家像や社会像からのバックキャストが重要である。また、どのように行動していくべきかを明確に打ち出すべき。また、その下にありますように、教育研究の自由が保障されていることが新しい「知」を生み出し、国力の源泉となる根幹を支えている。この認識をしっかりとしてほしいということを言われております。
 また、下にあります1ポツ以降でございますけれども、まずは分野の人材育成ということで、リベラルアーツなど広く教育を担う高等教育機関が、教育と研究を両輪としつつ、そのバランスを検証しながら役割を果たしていくこと。特に科学技術や学術の成果が創出される素地として、高等機関の特性等が新たな知見の創造やイノベーションを導き出していることを認識をする必要があるということを指摘いただいています。
 58ページに移らせていただきまして、ここで「教育の質」をしっかりと問うということが必要である。具体的な施策例といたしましては、例えば2番目にありますように、コースワークとして、しっかり大学院の教育課程を編成していき、研究科等との連携体制の課程のプログラムを活用するということですとか、あとは3番目にありますように、修士、博士、各課程の有する役割に留意して、博士課程においては極めて高度な専門性と、ふさわしい幅広い能力を培うために基礎となるコースワークや、博士課程の論文の審査、研究指導について、しっかりと適切な規模や手法により実施することが重要であると。また学位授与の透明性・公平性の話も御指摘いただいております。
 下から2番目の丸にありますように、博士課程後期の学生進学を促進するためにロールモデルの提供等、修士課程学生に対するリクルートを改善することや、経済的支援の充実が重要とされております。
 また58ページから59ページにかけては、産業界と大学が互いに協力して就職活動時期を考えて転換していくことが重要であると。
 続きまして59ページの最初の丸でございますけれども、学士課程から文理に分かれるという人材育成の方式ですとか、高等教育の在り方を検証して、文理融合により社会をデザインしていくことが可能となるような教育研究体制を整備することが重要であると。また研究時間の専念するために研究支援人材の配置が、それに対する支援が重要であるということを御指摘いただいております。
 また2ポツといたしまして、博士人材が活躍する社会の実現といたしまして、博士課程学位取得者が社会のあらゆる分野で活躍することがグローバルスタンダードであるということを踏まえて、施策例といたしまして、産業界が大学院に求める人材像をしっかり明示した上で、博士課程取得者の専門性や能力を適正に評価し、積極的な採用と処遇を行っていただくことが期待される。また2番目にありますように、文理の壁、新興・融合領域の挑戦といった環境が起こりやすいように、異分野の研究者や大学院生の交わる機会を提供することが重要である。3番目といたしまして、外国人の研究者等を呼び込むための研究ブランドの構築と、それで国内で切磋琢磨して教育研究を行う環境が重要であるということを指摘いただいております。
 最後に60ページで、その他の論点として、研究力低下の本質は何かをしっかり検証して、国家観、社会観のバックキャストを行った上で重点的に投資すべき領域を特定することの必要性。また大学と企業が相乗効果を得られるような仕組みで産学連携の在り方を考えていくということを指摘いただいております。
 最後になります。61ページ、今後の国立大学法人等施設整備に関する有識者会議の御指摘でございます。今後の国立大学法人等の施設整備についてという紙に基づいて説明させていただきます。
 まず下の四角でございますけれども、社会全体、国立大学法人等と「共創」に必要な施設整備の三つの基本的な方向性を提示していただいています。一つは、教育研究が多様化している、高度化していることに対する対応ということです。二つ目は、学生・研究者等の多様化。三つ目は、地域・社会との連携・協力の推進、こちらに対応していくことの重要性を指摘いただいております。このために大学等の特性を発揮するための戦略的なリノベーション等が必要であるということで、この三つの基本の方向性に基づくような施設整備を実現していく必要がある。
 その下にあります検討事項でございますけれども、未来投資として、上の三つの基本的な方向性に基づく施設整備を「未来への投資」として位置付けていくこと。また、国は施設整備が教育研究の継続・発展に必要不可欠であることを社会全体に対して情報発信していくということが重要である。2番目といたしまして、「未来への投資」に向けた戦略的な施設マネジメントが重要であり、サステイナブルな施設整備や、大学の施設の有効利用、トリアージ等の効率化等により戦略的な施設マネジメントを行っていく必要がある。3番目といたしまして、「未来への投資」のために国と国立大学法人等と協力をしていく。大学は「経営マインド」を持って「投資」を呼び込んでいく。国は、その大学側にインセンティブが働くような施設整備の仕組みを検討して、重点化を図りつつ、必要な予算をしっかり確保していくことが重要であるということを指摘いただいています。
 この後に報告の本文が載っておりますが、そちらは割愛させていただきます。
 少し長くなりましたが、以上でございます。

【濵口主査】
ありがとうございました。各分科会でしっかり御議論された内容を今日報告していただきましたが、全体のトーン、趣旨は、かなり共通して問題意識があるようには思えると思います。
 今のお話について御意見賜ればと思いますが、いかがでしょうか。五神先生。

【五神委員】
総論のところは後で議論になると思うので、最後に紹介された施設の話について、象徴的だと思うので、問題を指摘しておきます。先日の国大協の総会でも、地方大学の学長から施設整備維持についての問題が指摘されました。文教施設部が5か年計画を作っています。これは、科学技術基本計画と連動しています。一方、国立大学の経営についての議論は6年単位の中期計画があり、次期は第4期中期計画ということになります。施設を維持管理することは、国立大学法人になってからは法人の責任ですので、経営資源をどうするかという意味で経営上の重要な話です。つまり、中期計画と連動していないと、おかしなことになりますが、施設整備5か年計画とは連動していません。さらに、文教施設部の議論は、国立大学の資源についてどうするかという議論ですが、予算が競合するのは初中教育ということになります。結果として、科学技術政策との大きな不整合が起きてしまっているように思います。
 国立大学の戦後70年の中で文教施設がどう整備されていったかというと、急増する団塊世代が就学年齢に達したときの施設を造らなければいけないということもあって、60年代、70年代にたくさんの投資が行われました。それをどう維持し発展させるかというときに、80年代半ばにマイナスシーリングになって、整備が追い付かなかったわけです。小渕政権時代、2000年の少し手前ぐらいに、ものすごい規模の箱物投資が行われたのですが、それでは国の財政が持たないということで、それを絞るタイミングで法人化を迎えました。法人化後、補正予算もあまり付かず、減価償却に見合うだけの整備がなかなか進まず、施設の劣化が進んでいる状況です。その中で、第3期中期計画の始まる前の年に国立大学は経営体になれというメッセージが、文部科学省から出されたわけです。しかしながら、施設を維持するための予算措置は、5か年計画は目標として掲げるものの、十分には実施されていないという状況がずっと続いていって、整備不足が累積してきています。例えば外壁のレンガが落ちて人がけがしたといったとき、法人化前は維持管理の責任は国にありましたから、大学は困ったね、で済んだわけですが、法人化後は、そうした事故の責任は法人がとらなければいけないので、施設整備費の有無にかかわらず、最低限の維持管理は行わざるを得ません。これが大学の財政を直撃しているのです。現状で、国立大学が経営体として資源を生み出す仕組みはほとんどないわけですから、財源を捻出する際に、例えば教員のポストを削るとか、生活費的なところに食い込まざるを得ないのです。86ある国立大学法人の大半は、そういう中で、いわば負の遺産を出資してもらったために、それを維持するために生活費を削られているのです。
 一方、例えば6年間の中期計画期間の中で、運営費交付金からある程度長期修繕のようなものをためて、次の期に持ち越したいといっても、それは制度的にできない仕組みになっています。この意味で、施設と運営との間で大きな齟齬がある状況になっているわけです。運営費交付金については、効率化、透明化を進めるというマイクロマネジメント的な議論になっていますが、大きく経営を圧迫している施設整備については別予算になっています。しかも悪いことに財務諸表上では、その減価償却の分が損益上マイナスにならないように操作されているんですね。そういう状況下で経営をしなければいけないということ自体が大きな問題で、ほとんどの国立大学は、そこが非常に大きな経営ネックになっているのです。
 そういう意味で、こういうことを議論して、科学技術基本計画の中で打ち出すことももちろん重要ですが、経営体となることまでは本来期待されないで設計された現行の国立大学法人法の枠組みがずれているという構造的な問題があって、そこをどうするかを考えなければいけません。東大で言えば、整備が不十分な状態で法人化時に国から出資を受けたことによる差損、負の部分は、計算すると数千億規模になります。それをだましだまし使いながら、どうにかやりくりをしています。これは、経営体として大学で莫大なお金が生み出されるように変わった後であれば維持できるでしょうが、現状ではまだそうなっていません。そういう状況の中で、この施設整備の問題は、実は傍論ではなくて、大学を活用するのであれば、ここの問題を解消しないと始まらない前提の話であるということをお伝えしておきたいと思います。

【濵口主査】
ありがとうございます。非常に重要な点、御指摘いただいたのですけど、いかがでしょうか。では、どうぞ。

【山﨑技術参事官】
ありがとうございます。五神委員がおっしゃるように、国立大学の施設整備は現行、科学技術基本計画に計画的に整備をしていくと書いていただいて、それを踏まえて、文部科学大臣決定ですけれども、5か年計画を作ってやってきているというような状況ですが、五神委員がおっしゃるように、財政状況は厳しいとか、いろんな、そういうことがあって、なかなか計画に書いた総額が確保できていないというのは確かにおっしゃるとおりです。
 それで、今、次の計画に向けて、科学技術基本計画であるとか、中期目標計画6年間、ずれも当然ありますけれども、いろんなところで御議論いただくために、今、有識者会議の報告もしていただきましたけれども、情報発信をしていく。本当にこういう状況で良いのですかという情報発信をして、大学の窮状というか、そういうことも含めて発信をしていき、予算確保していきたいと思っておりますし、一方で、膨大な負の遺産とおっしゃっていましたけれども、多分、国と国立大学法人と役割分担をしながらやっていく必要があると思うので、そういう部分でも、また御意見頂きながら、我々ができる分については、やっていきたいなと思いますし、予算もいろんなところで、あらゆるところに書いていただいて、補正予算など。今年は幸いにも防災・減災、国土強靱化の予算が上乗せされていますので、割と増えた形にはなっていますけれども、それを是非継続していって、きちんと確保していきたいなとは思っております。
 答えになっているかどうか分かりませんが、またいろいろ相談させていただきたいなと思っています。

【五神委員】
この場で施設の話題について触れた背景について追加で説明しておきたいと思います。この件については、高等教育局と文教施設部の連携が不可欠です。でも、本日も高等教育局関係は、陪席はしているようですが、事務局側にはいないんじゃないですか。
 今、運営費交付金について、かなりぎりぎりの厳しい議論をしているときに、施設の問題が国立大学の経営に重大な影響を与えており、非常に重要な説明のポイントなのですが、何度説明しても、こうした審議会などの場で、こういう議論をしていただけません。それが文部科学省の中の縦割り構造に起因するのだとすれば、外に発信する前に、内側で戦略をきちんと立てる必要があって、それができていないことがまず問題ではないかと思っています。

【山﨑技術参事官】
貴重な御指摘ありがとうございます。是非連携させていただいて、やろうと思います。

【濵口主査】
これは当面できる、打てる手というのはないんですか。例えば6年を超えて、中期計画を超えて施設整備に予算は持ち越しをできるような法律を作るとか、あるいは大学評価・学位授与機構等の活用も含めて、弾力的な整理をするシステムを作るとか、もう少し知恵が出せないかなと思うんですが。これ、実は深刻な問題だと思うんですね。

【山﨑技術参事官】
よろしいですか。済みません。基本、予算というのは毎年度毎年度、もう御存じのとおりだと思います。一方、例えば土地の処分収入については、一遍に使うとあれので、プールをしておいて、それは使えるようになって。実際それで交付事業という営繕をするような交付事業で交付していますけれども、そういうのを少しステップアップしていくような方法もあるかもしれません。
 施設整備費は当然、公債発行対象経費ですので、繰越しはできます。1年繰越し、2年まで繰越しできるのかな、という制度ではありますが、基本的には単年度単年度の予算でやっているということで御理解。毎年PRをしていって確保する必要があるということなのかもしれませんが。

【濵口主査】
どうぞ。

【川端委員】
ついつい参戦してしまうという。いやいや。今の議論、本当に大学法人の経営と考えたときに問題になっていて。今の議論、文部科学省の中でまず議論するというの、それ当然そうなんですけど、うちの大学にしても、どの大学でも、多分、施設整備の減価償却考えたら、運交金の10%とか20%近いんですよ。こんな莫大なお金を内部でどうにかしようといったら、どこ削るのという話になって、結局、文部科学省予算全体の中のどこをどっちからという削りに。量がでか過ぎるんですよ。これが数%だったら、どこかから持ってこようという話だけど、20になったら、もう、この中で処理したら何かが破綻する。という意味で、言われたみたいに、ある補正だとか、いろんなものを使いながら回していくというのも、それは現実論としてはそうだと思う。
 ただし、さっきから、この段にも出てきますけど、要するに、不確実なんですよ。いろんなものが施設に関しては不確実で、何かが起こるときに、うまくそれに乗ればいいけど、乗らなかったら、もう完全に、内部で処理したときに、ある部分じゃ経営的に破綻の部分を作っていくと。それが露骨に今から。ちょうど全国一斉に造ったやつが大体ぼろくなりつつある。現在でもいいだけで付帯設備は既にぼろくなっているんだけど。「国土強靱」でうまく修繕できた部分もあるんですけれども、やっぱりこの後、順々にまとまってこれが起こってくるので重要なのです。
 だから、言われるみたいに、文部科学省の中での議論と同時に、文部科学省外とどう議論するかというのが、やっぱり重要な話かなと思います。

【濵口主査】
今、結論を出すのは難しいと思いますけど、是非、挑戦的なアイデアを作っていただけないかと。松尾さん、どうぞ。

【松尾科学技術・学術政策局長】
一言だけ。個別で言うのもなんですが、ここでの議論であるとか、あと文部科学省の中での議論であるとか、あと国全体で議論していくとなれば、次の6期の計画で、大学のマネタイズの話であるとか、資金のポートフォリオの話とか、いろいろありますので、うまくしっかりと使っていけるように、よくよく議論をしていきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

【五神委員】
私が言いたかったことは、議論するしないの話ではなくて、大学に経営体となることを求めていながら、そのための前提が全くずれているということなのです。施設が劣化してそのせいでけが人が出そうということになれば、お金の有る無しにかかわらず、修繕せざるを得ないわけです。実際、施設整備費用が生活費に食い込んでしまっています。過去の経緯を見ると、70年代に整備した施設のボリュームがかなり大きいので、第4期中期計画期間には、そうした施設の再整備の問題がものすごく深刻化するわけです。そのときに、今、フローの財源として使えるのは運営費交付金しかないので、それを削るなんていう議論はもってのほかであり、その使い方の議論も全く前提が間違っています。整備不良の中古の施設を大量に引き継いだという、いわば負の部分をどう処理するかという議論が大前提としてあった上で、運営費交付金の使途を透明化するとか、そういう話をすべきなのに、全くその前提が無視されています。その無視されている現状に至ってしまったのは、文部科学省の中での意思疎通が悪かったことも原因ではないかということを言いたかったのです。
 そうはいっても、国にもお金がないことは事実です。ただ、前提が、ちゃんと共有されていないと、誰が責任を果たさなかったのかということが誤認されてしまって、大学の経営をつかさどっている側としては非常に困ってしまいます。その点、国立大学の声ということで、言わせていただきました。

【菊池委員】
申し訳ありません。私、無知で、質問ですが。この大学とか学校の施設というのは、国のお金しか使えないという規約があるのですか。

【五神委員】
いや、そんなことはないです。

【菊池委員】
そうですよね。何か自分がアメリカにいた当時、自分たちの大学で新しい施設を更新するとき、建物を建てるとき、基本的には3分の1を自分たちの自助努力ということで、アルミナイ(同窓生)からの寄附金とか、何かそういうものを税制的なバックアップを受けながら、3分の1を集めたら、大学がかなり優先的に、その施設の建設や更新をしなければいけないという方針と、州政府が、あとの残りの3分の1をほぼほぼ負担すると、そういう了解の下で、大学の方が、こういう施設建設や更新をしたいといったときの自由性があったかと思うのですが、日本の場合は、そういうことがないんですか。

【濵口主査】
どうぞ。

【五神委員】
そんなことはありません。先ほどもお話ししたとおり、法人化後、新しい施設はなかなか国から措置されないので、自助努力をしています。法人化のときには、病院以外でいくと、東大は99.7%が国費で整備した建物だったのですが、今は77.4%まで下がっています。つまり、法人化後の施設整備について言えば、自己資金も相当入っています。この自己資金という中には、文部科学省の文教予算以外の国費も含まれます。そして、その77.4%の部分については、実は法人化の際に出資を受けた段階で、実質的には負の遺産の部分が多かったわけです。その部分について東大でいうと、きちんと維持されているという状態をどう評価するかによって変わりますが、マイナス分すなわち整備不足分は数千億規模になります。そこの前提が共有されない限り、施設のマネジメントをできるはずがないということが、なぜ全く通じていないのかというところが問題です。厳しい運営費交付金についての攻防の中で、この話は絶対カードとして使うべきものですが、文部科学省でそういう説明をしていただけないので困るという話です。

【松尾科学技術・学術政策局長】
よくよく共有をさせていただきたいと思います。

【濵口主査】
よろしくお願いします。
 ほかの論点に関して御意見ないですか。よろしいですか。後半でもう少し、先ほどの発表も踏まえて議論を進めたいと思いますので、議題2に移らせていただいて、もう一回考えてみたいと思います。
 それでは、議題2について、事務局から説明をお願いしたいと思います。

【大洞文部科学戦略官】
それでは、資料2と3に基づきまして、議題2の説明をさせていただきます。
 まず資料2は、タブレット上にあります今後のスケジュールというものでございます。前回提示させていただきましたスケジュールでは、今回このシステム改革について骨子案を大体取りまとめたいというスケジュールで提示させていただいておったんですが、もう少しじっくり議論してということも考えまして、次回、7月23日に、今回資料3として出している論点を取りまとめていきたいと思っております。その後、9月下旬に向けまして、報告書の形で、もう少ししっかりした提言を取りまとめていきたいと思います。後半に、個別の分野ですとか、戦略的分野も含めて、最終的な議論を行いまして、来年3月に最終取りまとめを行うスケジュールは変わっておりません。
 続きまして、資料3について説明させていただきます。こちら、机上にもA3の資料として置かせていただいております。
 1ページ目は、前回からずっと御議論いただいている検討論点の全体像ですが、真ん中に新しく加えました部分ですが、日本が、最先端の科学技術と安全性・信頼性の高い社会であって、国際的な信頼を核として、この知識集約型社会において主導的な役割を果たすことが可能であって、次期の基本計画中に戦略的に科学技術イノベーションシステムへの抜本的な集中投資が必要であること。これに対する投資を今こそすべきという文脈を、書かせていただいております。
 また今回、青い点線、具体的対策(1)、具体的対策(2)というところは、前回御議論いただいたものを少しリバイスしております。また、赤い点線の具体的対策(3)から(5)のところについては、新しくペーパーを用意させていただいておりますので、御議論いただければと思っております。
 そして今回、実は議論いただく際に是非、少し横に置いて、こういったこと、認識を共有させていただきたいところで、参考資料の1と2と、この二つの資料を作らせていただきました。こちらも机上に1枚ずつA3として置いております。こちらを簡単に言及させていただきます。
 参考資料1につきましては、メッセージとして、知識集約型社会において世界をリードする国へということで、1番目にありますように、モノからコトへとか、地政学的な状況変化、データの持つ価値の向上ということから、日本の強みを生かして世界をリードしていくために、今が決断の分水嶺であるということ、また「知・情報」の中核を担う大学・国研等への集中投資が必要であるということをメッセージとして書いております。
 また右側に、日本の強みとしては、基礎研究から産業技術までの厚みのある先端科学技術力ですとか、現場におけるきめ細かなデータの蓄積があること、また安定した国家システムですとか、支援している国の長期的な発展を促すような開発援助をずっとしてきたことですとか等に対する世界からの期待と信頼というのは非常に集まっているのではないかと考えております。
 そこで投資する対象といたしましても、下の方でございますけれども、知識集約型社会のシステムの中核として大学・国研を位置付けるべきというのが、この文脈でございます。
 その中で、価値創造の源泉となるような基礎科学・先端技術拠点としての機能があると。こちらは、世界がしのぎを削るような最先端の科学技術、例えば量子、データ科学、ゲノム科学、材料科学、先端半導体分野ですとか、この辺りが戦略的に推進されていて、また優れた専門人材が輩出されるということ、また、最先端の研究施設・機器が戦略的に整備されていると。最後に、多様性を生み出すような基礎研究力が維持・強化されている。こういうところに投資をして、大学や国研がこういう力を持つことによって、さらに、右側にありますようにデータ集積・分析拠点として機能していけるのではないか。例えばデータの利活用の要となるような高度な知見や研究者、学生が集積しているということや、情報・データインフラが整備されていることをもちまして、社会の様々なデータを実際に集積して、分析して、また社会にフィードバックしていくような拠点になり得るのではないかと。
 また、左側にありますように、国際頭脳循環の集積拠点としての機能です。こちらは、アカデミアのネットワークと国際求心力というのは日本の大学・国研にはまだあると思っておりますので、それが政府レベルとは異なるオルタナティブな外交を展開していくことができるのではないか。また海外からトップ人材がそこを目掛けて来るような、そういった集積ができるのではないかと思っております。
 一番下ですが、産官学のセクター間の知の循環の中核拠点ということで、大学の持つ知の価値が適切に評価されて、それが組織対組織の大型の産学協創を実現して、また大型の民間投資を呼び込んで、大学はその一部を基礎研究、人材の育成に再投資していくというような循環が描けるのではないかと思っております。また、大学の経営資源のための規制緩和や、大学発ベンチャーを通して、それを世の中に社会的価値として出していくというようなことが重要だと。
 この辺りにしっかりと投資をすることによって、右から左に矢印が、知識集約型社会からSociety5.0、最終的に向かっていきますように、この中核として機能していくのではないかということをイメージとして描かせていただいてあります。
 これは、1枚目に我々が検討論点として示したことですとか、具体的対策(2)の知識集約型価値創造システムの中核としての大学・国研といったものを、こういった形で少し分かりやすくまとめたものでございます。こちらについて、また御意見を頂ければと思っております。
 続きまして、参考資料2でございます。参考資料2は、更に大学の中で研究力低下が一体なぜ起こっているのだろう、抜本的な要因は何だろうと先ほども指摘がございましたけど、その対策としてしっかりとしたキャリアステージですとかシステムの絵が描けないといけないのではないかと考えておりまして、その検討用の資料としてのイメージとして作らせていただきました。
 参考資料2の左側から、だんだん修士、博士、そして任期付の研究者、テニュアの研究者という図になるようになっております。
 そこの中に、理想的にこういうことが実現されているべきだということを研究システムとして書いておりまして、例えば修士、博士であれば、この前も御議論ありましたように、科学的思考法、ファクトとロジックとか専門的知識、そういったものが身に付くようなコースワークですとか、ダブルメジャープログラムによる分野を超えた知識、素養ですとか、あとは多様なキャリアパスについて。
 また、研究・教育システムの一環として活躍するということが位置付けられて、それに見合った報酬がRAとかTAで与えられて、それで教育・研究能力との向上と経済的支援が両立していくようなことが重要ではないかと。
 また一番下にありますように、国内外を問わず流動していくこと。この時代から流動して多様な価値観を取得していくのが重要だと思っております。
 また、任期付と書いてある若手任期付研究者に当たるところにつきましては、長期の任期のある雇用がなされ、その間にPIとしての資質を身に付けるということ。また、ここでも挑戦ですとか分野融合的な研究に果敢に挑戦していくこと。
 また、若手任期付研究者を経て、独立したPIとして研究を牽引していく段階になったときには、そのスタートアップに必要な資金、人、環境を伴うテニュアトラック制度というのが用意されていて、競争ではあるけれども、公正に業績評価の下でテニュアが取得されていくと。それに見合った、しっかりしたポスト数が確保されていくこと。
 また下にありますように、競争的資金以外の直接経費から業務代行費の支出が可能となって、個人の希望によって研究専任、教育専任が可能となっていくこと。
 その上にありますように、業績に応じた給与・待遇ですとか、また一番上にありますように、競争的資金の獲得が重要ですけれども、研究室の運営には定常的な経費は所属組織からしっかりと支出されていくような形。
 また、下にありますように、技術職員やURAのキャリアパスがしっかり示されるとともに、研究者とチームが一体となったチーム型研究体制で研究開発が推進されていることや、一番下にありますように、学内の昇進ではなく、移籍とともに昇任していくなど、流動性が確保されるような仕組みが重要ではないかと。
 このような理想的な研究システムが何かをしっかりと描きつつ、この具体的な対策というのも是非御議論いただきたいと思って用意させていただきました。
 下には、様々な研究費のデータですとか、人数のデータで今分かっているものを載せております。
 続きまして、資料3に戻らせていただきます。資料3の2ページ目、具体的対策(1)と書いてあるところでございますが、こちらにつきましては、赤点線が修正点です。基本的にマル1のところは、学術分科会の提言の学術の意義ですとか、そのところを主に修正させていただいたり、あとは上から四つ目のポツの基礎研究業績の評価手法につきまして、具体的に分野の特性が重要であることですとか、雑誌とか学会発表も重要性を評価していくことですとか、専門家間でのレピュテーションなど、そういう他の指標も考慮したような評価手法の検討が必要であるということを加えさせていただいております。
 また一番下にありますように、異分野の研究者が新しいアイデアを生み出すアンダーワンルーフ型の研究スタイルが重要ではないかということを新たに加えさせていただいております。
 そのほか、マル2の若手研究者のところにつきましては、先ほど人材委員会から主に提言があったことを記入させていただいております。
 また、マル3の研究環境の実現については、研究基盤部会の提言、主にコアファシリティ化ですとか戦略的な施設の整備のところ。
 一番下に、先ほど文教施設の方から提言を頂きましたように、教育研究の多様化等に対応した戦略的リノベーションによる研究施設の機能向上ということを書かせていただいております。
 また、マル4の国際連携・頭脳循環の強化につきましては、前回も御議論ありましたが、やはり優れた研究者を獲得するのに必要な条件という四つ目のポツを少し充実させておりまして、例えば配偶者など家族への支援ですとか、住環境等へのサポート、世界水準の給与水準ですとか、あとは人事制度も国際的通用性があるものを整備する。そういったことを加えさせていただいています。ここが主な変更点です。
 続きまして、中澤の方から説明します。

【中澤企画評価課企画官】
続きまして、資料の後半については、企画評価課の中澤でございます、私の方から御説明させていただきます。
 3ページ目でございます。知識集約型価値創造システムの中核としての新たな大学・研発法人システムの構築というところでございます。こちらも前回御議論いただいてございます。
 赤字が修正箇所でございます。理念のところは簡潔に変更したというところでございますが、先ほど、ちょうど参考資料1がございました。基本的には、こちらと理念を同一にしているものでございます。
 それから、あるべき姿、具体的取組については、前回の総合政策特別委員会での議論、それから各部会からの意見を踏まえて修正してございます。特に赤字の部分でございます。前回のところからもありますが、特に産業界からのコミットというところを少し中心的に追加、強調させて変更させていただいてございます。
 それから、今回特に修正ということがありませんでしたが、先ほどの議題1のところでも御議論いただいておりましたが、あるべき姿の下から2個目のところでございます。五神委員からも御指摘いただいておりましたが、やはり経営というようなところのずれがあるという中で、いかにトップが経営資源─これはソフトインフラ、ハードインフラ、両方だと思いますが、そういったところを最大限活用していけるような形を作っていけるかというところは従前から書かせていただいてございますが、本日の議論も踏まえて、ここ深掘りをしていく必要があるのかなと考えてございます。
 それから、具体的な取組のところも少し個別な話は追加させていただいてございます。括弧内の点線の中でございますが、コスト、この積み上げによらない、共同研究時の知的生産活動に対する適切な経済価値算定、こういったところを拡大していくというような話だとか、あるいは大学等の出資法人。既に大学の出資機能、整備されてございますが、こういったところを一部拡張していくというところの検討。あるいはベンチャー関係では、公共調達を活用したベンチャーの技術を社会実装の応援をしていくというようなところを追加させていただいてございます。
 おめくりいただきまして、4ページ目でございます。4ページ目以降は、この総合政策特別委員会の場では、資料としては最初の資料、初めて議論する資料でございます。デジタル革命による新たな研究開発の推進ということでございまして、まず理念でございますけれども、ここに書いてあるとおりでございますが、AI、実験ロボット、それからデジタル革命という中で、研究開発の在り方そのものが変わっていくというようなことでございます。その上で、下線部でございますが、良質な研究データを蓄積・共有・活用することの価値を認識し、世界に先駆けて研究データの活用により新たな科学的知見や技術の創出を加速させる新たなシステムに変革していくというようなことを期待してございます。
 あるべき姿、5項目書かせていただいてございます。上から参りますが、1点目はバイオインフォマティクスに代表されるようなX-インフォマティクス、あるいはラボのスマート化、こういったことを進めることによって、新たなサイエンスの開拓、研究開発の効率化、生産性の向上、こういったことを図っていくと。
 2点目でございます。これは共同利用・共同研究拠点、プラットフォーム事業、コアファシリティ等々、これは既存の、文部科学省でいろんな事業あります。こういった事業を一つのベースというか、活用しまして、今後のデータプラットフォーム基盤として活用していけないかと、そういったような趣旨でございます。
 3点目についてでございますが、これはデータ、今後、オープンデータというような流れの中、一部、データ自体の共用を進めていくという観点の中で、下線部でございますが、このデータについてで、ほかの研究者、国民が広く利用できる公共的な知的資産、こういったものとして一部活用していくようなことが必要ではないかということが3点目でございます。
 あるべき姿、4点目ですけれども、ロボット、AI、こういったものによって多くのレポートが、人間である研究者そのもののエフォートというのが一定外部に任せられるようになった後に、その後では研究者自体は、どのようなことに時間を使うかということでは。済みません、これ仮設、字が間違っていますが、仮説の構築、それから検証、その価値付け、こういったものに、知的な活動に注力できるようにしていくということではないかと。
 最終的に5点目は、この究極的にという単語がいいかどうか分かりませんが、最終的にというようなイメージでございますが、実験ロボット、それからAI、最先端の研究機器、こういったものに加えて、更に集積されたデータプラットフォーム、こういったものが、下線部でございますが、SINET等の強力なネットワークインフラで、シームレスに連動する研究システムが実現する、これ、造語ではございますが、いわばInternet of Laboratory、そういったようなものを実現していくというところが姿ではないかと考えてございます。
 時間の関係ございます。具体的な取組は全部説明するわけではございませんが、真ん中のところ、特に上から4点目でございます。今後一番大事でありキーになっていくであろうということで、研究者がデータ基盤に、この研究者自身がとったデータを登録していくということになったとして、これに貢献していくためのインセンティブというようなものを少しずつルール化していく必要があるであろうと。
 括弧内に具体的なところを書かせていただいてございますが、先行者利益の確保等々についてルール化していくことが必要であろうという話であるとか、その次のポツでございますが、今後データというものを、研究者が組織間で異動したとき、その所有権をどうルール化していくのかというようなところであるとか、あるいは最後でございますけれども、今後、データに関してでございますが、クレンジングといったようなところも非常に必要になるという中で、大学をデータ収集・利活用の中心的な中核としていきつつ、クレンジングやタグ付け、そういったものについて、データ基盤への登録を、一定の十分な価値、対価を得ながら経験する機会を、例えば修士課程の学生等々に担っていただいていくことによってデータ整備、それからデータ関連の素養を持つ人材、こういったところの育成をしていけないだろうかということを書かせていただいてございます。
 おめくりいただきまして、5ページ目でございます。あらゆる科学技術イノベーションの担い手の活躍という部分でございます。
 まず理念でございます。タイトルとほぼ一緒でございますが、科学技術イノベーションの担い手が、それぞれの強みや個性、これを生かし活躍できる環境の実現が必要ではないかということでございます。
 あるべき姿、3点。1点目でございますが、特に日本、非常に優秀で意欲のあるシニア層の厚みというのは当然ありますし、まだまだ女性の活躍の潜在ポテンシャルは多いと、我が国のそういったところ、あると思いますので、下線部でございますが、それぞれのライフスタイルに対応した形で、個々の強みを生かしながら全世代が活躍できるシステムを作っていく。
 2点目も、これも日本的というところでございます。下線部でございますが、やはり出る杭、これが打たれるのではなくて、新たな価値創造に向けて、出る杭が伸びる文化、これを内包すべきであろうということでございます。
 それから3点目、副業、転職、リカレント、こういったものが今後増えていくという中で、多様なキャリアパスの選択であるとか、そういった中で、個人が活躍できる雇用環境、社会、これが必要であるということでございます。
 具体的な取組二つ、ボックスを分けてございますが、左下のところで全世代活躍型社会の実現、それから右側、「個」の能力を拡張する社会の実現ということでございます。左下のところは、分解して、女性の活躍促進、それから中堅・シニア世代の活躍促進ということでございます。
 こちらにつきましては、これまでも重点的に政府としてやってきている部分ではございますが、そういったところを進めるとともに、例えば女性というところでは、ライフイベント等を向かえた女性研究者の活躍。例えば括弧内でございますが、配偶者の職場近接への配慮だとか、そういったようなところをできないだろうか。
 あるいは中堅・シニア世代の活躍促進でございますが、優れた研究者に対する継続的な研究支援、それからポストの処遇というようなところ。当然こういった部分はこれまでもやっておりますが、若手支援というようなところがとかくフィーチャーされる部分もありまして、それはそれで一方では重要でありますが、当然、全世代にわたって、中堅世代、シニア世代含めて、何らかの外部要因によって不遇を受けているような方々も含めて、そういった方々を、しっかりと優秀な方を支援していくというようなところ。
 あるいは二つ目でございます。シニアで一旦、現役世代からはリタイアされた方々も含めてでございますが、それぞれの強みを生かして、例えば教育というようなところで再度活躍をしていくという話。
 右側でございます。マル1番につきましては二つ書かせていただいてございますが、やはりアントレプレナーというところを若い方々に対してもっともっとエンカレッジしていくというような話であるとか、初等中等段階から科学技術イノベーション人材の育成、これを強化していくというようなくだりの話でございます。
 駆け足になってしまって済みません。右下の副業、複線型キャリアパスの促進。これは特に大学、研発法人というところも含めてですが、幅広く、もっと社会全体を含めてということでありますが、そういったところの流動性を高めていくというところでございます。こちらについては2枚前のページにもあるところでございますので、割愛させていただきます。
 最後のページでございます。こちらについては政策イノベーションというところでございます。総合政策特別委員会という観点、第6期基本計画という観点では、これ、やや異色の扱いになろうかと思います。行政内部の改革というようなところもあると感じてございます。
 先ほど行政の縦割りというようなところも御指摘いただきましたが、我々自身、こと、この科学技術イノベーション政策という非常にものすごいスピードで動く政策を対応する以上は、我々の政策そのものが挑戦的、あるいはスピード感を持ったものであるべきではないだろうかというようなことが理念で書かせていただいてございます。
 3点、あるべき姿ございます。1点目は、大局観と現場感、これ両方、当然ながら必要であると。えてして片方しかないということに陥らないようにしていくべきと。
 2点目は、後半でございますが、組織にとらわれず新たな知識、斬新なアイデアを取り込む観点や文化、これを備えるということでございます。
 3点目は不確実性、これを前提にしているような政策領域において、試行錯誤しながら挑戦をしっかりしていく、そういったことに価値を見出せるような政策の検討プロセスを我々が内蔵していくことが必要であろうということで書かせていただいてございます。
 具体的な取組、下のところでございますが、マル1番、大局観と現場感を捉えるというところでは、EBPM、Evidence Based Policy Making、こういったところを引き続き徹底的に進めるということであるとか、あるいは、先般開催されましたが、大学改革支援産学官フォーラム、PEAKSというものでございますが、これ現場と役所が徹底的に議論していく場を、PEAKS以外も含めてですけれども、もっともっと作っていくということでございます。
 それから真ん中は、自前主義から脱却した政策という言い方をさせていただいておりますが、こちら、例えばですけれども、ハッカソン型の政策コンテストというような形で、イノベーターも含めて政策づくりをトライアルしてみるとか、あるいは昨今では民間の研究支援ビジネスというものも増え始めてございます。従来であれば、例えば行政が公共的にやっていたようなものもビジネスとして回り始めている部分、こういったところは是非、連携していく必要に応じて相乗効果を高めていこうということでございます。
 それから最後でございます。これは非常に極めて内部的な話ではありますが、政策を作っていくというような中で、挑戦をエンカレッジできるような政策評価の仕組みだとか、そういったところを作れないか。あるいは、我々役人そのものでございますが、行政官のキャリアパスという中で、挑戦性だとか多様な視点を身に付けられるような人事交流というところも考えていけないだろうかということでございます。
 済みません、長くなりましたが、以上でございます。

【濵口主査】
ありがとうございます。今から1時間ほど、しっかり議論をしていただきたいと思いますけれども、この資料3の1ページ目を見ていただきますと、下の項目、左側の青枠で囲った1、2、3、4、それから右側の1番目の青枠、これは従来からずっと議論を続けてきた点でございます。それから2、3、4、5と、この赤枠の部分がございます。これは新たに提案いただいたところでありますので、まず前半の、この従来からのところに関して御議論いただいて、その後、個別的に具体的対策の3、4、5について、それぞれ御議論いただいて、もう一回全体を見直すというような作業ができればいいかなと今思っておりますが。
 まず、青枠で囲ったところの論点整理に関して、2ページ目から3ページまでが追加の資料でありますが、赤い点線で下線を入れてあるところが追加した変更点であります。これもよく見ていただきながら、もう一度、目指すべき方向性について御議論いただけないかと思いますが、いかがでしょうか。どなたからでも結構ですので、お願いしたいと思いますが。五神先生、では、お願いします。

【五神委員】
前回からの改善点については、大分いい方向で進んでいると思います。最初のページに集中投資が必要と書いてあります。その集中投資について、なぜ今必要なのか、それをどう説明するのかが重要です。そのターゲットは、やはりお金を持っている人にお金を出したいと思ってもらえないといけません。産業界の方々と話をすると、アベノミクスでお金を作ってもらったんだけど、投資先が見えないということを率直におっしゃる経営者の方もいるのですが、それで投資をせずにお金を眠らせてしまうのでは、経済成長にはつながりません。次期基本計画の最終年度は2025年ですが、2025年というのは団塊世代の方が後期高齢者になるタイミングです。それまでに、この世代の人たちも社会で積極的に活躍していくことができるよう、Society5.0を実現するパラダイムシフトを世界に先んじて済まさなければ、その先の計画は全部台なしになってしまうのです。ですから、25年までに何をするかということを明確に示す必要があります。それを乗り越えるときに、その場しのぎでは駄目で、例えばパリ協定で言っているような2050年のタイミングも見据え、日本がどういうふうに国際的に貢献できるのかということも考えておかなければなりません。両方をきちんと同時に進めていくことが重要です。だからこそ全世代が必要で、若手だけではなくてシニアも大事だという文脈になっています。そこの部分が明確に書かれている必要があります。
 もう一つ重要なこととして、地政学の変化がものすごく急だということは皆さん感じておられるかと思います。これはジオテクノロジーリスクと言われる部分とも密接に関係しているので、この基本計画とは不可分になるはずです。そういう点で見たときに、国際戦略とか、いろんな話もありましたが、先ほど報告された内容は、その前の議論だと思います。ここ3~4か月、米中対立が際立ったこともあり、例えば基礎研究だと思われていたようなものが、アメリカが指定した14のエマージングテクノロジーの中にほとんど全部入っています。こうした状況下で、日本が何ができるのか。全部はできない中で、どういうふうに貢献するのか。それが経済成長につながるシナリオを見せないと、集中投資が必要といっても、お金が出てこないわけです。
 その設計図を描くという作業を最初にやらないと、説得力のある第6期基本計画にならないと思います。そこのところを是非、まずやった上で、策定までにはまだ時間があるので、内容の議論を進めていただきたいと思います。

【濵口主査】
白石先生。

【白石委員】
今、五神先生言われたので、僕、いつも同じこと言っているので、きょうは黙っておこうかと思ったんですけど、申し上げますけれども。おっしゃるとおり、私自身は国際システムそのものが今、非常に大きく変化し始めたと思っています。私自身が既に、もう1年半近く前に、アメリカの私の同業者のような人たちから、これからの米中関係の非常に大きな課題の一つが技術優位の問題になってくると。
 ここの参考資料1にも幾つかの最先端科学技術の量子等が入っていますけど、こういうものについて、私が話した人は、大学とは必ずしも言いませんでしたけれども、日本で、どの分野は我々よりもいいものを持っているとか、持っていないとか、知っているわけですね。
 ですから、それも含めて、やはり科学技術戦略は考えておく。これは全く同感です。これは1点目。
 それから二つ目に、これもしつこく言っているので嫌がられるかもしれません。やっぱり安全保障技術管理の問題を正面から取り上げる必要があるだろうと思います。ですから、仮にこういうところで最先端の研究施設を造ろうというのであれば、それが安全保障上、きちんとしたシステムになっているというのが、私は非常に重要だろうと思います。
 それから三つ目に、恐らく新聞読んでいて皆さん、もう御存じだと思いますけれども、実際に企業のトップと話をしておりますと、例えば5Gの問題に関わって、もう日本の企業も含めたサプライチェーンが再編されつつあります。もう現に起こっています。今、日本の国内で、あるいはメディアで議論されていないのは、日本の大学の研究グループは国際化の名の下に、これまで20年以上、物すごく共同研究を進めてまいりましたが、ある国とのある分野で、あるセンシティブな分野で、ある国とのある機関と国際共同研究をやっていると、ほかのある国では、もう入れてもくれないと。単に研究に入れてくれないだけじゃなくて、そもそもビザが下りないということすらあり得ると。そこまで、恐らく私は1年ぐらいの間に来るんじゃないかと思っております。
 ですから、それを考えた上で、少し話が飛びますけれども、政策イノベーションといったときには、それが分かっていないと、どこにリスクと不確実性があるのか分かりませんので、それをきちっと、やっぱり今やっておく。ともかく、それを方針として入れておく必要があると思います。

【濵口主査】
ありがとうございます。これ、どういう表現にするかも含めて、じっくり議論が必要ですね。

【大洞文部科学戦略官】
ありがとうございます。資料3の1ページ目の左下のマル5、緑のところで、後半に検討と書いてあるところございますが、ここで、そういった御議論も踏まえて、日本として戦略的に、基盤的にどこをやって、重点的にどこをやっていくかという議論を、文部科学省の研究としては大学や国研でどの部分をやっていくかという議論を、させていただきたいなと思っています。ただ、システムと連動するというのが今回の御指摘だったと思いますので、早期に、そういった検討もできるようにしていきたいと思っております。

【濵口主査】
よろしいでしょうか。ほか、いかがですか。どうぞ。

【川端委員】
論点とか、こういう話、どんどん具体的にブレークダウンされていっていて、何点か、気になっていて、それは、要するに、今回の次の科学技術基本計画というものの旗が一体何なのかという点です。私、前回の後半から議論に入ってきたんですけど、やっぱり、そのときに出ていたのはSociety5.0であったり、AIであったりと、こういう話が、そこでは旗になっていて、前回の総合政策特別委員会の終わりのある部分では、多くの委員の方々が言ったのは、Society5.0のやりやすいところだけが終わったということです。結局は日本全体というか、大きなボリュームゾーンには、その影響が及んでいないと考えている。そのため、次にやらなきゃならないのは、そのボリュームゾーンをどう変えていくかという。要するに、いわば、そのためにELSIの話が出てきたり、科学技術の最先端というものを市民生活や中小企業群や零細農家群に落とすためには一体どんな動きをしなきゃならないかというのが次のゾーンなんだろうみたいな話までいったような気がしていたんですよ。それこそ、本来、日本全体を変えるようなムーブメントになるんだから、そこに地域に拠点を持つ大学が、もっともっと力を出すべきだろうという思いを持っています。しかし、それがずっと全部消えていって、多分、「後半(9月以降)に検討」の中にのめり込んだんかなとか思いながら見ていたという、それが1点です。
 もう一点、これは物すごく大きいかちっちゃいか分からないですけど、今お話しされたように、情報系の話というのは普通、一般的な科学技術よりもべらぼうに速い速度で動いている。産業界も同じように物すごい速度で動いている。それは。ごめんなさい、僕、文系じゃないから間違っているかもしれませんけど、いわば昔、商業をやれば、貿易をやればもうかったという、物を動かせばもうかったという時代、大商主義みたいな話と同じように、情報も結局、物は何も動かなくて情報だけが動いてお金を産んでいるという、こんなような世界の中に、ついつい、さっきの言われるみたいな、ナショナリズムみたいな話が出てきたり、武力に関係したりという展開に結び付く気がしています。
 だから、非常に情報という限定的なところが全体を支配しているわけではなくて、やっていることは物を作っていたり、いろんなことをしているものが大半で、情報は全部の中のほんの一部でしかない。いや、脚光を浴びているのは確かだし、そういうものが重要なのは分かるけれども、もっと大きなボリュームゾーンの部分があるだろう。
 だから、前回のときにはモノからコトへという、このキーワードは良かったんだけど、これは、もう次には変わっていくんじゃないかなと思っている。余りここを強調していると、情報の話ばかりに振り回されると、そういう気がしていました。これ、9月以降かもしれないですけど。

【五神委員】
多分、言葉遣いが若干違うので、違うことを言っているように聞こえるかもしれませんが、そのボリュームゾーンというのは、日本の既存の資源がどこにあって、それが2025年までに起こさなければいけないパラダイムシフトの後の日本の稼ぎにおいて、どういうふうに活用されているかという、重心をきちんと押さえないといけないという話です。いろんな状況変化がスピーディーに起こっている中で、例えば情報関係について言えば、モノとコトの分離は不可能になっていくわけです。だから、モノとコトがつながっている形で見たときに、日本の既存の優位性はどこにあって、それをどうてこ入れしていけば、集中投資も呼び込めるし、新しい形として伸ばせるのかというところを最初に議論しなければいけません。
 象徴的な話として、中教審の似たような議論のときに、経団連から来ていた委員の方が、それを役所に描いてほしいとおっしゃっていました。でも、産業界は正にそれを考えることが本業なわけだから、それはおかしいと思ったわけです。2025年なんて、そう遠くないので、描けないということはないはずなのですが、実際にはそれが描けていないという状況になっているようです。モノとコトが融合している状況の中で、サプライチェーン、あるいはバリューチェーンを考えたときに、大事なものが日本から消えていってしまうかもしれない、あるいは今なら間に合って、ここをグリップしておけば、かなりの優位性が発揮できるかもしれないということは、安全保障に限らず、経済も含め、全体的に大きなジオテクノロジーリスクになっているのだと思います。
 だから、そこのところを捉えるということを前提にしないと、今のボリュームゾーンのところはどうなるかという話は全く見えなくなってしまうという話だと思います。

【濵口主査】
よろしいですか。産業界側からも御意見頂けないですか。菊池さん。

【菊池委員】
既に大半の日本の産業界はグローバル化をしていまして、安全保障の問題はあるとは思いますが、アメリカに対しても売れるもの、中国に対しても売れるもの、これから新興国に対しても売れるものということを考えていく必要があると思っていまして、そういう意味では、安全保障のところから少し外れるような、もしかしたらローテックと言われるかもしれませんが、そういう部分をコアにして、やはり日本の一番の強みのものづくり、細かいことに関してだったら絶対に作り込めるというところに基点を置くというのが、やっぱり、どうしても必要なんじゃないかなと思っております。ものづくりだけは、もう避けて通れないと、そこだけが日本の生きる道だと、我々はそう感じております。

【濵口主査】
ありがとうございます。いかがですか。どうぞ。

【畑中委員】
産業界の立場から申し上げますと、経団連は昨年11月にSociety5.0が実現すると将来的にどのような社会になるか示した提言を出しております。また、今年4月には、政府研究開発投資についての提言も出しており、戦略的研究と創発的研究へ転換する必要があることなどを示しています。加えて、デジタライゼーション推進の一環として、AI利活用についても、今年提言を出しております。
 先ほど御意見もありましたように、既にほとんどの企業がグローバル化をしている中で、日本でなければならない研究領域がどこなのかは、それぞれの産業、企業によって異なります。例えば、我々はデータがなければ、データのあるところに使わせてもらいにいくことをやっておりますし、またデジタル人材が足りなければ、それを待っているのではなくて、どうしたら採用できるのか、あるいは複数の組織が共同で雇用契約を結ぶことができるのか、など柔軟な発想を持って主体的に行動を始めています。
この委員会では、日本国内のみの科学技術に関して議論が行われており、企業側からすると、少し違和感があります。今回、非常にきれいにまとめていただいているんですけれど、各々の論点について誰に対して何を要望するのかを明確に記載した方が良いのではないかと感じます。具体的対策1、2に対するコメントではありませんが、私どもが思っていることを申し上げました。

【濵口主査】
ありがとうございます。今の議論も含めて、2、3、4、5のところを展開したいかなと思いますが。先生、どうぞ。

【新保委員】
慶應義塾大学の新保です。具体的な対策、特に3に関係する点について意見を述べます。研究データの活用について、かなり細かくいろいろ書いてはおりますけれども、二つの面から、具体的に何をすべきなのかということが、かなり総花的にいろいろ書かれてはいるものの、具体的な政策、今後の方向について、余り明確ではないのではないかと。もう少し整理してはいかがかということで、二つの面ですけれども、データの活用については活用面と、それから適切な管理と保護で、大きく分けて考えても良いのではないかと。
 とりわけ大学と研究機関は、いまいち、この点については、国がいろいろとデータの活用について様々な施策を打ち出している一方で、大学におけるデータの活用というものは余り、それほど積極的に何か戦略的に進んでいるというところがないと考えます。とりわけデータ、最近ですとDFFT──Data Free Flow with Trustと呼んでいますけれども、DFFTをはじめとする、とりわけ国際的にも自由なデータ流通を前提とした様々な取組について、研究機関、大学が、そこにきちんと加わっているかというと、必ずしもそういうところについては、やや出遅れているのではないかと。
 さらに、国の政策との連動で、この総合政策特別委員会の施策として打ち出すからには、国の政策として最近、直近の政策としてもデジタル時代の新たなIT政策大綱、それから世界最先端デジタル国家創造宣言、これらとの連携がどうなっているのかということが全く分からないと。
 とりわけデジタル時代の新たなIT政策大綱の今回の目玉は、第1幕のサイバー空間としてのデジタル時代の取組が今回、第2幕に移行すると。そこのポイントが、サイバーとフィジカルの融合が今回の大きな目玉であります。したがって、従来、サイバー空間において議論されてきたものが今後はIoT、ロボットなども含めて、フィジカルとの融合が主な課題となってくるという観点からすると、デジタル時代のIT政策大綱において示されていることについても当然、こちらの政策にも取り込むべきであろうと。
 それから、世界最先端デジタル国家創造宣言においても、国全体の取組について、かなり明確に様々な施策を明示しておりますけれども、大学をはじめとする、この研究機関においては、やや一連の政策とは取組が異なる面があると思われます。これは、ある意味で、致し方ない面もありまして、例えば知的財産の保護にしても、個人情報の保護についても。知的財産の保護については、例えば学校その他の教育機関における複製の著作権法35条をはじめとして例外規定があるということで、最後は何とかなるのではないかと思っている節があるというところが一つ。それから個人情報についても、学術研究目的での適用除外があると。ただ、これは民間部門となりますので、国立大学は適用になりませんけれども。そうすると、こういった活用面において、一連の政策との整合性をいかにきちんとここに組み込んでいくのかということを見直してもいいのではないかと。
 二つ目は、一言で管理と保護。とりわけ、この活用するということで、例えば研究者が自由にデータを持ち出すポータビリティ性を確保するということは一つ重要な論点である一方で、特に海外における施策、とりわけ米国における現在の施策については、安全保障との関係において研究データの活用とともに、この保護をいかに徹底するのかと。
 我が国におきましても、現在そのような施策が、様々な施策が講じられておりますけれども、やはり、そういった点から、安全保障の面から考えて研究データの活用を行う一方で、いかに保護をするのか。これについても、従来型のデータの保護だけでなく、国の施策としてもCPSF、サイバー・フィジカル・セキュリティ対策フレームワーク、こういったものも既に打ち出されておりますので。大学は、このセキュリティについてもかなり、外部からの入退室を管理することもなかなか難しいですし、物理的にセキュリティを講ずるということも難しい。更にネットワークなどについては、かなりセキュリティが講じられていて、そういった面から自由に出入りできる大学におけるセキュリティ対策をどうやって考えていくべきなのかということを、ここでも、やはり考え直すべきではないかと思っています。
 以上であります。

【濵口主査】
ありがとうございます。この点、先ほど川端先生が言っていたSociety5.0のボリュームゾーンとは何かというの、この4ページのところですね。デジタル革命、ここをどうしっかり議論していくかによって第6期、大きな差が出てくると思います。今のお話、大学はオープンな組織であるためにセキュリティが十分できない、いろいろ課題があるんですけど、相当タフな問題がいっぱいあると思いますけど。新井先生、お願いします。

【新井委員】
ありがとうございます。済みません。この具体的対策のデジタル革命による新たな研究開発の推進に関しては、具体的取組は、かなり書き込んでいただけているなという気はするんです。随分良くなったなという感じはしています。モノからコトへというために、こういうことをしなきゃいけない。
 新保先生がおっしゃっていることは一々ごもっともではあるんですけれども、それとともに。では、新保先生がおっしゃっていたようなことを、各法人化された大学の事務担当者が理解しているか、あるいは、その顧問弁護士が理解しているかというと、全く理解していないような状況なんですね。
 具体的に言います。例えばCRESTで、ある領域で、社会実装を前提とした共同研究が採択されましたと。そういうようなことがあって、それでCRESTで始まりましたと。2年たって、途中で、ある研究者がどこかに異動しました。そうしたら、当然CRESTからお金が出ているものなわけですから、そのまま、そのデータはポータブルで研究者についていくはずなのに、もとの大学が、それは渡さないと言うとか、それとか、あるいは行った異動した先の大学が、それは、人を対象とした研究に関して、もう一回倫理審査をしますとか、共同研究やっていいかについて、もう一回審査しますといって、大体3か月やれないんですよ。4月に異動して、もう4月の委員会は終わっちゃっているので、5月に提出してくださいって5月に提出して、何の話か分からないので、もっと詳しく説明してくださいという話になって、大体、最短2か月、最長6か月、これ、ごねるんですよ。そうすると、本当にお金の無駄でしかないんですよね。それで、そういうことがありますというような状況です。
 例えば社会実装を前提としているような研究をするということになったときに、若手がやって、それで、それを起業しようとする、社会実装しようとしたら、兼業禁止がまず来て、特定の企業と連携しようとすると、それは公平性に欠くんじゃないかといって、利益相反委員会で法学部の先生がバツ出すみたいな、そういう話がどこでもあって。同じようなことを繰り返し繰り返し行われていて、基本的に、顧問弁護士としては、やらせないというのが一番安全なので、リスクがないので、やらせない方向になるわけなんですね。
 なので、本当はこれ、まずは。これ、濵口先生がいらっしゃるところで言うのは何なんですけど、ファンディングエージェンシーが、これは採択してやっていいと言ったわけなので、ファンディングエージェンシーがいいと言うものは、その費用でやるものに関しては、データポータブルであることは当然だろうと思うんですよね。その研究機関の間は。それは、ガイドラインをきちんと設定して、それで、そのファンディングエージェンシーの側が、それがいいと言ったら、そういうふうにすればいいだろうと。
 大学が。このモノからコトへという話というのは、正にそういう話で、モノに関しては、ちゃんと何とか番号が、購入番号が書いてあって、これについて、ファンディングエージェンシーに対して、これを何とか大学に持っていっていいですかといって、いいですよと言ったら持っていけますみたいな話があるわけなんですけど、コトについてどういうふうにするかについては、全部、契約物なので、法人に任されているんですよ。そこでそごが起こっていて、そこでタイムラグが起こって、そこで二重の投資が起こっているというようなこともあるし、この判断というのを各大学の事務ができるんですかといったら、それはできないでしょうという話もありますと。統一的になんか、出来やしないと。そのことが大学の多忙化にもつながっているし、研究のスムーズな移行にもつながっていない。
 だから、モノからコトへというのは、そんなに簡単な話じゃなくて、今まで何とか番号で、これって少額資産とか、何とか資産とかといって分類していたものが、名前が付けられないものになっていったときに、それをスムーズに研究が行われるようにするにはどうしたらいいんですかということを統一的にどうにかしないと無理でしょうということだと思います。
 そのことを多分、この「研究者が機関やセクターを超えて流動する際に、当該研究者が蓄積した研究データの帰属や転出後の取扱いについて、研究活動の継続性や知的財産との関係なども考慮しつつ、統一的なルールを検討する」ということになっているんだと思うんですけど、これ、ただ、こうやって検討するといって投げただけだと、多分どうしようもないので、例えば、何か法律も含めてやらないと、多分無理だなと思いました。

【濵口主査】
ありがとうございます。本当は菱山さんにいてもらうと、この話がもう少しできるんですけど、お見えにならないので。

【菊池委員】
先生、このデジタル革命のところで、これ、データの活用とか、何かそういうことを非常に強調されています。多分これまでの日本の強みというのは、物理とか、化学とかで、そういうものは圧倒的に強い。だから、そういうので先端的な電子工学のところが進んだとか、光工学のところ、光サイエンスが進んだというところがあると思うんですが、もう一つ、日本固有のめちゃめちゃ強いところが実はあるんじゃないかと。そこが実はAIとか、データフィケーションのところの本当の基礎科学になる。日本はもともと、こういうものの数学が一番得意な国だったはずなんです。そこの辺りが、今現在は数学の大半が抽象的な数学の方に入っちゃっている部分もあるんですが、もう少し、このAIとかデジタル革命に資する数理及び論理工学のところまで進めていくという一点が、この中に加えられると、本当に日本の強みがもっと出るんじゃないかなと思いました。

【濵口主査】
御指摘のとおりで、及ばずながらJST、数学とAIのプログラムも持っています。大洞さんにもっと考えてもらわないかんところですね。そこをしっかりやりたいと思います。
 今、菱山さんが来られたので。欠席裁判になるといけないけど。さっきから、これの4ページのところ、デジタル革命のところ、議論があるんですけど。大きく言って、日本の国と外の関係でいくと、サイバーセキュリティは全然維持できないんですけど、一方で、もう一つの議論は、日本の中では大学ごとに過度のセキュリティがあって、ある種のバリアがあって、情報システムを移行することもできないと。何かもう少し統一的に戦略を書いていただけることはないだろうかというのが先ほどからの議論なんですが、今、何かお考えのことはあるかどうか。こんな大変突然の質問をして申し訳ない。

【菱山サイバーセキュリティ・政策立案総括審議官】
ありがとうございます。私の所掌と少し違っているんじゃないかと思いますが。申し上げると、どっちかというと、セキュリティについては、まだまだいろいろ問題点があるかなというのは率直なところでございまして、それはまた別途お話しさせていただく機会があれば、したいなと思っております。

【原研究振興局振興企画課長】
研究振興局の振興企画課長の原でございます。今、この科学技術・学術審議会の下に、この総合政策特別委員会と同じ並びですが、情報委員会というのを今期から新たに作りまして、その中で情報分野の学問としての振興のほかに、情報のインフラストラクチャーとか、あるいはオープンサイエンス、オープンデータというものを総合的に議論していこうという仕組みを作ってございます。その中の一つの大きなテーマが、オープンサイエンス、オープンデータをどう進めていくかと。その中で、データのポータビリティですとか、あるいはデータの流通ということを議論していく必要があると思っておりまして。まだできたばかりなので、議論はこれからだと思いますけれども、非常に重要な課題だと思っています。

【濵口主査】
是非よろしくお願いします。新井先生、納得されましたか。

【新井委員】
オープンデータについては、また別途、オープンデータという話はあると思うんですけれども、研究途中で、まだオープンにできないというものもありますよね。それに対しての、異動に関するポータビリティということが非常に重要だと思っています。それが公共的資産なのか、それとも法人資産なのかという話があると思うんですね。研究者の発意による研究を行った結果としてのデータの蓄積というのは、個人資産にしても、ほとんど私蔵されるだけなので、本来的であればポータビリティを確保するべきなんですが、やっぱり契約自体が、例えば知見の担当者……。

【濵口主査】
ポイントを整理しちゃうと。

【新井委員】
はい、どうぞ。

【濵口主査】
普通、機械は大学を移っても持っていけるんですね。手続をすれば移行できるんですね。それと同じようなシステムを情報に関してもやっていただけるように議論していただけるといいかもしれないですね。今の点は、研究資産として、ということでお願いしたいと。よろしいでしょうか。

【新井委員】
はい。

【大洞文部科学戦略官】
ありがとうございます。データについてはルールがないということだと思いますので、そこ、しっかりと文部科学省内で検討したいと思います。

【濵口主査】
ここ、書き込んでいただけるものがあったら、お願いしたいと思います。

【大洞文部科学戦略官】
はい。あとセキュリティの話も、確かに重要だと思いますので、少しそこの観点も書き込みたいと思いますが、この委員会の場で、多分細かいルールを全て決めていただくというものではなくて、先ほど情報委員会の御紹介ありましたけど、こういうところが問題で、ここをやらなくてはいけないところを是非御指摘いただくような形で、まとめたいと思っております。よろしくお願いします。

【濵口主査】
はい、お願いします。越智先生。

【越智委員】
いつも地方からの意見ということで座長から私に意見を振られるんですけど、また今日もまず地方からの意見ということで、お話を何点かさせていただきたいと思います。
 やはり地方の国立大学が輝くということが、日本が輝くことに私は通じると思っています。今、運営費交付金は削減がずっと続いており、地方の大学はミニ東大の金太郎あめでは全然やっていけないということになります。やはり、ある部分、距離的に近い大学が連携し合いながら学問の多様性を担保するというような視点が、私は絶対に要るのではないかと思っています。そういう意味でも、今、C-KPIという共通業績指標で、広島大学、徳島、愛媛、山口が既に、それから島根が今そのシステムに入りたいと動いています。ある学問領域、科学分野でどこの大学が強いかとかいうところを見ながら、多様性を確保していくような方向でやっております。そういうところからも地方、地方大学の支援をしていただきたいというのが、まず1点。
 それと、もう一点は、これは全体的なことになるかも分かりませんけど、科学技術に関する目利きの人を安定的にある一定数持っている必要があるんじゃないかと常々思っております。もちろん専門家の方々が科学研究費をいかに配分するかというところはあって、NISTEPの非常にいい分析はあるんですけれども、常にそのことを考えて、公平な目で全体像が眺め、科学研究費の配分に積極的に関われる人を、ある人数抱えておく必要があるんじゃないのかと私は思っています。
 3点目、簡単に言いますと、五神総長が言われましたように、今、地方の大学の施設の老朽化は本当に大変な状況で、地方のある大学で壁が落ちて、そのときは下に人がいなかったので結果的に大変なことにならなかったんです。私もその大学の学長には言ったんですが、もう少しマスコミに発信をすべきではないかと。そういうふうなことが起こったと。ここで議論されることは、科学技術の最先端のことを国全体でどのように取り組むかですが、ただ、科学を支える基盤的な施設そのものが危うくなっているということは、もう少し国民の人に理解してもらい支援してもらえるような形をとるべきではないかと思っています。
 以上です。

【濵口主査】
ありがとうございます。貴重な御意見頂きました。論点が必然的に5ページ目に今移っておりますので、4ページのことも含めながら、この人材育成をどうしていくかというところにも少し御意見を頂ければと思いますが。順番に。どなたから行きますか。はい。

【知野委員】
日本の科学技術がどちらの方向に向かって進むのかというのは、専門家以外の人も興味があると思います。ただ、今回頂いたものは非常に膨大で、専門的で、かつ、かなりまだ抽象的なので読み下すだけでも大変だと思います。
 それで、先ほど誰に向かって言っているかが分からないという指摘もありましたけれども、やはり主語を、これからどれだけ埋められるかという、そこが重要ではないかと思います。
 例えば5ページ目の人材のところですけれども、出る杭が伸びるような文化と仕組みを内包した社会への移行とありますが、こういう社会というのは、じゃあ具体的に、どこが、どのようにして創っていくのか、どんな社会なのかという、その辺りを少し議論して入れていかないと、極めて抽象的なままだという気がします。下の方に細々書いてはあるんですけれども、やっぱり、そういう大ぶりの議論が必要かと思います。
 それから、その次のページの政策イノベーションも、行政内部の改革と御説明頂きましたけれども、確かにそうですので、もう少し具体的に、どこの役所がどうするべきなのかなど、そういう議論も入ってこないと、目に見えてこないと、そういう気がいたしました。
 それで、一つ、質問ですが、参考資料ですが、研究者のキャリアステージのイメージのこの図は非常によくできていて、頭の整理になって、分かりやすいですが、ただ、これが、これからのものと結び付くのかどうなのか。いろいろ変化が起きてくれば、このイメージの限りでは全然ないし、これが理想形でもないかもしれない。そういう社会に移行していくという話とこれとが、結び付かないので、その辺の御説明などを頂ければと思いました。
 以上です。

【濵口主査】
ありがとうございます。大洞さん、何かコメントございますか。

【大洞文部科学戦略官】
キャリアステージのイメージという図でございますけれども、確かに今まで科学技術の基礎研究をどう伸ばしていくかというシステムで、こうあるべきだというところを、いろんな方の御意見を伺いながら作ったものです。社会が、参考資料1のように、どんどん変わるときに、多分このシステムもどんどん変わってくるのだと思います。こういったリニアなモデルではなくなってくると。ただ、そこの絵をどう描いていくかというところは、検討の論点の、5ページのようなところで少し議論を是非していただきたいとは思っておりますが、具体的に、こういうシステムに変わるべき、ここがこう変わっていくべきという姿がありましたら、是非我々にお知恵を頂ければと思っています。よろしくお願いいたします。

【濵口主査】
竹山先生。済みません、それから土井先生。

【土井委員】
済みません、私、50分に出ないといけないので。

【濵口主査】
そうか。土井さんも、もう出なきゃいけない。済みません、では、土井さんから先に。

【土井委員】
いいですか。済みません。3点短く。
 1点目は、1ページ目のところで、マル3、マル4、インクルーシブ・イノベーションとか、イノベーションの担い手のキャリアシステムって、少し意味が分からなくて、実際に見てみると、5ページのところでは、あらゆる科学技術イノベーションの担い手の活躍と、微妙に名前が変わっちゃいますが、ある意味、多様性とか個性を伸ばすということを重視されているので、今、知野委員が言われたように、分かりやすさということで、あえて、この難しい言葉を使わなくてもいいんじゃないかなと思いました。というのが1点目です。
 2点目は、そういう意味では、具体策のところ、いろいろ書き込んでいただいていて、いいんですけれども、一つ気になりましたのが、3ページ目のところに、トップが経営資源をちゃんと把握できるようにするという話があるんですが、これは各大学に任せて、そういうシステムを作りなさいというと大変なので、きちんと、こういう経営資源のやるというのを、やっぱり、これもデジタル革命の一つですので。例えば国立大学は、もう共通でこれをやれば、使えばいいんですみたいな、そういうきちんとしたシステムを作っていただくことが。だけど、そのときに、e-Radのように使いにくいシステムにならないようにしていただいて。民間は、もうこういうことは全部デジタル化できているので、ある意味、大学は、まだまだこれから、そういうことを進められると思うんですが、それを各大学がみんな二重投資するような形にならないように是非考えていただきたいというのが2点目です。
 3点目は、今御指摘のあった参考資料2なんですが、気になりましたのが、一番左上のトップに書いてある科学的思考法というのが、これってマスター以上でしか出てこないんですか。何か余りにも遅過ぎる気がするんですけれども。学部生か、あるいは高校生とか、中学生でやる話のような気もするので、もしかすると、私が勘違いしているのかもしれないんですが、その辺り、少し検討願えればと思います。言いっ放しで申し訳ありません。

【濵口主査】
大洞さん、お願いできますか。

【大洞文部科学戦略官】
最後の科学的素養については多分、いろいろなレベルで、いろんな段階があって、博士課程学生が最終的に身に付けるべきものが社会に求められるべきものと。その辺りのラインをどこに設定するかということを、議論していただきたいと思っております。ありがとうございます。

【濵口主査】
それでは竹山先生、お願いします。

【竹山委員】
人材育成に関しては2点コメントがあります。参考資料2の研究者のキャリアステージのイメージ図です。いつも論議になるかと思いますが、研究者とは、どこにいる人たちをイメージしているでしょうか。備考のところを見ますと、ポスドク、助教、准教授、教授となっており、大学だけをイメージしているように見えます。JSPSのDCとPDデータを見る機会がありましたが、DCをもらっていた学生が博士取得後にPDに応募する人数が減っている事実があります。その内訳は、ベンチャーを含めて企業に行く場合もある場合もあるでしょうし、先生方の研究費でポスドクとして雇用される場合もあるかと思います。PDは、学位を取った所属機関以外で研究活動をすることが義務付けられているので研究を継続するために、所属していた研究室の研究費で雇用されている可能性もあります。よく分かっていない状況なので、もっと調査する必要があります。
 企業の研究所にも研究者は多くいますし、そちらの方が魅力がある、安定していると感じる学生もいると思います。このような状況の中、このキャリアパスのイメージは、研究者は大学、というイメージを与えてしまうと思います。
 あともう1点は、国際化という点です。まずは日本人という気持ちもあるかと思いますが、既に多くの留学生もいる現状と、海外からの研究者を招聘して国際化を促進することを考えるともっと発展的にイメージ図を考えることはできないでしょうか。ダイバーシティと少子化問題から、女性、シニア人材活用という話は多く出ますが、留学生は大きな人材プールになり、多様度の向上に貢献すると思います。研究セキュリティー等の問題で、留学生や外国の研究者の扱いには微妙なところがありますが、彼らが日本に定住して日本の国力に貢献できるような環境と魅力を提供できるかどうかが重要なのではないでしょうか。

【濵口主査】
ありがとうございます。特に大学院のキャリアパスって、やっぱり教員になる人は少ないと思うんですね。ポスドクも書いてあるけど、一番問題は、ポスドクになってデッドロックになってくるのが、今、悩みの深いところなので、やっぱりキャリアパス、もう少し多様な形で描きながら、そのサポートがどうなっているかというところを書き込んでいただければなと思います。よろしくお願いします。

【濵口主査】
それでは、どうぞ。

【塚本委員】
ありがとうございます。簡単に2点だけですが。この参考資料というのは、最終的に提言の中に入るのでしょうか、骨子案として。

【大洞文部科学戦略官】
御議論いただいたものをベースとして、入れるべきものを入れていきたいと思っています。

【塚本委員】
大変キャッチーで、政府っぽくなく面白いと思います。このチャートは、世界に打って出るためのスキームで、大企業、超有名大学中心になっているように読めます。この方向も重要だと思いますが、こちらを最終報告書に使うのであれば、2にあるような、地域コミュニティと一緒に地方の大学が取り組むという取り組みも、もう一枚入れた方が、よりバランスがとれると思います。
 もう一点は、皆さまより御指摘のあったように、具体的対策の4と5のところになります。「あるべき姿」が、骨太の方針に出ているような一般論というか、日本全体の課題になっているように思うので、科学技術・学術審議会ならではの「あるべき姿」を入れ込んだ方が、より分かりやすいのではないかと思いました。
 以上です。

【濵口主査】
ありがとうございます。お願いできますか。宿題増えますが。

【大洞文部科学戦略官】
今回の議論を取り込んだ形で次回、御提示させていただきたいと思います。ありがとうございます。

【濵口主査】
それから、もうあと少ししか時間ないんですけど、6ページ目が、これ、私は文部科学省としては画期的な自己批判文章だなと思って見とったんですけれども、御意見ありますでしょうか。

【白石委員】
よろしいですか。本当に、実は参考資料2で、これ、上の方が年が幾つなのか書いていないので。4次の基本計画のときには再審制という言葉が入っていたはずなんです。私、自分で書きましたので覚えておりますけれども。その趣旨は、仕事する人に、いつまででも働いていただくのはいいんですけど、ただ乗りする人もいっぱいおりますので、再審制を、私は6次ぐらいのところで、やっぱり入れるべきだと。テニュアトラックといって若い人をきちっと審査するんだったら、年寄りも審査すべきだと私は思います。

【濵口主査】
ありがとうございます。もう本当時間ないですけど、全体通じて。では、五神先生。

【五神委員】
1点だけ、若手雇用のところで、CSTIで定めた統合イノベーション戦略で、40歳未満の教員を30%以上にする目標が掲げられました。いろんなところで再三、今、このタイミングで40歳以下という区切りはアンフェアになるから絶対やめてほしいということを言ってきていますが、やはりそれをきちんと修正した方がいいと思います。40歳という年齢に特別な意味があるわけではありません。一方で、国の施策として行ったポスドク一万人計画の対象となった世代はもう40代後半になっています。そこの人たちを見捨てるようなメッセージは、40歳以下の人に対しても極めてネガティブな影響を与えることになってしまいますので、ここを修正することは重要です。
 それから大学については、やはり2025年には、もうミッションが変わっていないといけないということを、多くの場で表明していかなければいけません。先日の未来投資会議で決定された成長戦略実行計画では、「大学は、知識集約型社会における付加価値の源泉となる多様な知を有しており、大学の役割を拡張し、変革の原動力として活用する」という文言を書き込んでもらいました。そうした記述も前提として、今までのものではない、役割が拡張するから、そこに資源を集中投資することが必要だということを是非書いていただきたいと思います。

【濵口主査】
もう少し大学に自由度を与えてほしいと。自己裁量権というところですかね。特に評価のところなんか、たくさんあり過ぎて、いつも非常に重荷になっていると思います。
 新井先生。

【新井委員】
実は今、五神先生がおっしゃったこととほとんど同じことを言おうとしたのであれだったんですけれども。やはり今回、シニアと中堅と若手とバランスがとれた構成にというのは、本当に、過去の60歳定年を65歳に段階的に引き上げて、それで団塊世代の方が退職するはずだったのにしなかったところとポスドク一万人のところがぶつかったので、正に今、38歳から48歳ぐらいの方が一番ひどい目に遭ったという、正にロスジェネに当たるところがあるわけですよね。そこのところへの配慮ということも必要だし、そこの、やっぱり悪いメッセージが、今、博士人材が来ないということに非常に強く効いてしまったという。それは本当に政策の失敗だったということを、多分ここのところで、今回はきちんと反省しましょうということだと思うんです。
 ですので、この後、そういう悪いメッセージが出ないように、常にバランスをきちんと見るということ。そのことが正に、先ほどおっしゃったように、60歳で1回。企業だと大体そうですよね。60歳で1回査定して、その後、再雇用するにしても金額が違いますとか、65歳でもう一回、何か特任にするにしても金額が違いますとかというようなことが、企業ではしっかり行われているのに、大学はそうなっていない。それで65歳から、この後、シニアの更なる活躍をみたいな話になって、65歳から70歳の方を特任で雇うお金が若手のポストを奪ったら、元も子もないので、そこのところはしっかりしていただきたいなと思います。

【濵口主査】
ありがとうございます。バランスある手当をしていただきたい。

【川端委員】
済みません、1点だけ。

【濵口主査】
はい、どうぞ。

【川端委員】
イノベーションの担い手のところなんですけど、人材委員会でもどこでも、NISTEPの結果で、要するにPh.D.ホルダーの数が日本だけ減っているという、これをともかくど真ん中に置かないといけないと思います。増やすんですね、うちの国はと。ここが、みんな不安になっているんですよ。要するに、PhD就職のマーケットはちっちゃいんだから、数も減ってしゃあないでしょうといって、大学の教員たちもあきらめかけています。増やそうという力がどんどん消えていっているから、アカデミア離れというのも加速されている部分もあるので、メッセージとしては、これを増やすなら、日本は増やすのですと、こういうメッセージが出ればいいなと思っています。

【濵口主査】
すごい重要な点ですね。これ、覚悟が要ると思いますけど。

【大洞文部科学戦略官】
社会構造的には増えていくべきなのですが、先ほど竹山先生がおっしゃったように、キャリアパス、出口と併せてやっていかないといけない問題かなとは思っておりますので、また、どう書くか検討させてください。

【濵口主査】
あと5秒ぐらい、言い残したことある人。竹山先生、いい?

【竹山委員】

はい、結構です。

【濵口主査】
はい。では、今日は水入りとさせていただいて……。次回、もう一回ありますので、今日の言い残したこと、もう一回しっかりまとめていただいて、次回、反映させていただければと思います。
 それでは、事務局にお返しします。

【大洞文部科学戦略官】
では、後ほど、また議事録等を確認させていただきます。
 次回、7月23日、16時30分から開催予定です。こちらで、今の論点ベースの取りまとめを、まずはさせていただきたいと思っております。
 先生方、御意見等、この場で言い切れなかったことあると思いますので、是非、事務局の方に直接御意見頂ければ、それも反映させた形で次回の資料を取りまとめていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

【濵口主査】
メールでも、電話でも、何でも結構ですので、よろしくお願いします。それで、それでも言い足りないのは、23日、絶対確保して出てきてください。よろしくお願いします。
 それでは、今日の総合政策特別委員会を終了させていただきます。どうも長時間ありがとうございました。

お問合せ先

科学技術・学術政策局 企画評価課

(科学技術・学術政策局 企画評価課)