戻る


1.課題名: 光技術を融合した生体機能計測技術の研究開発

2.課題概要: 高齢化社会の問題を解決するため、光技術を融合した診断・検診技術等の開発を行う。

3. 評価の検討状況
(1)課題設定の妥当性(必要性)
1国の方針との適合性
  ポジトロンCT(PET)による疾病の早期診断・検診を普及させるため、レーザー技術などの光技術を融合した、トレーサーの研究開発、スクリーニング技術の研究開発、PETの高度化研究などのがん・痴呆等の早期診断・検診の基盤技術の研究開発を行い、健康な社会を実現することを目的とするものであり妥当である。

2リーディング・プロジェクトとしての妥当性
プロジェクトの基本的性格
  本プロジェクトは、疾病の早期診断を実現するため、トレーサーの研究開発、スクリーニング技術の研究開発、PETの高度化研究を行い、5年で成果の実用化を図るものであり、早急な取り組みが必要である。
研究開発成果の持つ経済活性化効果等(実用化された場合の社会・経済へのインパクトを含む)
  本プロジェクトにおいては、PET装置、サイクロトロン代替のポジトロン放出核種生成レーザ装置及び関連機器の全国的な普及により、大規模な市場が開拓されるとともに、診断用トレーサー単独でも、核医学標識トレーサーの市場規模と同等程度が期待される(年数百億円)。
研究開発成果の目標とスケジュール
  PET用トレーサーの研究開発、疾病のスクリーニング技術、PETの高度化技術の開発等を5年間で実施する計画である。各研究の技術進捗を適切に把握し、実用化を目指した柔軟な計画運営に配慮する必要がある。
大学等と産業界の役割
  最先端のレーザー技術をもつ大学、民間等の技術を取り入れたPET装置の高スループット化などの基礎研究等の取り組みを産学官密接な協力体制のもと、一体となって推進することが必要である。
政府部内における既存制度における研究開発課題及び他の経済活性化プロジェクトとの関係
  大学、研究機関等で基礎・基盤的研究が実施されているが、本プロジェクトではそれらの成果を集結し実用化することを目指しており、重要なプロジェクトである。

(2)手段の適正性(有効性・効率性等)
1研究体制の妥当性
研究責任者(プロジェクトリーダー)の適否
  本プロジェクトのプロジェクトリーダーは国内でPET臨床研究が開始された当初から先進的研究に携わっており、これまでに優れた成果や論文を数多く出している。日本核医学会理事を務めるなど、国内核医学会の中心的存在であり適切である。
研究体制及び研究運営方法の妥当性
  本プロジェクトの実施にあたっては、参加機関及び参加企業並びに外部有識者からなる研究推進委員会を開催し、研究計画の立案、研究進捗状況の検討等を行い、各研究項目の連携を図ることとしている。放射線による被曝の問題をきちんと評価しながらプロジェクトを進めていく必要がある。

2研究計画の有効性・効率性
費用対効果
  本プロジェクトは、直接的には設備整備としても大規模の新規事業の創出につながるだけでなく、医療費の削減等による高い経済的効果は非常に大きい。高密度レーザー技術による核変換技術のはじめての実用化技術開発の端緒となるプロジェクトであり、新たな産業開発への発展も期待される。
知的財産の取得・活用方針
  本プロジェクトにおいて創出された知的財産については、特許等を積極的に取得するとともに、その実用化に向け有効に活用する予定であり適切である。

4. 評価結果
  高齢化社会の問題を解決するため疾病の早期診断・検診技術等を開発することは重要であり早急なプロジェクトの着手が適切である。その際、各研究の技術進捗を適切に把握しつつプロジェクトを推進することが重要である。

ページの先頭へ