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Home > 政策・施策 > 審議会情報 > 科学技術・学術審議会 > 研究計画・評価分科会 > 情報科学技術委員会(第16回) 配布資料 > 資料7−3−2

資料7−3−2

「安全なユビキタス社会を支える基盤技術の研究開発プロジェクト」事業評価(案)

1.課題名 安全なユビキタス社会を支える基盤技術の研究開発プロジェクト
2.課題概要  ユビキタス社会において、小型の携帯端末環境でも、高精細で高価値なコンテンツに関する利用者の要求を安全かつリアルタイムに処理することが可能な、安全が確保された組込型の基本ソフトウェアや高度な暗号化に対応し不正なアクセスに対しても高い防御力を有するチップ等の基盤技術の研究開発を行う。
 なお、本研究開発は「次世代IT基盤構築のための研究開発」のプロジェクトのひとつとして、競争的資金の枠組みのもと、文部科学省が大学等の研究ポテンシャルを有する研究拠点を公募し、外部有識者等を含めた審査検討会により審査を行い、当該拠点を中心とした産学官連携体制により推進する。
※ユビキタス:
 語源はラテン語で「同時にいたるところに存在する」という意味。いつでもどこでも誰でもネットワークを介して情報を利用できるような状況を指す。
3.評価の検討状況
(1) 課題設定の妥当性(必要性)
1 目標と達成手段
 ユビキタス社会における安全かつ適切な情報の利活用を支える、ユビキタス機器のための高安全性組込型基本ソフトウェア、ユビキタス環境で高度に安全な情報発信を可能とするICチップなどの基盤技術を確立し、例えば小型携帯端末による高精細で高価値なコンテンツ等の安全かつリアルタイムな処理など、個々の利用者がニーズに対応して、必要な情報を最適な方法で適時かつ安全に得られるユビキタス社会の実現を目指す。
 各研究開発領域において、産業界による研究開発への人的・資金的貢献及び研究開発成果の製品化等への貢献を条件に、競争的手法により、早期に実用化可能な研究開発テーマに関して、優れた研究リーダーを中心とした産学官連携体制を構築して、効率的かつ効果的に研究開発を実施する。

2 必要性
 世界に先駆けてユビキタス社会を構築し、各国を先導するためには、常に世界をリードする革新的な技術開発にチャレンジし、国際的な標準化を先導していく、いわゆるキーテクノロジーに関する研究開発を積極的に推進することが必要不可欠であるが、この中で、デジタル・コンテンツ等の安全かつ適正な利活用をさせる基盤技術となる本プロジェクトの役割は大きい。「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2004」(平成16年6月3日 経済財政諮問会議)において、電子タグの活用による商物流の効率化、ITに関する信頼性・安全性の一層の強化等を推進するとされているほか、「我が国の持続的発展のためのキーテクノロジーの推進について」(平成16年5月28日 科学技術創造立国・情報通信研究開発推進調査会)、「平成17年度の科学技術に関する予算、人材等の資源配分の方針」(平成16年5月26日 総合科学技術会議)においては、ユビキタスネットワークによる安心・安全で快適な生活の実現に向けた、ネットワーク基幹技術、コアデバイス等の技術の研究開発及び実証を推進するとされている。
 さらに、e−Japan戦略2(平成15年7月 IT戦略本部)において、ブロードバンド型サービスの本格的展開のため、デジタル情報が個の間で自由に交換、共有できる基盤を整備するとされ、世界最先端のIT国家実現のための申入れ(平成16年6月8日 自由民主党政務調査会e−Japan重点計画特命委員会)においても、携帯端末を活用して、誰もがいつでもどこでも利用できるユビキタスなコンテンツ利用環境が実現するよう、必要な技術開発を行うとともに、実証実験等により、権利者が安心してコンテンツを委ねられる環境整備に努めることとされていることから、国が支援を行うことが必要不可欠である。

3 期待される効果等
 安全なユビキタス社会の基盤技術である、高安全性組込型基本ソフトウェアや高度に安全な情報発信を可能とするICチップの開発が実現される。
 また、研究拠点を形成することにより我が国がこれまで積み上げてきた基礎研究の高いポテンシャルを活用して、情報通信分野における革新的な成果が期待できる新しい先端的融合領域が開拓される可能性がある。
 さらに、世界に先駆けてユビキタス社会を構築することにより、国際的な標準化における優位性を確保することが出来る。

(2) 手段の適正性(有効性・効率性等)
1 研究体制及び研究運営方法の妥当性(大学等と産業界の役割)
 本研究開発は「次世代IT基盤構築のための研究開発」のプロジェクトのひとつとして、競争的資金の枠組みのもと、文部科学省が大学等の研究ポテンシャルを有する研究拠点を公募し、外部有識者等を含めた審査検討会により審査を行い、当該拠点を中心とした産学官連携体制により推進する。

2 研究開発成果の目標とスケジュール
 ユビキタス社会を支える基盤技術の研究開発には、産業界における実用化に向けた当該技術の研究開発、ソフトウェアの設計、テスト、検証等を実施する必要があるため、3年程度の期間を要するものと判断する。

3 既存施策との関係性
 平成15年度から開始した「e−Society基盤ソフトウェアの総合開発」(平成16年度予算額:11億円)では、1高い生産性を持つ高信頼ソフトウェア作成技術の開発、2情報の高信頼蓄積・検索技術等の開発を行っており、1の中で組込みソフトウェアの開発を支援する技術の開発が実施されている。一方、本研究では実際に次世代のユビキタス機器に搭載するための安全性を確保した組込型ソフトウェアそのものとそれを載せた電子タグ技術の基盤技術開発を行う。

4. 評価結果
 課題設定の妥当性(必要性)より早期に実施すべき課題と判断する。また、上記の通り、手段の適正性(有効性・効率性等)についても、現段階での計画として十分検討されているものと判断する。




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