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1.課題名: 生命分子(タンパク質、糖等)生産プロジェクト

2.課題概要:   抗体・酵素・ホルモンなどのタンパク質生産技術やタンパク質の機能発現・維持に大きく貢献する糖鎖等のタンパク質付加技術の開発とその実用化を進め、ゲノム創薬への応用へ結びつける。

3. 評価の検討状況
(1)課題設定の妥当性(必要性)
1国の方針との適合性
  将来発展する可能性のある課題であり、技術革新を通じて産業競争力の強化や、新たな市場を切り拓くことが期待される。「ライフサイエンスに関する研究開発の推進方策について」においても、タンパク質の修飾、糖関連物質の機能解明等の重要性を指摘したところである。

2リーディング・プロジェクトとしての妥当性
プロジェクトの基本的性格
  それぞれの重要要素技術をもとに、生命機能分子の生産と利用技術を開発していくもので、意欲的な内容となっている。
研究開発成果の持つ経済活性化効果等(実用化された場合の社会・経済へのインパクトを含む)
  本プロジェクトの目標が実現された場合は、大きな経済効果が期待される。
研究開発成果の目標とスケジュール
  確実に目標が達成されることが見込まれる課題と、5年間で目標達成に大きなブレークスルーが必要な課題もある。特に、利用技術の実用化の中で記述されている疾患のうち、現時点では研究計画が必ずしも見通せない疾患もあり、これらについては今後十分な検討が必要である。
大学等と産業界の役割
  産業界の参加の意志が明確に示されてあることは評価できる。
政府部内における既存制度における研究開発課題及び他経済活性化プロジェクトとの関係
1タンパク質の無細胞系生産については、既存プロジェクト(タンパク3000)で要素技術や小規模レベルでの技術開発が進められており、本プロジェクトにその成果を取り入れることとされている。
2 経産省は糖鎖の合成装置等の機器開発に向けたプロジェクトを計画している。両省の経済活性化のためのプロジェクトは相補的関係になっており、適切である。

(2)手段の適正性(有効性・効率性等)
1研究体制の妥当性
研究責任者(プロジェクトリーダー)の適否
  本プロジェクトに関連する分野全般にわたり、長年取り組んでおり、研究実施面、利用面の双方において多くの実績を有しており、適任である。
研究体制及び研究運営方法の妥当性
  研究拠点を中心に実施する形態とともに、実施課題の内、広く計画を公募し、優れた提案を採用していくことも予定されているなど、研究推進に必要な産学官連携体制の下、効率的な研究実施が見込まれ、適切である。

2研究計画の有効性・効率性
費用対効果
  目標が達成された場合、大きな経済波及効果が期待され投資に見合うとともに、経済活性化の観点から大きな効果が期待される。
知的財産の取得・活用方針
  機能性糖タンパク質などの生産プロセス開発で見出された手法や治療薬、保健・機能性食品等の開発技術・利用において適切な知的財産を取得し、我が国の産業界が実用化していくことが重要である。

4. 評価結果
  新しい技術体系を構築していく上で具体的な方法論が重要なプロジェクトである。利用技術の実用化については、現時点では、必ずしも具体的な方法論が見通せない部分もあり、資金の効率的使用等の観点から今後の計画の進捗状況を厳しく把握した適切な計画管理が重要である。また、利用分野の絞込みも検討されることが適切である。

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