(参考)用語集

●GIS:地理情報システム(geographic information system)

 電子情報化した地図データと空間データ(地理的位置や空間に関する情報を持った自然・社会・経済等の属性データ)をコンピュータ上で結合させ、統合的に処理・管理・分析し、その結果を表示する情報処理システム。

●SAR:合成開口レーダ(synthetic aperture radar)

 画像により地表を観測するためのリモートセンシングセンサーの一種。レーダ分解能を向上させるため、人工衛星等の移動を利用して次々と反射されてくる電波を合成処理することにより、その軌道上に仮想の巨大アンテナがあるのと同等な画像が得られる。このレーダで同じ場所を時間をおいて2回観測し干渉処理を行うと、面的な地殻変動の分布を高精度に検出することが可能

●アーカイブ:(archive)

 もともと公文書を保存しておく保管庫を意味する。歴史、文化遺産や資料等を保存・蓄積し、必要な時に容易に取り出せるようにすること。

●アスペリティ:(asperity)

 不均質な断層面上で、通常は強く固着していて、ある時に急激にずれて(すべって)地震波を出す領域のうち、周囲に比べ特にすべり量が大きい領域のこと。

●災害エスノグラフィー:(disaster ethnography)

 災害を現場で体験した被災者や災害対応従事者自身の言葉(目に見えるもの)をあるがままに記述し、将来の災害においても再起する現象を系統的に整理し、災害過程(目に見えないもの)を明らかにする手法。

●災害時支援・対応ロボット

 大震災等における緊急災害対応(人命救助等)のための人体検索・情報収集・配信等を支援することを目的としたロボット。人間が接近することが困難な被災地(倒壊建造物内、地下街等)の調査及び情報収集能力の拡大に貢献することが期待される。

●実大三次元震動破壊実験施設:(E-ディフェンス)

 文部科学省と独立行政法人防災科学技術研究所が兵庫県三木市に建設した震動台(2005年3月完成)。20×15メートルの広さのテーブルに、1,200トンの重さの構造物を積載可能。三次元的に、縦揺れ、横揺れを起こし、4階建てのビルで阪神大震災クラスの揺れを再現できる。地震による構造物破壊のメカニズムを解明し、耐震技術の向上に大きく貢献することが期待される。一般には振動台という言葉が使われるが、この施設は地震そのものを再現するという意味で、震動台という。

●数値振動台

 建築物、土木構造物、ライフライン、産業施設、地盤等、構造物の地震時挙動を数値解析的にシミュレートするソフトウェア又はシステム。

●スケーリング則

 規模の異なる地震の震源パラメータ間に成立する相似関係のこと。この相似関係を用いることにより将来発生する地震の震源パラメータを推定できる。

●地表地震断層

 地震波の発生源である震源断層のうち、地表に現れたもの。

●パネル調査

 同じ調査対象者に同一項目を反復して調査することにより、一定期間での変化を把握する調査方法。

●ヒューマンインタフェース:(human interface)

 コンピュータと人間との接点となるソフトウェアやハードウェア。

●ライフライン:(lifeline)

 都市生活に不可欠な供給施設(水道・ガス・電気)、処理施設(下水)、交通施設(道路、鉄道、空港、港湾)、通信施設(電話、データ通信)等の都市施設。

●リモートセンシング:(remote sensing)

 離れた所から直接触れずに対象物を固定あるいは測定し、またその性質を分析する技術。物体から反射または放射される電磁波の固有性に着目し、電磁波を観測して、物体の識別やそれが置かれている環境条件を把握する技術。

●ロジスティクス:(logistics)

 物、輸送路、情報伝達経路等の確保その他の後方支援。

●防災力

 加害力に対する脆弱性を発生させない、個人と社会の能力。

●脆弱性

 加害力が作用した場合に人命と財の損失の原因になる社会的ならびに工学的な要素。

●ハザード:(hazard)

 人間に被害を与え得る要因。例えば、地震・火山噴火・豪雨・台風など。

●リスク:(risk)

 ハザードによって被害を受ける可能性。被害の例としては、(地震等による)家屋倒壊、(台風等による)浸水などが挙げられる。リスクの大きさは、ハザードの発生確率と発生した場合の社会的影響の大きさの積によって捉えられる。

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