令和8年1月26日(月曜日)14時00分~16時00分
文部科学省3階3F1特別会議室及びWeb会議形式
水本分科会長、五十嵐分科会長代理、岡本委員、川辺委員、久保田委員、田中委員、宮澤委員、明和委員、相澤委員、岩井委員、上村委員、菅野委員、富田委員、永井委員、長根委員、本郷委員、山本委員
西條科学技術・学術政策局長、伊藤科学技術・学術戦略官、石川研究開発戦略課長、川村研究開発戦略課専門官、轟木参事官(情報担当)付参事官補佐、満田ライフサイエンス課ゲノム研究企画調整官、南研究振興戦略官付専門官、久利地震火山防災研究課測地学専門官、臼井宇宙開発利用課宇宙連携協力推進室長、有林原子力課長、阿部原子力課企画官ほか関係官
【水本分科会長】 ただいまから第100回科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会を開催いたします。
議事に入る前に、事務局から説明をお願いいたします。
【川村研究開発戦略課専門官】 本日の研究計画・評価分科会は、科学技術学術審議会令第8条第1項に定める定足数である過半数を満たすことを御報告いたします。
続きまして、Webexによるウェブ会議の開催に当たりまして、委員の皆様に発言の進め方についてお願いがございます。
最初に、会場にお越しの委員におかれましては、お手元のタブレットPCの映像をオンにしておいてください。また、音声は会場に設置したマイクで拾いますので、マイク、スピーカーともにオフの状態でお願いいたします。
次に、オンライン上から参加される委員におかれましては、映像をオン、音声のマイクはオフ、ミュートの状態にしておいてください。また、御発言の際は、参加者リストの御自身のお名前の横にある手のマークの挙手ボタンを押していただきますようお願いいたします。発言後は再度、挙手ボタンを押して挙手を取り消してください。
以降は、会場・オンライン共通となります。オンラインからでも御発言者が分かるよう、また、議事録作成のため、初めにお名前をおっしゃってから御発言いただくようお願いいたします。
また、資料を参照して御発言される場合には、資料番号、ページ番号またはページ内の該当箇所などを分かりやすくお示しいただくよう、御配慮のほどよろしくお願いいたします。
なお、本日の資料については資料一覧に記載のとおりです。不足等がございましたら、事務局までお申しつけ願います。
なお、補足で説明させていただきますけれども、資料8と参考資料5の分野別研究開発プランの違いについて御説明させていただきますが、参考資料5については現時点での分野別研究開発プラン、資料8については本日の御審議を踏まえて変更を反映した後の分野別研究開発プランの案という位置づけです。
続きまして、本日の議題4「研究開発課題の事前評価」につきましては、事前評価に関係する内容が含まれていますので、研究計画・評価分科会運営規則第6条第1項第3号により非公開とさせていただきます。
なお、公開部分は議事録として、非公開部分につきましては議事要旨として、文部科学省ホームページに掲載いたしますので、御承知おきいただきますようお願いいたします。
事務局からは以上です。
【水本分科会長】 それでは、議事に入ります。
議題1「第13期研究計画・評価分科会における研究開発課題の評価について」の改正についてです。
これにつきまして事務局より説明をお願いします。
【川村研究開発戦略課専門官】 それでは、資料1に基づき説明をさせていただきます。
変更点につきましては、資料右下の通し番号3ページですけれども、右上のところに改定日の追加を赤字で示しております。
次に、通し番号の右下7の(3)課題の予算規模の明示の文中、赤字で示しているとおりですけれども、「概算」を削除、「予算」を追加し、「要求額」を括弧でくくるようにしております。これは、本日の議題4「研究開発課題の事前評価」に係る案件が補正予算事業であることから、補正予算事業に対応できるよう変更するものです。
以上です。
【水本分科会長】 ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明につきまして御意見、御質問等がありましたら、挙手ボタンでお知らせください。本件は、事務的な対応として規程を改正するものと理解していますが、特段の反対意見はないものと考えます。
それでは、「第13期研究計画・評価分科会における研究開発課題の評価について」の改正について、本分科会として決定してよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【水本分科会長】 ありがとうございました。異議なしと認め、本件は原案どおり決定しました。
続いて、議題2「研究開発課題の中間評価」及び議題3「研究開発課題の事後評価」に移ります。
議題2では、4委員会から、研究開発プランの変更案4件及び中間評価案4件が提出されています。議題3では、1委員会から、研究開発プランの変更案1件及び事後評価案3件が提出されています。
まずは、中間及び事後評価を行うそれぞれの案件の利害関係について確認をしたいと思います。事務局より御確認をお願いいたします。
【川村研究開発戦略課専門官】 事務局でございます。
資料1「第13期研究計画・評価分科会における研究開発課題の評価について」の6ページの4、(1)利害関係者の範囲を御覧ください。
利害関係者の範囲としまして、丸1として評価対象課題に参画している者、丸2、被評価者(実施課題の代表者)と親族関係にある者、丸3、利害関係を有すると自ら判断する者と記載しております。
事前に確認しましたところ、ライフサイエンス委員会事務局から、同委員会の中間評価「再生・細胞医療・遺伝子治療実現加速化プログラム」については、岩井委員が利害関係者に該当するとの報告を受けています。
次に、原子力科学技術委員会事務局からは、中間評価「国際原子力人材育成イニシアティブ」について、山本委員が利害関係者に該当するとの報告を受けています。
次に、防災科学技術委員会事務局からは、事後評価「次世代火山研究・人材育成総合プロジェクト」について、田中委員が利害関係者に該当するとの報告を受けています。
それ以外では、先ほど申し上げました丸1から丸3に該当となる方について、改めていらっしゃらないかを確認させていただきます。いかがでしょうか。
いらっしゃらないようですので、それでは、追加で利害関係者はいらっしゃらないということを確認させていただきます。
なお、岩井委員、山本委員及び田中委員におかれましては、当該課題の審議においては御発言を控えていただくようお願いいたします。
以上です。
【水本分科会長】 ありがとうございました。
次に、本分科会における研究開発課題の中間評価及び事後評価に関する評価票のポイントなどについて、事務局から説明をお願いいたします。
【川村研究開発戦略課専門官】 事務局でございます。こちらは、資料は参考資料4「研究開発課題の評価について(留意点)」、参考資料の13ページです。本資料は、資料1「第13期研究計画・評価分科会における研究開発課題の評価について」の中の研究開発課題の評価に関する留意点を抜粋してまとめたものです。
まず、1.共通事項といたしまして、評価は、当該研究開発課題の「必要性」、「有効性」、「効率性」等の観点から行うというところです。
次に、2.評価票の様式については、資料1「第13期研究計画・評価分科会における研究開発課題の評価について」において定めています。実際の評価票の様式は、中間評価票が資料1の18~25ページ、事後評価票が26~34ページになります。
参考資料4の13ページに戻りますけれども、中間評価においては、2の(2)に記載のとおりです。
こちら、丸1としまして、「3.評価結果」の(1)課題の進捗状況において、課題の所期の目標に向けての進捗、進捗度の判定とその判断根拠を明確にするというものです。
次に、丸2ですけれども、「3.評価結果」の(2)各観点の再評価において、研究開発を取り巻く状況に応じて、当初設定された「必要性」、「有効性」、「効率性」の各観点における評価項目及びその評価基準の妥当性を改めて評価し、必要に応じてその項目・基準の変更を提案し、新たに設定された項目・基準に基づき、「必要性」、「有効性」、「効率性」の各評価項目について、その評価基準を満たしているか評価することとしております。
続いて、事後評価につきましては、2の(3)に記載のとおりです。
丸1としまして、「3.評価結果」の(1)課題の達成状況では、以下の3つに留意していただきます。1つ目としまして、課題の所期の達成度の判定とその判断根拠を明確にする。2つ目は、設定された「必要性」、「有効性」、「効率性」の各観点における評価項目及びその評価基準の妥当性を改めて評価し、必要に応じてその項目・基準の変更を提案する。3つ目としましては、新たに設定された項目・基準に基づきまして、「必要性」、「有効性」、「効率性」の各評価項目について、その評価基準の要件を満たしているか否かを評価するというものです。
次に、丸2、「3.評価結果」の(4)総合評価において、どのような成果を得たか、所期の目標との関係、波及効果、倫理的・法的・社会的課題への対応状況等を記載することとしております。
中間評価票及び事業評価票を御確認いただいた上で、それぞれが適切に評価されているかを御審議いただきますようお願いいたします。
続きまして、本日の審議の進め方ですけれども、研究開発課題評価の審議に当たっては、説明時間を適切に管理するため、予定説明時間の終了1分前にベルを1回、終了時点でベルを2回、事務局より鳴らしますので、時間厳守でお願いいたします。
なお、各委員会から御提出いただいた評価票と併せて、審議を行った委員が分かるよう、研究計画・評価分科会の委員名簿を決定後に付するということにさせていただきます。
説明については以上です。よろしくお願いいたします。
【水本分科会長】 ありがとうございました。
それでは、議題2「研究開発課題の中間評価」を実施いたします。
まず、委員会からまとめて、分野別研究開発プランの変更、それから評価票の説明をしていただき、その後、質疑の時間を取ります。研究開発プランの変更がない場合は評価票の説明をしていただいた後、それからプランの変更のみの場合はプランの変更の後、それぞれ質疑の時間を取りたいと思います。1つの委員会の質疑を終えたら次の委員会の説明に移ると、そういう段取りで進めさせていただきます。
評価票の説明の際には、分野別研究開発プログラムにおける当該課題の位置づけが明確となるページを用いて、上位の施策あるいは大目標・中目標の達成に向けた今回の評価課題の位置づけ、意義及び課題間の相互関係などを簡潔に御説明いただきたいと思います。次に、評価票の評価の観点における評価項目、それから評価の基準に触れながら、必要な部分のみを簡潔に説明するようにお願いいたします。
それでは、ライフサイエンス委員会の中間評価の2件から始めたいと思います。
まずは、分野別研究開発プランの変更、それから医療機器等研究成果展開事業、それと再生・細胞医療・遺伝子治療実現加速化プログラムの中間評価について、委員会主査の岩井委員、それから同委員会事務局から、合計13分で御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【岩井委員】 まず、ライフサイエンス分野研究開発プランの変更について御説明させていただきます。
資料2-1、プランの変更点、3点ございます。1つ目、39ページをお願いいたします。令和7年度の補正予算の措置により、感染症危機対応医薬品等の研究開発プラットフォームを創設いたしましたので、そのプログラムをここに記載して整理しております。
2つ目、40ページを御覧ください。前回の分科会にて事前評価いただきました次世代医療実現バイオバンク利活用プログラムについて、令和8年度から新たに開始することになりましたので、その記載をここにしています。
3つ目、44ページを御覧ください。前回の分科会におきまして事前評価いただき、ライフサイエンス研究基盤整備プログラムに記載しておりましたライフサイエンス分野のAI for Scienceのユースケース創設にむけた研究拠点強化ですけども、AI for Scienceに関しましては、複数の分野を含めて全体としてAI for Scienceによる科学研究革新プログラムが動き出しまして、ライフサイエンスもその中でやることになりましたので、ここから記載を省略させていただいたということでございます。
変更点は以上でございます。
次に研究課題の説明に移ります。
【岩井委員】 中間評価が2つあります。まずは、医療機器等研究成果展開事業について説明させていただきます。
通し番号56ページからです。本事業は、ライフサイエンス分野の研究開発プランにおける医療機器・ヘルスケアプログラムの中に位置づけられており、令和4年度から令和11年度、8年間の事業として研究開発が行われております。
概要は、63ページのポンチ絵を御覧ください。本事業は、健康・医療戦略等を踏まえ、医療機器開発の基礎研究から応用研究に取り組むアカデミア・研究機関等に所属する研究者等を対象とし、企業及び臨床医との連携による革新的な医療機器・システムの開発を目標としているものです。
本事業は、この図にありますように、「チャレンジタイプ」と「開発実践タイプ」の2つのスキームで構成されています。前者は1年間のスキームで、若手・女性研究者等の研究開発に通じた人材育成を行い、その後の「開発実践タイプ」に参加する研究者の裾野を務めるという役割を持っています。後者は3年間のスキームで、より本格的に実用化に向けた研究開発を支援しています。
本事業は3つの特長があります、1つ目は、両スキームとも企業の参画を必須としていること。2つ目は、「開発実践タイプ」は、毎年、ステージゲート評価を行い、より実用化の確度の高いものに重点投資をしているということ。3つ目が、知財・事業戦略へのコンサルティング、企業とのマッチング等を行う支援機関により伴走支援を実践することです。こうした特長を生かして他事業への導出を進めています。
続いて、評価結果について説明します。57ページをお願いします。
進捗状況に関して、事業全体のKPIである非臨床PoCの取得、他事業への導出に至った件数はそれぞれ13件と、着実に積み重ねています。
「開発実践タイプ」では、令和4年度に採択した研究課題が13題ありましたが、ステージゲートで評価し5課題に絞りました。そのうちの1課題は事業期間中に医師主導臨床試験、2課題は事業終了後に製造販売承認申請予定まで至っており、本事業の支援フェーズを超えた研究成果が上がっていると言うことができたと思います。
また、「チャレンジタイプ」で支援を受けた研究者の多くは「開発実践タイプ」で採択されているということで、人材育成という意味でもこの「チャレンジタイプ」は大きく貢献していると考えられます。
こうした成果から、毎年着実に成果が積み上がっておりますので、本事業は順調に進捗していると評価しています。
次に、58ページをお願いします。各観点における評価結果の要点について説明します。
必要性については、医療機器の基礎研究を支援する事業は限られており、本事業は各種政策文書にも位置づけられていることから、本事業の必要性は高いと考えています。
次、59ページをお願いします。有効性に関しましても、本事業は支援フェーズを超えた研究成果を上げることができていることから、有効性は非常に高いと評価しています。
次に、60ページをお願いします。AMEDや支援機関による支援、ステージゲート評価に加え、企業の参画を必須とすることで、効率的な運用が担保されているということで、効率性も高いと評価しています。
次、61ページをお願いします。事前評価時の指摘事項とその対応状況については特記すべきことはありません。
最後に、各評価を踏まえた今後の研究開発の方向性についてです。本事業においては、前述のように、本事業の必要性、有効性及び効率性についていずれも高く評価していますので、本事業は継続すべきであると評価しています。
また、今後の展開に向けてですけれども、AMEDのPS・PO等から、「「チャレンジタイプ」の中でより独創的なシーズを支援できるようにしたほうがよい」という指摘がございましたので、現在、具体的な制度設計をして、今後、検討したいと思っております。以上でございます。
【満田ライフサイエンス課ゲノム研究企画調整官】 「再生・細胞医療・遺伝子治療実現加速化プログラム」については、岩井委員が利害関係者に該当するため、ライフサイエンス委員会事務局から説明します。
74ページを御覧ください。本事業は、健康・医療戦略等に基づきまして、令和5年度から9年度の5年間の事業として再生・細胞医療・遺伝子治療の実用化に向けた研究開発及び基盤整備を実施するものです。
初めに、本事業の概要を説明します。本事業は、次世代医療につながる画期的なシーズの創出や臨床応用・企業への導出を促進し、アンメットメディカルニーズへの対応及び我が国の本分野における国際競争力の維持・向上を目指すことを目的としています。具体的には、本分野の融合研究や次世代のiPS細胞の開発、オルガノイドを活用した研究などの革新的な研究開発を推進するとともに、これらの研究に必要な人材育成や基盤整備、実用化に向けた規制・倫理・知財面などの支援を実施しています。
続いて、評価結果について説明します。77ページの進捗状況についてです。本事業につきましては、中核拠点にて、樹立効率がよく細胞株間のばらつきがなく、分化効率の優れた次世代iPS細胞や改良型ES細胞、改変型AAVベクターの開発、閉鎖系自動培養装置の稼働などの先端的な基盤技術の開発が実施されています。中間拠点が有するハブ機能を生かして、他機関への情報共有や技術供与を行うとともに、若手研究者の育成や人材の裾野の拡大にも積極的に取り組んでいます。また、個別の研究開発課題における基礎応用研究課題及び非臨床PoC取得研究課題、疾患特異的iPS細胞を用いた病態解明・創薬研究課題並びに再生・細胞医療・遺伝子治療研究実用化支援課題におきましては、それぞれ研究課題において研究の推進及び研究の伴走支援が着実に行われています。
78ページ以降で、必要性、有効性、効率性の3つの観点で評価結果を記載しています。
必要性については、革新性、発展性のある研究成果が創出されているか、国際競争力の向上に貢献しているかなどの観点から評価をしました。例えば、中核拠点におきまして次世代iPS細胞の開発やiPS細胞の自動製造に関する研究開発を実施するなど、世界的にも先端的・革新的な基盤技術の開発が着実に進展していることから、本事業の必要性は高いと評価しています。
79ページの有効性です。難病などの病態解明や創薬につながる成果が創出されているかなどの観点から評価をしています。例えば、オルガノイドを活用した研究においては、再生医療等製品の実用化につながる成果を創出するとともに、難病や希少疾患にて、疾患特異的iPS細胞を用いた病態解明、治療標的の遺伝子同定、治療候補薬の探索が実施されるなど、創薬などにつながる成果を創出していることから、本事業の有効性は高いと評価しています。
80ページの効率性です。目標の達成に向けて効率的な研究を推進するための適切な体制が形成されているかといった観点から評価をしています。また、研究初期から規制・倫理・知財面の伴走支援を行うとともに、細胞ベクターの製造機関とのマッチングや若手研究者の交流促進などにより、効率的な研究・実用化支援を推進していることから、本事業の効率性は高いと評価をしています。
81ページの事前評価等の指摘事項及び対応状況については、特記事項はありません。
最後に、各評価を踏まえた今後の研究開発の方向性についてです。本事業におきましては、前述のように、本事業の必要性、有効性及び効率性において、いずれも高く評価をしています。それゆえ本事業は継続すべきと評価しています。
また、今後の改善に向けた指摘事項としては、開発中の次世代iPS細胞について、開発目標の明確化や従来技術と比較した定量的な評価の充実化などを実施するとともに、遺伝子送達技術についても実用化に向けたさらなる研究の進展を期待するとしています。今後、中核拠点のハブ機能を一層発揮し、我が国から世界水準の医療創成につながる成果創出を強力に牽引していくことが期待されています。以上です。
【水本分科会長】 それでは、ライフサイエンス委員会関係の御説明について御意見あるいは御質問がある方がおられましたら、挙手ボタンでお知らせください。久保田委員、どうぞ。
【久保田委員】 医療機器等研究成果展開事業についてお聞きします。資料57ページに評価結果として、いずれも採択率の向上が期待されると記載していますが、この採択につきましては、多数応募があって採択率が低いというのは良いと思っていたが、そうではなく。ある意味、絶対評価でレベルが達しなかったものが多かったため今後もっと上げろと、そういう考えでよろしいでしょうか。
【岩井委員】 実際に多数の応募があり、もう少し採択できたほうが、実際の開発につながるのではないかという観点で記載しているものです。
【久保田委員】 多数応募があって、さらに発展させたいということで採択率を上げたいというように理解しました。ありがとうございました。
【水本分科会長】 ほかに御質問、御意見ありましたらお願いいたします。ございませんでしょうか。それでは、どうもありがとうございました。
次の分野に移りたいと思います。次は、航空科学技術分野の研究開発プランの変更でございます。
航空科学技術委員会事務局事務局から3分程度で御説明をお願いします。
【臼井宇宙開発利用課宇宙連携協力推進室長】 本日は、航空科学技術委員会土屋主査が御欠席のため、事務局より代わって御説明申し上げます。
本資料は、航空科学技術委員会における今後の研究開発課題の評価の考え方とその運用見直しについて整理したものです。
106ページをお願いします。これまで航空委では、JAXAの研究開発に対して独自に評価を実施してまいりましたが、文科省の評価指針において、研究現場の過重な負担を避ける観点から、評価の重複を極力回避し、既存の評価結果を活用するということが求められていることを踏まえまして、航空委としての評価の方針を見直すものです。
次のページをお願いします。今後の取扱いについてです。当委員会で研究開発プランに位置づけられている3つの課題(既存形態、次世代モビリティ、DX関連)については、いずれもJAXAが運営交付金や外部資金により実施しており、既に独法評価や資金配分機関による評価が行われています。このため、文部科学省が実施主体となる事業を除き、今後は当委員会での評価対象から外すこととし、研究開発プランを改定するという案になります。
具体的には、109ページのとおり。これらの3課題を評価対象から削除するとともに、赤い三角(中間評価)や青い三角(事後評価)といった記載についても、現在進められている研究開発ビジョンの改定に合わせて削除することとしています。
次のページをお願いします。改定後はこのような形にしたいと考えています。
108ページに戻ってください。評価自体は行わないということとしていますが、JAXAからの進捗報告は、引き続き委員会で共有し、委員の皆様からの御意見を研究開発に反映する仕組みは維持してまいりたいと思います。
なお、宇宙開発利用部会でも同様の運用がなされており、それに倣った整理としています。説明は以上です。
【水本分科会長】 文科省の指針に沿って過度な評価の負担を避けるということを踏まえた御提案でございます。何か御意見、御質問ありましたらお願いいたします。特段ございませんでしょうか。
どうもありがとうございました。質問なしということで承りました。
【水本分科会長】 次に移ります。次は、原子力科学技術委員会の中間評価2件です。国際原子力人材育成イニシアティブ、核不拡散・核セキュリティ関連業務、この中間評価について、この委員会の主査、山本委員、それから原子力科学技術委員会事務局から、合計10分程度で御説明をお願いします。
【山本委員】 まず、私が「国際原子力人材育成イニシアティブ」について、利害関係者に該当するため、原子力科学技術委員会事務局より説明をお願いします。
【有林原子力課長】 まず、人材育成事業についてです。113ページを御覧ください。
原子力を取り巻く状況ですけれども、昨年2月に国のエネルギー基本計画ができ、その中で原子力を脱炭素電源として最大限活用していくという方針が出ております。ただ、一方で、こちらの研究開発の概要に書いてございますけれども、原子力を支える人材育成のほうが、大学における関連学科などが減っております。それに伴いまして原子力教育を行うことができる教員や放射性物質を扱うことができる原子力施設なども減少しており、個別の大学で一貫した原子力人材育成を行うことが困難な状況になっています。このような状況を踏まえ、人材育成事業では、令和2年から全国の大学で関係機関の教育基盤などの資源を結集し、拠点として一体的に人材育成をするというような体制を構築しました。
次に柱として、4つあります。1つ目が教育カリキュラムを共用すること。2つ目が大型施設を使った実験の機会を提供すること。3つ目が国際研鑽の場を提供すること。そして4つ目が産学官の連携。この4つを柱に進めているところです。
116ページ目を御覧ください。1つ目のカリキュラムの共用について。117ページ目の一番上に図を掲載しています。各大学において特色のある講義というものを収録し、それを北海道大学のプラットフォームにてオープン化しています。それぞれの大学の得意な講義を全国の大学が全てフリーで授業を見ることができるようにしています。また、登録者制によるオンライン講座として「放射線・放射能の科学」というものを提供しており、10代から70代の幅広い世代の方から約4,000名を超える登録があるということで、リカレント・リスキリングにも貢献しています。
2つ目の柱として実験機会の提供ということで、117ページ目の中段に、近畿大学と京都大学が大型の原子力施設を持っており、そこが全国の大学に対して学生が大型施設で実験できる機会を提供しており、そのうち13大学では、単位化が進んでいるという成果も出ております。
3つ目が117ページ目の下段に、国際研鑽の場の提供ということで、科学大が中心となり、118ページ目の上に、全国の様々な大学の学生が海外に行って、または海外から来た人と意見交換をするなどの場を提供しているところでございます。
4つ目が産学連携です。118ページ目中段に、メーカーなどとも連携しながら、メーカーが持っております現場を大学の学生が体験できるというプログラムを提供していまして、原子力以外の様々な分野からも学生が参加しているという結果が出ております。
このような結果につきまして、プログラムを実施するだけではなく、そこに参加した学生の就職者、就職先、進学先というものがどれだけ原子力分野に就職したり進学したりすることに貢献しているかというところをまとめたものでございますけれども、各4つの取組別にまとめた結果とて、進学者としましては、全進学者のうち約5割から10割ぐらいが原子力関連に進学しています。就職者という意味では、全分野の中の4割から8割が原子力業界に就職しているという、大変すばらしい業績を上げているところです。
これらを踏まえまして、119ページ目、今後の各評価ですけれども、まず、必要性については、国のエネルギー基本計画の中において、まさに人材育成事業を活用して進めていくということが記載されており、国の方針の中でも人材育成事業自体が重要だと位置づけられていることから、必要性が高いと評価をしています。有効性については、原子力関連業界への就職や進学などが数字的にかなり高い割合を示しているということで、有効性が高いと評価をしております。120ページ目の効率性について、全ての課題が計画どおり、または計画以上の成果を上げているということで、効率性も優れていると評価をしております。
最後に、120ページ目一番下のところで、以上の成果を踏まえまして今後も継続というふうに考えておりますが、121ページ目にて、この事業自体、現行事業が令和8年度までとなっており、引き続きプログラムを実施したいと考えておりますが、同時並行的に、令和9年度以降の次期事業についても、以下に示しています6点、裾野の拡大、長期にわたる人材育成体制の構築、教員の維持、大型の実験施設を提供している大学へのインセンティブの付与、産業界との連携など、こういった点に留意しながら令和9年度以降の事業設計をしてほしいという注文をつけているところです。以上です。
【阿部原子力課企画官】 続きまして2件目ですが、127ページまでお進みください。核不拡散・核セキュリティ関連業務の中間評価です。
1点目の実施期間及び評価期間については、記載のとおり、5年に1回、中間評価を実施しているものです。
続きまして、研究開発目的・概要についてのポンチ絵を御覧ください。上段にあります概要のとおり、本事業については、2010年の第1回核セキュリティ・サミットを機にJAEAに設立されました核不拡散・核セキュリティ総合支援センター(ISCN)の活動を通じて、国際的な核不拡散・核セキュリティの向上に貢献しているものです。
主な内容は下の2つの丸のとおり、1つ目が人材育成で、アジア初の人材育成拠点として、アジア等の実務者を対象にトレーニングを実施しています。そして、こちらのセンターは令和3年10月にIAEAの協働センターの指定も受けています。そして2つ目、右側の丸の技術開発、もう一つの柱でございますが、こちらはこの分野に関する技術開発を国内や海外の研究機関と連携して実施しているものです。
続きまして、下に移りまして研究開発の必要性等につきましては、令和2年度、前回の中間評価結果になりますが、説明は省略させていただき129ページの予算までお進みください。こちらの事業の予算規模につきましては、当初予算として例年5億から5.5億程度で実施しているものです。
130ページから中間評価票となっています。こちら、上半分は先ほどの事業と同様となっておりまして、中段の表にアウトプット指標といたしまして、人材育成につきましてはトレーニング回数、技術開発につきましてはその分野数、そして下段の表はアウトカム指標となっており、こちらは人材育成の「有意義」と回答された割合と技術開発の論文等の数を示して評価を行っています。
次のページにお進みいただきまして、評価結果です。(1)では、まず事業全体の状況として、先ほどの図の人材育成と技術開発の事業ごとに、それぞれどのようなトレーニングを実施してきたか、また、どのような分野の技術開発を行ってきたかという成果を詳細に示しています。
136ページまでお進みください。これ以降の(2)が今回の評価案となります。
まず、こちら、ほかの事業と同じように必要性、有効性、効率性の3つの観点で、人材育成と技術開発の事業ごとに評価を行っています。
まず、人材育成事業の必要性につきましては、表の中央にある評価基準のとおり、国際社会からのニーズがどのような状況であるかということで、表の下部に書いてあるとおり、依然として高いことが確認されております。また、その下の有効性については、研修に対する評価ということで、受講者のアンケートを取った結果、高いということとなっています。また、その次のページの効率性については、他機関との連携やJAEA内のリソースの活用の状況を根拠として、いずれも高いと評価をしています。
次のページにお進みください。次は技術開発ですが、こちらも同様に、必要性については、国際社会のニーズへの適合性を着実に図っていることが確認されており、有効性については、学会等での発表状況が適切であることを確認しており、効率性については、JAEA内のリソース活用や共同研究の状況を根拠として、いずれも高いと評価しています。
(3)の上位施策への貢献状況ですが、参考で書いておりますとおり、エネルギー基本計画において本事業である核セキュリティの確保が明記されておりますので、こちらに貢献しているところです。
続きまして、(4)番、直近の評価での指摘事項に関しては、国内大学との連携強化や技術開発のアップデートが指摘されており、対応状況としては、情報交換の拡充などで対応していることを挙げています。
そして最後、(5)番の今後の研究開発の方向性では、「継続」といたしまして、さらなる発展に向けネットワークの強化等が期待され、その下の<改善に向けて>では、産学官連携による教育内容の充実が望ましいとされているものです。説明は以上です。
【水本分科会長】 ありがとうございました。
2件御説明いただきました。ただいまの御説明について御意見や御質問がございましたら、挙手をお願いいたします。
【川辺委員】 117ページについてお伺いします。原子力に関する社会のニーズということですが、社会のニーズを踏まえると、原子力に関わる技術者倫理教育とか、リスクコミュニケーションの教育とか、そういったものも必要かと思うが、カリキュラムの中に含まれているか。あるいはこことはスコープが異なる課題ですか。
【有林原子力課長】 御指摘ありがとうございます。先生が御指摘いただいた点は大変重要なポイントで、カリキュラムを御説明させていただきましたが、ここには具体的な記載はございません。この人材育成のカリキュラムの事業の中には社会学的な要素を取り込むということで、まさに先生が御指摘ございました原子力のリスクに対する社会とどう向き合っていくのかというような観点についても、このプログラムの中において実施をしているというところです。
【川辺委員】 はい、分かりました。ありがとうございます。
【水本分科会長】 続きまして、本郷委員、どうぞ。
【本郷委員】 116ページについてです。非常に貴重な分析が入っていると思いました。原子力産業の方からよく人材不足ということ、特に若手人材の不足ということをお聞きします。この資料をみると、大学を卒業して実際に産業に関わっている人が多くなっており、その効果は非常に大きなポイントだと思います。それで、表の見方について質問です。丸1から丸4までありますが、これはそれぞれに重複してカウントされているということでしょうか。就職者数をこれ全部累計しますと四百数十人いるわけですけど、実際は四百数十人重複しているのか、それともネットでいいますと何人かというのは、そこはどうでしょうか。
【有林原子力課長】 御指摘ありがとうございます。先生の御質問ですけれども、116ページ目のアウトカムについて、原子力業界の就職者数、それぞれ丸1から丸4で100名、200名、100名というふうになってございますけども、これ自体が原子力業界自体に及ぼしている影響と、そういう御質問でよろしいでしょうか。
【本郷委員】 はい。これは結構な数字になっていると思います。ただ、単純に四百数十名になっているのか、それとも重複していると実際に就職された方は二百数十名になるのかとか、その辺りの数字の見方について教えてください。
【有林原子力課長】 こちらについては延べ人数というような形になっておりますので、その意味では重複が一部発生しております。ただ、我々としましては、今、原子力業界において、実際に主要なメーカーだけ、または主要な電力会社だけに限定をかけますと、毎年100名から200名ぐらいがいわゆる原子力出身の方が採用されている状況だと把握しており、この数字自体、重複はあるとは思いますが、各電力や主要メーカーにおいて採用されている方に対して十分な貢献をしているのではないかと考えております。
また、御指摘いただきました点については我々も問題意識を持っておりますので、今後の次期プログラムを設計する上で、大学側から送るだけではなくて、採用した企業側からのフィードバックとして、このプログラムがどれほど採用に関与したのかというところについてもフォローできるような指標づくりもしていきたいと思っております。よろしくお願いします。
【水本分科会長】 ほかに御質問等ありますでしょうか。無いようですので、それでは次に進みたいと思います。
続きまして、次は量子科学技術委員会における分野別研究開発プランの変更について、この委員会の主査、富田委員から3分程度で御説明をお願いいたします。
【富田委員】 量子科学技術委員会の主査をしています富田と申します。今回、研究開発プランの変更について御提案します。
資料5、144ページを御覧ください。このブランに基づきまして、これまで令和4年に、光・量子技術分野研究開発プランと量子ビーム分野研究開発プランと、2つのものを策定して評価を行ったわけですけれども、特に量子ビーム分野研究開発プランに関しては、この量子科学技術委員会の下に量子ビーム利用推進小委員会というものを設置しておりました。
令和7年度より、量子ビームに関しまして科学技術・学術審議会研究開発基盤部会の下に量子ビーム施設利用推進委員会というものが設置されまして、そちらのほうで研究基盤の整備・共用化等々に関しての審議を行うということになっております。
そこで、整理をするということで御提案になりますけれども、この先端的なビーム施設の高度利用ということで、現行のプランで扱っている施設に関するものについて、これを全て量子ビーム施設利用推進委員会で一体的に審議したいということで、現行あります量子ビーム分野研究開発プランというものを廃止したいということを御提案いたしたいと思います。以上です。
【水本分科会長】 御説明ありがとうございました。
ただいまの御説明につきまして御意見あるいは御質問等ありましたら、挙手をお願いいたします。よろしいでしょうか。ありがとうございました。
以上で分野別研究開発プランの変更3件、それから中間評価4件の御説明が終わりました。
改めて、この議題2全体を通して御意見あるいは御質問がある方がおられましたら、挙手ボタンでお知らせください。追加で御質問等ございませんでしょうか。
それでは、ただいま御説明あるいは御審議いただきました分野別研究開発プランの変更を含めた中間評価案につきまして、この分科会として決定したいと思いますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【水本分科会長】 特段、反対あるいは御意見等ございませんようですので、これで本分科会として決定をしたいと思います。ありがとうございました。
それでは、次の議題に移ります。続きまして、議題3「研究開発課題の事後評価」についてです。
まず、防災科学技術委員会の事後評価が3件ございます。この委員会の主査、上村委員から、この分野の開発プランの変更も含めて18分程度で御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【上村委員】 防災科学技術委員会、上村でございます。防災科学技術委員会より、防災科学技術分野研究開発プランの変更と、事後評価課題3件について御説明します。
まず、配付資料の146ページを御覧ください。防災科学技術分野研究開発プランの大目標である「安全・安心の確保に関する課題への対応」のうち、防災科学技術分野研究開発プログラムにおいては、「国土強靱化に向けた調査観測やシミュレーション技術及び災害リスク評価手法の高度化」、「『よりよい回復』に向けた防災・減災対策の実効性向上や社会実装の加速」、「地震調査研究を推進し、成果を活用」、この3点についての研究開発を実施しております。
配付資料の147ページを御覧ください。一番下の南海トラフ海底地震津波観測網の構築について変更しました。地震計、水圧計等を組み込んだマルチセンサーを備えたリアルタイム観測可能な観測網を敷設する研究開発課題の事業で、当初は令和5年までとしていたところ、様々な外的要因で延長していましたが、令和7年6月に無事完了しました。これを踏まえ、線表の事業終了時期及び事業評価の時期を実態と合わせる修正をしています。このプランに基づき、令和7年度に行う事後評価課題3件について、昨年12月の防災科学技術委員会において事後評価を実施いたしました。
まず、1件目について説明します。通し番号150ページを御覧ください。本事業は、令和元年度から令和7年度までに実施した事業です。本事業は、国土強靱化のため、概要図右側の図のとおり、南海トラフ地震の想定震源域のうち、まだ観測網を設置していない海域である高知県沖から日向灘ですけれども、ここにケーブル式海底地震・津波観測システムを構築・運用するものです。海域で発生する地震や津波を早期に、かつ精度よく検知し、緊急地震速報及び津波即時予測技術の精度向上、地震・津波の発生メカニズムの解明に貢献することを目的としています。関係機関に観測データを提供し、より適切な地震・津波に関する情報提供や防災対応に貢献することも目的として実施してきました。
通し番号154ページを御覧ください。必要性、有効性、効率性の評価項目による事後評価結果について御説明します。
必要性については、本事業により、南海トラフ巨大地震の想定震源域で観測の空白区域になっていたところに地震津波観測36点が設置され、地震や津波をリアルタイムに直接検知し、早期に精度の高い情報を提供できるようになりました。気象庁の津波情報等に早速活用もされ、社会的ニーズはとても大きく、社会的・経済的に見て安全・安心な社会の実現に資する事業と言え、本事業の必要性は極めて高いと評価しました。
次に、有効性については、配付資料の通し番号155ページを御覧ください。本事業により、令和6年8月の日向灘地震や令和7年7月のカムチャツカ半島付近の地震の津波について1センチに満たない精度の高い津波観測を実現し、得られたデータは地震調査研究推進本部地震調査委員会にも提供され、関係機関にリアルタイムで送信されているほか、ウェブを通じて一般にも公開されています。この観測システムにより、最大で地震動で20秒、津波で20分、直接検知が早くなり、海域で発生する地震や津波を早期かつ精度よく検知し、緊急地震速報及び津波即時予測技術の精度向上、地震・津波の発生メカニズムの解明に貢献でき、既に南海トラフ地震研究においても活用が始まっているとのことから、防災・減災対策に資する有効な手法であると評価しました。
効率性については、配付資料の通し番号156ページを御覧ください。この地震・津波観測システムは、広域かつ均等に迅速かつ比較的低いコストで観測装置の設置が可能なインラインシステムをベースに、拡張性を確保した世界初のハイブリッドシステムです。沖合システムと沿岸システムの2つのサブシステムとしたことなどから、冗長性と信頼性が確保された事業計画どおりの性能が達成されています。また、沿岸システムの整備完了を待つことなく沖合システムの運用を先んじて開始し、観測データが気象庁の緊急地震速報や津波情報等に早期に活用され、人的・物的被害の効果的な低減、費用対効果の向上にもつながっていると考えられることから、効率性があると評価しました。
以上より、総合評価としては、配付資料の通し番号158ページにあるとおり、海底地震・津波観測システムを構築、運用を開始し、適切な地震・津波に関する情報提供に活用されるなど、所期の目標は達成できたと評価しました。
通し番号159ページの今後の展望については、今後、長期にわたる観測の維持、データの利活用のため、防災科研において、他の観測網と統合運用管理が行われ、効率的かつ安定的な運用が求められます。多方面で南海トラフ地震津波の防災・減災に貢献することが期待でき、この新しく得られた基盤的観測データを活用し、リアルタイム予測や長期評価の高度化等に資するだけでなく、南海トラフにおける地震発生メカニズムの一層の解明が期待できると考えております。
続きまして、2件目です。情報科学を活用した地震調査研究プロジェクトでございます。
配付資料の通し番号164ページを御覧ください。本事業は、令和3年度から7年度まで実施した事業です。本事業は、これまで蓄積されてきた地震観測データについて、AI等を活用しデータ処理を行うなど、情報科学と連携して地震調査研究を進め、防災・減災を強力に推進するための地震動即時予測の高精度化・迅速化等の実現を目指して実施してまいりました。
配付資料通し番号170ページを御覧ください。必要性、有効性、効率性の評価項目による評価結果について御説明いたします。
必要性については、本事業により、大地震発生後の地震多発時にも有効な地震発生の自動検知を行う解析モデルを開発いたしました。空間的余震予測手法の開発に向けて、地震カタログからのアプローチと震度分布からのアプローチの解析モデルが開発され、その統合と評価手法の確立が進んでいます。以上のことから、本プロジェクトは必要性があったと評価いたしました。
有効性については、通し番号170ページでございます。本事業により以下が実現されました。地震自動検知、自動解析システムの構築は、解析の迅速化、余震予測の空間的評価の進展に資するものです。特に東京大学課題による地震自動検知のSegPhaseは、JAMSTECとの連携によるDONETへの実装、民間企業の解析システムへの実装の段階となりました。地殻変動の予測に向けた解析モデルは、地震と断層すべりの関係性の評価に資するもので、現業機関との意見交換が進んでいます。断層形状推定の取組は統合的な分析に資するもので、地震カタログからのアプローチと後続波(波形)からのアプローチで解析モデルを開発し、解析プログラム、解析結果ともに公表済みです。地震波動場データ同化手法は、地震観測点最適配置アルゴリズムの創出に資するものです。以上のことから、本プロジェクトは有効性があったと評価いたしました。
効率性については、通し番号171ページを御覧ください。本プロジェクトでは、情報科学分野の研究者の参画の促進のため、プロジェクトマネジャー・プロジェクトオフィサー・テクニカルアドバイザーを配置した運営委員会・研究実施体制を構築するとともに、研究代表者が主体的に地震学分野と異なる分野に参画し、勉強会等を定期的に企画し、両分野からの参画促進を実現しました。結果、各課題の解析モデルの開発の加速につながりました。地震波形データ、測地学的データなどを活断層データに関連づける解析モデルとその結果は、産業技術総合研究所のホームページ上に公開されました。本事業による開発モデルは随時公開され、本プロジェクト内外で活用され、成果が公表されています。さらに、プロジェクト運営委員会による指導・助言により、研究計画の確実かつ効率的な研究運営が実現しました。以上のことから、本プロジェクトは効率性があったと評価いたしました。
以上より、総合評価としては、通し番号173ページのとおり、本プロジェクトは、情報科学を活用した地震活動の評価の高度化を目指す中で、地震波形データのみならず、測地データや断層データなども取り込んだ新たな解析モデルを開発しました。情報科学と地震学を深く融合することで、新たに多くの科学的知見も獲得しています。情報科学と地震学の両分野や研究と実務を横断して職を得た若手研究者もおり、今後の分野連携の基盤となる人材を育成しています。以上のことから、本プロジェクトは所期の目標を達成できたと評価いたしました。
通し番号173ページを御覧ください。今後の展望については、本プロジェクトの成果をさらに社会に還元するため、実務官庁や地震本部等との調整を進めつつ、開発した解析モデルの検証やさらなる高精度化を実現する必要があります。AI等を活用した解析モデルの信頼性向上のため、検証を目的とした解析モデルの開発・公開は有効です。また、国の地震関連施策を一元的に推進する地震本部の第3期総合基本施策では、大地震後の地震活動に関する予測手法の高度化や地震動即時予測及び地震動予測の高度化などが、当面10年間取り組むべき地震調査研究として位置づけられているため、本プロジェクトで獲得した科学的知見を活用して発展的に取り組むべきです。さらに、今までノイズとして活用されていなかったデータの活用に向けた解析手法の確立や、防災・減災に直結する地震動の即時予測技術の開発、生成AIの活用なども今後の課題です。
3番目の課題でございます。次世代火山研究・人材育成総合プロジェクトについて説明します。
配付資料通し番号179ページを御覧ください。本事業は、平成28年度から令和7年度までに実施した事業です。本事業は、我が国の火山噴火に対する減災・防災対策に貢献するため、「観測・予測・対策」の一体的な火山研究及び火山観測データの一元的流通を推進し、理学にとどまらず、工学・社会科学等の広範な知識と高度な技能を有する火山研究者を育成・確保することを目的に実施してきました。
通し番号185ページを御覧ください。必要性、有効性、効率性の評価項目による評価結果について御説明します。
必要性については、研究推進事業では、「観測・予測・対策」の一体的な研究を推進し、特に水蒸気噴火について多くの知見を得て、災害低減に資する成果を得ました。人材育成コンソーシアム構築事業では、41機関が参画し、最先端の火山研究を行う次世代火山研究推進事業と連携させた理学、工学・社会科学等の広範かつ系統的な教育プログラムを実施し、令和7年度までに209名が受講し、うち190名がカリキュラムを修了し、さらに、そのうち132名が大学・研究機関、気象庁、地方自治体、民間企業等に就職しました。以上により、社会のニーズに応えるための災害低減に資する火山研究を実施するとともに、火山研究の裾野を広げ、人材の多様化を実現しており、本事業の必要性は高いと評価しました。
有効性については、通し番号185ページです。研究推進事業により、水蒸気噴火を起こす火山に特徴的な地下構造を明らかにし、それにより水蒸気噴火のポテンシャル評価が可能となりました。これらの成果に基づく火山噴火の切迫性評価や火山活動の推移予測の高度化は社会の防災力向上に資するものです。また、耐雷・耐熱の観測機器の開発、ドローン搭載などを目的とした可搬型観測機器の開発など、工学分野の知見を多く取り込んでいます。人材育成コンソーシアム構築事業では、研究のみならず、火山防災に関わる行政や民間にも人材を輩出いたしました。以上により、社会の防災力向上、火山研究の人的基盤の拡大に貢献しており、有効性があったと評価しました。
効率性については、通し番号187ページを御覧ください。研究推進事業では、噴火履歴調査における共同研究、桜島の火山灰ハザード評価手法の開発における火山学と気象学の分野間連携など、分野内外・機関内外の連携を図りながら研究が進められました。人材育成コンソーシアム構築事業では、地球物理学、地質・岩石学、地球化学という主要3分野を中心に、学際的な火山学を系統的に学ぶとともに、工学や社会科学等も含めた幅広い分野のセミナーが提供されました。実施に当たり、7火山17分野のテキストが作成され、公表されました。さらに、コンソーシアム協力機関として自治体や民間企業も参画して、セミナーにおけるこれらの防災対策に関する実務者との議論やインターンシップ等を通じて、広範な知識と高度な技能を有する火山研究者の育成が行われました。加えて、総合協議会を設置し、研究課題ごとの成果報告に対し、改善に向けた必要事項や検討事項をフィードバックしました。さらに、評価会を設置し、社会実装や今後の発展に向けての議論等も実施し、評価結果等を事業計画に反映することで、多様かつ有効な成果を段階的に創出することができました。以上のことから、本プロジェクトは分野連携の適切な手段が取られ、評価や助言をフィードバックして運営されており、効率性があったと評価いたしました。
以上より、総合評価としては、通し番号189ページのとおり、研究推進事業では、獲得した科学的知見や噴火時の観測データ等は防災対応にも活用されているほか、防災・減災対策のため、現象の迅速な把握技術の高度化・開発を行い、適切な避難行動につながる知見を得ました。人材育成コンソーシアム構築事業では、広範な知識と高度な技能を有する火山研究者を育成し、修了生の多くが大学・研究機関、気象庁、地方自治体等へ就職しており、火山研究の人的基盤の拡大に貢献いたしました。以上のことから、本プロジェクトは所期の目標と同等もしくはそれを超えた目標を達成できたと評価しました。
通し番号190ページの今後の展望については、国の火山関連施策を一元的に推進する火山調査研究推進本部の総合基本施策の方向性に貢献できる研究開発を推進していくことが重要です。具体的には、本プロジェクトの「観測・予測・対策」の一体的な推進による成果を活用しながら、火山活動状況に応じた火山ハザード対策に向けた学際研究を推進することで、火山ハザード対策における啓発活動、避難行動を支援する高度な科学的知見を創出するとともに、そのような知見に基づき、火山ハザード対策の立案・運営などに貢献できる高度研究人材の育成が必要であると考えております。防災科学技術委員会からは以上です。
【水本分科会長】 それでは、ただいまの御説明について御意見あるいは御質問のある方は、挙手をお願いいたします。長根委員、お願いいたします。
【長根委員】 人材に関して、事業(1)と(2)それぞれに質問があります。まず、通し番号173にありましたように、雇用された若手研究者の方が分野横断しての職の獲得や官庁での専門職を獲得したということは、非常にいいことだと思っています。特に官庁での、いわゆるポスドクの方たちではないかと思いますが、採用が進み非常に良いことです。分野横断した職の獲得というのは、必ずしもこのプロジェクトに関連した専門分野での職ではなくという意味ですか。あと、官庁での専門職としてどれぐらいの方が就職されたのかということ。もう一つは2番目の課題に対して、通し番号でいうと185ページにありましたが、ちょっと気になったのが190名の方がカリキュラムを修了して、132名の方が特に民間も含め様々なところへ就職なされたということだが、残りの58名ぐらいの方はまだ大学に残っているという理解でよろしいでしょうか。
【上村委員】 1点目のケースについてはいろんなケースがあろうかと思いますので、事務局のほうは把握されていますか。
【久利地震火山防災研究課測地学専門官】 防災科学技術委員会事務局より回答申し上げます。まず、地震学と情報科学について、分野横断人材については、地震から情報に分野を変えて、関連する分野の研究職を得ております。次に官公庁ですけれども、こちらも、もともと行っていた研究の延長線上で、その内容に関する職を得ております。
続きまして、火山人材の数についての回答となります。190名が修了し、132名が就職したということで、58名についてですけれども、基本的には大学院に進学し、まだ学生を続けておられるということになります。コースが3段階になっておりますので、1つ目のコースを修了し、2つ目のコース、3つ目のコースと先のコースへ進むことができるようになっており、先のコースに進んでいると解釈いただければと存じます。
【水本分科会長】 ほかに御質問、御意見ありましたら、挙手をお願いします。よろしいでしょうか。明和委員、お願いいたします。
【明和委員】 本当に重要な研究課題で、よい成果を上げていただいていることに改めて感謝を申し上げます。
意見ですけれども、防災の在り方、最終目標というのは、人々の安心・安全を守るということに尽きるかと思います。今後の展望に関して、AIの活用によるこの研究分野の発展を考えると、物理的データを用いたAI活用もありますが、一番難しいのは、パンデミックのときに象徴されるように、人々の行動変容や、防災の立ち現れる条件により人々の心理や行動がどのように変容するかを予測するシミュレーションです。対人情報のAI活用という視点もこうした研究分野の中にしっかりと組み入れていく必要があると思います。こうした視点は議論されているでしょうか。
【上村委員】 全く御指摘のとおりでして、サイエンス、エンジニアリング含めていろんな取組を実施していますが、最終的に人が正しく行動しないことには防災になりません。したがって、社会学の先生も関わっていただきながらプロジェクトを進めておりますが、まだ十分でないところがあります。これは防災科学技術委員会の中でも指摘を受けているところです。いかに皆さんの行動に確実につなげるかという心理も含めたところで、これから少し力を入れなければならないと考えています。
事務局、コメントありますか。
【久利地震火山防災研究課測地学専門官】 委員会事務局から補足回答差し上げます。そのような課題は非常に重要だと思っています。防災科学技術委員会の中でも議論されていますし、実際には、この事業だけで解決するのではなく、ほかのいろいろな競争的研究事業も行われていますので、そこで行われている知見も取り入れながらというところで現在対応しているところです。
【水本分科会長】 非常に重要な御指摘ありがとうございました。ほか、御質問、御意見ありますでしょうか。手は挙がっていないようでございますので、よろしいですか。どうもありがとうございました。
以上で事後評価の3件の御説明が終わりましたが、ただいまの御説明を踏まえた上で、この事後評価の案につきまして、研究開発プランの変更も含めてこの分科会の決定としたいと思いますが、異論ございませんでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【水本分科会長】 特に御発言ないということで、異議なしと理解いたしました。
それでは、ただいま御説明いただきました研究開発プランの変更も含めて分科会としての事後評価案を決定いたします。ありがとうございました。
【水本分科会長】 続きまして、議題4「研究開発課題の事前評価」についてです。
ここからは、冒頭、事務局から説明がありましたとおり、非公開とさせていただきます。
以下、研究計画・評価分科会運営規則(平成13年2月27日決定)第6条第1項第3号の規定に基づき、非公開。
次の事前評価について情報委員会より説明があり、質疑応答が行われた後、事前評価結果が決定された。
・情報分野に関する研究開発課題の事前評価結果(1件)
科学技術・学術政策局研究開発戦略課