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1.課題名: エネルギー起源CO2削減のための超耐熱材料イニシアティブ

2.課題概要: 新超耐熱合金を用いて超高温に耐えるタービン翼を持つガスタービンを開発し、火力発電の熱効率を60%以上に向上させるなど、発電関連CO2排出量の30%(国内総排出の10%)削減を可能にする。

3. 評価の検討状況
(1)課題設定の妥当性(必要性)
1 国の方針との適合性
  本プロジェクトは分野別推進戦略、平成15年度資源配分の方針及び研究開発推進方策並びに地球温暖化大綱において位置づけられており、国の方針と合致する。
  また、地球温暖化対策のためのCO2排出量の削減については、世界規模で早急に取り組むべき課題であり、我が国においても積極的に進めていく必要がある。
   
2 リーディング・プロジェクトとしての妥当性
プロジェクトしての基本的性格
  ガスタービンの開発については、8年間で実用化が期待され、基本的性格を踏まえたものである。

研究開発成果の持つ経済活性化効果等(実用化された場合の社会・経済へのインパクトを含む)
  本プロジェクトの成果については、ガスタービン等の実用化による経済効果に加え、地球温暖化対策としても重要な意味を持つ。

研究開発成果の目標とスケジュール
  本プロジェクトの成果は製品の実用化を目指すものであるが、そのスケジュールは概ね妥当と考えられる。

大学等と産業界の役割
  本プロジェクトは、公的研究機関の要素技術を産業界との連携により実用化までに一連の研究を共同で行うものであり、それぞれが得意な分野を補完しながら適切に研究開発が進められていくものと考えられる。

政府部内における既存制度における研究開発課題及び他経済活性化プロジェクトとの関係
  本プロジェクトは、これまでの物質・材料研究機構における材料研究の成果をもとにタービンの設計、製作、実証まで一貫して行うところに特徴がある。しかし、これまでのプロジェクトを十分踏まえるとともに、相互に連携を取りつつ進めていくことが重要である。

(2) 手段の適正性(有効性・効率性等)
1 研究体制の妥当性
研究責任者(プロジェクトリーダー)の適否
  耐熱材料研究については国内で第一人者であり、タービンの設計等についても専門的知見を有することから、責任者として妥当と考えられる。

研究体制及び研究運営方法の妥当性
  研究実施者、メーカー等からなるプロジェクト会議及び有識者等からなる評価委員会により、適切に研究開発が進められるものと期待される。

2 研究計画の有効性・効率性
費用対効果
  本プロジェクトの成果には大きな波及効果が見込まれるものであり、高い費用対効果が期待される。また、地球温暖化対策という観点からも意義がある。

知的財産の取得・活用方針
  本プロジェクトの推進により関連分野の特許群の取得が期待される。

4. 評価結果
  エネルギー効率化のための材料開発については、国として推進すべき課題であり、本プロジェクトについては、我が国初の材料シーズを用い、製造技術も含めて実機タービンの実証試験までを一貫して行う点で重要である。しかし、本分野については、通商産業省のプロジェクトとしてこれまで取り組んできた経緯があり、それらを十分に踏まえるとともに、相互に連携を取りつつ進めていくことが必要である。また、材料費を含めて、タービン製作コストと効率向上による効果の見通しに十分留意する必要がある。

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