令和7年1月27日(月曜日)15時00分~17時30分
Web会議
観山分科会長、五十嵐分科会長代理、相澤委員、菅野委員、栗原委員、田中委員、明和委員、村山委員、出光臨時委員、上田臨時委員、大森臨時委員、上村臨時委員、佐々木臨時委員、土屋臨時委員、長谷山臨時委員、原澤臨時委員、宮園臨時委員、小杉臨時委員
井上科学技術・学術政策局長、先﨑科学技術・学術総括官、伊藤科学技術・学術戦略官、藤原研究開発戦略課長、川村研究開発戦略課専門官、土井参事官(情報担当)付学術基盤整備室長、植田参事官(情報担当)付参事官補佐、西山ライフサイエンス課生命科学専門官、田村環境エネルギー課課長補佐、尾西研究振興戦略官付専門官、ほか関係官
【観山分科会長】 それでは、ただいまから第95回科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会を開催いたします。
それでは、議事に入る前に事務局から説明をお願いいたします。
【川村研究開発戦略課専門官】 事務局でございます。本日の研究計画・評価分科会は、科学技術・学術審議会令第8条第1項に定める定足数である過半数を満たすことを御報告いたします。
また、本日は、議題2の関係で、量子科学技術委員会から、量子ビーム利用推進小委員会主査である小杉信博委員が出席を予定してございます。
続いて、事務局に人事異動がありましたので、御紹介いたします。令和6年9月1日付で、科学技術・学術戦略官に伊藤嘉規が着任しております。
【伊藤科学技術・学術戦略官】 科学技術・学術戦略官に昨年9月より着任しております伊藤と申します。どうぞよろしくお願いします。
【川村研究開発戦略課専門官】 ありがとうございました。
続きまして、Webexによるウェブ会議の開催に当たりまして、委員の皆様にお願いがございます。
会議中は、常にビデオをオンにしてください。御発言の際は、参加者リストの御自身のお名前の横にある形のマークの挙手ボタンを押していただきますようお願いいたします。発言後は、再度挙手ボタンを押して、挙手を取り消してください。御発言時以外はミュートにしていただき、御発言時のみミュート解除を御選択いただくようお願いいたします。
なお、議事録作成のため、お名前をおっしゃってから御発言いただくようお願いいたします。
また、御発言の際、資料を参照する場合には、資料番号、ページ番号、またはページ内の該当箇所などを分かりやすくお示しいただきますようお願いいたします。
事務局からは以上です。
【観山分科会長】 それでは、議事に入ります。議題1「研究開発課題の中間評価」及び議題2「研究開発課題の事後評価」についてでございます。
議題1については、4つの委員会から8件の中間評価案が提出されており、議題2については、2つの委員会から2件の事後評価案が提出されております。
まず、本日評価を行う計10件の利害関係に関して、確認をいたします。
それでは、事務局より確認をお願いいたします。
【川村研究開発戦略課専門官】 事務局でございます。まず参考資料5-1、こちらは参の184ページでございますけれども、「第12期研究計画・評価分科会における研究開発課題の評価について」でございます。こちらの留意事項、(1)利害関係者の範囲を御覧ください。利害関係者の範囲としまして、マル1、評価対象課題に参画している者、マル2、被評価者(実施課題の代表者)と親族関係にある者、マル3、利害関係を有すると自ら判断する者と記載しております。事前に確認しましたところ、ライフサイエンス委員会事務局から当委員会の中間評価、ナショナルバイオリソースプロジェクト及び次世代がん医療加速化研究事業につきましては、宮園委員が利害関係者に該当するとの報告を受けております。
次に、量子科学技術委員会事務局から、中間評価「大型放射光施設(Spring-8)/X線自由電子レーザー施設(SACLA)」について、宮園委員が利害関係者に該当するとの報告を受けております。
続きまして、情報委員会事務局からは、中間評価「AI等の活用を推進する研究データエコシステム構築事業」につきまして、相澤委員及び宮園委員が利害関係者に該当するとの報告を受けております。
それ以外で、先ほど申し上げましたマル1からマル3に該当する方はいらっしゃらないかを確認させていただきます。いかがでしょうか。
それでは、いらっしゃらないようですので、追加で利害関係者はいらっしゃらないということを確認いたしました。
なお、宮園委員及び相澤委員におかれましては、当該課題の審議においては御発言を控えていただくようお願いいたします。
以上でございます。
【観山分科会長】 ありがとうございました。
次に、本分科会における研究開発課題の中間評価及び事後評価に関する評価票のポイントについて、事務局より説明をお願いいたします。
【川村研究開発戦略課専門官】 事務局でございます。資料は、参212ページ、参考資料5-2「研究開発課題の評価について(留意点)」を御覧ください。こちらに留意点としてまとめておりますけれども、まず、1の共通事項といたしまして、評価は、当該研究開発課題の「必要性」、「有効性」、「効率性」等の観点から行います。
次に、2、評価票の様式についてですが、評価票の様式は、こちらは参考資料5-1でございますけれども、「第12期研究計画・評価分科会における研究開発課題の評価について」において定めております。実際の評価票の様式につきましては、参考資料5-1の参195ページから202ページ、こちらが中間評価票でございます。
続きまして、参の203から211ページ、こちらが事後評価の様式でございます。こちらを御参照ください。
続きまして、参考資料5-2、参の212ページに戻りまして、中間評価につきましては、2の(2)に記載のとおりでございますけれども、こちらのマル1、「3、評価結果」の(1)課題の進捗状況のところで、課題の所期の目標に向けての進捗、進捗度の判定とその判断根拠を明確にします。
次に、マル2、「3、評価結果」の(2)各観点の再評価におきまして、研究開発を取り巻く状況に応じて、当初設定された「必要性」、「有効性」、「効率性」の各観点における評価項目及びその評価基準の妥当性を改めて評価し、必要に応じてその項目・基準の変更を提案し、新たに設定された項目・基準に基づき、「必要性」、「有効性」、「効率性」の各評価項目について、その評価基準を満たしているか評価することとなっております。
続きまして、事後評価につきましては、こちらの(3)に記載のとおりでございますけれども、マル1、「3、評価結果」の(1)課題の達成状況、1つ目ですけれども、課題の初期の達成度の判定とその判断根拠を明確にする。
2つ目ですが、設定された「必要性」、「有効性」、「効率性」の各観点における評価項目及びその評価基準の妥当性を改めて評価し、必要に応じてその項目・基準の変更を提案する。
3つ目ですけども、新たに設定された項目・基準に基づき、「必要性」、「有効性」、「効率性」の各評価項目について、その評価基準の要件を満たしているかを評価するとなっております。
次に、マル2、「3、評価結果」の(4)総合評価において、どのような成果を得たか、所期の目標との関係、波及効果、倫理的・法的・社会的課題への対応状況等を期待することとなっております。
続きまして、本日の審議の進め方でございますが、研究開発課題評価の審議に当たりましては、説明時間を適切に管理するために、予定説明時間の終了1分前にベルを1回、終了時点でベルを2回、事務局より鳴らしますので、時間厳守でお願いいたします。
なお、各委員会から御提出いただいた評価票と併せて、審議を行った委員が分かるよう、研究計画・評価分科会の委員名簿を決定後に付するということにさせていただきます。
説明については以上です。よろしくお願いいたします。
【観山分科会長】 ありがとうございました。
それでは、議題1の「研究開発課題の中間評価」を実施いたします。
まず、委員会からまとめて、分野別研究開発プランの変更及び評価票の説明をしていただき、その後、質疑の時間を取ります。分野別研究開発プランの変更がない場合は、評価票の説明していただいた後に、質疑の時間を取ります。
一つの委員会の質疑を終えましたら、次の委員会の説明に移ります。ただし、ライフサイエンス委員会からは5件の中間評価が出ていますので、ライフサイエンス委員会については3回に分けて、説明及び質疑の時間を設けます。
評価票の説明の際には、分野別研究開発プログラムにおける当該課題の位置づけが明確になる該当ページを用いて、上位施策や大目標・中目標の達成に向けた今回の評価課題の位置づけ、意義及び課題間の相互関係等を簡潔に説明いただき、次に評価票の評価の観点における評価項目や評価基準に触れながら、必要な部分のみを簡潔に説明するようお願いいたします。
それでは、ライフサイエンス委員会の中間評価5件について行います。
まずは「分野別評価開発プランの変更」及び「ナショナルバイオリソースプロジェクトの中間評価」について、同委員会主査の宮園委員及び同委員会事務局から、合計8分で御説明をお願いいたします。よろしくお願いします。
【宮園委員】 それでは、宮園です。資料共有をお願いしてよろしいでしょうか。
【観山分科会長】 どうぞ。
【宮園委員】 ライフサイエンス分野研究開発プランの変更について、御説明します。資料1-1-1、通し番号で3ページを御覧ください。変更箇所はこちらに記載の4点となります。
具体的には、まず通し番号で10ページを御覧ください。令和6年度補正予算の措置により、医学系研究支援プログラムを創設したことに伴い、シーズ開発・研究基盤プログラムにおいて記載の整備を行っております。
次に、同じく通し番号10ページですが、医療分野国際科学技術共同研究開発推進事業及び革新的先端研究開発支援事業の中間評価時期を追加しております。
次に、通し番号で11ページを御覧ください。現在、JSTが実施しているライフサイエンスデータベースに関する事業の一部について、令和6年度補正予算より文科省の補助金事業として実施します。当該事業と既存のナショナルバイオリソースプロジェクトと統合したライフサイエンス研究基盤整備事業を新たに立ち上げることに伴いまして、プログラム、指標等の変更を行っております。
なお、この統合は、令和6年度補正予算から実施するものであることから、今回実施する中間評価はナショナルバイオリソースプロジェクト(第5期)のみについて実施することとしております。
変更は以上になります。
続きまして、研究開発課題の中間評価について御審議をいただきます。ナショナルバイオリソースプロジェクトにつきましては、私が利害関係者でありますので、事務局からお願いいたします。
【西山ライフサイエンス課生命科学専門官】 それでは、事務局の西山から御説明をさせていただきます。
資料1-1-1の24ページを御覧になってください。
本プロジェクトは、分野別研究開発プランのライフサイエンス分野のうち、今回変更するライフサイエンス研究基盤整備プログラムに位置づけられ、健康・医療戦略等に基づき、令和4年度から令和8年度の5年事業として研究開発が行われてきました。
続いて、中間評価票の御説明をさせていただきます。資料1-1-2の76ページ目を御覧ください。
本事業は、研究開発に使用する動物・植物・微生物や細胞等のバイオリソースについて、体系的な収集・保存・提供等の体制を整備し、質の高いバイオリソースを大学・研究機関等に提供することにより、我が国のライフサイエンス研究の発展に貢献することを目的としております。この目的を達成するため、イネや線虫等のバイオリソースごとに33の中核拠点を整備するとともに、バイオリソースの情報基盤整備、発信等を集約し、実施する情報センターを2拠点整備したほか、ゲノム情報や保存技術等の開発整備を支援して、質的向上に取り組んでおります。
77ページ目を御覧になってください。本事業の令和6年度予算は、当初予算12.9億円、補正予算2.9億円の合計15.7億円で実施しております。
続いて、78ページ目は事業概要のポンチ絵、そして、79ページ目は、バイオリソースの中核拠点の一覧。80ページ目は、本事業の課題評価委員会の委員名簿になっております。
それでは、続きまして、82ページの中間評価票を説明させていただきます。
本課題は、課題評価委員会において、各拠点・課題の中間評価を行ったところ、全体として、58拠点・課題のうち、91.4%が順調に進捗していると評価される、Aプラス、A、Aマイナスのいずれかの評価となっていることから、本事業全体の進捗状況は順調であると判断しております。
続いて、83ページ目を御覧になってください。ここのところでは、事業全体の課題として、定年退職に伴う課題管理者の交代や、高度化するバイオリソースの維持、管理に携わる人材の確保やキャリアパスの形成、必要性について御説明します。
バイオリソースの集約管理、提供体制の整備と併せて、ゲノム情報等の解析や凍結保存等の技術開発によるバイオリソースの質的向上や、バイオリソースデータベースの利便性向上を図ることで、バイオリソースの提供数は、第4期平均と同水準の毎年度、約2万5,000件で推移しておりまして、データベースへのアクセス数は毎年度100万件を超えるなどの実績を上げていることからも、本事業の必要性は高いと評価しております。
続いて、84ページ目の有効性についてでございます。本事業により、バイオリソースの価値や有用性を高める取組を集約して行うことで、研究者による、より再現性、信頼性の高い研究の実践を可能にしております。
また、各バイオリソースのゲノム情報等を情報センターに集約して公開する体制を併せて整備しております。これらにより、本事業に提供されたバイオリソースを用いた論文数は、第4期の年間平均である2,690件と同水準を維持していること、本事業で整備したショウジョウバエやゼブラフィッシュ、線虫等が世界的な研究コミュニティのハブとして機能していることからも、本事業の有効性は高いと評価しております。
続きまして、85ページの効率性についてでございます。個々の研究者がバイオリソースを個別に管理するよりも一体的に集約管理するほうが効率的であり、さらに本事業では、バイオリソースの集約管理と情報の集約・公開等を専門性に考慮した役割分担により効率的な運営が行われております。そして、効率的な運営により、令和4年度以降は第4期の年間平均である2万728件を超えた水準でバイオリソースの収集が行われ、令和5年度末時点で、合計464万4,081件のバイオリソースが収集・保存されていることからも、本事業の効率性は高いと評価しております。
続いて、86ページ目の事前評価時の指摘事項とその対応状況でございます。86ページ目です。大変失礼しました。事前評価時の指摘の対応として、導入・更新により管理運営の遠隔化や自動化を実現する機器等を限りある予算を活用し、措置しましたとか、名古屋議定書に基づく海外遺伝資源の取得時に必要な知識・手続等の普及・啓発や、動物実験、外部検証を推進する人材育成も推進しております。
続いて、87ページ目でございます。今後の研究開発の方向性でございます。各評価を踏まえた今後の研究開発の方向性については、必要性、有効性、効率性のいずれも認められ、課題評価委員会の中間評価において、58拠点・課題の91.4%が順調に進捗していると評価されていることからも、継続すべきであるとしております。
ただし、ライフサイエンス委員会からは、本事業開始から20年以上が経過し、バイオリソースの集約、維持、提供の目的が多様化したことに伴う新たな評価手法の検討が必要であること。老朽化した設備備品の計画的な更新が必要であること等について指摘いただいたほか、遺伝資源の国際的取決めの厳格化に伴い、バイオリソースの国際流通が滞る中で、国は引き続きバイオリソースの安定的な集約、維持、提供を推進すべきであるとの指摘をいただいております。
以上でございます。
【観山分科会長】 ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明について御意見、御質問がある方は、挙手ボタンを押してお知らせいただければと思いますが、いかがでしょうか。
よろしいでしょうか。それでは、また、全体が終わったところでも質疑の時間は取りますので、では、続いて、「生命科学・創薬研究支援基盤事業」及び「次世代がん医療加速化研究事業」の中間評価について、同委員会主査の宮園委員及び同委員会事務局から、合計10分で御説明をお願いいたします。
【宮園委員】 それでは、生命科学・創薬研究支援基盤事業(BINDS)の中間評価について御説明いたします。
まず、資料1-1-1の18ページを御覧ください。本事業は、分野別研究開発プランのライフサイエンス分野の医薬品・医療機器・ヘルスケアプログラムに位置づけられ、健康・医療戦略等に基づき、令和4年度から8年度の5年事業として実施しております。
令和6年度は、当初予算36.3億円、補正予算12.4億円の48.8億円で実施されております。
次に、資料1-1-4の通し番号96ページ、こちらは事業概要のポンチ絵、97ページは事業参画機関の配置図、それから、98ページ、99ページは、補助事業課題の一覧、それから、100ページは、ユーザー満足度調査の結果です。
それでは、102ページを御覧ください。中間評価票に沿って御説明いたします。
本事業では、創薬等に資するクライオ電子顕微鏡等の高度研究機器等と、それを扱う研究者、技術者による技術開発運用がセットとなる共用の高度研究支援技術基盤を整備して、研究者に提供しています。
9つのプログラムにおいて計56課題の採択を行っており、支援実績が、開始から2年半の時点で、全事業5年間の実績を既に上回っていること、AMEDが実施した中間評価において、56課題のうち、76.8%の43課題が10点満点、7点以上の「優れている」以上の評価を得ていることからも、本事業全体の進捗状況は順調であると評価しています。
続いて、評価結果について観点別に御説明いたします。
まず103ページの必要性についてです。本事業による研究支援実施件数は、令和4年度8月から令和6年度9月までの2年2か月で2,752件と、全事業5年間の支援実施件数2,742件を既に上回っていることからも、本事業は我が国のライフサイエンス、創薬研究環境の構築に貢献しており、必要性は高いと評価しています。
続いて、104ページの有効性についてです。本事業の有効性をはかる指標として、特許出願件数、論文発表数については、開始から2年2か月の時点で、既に全事業の3年間の実績を上回る成果を上げています。また、新たな指標である講習会等実施回数では、専門性を有する人材の育成に向けて408回の講習会等を開催しております。さらに本事業の有効性を測定するために実施したアンケートでは、支援内容について、97%が、「大変もしくは概ね満足している」と回答していることからも、本事業の有効性は高いと評価しています。
最後に105ページの効率性についてです。本事業では、個別の研究機関、研究者では実施困難な高度の実験、解析に対し、先端研究機器などの利用技術支援が一体となった効率性の高い支援を綿密なコンサルティングを通じて実施しています。さらに、創薬シーズの導出や、新興感染症発生時に即時に対応する体制として、ワクチン・新規モダリティ研究開発事業などのAMEDの他事業との連携を構築しており、2022年のサル痘流行時には抗原・抗体解析の迅速な支援を実現したことからも、本事業の効率性は高いと評価しています。
続いて、107ページを御覧ください。事前評価時の指摘事項については、研究基盤のDXの推進や、産学連携、感染症関連研究支援の体制構築、支援によって生じたデータの利活用などに継続して取り組む対応を進めています。
次に、108ページを御覧ください。最後に各評価を踏まえました今後の研究開発の方向性ですが、事業の進捗が順調であり、必要性、有効性、効率性のいずれも高いことからも本事業は継続すべきとしております。
加えて、本事業継続するに当たり、支援件数の増加、光熱水費、人件費高騰に伴う経費運営コストの増大に対応する支援費用負担の在り方について検討を進めることや、最新研究動向に対応した先端研究機器の迅速かつ継続的な導入が必須であるということを指摘しております。
本事業については以上です。
それでは、次世代がん医療加速化研究事業については、私は利害関係者でありますので、事務局からお願いいたします。よろしくお願いいたします。
【尾西研究振興戦略官付専門官】 それでは、引き続きまして、次世代がん医療加速化研究事業の中間評価について、御説明させていただきます。
まず、資料1-1の通し番号18ページを御覧ください。本事業は、分野別研究開発プランのライフサイエンス分野の医薬品・医療機器・ヘルスケアプログラムに位置づけられ、健康・医療戦略等に基づきまして、令和4年度から令和10年度までの7年事業として実施しております。令和6年度当初予算としまして、約35億円となってございます。
それでは、続きまして、資料1-1-6の通し番号114ページを御覧ください。
本事業の目的につきましては、次世代がん医療の創生に向けて、出口を意識した国際的にも質の高い研究を支援し、がんの本態解明等の基礎的研究から見いだされる新たなシーズを企業や他事業へ導出するということになってございます。
概要につきましては、通し番号117ページを御覧ください。
現状・課題といたしましては、がんは我が国の死亡原因の第1位であり、2人に1人が罹患すると推計され、依然として国民の皆様の生命及び健康に重大な問題となっています。がんの基礎的研究の推進は、多くの成果を創出し、我が国のがん医療の進展に大きく貢献してきたところでございます。しかしながら、依然としまして、有効な診断・治療法が実用化に至っていないがんも実はございまして、そういったことがございまして、事業内容としましては、希少がん、難治性がん等を含めた新規創薬シーズの探索や、有望な基礎研究を応用研究以降のフェーズに引き上げ、加速化させるための専門的支援体制の整備・充実を通して、企業・AMED他事業への確実かつ迅速な成果導出と、臨床現場を大きく変革するような新たながん治療・診断医薬品等の早期社会実装を目指すものになってございます。
下の図を御覧いただければと思いますけども、探索研究フェーズ、これは3年のものでございますけれども、有用性の高いがん治療薬や早期診断法の開発につながるシーズを取得することを目的としており、その後に、2年、応用研究フェーズという形で実用化に向け、企業導出や非臨床試験など、次のステージに研究開発を進めることを目的としております。
それに加えまして、戦略的研究というところでございまして、オレンジのところでございますけども、医療用ラジオアイソトープ研究でありますとか、革新的基礎研究というのを行っております。これらの各研究課題を支えるものとして、専門的支援体制というのがございまして、こちらのほうで、技術的支援でありますとか創薬コンサルテーション、検体の提供、臨床とのマッチングというものを進めております。
それ以降のページにつきましては、各先生方、PS、POの先生方でありますとか、評価実施体制、そして、最後、研究課題の一覧となってございます。
そして、評価のほうに移らせていただきますけれども、通し番号130ページを御覧ください。
課題の進捗状況としましては、かなり数多くの採択課題を採択しているところでございますけれども、応募数に対する採択数というのが少なく、平均採択率は約19%にとどまっており、採択に至らなかったものの評価点が7点台にあるという課題もあることから、本事業を目指す研究課題の質の高さをうかがえるとともに、採択率の向上を目指すというところを指摘されたところでございます。
また、次世代の研究者の育成を目的に「次世代PI育成枠」を実施し、若手研究者に対しても積極的に育成支援をしているところ、本公募枠の採択率の向上も特に期待されているところと指摘されてございます。
さらに、令和6年度から、革新的基礎研究枠の公募も設定いたしまして、本事業でより多くの挑戦的かつ将来性のあるシーズを支援するために、本公募枠の拡充も期待されているところでございます。
続きまして、131ページ以降でございますけども、各観点の再評価という形になります。まず必要性につきましては、研究開発としての意義というところでございます。がん研究10か年戦略が策定されている中で、今後も有望なシーズを見いだして、着実に育て、実用化まで切れ目のない支援をしていくべきと必要性が指摘されているところでございます。
また、健康・医療戦略等におきましては、本事業は、医薬品プロジェクトにおけるがん研究の初期フェーズに位置づけられ、アカデミア等の有望なシーズを画期的な治療法や診断法の実用化への導出に貢献してきております。特にがんの生物学的本態解明に向けた研究開発でありますとか、各創薬シーズの導出につきまして重要な役割を果たした医薬品プロジェクトの推進開発に必要不可欠という形になっています。そういう観点から、本事業の必要性は高いと評価できると考えております。
続きまして、132ページ、有効性でございます。こちらにつきましては、新しい知の創出でありますとか、人材の養成という形でございます。こちらにつきましては、おのおの評価指標がございますけれども、これらは既に達成しているという形になってございますので、本事業からの成果の波及効果は大きいと高く評価できると思います。
また、研究推進サポート機関におきましても、本事業の大きな特徴となってきてございます。
また、若手育成は、先ほど申し上げたとおり、次世代PIの育成に大きく貢献しているという形で、本事業の有効性は高いと評価しているものでございます。
最後に効率性でございます。133ページでございますけれども、こちらにつきましても、研究推進サポート機関のところで技術的なマッチングが行われておりますけども、こちらに関しても、効果的かつ効率的な成果創出ができると評価できるという形でなってございます。
最後に、今後の方向性のところでございますけど、本事業につきましては、以上のように、有効性が非常に高いということから、必要性、有効性、効率性が非常に高いという形で、本事業は継続すべきものと考えてございます。
そして、さらにこの本事業をよくするために、2点、指摘事項がございまして、新規採択応用研究フェーズの研究期間の延長、そして、事業間の連携という形で指摘されてございまして、おのおの進めることによりまして、より本事業が、よりよく進捗できると考えているところでございます。
説明は以上でございます。
【観山分科会長】 ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明について、御意見、御質問等がある方は挙手ボタンをお願いいたします。
大丈夫でしょうか。五十嵐先生、よろしくお願いします。
【五十嵐委員】 五十嵐です。どうも説明ありがとうございました。宮園先生から御説明があったライフサイエンス分野研究開発プランですが、107ページのところで、108だったかな、In silicoの話がありました。この話を聞いて、昨年のAlphaFoldのノーベル賞の話を思い出しました。あれができるためには、当然AIもあるのですけども、膨大な実験データ、そこのところを解析していって、あれができているという話です。その中で、日本のこういった研究成果と言うのでしょうか、それを生み出す日本の技術の世界的な位置づけと言うのでしょうか、データの採取から含めて、それはどうなのでしょうか。
【宮園委員】 どうもありがとうございます。まず、こうしたAIを使う場合にデータが優れている、しっかりしているということは重要ですけれども、BINDSでは、様々な構造解析ユニット、クライオ電子顕微鏡の整備などが行われまして、かなり精度の高い構造解析が、しかも迅速にできるようになりました。これはAMEDの支援等によりまして、日本全国でクライオ電子顕微鏡が広まったことによりますし、そのほかNMR等も十分に支援していただいております。
こうしたデータを使って、AlphaFoldを使った成果の解析はもちろん迅速にできるようになっておりますし、こうした成果を、AIを使って、あるいは数理を使って解析する。あるいは、私は理研におりますけど、スーパーコンピュータの「富岳」とか、将来的には製薬メーカーなどは量子コンピューターを使うということも考えておりまして、この辺りは非常に競争が激しいわけですけれども、ライフサイエンスの分野でもぜひ世界に伍して競争していけるようにやっていきたいと考えております。どうもありがとうございました。
【五十嵐委員】 ありがとうございました。日本の成果がノーベル賞に相当貢献しているという話は、あのときのニュースでも聞いていましたので、ぜひ頑張ってください。よろしくお願いします。
【宮園委員】 どうもありがとうございます。
【観山分科会長】 そのほかよろしいでしょうか。
それでは、また振り返ることもできますので、ありがとうございました。
続いて、「医療分野国際科学技術共同研究開発推進事業」及び「革新的先端研究開発支援事業」の中間評価について、同委員会主査の宮園委員から、合計10分で御説明をお願いいたします。
【宮園委員】 それでは、資料の共有をお願いいたします。医療分野国際科学技術共同研究開発推進事業の中間評価について御説明いたします。
まず、資料1-1-1の23ページを御覧ください。
本プログラムは、分野別研究開発プランのライフサイエンス分野の研究基盤プログラムに位置づけられており、健康・医療戦略等に基づいて、平成27年度から終了年度未定の事業として研究開発が行われてきました。
次に、資料1-1-8の通し番号で144ページを御覧ください。
本事業は、医療分野における国際共同研究を戦略的に推進し、イノベーション創出や科学技術外交の強化を目的とする事業です。
本事業は5つのプログラムから構成され、具体的には、1つ目が、政府開発援助(ODA)と連携して、感染症分野など、地球規模課題の解決を目指すSATREPS。それから2番目が、イコールパートナーシップに基づいて実施するSICORP。3番目が、アフリカにおける顧みられない熱帯病、NTDsの対策に着目した国際共同研究。4番目が、優れた日本の若手研究者を対象として、国際学術的チームの形成を支援、指導するInterstellar Initiative。そして、5番目が、先端分野において、欧米等、先進国との国際共同研究を通じた国際頭脳循環を促進するASPIREとなっております。
続いて、評価結果について観点別に御説明いたします。
まず147ページの必要性についてです。必要性については、科学的・技術的意義など、4項目から評価しました。ASPIREの創設を含め、先進国やグローバル・サウス諸国等の政策上、重要な国々と連携し、持続可能な発展や国際的な信頼関係の構築に貢献しているとともに、過去3年間で、インパクトファクター5以上の科学誌に約100件の論文が掲載されるなど、着実な成果を上げています。こうした点より本事業の必要性は高いと評価しました。
続いて、149ページの有効性についてです。有効性については、科学技術外交における貢献など3項目で評価しました。SATREPSの採択課題におけるエボラ出血熱の迅速診断キットの使用許可取得をはじめ、相手国の課題解決に資する診断技術や創薬等の成果を創出し、感染症対策の立案に貢献するなど、本事業の有効性は高いと評価しました。
最後に150ページ、効率性についてです。効率性については、計画実施体制の妥当性など2項目で評価しました。適切なプロジェクトマネジメントが実施されているとともに、調整費を活用して、研究開発の前倒しや研究内容の充実も図られており、本事業の効率性が高いと評価しました。
続いて、直近の中間評価時の指摘事項及び対応状況です。151ページに記載しております。令和2年度の中間評価では3点の留意事項が示されました。対応状況は152ページに記載しております。
1点目への対応として、令和4年度補正予算によりASPIREを創設しました。2つ目として、SATREPSでは、迅速診断キットの使用許可取得の事例のように、社会実装につなげる取組がODAと連携して着実に行われています。3つ目は、Interstellar Initiativeで形成されたネットワークを強化し、研究構想の完成度を高めるための新たな取組が令和4年度から開始されております。
最後に、各評価を踏まえた今後の研究開発の方向性です。152ページを御覧ください。
本事業は、医療分野における政策上重要な国との国際共同を戦略的に推進し、地球規模課題への対応や科学技術外交に貢献しています。また、運営体制の整備など、円滑な事業運営が認められることから、継続する方針です。
指摘事項として、ASPIREにおいて、国際頭脳循環の推進と長期的な連携ネットワークの構築に向け、評価の在り方を検討する必要がある旨を指摘しました。
本事業については以上です。
次に、革新的先端研究開発支援事業の中間評価について御説明いたします。資料1-1-1、23ページを御覧ください。
本事業は、分野別研究開発プランのライフサイエンス分野の研究基盤プログラムに位置づけられており、健康・医療戦略等に基づき、平成26年度から、終了年度未定の事業として研究開発が行われてきました。
次に、資料1-1-10の170ページをお願いいたします。
本事業は、JSTで実施していた戦略的創造研究推進事業のうち、医療・創薬をターゲットとする研究領域がAMED発足時に移管され、開始しました。革新的な医薬品や医療機器、医療技術につながる画期的シーズの創出、育成を目的としており、国が定めた研究開発目標の下、大学等の研究者から提案を募り、組織の枠を超えた時限的な体制を構築して、先端的研究開発を推進しています。
続いて、評価結果について観点別に御説明いたします。
まず、171ページの必要性についてです。国が関与する必要性・喫緊性があるか、社会的・経済的な要請に合致しているかという評価基準で評価しております。学術研究から生まれた優れた成果を医療や創薬につなげる研究については、市場原理に委ねるのみでは十分に取り組まれないことから、国として取り組む必要性が高いと評価しております。
また、第二期「健康・医療戦略」や医療分野研究開発推進計画において、基礎的な研究開発の重要性が示されているところ、優れたシーズを多数創出し、革新的な医薬品、医療機器、医療技術などへつなげる本事業は、これらの政府方針を達成するものとしての必要性が高いと考えます。
続いて、171ページの有効性についてです。科学的・学術的に質の高い成果を創出しているか、将来の革新的な医薬品や医療機器、医療技術等につながる成果を創出しているかなどを基準に評価しています。科学的・学術的な面では、令和元年度から令和4年度までにインパクトの高い国際科学誌へ1,050報を掲載するなど、着実に成果を上げていると考えています。
また、特許については、令和元年度から令和4年度までに140件が申請、登録に至っているなど、社会的・経済的価値の創出に向けても着実に貢献していると考えております。
最後に、172ページの効率性についてです。制度設計、運営体制、また、AMEDによるマネジメントは適切かという観点で評価しています。領域ごとに任命するPS・POによる適切な助言、指導の下、画期的なシーズの創出に向けて先端的研究開発を推進しています。研究成果の最大化に向けて、領域の特性に応じた柔軟・機動的なマネジメントが実施されており、効率的な運営体制であると評価しております。
続いて、前回、中間評価時の指摘事項及び対応状況です。こちらは173ページをお願いします。JSTの戦略的創造研究推進事業の充実・強化に向けた提言がなされ、本事業においても同様に事業運営の改善に取り組んでいくことが留意事項として示されました。これを踏まえまして、当事業では、異分野融合を促す研究開発目標の設定、研究開発の進捗に応じた機動的で柔軟な資金配分、AMED内他事業との連携活動や、JST戦略的創造研究推進事業との連携領域の設定など、事業運営の改善に向けた工夫を続けてきております。引き続き、事業の一層の充実・強化に向けて取り組んでいきます。
最後に、各評価を踏まえました今後の研究開発の方向性です。174ページを御覧ください。
本事業については、着実な成果を上げていることから、必要性、有効性、効率性はいずれも高く、今後も研究の成果が多数輩出されることが見込まれることから、継続して実施すべきであると考えております。
本事業については以上です。よろしくお願いいたします。
【観山分科会長】 ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明について御意見、御質問がある方は、挙手ボタンでお知らせください。よろしくお願いいたします。
よろしいでしょうか。それでは、ありがとうございました。明和先生、どうぞ。
【明和委員】 ありがとうございます。今、ライフサイエンスの国際化について、方向性について現状を教えていただければと思ったんですけれども、例えばミクロサイエンスのレベルであれば、グローバルに全てのホモサピエンスにおいて非常に有効に働くシステム等の機序の解明というのはあると思うんですけれども、例えば民族によって様々異なるセンターシステムみたいなものも最近、非常にクリアになってきて、例えば私は腸内細菌と脳の発達研究をやっていますけれども、腸内細菌叢、腸内フローラは、いわゆる民族によって多様であり、恐らくそうしたものを媒介として、ヘルス系あるいはウエルビーイングの向上ということを考えたら、恐らくアプローチの仕方が民族等によって異なるという方法論も新しく開拓していかなければならないと思うんですが、そうした多様性と国際化あるいは国際戦略というところがどんなふうに有機的に結びつきながら、日本が優位に立つようなステージに貢献できるか。この辺り、見通しをもしお持ちであれば教えていただきたいと思います。
【宮園委員】 なかなかすぐに私もクリアな回答は難しいかと思いますが、例えば一つは、ナショナルバイオリソースのところでお話ししましたけれども、様々なバイオリソースをそろえております。これは海外の他のバイオリソースと綿密な連携を図りながら連携を進めているということ、それから、これらのバイオリソースについてデータをそろえつつ、将来的には情報の交換等もやっていくということで、そういう研究基盤について国際的な連携を進めていくべきですし、そういった形で考えていきたいと思っております。
それから、例えば研究で言いますと、がんの研究のことで恐縮ですが、例えば肺がんの遺伝子の変異は、東洋人と、それから、欧米人でかなり違います。それに対して、やはり国際的な連携は必要であるということで、様々な形で海外の研究者との比較が行われておりますし、ゲノムの解析もつい最近、腎臓がんでは、日本人によく見られるもの、欧米人には見られないものといった、そういう国際共同研究も進められておりますので、そういったものを蓄積しながら、将来的に連携をさらに進めていければと思っております。
お答えになっているかどうか分かりませんが、以上です。
【明和委員】 ありがとうございます。『Nature』に掲載されたとか、そういった評価基準だけではなく、連携そのものが恐らく成果であるということも、今後のこうしたサイエンスが重要なのか、特にライフサイエンス、半導体マテリアルとは違う多様性というところをどう組み込んでいくかというところが非常に大事だと私自身も考えます。ありがとうございました。
【宮園委員】 ありがとうございました。
【観山分科会長】 重要な御指摘ありがとうございました。
ほかに御意見、御質問ありますでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございました。
それでは、次に、環境エネルギー科学技術委員会の中間評価1件について、同委員会主催の原澤委員から分野別研究開発プランと研究開発課題とを併せて8分で御説明をお願いいたします。よろしくお願いします。
【原澤委員】 環境エネルギー科学技術委員会主査の原澤です。よろしくお願いします。環境エネルギー科学技術分野の研究開発プランの改定と、気候変動予測先端研究プログラムの中間評価を行いましたので、御報告いたします。
研究プランの変更点についてです。資料1-2-1、177ページを御覧ください。
変更点は2点です。第94回分科会、前回の分科会におきまして事前評価をいただきました次世代半導体に関する総合的研究開発プログラムにつきましては、経済産業省の予算の下で文部科学省と経済産業省が連携して実施することとなりました。これを踏まえまして、研究開発プランにおきましては、当該プログラムの記載を削除しております。183ページの線表にあります。加えまして、上位施策につきまして、時点の更新を行っております。
続きまして、気候変動予測先端研究プログラムの中間評価についてです。203ページを御覧ください。本プランの概要について御紹介いたします。
本プログラムでは、防災対策も含めた気候変動対策において、過去のデータを基にした対策から、科学的な将来予測データを活用した対策への移行を加速させるため、気候予測シミュレーション技術の高度化等を通じた科学的知見の充実や、高精度な気候予測データの創出及び利活用に関わる研究開発に取り組んでおります。
204ページに、実施機関及び体制について記載しておりますが、1名のプログラムディレクター及び2名のプログラムオフィサーの下で、全球気候モデルの高度化、あるいは物質循環モデルの開発等々の4つの領域課題を設定して取り組んでおります。
続きまして、205ページの下段から、当初設定されましたアウトプット指標及びアウトカム指標の現状を記載しております。
アウトプット指標につきましては、累計の論文数及び国際共同研究等の海外連携実績を設定しております。論文数につきましては、令和4年度は191本、令和5年度は389本ということで増大しております。また、海外連携数につきましては100件弱であります。
また、アウトプット資料につきましては、国、地方自治体、国際機関、民間企業等への気候変動対策検討への活用ということで、研究成果の活用についての指標を設定しております。この指標につきましては、本プログラムの成果を無償で公開、提供しているため、全ての活用事例を把握することがなかなか難しいということで、現在把握している範囲での記載としております。具体的には、令和4年度は28件、令和5年度は71件と着実に活用が増加しております。
続きまして、206ページから211ページにかけて、各領域課題の進捗状況を記載しておりますが、詳細につきましては省略させていただきますが、最先端の研究成果を創出するとともに、国際的な、例えば、気候変動に関する政府間パネル等にも活用される予定でございます。
続きまして、211ページ後半から評価項目に沿った評価結果を記載してございます。
まず必要性についてであります。IPCCの第7次評価報告書、昨年、一昨年の7月から開始されておりますけど、そちらへの貢献ですとか、日本一の高精度な大規模アンサンブル予測データを活用したイベント・アトリビューション研究により、極端現象への温暖化の寄与率の評価、今後発生が予想される洪水と高潮の複合災害のモデル化等を通じて、将来の災害への適用費用の推計に貢献することが期待されております。
また、国内の企業による気候変動に関する財務情報開示、TCFDにおいて、本プログラムによる気候予測データが科学的根拠として活用されております。
以上のことから、本プログラムは科学的・技術的意義及び社会的・経済的意義があり、必要性のある取組と評価できると考えております。
213ページの後段から、有効性の観点に参ります。本プログラムによる気候予測データセットは、農林水産省、国土交通省、地方自治体における治水対策等の政策検討等にも広く利活用されております。また、国際的にも、アジア太平洋地域において、風水害リスクの将来予測データの創出、フィリピン等の地域防災担当者との連携を通じたハザード予測の社会実装に向けた取組も進めております。
以上のことから、行政施策や国際社会への貢献が進められており、有効性の観点からも評価できると考えております。
215ページから効率性の観点です。プログラムディレクター及びプログラムオフィサーの下、4つの領域課題を設定し、外部有識者等からの助言を得るとともに、領域課題間での互いに研究者が参画したりするなど、合理的な意思決定体制、かつ有機的な連携体制により研究開発を進めております。
また、文部科学省の事業として開発運用しておりますデータ統合・解析システム、DIASと呼んでおりますが、とも協力して創出した気候予測データ等は、国内外の研究機関や地方自治体、民間企業等が利活用できるよう、公開して、積極的に提供しております。
以上のことから、効率性の観点からも評価できると考えております。
217ページに参ります。今後の研究開発の方向性について記載しております。本プログラムは今後も継続するべきものとして評価しております。継続に当たっての研究開発の方向性として、サーバーやストレージ等の機器や、地球シミュレータの整備も含めた気候予測研究を進めるための研究環境の整備及びDIASとの緊密な連携に取り組むことが必要であると記載してございます。
最後ですけども、その他につきまして御説明します。本プログラムは、我が国における全球気候モデルのフラッグシップモデルの開発、日本域を中心とする唯一の気候予測データの創出等により、IPCC等の気候変動に関する国際枠組みや国内の気候変動対策に対して、重要な科学的な知見を提供するものであります。
また、気候変動適応法に基づくものでもございますので、本プログラムの終了後も新たなプログラム等を設定し、取組を続けていく必要があるものと考えております。そのため、後継プログラムの取組内容の検討、具体化の必要性を記載しております。
本プログラムの中間評価につきましては、説明は以上です。
【観山分科会長】 ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明について御意見、御質問がある方は、挙手ボタンをお願いいたします。
栗原先生、よろしくお願いします。
【栗原委員】 ありがとうございます。世界的にも大変重要なテーマですので、引き続き取り組みを期待します。その上で、2点質問がございます。
一つは、先ほどの改善に向けた指摘事項にあったIPCC等への貢献は、日本のデータ活用の高度化、世界のデータの信頼性向上のため象徴的な事柄だと思うんですが、それをやるために、ハード的な障害があるように見受けられまして、研究環境の整備が必要であるとの指摘に対し、今回の中間評価を受け、今後の計画において、ハード的な改善をしていくのでしょうか。こういうところにネックがあるのは大変もったいないと思います。一方で、研究を進めるためには、実はハードの環境整備というのは大変重要なところだと思いますので、そこをどう取り組まれるのでしょうかというところを1点お伺いしたいです。
それからもう1点は、冒頭のところで、プランの変更で、むしろ削除したというところですけど、次世代半導体に関する統合的研究開発プログラムで、省エネ的な半導体の開発について削除した理由がMETIのほうの予算の中でやることになったとの御説明だったと思います。いずれかの予算で実施されるのは良いと思いますが、予算の省庁が違う関係で、全体のプログラムから落とされるということについて、どのように考えたらよろしいんでしょうか。
【原澤委員】 御質問ありがとうございます。
最初の質問ですけれども、いわゆる研究機器等の整備ということで、どんどん計算が進んでまいりますと、データ量が膨大になってきますので、計算能力もさることながら、ハードディスクの容量が問題になってまいりまして、これについては、文科省で非常に頑張っていただいて、補正予算でそういった機器の整備ができるようになってまいりましたので、安心して研究を進められる状況であるんですが、この分野については、テラバイトオーダーのデータが出てまいりますので、引き続き研究環境をいかに工夫してうまくやっていくかというのは、御指摘のように、非常に重要なポイントです。
現在、研究環境が非常に悪くてということは全然なくて、みんなで協力しながら、かつ、工夫をしながら、研究環境も整備しながら進めているという状況かと思いました。
予算絡みの話はまた事務局からお話があるかと思います。
2点目の話につきましては、予算要求の関連の話もあったりしますので、研究委員会でも議論にはなったんですけど、こちらについても事務局から御説明していただければと思います。
では、事務局、よろしくお願いいたします。
【田村環境エネルギー課課長補佐】 原澤先生、ありがとうございます。後段についてを御説明させていただきます。後段につきましては、経済産業省の予算事業になったということで、経済産業省の評価体系で評価していくと伺っております。そのため、文部科学省のこのプランからは削除したということでございます。
【原澤委員】 よろしいですか。
【栗原委員】 はい。ありがとうございます。後段のほうは違うところで国としてガバナンスを利かせていると理解いたしました。前段も、ですから、ハードについても整備を進めつつあって、それはまさに研究成果の有効性というところにも響いてくると思いますので、ぜひその辺のネックを解消していただけると良いと思います。ありがとうございます。
【原澤委員】 御指摘どうもありがとうございます。
【観山分科会長】 ほかの委員、よろしいでしょうか。
私から一つ、206ページを見てもらえますか。国や地方団体、国際機関、民間企業等の気候変動対策への活用という所で、コメ印で、無償で公開しているので、活用事例を把握できていないというのは、プログラムの効果を可視化する上でもったいない感じがします。無償で公開されていることはもちろん問題ないと思うんですけども、ぜひ利用状況については把握されることが、このプロジェクトの有効性というか、必要性を上げるものと思いますので、今後は検討されてはいかがかと思いました。
【原澤委員 コメントどうもありがとうございます。先生のおっしゃるとおりです。やはりいい成果をなるべく多くの人に使ってもらうということで、例えば論文にデータを使っているとすると、最後のほうにクレジットを入れたりするような、そういう仕組みはあるんですけれど、それ以外に民間の方とか自治体の方とか、研究とはちょっと違ったh分野で使っている方もいらっしゃったりするので、そういった人につきましては、やはりデータを使ったら、その旨、成果が出たらフィードバックするというようなそういうルールはつくってはいるんですけども、もう少し徹底して、総数なり、数をしっかり把握できるような仕組みというのも大事だと思いますので、今後そういったことも検討していく必要はあるかなと考えております。
【観山分科会長】 ぜひよろしくお願いいたします。
ほかの委員、よろしいでしょうか。ありがとうございました。
次に、量子科学技術委員会の中間評価1件について、同委員会主査の大森委員から5分で御説明をお願いいたします。
【大森委員】 量子委員会主査の大森でございます。本件、量子ビーム利用推進小委員会主査の小杉信博委員より御説明差し上げます。小杉委員、よろしくお願いいたします。
【小杉委員】 御紹介いただきました小杉です。本中間評価結果の(案)、素案については、量子科学技術委員会の下部委員会である量子ビーム利用推進小委員会で、数回に分けてヒアリングや現地調査を行った上で審議し、作成していますので、小委員会の主査としての私から御説明したいと思います。
それでは、225ページから始まります資料1-3-2ですけれども、まず4ページ目の、通し番号で228ページ。図になっておりますけれども、横長が縦になっているんですが、大型放射光施設、SPring-8とX線自由電子レーザー施設、SACLAの概要を御説明いたします。
それで、SPring-8は、世界最先端の放射光施設として、平成9年の供用開始以来、25年以上にわたり産学官において幅広く活用されている施設になっております。それから、SACLAも同じく世界最先端のX線の自由電子レーザー施設として、平成24年に供用開始しております。
SPring-8もSACLAもX線に特徴のある大型施設ですけれど、令和3年度からSACLAはSPring-8のビームの入射器としても活用され、世界に誇る成果ですけれど、非常に質の高いビームによる入射を実現しております。これによって従来、Spring-8で使っていた入射器を使わなくなったということもあって、省エネ化にも大きく貢献しています。
それから、両施設共に我が国の科学研究を支える強力な基盤施設であり、右の下、この図では上の右のほうにあるんですけれど、論文の数としては、累計で2万2,000、報告されています。その下に書いてあるんですけれど、SPring-8は57のビームラインがあります。
それから、SACLAのほうは3本のビームラインということで、ビームラインの数がSACLAは少ないということで、論文の数としては、割合としては非常に少ないんですけれど、この2万2,000のところにはそういうビームラインの数に比例するような感じでの数になっております。
では、次のページに行きます。通しで229ページですが、上位のプラン名としては、量子ビーム分野研究開発プラン、プログラム名は、量子ビーム分野研究開発プログラムとなっております。
アウトカム指標としては論文数で、アウトプット指標としては運転時間ということになっていて、アウトカムの下の論文の数が今、見えていないですか。ビームラインの数で、SACLAはちょっと少なめに見えますけど、大体同じような高率で論文が発表されているという状況です。
それでは、続きまして次のページに行きまして、評価結果について御説明いたします。こちらにピックアップして簡単にまとめておりますけれども、いろいろな成果が出ております。安定した供用運転が実現して、質の高い研究がずっと引き続き創出されているということで評価しました。
それから次、各観点の再評価ということで、必要性、有効性、効率性の3つの観点の評価結果になりますが、まずは必要性ですけれど、次の7ページに行っていただいて、SPring-8は、世界最先端の大型放射光施設、それから、SACLAもX線自由電子レーザー施設として、産学官の広範な分野の利用に供して、革新的な成果を継続して生み出しているという状況がありますので、科学的、技術的、社会的、経済的意義は大きく、国として着実に進める必要性が高いと評価しました。
それから次に有効性ですけれど、最先端の基礎研究ばかりではなく、民間の製品開発にも活用されている状況もありますし、国際的にも強く連携しながらやっておりますし、さらにこの分野の人材育成にも貢献しているということも確認できておりますので、有効性が高いと評価しました。
それから、最後の効率性ですけれど、8ページ、232ページの上部にありますが、ユーザーの意見も取り入れて、効率的な施設運営を行う努力をしておりますし、計画的な経年劣化対策や運営費の効率化も図っているということが確認できましたので、効率性が高いと評価しました。
次に、(3)の上位施策への貢献状況ですけれど、これは期待されているということで記載しております。
それから、(4)の事前評価結果時、あるいは直近の中間評価結果時の指摘事項とその対応状況ということで、指摘事項はずっと書いておりますけれど、いずれも的確に対応している状況が確認できておりますので、結論としては、「概ね着実に対応がなされていた」という一行で結論しております。
それで、最後のところになりますが、(5)のところですけど、本課題は継続ということで結論しております。
それから、今後、重点的に取り組む事項、いろいろ議論しましたけれど、NanoTerasuの稼働を始めている状況もありますし、Spring-8-2の計画も進み出しているという状況を踏まえて、2つの項目を挙げておりますが、Spring-8-2を見据えて、さらに効率的な利用制度、利用環境という項目と、それから、放射光全体に関わる人材の効率的な育成及び交流ということが重要であるという指摘をしております。
その他いろいろ審議する過程でいろいろな意見が出て、それは別途報告書にまとめている状況です。
以上、量子科学技術委員会からの御説明です。以上です。
【観山分科会長】 ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明について御意見、御質問がある方は挙手ボタンをお願いいたします。
いかがでしょうか。よろしいですか。どうもありがとうございました。
それでは、次に、情報委員会の中間評価1件について、同委員会事務局から、分野別評価開発プランと研究開発課題とを合わせて8分で御説明をお願いいたします。
【植田参事官(情報担当)付参事官補佐】
情報委員会事務局でございます。
最初に通しページ番号で240ページを御覧ください。
昨年2月に作成されました学術論文等の即時オープンアクセスの実現に向けた基本方針によりまして、2025年度から公的資金による学術論文等の即時オープンアクセスの対応が始まり、研究データ基盤の見直し等の検討の必要性が高まったことから、令和7年度に予定されておりましたプログラム、(3)のところに記載しております、「AI等の活用を推進するための研究データエコシステム構築事業」の中間評価を本年度に前倒しして実施させていただければと思います。
では、238ページに戻っていただけますでしょうか。見え消しにしておりますけれども、簡単な誤記等がございましたので、併せて修正させていただいております。
また、手違いで大変恐縮なのですが、右肩のクレジットが落ちてしまっております。こちら、1月21日付で情報委員会決定とされておりますので、会議後にその旨追記させていただければと存じます。
資料1-4-2、情報委員会による研究開発課題の中間評価結果の(案)につきましては、学術基盤整備室長の土井から御説明させていただければと思います。
【土井参事官(情報担当)付学術基盤整備室長】 続きまして、資料1-4-2、通しページ番号で260ページからの資料に基づきまして、AI等の活用を推進する研究データエコシステム構築事業の中間評価結果(案)について説明させていただきます。
まず261ページを御覧いただければと思います。先週開催されました情報委員会で、※印を付されている委員は参加しない形で、この中間評価結果(案)を取りまとめていただいたところでございます。
少し飛びまして、265ページを御覧いただければと思います。本事業の概要につきまして、簡単に説明させていただきたいと思います。
オープンサイエンスが世界的な潮流となっている中、オープン・アンド・クローズ戦略に基づき、全国の研究者が研究データを互いに利活用することで、優れた研究成果とイノベーションを創出していく環境の整備が急務であるといった背景の下で、全国的な研究データ基盤であるNII RDCの機能高度化及び活用促進のための環境整備等につきまして、国立情報学研究所、理化学研究所、東京大学、名古屋大学、大阪大学の5機関から成る中核機関群におきまして、令和4年度から令和8年度までの5年計画で進めているものでございます。
令和7年度の予算額案としましては、11億円となってございます。これまで毎年度、大体10億円程度で予算は推移してございます。
続きまして、266ページを御覧いただければと思います。中核機関群の具体的な役割分担でございますが、国立情報学研究所が研究データ基盤の機能実装を進めるとともに、ほかの4機関が、プラットフォーム連携ですとか融合活用開拓といったそれぞれの観点から研究データ基盤の活用に係る環境整備に関する取組を進めているところでございます。
268ページからが中間評価票になります。下にございますアウトプット指標、及び269ページにありますアウトカム指標に沿って、これまでの取組状況を示しております。まだ研究開発フェーズにある状況ではございますけれども、例えば269ページの上から2つ目にあります全国的な研究データ基盤の利用機関数は、令和4年度で63機関、令和5年度で107機関と増加している状況でございます。
下にあります評価結果になりますけれども、ここから270ページまで各機関の取組状況を記載した上で、当初計画に基づいて概ね計画どおりに進捗していることが確認されたところでございます。
続きまして、各観点の再評価でございますが、必要性につきましては、統合イノベーション戦略2024において、本事業により全国的な研究データ基盤の高度化や、その活用に係る環境整備の推進が求められているといったことのほか、国家戦略、国際競争力の観点からも必要性が高いことなど。有効性につきましては、全国的な研究データ基盤として十分な国際競争力を有すること、分野の拡大や裾野の広がりなど有効性が確認できることなど。効率性につきましては、中核機関群の責任体制や役割分担、機関間の連携体制、また、必要なインフラストラクチャーの全国展開の方法などにより、必要性、有効性、効率性は引き続き高いと評価できるとしてございます。
以上を踏まえまして、(5)今後の研究開発の方向性としましては、継続するとし、事業全体の改善・検討事項としましては、学際的な新分野の創成や文理融合などを促進するための具体的な仕組みの検討。研究現場のニーズの有効活用と本事業の必要性や意義の幅広い周知・共有など。グローバルな潮流を意識した国際競争力の確保やユーザーインターフェース等の英語化。さらなる有機的な連携の促進や多様な分野の研究者が参画できるよう、運営の透明性を確保した全体マネジメントの必要性など、8点とともに、事業終了後を見据えて検討を並行して進めることが望まれる点としまして、継続的な機能向上や利用機関の拡大施策の展開といった様々な課題の整理と社会実装までのロードマップの明確化、NII RDCが持続的に発展・展開し運営されていくための対応策の明確化が挙げられております。
説明は以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【観山分科会長】 ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明について御意見、御質問がある方は挙手ボタンをお願いしたいと思います。
明和先生、お願いいたします。
【明和委員】 御説明ありがとうございます。聞き漏らしていたかもしれませんけれども、データ活用に関して、人文・社会科学との融合と今お触れになりましたけれども、やはりどういったデータをDX化していくこと、あるいは共有していくことによってどんな問題が発生する可能性があるかという、やはりELSI問題というのは軸の一つとしてしっかりと位置づけていかないと、活用すればよいというものではないと私自身思うんですが、この辺りについての柱は何か設定されておられるんでしょうか。
【土井参事官(情報担当)付学術基盤整備室長】 御質問ありがとうございます。人文・社会科学を巻き込んだ融合という部分につきましては、課題の一つとして捉えておりまして、ELSIといった課題も非常に重要な観点との認識がございますので、種々いただいた御意見を基に、後半の研究開発や環境整備を進めていくということで検討しているところでございます。
【明和委員】 ありがとうございました。
【観山分科会長】 ほかの委員、よろしいでしょうか。
ありがとうございました。以上で中間評価8件の説明が終了いたしましたけれども、改めて全体を通して、御意見、御質問がある方は挙手ボタンを押してお知らせいただければと思います。私のほうで全体が見えないので、事務局、手が挙がったら教えていただければと思います。
それでは、ありがとうございました。ただいま御審議いただきました分野別研究開発プランの変更を含めた評価案につきまして、本分科会として決定したいと思います。よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【観山分科会長】 ありがとうございました。
それでは、分野別研究開発プランについては、資料1-5のとおりにしたいと思います。
では、続きまして、第2の研究開発課題の事後評価についてでございます。
それでは、まず防災科学技術委員会の事後評価1件についてでございます。同委員会主査の上村委員から5分で御説明をお願いしたいと思います。
【上村委員】 防災科学技術委員会、上村でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
まず通し番号の444ページを出していただけますでしょうか。こちらでございます。中央にありますけれども、令和2年度から令和6年度までの5年間実施してまいりました防災対策に資する南海トラフ地震調査研究プロジェクト、これが最終年度となっておりますので、事後評価について御説明をいたします。
この図を御覧いただきまして、防災科学技術分野研究開発プランの大目標であります安全・安心の確保に関する課題への対応のうち、防災科学技術分野研究開発プログラムにおいては、国土強靱化に向けた調査観測やシミュレーション技術及び災害リスク評価手法の高度化、それから、「より良い回復」に向けた防災・減災対策の実効性向上や社会実装の加速に関する研究開発を実施しております。
この中の防災対策に資する南海トラフ地震調査研究プロジェクト、これはまず第1として南海トラフ地震の多様な活動を把握、予測、それから2番目として、社会を守るための仕組みをつくり、3番目として、地域に情報発信するための研究開発を実施し、国、地方公共団体、企業等による南海トラフ地震の防災対策に資するとの考えの下で実施してまいりました。
通し番号の451ページを出してください。評価結果について説明してまいります。
南海トラフ地震は、極めて広い範囲で揺れや津波による大きな被害が生じるおそれがありますので、極めて重要な研究開発課題です。設定された必要性、有効性、効率性の3つの評価項目による評価結果について御説明いたします。
まず必要性については、本プロジェクトにより、南海トラフの沈み込みプレート形状などを考慮した三次元地下構造モデルを構築するとともに、三次元構造モデルを用いた自動震源決定システムが構築されたと、この点が高く評価されました。
昨年8月の日向灘での地震の評価に早速活用されまして、本震が発生して、2時間後には、気象庁の評価検討会臨時会に資料が提出できたということもあり、政府の地震活動の評価に貢献しており、必要性が高いと判断されました。
続きまして、通し番号452ページを出してください。有効性について御説明いたします。本プロジェクトにおいて、科学的、定量的データに基づいて、様々な南海トラフ地震のシナリオごとに想定されたリスク情報が民間企業の全国規模の総合防災訓練や地方自治体での訓練などに活用され、地域の実情に応じた防災対策のカスタマイズに有効に活用されたということが評価されました。
続きまして、効率性です。通し番号453ページを出してください。本プロジェクト内の課題間で相互に研究成果を活用できたこと、他のプロジェクトで得られた地下構造データ、地殻変動データ、海域における断層データベース等の成果を最大限活用するなどして、効率的に研究開発が推進されました。そのことが委員会でも高く評価されております。
以上のことから、454ページにありますように、総合評価として、本プロジェクトは、南海トラフ地震の多様な活動を把握・予測し、社会を守る仕組みをつくり、地域に情報発信するための研究開発を実施し、国・地方自治体・企業等による南海トラフ地震の防災対策に資するための所期の目標は達成できたと評価いたしました。
今後の展望ですが、455ページの下のほうにあるかと思いますが、本プロジェクトで一定の研究開発が達成されました。ただ、南海トラフ地震の通常とは異なるような異常な現象の一つのシナリオについて解明できたというところでありまして、ほかの現象についての具体的な判別方法や対策の検討にまだまだ課題が残っております。
昨年の能登半島地震で顕著だった複合災害、それから、連鎖災害、こういったものについても被害の予測精度を向上させ、地域性を考慮した事前対策を加速させる研究は急務であります。最新の技術を用いて、被害の低減方策、復旧・復興の迅速化に資する研究が望まれると考えております。そして、安全・安心な社会の構築に向け、人文・社会科学と自然科学が連携して研究を行うことで、事前対策を実用化・高度化し、社会が受ける被害を最小化することができるさらなる調査研究が必要と考えております。このような考えの下で、さらなる調査研究として、南海トラフ地震と巨大地震災害の被害最小化及び迅速な復旧・復興に資する地震防災研究プロジェクトを来年度以降実施していく予定となっております。
防災科学技術委員会からは以上でございます。
【観山分科会長】 ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明に関しまして、御意見、御質問がありましたら、どうぞ挙手ボタンを押していただければと思います。
よろしいでしょうか。ありがとうございました。
次に、航空科学技術委員会の事後評価1件について、同委員会主査の土屋委員から5分で御説明をお願いいたします。
【土屋委員】 航空科学技術委員会の土屋です。資料の共有はお願いできますでしょうか。資料は458ページから始まります。
こちら、航空科学技術分野研究開発プランが示されておりまして、次のページに進んでいただけますか。この中で、2018年から2023年までありました一番上にあるコアエンジン技術の研究開発に関する事後評価になっております。
462ページから事後評価結果(案)がありますので、そちらに進んでください。事後評価の対象となっているコアエンジン技術の研究開発。こちら、平成30年度から令和5年度に実施されて、中間評価を令和元年8月に受けております。
本研究は、2030年代に就航が予測される次世代航空機用エンジンのキー技術として、環境適合性と経済性を大幅に改善する燃焼器、タービン等から成るコアエンジン技術の研究開発を、研究代表者、主幹研究機関としてJAXA、それから、共同研究機関として、株式会社IHI、川崎重工業株式会社が進めてきたものです。実用化に向けて産業界との緊密な連携を図り、エンジンシステムレベルの技術実証も見据えた研究開発を進めて、性能の要素実証をするなど、コアエンジン技術の確立を目指しました。
464ページから事後評価票があります。アウトプット指標として、JAXAと民間企業との間に共同研究が2件、また、現時点で、2件の特許を出願準備中で、ほかに特許出願に向けて調整中の候補があります。また、先行特許に関する権利範囲の定義が困難などの理由によって、ノウハウとして秘匿すると判断した知的財産もあります。
次のページに進んでください。評価結果があります。課題の達成状況としましては、超低NOxリーンバーン燃焼器、こちらは燃料を少ない空気で効率よく燃やすリーンバーン技術を活用して、航空機エンジンのNOx排出を大幅に削減するというものです。この技術は厳しい国際排出基準をクリアして、海外の技術に対しても優位性を保つ成果を達成しました。具体的には、高温高圧環境でNOxを国際基準値より80%削減する技術を開発しました。また、燃焼時に発生しやすい振動を抑えるレゾネータ技術、それから、燃焼ノズルの冷却技術を確立しています。また、セラミックス基複合材料、CMCパネルを活用した冷却設計、健全性の実証、燃焼器の過渡応答性能と航空着火性能の確認を行いました。
次世代エンジンの燃費向上に大きく貢献する高温高率タービン技術に関してはCMC静翼の設計において高温試験や冷却サイクル試験を実施し、健全性を確認しました。また、高効率メタル動翼を用いたタービン性能試験では目標を上回る効率向上を達成しました。
以上から、本研究開発の有効性は高いものであったと評価いたします。
次に468ページ、上位施策への貢献状況ですが、本研究開発は、航空機の環境適合性、経済性向上を可能とする革新的なコアエンジン技術により、国内メーカーが次世代航空機用エンジンの国際共同研究開発において設計分担を担えるレベルまで、技術成熟度を高めることを目的に実施されたもので、こちら、第6期科学技術・イノベーション基本計画に対応する航空科学技術分野に関する研究開発ビジョンの実施に資するとともに、我が国の航空科学技術の発展に大きく貢献するものです。
469ページにありますが、総合評価として、これまで述べてきたような研究成果を上げてまいりました。こちらは研究開発当初から研究開発成果の受け手である国内の航空エンジンメーカー2社と共同研究開発を行っておりまして、成果の社会実装に向けた体制が構築されております。国内メーカーが既に国際共同開発で獲得しているエンジンの低圧部に加えて、高温高圧部の新たな分担を獲得することが大いに期待できるようになりました。すなわち、我が国の航空機産業の振興、国際競争力強化に資するものと考えられます。
次のページに移っていただけますか。今後は、JAXAには実用化に必要なエンジン搭載試験、より高いTRLでの実証、新材料の製造技術の開発等で、国内エンジンメーカーの活動を支援すること。さらに本研究開発を基に、オープンロータ、電動化、水素等の新燃料への対応、次世代の推進システム技術のための技術開発に取り組むこと。また、大型設備を活用した基盤研究の維持強化、それと、試験評価技術・設備能力の強化を求めてまいります。
以上です。
【観山分科会長】 ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問がある方は、挙手ボタンをお願いいたします。
ありがとうございました。
それでは、これで、以上、事後評価2件の説明が終了いたしました。改めて全体を通して御意見、御質問のある方は、挙手ボタンをお願いいたします。
よろしいでしょうか。それでは、御審議いただきました評価案につきまして、本分科会として決定したいと思いますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【観山分科会長】 ありがとうございました。
それでは、分科会として、評価案を決定したいと思います。どうもありがとうございました。
それでは、続きまして、議題3の「研究開発プログラム評価の進め方」について御審議をお願いいたします。
それでは、まず事務局から説明をお願いいたします。
【伊藤科学技術・学術戦略官】 事務局でございます。資料3、通し番号で473ページを御覧ください。この研究開発プログラムは、国の研究開発評価に関する大綱的指針、いわゆる大綱的指針でございますが、数次にわたって改正が行われ、最近だと平成28年に改正されています。その中で、このプログラム評価を実施していく旨の記載が盛り込まれたところでございます。
大綱的指針を踏まえて、省ごとに研究開発に関する評価指針を定めていて、28年の改正に伴い、文科省も29年に評価指針の改正を行っています。そういった中、研究開発プログラムの評価は、科学技術・学術審議会の研究計画・評価分科会で取り組んでいて、第10期、それから第11期において、それぞれ試行的に実施させていただいたところであります。
関係部局や委員会において議論が行われ、そこでの指摘や、知見なども踏まえまして、文科省における適切な仕組みの在り方について、いろいろ御議論いただいてきたわけでございます。
今期は第12期ですけれども、12期においても分科会の会議が始まった当初に、試行的な実施を今期も行うとされたところ、第11期における試行的実施が令和5年の1月ぐらいに議論されたこともございまして、12期に入ってからも、11期の議論などを踏まえた整理などを行ってまいりました。
また、他府省、このプログラム評価は、文科省だけでなく政府全体において研究開発を行っているところは、やはり評価を行っております。そういったことですので、他府省のプログラム評価の在り方などもいろいろと参考にさせていただき、課題の抽出等を進めてきたところでございます。
これらの内容は、参考として下の方にいろいろと書かせていただいております。これらは、第11期のプログラム評価のときに出てきた意見でございまして、またお時間のあるときに見ていただければと思います。そういった中、研究開発プログラムについては、政府といいますか、文科省の中で、まず大きな政策があって、教育にせよ、科学技術・学術、文化、スポーツにせよ、分野別の取組がいろいろあり、それらの中でさらに研究開発などがいろいろ行われているといったように、どんどんブレークダウンしていっているわけでございます。
一方、下側の直接の取組である事業を捉まえますと、今まさに事前評価、中間評価、事後評価を行っている研究開発課題というものがございまして、それらに対し、事業の一定の期間ごとに評価を行っていただいております。こういった中に、このプログラムもございまして、課題を政策体系の中である程度取りまとめたものがプログラムでございます。
また、文部科学省においては、プログラムの上にさらにプランといって、プログラムをある程度まとめた形で整理した、体系的な取組がございます。1プログラムで1プランというものもありますし、ライフサイエンスのように複数のプログラムを一つのプランとしてまとめたものもございます。こういった政策体系の中で、プログラム評価を行うときに、課題との関係性、また、より上位の政策との関係、そういったことも踏まえた仕組みの在り方として、より効率的、効果的にどうやって行っていくかということが議論になっているわけでございます。
評価書の分量についていうと、これまでの評価の議論の中で、かなり分量が多いのではないかといったお話もございまして、例えば、経済産業省のプログラム評価は数十ページぐらいであり、その中で、プログラムにおける背景や経緯、そういったことを中心に整理されております。
また、評価の実施時期については、今は試行的実施ということで、あまり実施時期について配慮しているわけではないのですが、今後本格的に実施していくのであれば、例えば、研究開発課題の事前評価と同じように、政府が行う概算要求の前に実施することが考えられ、そういったことをきちんと整理していくことの重要性も、改めて浮き彫りになってきているわけでございます。
そうした中で、今、第6期の科学技術・イノベーション基本計画が終わりつつあり、第7期計画の策定作業が昨年末、12月より始まったところです。基本計画が策定された後は、大体、大綱的指針も見直されることが多く、このプログラム評価の在り方について、今期はなかなかその辺りの整理が難しかったところがございます。次期分科会においては、基本計画の取組と、その後に続くであろう大綱的指針の見直し、更に文科省の評価指針、研究開発評価に関する見直し作業をまた考えていくことになりますので、そういった状況なども踏まえまして、次期の分科会以降において、改めて整理・議論させていただければということで、この資料を作成したわけでございます。
以上でございます。
【観山分科会長】 ありがとうございました。
ただいまの意見に関して、御意見、御質問がある方は、挙手ボタンをお願いいたします。
要するに、今期、試行的に研究開発評価を実施すべきではないかという申し送りもあったのですが、なかなかそれぞれの専門分野の委員会の評価等々で、時間を使ったということもあるんです。全体的な議論をする時間がなかなかなくて、結局、今期はプログラム評価というものを進めることができませんでした。ぜひ来期に対して、こういう評価に対しての御意見があれば申し送りをして、また、新しい委員会で議論していただいて、適切なプログラム評価ができればと思うところでございますが、いかがでございましょうか。
やはりそれぞれの小さい単位よりは、プログラムという広いレベルで評価をすることは重要ではないかと思いますが、労力のかけ方だとか、それから、様式とか、それのフィードバックをどのようにするのかというのが来期に対しての申し送りではないかと思いますが、いかがでしょうか。
栗原委員、どうぞ。
【栗原委員】 栗原です。ありがとうございます。そうだとすると、今期が終わった段階で、その在り方が今回決まるわけではないですけれども、来期への申し送り事項、各委員の皆さんから意見を今後集めるということでよろしいんでしょうか。
【観山分科会長】 ただ、今期も2月の半ばでおしまいになりますので、そこまでに、事務局、どうですかね。今すぐにということでもなく、何か御意見があれば事務局に送っていただくということでも受け付けたいと思いますが、いかがでしょうか。
【伊藤科学技術・学術戦略官】 ありがとうございます。今期の評価分科会はこれで最後でございまして、この機会にいただければとも思っておりますが、事務局にこんなふうにしたらどうだといった御意見を個別に送っていただけるのであれば、次期分科会における申し送りとして、そちらも踏まえて、またいろいろと検討させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
【観山分科会長】 ということでございます。ですから、今日、ここで御意見をいただかなくても、少し考慮いただいて、こういうことにするべきではないかとか御意見がありましたら送っていただければと思います。
【栗原委員】 分かりました。そのようにさせていただきますが、とはいうものの、ちょっと感じたことが二、三ありますので、この場で申してもよろしいでしょうか。
【観山分科会長】 どうぞ。
【栗原委員】 ありがとうございます。私は、最近、この評価に携わらせていただいて、前回出た意見でもありますけれども、この分量を、かつ、この情報で妥当性を判断するのはかなり難しいと思いました。難しい点の一つは、プロジェクトの当初計画に対して、どれだけ進捗したかということだけを見ますと、あまり問題点は出てきません。しかし、本当にもっと大きく見ると、そのプログラムあるいはプランが置かれている環境がそもそも変わっているとすると、初期の計画を見直す必要がないのかどうかという点も確認すべきだと感じます。ゴール対進捗とすると、そのゴール設定が大きな環境変化の中で変わっていないのかという点は確認すべきだと思います。
それからもう一つは、全体の中で、このプロジェクトが果たす役割というのを常に念頭におく必要があると思います。個々のプロジェクトは、今日の全体スケジュールの中でも一つ一つが位置づけられているわけですけれども、全体との整合性や政策全体の見直しは科学技術・学術審議会そのものでやるのか、あるいはこの評価分科会でやるのかというところはありますが、全体を見ながらプロジェクト評価をしていく必要があると感じました。
以上です。
【観山分科会長】 どうもありがとうございました。非常に重要な指摘だと思います。1番目は、それぞれのプログラムの環境変化みたいなものがどのように入れられるのかということ。2番目は、ちょっと別の言葉で言うと、トップダウンの変化に対してどのように対応していくのかという上からの変化の部分でございますよね。そういうところをどのように対応するのかという御意見だったと思いますが、事務局、当面、何かコメントがありましたら。
【伊藤科学技術・学術戦略官】 13期が始まったときに、またいろいろとどうしていくかを考えていかなければならないと思っております。11期からそうでしたけれども、今、栗原先生からいただいた御意見も踏まえて、まさにプログラムやプランのゴール、あるいは設定の環境が変わっていくということは非常に重要なところだなと認識しております。EBPMとかの資料をいろいろ見ていくと、やはり先生がおっしゃられたところの重要性に触れられていると思っていますので、そういったところも踏まえまして、少し検討し対応させていただければと思います。ありがとうございました。
【観山分科会長】 はい。どうも。ほかの委員で何かコメントとか御意見ございますか。
どうもありがとうございました。先ほどありましたとおり、もしも御意見ありましたら、事務局にまたメール等でお伝えいただければと思います。
もしもできましたら、私のほうでも事務局と協議して確認させていただきたいと思います。次期の本分科会でそれらを紹介して、プログラム評価の実施の助けになればと考えております。どうもありがとうございました。
それでは、最後に、議題4、その他になります。本日をもって今期の研究計画・評価分科会の開催は最後となります。これまでの今期の本分科会の取組について、お気づきの点がありましたら御意見をいただければと思いますけども、いかがでしょうか。もう全般的な話でもいいし、今のところでもよろしいんですけれども。
突然言われてもお困りかもしれませんけども。この点に関しても何かございましたら、事務局にお知らせいただければと思いますけれども、よろしいでしょうか。
今期、これが最後になりますので、分科会長からは、ご挨拶します。どうも本当に御協力ありがとうございました。それぞれ専門の委員会で評価されたものをこの分科会で、広い目で見るということで、承認、了解するということが一つのファンクションだったと思います。けれども、なかなか非常に多方面にもわたるもので、評価の難しい点もあったと思いますが、先生方の御意見や活発な意見交換がありまして、研究計画・評価分科会がうまく機能できたのではないかと思っております。本当に適切に御協力頂きまして」感謝させていただきたいと思います。2年間でございましたけれども、どうも本当にありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
それでは、事務局から事務連絡等ありましたらお願いいたします。
【川村研究開発戦略課専門官】 事務局でございます。
まず、分科会長からもおっしゃられましたとおりですけれども、本日の開催をもって、今期、第12期の当分科会の開催は最後となります。
次に、本日の議事録ですけれども、後日、事務局よりメールで送付いたしますので、御確認いただきますようお願い申し上げます。最終的に観山分科会長に御了承いただいた上で、文部科学省のウェブページに掲載いたしますので、よろしくお願いいたします。
事務局からは以上でございます。
【観山分科会長】 ありがとうございました。
それでは、最後に、井上科学技術・学術政策局長から一言御挨拶をいただければと思います。
【井上科学技術・学術政策局長】 観山先生、ありがとうございます。今日が今期の最後ということでございまして、一言御挨拶させていただきます。
まず、委員の皆様におかれましては、非常にお忙しい中、この分科会に御参画いただきまして、厚く御礼を申し上げます。特に観山分科会長、五十嵐分科会長代理におかれては、本分科会の議論をリードしていただくとともにお支えいただきまして、大変ありがとうございました。
今期の研究計画・評価分科会、全部で11回開催していただきまして、事前評価10件、中間評価21件、事後評価3件、合計34件。また、研究開発プランの変更につきましても、15件、御審議いただきました。
いただきました評価につきましては、文部科学省の政策評価、概算要求内容の検討、また、後継課題の検討、実施などに活用させていただきます。
また、本日も御議論ありましたけれども、プログラム評価の在り方も含めまして、より効果的な評価の在り方についても、事務局としてよく検討していきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
現在、第7期の科学技術・イノベーション基本計画の策定作業も始まったところでございますが、今後とも委員の先生方とは様々な機会を通じて問題意識を共有させていただき、日本の科学技術・イノベーション政策の推進のために御指導、御助言を賜りたいと思っておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
最後になりますが、改めて委員の皆様方のこれまでの御尽力に感謝申し上げるとともに、皆様方のますますの御活躍を祈念いたしまして、お礼の挨拶とさせていただきます。本当にありがとうございました。
【観山分科会長】 どうもありがとうございました。
それでは、これで科学技術・学術審議会、第95回研究計画・評価分科会を終了いたします。どうもありがとうございました。
科学技術・学術政策局研究開発戦略課