1.航空科学技術の研究開発の意義

 航空科学技術の研究開発は以下のような意義を有しているため、これらを念頭に置きながら、文部科学省として戦略的に研究開発を推進する。

○我が国の社会基盤を支え、安全・安心で持続的に成長する社会に貢献する
 世界有数の航空輸送量をほこる我が国では、航空輸送システムは最も重要な社会基盤の一つとなっている。航空科学技術の研究開発を行うことにより、公共交通システムとしての航空輸送システムに不可欠な高い安全性及び環境適合性を確保した上で、より大量かつ高速な航空輸送を実現することは、社会の持続的な成長に大きく寄与するものである。

○高い技術波及効果により我が国の科学技術及び産業技術基盤を充実させる
 航空機は、巨大かつ複雑なシステムであり、設計、製造にはあらゆる要素技術を一つの製品へ統合していく極めて高いものづくり技術が必要である。また、航空機に適用される技術は、情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料、エネルギーといった幅広い分野とも密接に関連することに加えて、高い水準の性能や信頼性が要求されるため、他産業に比べて技術波及効果が極めて高く、先進的で付加価値の高い技術の開発を牽引することになる。このため、航空科学技術の研究開発を行なうことは、今後とも我が国の科学技術及び産業技術基盤のさらなる充実に貢献することになる。

○我が国の航空機産業を基幹産業へ高め、裾野の広い産業の育成に貢献する
 航空機は、膨大な部品点数から構成されており、材料、個々の部品、装備品及びそれらの組み立て等において、幅広い裾野産業を必要とする。航空科学技術の研究開発を行い、将来の基幹産業として航空機産業を発展させ成熟させることは、裾野をなす産業を活性化させ、同時に大きな雇用を生み出すことにつながり、産業の育成に貢献するものである。

○我が国の安全保障の基盤を形成する
 安全保障において航空は重要な役割を担っており、その研究開発を行うことは我が国の自立性を確保し、安全保障の基盤を形成することにつながる。

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科学技術・学術政策局計画官付

(科学技術・学術政策局計画官付)