令和7年8月18日(月曜日)13時00分~15時00分
Web会議
水本分科会長、五十嵐分科会長代理、岡本委員、川辺委員、久保田委員、田中委員、中北委員、宮澤委員、明和委員、山崎委員、相澤臨時委員、岩井臨時委員、上田臨時委員、上村臨時委員、菅野臨時委員、富田臨時委員、永井臨時委員、長根臨時委員、本郷臨時委員、山本臨時委員
西條科学技術・学術政策局長、井上科学技術・学術総括官、伊藤科学技術・学術戦略官、川村研究開発戦略課専門官、土井参事官(情報担当)付室長、澄川環境エネルギー課室長、久利地震火山防災研究課専門官、ほか関係官
【水本分科会長】 それでは、ただいまから、第99回科学技術・学術審議会の研究計画・評価分科会を開催いたします。
議事に入る前に、まず、事務局から御説明をお願いいたします。
【川村研究開発戦略課専門官】 事務局でございます。
本日の研究計画・評価分科会は、科学技術・学術審議会令第8条第1項に定める定足数である過半数を満たすことを御報告いたします。
初めに、事務局に人事異動がございましたので、御紹介いたします。
7月15日付で科学技術・学術政策局長に西條が着任しております。
4月1日付で大臣官房審議官(科学技術・学術政策局担当)に福井が着任しております。本日は所用により欠席でございます。
7月15日付で科学技術・学術総括官に井上が着任しております。
ここで、事務局を代表して、簡単ではございますが、西條局長より御挨拶いただきます。
【西條科学技術・学術政策局長】 先月15日付で井上前局長の後任として着任いたしました文部科学省科学技術・学術政策局長の西條でございます。本日、科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会の開催に当たり、一言御挨拶申し上げます。
第13期の研究計画・評価分科会におきましては、委員、臨時委員の皆様がそろって意見等を交わす形での会議が、今回が初めてとなると伺っております。まず、皆様におかれましては、大変お忙しい中、第13期研究計画・評価分科会の委員をお引受けいただきまして、誠にありがとうございます。また、水本委員におかれましては分科会長を、また、五十嵐委員におかれましては分科会長代理をお引受けいただきまして、感謝申し上げるところでございます。
この研究計画・評価分科会では、文部科学省において重点的・戦略的に推進すべき研究開発の取組や推進方策を定めるため、分野ごとのまとまりで実施する取組・推進方策として分野別研究開発プランを策定いただき、研究開発の質の向上や運営改善等に資するための評価に取り組んでいただいております。
また、分野別研究開発プランに基づきまして、研究開発課題の評価として、事前評価、中間評価、事後評価などの各評価において、「必要性」、「有効性」、「効率性」の観点を重視しながら各段階の評価を実施しておりますが、こういった取組は、研究開発に関する諸活動についての国民への説明責任を果たしていくことにもつながっていくものと考えてございます。
本日の第99回分科会におかれましては、分野別研究開発プランの変更及び研究開発課題の事前評価について御審議いただくところでございます。研究開発課題の事前評価については政策評価の一環として実施するものでありますので、それぞれの研究開発課題における研究開発の質の向上等に向けて、委員の皆様方のお力添えをよろしくお願いしたいと思います。
以上でございます。よろしくお願いいたします。
【川村研究開発戦略課専門官】 ありがとうございました。
続きまして、Webexによるウェブ会議の開催に当たりまして、委員の皆様にお願いがございます。
会議中は常にビデオをオンにしてくださいますようお願いいたします。御発言の際は、参加者リストの御自身のお名前の横にある手のマークの挙手ボタンを押していただきますようお願いいたします。御発言後は、再度挙手ボタンを押して挙手を取り消してください。御発言時以外はミュートにしていただき、御発言時のみミュート解除を御選択いただきますようお願いいたします。
なお、オンラインでの開催のため、発言者が明確になるよう、お名前をおっしゃってから御発言いただきますようお願いいたします。
また、資料を参照する場合には、資料番号、ページ番号またはページ内の該当箇所などを分かりやすくお示しいただきますようお願いいたします。
次に、本日の議題3「研究開発課題の事前評価」につきましては、概算要求に関係する内容が含まれておりますので、研究計画・評価分科会運営規則第6条第1項第3号により非公開とさせていただきます。
なお、公開部分は議事録として、非公開部分については議事要旨として文部科学省ホームページに掲載いたしますので、御承知おきいただきますようお願いいたします。
以上でございます。
【水本分科会長】 それでは、議題の1、研究計画・評価分科会、第97回と98回ですけれど、ここで行われました書面審議の結果についてです。
この研究計画・評価分科会運営規則第3条第2項では、書面による議決を行った場合、分科会長が次の会議において報告をしなければならないと定められております。したがって、私から、第97回、第98回の書面審議結果を報告いたします。
第97回の分科会では、「第13期における研究計画・評価分科会の下に設置する部会・委員会について」、「第12期研究計画・評価分科会における研究開発課題の評価に関する実施方針について」、さらに「第13期研究計画・評価分科会における分野別研究開発プログラム評価の試行に関する方針について」、この3点について審議を行いました。その結果、参考資料3-1から3-3のとおり了承されました。
また、第98回の分科会では、「第13期研究計画・評価分科会における研究開発課題の評価に関する実施方針について」の審議を行った結果、同じく参考資料4のとおりに了承されました。
以上、私から報告申し上げました。
続きまして、議題の2「情報委員会からの報告について」です。
これにつきましては、情報委員会の事務局から報告をお願いいたします。
【土井参事官(情報担当)付学術基盤整備室長】 それでは、資料1を御覧ください。科学技術・学術審議会の直下に設置されております情報委員会で取りまとめました「次世代の科学技術・イノベーションを支える情報基盤の在り方について(中間とりまとめ)」。こちらにつきまして、概要に基づいて説明をさせていただきます。
なお、本体は2ページ目以降になりますので、適宜御参照いただければ幸いでございます。
左上、背景にございますように、AI for Scienceの進展や生成AIの急速な普及により、研究データの質と量が飛躍的に増加し、分野や組織を超えた連携の重要性が高まっております。こうした中で、今後の情報基盤はどうあるべきかといったことを審議いただき、取りまとめていただいたものでございます。
右上にありますように、情報基盤への期待・影響としまして、AI時代の新たな科学技術・イノベーションを切り開くインフラとなること、AIモデルの高度化、AI for Scienceの拡大、分野融合や裾野の広い研究の促進、また、社会課題の解決や我が国全体の研究力・産業競争力の向上に大きく貢献すること等があるとした上で、今後の方向性を6つの観点からまとめてございます。
下のほうにあります。1つ目、真ん中にありますAIを取り込んだエコシステムの構築、こちらでは、AIを前提とした情報基盤の整備に加え、日本文化等に理解のあるAIが必要であること、蓄積された研究データを活用してAIの高度化サイクルを生み出す役割が期待されること。
2つ目、左のほうに行きまして、産業界・海外との連携といったところでは、産学の協働を促進し、ユーザビリティーの確保や、オープン・アンド・クローズ戦略等に留意して、協働が相乗効果を生む仕組みが必要であること。
3つ目にあります、上のほうに行きまして、人材の育成と確保といったところでは、研究エコシステムを支える人材の育成・確保、また待遇改善等が重要であること。
右のほうに行きまして、4つ目、リテラシー向上とデータ共有の促進におきましては、利用者のリテラシー向上や、データや成果を広く共有あるいは活用する活動を促進するインセンティブ、また、評価する仕組み等の整備が重要であること。
5つ目、下のほうに行きまして、AI for Scienceのための高度化では、計算基盤やコアファシリティー化された研究施設・設備を情報基盤に直接接続することで、AI for Scienceやデータ駆動型研究の加速が期待できること、また、それを支える計算資源の整備や流通基盤等の高度化が必要であること。
6つ目、下のほうに行きまして、効果的な配置としまして、全国的なエコシステムとして最適な情報基盤について戦略的な検討が必要であること。
そういったことを挙げまして、そして構築を進める上でのポイントとしましては、次世代情報基盤の構築に当たっては、長期的なビジョンと柔軟な対応が不可欠であり、国際動向を踏まえ、アジャイルに取り組むことが重要であることなどを述べて、中間とりまとめを結んでいるところでございます。
駆け足で恐縮ですが、説明は以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【水本分科会長】 ありがとうございました。
それでは、ただいまの情報委員会からの報告について意見交換を行いたいと思います。
ただいまの御報告に関しまして御意見、御質問がある委員の方は、挙手ボタンを押してお知らせください。山本委員、どうぞ。
【山本委員】 名大の山本です。非常に重要な内容について御報告いただきまして、ありがとうございました。これは非常に基本的な話で、この後、議論する個別の研究分野の開発計画と非常に密接に関係してくるところもあると思うんですけども、個別の分野の研究開発との関係について少し補足いただけますか。
【土井参事官(情報担当)付学術基盤整備室長】 御質問ありがとうございます。今、文部科学省の中で、例えばライフサイエンスやマテリアル分野等におけるAIを活用した研究開発と、今回の情報基盤の在り方も含めたパッケージとした形で総合的に検討を進めていくというような状況でございます。
【山本委員】 ありがとうございました。恐らくこの手の話は、若干学際的な切り口で考えていくとプラスアルファの要素が見いだせることもあるかなと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
【水本分科会長】 ありがとうございました。
ほかに御意見あるいは御質問のある委員がおられましたら、挙手をお願いいたします。どうでしょう。五十嵐委員、お願いします。
【五十嵐委員】 五十嵐です。説明ありがとうございました。
この間の総会でも少しお聞きしたんですけども、ただいまの山本先生の御質問と同じなんですが、ここに書かれているようないわゆるエコシステムですね、もうこれをあることを前提として、今日これからいろいろ議論する様々なライフサイエンスとか、そこのところの研究計画を立てているんでしょうか。
【土井参事官(情報担当)付学術基盤整備室長】 情報基盤につきましては、各分野の研究開発を支えるための在り方というのを、今後さらに検討を重ねていくような状況になっておりますけれども、いずれにしましても、そういった情報基盤も含めて、AIといったものに対してどういうふうに向き合っていくのか、あるいは活用していくのか、そういったところを検討していくような形になろうかと思っております。
【五十嵐委員】 分かりました。これからということでよろしいですね。
【土井参事官(情報担当)付学術基盤整備室長】 情報基盤についてはそうですね。今後さらに検討を重ねてまいりたいと思っております。
【五十嵐委員】 例えば研究データの共有・活用促進って、これ、物すごく難しい話だと思うんです。マテリアルにしてみても、ライフサイエンスにしてみても、それぞれ個別にやるべきことが違うはずなんですよね。
【土井参事官(情報担当)付学術基盤整備室長】 そうですね。
【五十嵐委員】 それは、これからこういうことをすると。
【土井参事官(情報担当)付学術基盤整備室長】 分野の担当の部署とも相談を重ねながら進めていきたいと思っております。
【五十嵐委員】 分かりました。ありがとうございました。
【水本分科会長】 ありがとうございました。
幾つか手が挙がっているようでございます。こちらで把握している順番で、川辺委員、お願いいたします。
【川辺委員】 ありがとうございます。御説明ありがとうございました。
1つお伺いしたいのですけれども、左上のほうに人材の育成・確保というのがございます。今後、エコシステムを支える人材を育成するというのはよく分かるのですけれども、こうしたことを実施していく上でもまた、AI人材を確保していかないといけないかと思うのですが、今は取り合いになっているような状況ではないかと思います。この辺りの見通しについてもし教えていただければと思います。
【土井参事官(情報担当)付学術基盤整備室長】 ありがとうございます。まさに委員おっしゃったようなAI人材というところも、育成を進めていかなきゃいけないところと思っております。今回は情報基盤を支えるという観点からの人材の育成・確保ということで取りまとめをいただきましたけれども、そういったAIの研究開発に関わるような人材も並行して育成あるいは確保に努めていく必要があろうかなと思っております。
【川辺委員】 はい、分かりました。ありがとうございます。
【水本分科会長】 あと、永井委員と明和委員が順番に手が挙がっているようですので、まず、永井委員からお願いいたします。
【永井委員】 永井です。御説明ありがとうございました。大変総合的にきちんとした方向性が打ち出されていると思っております。
質問したいのは、真ん中にございますAIを取り込んだエコシステムの構築の2行目に「日本の文化等に理解のあるAI」って記載があるんですが、これは、日本の特徴的な文化や社会的な資源も強みとして使っていくというふうに理解してよろしい話でしょうか。
【土井参事官(情報担当)付学術基盤整備室長】 ありがとうございます。まさにおっしゃるとおりでございまして、日本の人文学あるいは社会科学といったところもしっかり支えられるような情報基盤というのは必要であろうというような意味でございます。
【永井委員】 ありがとうございます。
【水本分科会長】 続きまして、明和委員、お願いいたします。
【明和委員】 ありがとうございます。いずれも絶対に進めていかなければならない重要なことだと思います。その一方で、特に私が日本が非常に頑張らなきゃいけないかなと思うのは、人材の育成の側面でございます。今、AI人材が非常に海外に流出しているとか、いろんな御意見がありましたけれども、私が特に重要だと思いますのは、AIを使える人であったり、AIを解析できる人ということだけではなく、AIをどのように何のために使う、そこをやっぱりしっかりと考えた上で、つまり倫理的なことをしっかりと理解した上でAIを設計できるというふうな、いわゆる文理融合型の人材というのが絶対に今の時代必要だと思うんですね。そういった意味において、この人材の育成というものの中身、ここが今、非常に問われている時代なのではないかなと思いますので、そこも御一考いただけると大変うれしいなと思いました。
【土井参事官(情報担当)付学術基盤整備室長】 ありがとうございます。御意見を参考にしながら、今後さらに検討を進めていきたいと思います。どんな人材におきましても、この右にあるリテラシーというのは非常に重要かなと思ってございますので、そこも併せて検討を深められればと思ってございます。
【水本分科会長】 ありがとうございます。
続いて、中北委員の手が挙がっていますか。中北委員、どうぞ。
【中北委員】 ありがとうございます。御説明ありがとうございました。
同じく人材のところなんですが、各大学とか研究会、今まさにチャンスというので動かれているかなと思うんですけれども、アメリカから研究者流出があって、特に情報関連というのは非常に大事な役割を担ってきている上ですので、そこの流出者の確保という意味で、ある意味、長期ではないんですけれども、至急、短期的といいますか、スポット的にエイヤっと獲得するための取組というのを、この基本的な考え方とは別に今どうされているかというのをお伺いしてよろしいでしょうか。
【土井参事官(情報担当)付学術基盤整備室長】 ありがとうございます。その点につきましては検討中といったところかなと思っております。私の担当から外れるので……。
【中北委員】 あ、すみません。
【土井参事官(情報担当)付学術基盤整備室長】 確かなところは言えない部分はありますが、いずれにしましても、諸外国、世界的な動向の中で、日本がどういうふうに動けば日本としての研究力を向上させるのかといった観点から検討は進められていると思っておりますので、引き続きフォローさせていただきたいと思っております。
【中北委員】 よろしくお願いします。動きとしては急いで短期的というところが求められる中、今お話あったように、最終的には長期的に日本がどう底上げできるかも含めて大事なところだと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
【水本分科会長】 西條局長、御発言どうぞ。
【西條科学技術・学術政策局長】 すみません。今、御指摘ありがとうございます。科学技術・学術政策局の関係になるのですけれども、まさに先生御指摘のあったとおり、今、アメリカだけではないのですけれども、特にアメリカで様々な動きがある中、人材の取り合いというか、人材に関して各国取り組んでいるところ。特にEUなどを中心に対応が取られております。我々も、別にアメリカがどうこうというよりも、やはり優秀な人材をしっかり連れてくるという意味で、先月7月18日からそういった方に対して支援をできる仕組みを発表させていただきまして、今まさに各大学にそのお声かけをさせていただいて、対応を取らせていただいているところです。ちょうど今日くらいまでが締切りで、今後、9月、10月くらい、いわゆるセメスターが始まるくらいを対象に、博士課程の若手も中心という形で見ていますので、そういった形で対応は取らせていただいております。いずれ、支援対象先が決まったり分野が見えてきたらまた発表させていただきたいと思いますが、今、そんな形で動いているところでございます。
【中北委員】 ありがとうございます。既に取り組んでいただいているということで、大学へのサポートもどうぞよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。
【西條科学技術・学術政策局長】 ありがとうございます。
【水本分科会長】 様々な御意見あるいは質問ありがとうございました。私のほうで見たところ、手はもう挙がっていないと思いますけど、よろしいでしょうか。
それでは、ただいまの議題、ここまでとさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
【土井参事官(情報担当)付学術基盤整備室長】 ありがとうございました。
【水本分科会長】 続きまして、議題の3「研究開発課題の事前評価について」に移るわけですが、先ほど事務局のほうから御説明ありましたように、ここからは非公開とさせていただきたいと思います。
以下、研究計画・評価分科会運営規則(平成13年2月27日決定)第6条第1項第3号の規定に基づき、非公開。
次の事前評価について各委員会より概要の説明があり、質疑応答が行われた後、事前評価結果が決定された。
・ライフサイエンス分野に関する研究開発課題の事前評価結果(3件)
・環境エネルギー科学技術分野に関する研究開発課題の事前評価結果
・防災科学技術分野に関する研究開発課題の事前評価結果(2件)
科学技術・学術政策局研究開発戦略課